JPH052656U - ビニールハウスの回転窓装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ビニールハウスの支柱に容易に取り付けること
ができ、かつ簡単な構造で、ビニールハウス内空気の微
妙な温度調節や湿度調節が容易に行うことができるビニ
ールハウスの回転窓装置を提供することである。 【構成】ビニールハウス妻面３２の支柱３３に固定用金
具３４によって着脱自在に装着できるビニールハウスの
回転窓装置１であって、回転窓外枠２の上部材６下縁に
形成した弯曲縁５に回転窓枠３上部材１５上縁に形成し
た弯曲縁１２を回動可能に取り付け、前記外枠２の両縦
部材１１内側に固定した支持部材２１に一対の円弧状歯
車２２を回動可能に設け、該各円弧状歯車２２と噛み合
うピニオン２５を取り付けた回転軸２６を前記支持部材
２１に係架し、かつ該円弧状歯車には回転窓枠３の縦部
材２０に一端部が回動可能に連結された２連のリンク杆
２４の他端部を固定し、さらに前記回転軸を駆動するウ
ォームギヤ装置２７，２８を具備していることを特徴と
している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はビニールハウス等における妻面の上部に装備される回転窓装置に係り 、特にビニールハウス妻面の支柱に固定用金具によって容易に装着でき、かつビ ニールハウス内の温度調節や湿度調節を確実に行えるビニールハウスの回転窓装 置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、各種野菜、果物などの促成栽培が盛んに行なわれるようになり、ビニー ルハウスの必要性が一段と向上しており、このようなビニールハウス建設のため に種々の現場における作業性の良い形態のものが考案されるようになった。 例えば、アーチ状ビニールハウスにおいては軟質ビニールシートの簡易で確実 な定着手段としては本出願人が実開平１−６０６５５号で提案した円筒形の一部 を切欠した断面円弧状の筒体をした硬質合成樹脂製パッカ本体と、該本体の開口 部に向かって弯曲するように形成された軟質合成樹脂製の保護シートとからなり 、前記パッカ本体の開口部の一方の端縁に該保護シートを延設し、パッカ本体開 口部の両端縁をガイドして滑動させ、パッカ本体は断面円形の構造材に容易に嵌 着するビニールハウス用パッカが公知である。

【０００３】 また、実開昭６３−１８６１５３号で提案した波形線材の両端部を除いて波形 線材をビニールなどによって被覆し、該両端部には角形握持部を備えた合成樹脂 の保護体を装着し、この波形線材の一端に装着された保護体の角形握持部を指先 でつまんでビニールシートとともに蟻溝型骨材の蟻溝に押し込み、ついで台形部 を順次支持フレームの蟻溝に押し込み、波形線材の弾性力によって蟻溝内の左右 両側に挾持固定していく締着具などがある。

【０００４】 また、ビニールハウスの妻面に設けた開口部にスライドドアを装備するには、 本出願人が実願平２−１１９２０６号により提案したようにその開口部の上部に スライドドア用懸架レールを配設し、また開口部の下部を除いた両側にはスライ ドドア用Ｃ形レールを配設し、ビニールシートを定着した一対のスライドドアの 上部に各々前記懸架レールに懸架されるローラを設け、該各々の底面には前記左 右のレールに挿入支持される各スライド杆を左側、または右側に突出して設けた ものが知られている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記のようにビニールハウスに関して多くの改良が行われてい るが、植物の成育に重要な要素となるビニールハウス内空気の微妙な温度調節や 湿度調節のためのビニールハウス設備については関心が薄く、あまり改良が行わ れていない状況にあった。 本考案は上記事情に鑑みてなされたものであり、ビニールハウスの支柱に容 易に取り付けることができ、かつ簡単な構造で、ビニールハウス内空気の微妙な 温度調節や湿度調節が容易に行うことができるビニールハウスの回転窓装置を提 供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するために、ビニールハウス妻面の支柱に固定用金具 によって着脱自在に装着できるビニールハウスの回転窓装置であって、回転窓外 枠の上部材下縁に形成した弯曲縁に回転窓枠上部材上縁に形成した弯曲縁を回動 可能に取り付け、前記外枠の両縦部材内側に固定した支持部材に一対の円弧状歯 車を回動可能に設け、該各円弧状歯車と噛み合うピニオンを取り付けた回転軸を 前記支持部材に係架し、かつ該円弧状歯車には回転窓枠の縦部材に一端部が回動 可能に連結された２連のリンク杆の他端部を固定し、さらに前記回転軸を駆動す るウォームギヤ装置を具備していることを特徴としたビニールハウスの回転窓装 置であり、この回転窓装置をビニールハウスに取り付ける際使用される断面がコ 字形に形成された前記固定用金具には、その背面に外枠の上部材または下部材の ビニールシート取付け溝に嵌着される切欠きを形成し、また両側面には楔体が打 ち込まれる孔が穿設されていることを特徴としている。

