JPH05264448A - 塗装面の平滑性測定装置 - Google Patents

塗装面の平滑性測定装置

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JPH05264448A
JPH05264448A JP9155092A JP9155092A JPH05264448A JP H05264448 A JPH05264448 A JP H05264448A JP 9155092 A JP9155092 A JP 9155092A JP 9155092 A JP9155092 A JP 9155092A JP H05264448 A JPH05264448 A JP H05264448A
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陽一郎 馬場
Yasuo Ishiguro
恭生 石黒
Masahiko Inaoka
雅彦 稲岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 投光手段と塗装面との間の距離を従来よりも
著しく短かくした場合でも、塗装面に写像された縦縞格
子像の照度分布を三角波状とする。 【構成】 塗装面11に縦縞格子状の光を照射する投光
手段20に、光源22からの光を拡散させて平面光とす
る第1の拡散手段25と、第1の拡散手段25を透過し
た光を縦縞格子状の光に変換するスリット板26と、ス
リット板26を通過した光の進行方向を変化させ塗装面
11に写像される縦縞格子像の照度分布を三角波状とす
る第1の拡散手段28と、を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗装面の平滑性を非接
触状態で測定する装置に関し、とくに測定系自体を小さ
くすることが可能な塗装面の平滑性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のボデー等の塗装面の粗さを測定
する技術の一つとして、たとえば特開昭63−9530
9号公報が知られている。本公報に開示された測定方法
では、図9に示すように、縦縞格子パネル1から塗装面
2に向けて縦縞格子状の光を照射し、塗装面2に写像さ
れた縦縞格子像をテレビカメラ3で直角方向に走査する
ことにより、波状の画像信号を得るようにしている。塗
装面2に凹凸がある場合は、縦縞格子像の反射光が変動
するので、この変動値に基づいて塗装面の平滑性が判定
される。
【0003】上述の特開昭63−95309号公報で
は、縦縞格子状の光を照射する投光手段(縦縞格子パネ
ル)と塗装面との間の距離が1500mmに設定され、
塗装面とテレビカメラとの間の距離が1200mmに設
定されている。このように、縦縞格子パネル1と塗装面
2との間の距離を長く設定するのは、画像信号レベルを
緩やかに変化させ、塗装面2の凹凸を発見しやすくする
ためである。
【0004】縦縞格子パネル1と塗装面2との間の距離
を短かく設定した場合は、縦縞格子像が塗装面にくっき
り映ってしまうため、塗装面の凹凸による明暗差が小さ
くなり、塗装欠陥が発見しにくくなる。この理由は、つ
ぎのように説明することができる。
【0005】図10は、図9の装置によって縦縞格子像
を直角方向に走査した場合の塗装面の照度分布を示して
いる。図10に示す照度分布は、縦縞格子パネル1と塗
装面2との間の距離が1500mmに設定されている場
合を示している。この状態では、いわゆるピンボケによ
って照度の高い部分から照度の低い部分への変化が緩や
かとなり、照度分布は三角波状となる。図11に示す照
度分布は、図9の装置において縦縞格子パネル1と塗装
面2との間の距離を所定の値よりも短い500mmに設
定した場合を示している。この場合は、縦縞格子像がピ
ンボケせず塗装面にくっきり映ってしまい、照度分布は
矩形波となる。
【0006】図12は、照度分布が三角波状のときの塗
装面上の凹凸を検知した場合の波形S1 を示している。
図13は照度分布が矩形波状のときの塗装面上の凹凸を
検知した場合の波形S2 を示している。図12、13に
示すように、照度分布が三角波状の場合の塗装面の凹凸
による明暗差はK1 であり、照度分布が矩形波状の場合
の塗装面の凹凸による明暗差はK2 である。このよう
に、塗装面の照度分布を三角波状とした場合は、塗装面
の凹凸による明暗に光源の明るさの変化が重畳して明暗
差は大となり、塗装面上の凹凸を検知するのに大きく寄
与する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塗装面
の照度分布を図10のような三角波状とするためには、
