JP3451620B2 - 信号処理方法および走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

信号処理方法および走査型プローブ顕微鏡

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JP3451620B2 JP2000112478A JP2000112478A JP3451620B2 JP 3451620 B2 JP3451620 B2 JP 3451620B2 JP 2000112478 A JP2000112478 A JP 2000112478A JP 2000112478 A JP2000112478 A JP 2000112478A JP 3451620 B2 JP3451620 B2 JP 3451620B2
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    • G01QSCANNING-PROBE TECHNIQUES OR APPARATUS; APPLICATIONS OF SCANNING-PROBE TECHNIQUES, e.g. SCANNING PROBE MICROSCOPY [SPM]
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分解能で、かつ
画像取得の時間を短縮させる信号処理方法および走査型
プローブ顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ顕微鏡は、先端の鋭い探
針により試料表面を走査し、探針と試料との相互作用を
検出してこれを定常とするように探針と試料の間の距離
を制御し、このときの制御信号から試料表面の凹凸構造
を画像化するという基本的な機能を有している。
【0003】走査型プローブ顕微鏡において、探針と試
料との相互作用としてトンネル電流を検出する場合は走
査型トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscope;
STM)と呼ばれる。また検出する量が探針と試料の
間に働く力に関わる量であるときは原子間力顕微鏡(At
omic Force Microscope; AFM)と呼ばれることが多
い。
【0004】走査型プローブ顕微鏡において、探針と試
料との相互作用として電気的、あるいは磁気的な相互作
用を検出する場合は、探針−試料間の力学的な相互作用
を一定とするために探針−試料間の距離に帰還制御を施
してこの相互作用を定常とする基本機能が必須であり、
これに加えて、試料表面を走査するとともに注目する電
気的あるいは磁気的な量を検出することになる。
【0005】探針と試料の間の距離を制御するアクチュ
エーターには通常、ピエゾ素子が用いられ、その走査範
囲は例えば10μm角程度が想定され、試料の傾きある
いは凹凸を補償するために想定される変位の程度は〜5
μm程度である。
【0006】上述した走査範囲と制御範囲を実現するた
めの典型的なピエゾ素子は、高さ5〜9cm、外径〜1
cmほどの円筒形をしているか、あるいはトライポッド
型の複合ピエゾ素子である。
【0007】これらの素子は、その大きさあるいは複合
構造のため力学的な共振の基本振動数を数kHz以下に
もっていることが多い。したがって、実際の測定におい
て探針−試料間の距離を制御できる帯域は数kHz以下
に制限される。このことは走査の速度をも制限すること
を意味する。
【0008】そのため、通常試料表面の凹凸構造を制御
信号から信頼性よく取得するのに一画面の画像あたり5
〜8分以上の長い時間を要する。画像取得に要する時間
を低減するために走査速度を上昇させると、画像の凹凸
構造に対する忠実性は損なわれて、画像は劣化すること
となる。
【0009】すなわち、高速の走査に制御が追いつか
ず、探針が試料に衝突して探針あるいは試料の劣化をも
たらすばかりでなく、例えば導電性探針を用いた試料の
電気的特性を信頼性よく測定することは、探針−試料間
の相互作用が変動するため困難となる。
【0010】ところで、探針からの信号の帯域と制御素
子(ピエゾ素子)の利用可能な帯域とは一般に異なり、
例えばSTMにおける電流信号の帯域はピエゾ素子の帯
域より数桁以上広い。このことを利用して、走査速度を
改善する方法として探針からの信号とピエゾ素子への信
号の両者の線形和を取って試料表面の凹凸構造画像を得
る方法(特許第2713717号)がある。
【0011】さらに探針を一端に備えたカンチレバーを
プローブとして用い光テコの原理を使用して探針の変位
に由来する信号を検出する場合においても、プローブを
選ぶことにより、探針からの信号の帯域を試料と探針と
の相対的な距離を制御するピエゾ素子の利用可能な帯域
より広くすることができる。
【0012】また試料と探針の距離を制御するために2
つ以上のアクチュエーターを用いる方法として、インチ
ワームを用いて試料の傾きに由来する変位の補償を行
い、併せてトライポッド型複合ピエゾ素子に探針を装着
して試料表面の凹凸構造に由来する探針の変位の補償と
表面の走査に用いる方法(特開平2−5339号)があ
る。
【0013】また高速および低速の2つのアクチュエー
ターを組み合わせることにより、表面の凹凸の大きな試
料に対する測定に応用した例(特開平10−31184
1号)がある。
【0014】また2つ以上のピエゾ素子を用いて試料表
面の凹凸を走査した際の探針変位の異なる周波数成分の
補償を行い、しかも、これらのピエゾ素子への制御信号
を用いて試料表面の凹凸画像を得るようにしたものがあ
る(特開平10−10140号)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複数の
アクチュエーターを使用して前記目的を達しようとする
上述の従来技術は、高速に試料表面の凹凸画像を得るに
は必ずしも十分なものではない。
【0016】高速の走査に対応するためには、試料表面
の凹凸構造を表す探針の変位を、該変位を補償するため
の相補的な複数の制御信号及び/又は探針からの信号を
用いて探針の変位を定常状態に回復するとき、これら複
数の信号相互間の関係を精度よく、しかも可能な限り簡
便に得ることが課題である。
【0017】多くの場合、探針の変位は光テコを用いて
検出される光信号により検出されるものであり、探針の
変位は、必然的に光テコの幾何学的構造,利用する光
量,探針を一端に持つカンチレバーの光反射率,光検出
素子の光電変換率など多くのパラメータに依存してい
る。また制御信号を変位に換算する際のピエゾ素子の電
気−機械変換係数もそのピエゾ素子の安定性に依存し、
頻度多く校正する場合が多い。
【0018】したがって、探針の変位信号と制御信号と
を用いて高速走査の下に試料表面の凹凸像を得る場合に
おいて、個々の校正作業により必要な係数が求められた
としても、それらを一定に保持することは現実的ではな
く、また目的とする係数の信頼性を確保することは容易
ではない。
【0019】高速走査を標榜する走査型プローブ顕微鏡
の一層の実用化を図るために、これらの変位に関わる信
号相互間の関係を、測定の際の諸条件と同じ条件下で決
めることが重要である。
【0020】さらに、高速に画像を得る方法として複数
のアクチュエーターにより探針の変位を補償し、これら
のアクチュエーターへの制御信号から試料表面の凹凸像
を得ることが考えられる。
【0021】しかし、例えば特開平10−10140号
公報に開示された2つのピエゾ素子の制御方法に関して
は、信号を複数の帰還ルートに分割しているにも拘わら
ず、2つの帰還ルートに低周波域で重複した制御信号を
含み得ることを除外していない点は全体の動作の不安定
性を生じる恐れがある。
【0022】さらに特開平10−10140号公報に開
示された技術では、試料表面の凹凸画像を取得するにあ
たって、信号の和を取る段階で2つのピエゾ素子への制
御信号の単なる和を取っている点は、2つのピエゾ素子
