JPH05264153A

JPH05264153A - 冷蔵庫

Info

Publication number: JPH05264153A
Application number: JP6353792A
Authority: JP
Inventors: Mamoru Hosoe; 守細江
Original assignee: Matsushita Electric Works Ltd
Current assignee: Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date: 1992-03-19
Filing date: 1992-03-19
Publication date: 1993-10-12

Abstract

(57)【要約】【目的】電子冷却素子を使用した冷蔵庫において、冷
却性能を向上させるとともに、省エネルギーで保冷す
る。【構成】収納ケース２１は、中空層を有する内壁２１
ａ及び外壁２１ｂからなる２重壁構造をなし、この中空
層に蓄冷材５１が封入されている。そして、電子冷却素
子２３に外部電源から大きい電流が供給されたときは、
電子冷却素子２３の作用により収納ケース２１及び蓄冷
材５１が冷却される。一方、電子冷却素子２３に蓄電池
から小さい電流が供給されたときは、蓄冷材５１の融解
潜熱作用が収納ケース２１の冷却に寄与する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、屋外レジャー等に用い
られる携帯用の冷蔵庫に係り、特に電子冷却素子を使用
した冷蔵庫の効率向上に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、図６の原理図に示すように、異種
金属Ｘ，Ｙの各両端部が接合されて形成された電子冷却
素子ＰＬに直流電流Ｉを供給するとその接合部Ａで吸熱
反応、接合部Ｂで発熱反応が生じることが知られてい
る。このとき、電流Ｉの方向を逆にすると発熱、吸熱反
応が逆になる。また、供給する電流Ｉの値によって、こ
の熱量の大きさを容易に変えることができる。

【０００３】この原理を利用すると、冷凍サイクルを利
用した場合に必要となるコンプレッサが不要になり、小
型、軽量かつ騒音、振動のない冷蔵庫が実現できるの
で、携帯用として、一般に市販されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
金属に通電すると、ジュール熱が発生するので、上記従
来の冷却装置では、充分な冷却能力が得られないという
問題があった。

【０００５】一方、冷凍サイクル原理に基づく冷蔵庫で
は、コンプレッサを使用するので冷却能力は充分に有し
ているが、本体の重量が大きく、携帯用等の用途には不
向きである。また、騒音、振動もあり、フロン等の冷媒
を使用しているので、環境に対する悪影響も考慮しなけ
ればならない。

【０００６】また、蓄電池を用いて所要の冷却能力を発
揮させようとすると、電子冷却素子への供給電流をより
増大させる必要があるため、蓄電池の使用可能時間が減
少するという問題もある。

【０００７】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、電子冷却素子を使用した冷蔵庫において、冷却性能
を向上させるとともに、省エネルギーで保冷する冷蔵庫
を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、電流供給により発熱部及び吸熱部を生成
する電子冷却素子を備え、上記吸熱部により容器を冷却
するようになされた冷蔵庫において、上記電子冷却素子
に第１の電流を供給する蓄電池と、外部電源から上記電
子冷却素子へ第２の電流（＞第１の電流）の供給を可能
とする電源接続手段と、上記外部電源が接続されたとき
は上記外部電源からの電流供給に切り換える電源切換手
段と、上記容器を形成する壁に熱結合して周設される蓄
冷材とを備えた構成である（請求項１）。

【０００９】また、前記容器は中空層を有する２重壁構
造であって、前記蓄冷材は、上記中空層内に封入されて
いる（請求項２）。

【００１０】

【作用】本発明によれば、外部電源から電流が供給され
るときは、電子冷却素子により容器とともに蓄冷材が冷
却される。そして、蓄電池から電流が供給されるとき
は、電子冷却素子と蓄冷材とにより容器が冷却され、省
電力で保冷が行われる。

【００１１】また、請求項２記載の発明によれば、請求
項１記載の発明と同様の作用が行われる。

【００１２】

【実施例】図５は本発明に係る冷蔵庫の外観を示す図
で、（ａ）は全体斜視図、（ｂ）は表示パネルを示す図
である。本体ケース１及び蓋２は、ロック３により容易
に開閉できるようになされている。また、蓋２には持ち
運びに便利なようにハンドル４が配設されている。本体
ケース１の一側面適所には、本冷蔵庫の操作を行う表示
パネル５、外部から空気が循環する通風口６及びその上
下の通風口７を有するパネル板９が設けられている。