投光手段としての縦縞格子パネルと塗装面との間の距離
を長く設定しなければならず、測定系自身が極めて大き
いものになってしまう。したがって、装置の設置スペー
スを大に確保しなければならず、既存の塗装設備に導入
する際には大きな問題となる。
【0008】本発明は、上記の問題に着目し、投光手段
と塗装面との間の距離を従来よりも著しく短かくした場
合でも、塗装面に写像される縦縞格子像の照度分布を三
角波状とすることができ、測定系自体を小にすることが
可能な塗装面の平滑測定装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明に
係る塗装面の平滑性測定装置は、塗装面に縦縞格子状の
光を照射し、該塗装面に照射された光の反射光に基づい
て塗装面の平滑性を測定する塗装面の平滑性測定装置に
おいて、前記塗装面に縦縞格子状の光を照射する投光手
段に、光源からの光を拡散させて平面光とする第1の拡
散手段と、該第1の拡散手段を透過した光を縦縞格子状
の光に変換するスリット板と、該スリット板を通過した
光の進行方向を変化させ前記塗装面に写像される縦縞格
子像の照度分布を三角波状とする第2の拡散手段と、を
設けたものから成る。
【0010】
【作用】このように構成された塗装面の平滑性測定装置
においては、光源からの光が第1の拡散手段によって拡
散され平面光とされる。第1の拡散手段を透過した光は
スリット板を通過することによって、縦縞格子状の光に
変換される。さらに、スリット板からの光は、第2の拡
散手段に入射することにより、その進行方向が変化す
る。
【0011】第2の拡散手段は、塗装面に写像される縦
縞格子像の照度分布を三角波状とするように光の進行方
向を変化させ拡散させるので、塗装面は凹凸を発見しや
すい照度分布とされる。このように、第2の拡散手段は
投光手段から塗装面までの間の距離を長くしたのと同じ
ように、縦縞格子像をぼかす機能を有するので、投光手
段と塗装面との間の距離を短かくすることが可能とな
る。これにより、測定系自身の大きさが著しく小とされ
る。
【0012】
【実施例】以下に、本発明に係る塗装面の平滑性測定装
置の望ましい実施例を、図面を参照して説明する。
【0013】第1実施例 図1ないし図6は、本発明の第1実施例を示している。
図4において、20は投光手段としての縦縞格子パネル
を示している。縦縞格子パネル20からの光は、塗装面
11に向けて照射されるようになっている。塗装面11
に照射された光は、撮像手段としてのテレビカメラ41
によって撮像されるようになっている。テレビカメラ4
1には、画像信号処理手段51が接続されている。
【0014】図1は、投光手段としての縦縞格子パネル
20を示している。縦縞格子パネル20は、箱状のケー
ス21を有している。ケース21内の一側には、複数の
光源が等間隔に配置されている。本実施例では、光源は
蛍光灯22から構成されている。蛍光灯22は、ケース
21の背面に取付けられた安定器23を介して点灯する
ようになっている。
【0015】各蛍光灯22とケース21の内壁面との間
には、蛍光灯22からの光を塗装面11側に反射させる
反射板24が設けられている。ケース21内には、各蛍
光灯22からの光を透過する第1の拡散手段としてマッ
ト処理された硬質アクリル板25が配置されている。硬
質アルリル板25は、各蛍光灯22からの光を拡散させ
て平面光とする機能を有している。
【0016】硬質アクリル板25と隣接する位置には、
スリット部26aが等間隔に形成されるスリット板26
が設けられている。スリット板26は、硬質アクリル板
25からの平面光を縦縞格子状の光に変換する機能を有
している。スリット板26におけるスリット部26aの
幅およびその配置ピッチは、たとえば33mmに設定さ
れている。本実施例では、硬質アクリル板25およびス
リット板26は、ケース21の内端面に設けられた保持
部材27によって保持されており、この状態では硬質ア
クリル板25とスリット板26は密着するようになって
いる。
【0017】スリット板26から光の照射方向にL
3 (100mm)だけ離れた位置には、第2の拡散手段
としてのレンチキュラーシート28が設けられている。
レンチキュラーシート28の両端部は、ケース21の他
端面に形成された保持部材29によって保持されてい
る。レンチキュラーシート28は、透明アクリル樹脂か
ら成り、外面には直線状のレンズ部28aが定間隔をも
って複数形成されている。レンズ部28aの配列ピッチ
Pは0.4mmに設定されており、レンズ部28aの焦
点距離F1 は、1.2mmに設定されている。
【0018】レンチキュラーシート28は、スリット板
26からの光の進行方向を変化させ、図6に示すよう