【０００７】

【作用】

本考案の作用について説明すると、本考案に係る回転窓装置をビニールハウス 妻面の支柱に固定用金具を用いて着脱自在に装着するには、回転窓外枠の上部材 と下部材のビニールシート取付け溝背面の複数箇所に固定用金具の背面切欠きを 嵌着させた後、コ字状をした前記固定用金具の内側でビニールハウス妻面の支柱 を包持し、その状態で固定用金具両側面に穿設された孔に楔体を打ち込み前記固 定用金具を支柱に固定して行う。このようにしてビニールハウス妻面の支柱に回 転窓装置を容易に固定できる。次に、回転窓装置の回転窓を開閉するには前記ウ ォームギヤ装置のウォームから垂下している回転軸を操作棒を用いて回すと、こ のウォームの回転によりウォームギヤが回転され、これによって一対のピニオン を備えた回転軸が回転する。したがってこのピニオンと噛み合っている前記円弧 状歯車が回動され、この円弧状歯車に固定されているリンク杆が同様に回動され るのに関連して、これに連接されているもう１つのリンク杆も移動して回転窓枠 を外方に押し、回転窓枠はその上縁の枢軸を中心として外方に回動し、回転窓が 開く。

【０００８】 反対に、回転窓を閉じる場合には前記ウォームギヤ装置のウォームから垂下し ている回転軸を操作棒によって前記方向の反対に回すと、ウォームの回転により ウォームギヤが反対方向に回転され、これによって一対のピニオンを備えた回転 軸が回転する。したがってこのピニオンと噛み合っている前記円弧状歯車が反対 方向に回動され、この円弧状歯車に固定されている一方のリンク杆が同様に回動 さりるのに関連して、これに連接されているもう１つのリンク杆も内方に引かれ て回転窓枠を引き寄せ、回転窓枠はその上縁の枢軸を中心として内方に回動し、 回転窓は閉じる。 したがって、本考案に係る回転窓装置は回転窓の開閉をスムーズにできると共 に、途中の任意の位置に確実に停止させておくことも可能である。

【０００９】

【実施例】 次に、本考案に係る回転窓装置の一実施例について図面を参照して説明する。 図１は本実施例のビニールハウス支柱への取り付け説明図、図２は開閉状態を示 す説明図、図３は図１のＡ−Ａ断面図、図４は同じくＢ−Ｂ断面図である。

【００１０】 本実施例の回転窓装置１は回転窓外枠２と回転窓枠３とからなっており、回転 窓外枠２は上方にビニールシート取付け溝４を具備し、下方に弯曲縁５を有する 上部材６と、下方にビニールシート取付け溝７を具備し、上方に折曲縁８を有す る下部材９と、ビニールシート取付け溝１０を有する両側縦部材１１とからなっ ている。

【００１１】 一方、回転窓枠３は上方に弯曲縁１２を、中央部にビニールシート取付け溝 １３を、下方に折曲縁１４をそれぞれ具備した上部材１５と、上方に折曲縁１６ を具備し、下方にビニールシート取付け溝１７を有する下部材１８と、ビニール シート取付け溝１９を有する両側縦部材２０とからなっている。 したがって、回転窓外枠２の弯曲縁５と回転窓枠３の弯曲縁１２とを係合して 回転窓外枠２に回転窓枠３を容易に回動可能に取り付けることができる。