【００１３】表示パネル５は、冷蔵（Ｇ）、温蔵（Ｒ）
の動作モードを表示するＬＥＤ１１、冷蔵、温蔵、停止
の動作を切り換える動作スイッチ１２、後述する能力切
換スイッチ１３、交流あるいは直流の電源モードによっ
て切り換える電源モードスイッチ１４、交流用の電源コ
ード８ａあるいは直流用の電源コード８ｂ等の電源コー
ド８を接続するソケット１５等を備えたものである。

【００１４】なお、本冷蔵庫には、不図示の蓄電池が内
蔵されており、電源コード８ａまたは８ｂを接続したと
きは、冷蔵庫への電源供給とともに、蓄電池の充電を行
うようにして、蓄電池と外部電源の使用が切り換えられ
るようになっている。この切り換えは、マニュアル操作
でもよく、自動的に切り換わるようにしてもよい。

【００１５】図１は本発明に係る冷蔵庫の構造を示す断
面図である。図２は同冷蔵庫の収納ケース及び周辺部材
の一部を示す分解斜視図である。図３は能力切換スイッ
チの回路図で、（ａ）は能力切換スイッチと電源及び電
子冷却素子との接続を示す回路図、（ｂ）は能力切換ス
イッチが「強冷」のときのスイッチの開閉状態を示す
図、（ｃ）は「弱冷」のときのスイッチの開閉状態を示
す図である。図４は能力切換スイッチの他の例を示す回
路図で、（ａ），（ｂ）は図３の（ａ），（ｂ）に、
（ｃ），（ｄ）は図３の（ｃ）に、それぞれ対応するも
のである。

【００１６】収納ケース２１は、被冷却物を収納する容
器で、厚さが５〜１０mm程度の中空層を有する、内壁２
１ａ及び外壁２１ｂからなる２重壁構造をなし、熱伝導
率の良好な材料、例えばアルミニウムで形成されてい
る。

【００１７】蓄冷材５１は、上記中空層に封入されてい
るもので、融解潜熱型の蓄熱材料の一種であり、水、寒
材及び保形性を付与する基材等から構成されている。蓄
冷材５１と被冷却物との温度差は５〜１０℃程度になる
ので、蓄冷材５１に使用する物質は被冷却物の冷却温度
に合わせて選定すればよい。蓄冷材５１の融解潜熱は６
０〜８０kcal／kgで、その保冷時間は融解潜熱×使用重
量に比例する。

【００１８】凹部２９は、冷却のための部材を装着する
ためのもので、本体ケース１の一側面適所に設けられて
いる。収納ケース２１と本体ケース１との間には、凹部
２９を除いて、発泡ウレタン等の断熱材１０が充填され
ている。

【００１９】電子冷却素子２３は、異種金属が接合され
て形成され、電流が供給されるとそれぞれの接合部にお
いて、発熱部と吸熱部とを生成するものである。

【００２０】スペーサ台２２は、電子冷却素子２３の吸
熱部と伝熱グリースで密着固定してこの電子冷却素子２
３を載置するもので、熱伝導率の良好な材料、例えばア
ルミニウムで形成され、収納ケース２１の外壁の嵌合部
分に嵌合され、収納ケース２１の内壁に熱結合可能なよ
うに密着配置されている。シールリング５２は蓄冷材５
１が収納ケース２１の中空層から漏出しないように密封
するもので、収納ケース２１の外壁とスペーサ台２２と
の間に介設されている。

【００２１】放熱フィン２６は、上記発熱部に発生する
熱及びジュール熱を効率よく放散させるもので熱伝導率
の良好な材料で形成され、電子冷却素子２３の発熱部に
伝熱グリースで密着固定されるとともに、断熱クッショ
ン２８を介して本体ケース１に固定されている。ファン
２７は放熱フィン２６に送風してこれを冷却するもの
で、通風口６の内側に対面配置され、放熱フィン２６に
送風された空気は通風口７から放出される。

【００２２】電源３５は家庭用電源または自動車電源等
の外部電源、あるいは内蔵する蓄電池が使用される。能
力切換スイッチ１３は電子冷却素子２３の冷却能力を
「強冷」、「弱冷」の２段階に切り換えるものである。

