JP2008033567A - 圧電素子の制御方法、圧電素子の制御装置、アクチュエータ、及び顕微鏡 - Google Patents

圧電素子の制御方法、圧電素子の制御装置、アクチュエータ、及び顕微鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電素子を高速に駆動することができる圧電素子の制御方法、圧電素子の制御装置、並びに該制御装置により制御される圧電素子を備えたアクチュエータ及び顕微鏡の提供。
【解決手段】圧電素子10の出力側にI/V変換器11を接続し、更にその後段に積分器12を接続する。I/V変換器11の出力を増幅して得られる電圧を圧電素子10の入力側へ負帰還させることにより、圧電素子10の伸張方向の速度に関するフィードバックを行いQ値制御を行う。また、積分器12の出力を増幅して得られる電圧を圧電素子10の入力側へ負帰還させることにより、駆動電圧に対する圧電素子10の伸張方向の変位に関するヒステリシスの除去を行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、圧電素子を高速に駆動することができる圧電素子の制御方法、圧電素子の制御装置、並びに該装置により制御される圧電素子を備えたアクチュエータ及び顕微鏡に関する。
SPM(Scanning Probe Microscope)の一種であるAFM(Atomic Force Microscope)は、光学顕微鏡及び電子顕微鏡では観察できない液体中に浸した生物試料を高分解能観察できる装置として期待されている。しかしながら、観察に要する時間が1画面あたり数分程度かかるため、例えば、筋肉の動作をビデオレート(30画面/秒)で観察することはできず、観察時間の短縮化が望まれている。
AFMは、カンチレバーに装着した探針を観察対象の試料に近づけ、カンチレバーの先端にレーザ光を当て、その反射光を測定することにより観察像を得る装置である。探針が試料表面に近づいた場合、探針と試料表面原子との原子間力によりカンチレバーが変位する。その変位を反射光により測定し、探針の変位が一定になるようにカンチレバー又は試料を載置しているステージを上下させる。
試料の位置決めに圧電素子を用いる場合、試料を載置しているステージを圧電素子により共振させ、ステージを上下させることにより試料表面をカンチレバーに近づける。AFMは、そのときに起こるカンチレバーの振動振幅の変化を検出することによって、試料の表面状態を測定することができる。
このような位置決め機構に用いられる圧電素子は、微小変位が可能であり、高応答性を持つことが知られているが、その反面、共振点付近での制御性が非常に悪いことが知られている。すなわち、周波数帯域を拡げるために高ゲインで圧電素子を制御した場合、共振点付近で発振する可能性が非常に高くなるという問題点を有している。また、圧電素子を急激に変位させた場合、圧電素子自身の振動が容易に収まらないという問題点を有している。
このような問題点に対処するために、従来では、圧電素子と等価な共振特性を持つ等価回路を設け、等価回路での検出値をフィードバックすることにより圧電素子を制御する手法が提案されている(例えば、非特許文献1及び特許文献1参照)。
小寺、山下、及び安藤、レビュー オブ サイエンティフィック インストルメンツ(Review of Scientific Instruments)、2005年、第76巻、053708 特開2005−190228号公報
しかしながら、等価回路の動作をモニタして圧電素子を制御する手法では、共振モードの数だけ等価回路が必要になり、回路が非常に複雑になるという問題点を有している。
また、等価回路の特性は制御系に組み込まれた時点で定まるため、圧電素子の特性の経時変化には対応できないという問題点を有している。
更に、圧電素子の駆動電圧と変位量との間にはヒステリシスが存在するが、前述した等価回路では、実際の変位をモニタしていないため、圧電素子のヒステリシスを除去できないという問題点を有している。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、圧電素子に流れている電流の大きさに応じて圧電素子に印加すべき駆動電圧の大きさを調節する構成とすることにより、複数の共振モードが存在する場合であっても簡易な回路構成により対応することができ、しかも圧電素子の経時変化に対応することができる圧電素子の制御方法、圧電素子の制御装置、並びに該制御装置により制御される圧電素子を備えたアクチュエータ及び顕微鏡を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、圧電素子に蓄積されている電荷量に応じて印加すべき駆動電圧の大きさを調節する構成とすることにより、圧電素子のヒステリシスをほとんど除去することができる圧電素子の制御方法、圧電素子の制御装置、並びに該制御装置により制御される圧電素子を備えたアクチュエータ及び顕微鏡を提供することにある。
本発明に係る圧電素子の制御方法は、圧電素子の駆動電圧を調節することにより、前記圧電素子の動作を制御する方法において、前記圧電素子に流れている電流の大きさに応じて前記圧電素子に印加すべき駆動電圧の大きさを調節することを特徴とする。
本発明にあっては、圧電素子への通電電流の大きさに応じて圧電素子の駆動電圧を調節する。通電電流の大きさは圧電素子が伸縮する速度に比例することが知られているが、本発明では、通電電流の大きさをモニタしているため、速度情報に基づいて駆動電圧を調整することにより圧電素子の応答速度を向上させることができ、複数の共振モードがある場合であっても制御性が向上する。