【００１２】 そして回転窓外枠２の両側縦部材１１の内側にそれぞれ固定した支持部材２１ に円弧状歯車２２を軸２３により回動可能に取り付け、この円弧状歯車２２に基 部が固定された２連のリンク２４の端部を回転窓枠３の両側縦部材２０に回動可 能に取付ける。また、前記それぞれの円弧状歯車２２と噛み合う２つのピニオン ２５は一対の支持部材２１間に架設された軸２６にそれぞれ固定されている。 さらに、図５に示すようにこの軸２６の一端にはウォームギヤ２７が設けられ ており、これとウォーム２８が噛み合っている。そしてウォーム２８の回転軸 ２９の下端には小孔が設けられているから、鉤棒３０をこの小孔に引っ掛けてウ ォーム２８を回転させることができる。

【００１３】 上記の構造をした回転窓装置１をビニールハウス３１の妻面３２の支柱３３に 取付けるには、図６および図７に示すように断面がコ字状の固定金具３４を用い て行う。コ字状の固定金具３４にはその背面に逆台形の切欠き３５を形成され、 その両側面には楔体３６が打ち込まれる凹孔３７が穿設されているから、回転窓 外枠２の上下部材６，９のビニールシート取付け溝４，７の背面２箇所に前記コ 字状固定金具３４の逆台形の切欠き３５をそれぞれ嵌着固定した後、コ字状をし た固定金具３４の内側で妻面３２の支柱３３を包持し、その状態で凹孔３７に楔 体３６を打ち込み回転窓装置１を支柱３３の上部に固定する。

【００１４】 上記した本実施例において回転窓装置１の回転窓３を開閉するには、ウォーム ギヤ装置のウォーム２８から垂下している回転軸２９を鉤つきの操作棒３０を用 いて回すと、このウォーム２８の回転によりウォームギヤ２７が回転され、これ によって一対のピニオン２５を備えた回転軸２６が回転される。したがってこの ピニオン２５と噛み合っている前記円弧状歯車２２が軸２３の周りに回動され、 これにつれてこの円弧状歯車２２に固定されている２連のリンク杆２４の１つの リンク杆が同様に回動されるのに関連して、これに連接されているもう１つのリ ンク杆も移動して回転窓枠３の両側縦部材２０を同時に外方に押すため回転窓枠 ３はその上縁の弯曲縁１２を中心として外方に回動し、回転窓３が開く。

【００１５】 反対に、回転窓３を閉じる場合には前記ウォームギヤ装置のウォーム２８から 垂下している回転軸２９を鉤つき操作棒３０によって前記回転方向と反対方向に 回すと、ウォーム２８の回転によりウォームギヤ２７が反対方向に回転され、こ れによって一対のピニオン２５を備えた回転軸２６が反対方向に回転する。した がってこのピニオン２５と噛み合っている前記円弧状歯車２２が反対方向に回動 され、この円弧状歯車２２に固定されている２連のリンク杆２４の１つのリンク 杆が同様に回動さりるのに関連して、これに連接されているもう１つのリンク杆 も内方に引かれて回転窓枠３の両側縦部材２０を同時に引き寄せ、回転窓枠３は その上縁の弯曲縁１２を中心として内方に回動し、回転窓枠３の下部材１８が回 転窓外枠２の下部材９に形成した折曲縁８に当接して回転窓３は密に閉じる。 したがって、本実施例では回転窓３の開閉をスムーズにできると共に、ウォー ムギヤ装置を利用しているから、開閉途中の任意の位置に確実に停止させておく ことができる。