の電気−機械変換の変換係数が当然異なることからして
演算処理に問題がある、すなわち開示された内容から解
決しようとする課題を解決することはできない。帰還に
関わる複数の制御ルートがあるとき、帰還全体の安定性
を確保して制御ルートを複数に分割する手段を講じると
共に、その分割された複数の制御ルートにおける制御信
号を用いて試料表面の凹凸に相当する変位の信号を回復
する手段が講じられなければならないからである。
【0023】単に2つのアクチュエーターを使用して高
速走査を実現する技術は、例えば論文Review o
f Scientific Instruments,
64,692(1993)に開示されている。
【0024】以上の考察の結果、走査型プローブ顕微鏡
における高速走査と両立可能な複数の制御手段における
帰還制御,試料表面の凹凸像を得るための信号処理に関
しては未だ不十分であることは明らかである。
【0025】走査型容量顕微鏡では、試料表面層とその
下部の電極との間の容量を検出するのであるが、その検
出は必ずしも容易ではなく、特に試料表面の凹凸の大き
い誘電体材料が下部電極上に形成されている場合、試料
の面素片あたりの容量を走査するに際して検出するに
は、探針と試料表面との相対的な距離を先行して一定に
制御、保持して走査を行わなければならないため、容量
に関わる画像は試料表面の凹凸構造に関わる画像の取得
に要する時間よりは速く取得できない。
【0026】したがって、走査型容量顕微鏡において画
像を高速に取得するには、探針と試料との相対的な距離
の制御に要する時間を短縮することが重要であり、それ
が達成されれば容量の画像とともに、試料表面の凹凸構
造に関わる画像をも高速の走査により取得することが可
能であり、走査型容量顕微鏡の適用範囲も広がり一層の
実用化を図れるに違いない。
【0027】本発明の目的は、高分解能で、しかも画像
取得の時間を短縮する信号処理方法および走査型プロー
ブ顕微鏡を提供することにある。
【0028】
【課題を解決する手段】前記目的を達成するため、本発
明に係る走査型プローブ顕微鏡の信号処理方法は、試料
と探針の間に相対的な変位を与え、前記相対的変位に基
いて探針と試料の間に生ずる相互作用の変化を検出し、
その検出した変化量を前記相互作用を定常な設定値に保
持するために前記相対的な変位量に帰還して制御する走
査型プローブ顕微鏡の信号処理方法において、測定のた
めの走査を行う前段階で、前記相互作用の変化信号を探
針−試料面間の距離データに帰還して補償するための制
御手段を動作させ、その動作中に検出された前記相互作
用の変化量を前記設定値に加算することにより、前記設
定値を一時的に変化させ、前記設定値の変化に伴って変
化する変位に関わる複数の信号(探針による検出信号,
制御手段における制御信号,制御手段が実現する変位を
計測した計測信号)を収集して、前記複数の信号相互間
の関係を演算し、かつ前記演算結果を記憶し、一時的に
変化させた前記設定値を定常値に戻して測定のための走
査を行う際に、前記記憶された演算結果と実時間の前記
複数の信号相互間の積を演算し、その和を取って、試料
表面の形態に対応する信号を得て画像化するものであ
る。
【0029】本発明に係る走査型プローブ顕微鏡は、試
料と探針の間に相対的な変位を与え、前記相対的変位に
基いて探針と試料の間に生ずる相互作用の変化を検出
し、その検出された変化量を前記相互作用を定常な設定
値に保持するために前記相対的な変位量に帰還して制御
する走査型プローブ顕微鏡において、測定のための走査
を行う前段階で、前記相互作用の変化信号を探針−試料
面間の距離データに帰還して補償するための制御手段を
動作させ、その動作中に検出された前記相互作用の変化
量を前記設定値に加算することにより、前記設定値を一
時的に変化させる手段と、前記設定値の変化に伴って変
化する変位に関わる複数の信号(探針による検出信号,
制御手段における制御信号,制御手段が実現する変位を
計測した計測信号)を収集して、前記複数の信号相互間
の関係を演算し、かつ前記演算結果を記憶する手段と、
一時的に変化させた前記設定値を定常値に戻して測定の
ための走査を行う際に、前記記憶された演算結果と実時
間の前記複数の信号相互間の積を演算し、その和を取っ
て、試料表面の形態に対応する信号を得て画像化する手
段とを有するものである。
【0030】また本発明に係る走査型プローブ顕微鏡
は、試料と探針の間に相対的な変位を与える変位手段
と、前記相対的変位に基いて探針と試料の間に生ずる相
互作用の変化量を検出する検出手段と、前記検出された
変化量を前記相対的な変位量に帰還して前記相互作用を
定常な設定値に保持制御する制御手段とを有する走査型
プローブ顕微鏡において、前記帰還制御が動作し、走査
が停止している下で前記設定値を変化させる手段と、前
記設定値の変化に応じて変化する探針信号と前記制御手
段において変化する制御信号とを収集し、制御信号に対
する探針信号の一次の変化率を演算し、演算の結果を記
憶する演算記憶手段と、測定のための走査を行う際に前
記演算記憶手段に記憶された演算結果を用いて、試料表
面の形態に相当する変位信号を実時間の前記探針信号と
制御信号とから実時間で合成する合成手段を有するもの
である。
【0031】また本発明に係る走査型プローブ顕微鏡
は、試料と探針の間に相対的な変位を与える手段と、前
記相対的変位に基いて探針と試料の間に生ずる相互作用
の変化を検出する検出手段と、前記検出された変化量を
前記相対的な変位量に帰還して前記相互作用を定常な設
定値に保持制御する制御手段とを有する走査型プローブ
顕微鏡において、前記帰還制御が動作し、走査が停止し
ている下で前記設定値を変化させる手段と、前記設定値
の変化に応じて変化する探針信号と複数の制御手段にお
いて変化する複数の制御信号のそれぞれを収集し、複数
の制御信号のそれぞれに対する探針信号の変化率を演算
し、演算の結果を記憶する演算記憶手段と、測定のため
の走査を行う際に前記演算記憶手段により記憶された演
算結果を用いて、実時間の探針信号と複数の制御信号と
から実時間で試料表面の形態に相当する信号を合成する
合成手段とを有するものである。
【0032】また本発明に係る走査型プローブ顕微鏡
は、試料と探針の間に相対的な変位を与える手段と、前
記相対的変位により探針と試料の間に生ずる相互作用の
変化を検出する検出手段と、前記検出された変化量を前
記相対的な変位量に帰還して前記相互作用を定常な設定
値に保持制御する制御手段とを有する走査型プローブ顕
微鏡において、前記制御手段の一により実現される変位
量を計測する計測手段と、前記帰還制御が動作し、走査
が停止している下で前記設定値を変化させる手段と、前
記設定値を変化させる手段により与えられる変化量に応
じて変化する前記計測手段の出力信号と前記計測手段に
関わらない他の制御手段における制御信号とを収集し、
前記他の制御手段における制御信号にそれぞれ対応する
前記計測手段の出力信号の一次の変化率を演算し、演算
の結果を記憶する演算記憶手段と、測定のための走査を
行う際に前記演算記憶手段により記憶された演算結果を
用いて、実時間の前記計測手段の出力信号と前記計測手
段に関わらない他の制御信号とから実時間で表面凹凸に
相当する信号を合成する合成手段とを有するものであ
る。
【0033】
【0034】
【0035】また前記制御手段は、相補的な低域濾波器
及び高域濾波器と、前記分割されたそれぞれの信号を増
幅するための増幅手段と、前記増幅手段から出力される
制御信号に基いて駆動されるアクチュエーターとを有す
るものである。
【0036】また前記制御手段は、前記検出された変化
の信号を増幅するための増幅器と、前記増幅器により増
幅された制御信号に基いて駆動するアクチュエーター
と、前記制御信号の低周波成分を与える低域濾波器と、
前記低域濾波器の出力を第2の制御信号とするアクチュ
エーターとを有するものである。
【0037】また前記設定値を変化させる手段として、
測定のための走査を行う際に用いる帰還制御のための設