本発明に係る圧電素子の制御方法は、圧電素子の駆動電圧を調節することにより、前記圧電素子の動作を制御する方法において、前記圧電素子に蓄積されている電荷量に応じて前記圧電素子に印加すべき駆動電圧の大きさを調節することを特徴とする。
本発明にあっては、圧電素子に蓄積されている電荷量に応じて圧電素子の駆動電圧を調節する。圧電素子に蓄積されている電荷量は圧電素子が伸縮する方向の変位に比例することが知られているが、本発明では、電荷量をモニタしているため、変位の情報に基づいて駆動電圧を調節することができ、駆動電圧と変位との間のヒステリシスがほとんど除去される。
本発明に係る圧電素子の制御装置は、圧電素子の駆動電圧を調節することにより、前記圧電素子の動作を制御する装置において、前記圧電素子に流れている電流の大きさに応じて前記圧電素子に印加すべき駆動電圧の大きさを調節する調節手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、圧電素子への通電電流の大きさに応じて圧電素子の駆動電圧を調節する。圧電素子が伸縮する速度を通電電流に比例する量として検出し、検出結果に基づいて駆動電圧を調節するため、簡易な回路構成により圧電素子の応答速度を向上させることができ、複数の共振モードがある場合であっても制御性が向上する。
本発明に係る圧電素子の制御装置は、前記調節手段は、前記圧電素子のQ値が小さくなるように印加すべき駆動電圧の大きさを調節するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、共振ピークの鋭さを表すQ値が小さくなるように駆動電圧が調節されるため、共振点付近での制御性が向上する。
本発明に係る圧電素子の制御装置は、前記調節手段は、前記電流を電圧に変換する手段を備え、該手段によって変換した電圧により負帰還をかけた駆動電圧を前記圧電素子に印加するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、圧電素子に流れている電流を電圧に変換し、変換した電圧により負帰還をかけているため、複数の共振モードがある場合であっても構成が複雑化することがない。
本発明に係る圧電素子の制御装置は、前記圧電素子の出力側に接続された電流−電圧変換器、該電流−電圧変換器により変換された電圧を増幅する増幅器、及び該増幅器により増幅された電圧の極性を反転する反転器を備え、該反転器の出力を前記圧電素子の入力側に帰還させてあることを特徴とする。
本発明にあっては、電流−電圧変換器、増幅器、及び反転器により構成した負帰還ループによって駆動電圧の調節を行えるため、複数の共振モードがある場合であっても回路構成が複雑化することがない。
本発明に係る圧電素子の制御装置は、圧電素子の駆動電圧を調節することにより、前記圧電素子の動作を制御する装置において、前記圧電素子に蓄積されている電荷量に応じて前記圧電素子に印加すべき駆動電圧の大きさを調節する調節手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、圧電素子に蓄積されている電荷量に応じて圧電素子の駆動電圧を調節する。圧電素子の変位を電荷量に比例する量として検出し、検出結果をフィードバックして駆動電圧を調節するため、簡易な回路構成により、駆動電圧と変位との間のヒステリシスがほとんど除去される。
本発明に係る圧電素子の制御装置は、前記調節手段は、駆動電圧に対する前記圧電素子の伸縮方向のヒステリシスを除去するために印加すべき駆動電圧の大きさを調節するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、ヒステリシスを除去するために駆動電圧が調節されるため、回路構成が複雑化することがない。
本発明に係る圧電素子の制御装置は、前記調節手段は、前記圧電素子に流れている電流を電圧に変換する手段と、該手段により変換された電圧を積分する手段とを備え、該手段の出力電圧により負帰還をかけた駆動電圧を前記圧電素子に印加するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、圧電素子に流れている電流を電圧に変換し、変換した電圧を積分した上で負帰還をかけているため、圧電素子の伸縮方向の変位の情報が電荷量に比例する量として得られる。
本発明に係る圧電素子の制御装置は、前記圧電素子の出力側に接続された電流−電圧変換器、該電流−電圧変換器により変換された電圧を積分する積分器、該積分器の出力電圧を増幅する増幅器、及び該増幅器により増幅された電圧の極性を反転する反転器を備え、該反転器の出力を前記圧電素子の入力側に帰還させてあることを特徴とする。
本発明にあっては、電流−電圧変換器、積分器、増幅器、及び反転器により構成した負帰還ループによって駆動電圧の調節が行えるため、回路構成を複雑化することなくヒステリシスの除去が可能となる。
本発明に係る圧電素子の制御装置は、前記圧電素子の出力側に接続された電流−電圧変換器、該電流−電圧変換器の出力側に接続された積分器、該積分器の出力電圧を増幅する第1の増幅器、該第1の増幅器により増幅された電圧の極性を反転する第1の反転器、前記電流−電圧変換器の出力電圧を増幅する第2の増幅器、及び該第2の増幅器により増幅された電圧の極性を反転する第2の反転器を備え、前記第1及び第2の反転器の出力を前記圧電素子の入力側に帰還させてあることを特徴とする。