【００１６】 上記本実施例によれば、回転窓外枠２の上下部材６，９のビニールシート取付 け溝４，７の背面２箇所に前記コ字状固定金具３４の逆台形の切欠き３５をそれ ぞれ嵌着固定した後、コ字状をした固定金具３４の内側で妻面３２の支柱３３の 上部を包持し、その状態で凹孔３７に楔体３６を打ち込むことによって回転窓装 置１を極めて容易に支柱３３の上部任意の位置に固定することができ、また鉤つ き操作棒３０によってウォーム２８を回すことによって、回転窓３の開閉をスム ーズにできると共に、ウォームギヤ装置を利用しているから、開閉途中の任意の 位置に回転窓３を確実に停止させておくことができる。 したがって、本実施例ではビニールハウス妻面の支柱の任意の位置に回転窓装 置１を容易に取り付けることができ、かつ簡単な操作によって開閉の微妙な調整 ができるから、ビニールハウス内空気の繊細な温度調節や湿度調節が容易に行う ことができる。また回転窓枠および回転窓外枠にはビニールシート取付け溝を形 成しているから、波形金属杆を用いて簡単にビニールシートを張着することがで きる。

【００１７】

【考案の効果】

上述した本考案によれば、回転窓外枠に回転窓を容易に回動可能に取付けるこ とができ、回転窓外枠の上下部材のビニールシート取付け溝の背面２箇所に前記 コ字状固定金具の切欠きをそれぞれ嵌着固定した後、コ字状をした固定金具の内 側で妻面の支柱の上部任意位置を包持し、その状態で孔に楔体を打ち込むことに よって回転窓装置を極めて容易に支柱の上部任意の位置に固定することができ、 また鉤つき操作棒によってウォームギヤ装置を回すことによって、回転窓の開閉 をスムーズにできると共に、ウォームギヤ装置を利用しているから、開閉途中の 任意の位置に回転窓を確実に停止させておくことができる。 したがって、本考案によればビニールハウス妻面の支柱の任意の位置に回転窓 装置を容易に取り付けることができ、かつ簡単な操作によって開閉の微妙な調整 ができるから、ビニールハウス内空気の繊細な温度調節や湿度調節が容易に行う ことができ、植物の成育に重要な要素であるビニールハウス内空気の温度や湿度 を最適に保持できる効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の分解説明図である。

【図２】本実施例の要部拡大説明図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】図１のＢ−Ｂ線断面図である。

【図５】図４の要部拡大図である。

【図６】楔体による固定状態を示す図である。

【図７】楔体の分解斜視図である。

【図８】本実施例を装備したビニールハウスの斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ 回転窓装置 ２ 回転窓外枠 ３ 回転窓枠 ４，７，１０，１３，１７，１９ ビニールシート取付
け溝 ５，１２ 弯曲縁 ６，１５ 上部材 ８，１４，１６ 折曲縁 ９ 下部材 １１，２０ 縦部材 １８ 下部材 ２１ 支持部材 ２２ 円弧形歯車 ２４ リンク杆 ２５ ピニオン ２７ ウォームギヤ ２８ ウォーム

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ビニールハウス妻面の支柱に固定用金具
   によって着脱自在に装着できるビニールハウスの回転窓
   装置であって、回転窓外枠の上部材下縁に形成した弯曲
   縁に回転窓枠上部材上縁に形成した弯曲縁を回動可能に
   取り付け、前記外枠の両縦部材内側に固定した支持部材
   に一対の円弧状歯車を回動可能に設け、該各円弧状歯車
   と噛み合うピニオンを取り付けた回転軸を前記支持部材
   に係架し、かつ該円弧状歯車には回転窓枠の縦部材に一
   端部が回動可能に連結された２連のリンク杆の他端部を
   固定し、さらに前記回転軸を駆動するウォームギヤ装置
   を具備していることを特徴としたビニールハウスの回転
   窓装置。
2. 【請求項２】 断面がコ字形に形成された固定用金具
   は、背面に外枠の上部材または下部材のビニールシート
   取付け溝背面に嵌着される切欠きを形成し、両側面には
   楔体が打ち込まれる孔が穿設されていることを特徴とし
   た請求項１記載のビニールハウスの回転窓装置。