定値に周期的に変化する信号を加算する手段を有するも
のである。
【0038】また前記演算記憶手段は、走査を停止して
いる下で、変位に関わる複数の信号(前記探針信号、前
記変位計測手段からの出力信号および複数の前記制御信
号)をアナログ−デジタル変換するためのA−D変換器
と、前記設定値を変化させる手段を用いて設定値を変化
させたとき変化する変位に関わる複数の信号をアナログ
−デジタル変換させた後にデータを収集し、その収集さ
れたデータに基いて前記複数の信号相互間の1次の変化
率を演算する演算装置と、前記演算結果を記憶するため
の記憶装置と、データを転送するための転送装置とを有
するものである。
【0039】また前記合成手段は、変位に関わる複数の
信号(前記探針信号,前記変位計測手段からの出力信号
および複数の前記制御信号)から選ばれた変位をスケー
ルする基準となる一つの基準信号の前記変位に関わる一
つまたは複数の信号に対する1次の変化率の演算結果を
受け取るための受信装置と、前記一つまたは複数の1次
の変化率のそれぞれに対応する変位に関わる実時間の信
号との積を取るための一つあるいは複数の乗算器あるい
は可変利得増幅器と、得られた一つの出力と実時間の基
準信号との和、あるいは複数の乗算器または可変利得増
幅器の出力の和を取るための加算器とを有するものであ
る。
【0040】また前記合成手段は、前記乗算器または前
記可変利得増幅器がデジタルデータとアナログ信号の乗
算を行う乗算型ディーエーコンバーター(DAC)を構
成要素に含むものである。
【0041】また前記検出手段は、探針が試料と常時接
触する状態で動作するものである。
【0042】また前記検出手段は、探針が試料と周期的
に接触する状態で動作するものである。
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】以上のように本発明によれば、試料表面の
凹凸構造応じた探針の変位を補償する変位に関わる制
御信号、探針により検出された信号(探針信号)あるい
は制御手段により実現される変位を計測する手段のある
ときその計測手段からの出力信号が複数あって、これら
の変位に関わる信号を用いて試料表面の凹凸をあらわす
変位を回復するとき、試料表面の凹凸像を得るための走
査をはじめる前に、探針の変位を補償する制御が動作し
ている下で、これら複数の信号相互間の関係を簡便に精
度よく決定し、測定のための走査に際しては決定された
複数の信号相互間の関係と実時間の複数の信号を用いて
試料表面の凹凸に応じた変位を合成し、高速走査を実現
するものである。
【0047】前記複数の変位に関わる信号が探針からの
変位信号と1つのアクチュエーターへの制御信号である
とき、試料表面の凹凸像を測定するときに用いる一定の
設定値に対して帰還のための制御が動作しているとき、
測定のための走査を開始する前に、前記一定の設定値に
鋸歯状波,三角波あるいは正弦波など周期的に変化する
信号を加算し、前記設定値の変化に対応する探針による
検出信号と制御信号とを収集し、これら2つの信号相互
間の関係を演算記憶するとともに、測定のための走査に
際しては、これらの記憶結果を用いて、実時間の探針か
らの変位信号と制御信号とから試料表面の凹凸像を合成
する。ここで、前記探針からの変位信号と1つのアクチ
ュエーターへの制御信号は、2つの周波数帯域に分割さ
れた変位に関わる信号である。
【0048】前記複数の変位に関わる信号が、複数の制
御手段における複数の制御信号であるとき、測定のため
のすべての帰還制御系が動作している下で、測定のため
の走査を開始する前に、変位に関わる複数の信号それぞ
れが属する周波数帯域の信号を前記一定の設定値に加算
し、前記加算された設定値に対して変化する複数の制御
信号と、探針による検出信号とを収集し、これらの間の
相互関係を演算し、これらの結果を記憶するとともに、
測定のための走査に際してはこれらの記憶結果を用い
て、実時間の複数の変位に関わる信号から試料表面の凹
凸構造に相当する信号を合成し、走査型プローブ顕微鏡
による画像を得る。
【0049】前記複数の変位に関わる信号が、複数の制
御手段の一が実現する変位を計測する手段からの出力信
号を含むとき、すべての帰還制御系が動作している下
で、測定のための走査を開始する前に、一定の設定値に
変位に関わる複数の信号それぞれが属する周波数帯域の
信号を加算し、設定値に加算された変化に対して変化す
る計測手段からの出力信号と計測手段をもたない制御手
段における制御信号とを収集し、これらの収集された信
号と加算の際に用いた各周波数帯域の信号との間の相互
関係を演算し、その演算結果を記憶するとともに、測定
のための走査に際してはこれらの記憶結果を用いて、実
時間の計測手段からの出力信号と計測手段をもたない制
御手段における制御信号から表面凹凸構造に相当する信
号を合成し、走査型プローブ顕微鏡による画像を得る。
【0050】探針からの検出信号を補償するために複数
の制御手段を用いて探針と試料との距離に帰還すると
き、複数の帰還ルートの安定性を確保して制御するため
には、それぞれのルートが互いに競合しないで帰還に寄
与する必要がある。
【0051】このため探針による検出信号を低域および
これに相補的な高域濾波器により周波数帯域で分割し、
前記分割された信号毎に増幅器を付設する。ここに、相
補的な分割とは、一つの信号が周波数帯域において過不
足なく分割され、その分割された信号の和が原信号と合
同であることを意味する。
【0052】前記複数の帰還ルートが互いに競合しない
で動作するための他の方法として、探針による検出信号
を増幅して、高周波域で駆動される小型のアクチュエー
ターへの制御信号として入力し、さらに前記小型アクチ
ュエーターが実現する変位のうち低周波域の成分を補償
するように、前記制御信号を低域濾波器により濾波した
制御信号により低周波域の変位を補償するアクチュエー
ターを駆動する。
【0053】変位に関わる複数の信号相互間の関係を校
正するために、帰還のための制御が動作している下で、
測定のための走査を開始する前に、複数の信号それぞれ
の帯域に属する鋸歯状波,三角波あるいは正弦波など周
期的に変化する信号を走査の際に使用する一定の設定値
に加算し、変位に関わる複数の信号それぞれの応答を収
集する。
【0054】このため設定値を変化させる手段として、
周期的に変化する信号を発生するための波形合成器と、
これを一定の設定値に加算するための加算器を実装す
る。
【0055】帰還制御が動作し、設定値を変化させる手
段により設定値が変化するときに変化する変位に関わる
複数の信号を収集し、変位に関わる複数の信号から選ば
れた変位をスケールする基準となる一つの信号(基準信
号)の前記変位に関わる一つまたは複数の信号に対する
1次の変化率を演算し、その変化率により記述できる信
号の値域とともに結果を記憶するための演算記憶手段を
実装する。
【0056】帰還が動作し、走査を行っているときに、
実時間で合成する手段として、前記基準信号の前記変位
に関わる一つまたは複数の信号に対する1次の変化率の
演算結果を受け取り、前記一つまたは複数の1次の変化
率それぞれと対応する変位に関わる実時間の信号との積
を取るための一つあるいは複数の乗算を行い、得られた
一つの出力と実時間の基準信号との和、あるいは複数の
乗算結果の出力の和を取ることにより、試料表面の凹凸
をあらわす信号を得るための演算記憶手段を実装する。
【0057】実時間で動作する前記合成手段を実装する
ため、デジタルデータとアナログ信号の乗算を行う回路
を提案する。デジタルデータには前記演算記憶装置から
の前記1次の変化率のデジタルデータ、アナログ信号に
は該変化率に関わる実時間の信号を入力し、乗算結果を
実時間のアナログ出力として得るとともに、演算増幅器
を実装しアナログ和演算を行う。
【0058】前記のうち複数の制御手段を用いる高速走
査法とその信号処理方法は、探針の動作に関わる種々の
ヴァリエーションに対応できるものであり、探針が常