本発明にあっては、積分器、第1の増幅器、及び第1の反転器により構成した第1の負帰還ループ、並びに電流−電圧変換器、第2の増幅器、及び第2の反転器により構成した第2の負帰還ループによって駆動電圧の調節が行えるため、回路構成を複雑化することなく、ヒステリシスの除去が可能となり、しかも複数の共振モードがある場合であっても共振ピークを低く抑えることができる。
本発明に係る圧電素子の制御装置は、前記圧電素子の駆動電圧印加側に直列に接続された第1及び第2の反転器、前記圧電素子の出力側に接続された電流−電圧変換器、該電流−電圧変換器の出力側に接続された積分器、該積分器の出力電圧を増幅する第1の増幅器、及び前記電流−電圧変換器の出力電圧を増幅する第2の増幅器を備え、前記第1の増幅器によって増幅された電圧を前記第1の反転器の入力側へ帰還させると共に、前記第2の増幅器によって増幅された電圧を前記第2の反転器の入力側へ帰還させてあることを特徴とする。
本発明にあっては、積分器及び第1の増幅器を含む第1の帰還ループと、電流−電圧変換器及び第2の増幅器を含む第2の帰還ループによって駆動電圧の調節が行えるため、回路構成を複雑化することなく、ヒステリシスの除去が可能となり、しかも複数の共振モードがある場合であっても共振ピークを低く抑えることができる。
本発明に係るアクチュエータは、前述した発明の何れか1つに記載の制御装置と、該制御装置によりその動作が制御される圧電素子とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、Q値制御が可能となるため共振点付近での制御性に優れ、しかも、ヒステリシスが除去されるためバックラッシュを小さくすることができる。
本発明に係る顕微鏡は、前述した発明に記載のアクチュエータと、該アクチュエータにより所定軸方向に変位するステージと、該ステージに載置された試料を観察する手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、前述したアクチュエータにより所定軸方向に変位するステージと、このステージに載置された試料を観察する手段とを備えるため、アクチュエータが備える圧電素子が複数の共振モードを持つ場合であっても回路構成は複雑にならず、Q値制御することにより共振点付近での制御性に優れる。
本発明による場合は、圧電素子への通電電流の大きさに応じて圧電素子の駆動電圧を調節する。したがって、圧電素子が伸縮する速度を通電電流に比例する量として検出し、検出結果をフィードバックして駆動電圧を調節することができるため、簡易な回路構成により圧電素子の応答速度を向上させることができ、しかも、複数の共振モードがある場合であっても対応することができる。また、圧電素子への通電電流を検出する構成であるため、圧電素子に経時変化がある場合であっても、経時変化に応じた制御が可能となる。
本発明による場合は、共振ピークの鋭さを表すQ値が小さくなるように駆動電圧を調節するため、共振点付近での制御性を向上させることができる。
本発明による場合は、圧電素子に流れている電流を電圧に変換し、変換した電圧により負帰還をかけている。したがって、複数の共振モードがある場合であっても、構成を複雑化することなく共振点付近での制御性を向上させることができる。
本発明による場合は、電流−電圧変換器、増幅器、及び反転器により構成した負帰還ループによって駆動電圧の調節を行えるため、複数の共振モードがある場合であっても、回路構成を複雑化することなく共振点付近での制御性を向上させることができる。
本発明による場合は、圧電素子に蓄積されている電荷量に応じて圧電素子の駆動電圧を調節する。したがって、圧電素子の変位を電荷量に比例する量として検出し、検出結果をフィードバックして駆動電圧を調節することができ、簡易な回路構成により、駆動電圧と変位との間のヒステリシスをほとんど除去することができる。また、圧電素子に蓄積されている電荷量を検出する構成であるため、圧電素子に経時変化がある場合であっても、経時変化に応じた制御が可能となる。
本発明による場合は、ヒステリシスを除去するために駆動電圧が調節されるため、回路構成を複雑化する必要がなくなる。
本発明による場合は、圧電素子に流れている電流を電圧に変換し、変換した電圧を積分した上で負帰還をかけているため、圧電素子の伸縮方向の変位の情報を電荷量に比例する量として取得することができ、電荷量に応じて駆動電圧を調節することにより、変位に関するヒステリシスを除去することができる。
本発明による場合は、電流−電圧変換器、積分器、増幅器、及び反転器により構成した負帰還ループによって駆動電圧の調節が行えるため、回路構成を複雑化することなくヒステリシスを除去することができる。
本発明による場合は、積分器、第1の増幅器、及び第1の反転器により構成した第1の負帰還ループ、並びに電流−電圧変換器、第2の増幅器、及び第2の反転器により構成した第2の負帰還ループによって駆動電圧の調節が行えるため、回路構成を複雑化することなく、ヒステリシスを除去することができ、しかも複数の共振モードがある場合であっても制御性を向上させることができる。
本発明による場合は、Q値制御が可能となるため共振点付近での制御性に優れ、しかも、ヒステリシスが除去されるためバックラッシュを小さくすることができる。