に、塗装面11に写像される縦縞格子像15の照度分布
を三角波状とする機能を有している。この場合の縦縞格
子像15の三角波状の照度分布は、従来技術で示した図
10の三角波状の照度分布と同一になる。
【0019】図5は、撮像手段としてのテレビカメラ4
1のレンズ42と塗装面11との位置関係を示してい
る。本発明の場合は、投光手段としての縦縞格子パネル
20と塗装面11との間の距離を短かくできることか
ら、テレビカメラ41のレンズ42と塗装面11との間
の距離L1 は、従来の距離L2 の1/3である500m
mに短縮されている。テレビカメラ41は、塗装面11
の縦縞格子像15を直角方向に走査するようになってい
る。
【0020】テレビカメラ41のレンズ42を塗装面1
1に近づける場合、従来と同じ測定範囲を得るために
は、レンズ42の直角を広げることが必要である。本実
施例ではレンズ42と塗装面11との間の距離を500
mmに設定し、測定面積を従来と同様の130mm×1
30mmとすることから、焦点距離が25mm、絞りF
1.8のレンズが使用されている。また、テレビカメラ
41のレンズ42を塗装面11に近づける場合は、投光
手段としての縦縞格子パネル20からの光量が増加する
ため、1/8減光フィルタ43がレンズ42に装着され
ている。
【0021】図4に示すように、縦縞格子パネル20か
ら塗装面11に向う光の光軸31と、塗装面11で反射
しテレビカメラ41に向う光軸32とのなす角θは、2
0°以下に設定されている。これは、入力画像の均質性
を保ち、測定精度を高めるためである。テレビカメラ4
1によって撮像された塗装面11の縦縞格子像15は、
画像信号処理手段51に格納され、格子に対し直角方向
の一走査線分の照度分布を抽出すると、図6に示す照度
分布に対応した波形が得られる。塗装面11に凹凸があ
る場合は、縦縞格子像15の反射光が変動し、波形上
に、塗面上の凸凹に対応した凸凹が生じる。こうして塗
面上の凸凹の状態、すなわち、平滑性が検出できる。
【0022】縦縞格子パネル20とテレビカメラ41
は、塗装ラインにおいて実際に使用される場合は、一体
化される。一体化された縦縞格子パネル20とテレビカ
メラ41は、ボデーの塗装面の移動経路に沿って配置さ
れている。本実施例では、測定装置は塗装ラインサイド
に設けられており、カメラの画像データ取得所要時間は
1/200秒以下なので、測定装置を固定したままでラ
イン上を移動中のボデーの塗装面を検査できる。ボデー
が停止すればさらに条件は容易になる。なお、ロボット
を用いて測定装置を移動させる構成としても同様な効果
が得られる。
【0023】つぎに、第1実施例における作用について
説明する。塗装された車両ボデーが定位置に停止する
と、縦縞格子パネル20とテレビカメラ41とが車両ボ
デーの所定の塗装面11に接近した状態となる。この状
態で縦縞格子パネル20から塗装面11に向けて縦縞格
子状の光が照射される。
【0024】縦縞格子状の光が塗装面11に照射される
と、塗装面11には縦縞格子像15が写像される。塗装
面11に写像された縦縞格子像15は、テレビカメラ4
1によって撮像される。縦縞格子像15が写像される塗
装面11の照度分布は、三角波状となっているので、塗
装面11の凹凸が発見しやすくなる。すなわち、照度分
布が三角波状となる場合は、塗装面11の凹凸による明
暗に三角波状の照度の変化が重畳されるため、図13に
示すように照度が一定の場合の明暗差K2 よりも、図1
2に示す明暗差K1 のほうが大きくなり、塗装面11の
凹凸の発見が容易になる。平滑性の評価は、テレビカメ
ラ41による塗装面11の走査によって凹凸の明暗差が
所定値以上となる部分の数を算出することにより行なわ
れる。
【0025】第2実施例 図7は、本発明の第2実施例を示しており、とくに塗装
面が曲線である場合の測定に適用した場合を示してい
る。図7に示すように、本実施例ではテレビカメラ41
の両側に縦縞格子パネル20が配置されている。曲面R
1 上の部分の平滑性を測定しようとする場合はその測定
範囲の全面に縦縞格子像を写像しなければならないが、
それには曲面R1 の半径に応じた縦縞格子パネルが必要
となる。
【0026】図14に示すように、従来の場合は三角波
状の照度分布を得るためには、塗装面2から縦縞格子パ
ネル1との間の距離を長く設定しなければならず、必然
的に縦縞格子パネル1の大きさを大にしなければならな
い。本発明では、第2の拡散手段としてのレンタキュラ
ーシート28によって塗装面11からの距離を長く設定
することなく、三角波状の照度分布が得られるため、図
7に示すように、縦縞格子パネル20の大きさも小とす
ることができ、かつ測定系自身も小とすることができ
る。