時、試料表面と接触するコンタクトモード、あるいは周
期的に接触するタッピングモードなどの場合、さらには
小型水晶振動子に探針を装着し、その振動子系を力学的
な共振状態において探針と試料との相互作用により変化
する共振パラメーターを検出する方法にも同様に適用す
ることができるものである。
【0059】上述したうち複数の制御手段を用いる場
合、探針と試料との相互作用を相対的な位置を高速に制
御することにより定常に保持するため、探針と試料と電
気的相互作用を高速に走査して検出することもできる。
【0060】探針をマイクロ波共振器に組み込み、探針
と試料との相対的な距離情報、あるいは探針を試料と接
触させた状態での試料面素片の容量情報をマイクロ波共
振の共振状態の変化として検出する走査型容量顕微鏡に
おいても、複数の制御手段を用いれば高速に走査でき
る。
【0061】特に試料面素片の容量情報を問題とするな
らば、単にマイクロ波共振状態の変化を見るだけでな
く、試料の下部電極の電位を変化させて共振状態の変化
を見る所謂dC/dVを検出する方法であっても高速に
走査することができる。
【0062】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
より説明する。
【0063】(実施形態1)図1において、レーザー光
源101からの光はプローブ(探針102と、探針10
2を自由端にもつカンチレバー103)に入射し、反射
されて分割フォトディテクター104で検出され、位置
検出回路105により探針102からの信号(探針信
号)Vcとして取り出される。
【0064】探針信号Vcは誤差増幅器107の一の入
力端に入力され、一定の設定値信号SPは加算器106
を経て誤差増幅器107の他の入力端に入力する。
【0065】誤差増幅器107の出力信号は、低域濾波
器108を経た信号Vpとして高電圧増幅器109と演
算記憶装置110に入力する。
【0066】高電圧増幅器109の出力信号はピエゾ素
子111に入力され、ピエゾ素子111は試料112と
探針102との間隔をVcとSPとが等しくなるように
制御し、この帰還制御により前記試料112と探針10
2との間隔は一定に保持される。
【0067】ピエゾ素子111の大きさは直径12m
m、高さ90mmで肉厚1mmの円筒形をしており、そ
の力学的共振周波数は約2kHzである。低域濾波器1
08の遮断周波数は400〜700Hzである。
【0068】探針102と試料112の表面とが相互作
用し定常になるように一定の設定値に対して探針102
と試料112の間の距離が帰還制御される。
【0069】測定のための走査を開始する前に、コント
ローラー113は波形合成器114に変化する信号を合
成し加算器106に供給するよう指示する。典型的には
波形合成器114は低域濾波器108の通過帯域にある
鋸歯状波を発生する。
【0070】帰還制御はVcに前記鋸歯状波と相同の波
形を生むように作用する、すなわちピエゾ素子111を
伸縮し、探針102の変位を経てカンチレバー103の
変形、そしてVcの変化を引き起こす。
【0071】このとき種々のVcとVpの値の組みは演
算記憶装置110に入力され、VcをVpの多項式で当
てはめ記述し、その一次式で記述されるVpの値域と一
次の微係数dVc/dVpが記憶され、このデータを用
いることにより、VpとVcの間の非線形性を除去し、
真の凹凸像を得ることを可能とする。
【0072】これらのプロセスはコントローラー113
にあるディスプレイ116に表示される。
【0073】最初に設定された帰還制御は時間的に切れ
目なく引き続き成立している。次に試料面の走査を行う
のであるが、その前にコントローラー113は波形合成
器114に合成を停止し加算器106にゼロ電位を供給
するように指示する。
【0074】演算記憶装置110はVpに依存した記憶
内容の読み出しに応じることができ、かつ読み出された
データを凹凸信号合成器115に出力できる。
【0075】コントローラー113に設けられた走査信
号発生器117は走査信号を発生し、前記信号は高電圧
増幅器118により増幅されてピエゾ素子111に入力
され、探針102は試料112の表面を相対的に走査す
る。
【0076】前記走査にともない変化する信号Vcのゆ
っくりと変化する周波数成分、例えば試料の傾き、ある
いは緩やかな凹凸に由来する成分は誤差増幅器107,
低域濾波器108を通過して信号Vpとなってピエゾ素
子111を制御しVcを補償する。
【0077】したがってVcには残余の高い周波数成
分、例えば急峻な試料表面の凹凸などに由来する成分が
現れる。凹凸信号合成器115は演算記憶器110の出
力である一次の微係数を得て、前記係数とVpとの積を
取り、次にVpの値域によっては警告を発生する。
【0078】このようにして得られた凹凸信号合成器1
15の出力はVcにスケールされた試料表面の凹凸信号
に他ならない。この表面凹凸信号は走査信号に同期して
ディスプレイ116に画像として出力される。
【0079】前記実施形態では、図1において常時探針
102が試料112と接触する所謂コンタクトモードの
場合を示し、Vcはカンチレバー103の曲げ変位を表
しているが、変位に関わる信号Vcはこのような場合だ
けではなく、例えばカンチレバー103を力学的な強制
力のある共振状態の近傍に置き、周期的に探針102が
試料112の表面に接触するときのカンチレバー103
の振動の振幅であっても、また、その振動の強制力に対
する位相であっても良い。
【0080】さらには探針102が共振状態の近傍にあ
る小型の水晶振動子に取り付けられているとき、その振
動子の力学的インピーダンスに関わる量であっても良
い。
【0081】(実施形態2)図2は、2つのアクチュエ
ーターを用いた高速走査に対応した走査型プローブ顕微
鏡の例を示すブロック図である。
【0082】図2に示す本発明の実施形態2は、図1に
示す実施形態1の構成に、2つの制御信号を与えるため
の制御ブロック200,小型ピエゾ素子203とその駆
動用の電力増幅器202,探針102からの信号Vc
と、前記制御ブロック200が与えるピエゾ素子111
と小型ピエゾ素子203への制御信号VpとVphをモ
ニタする演算記憶装置204を付加している。またピエ
ゾ素子111の力学的共振周波数は約2kHzである。
ピエゾ素子203は力学的共振周波数は約70kHz、
3x4x5mmの大きさをもつ積層型素子である。
【0083】2つの制御信号を与えるための制御ブロッ
ク200の例として相補的な濾波器の組の実施例を図3
(a)に示す。低域濾波器108と高域濾波器201は
相補的な濾波器の組であり、探針102からの信号が誤
差増幅器107を通った後の信号を周波数帯域において
ピエゾ素子111への低周波信号Vpと、ピエゾ素子2
03への高周波信号Vphにそれぞれ分割する。
【0084】この例では、低域濾波器108と高域濾波
器201は、濾波作用をもつ部分が抵抗R1とR2およ
び容量C1とC2で構成され、R1・C1=R2・C2
=τを満たし(τはピエゾ素子111の力学的共振周波
数の逆数である時間の3〜4倍程度の時間)、前記抵抗
と容量で作られるそれぞれの濾波器の後段に増幅器を備
えている。
【0085】2つの制御信号を与えるための制御ブロッ
ク200の他の例として直列的な制御の実施例を図3
(b)に示す。誤差増幅器107の出力信号は増幅器2
05を経て小型ピエゾ素子203を駆動する高電圧増幅
器202へ入力される制御信号Vphとなる。
【0086】このVphのうちの低周波域の成分は低域
濾波器108により取出されピエゾ素子111を制御す
る信号Vpを与える。
【0087】このときVpにより実現するピエゾ素子1
11の変位はピエゾ素子203が実現する変位のうち低
周波域の変位を補償するように動作する。図示していな
いが、高電圧増幅器202へ入力される信号はVphを
高域濾波器201により濾波し、小型ピエゾ素子203
の共振周波数以下に制限した信号としている。
【0088】複数の変位に関わる信号の相互関係は次の