本発明による場合は、前述したアクチュエータにより所定軸方向に変位するステージと、このステージに載置された試料を観察する手段とを備えるため、アクチュエータが備える圧電素子が複数の共振モードを持つ場合であっても回路構成は複雑にならず、Q値制御することにより共振点付近での制御性を向上させることができる。特に、Q値を小さくすることによって応答速度を向上させることができるため、ステージの高速制御が可能となり、SPM、AFM等の顕微鏡ではビデオレートでの撮像が期待できる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は本実施の形態1に係る制御装置の要部構成を示すブロック図である。図中10は、制御対象の圧電素子である。制御装置は、圧電素子10に流れている電流i(以下、駆動電流iという)を電圧に変換するI/V変換器11、I/V変換器11の出力電圧Vvel を増幅する増幅器15、及び増幅器15の出力電圧の極性を反転する反転器16を備える。すなわち、増幅器15及び反転器16により負帰還ループを形成し、出力電圧Vvel を反転増幅して圧電素子10の駆動電圧印加側に帰還させている。
圧電素子10は、例えば、積層型ピエゾ素子であり、駆動電圧が印加されることにより厚み方向に伸縮する。伸縮方向の変位をzとした場合、圧電素子10の伸縮方向の運動は、仮想的に以下の調和振動子モデルにより記述することができる。
Figure 2008033567
ここで、mは有効質量、γは粘性係数、kはバネ定数であり、数式1の右辺は駆動外力を表している。
この系が周波数ω=ω0 で共振ピークを持つとした場合、共振ピークの鋭さを表すQ値は、ω0 /(ω2 −ω1 )により定義される。ここで、ω1 はω0 より低周波数側で共振ピークの半値となる周波数、ω2 はω0 より高周波数側で共振ピークの半値となる周波数である。本発明では、Q値制御(より具体的には、Q値を小さくする制御)を行うために、圧電素子10の出力電圧Vvel を反転増幅し、駆動電圧Vinに印加することを行う。
出力電圧Vvel を負帰還させることは、前述した調和振動子モデルでは速度に比例した外力を加えることに相当する。ここで、圧電素子10に蓄積される電荷量qは圧電素子の変位zに比例することが知られているため(例えば、C. V. Newcomb and I. Flinn, Electron. Lett., 18 (1982) 442を参照)、圧電素子10に流れる駆動電流iは変位zの時間微分(速度)に比例することとなる。したがって、駆動電流iを電圧に変換して得られる出力電圧Vvel を負帰還させることは、前述した調和振動子モデルにおいてdz/dtに比例した項を加えることに相当する。Aを任意定数とした場合、数式1のモデルは、以下のように書き換えることができる。
Figure 2008033567
右辺第2項を左辺に移行してまとめた場合、以下のように表すことができる。
Figure 2008033567
ここで、γeff =γ+Aであり、このときのQ値は、Qeff =mω0 /γeffとなる。すなわち、圧電素子10が伸縮する方向の速度(dz/dt)をフィードバックすることによってQ値制御が可能となることが分かる。
図2は実施の形態1に係る制御装置によって制御される圧電素子10の周波数特性を示すグラフである。図2(a)のグラフは、ゲイン(入力電圧と出力電圧との比)の周波数特性を示しており、横軸は周波数(kHz)、縦軸はゲイン(dB)をとっている。また、図2(b)のグラフは、位相の周波数特性を示しており、横軸は周波数(kHz)、縦軸は位相(deg.)をとっている。また、何れのグラフについても、実線は本制御装置によりQ値制御を行った場合の特性を示しており、破線はQ値制御を行わない場合の特性を示している。
Q値制御を行わない場合、105kHz、260kHz、350kHz付近に大きなゲインを示す共振ピークが観測されている(図2(a)の破線を参照)。これらの共振ピークのうち、一番大きな共振ピークが起こる周波数は、圧電素子10自身の共振周波数に対応しており、他のピークは圧電素子10をアセンブルしたことによる共振周波数に対応している。
一方、Q値制御を行った場合、前述した3つの共振ピークが略抑制されている様子が観測される(図2(a)の実線を参照)。位相のデータに関しても同様の観測結果が得られており、105kHz、260kHz付近での急激な位相変化は、Q値制御を行うことにより変化が抑制されている(図2(b)の破線及び実線を参照)。
なお、位相の観測結果については、Q値制御を行った場合の欠点も見出すことができる。すなわち、Q値制御を行ったとき、10kHz以下の低周波数領域にて位相の遅れが生じており、例えば、70kHと100kHとの間で位相が45度偏っている事が分かる。これは、駆動電圧と変位との間のヒステリシスとして現れることとなるが、後述する手法によりヒステリシスをほとんど除去することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、圧電素子10の伸縮方向の速度を、圧電素子10の駆動電流に比例する量として検出し、検出駆動電流の大きさに応じた負帰還をかけることによってQ値制御を行い、共振ピークの発生を抑制することが可能となったが、その反面、低周波数領域では位相の遅れが生じ、駆動電圧と変位との間にヒステリシスが発生することとなった。本実施の形態では、このようなヒステリシスを除去するための制御装置について説明する。
図3は実施の形態2に係る制御装置の要部構成を説明するブロック図である。制御装置は、圧電素子10の駆動電流iを電圧に変換するI/V変換器11、I/V変換器11の後段に接続された積分器12、積分器12の出力電圧Vout を増幅する増幅器13、及び増幅器13の出力電圧の極性を反転する反転器14を備える。すなわち、増幅器13及び反転器14により負帰還ループを形成し、出力電圧Vout を反転増幅して圧電素子10の駆動電圧印加側に帰還させている。