【0027】第3実施例 図8は、本発明の第3実施例を示しており、とくに曲面
の曲率半径が小さい場合の平滑測定に適用した場合を示
している。本実施例では、スリット板26のスリット間
隔を測定面の曲率半径R2 にあわせて変えてある。これ
により、曲面R2 の塗装面11であっても、規則的な三
角波状の照度変化が得られる。
【0028】なお、上記実施例では投光手段としての縦
縞格子パネルとテレビカメラとの組合せによって塗装面
の平滑性を測定する構成を説明したが、塗装面の目視に
よって検査する場合にも、縦縞格子パネル20を有効利
用することができる。つまり、塗装面の凹凸状態を観察
するには、塗装面の照度が一定である場合よりも、照度
が規則的に変化していたほうが凹凸部分の明暗差が大き
くなり、凹凸を目視でも十分に発見することが可能とな
るからである。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、つぎのような効果が得
られる。
【0030】(1)塗装面に縦縞格子状の光を照射する
投光手段に、光源からの光を拡散させて平面光とする第
1の拡散手段と、第1の拡散手段を透過した光を縦縞格
子状の光に変換するスリット板と、スリット板を通過し
た光の進行方向を変化させ塗装面に写像される縦縞格子
像の照度分布を三角波状とする第2の拡散手段とを設け
るようにしたので、投光手段と塗装面との間の距離が短
い場合でも縦縞格子像を強制的にぼかすことができ、塗
装面の照度を塗装欠陥が発見しやすい照度分布とするこ
とができる。
【0031】したがって、測定系自体を従来よりも著し
く小さくすることができ、測定装置を小型化することが
できる。その結果、既存の塗装設備への測定装置の導入
が容易となり、塗装設備の大幅な改造も不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る塗装面の平滑性測定
装置における投光手段の斜視図である。
【図2】図1における第2の拡散手段の平面図である。
【図3】図2の断面図である。
【図4】本発明の全体構成の一例を示す斜視図である。
【図5】カメラレンズと塗装面との位置関係を示す平面
図である。
【図6】図1の投光手段によって縦縞格子像が写像され
る塗装面の照度分布を示す特性図である。
【図7】本発明の第2実施例に係る塗装面の平滑性測定
装置による曲面状塗装面の測定状態を示す側面図であ
る。
【図8】本発明の第3実施例に係る塗装面の平滑性測定
装置における投光手段の断面図である。
【図9】従来の平滑性測定装置の一例を示す斜視図であ
る。
【図10】図9の装置における縦縞格子パネルと塗装面
との間の距離を正規の状態に設定した場合の塗装面の照
度分布図である。
【図11】図9の装置における縦縞格子パネルと塗装面
との間の距離を正規の状態よりも短かく設定した場合の
塗装面の照度分布図である。
【図12】塗装面の照度分布が図10に示す三角波状で
ある場合の塗装面の凹凸により生じる明暗差を示す波形
図である。
【図13】塗装面の照度分布が図11に示すように一定
の場合の塗装面の凹凸による明暗差を示す波形図であ
る。
【図14】従来装置による曲面の塗装面の平滑性の測定
状態を示す側面図である。
【符号の説明】
11 塗装面 20 投光手段(縦縞格子パネル) 22 光源(蛍光灯) 25 第1の拡散手段(マット処理された硬質アクリル
板) 26 スリット板 28 第2の拡散手段(レンチキュラーシート) 41 撮像手段(テレビカメラ) 42 レンズ 43 減光フィルタ 51 画像信号処理手段
フロントページの続き (72)発明者 稲岡 雅彦 神奈川県横須賀市田浦港町無番地 関東自 動車工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗装面に縦縞格子状の光を照射し、該塗
    装面に照射された光の反射光に基づいて塗装面の平滑性
    を測定する塗装面の平滑性測定装置において、前記塗装
    面に縦縞格子状の光を照射する投光手段に、光源からの
    光を拡散させて平面光とする第1の拡散手段と、該第1
    の拡散手段を透過した光を縦縞格子状の光に変換するス
    リット板と、該スリット板を通過した光の進行方向を変
    化させ前記塗装面に写像される縦縞格子像の照度分布を
    三角波状とする第2の拡散手段と、を設けたことを特徴
    とする塗装面の平滑性測定装置。
JP9155092A 1992-03-18 1992-03-18 塗装面の平滑性測定装置 Expired - Lifetime JP2939386B2 (ja)

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