ように帰還制御の下で決定される。探針102と試料1
12の表面とが相互作用しており、探針102により検
出された信号Vcは一定の設定値において定常になるよ
うに探針102と試料112間の距離が帰還制御されて
いるとき、測定のための走査に先立って、コントローラ
ー113は波形合成器114に変化する信号を合成し加
算器106に供給するよう指示する。典型的には波形合
成器114は低域濾波器108の通過帯域にある鋸歯状
波を発生する。
【0089】帰還制御はVcに前記鋸歯状波と相同の波
形を生むように作用する、すなわちピエゾ素子111を
伸縮し、探針102の変位を経てカンチレバー103の
変形、そしてVcの変化を引き起こす。
【0090】このとき種々のVcと低域濾波器108の
出力Vpの値の組みは演算記憶装置204に入力され、
VcをVpの多項式で当てはめ記述し、その一次式で記
述されるVpの値域と一次の微係数dVc/dVpが演
算記憶装置204に記憶される。
【0091】これらのプロセスはコントローラー113
にあるディスプレイ116に表示される。
【0092】次にコントローラー113は波形合成器1
14が低域濾波器108を通過できないより高い周波数
の帯域にある典型的には正弦波形である電圧を合成する
よう指示する。
【0093】帰還制御はVcに前記正弦波形と相同の波
形を生むように作用する、すなわちピエゾ素子203を
伸縮し、探針102の変位を経てカンチレバー103の
変形、そしてVcの変化を引き起こす。
【0094】このとき種々のVcと高域濾波器201の
出力Vphの値の組みは演算記憶装置204に入力さ
れ、VcをVphの多項式で当てはめ記述し、その一次
式で記述されるVphの値域と一次の微係数dVc/d
Vphがともに演算記憶装置204に記憶される。
【0095】ここで、帰還制御は時間的に切れ目なく引
き続き最初の一定の設定値で成立していることに注意す
る。
【0096】次にコントローラー113は波形合成器1
14に合成を停止し加算器106にゼロ電位を供給する
ように指示する。演算記憶装置204はVpとVphに
依存した記憶内容の読み出しに応じることができ、かつ
読み出したデータを凹凸信号合成器115に出力するこ
とができる。
【0097】次に試料面の走査を行うため、コントロー
ラー113の指示で走査信号発生器117は走査信号を
発生し、前記走査信号は高電圧増幅器118により増幅
されてピエゾ素子111に入力され、探針102は試料
112の表面を相対的に走査する。
【0098】この走査にともない信号Vcのゆっくりと
変化する周波数成分、例えば試料の傾きあるいは緩やか
な凹凸に由来する成分は誤差増幅器107、低域濾波器
108を通過し信号Vpとなってピエゾ素子111を制
御しVcを補償する。
【0099】Vcの残余の高い周波数成分、例えば急峻
な試料表面の凹凸などに由来する成分は誤差増幅器10
7を通過し信号Vphとなってピエゾ素子203を制御
しVcの高い周波数成分を補償する。
【0100】凹凸信号合成器115は演算記憶装置20
4の出力である一次の微係数dVc/dVpおよびdV
c/dVphを得て前記一時の微係数と実時間の信号V
pおよびVphとの積を取り、次に高次項による補正が
必要な値域にVpあるいはVphがあれば警報を発す
る。
【0101】このようにして得られた凹凸信号合成器1
15の出力はVcにスケールされた表面凹凸信号に他な
らない。この表面凹凸信号は走査信号に同期してディス
プレイ116に画像として出力される。
【0102】次に、デジタルシグナルプロセッサー(D
SP)を用いた実施形態を図4に示す。
【0103】図4において、デジタルシグナルプロセッ
サー(以下、DSPという)206は、周辺にデジタル
−トウ−アナログ(D−A)変換器207および208
と、アナログ−トウ−デジタル(A−D)変換器20
9、210および211を制御下におきコントローラー
113の制御を受けている。
【0104】D−A変換器207は測定のための走査を
開始する前に走査のときに用いる一定の設定値に加算器
106を通して加算する、設定値を変化させるための信
号を発生する。
【0105】D−A変換器207は走査のとき走査のた
めの信号を発生する。A−D変換器209、210およ
び211は、帰還制御が動作していて走査をする前にあ
ってはD−A変換器207からの信号によって変化する
低域濾波器108の出力信号Vp、探針からの信号Vc
および信号Vphとを受けてそれぞれデジタルデータに
x変換し、また測定のための走査をしているときには、
走査とともに変化する信号Vp、VcおよびVphをA
−D変換し、DSP206に入力する。
【0106】DSP206は、帰還制御が動作していて
走査をする前にあってはA−D変換後の信号Vp、Vc
およびVphのデジタルデータを受け取り、Vpあるい
はVphに対するVcの一次の変化率を演算し、それぞ
れの2信号を対応する一次の変化率で記述できる2信号
の値域を演算し、前記変化率と値域を記憶し、また測定
のための走査をしているときには、走査とともに変化す
る信号Vp、VcおよびVphのデータを受け取り、記
憶されている前記変化率で記述される値域であるかを調
べ、その値域でなければ警告を発し、その値域であれば
VpとVphそれぞれのデータに相応する変化率dVp
/dVcとdVph/dVcを乗じてVcにスケール
し、それぞれの乗算結果を加算してコントローラー11
3に送る。走査とともに送られるこれらのデータは時々
刻々ディスプレイ116上に表示される。
【0107】この例ではコントローラー113の他にD
SP206を用意したが、コントローラー113が周辺
にA−DあるいはD−A変換器を有し、上述べたDSP
の役割を果たすようにしても良いものである。
【0108】前記実施形態ではVpとVphをVcにス
ケールして処理したが、Vp,Vph及びVcのどの一
つにでも任意にスケーリングすることができるし、また
ピエゾ素子の機械−電気変換係数を用いる場合にはディ
スプレイ上に実寸法を表示して画像を与えることができ
る。
【0109】また図2は、常時探針が試料と接触する所
謂コンタクトモードの場合を示しているが、探針信号は
例えばカンチレバーを力学的な共振状態の近傍に置き、
周期的に探針が試料表面に接触する所謂タッピングモー
ドでのカンチレバーの振動の振幅であってもよく、また
その振動の強制力に対する位相であっても良い。さらに
は探針が共振状態の近傍にある小型の水晶振動子に取り
付けられているとき、その振動子の力学的インピーダン
スに関わる量であっても良い。
【0110】また前記実施形態では、最初にピエゾ素子
111への制御信号VpとVcの関係を定めるための低
周波域の信号を加算し、次に高い周波数域で駆動される
ピエゾ素子203への制御信号VphとVcの関係を定
めるための高周波域の信号を加算して複数の変位に関わ
る量の間の関係を測定している。このように逐次的に進
めるやり方に対して、帰還制御下で、かつ走査が停止し
ているときに、Vpの属する低周波域の信号とVphの
属する高周波域の信号を加算した信号を波形合成器11
4に合成させ、その得られる信号を一定の設定値に加算
して、VpとVphとの2つの信号を同時に検出して2
信号の間の関係を決定しても良い。走査に際して、この
関係を用いればVp(あるいはVph)にスケールした
表面凹凸像に関わる信号を合成することができる。
【0111】(実施形態3)次に本発明の実施形態3に
ついて説明する。一つあるいは複数の制御手段が実現す
る変位を計測する計測手段があるとき、例えば、複数の
制御手段のうちの一つに関わるアクチュエーターの可動
端に試料を装架するとともに可動端の変位を計測する計
測装置があるとき、変位に関わる複数の信号の相互関係
は次のように帰還制御の下で決定される。
【0112】図5はベース120に対し試料112の変
位した量を計測する変位計測装置301が実装され、そ
の変位に関わる信号zが前記演算記憶装置204に入力
されている場合を示している。すなわち信号zが実施形