前述したように、圧電素子10に蓄積される電荷量qは圧電素子が伸張する方向の変位zに比例することが知られている。したがって、積分器12に流れる電流iを積分することにより求まる電荷量qを、積分器12の出力電圧Vout として検出し、検出した出力電圧Vout を負帰還させることは、数式1に示した調和振動子モデルにおいて変位zに比例した項を加えることに相当する。すなわち、本実施の形態では、圧電素子10が伸縮する方向の変位zをフィードバックすることにより、駆動電圧と変位zとの間のヒステリシスを除去することを行う。
図4は実施の形態2に係る制御装置によって制御される圧電素子10の周波数特性を示すグラフである。図4(a)のグラフは、ゲインの周波数特性を示しており、横軸は周波数(kHz)、縦軸はゲイン(dB)をとっている。また、図4(b)のグラフは、位相の周波数特性を示しており、横軸は周波数(kHz)、縦軸は位相(deg.)をとっている。また、何れのグラフについても、実線は本制御回路によりQ値制御を行った場合の特性を示しており、破線はQ値制御を行わない場合の特性を示している。
260kHz付近に大きなゲインとして観測されている共振ピーク(図4(a)の破線を参照)は、変位のフィードバックにより抑制されているように見えるが、実際には、積分器12等に用いられているオペアンプのバンド幅が寄与し、600kHz付近に共振ピークがシフトしたものと考えられる。なお、105kHz、320kHz、及び370kHz付近の各共振ピークについては、変位のフィードバックを行った場合でも抑制されている様子が観測されている。
位相の観測結果については、Q値制御の場合と異なり、100kHz以下の低周波数領域においても位相の遅れが生じていないことが観測されている。また、100kHz〜300kHzの領域では位相の周波数特性が改善している。その結果、位相が45度だけずれるまでを使用可能領域とした場合、圧電素子10は、0〜320kHzの広い帯域で使用することができる。
実施の形態3.
実施の形態1では、圧電素子10が伸縮する方向の速度dz/dtに関するフィードバックによりQ値制御を行い、圧電素子10が伸縮する方向の変位zに関するフィードバックによりヒステリシスの除去を行ったが、両方の機能を備えた制御装置を構築することも可能である。本実施の形態では、このようなQ値制御及びヒステリシスの除去の双方を行う制御装置について説明する。
図5は実施の形態3に係る制御装置の要部構成を説明するブロック図である。制御装置は、圧電素子10の駆動電流iを電圧に変換するI/V変換器11、及びI/V変換器11の後段に接続された積分器12を備える。積分器12の出力電圧Vout は、増幅器13(第1の増幅器)によって増幅された後、反転器14(第1の反転器)によってその極性が反転され、圧電素子10の入力側に帰還される。また、I/V変換器11の出力電圧Vvel は、増幅器15(第2の増幅器)によって増幅された後、反転器16(第2の反転器)によってその極性が反転され、更にその前段へ帰還される。
すなわち、本実施の形態では、増幅器13及び反転器14により形成される負帰還ループによって圧電素子10が伸縮する方向の変位zに関するフィードバックを行い、ヒステリシスを除去する。また、増幅器15及び反転器16により形成される負帰還ループによって圧電素子10が伸縮する方向の速度dz/dtに関するフィードバックを行い、Q値制御を行う。
図6は圧電素子10が伸縮する方向の変位z及び速度dz/dtを検出する回路の一例を示す回路図である。圧電素子10の出力側には、駆動電流iを電圧に変換するI/V変換器11が接続され、I/V変換器11の後段に積分器12が接続されている。
I/V変換器11は、オペアンプ110及び帰還抵抗111により構成される。オペアンプ110の反転入力端子は圧電素子10の出力端に接続され、非反転入力端子は接地される。I/V変換器11は、駆動電流iを電圧に変換するため、圧電素子10が伸縮する方向の速度dz/dtを、駆動電流iに比例する量、すなわちI/V変換器11の出力電圧Vvel として取り出すことができる。
積分器12は、オペアンプ120及び帰還コンデンサ122により構成される。オペアンプ120の反転入力端子には前述のI/V変換器11の出力端が抵抗素子123を介して接続され、非反転入力端子は接地される。積分器12は、I/V変換器11の出力電圧Vvel を積分するため、圧電素子10が伸縮する方向の変位zを、圧電素子10に蓄積されている電荷量、すなわち、駆動電流iに比例する出力電圧Vvel の積分値として取り出すことができる。
図7は実施の形態3に係る制御装置によって制御される圧電素子10の周波数特性を示すグラフである。図7(a)のグラフは、ゲインの周波数特性を示しており、横軸は周波数(kHz)、縦軸はゲイン(dB)をとっている。また、図7(b)のグラフは、位相の周波数特性を示しており、横軸は周波数(kHz)、縦軸は位相(deg.)をとっている。また、何れのグラフについても、実線は本制御回路によりQ値制御を行った場合の特性を示しており、破線はQ値制御を行わない場合の特性を示している。
2つの負帰還ループによって圧電素子の入力側に負帰還するそれぞれの電圧の大きさは、ゲインが0〜1MHzの周波数帯域において最もフラットになるように定められた。260kHz付近に大きなゲインとして観測されている共振ピーク(図7(a)の破線を参照)は完全に抑制されており、その振幅誤差は±5dBとなった。一方、位相差が45度だけずれる周波数帯域は、105kHz付近の微小な変化を除けば0〜250kHzとなった。この周波数帯域は、図4(b)に示した周波数特性と比較した場合、少しだけ狭くなっているが、負帰還する電圧のバランスを最適化し、ゲインを更にフラットにすることにより、少なくとも300kHz付近まで拡大できることが確認された。
このような制御装置の動的特性はステップ信号に対する応答を調べることにより評価することができる。図8は実施の形態3に係る制御装置のステップ信号に対する応答を示すグラフである。圧電素子10に対して8kHzのステップ信号を入力した場合の変位zの時間変化を観測している。図8(a)は2つの負帰還ループによるフィードバックがない場合、図8(b)はフィードバックがある場合のグラフであり、いずれのグラフも横軸は時間(μs)、縦軸は入力に関して駆動電圧(任意目盛)、出力に関して変位(任意目盛)をとっている。
2つの負帰還ループによるフィードバックがない場合、圧電素子10の応答が悪く、リンギングが見られる(図8(b)の出力波形を参照)。このリンギングは、主として105kHz付近の共振ピークによるものであり、260kHz付近の共振ピークの影響は、ステップ信号が変化した直後にのみ見られる。
一方、2つの負帰還ループによるフィードバックがある場合、リンギングはほとんど消え、応答がよくなっていることが分かる。ステップ信号が変化した後、出力値が目標の許容値に到達するまでの時間はおよそ1μsとなっている。このことは、Q値制御によって圧電素子10の共振ピークの消去に成功したことを意味している。
また、制御装置の過渡応答については、バースト波に対する応答を調べることにより評価することができる。図9は実施の形態3に係る制御装置のバースト波に対する応答を示すグラフである。圧電素子10に対して振幅0.1V、周波数105kHzのバースト波を入力した場合の、出力電圧Vout を観測している。図9(a)は2つの負帰還ループによるフィードバックがない場合、図9(b)はフィードバックがある場合のグラフであり、いずれのグラフも横軸には時間(μs)、縦軸には振幅(電圧)をとっている。
2つの負帰還ループによるフィードバックがない場合、応答信号の時定数τは88μsとなり、Q値と時定数τとの関係Q=πfτ(fは周波数)の関係を用いてQ値を求めた場合、Q=π×105kHz×88μs=29となる。一方、2つの負帰還ループによるフィードバックがある場合、応答信号の時定数は2.4μsとなり、前述した関係を用いてQ値を求めた場合、Q=π×105kHz×2.4μs=0.75程度となる。
すなわち、Q値制御によりQ値を小さくすることに成功しており、本制御装置によりその動作を制御することによって、圧電素子10を高速に応答させることが可能となる。
最後に、駆動電圧に対する変位zのヒステリシスについて評価する。図10は入力信号を正弦波とした場合のリサージュ図形である。圧電素子10に対して振幅0.1V、周波数8kHzの正弦波信号を入力している。入力信号を横軸、出力信号を縦軸にとり、リサージュ図形を描かせた場合、2つの負帰還ループによるフィードバックがないときには図10(a)に示した曲線が得られ、2つの負帰還ループによるフィードバックがあるときには図10(b)に示した曲線が得られる。
このリサージュ図形から、フィードバックがない場合のヒステリシスは3%程度、フィードバックがある場合のヒステリシスは0.1%程度であることが分かった。すなわち、変位zに関するフィードバックを行うことにより、ヒステリシスを略取り除くことができることが分かった。
なお、圧電素子10が伸縮する方向の変位z及び速度dz/dtを検出する回路は図6に示した回路に限定されない。図11及び図12は圧電素子10が伸縮する方向の変位z及び速度dz/dtを検出する回路の他の例を示す回路図である。
図11に示した回路では、圧電素子10の出力側に電荷増幅器21が接続され、更にその後段に微分器22が接続されている。電荷増幅器21は、オペアンプ210、帰還抵抗211、及び帰還抵抗211に並列に接続されたコンデンサ212を備え、オペアンプ210の反転入力端子には圧電素子10の出力端が抵抗素子213を介して接続され、非反転入力端子は接地される。電荷増幅器21の出力電圧は入力電荷に比例するため、圧電素子10が伸縮する方向の変位zを電荷増幅器21の出力電圧として取り出すことができる。
微分器22は、オペアンプ220及び帰還抵抗221を備え、オペアンプ220の反転入力端子には、前述の電荷増幅器21の出力端がコンデンサ222を介して接続される。微分器22の出力電圧は、電荷増幅器21の出力電圧を微分した値になるため、圧電素子10が伸縮する方向の速度dz/dtを微分器22の出力電圧として取り出すことができる。
また、図12の回路例では、圧電素子10の駆動電圧入力側に差動増幅器31が接続され、出力側に電荷増幅器32が接続されている。差動増幅器31は、入力端子間の電位差(抵抗素子311の両端の電位差)に比例した電圧を出力するため、圧電素子10が伸縮する方向の速度dz/dtを、差動増幅器31の出力電圧として取り出すことができる。
電荷増幅器32は、オペアンプ320、帰還抵抗321、及び帰還抵抗321に並列に接続されたコンデンサ322を備え、オペアンプ320の反転入力端子には圧電素子10の出力端が抵抗素子323を介して接続され、非反転入力端子は接地される。電荷増幅器32の出力電圧は入力電荷に比例するため、圧電素子10が伸縮する方向の変位zを電荷増幅器32の出力電圧として取り出すことができる。
実施の形態4.