態2におけるピエゾ素子111への制御信号Vpの代わ
りになっている。
【0113】探針102と試料112の表面とが相互作
用し、その相互作用が定常になるように探針102と試
料112間の距離が帰還制御されているとき、測定のた
めの走査に先立って、コントローラー113は波形合成
器114に変化する信号を合成させ、その合成信号を加
算器106に供給するよう指示する。典型的には波形合
成器114は低域濾波器108の通過帯域にある鋸歯状
波を発生する。
【0114】帰還制御はVcに前記鋸歯状波と相同の波
形を生むように作用する、すなわちピエゾ素子111を
伸縮し、探針102の変位を経てカンチレバー103の
変形、そしてVcの変化を引き起こす。
【0115】このとき種々のVcと変位計測装置301
の出力zの値の組みは演算記憶装置204に入力され、
Vcをzの多項式で当てはめ記述し、その一次式で記述
されるzの値域と一次の微係数dz/dVcが演算記憶
装置204に記憶される。
【0116】これらのプロセスはコントローラー113
にあるディスプレイ116に表示される。
【0117】次にコントローラー113は波形合成器1
14が高域濾波器201の帯域にある典型的には正弦波
形である信号を合成するよう指示する。帰還制御はVc
に前記正弦波形と相同の波形を生むように作用する、す
なわちピエゾ素子203を伸縮し、探針102の変位を
経てカンチレバー103の変形、そしてVcの変化を引
き起こす。
【0118】このとき種々のVcと高域濾波器の出力V
phの値の組みは演算記憶装置204に入力され、Vc
をVphの多項式で当てはめ記述し、その一次式で記述
されるVphの値域と一次の微係数dVc/dVphが
演算記憶装置204に記憶される。
【0119】さらに前記微係数dz/dVcおよびdV
c/dVphとからdz/dVphを演算し演算記憶装
置204に記憶する。走査に際しては、実時間の制御信
号Vphと微係数dz/dVphとの積に変位計測装置
301からの実時間の信号zを加算して変位計測装置3
01からの信号にスケールされた表面凹凸をあらわす信
号を得る。
【0120】前記実施形態では、最初にVcと変位計測
装置301の出力zとの関係を定めるための低周波域の
信号を加算し、次にVcと高い周波数域で駆動されるピ
エゾ素子203への制御信号Vphとの関係を定めるた
めの高周波域の信号を加算して複数の変位に関わる量の
間の関係を測定している。
【0121】このように逐次的に進められるやり方に対
して、帰還制御下で、かつ走査が停止しているときに、
zの属する低周波域の信号とVphの属する高周波域の
信号を加算した信号を波形合成器114により合成し、
一定の設定値に加算して、制御手段において変化する2
つの信号zとVphとを同時に検出、収集して、2信号
の間の関係を決定しても良い。走査に際してこの関係を
用いればz(あるいはVph)にスケールした表面凹凸
像に関わる信号を合成することができる。
【0122】(実施形態4)次に本発明の実施形態4に
ついて説明する。図6は凹凸信号合成器115を乗算型
ディーエーコンバーター(DAC)により構成した例で
あり、走査に際して、実時間の複数の変位に関わる信号
から表面凹凸に関わる信号を実時間で合成する。
【0123】図6においてアナログ入力A1とA2はそ
れぞれ測定のための走査に際しての実時間の変位に関わ
るアナログ信号であり、A1とA2それぞれの電圧振幅
に比例する電流にデジタル入力D1とD2による重みづ
けが乗算型DAC401および乗算型DAC403によ
り処理され、それぞれの重み付けされた電流は演算増幅
器402および演算増幅器404により電圧信号に変換
され、乗算結果のアナログ信号A3とA4をそれぞれ与
える。
【0124】実施形態1において、A1とA2はそれぞ
れ探針102からの信号Vcとピエゾ素子111への制
御信号Vpであり、D1は重み1に対応するデジタル信
号であり、D2は演算記憶装置110から読み出された
微係数dVc/dVpに対応するデジタル信号である。
【0125】実施形態2において、A1とA2はそれぞ
れピエゾ素子111への制御信号Vpとピエゾ素子20
3への制御信号Vphであり、D1およびD2はそれぞ
れ微係数dVc/dVpおよびdVc/dVphに対応
するデジタル信号である。
【0126】実施形態3において、A1とA2はそれぞ
れピエゾ素子111の伸縮を示す変位計測装置301か
らの信号zとピエゾ素子203への制御信号Vphであ
り、D1とD2はそれぞれ重み1および微係数dz/d
Vphに対応するデジタル信号である。
【0127】実施形態1、2および3のいずれの例にお
いても、乗算結果A3とA4は演算増幅器405により
等しい重みで加算される、
【0128】すなわち抵抗Ri(i=1,2,3)はR
1=R2=R3を満たし10kΩほどの値をもってい
る。
【0129】そのため加算結果A5はいずれの実施形態
においても表面凹凸に線形な電圧信号である。
【0130】さらに本実施形態4では、乗算型DAC4
06及び演算増幅器407を付加して、試料表面の凹凸
像を得る際のアナログ−デジタル変換器の入力範囲に応
じた、あるいは試料表面の凹凸の実寸と電圧信号A6の
値を対応するようにスケーリングするために用いる例を
示している。
【0131】実施形態2および3で示したVp(または
z)とVphとの2つの信号を同時に検出して2信号の
間の関係を決定する場合、乗算型DACと加算用演算増
幅器407はそれぞれ1つあれば十分であるが、図5に
依っても実現できる。
【0132】すなわち実時間のVp(またはz)を乗算
型DAC401のA1に入力し、dVph/dVp(ま
たはdVph/z)をD1に入力し、Vphを乗算型D
AC403の入力A2に接続し、入力D2を1と等価な
デジタルデータとすれば、図6に示した出力A5は求め
る表面凹凸像に関わる実時間の信号となる。
【0133】(実施形態5)次に本発明の実施形態5に
ついて説明する。図7に示す実施形態は、プローブ(探
針102とそれを自由端に装着したレバー103)はそ
の支持端を小型圧電素子501によりプローブの力学的
共振周波数近傍で加振されており、そのプローブの先端
の振幅すなわち探針102の変位の振幅は試料表面との
相互作用により敏感に変化するモードでの高速の走査を
実現するプローブ顕微鏡を示している。
【0134】小型圧電素子501は発信機502からの
正弦的電圧信号によりプローブ支持端をプローブの共振
周波数近傍で駆動する。
【0135】この実施形態5では、共振周波数は約30
0kHzである。発信機502は同時にその正弦的電圧
信号の位相情報をロックインアンプ503に供給する。
【0136】レーザー光源101からの光はプローブに
入射し、反射されて分割フォトディテクター104で検
出され位置検出回路105により探針の変位をあらわす
正弦的な電圧信号となり、ロックインアンプ503によ
り位相敏感に検波され探針の正弦的な変位に関わる振幅
信号Vampを与える。
【0137】一定の設定値SPは加算器106を経てV
ampとともに誤差増幅器107の入力となり、誤差増
幅器107の出力は低域濾波器108を経た信号Vpと
して高電圧増幅器109と演算記憶装置204に入力さ
れる。
【0138】高電圧増幅器109の出力はピエゾ素子1
11に入力され試料112と探針102との間隔をVa
mpとSPとが等しくなるように制御され、この帰還制
御により前記間隔は一定に保持される。
【0139】ピエゾ素子111の大きさ、共振周波数お
よび低域濾波器108の遮断周波数などは実施形態1と
同じである。
【0140】この実施形態5での前記の他の信号処理方
法、装置などは実施形態2においてVcをVampと読
み替えたものに相当している。
【0141】(実施形態6)次に本発明の実施形態6に
ついて説明する。図8に示す実施形態は図2で示した態
様に電気容量センサー601と試料下部電極602への
バイアス回路603を付加し、電気容量センサー601