図13は実施の形態4に係る制御装置の要部構成を説明するブロック図であり、図14は回路図である。制御装置は、圧電素子10の駆動電流iを電圧に変換するI/V変換器11、及びI/V変換器11の後段に接続された積分器12、並びに圧電素子10の入力側に接続された2つの反転器17,18を備える。積分器12の出力電圧Vout は、増幅器13(第1の増幅器)によって増幅された後、反転器17(第1の反転器)の入力側へ帰還される。また、I/V変換器11の出力電圧Vvel は、増幅器15(第2の増幅器)によって増幅された後、反転器18(第2の反転器)の入力側へ帰還される。
I/V変換器11は、オペアンプ110及び帰還抵抗111により構成される。オペアンプ110の反転入力端子は圧電素子10の出力端に接続され、非反転入力端子は接地される。帰還抵抗111には、例えば100Ωの抵抗素子が用いられる。I/V変換器11は、圧電素子10の出力電流を電圧Vvel に変換する。変換後の電圧Vvel は、増幅器15によって増幅された後、反転器18の入力側へ帰還される。
積分器12は、オペアンプ120、帰還抵抗121、及び帰還抵抗121に並列に接続されたコンデンサ122により構成される。オペアンプ120の反転入力端子には、前述のI/V変換器11の出力端が抵抗素子123を介して接続され、非反転入力端子は接地される。帰還抵抗121には、例えば1MΩの抵抗素子が用いられ、コンデンサ122には、例えば1μFのコンデンサが用いられる。積分器12は、入力電圧である電圧Vvel を積分し、電圧Voutを出力する。電圧Vout は、増幅器13によって増幅された後、反転器17の入力側へ帰還される。
本実施の形態では、増幅器13を含む帰還ループによって圧電素子10が伸縮する方向の変位zに関するフィードバックを行い、ヒステリシスを除去する。また、増幅器15を含む帰還ループによって圧電素子10が伸縮する方向の速度dz/dtに関するフィードバックを行い、Q値制御を行う。
実施の形態5.
前述した実施の形態の何れかに記載した制御装置により圧電素子10の動作を制御することにより、高速応答が可能なアクチュエータを形成することができる。また、このアクチュエータを用いて試料ステージを変位させる構成としたAFMへの適用も可能である。本実施の形態では、本発明をAFMに適用した形態について説明する。
図15は本実施の形態に係る原子間力顕微鏡(AFM)の要部構成を示す模式図である。図中401は、例えば、互いに直交する3軸方向(x,y,z方向)に変位する試料ステージであり、この試料ステージ401上に観察対象の試料400が載置される。試料ステージ401には、機械系のスキャナ回路410によって水平方向(x,y方向とする)の駆動力が与えられ、実施の形態1乃至実施の形態3の何れかの制御装置を示すフィードバックコントローラ420によって鉛直方向(z方向とする)の駆動力が与えられる。
原子間力顕微鏡は、カンチレバー431を備え、その先端には試料ステージ401上の試料400を走査する探針430が装着されている。カンチレバー431の先端には、半導体レーザ432からのレーザ光が照射され、その反射光を4分割フォトダイオード433により検出する。4分割フォトダイオード433の出力は光てこ方式変位検出装置440に入力される。
探針430が試料400の表面に近づいた場合、探針430と試料表面原子との原子間力によりカンチレバー431が変位する。その変位を反射光により光てこ方式変位検出装置440が測定し、振幅検出装置450により振幅変化像(観察像)を得る。
また、フィードバックコントローラ420は、探針430の変位が一定になるように試料ステージ401を上下させるが、このときの制御を実施の形態1乃至実施の形態3で説明した手法を用いることにより、高い応答性能を有する制御装置として機能する。また、更なる高速化を図ることによって、ビデオレートでの撮像が期待できる。
本実施の形態1に係る制御装置の要部構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る制御装置によって制御される圧電素子の周波数特性を示すグラフである。 実施の形態2に係る制御装置の要部構成を説明するブロック図である。 実施の形態2に係る制御装置によって制御される圧電素子の周波数特性を示すグラフである。 実施の形態3に係る制御装置の要部構成を説明するブロック図である。 圧電素子が伸縮する方向の変位z及び速度dz/dtを検出する回路の一例を示す回路図である。 実施の形態3に係る制御装置によって制御される圧電素子の周波数特性を示すグラフである。 実施の形態3に係る制御装置のステップ信号に対する応答を示すグラフである。 実施の形態3に係る制御装置のバースト波に対する応答を示すグラフである。 入力信号を正弦波とした場合のリサージュ図形である。 圧電素子が伸縮する方向の変位z及び速度dz/dtを検出する回路の他の例を示す回路図である。 圧電素子が伸縮する方向の変位z及び速度dz/dtを検出する回路の他の例を示す回路図である。 実施の形態4に係る制御装置の要部構成を説明するブロック図である。 実施の形態4に係る制御装置の要部構成を説明する回路図である。 本実施の形態に係る原子間力顕微鏡(AFM)の要部構成を示す模式図である。