の出力である容量信号Vcapを走査の際に収集し画像
化する構成の走査型容量顕微鏡を示している。
【0142】測定のための走査に先立って、複数の変位
に関わる信号Vc、VpおよびVphの間の関係を、コ
ントローラー113,波形合成器114,加算器106
および演算記憶装置204などを用いて決定する方法
は、実施形態2に示したものと同様である。
【0143】測定を開始する前での走査に際しては、実
時間のVpおよびVphを凹凸信号合成器115に入力
し、演算記憶装置204から微係数などのデータを呼び
出し、そのデータとの積を取って加算し、試料表面の凹
凸に関する信号を得るなどの点も実施形態2に示したと
同様である。
【0144】バイアス回路603は探針102(この場
合は導電性を有している探針102であって、例えば窒
化シリコンに鉄,クロムをコートした探針を用いる)と
の電位差を与え、この電位差に依存した試料112の各
面素片と探針102との間の容量が電気容量センサー6
01により走査の際に検出される。
【0145】この試料表面の凹凸に関わる信号と容量セ
ンサー601からの容量信号Vcapが高速走査ととも
にコントローラー113により収集されディスプレイ1
16に表示される。
【0146】この実施形態6においては、探針102は
常に試料表面との相互作用を保つべく接触しているモー
ド(コンタクトモード)で用いているが、実施形態5に
示したように探針の変位が強制力を受けて共振に近い変
調を受けているモードであっても同様の方法が適用でき
る。
【0147】また実施形態3に示した変位計測装置30
1を使用して試料表面の凹凸像を実寸でスケールするこ
ともできる。
【0148】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高
分解能を維持したまま画像取得の時間を短縮することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す構成図であって、探
針からの変位を表す信号とピエゾ素子への制御信号から
表面凹凸像を合成する例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態2を示す構成図であって、高
速のピエゾ素子への制御信号と低速のピエゾ素子への制
御信号とから表面凹凸像を合成する例を示す図である。
【図3】(a)は、2つの制御信号を与える相補的な低
域および高域濾波器からなる制御ブロックを示す構成
図、(b)は、2つの制御信号を与える直列的な制御ブ
ロックを示す構成図である。
【図4】本発明の実施形態2を示す構成図であって、デ
ジタルシグナルプロセッサー(DSP)を用いた例を示
す構成図である。
【図5】本発明の実施形態3を示す構成図であって、ピ
エゾ素子が実現する試料の変位を計測する変位計測装置
があるとき、高速のピエゾ素子への制御信号と変位計測
装置からの信号とから表面凹凸像を合成する例を示す図
である。
【図6】本発明の実施形態4を示す構成図であって、乗
算型ディーエー(D−A)コンバーターを用いた凹凸信
号合成器を用いた例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態5を示す構成図であって、周
期的に接触する探針を用い、高速のピエゾ素子への制御
信号と低速のピエゾ素子への制御信号とから表面凹凸像
を合成する例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態6を示す構成図であって、高
速走査型容量顕微鏡を構築した例を示す図である。
【符号の説明】
101 レーザー光源 102 探針 103 カンチレバー 104 分割フォトディテクター 105 位置検出回路 106 加算器 107 誤差増幅器 108 低域濾波器 109 高電圧増幅器 110 演算記憶装置 111 ピエゾ素子 112 試料 113 コントローラー 114 波形合成器 115 凹凸信号合成器 116 ディスプレイ 117 走査信号発生器 118 高電圧増幅器 119 粗動装置 120 ベース 201 高域濾波器 202 高電圧増幅器 203 高速ピエゾ素子 204 演算記憶装置 205 増幅器 206 デジタルシグナルプロセッサー 207,208 デジタル−トウ−アナログ(D−A)
変換器 209,210,211 アナログ−トウ−デジタル
(A−D)変換器 301 変位計測装置 401,403,406 乗算型ディーエー(D−A)
コンバーター 402,404,405,407 演算増幅器 501 小型圧電素子 502 発信機 503 ロックインアンプ 601 容量センサー 602 試料下部電極 603 バイアス回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−273276(JP,A) 特開 平2−5339(JP,A) 特開 平1−206202(JP,A) 特開 平4−270903(JP,A) 特開 平5−118807(JP,A) 特開 平5−312873(JP,A) 特開 平6−281444(JP,A) 特開 平7−43144(JP,A) 特開 平8−86792(JP,A) 特開 平8−114606(JP,A) 特開 平10−10140(JP,A) 特開 平10−142240(JP,A) 特開 昭62−296778(JP,A) Shmuel Shalom,Klo ny Lieberman,Aaron Lewis,Sidney R.Co hen,A micropipette force probe suita ble for near−field scanning optical microscopy,Review of Scientific Inst ruments,1992年,Vol.63, No.9,pp.4061−4065 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 13/00 - 13/24 G01B 7/00 - 7/34 G01B 21/00 - 21/32 G12B 21/00 - 21/24

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料と探針の間に相対的な変位を与え、
    前記相対的変位に基いて探針と試料の間に生ずる相互作
    用の変化を検出し、その検出した変化量を前記相互作用
    を定常な設定値に保持するために前記相対的な変位量に
    帰還して制御する走査型プローブ顕微鏡の信号処理方法
    において、 測定のための走査を行う前段階で、前記相互作用の変化
    信号を探針−試料面間の距離データに帰還して補償する
    ための制御手段を動作させ、その動作中に人為的な変化
    信号を前記設定値に加算することにより、前記設定値を
    一時的に変化させ、 前記設定値の変化に伴って変化する変位に関わる複数の
    信号(探針による検出信号,制御手段における制御信
    号,制御手段が実現する変位を計測した計測信号)を収
    集して、前記複数の信号相互間の関係を演算し、かつ前
    記演算結果を記憶し、一時的に変化させた前記設定値を
    定常値に戻して測定のための走査を行う際に、前記記憶
    された演算結果と実時間の前記複数の信号相互間の積を
    演算し、その和を取って、試料表面の形態に対応する信
    号を得て画像化することを特徴とする信号処理方法。
  2. 【請求項2】 試料と探針の間に相対的な変位を与え、
    前記相対的変位に基いて探針と試料の間に生ずる相互作
    用の変化を検出し、その検出された変化量を前記相互作
    用を定常な設定値に保持するために前記相対的な変位量
    に帰還して制御する走査型プローブ顕微鏡において、 測定のための走査を行う前段階で、前記相互作用の変化
    信号を探針−試料面間の距離データに帰還して補償する
    ための制御手段を動作させ、人為的な変化信号を前記設