符号の説明
10 圧電素子
11 I/V変換器
12 積分器
13,15 増幅器

Claims (14)

  1. 圧電素子の駆動電圧を調節することにより、前記圧電素子の動作を制御する方法において、
    前記圧電素子に流れている電流の大きさに応じて前記圧電素子に印加すべき駆動電圧の大きさを調節することを特徴とする圧電素子の制御方法。
  2. 圧電素子の駆動電圧を調節することにより、前記圧電素子の動作を制御する方法において、
    前記圧電素子に蓄積されている電荷量に応じて前記圧電素子に印加すべき駆動電圧の大きさを調節することを特徴とする圧電素子の制御方法。
  3. 圧電素子の駆動電圧を調節することにより、前記圧電素子の動作を制御する装置において、
    前記圧電素子に流れている電流の大きさに応じて前記圧電素子に印加すべき駆動電圧の大きさを調節する調節手段を備えることを特徴とする圧電素子の制御装置。
  4. 前記調節手段は、前記圧電素子のQ値が小さくなるように印加すべき駆動電圧の大きさを調節するようにしてあることを特徴とする請求項3に記載の圧電素子の制御装置。
  5. 前記調節手段は、前記電流を電圧に変換する手段を備え、該手段によって変換した電圧により負帰還をかけた駆動電圧を前記圧電素子に印加するようにしてあることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の圧電素子の制御装置。
  6. 前記圧電素子の出力側に接続された電流−電圧変換器、該電流−電圧変換器により変換された電圧を増幅する増幅器、及び該増幅器により増幅された電圧の極性を反転する反転器を備え、該反転器の出力を前記圧電素子の入力側に帰還させてあることを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れか1つに記載の圧電素子の制御装置。
  7. 圧電素子の駆動電圧を調節することにより、前記圧電素子の動作を制御する装置において、
    前記圧電素子に蓄積されている電荷量に応じて前記圧電素子に印加すべき駆動電圧の大きさを調節する調節手段を備えることを特徴とする圧電素子の制御装置。
  8. 前記調節手段は、駆動電圧に対する前記圧電素子の伸縮方向のヒステリシスを除去するために印加すべき駆動電圧の大きさを調節するようにしてあることを特徴とする請求項7に記載の圧電素子の制御装置。
  9. 前記調節手段は、前記圧電素子に流れている電流を電圧に変換する手段と、該手段により変換された電圧を積分する手段とを備え、該手段の出力電圧により負帰還をかけた駆動電圧を前記圧電素子に印加するようにしてあることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の圧電素子の制御装置。
  10. 前記圧電素子の出力側に接続された電流−電圧変換器、該電流−電圧変換器により変換された電圧を積分する積分器、該積分器の出力電圧を増幅する増幅器、及び該増幅器により増幅された電圧の極性を反転する反転器を備え、該反転器の出力を前記圧電素子の入力側に帰還させてあることを特徴とする請求項7乃至請求項9の何れか1つに記載の圧電素子の制御装置。
  11. 前記圧電素子の出力側に接続された電流−電圧変換器、該電流−電圧変換器の出力側に接続された積分器、該積分器の出力電圧を増幅する第1の増幅器、該第1の増幅器により増幅された電圧の極性を反転する第1の反転器、前記電流−電圧変換器の出力電圧を増幅する第2の増幅器、及び該第2の増幅器により増幅された電圧の極性を反転する第2の反転器を備え、前記第1及び第2の反転器の出力を前記圧電素子の入力側に帰還させてあることを特徴とする請求項3又は請求項7に記載の圧電素子の制御装置。
  12. 前記圧電素子の駆動電圧印加側に直列に接続された第1及び第2の反転器、前記圧電素子の出力側に接続された電流−電圧変換器、該電流−電圧変換器の出力側に接続された積分器、該積分器の出力電圧を増幅する第1の増幅器、及び前記電流−電圧変換器の出力電圧を増幅する第2の増幅器を備え、前記第1の増幅器によって増幅された電圧を前記第1の反転器の入力側へ帰還させると共に、前記第2の増幅器によって増幅された電圧を前記第2の反転器の入力側へ帰還させてあることを特徴とする請求項3又は請求項7に記載の圧電素子の制御装置。
  13. 請求項3乃至請求項12の何れか1つに記載の制御装置と、該制御装置によりその動作が制御される圧電素子とを備えることを特徴とするアクチュエータ。
  14. 請求項13に記載のアクチュエータと、該アクチュエータにより所定軸方向に変位するステージと、該ステージに載置された試料を観察する手段とを備えることを特徴とする顕微鏡。
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