    定値に加算することにより、前記設定値を一時的に変化
    させる手段と、前記設定値の変化に伴って変化する変位
    に関わる複数の信号(探針による検出信号,制御手段に
    おける制御信号,制御手段が実現する変位を計測した計
    測信号)を収集して、前記複数の信号相互間の関係を演
    算し、かつ前記演算結果を記憶する手段と、 一時的に変化させた前記設定値を定常値に戻して測定の
    ための走査を行う際に、前記記憶された演算結果と実時
    間の前記複数の信号相互間の積を演算し、その和を取っ
    て、試料表面の形態に対応する信号を得て画像化する手
    段とを有することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  3. 【請求項3】 試料と探針の間に相対的な変位を与える
    変位手段と、前記相対的変位に基いて探針と試料の間に
    生ずる相互作用の変化量を検出する検出手段と、前記検
    出された変化量を前記相対的な変位量に帰還して前記相
    互作用を定常な設定値に保持制御する制御手段とを有す
    る走査型プローブ顕微鏡において、 前記帰還制御が動作し、走査が停止している下で前記設
    定値を変化させる手段と、前記設定値の変化に応じて変
    化する探針信号と前記制御手段において変化する制御信
    号とを収集し、制御信号に対する探針信号の一次の変化
    率を演算し、演算の結果を記憶する演算記憶手段と、 測定のための走査を行う際に前記演算記憶手段に記憶さ
    れた演算結果を用いて、試料表面の形態に相当する変位
    信号を実時間の前記探針信号と制御信号とから実時間で
    合成する合成手段を有することを特徴とする走査型プロ
    ーブ顕微鏡。
  4. 【請求項4】 試料と探針の間に相対的な変位を与える
    手段と、前記相対的変位に基いて探針と試料の間に生ず
    る相互作用の変化を検出する検出手段と、前記検出され
    た変化量を前記相対的な変位量に帰還して前記相互作用
    を定常な設定値に保持制御する制御手段とを有する走査
    型プローブ顕微鏡において、前記帰還制御が動作し、走
    査が停止している下で前記設定値を変化させる手段と、 前記設定値の変化に応じて変化する探針信号と複数の制
    御手段において変化する複数の制御信号のそれぞれを収
    集し、複数の制御信号のそれぞれに対する探針信号の変
    化率を演算し、演算の結果を記憶する演算記憶手段と、 測定のための走査を行う際に前記演算記憶手段により記
    憶された演算結果を用いて、実時間の探針信号と複数の
    制御信号とから実時間で試料表面の形態に相当する信号
    を合成する合成手段とを有することを特徴とする走査型
    プローブ顕微鏡。
  5. 【請求項5】 試料と探針の間に相対的な変位を与える
    手段と、前記相対的変位により探針と試料の間に生ずる
    相互作用の変化を検出する検出手段と、前記検出された
    変化量を前記相対的な変位量に帰還して前記相互作用を
    定常な設定値に保持制御する制御手段とを有する走査型
    プローブ顕微鏡において、 前記制御手段の一により実現される変位量を計測する計
    測手段と、 前記帰還制御が動作し、走査が停止している下で前記設
    定値を変化させる手段と、 前記設定値を変化させる手段により与えられる変化量に
    応じて変化する前記計測手段の出力信号と前記計測手段
    に関わらない他の制御手段における制御信号とを収集
    し、前記他の制御手段における制御信号にそれぞれ対応
    する前記計測手段の出力信号の一次の変化率を演算し、
    演算の結果を記憶する演算記憶手段と、 測定のための走査を行う際に前記演算記憶手段により記
    憶された演算結果を用いて、実時間の前記計測手段の出
    力信号と前記計測手段に関わらない他の制御信号とから
    実時間で表面凹凸に相当する信号を合成する合成手段と
    xを有することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、相補的な低域濾波器及
    び高域濾波器と、前記分割されたそれぞれの信号を増幅
    するための増幅手段と、前記増幅手段から出力される制
    御信号に基いて駆動されるアクチュエーターとを有する
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の走査型プロー
    ブ顕微鏡。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、前記検出された変化の
    信号を増幅するための増幅器と、前記増幅器により増幅
    された制御信号に基いて駆動するアクチュエーターと、
    前記制御信号の低周波成分を与える低域濾波器と、前記
    低域濾波器の出力を第2の制御信号とするアクチュエー
    ターとを有することを特徴とする請求項4又は5に記載
    の走査型プローブ顕微鏡。
  8. 【請求項8】 前記設定値を変化させる手段として、測
    定のための走査を行う際に用いる帰還制御のための設定
    値に時間的に変化する信号を加算する手段を有すること
    を特徴とする請求項3,4,5,6又は7に記載の走査
    型プローブ顕微鏡。
  9. 【請求項9】 前記演算記憶手段は、走査を停止してい
    る下で、変位に関わる複数の信号(前記探針信号、前記
    変位計測手段からの出力信号および複数の前記制御信
    号)をアナログ−デジタル変換するためのA−D変換器
    と、 前記設定値を変化させる手段を用いて設定値を変化させ
    たとき変化する変位に関わる複数の信号をアナログ−デ
    ジタル変換させた後にデータを収集し、その収集された
    データに基いて前記複数の信号相互間の1次の変化率を
    演算する演算装置と、前記演算結果を記憶するための記
    憶装置と、データを転送するための転送装置とを有する
    ことを特徴とする請求項3,4,5,6,7又は8に記
    載の走査型プローブ顕微鏡。
  10. 【請求項10】 前記合成手段は、変位に関わる複数の
    信号(前記探針信号,前記変位計測手段からの出力信号
    および複数の前記制御信号)から選ばれた変位をスケー
    ルする基準となる一つの基準信号の前記変位に関わる一
    つまたは複数の信号に対する1次の変化率の演算結果を
    受け取るための受信装置と、前記一つまたは複数の1次
    の変化率のそれぞれに対応する変位に関わる実時間の信
    号との積を取るための一つあるいは複数の乗算器あるい
    は可変利得増幅器と、得られた一つの出力と実時間の基
    準信号との和、あるいは複数の乗算器または可変利得増
    幅器の出力の和を取るための加算器とを有することを特
    徴とする請求項3,4,5,6,7,8又は9に記載の
    走査型プローブ顕微鏡。
  11. 【請求項11】 前記合成手段は、前記乗算器または前
    記可変利得増幅器がデジタルデータとアナログ信号の乗
    算を行う乗算型ディーエーコンバーター(DAC)を構
    成要素に含むことを特徴とする請求項10に記載の走査
    型プローブ顕微鏡。
  12. 【請求項12】 前記検出手段は、探針が試料と常時接
    触する状態で動作することを特徴とする請求項2,3,
    4,5,6,7,8,9,10又は11に記載の走査型
    プローブ顕微鏡。
  13. 【請求項13】 前記検出手段は、探針が試料と周期的
    に接触する状態で動作することを特徴とする請求項2,
    3,4,5,6,7,8,9,10又は11に記載の走
    査型プローブ顕微鏡。
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