【００２３】次に、動作について説明する。電子冷却素
子２３の吸熱部の吸熱量は供給される電流に比例する。
しかし、素子の内部抵抗によるジュール熱は電流の２乗
に比例するので、一定電流を供給するとき、最大の吸熱
量が得られる最大の電流値が存在する。そこで、ファン
２７からの送風により電子冷却素子２３の発熱部に密着
された放熱フィン２６を冷却し、上記ジュール熱を放散
して、発熱部の温度を低下させることにより、冷却が進
んでいくこととなる。

【００２４】このとき、電源３５として充分な電流容量
を有する家庭用電源または自動車電源等を使用するとき
は、図３（ｂ）及び図４（ｂ）に示すように、能力切換
スイッチ１３を「強冷」に設定し、収納ケース２１を冷
却するとともに、蓄冷材５１を冷却して、蓄冷してお
く。

【００２５】一方、電源３５として内蔵蓄電池を使用す
るときは、図３（ｃ）及び図４（ｃ），（ｄ）に示すよ
うに、能力切換スイッチ１３を「弱冷」に設定する。こ
のときは、電子冷却素子２３だけでなく、蓄冷材５１に
よる冷却力も、収納ケース２１の冷却に寄与する。な
お、例えば屋外等で、充分な冷却力が必要なときや急速
に冷却したいときには、内蔵蓄電池使用時でも、必要に
応じて能力切換スイッチ１３を「強冷」に設定すること
も可能になされている。

【００２６】このように、使用する電源に応じて冷却能
力を切り換えられるようにしたので、充分な電流容量を
有する電源を使用するときに蓄冷材５１を冷却して蓄冷
しておけば、キャンプ地等において電源として蓄電池を
使用した場合に冷却能力を「弱冷」にすることにより、
被冷却物に対する冷却能力を低下させることなく、蓄電
池の使用可能時間を増大させることができる。

【００２７】なお、本実施例では、収納ケース２１の全
面に中空層を形成したが、これに限られず、冷却に好適
な面にのみ形成してもよい。また、収納ケース２１に中
空層を形成することなく、例えば袋に密封された蓄冷材
５１を収納ケース２１と熱的に結合された状態で配設す
るようにしてもよい。

【００２８】また、蓄電池は冷蔵庫本体に内蔵している
が、これを着脱自在にして、専用充電器で充電できるよ
うにしてもよい。この場合、蓄電池が装着されていない
ときは、冷蔵庫に接続された外部の電源３５は、電子冷
却素子２３のみに通電するようにすればよい。

【００２９】

【発明の効果】以上、本発明は、電流供給により発熱部
及び吸熱部を生成する電子冷却素子を備え、上記吸熱部
により容器を冷却するようになされた冷蔵庫において、
上記電子冷却素子に第１の電流を供給する蓄電池と、外
部電源から上記電子冷却素子へ第２の電流（＞第１の電
流）の供給を可能とする電源接続手段と、上記外部電源
が接続されたときは上記外部電源からの電流供給に切り
換える電源切換手段と、上記容器を形成する壁に熱結合
して周設される蓄冷材とを備えたので、容量が小さい蓄
電池を使用するときでも、蓄冷材により容器の冷却が行
われることから、供給電流を小さくして蓄電池の使用可
能時間を長くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る冷蔵庫の構造を示す断面図であ
る。

【図２】冷蔵庫の収納ケース及び周辺部材の一部を示す
分解斜視図である。

【図３】能力切換スイッチの回路図で、（ａ）は能力切
換スイッチと電源及び電子冷却素子との接続を示す回路
図、（ｂ）は能力切換スイッチが「強冷」のときのスイ
ッチの開閉状態を示す図、（ｃ）は「弱冷」のときのス
イッチの開閉状態を示す図である。

【図４】能力切換スイッチの他の例を示す回路図で、
（ａ）は能力切換スイッチと電源及び電子冷却素子との
接続を示す回路図、（ｂ）は能力切換スイッチが「強
冷」のときのスイッチの開閉状態を示す図、（ｃ）
（ｄ）は「弱冷」のときのスイッチの開閉状態を示す図
である。

【図５】本発明に係る冷蔵庫の外観を示す図で、（ａ）
は全体斜視図、（ｂ）は表示パネルを示す図である。

【図６】電子冷却素子の構成を示す原理図である。

【符号の説明】

５表示パネル６，７通風口８，８ａ，８ｂ電源コード２１収納ケース２１ａ内壁２１ｂ外壁２２スペーサ台２３電子冷却素子２６放熱フィン２７ファン２８断熱クッション２９凹部５１蓄冷材５２シールリング

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】電流供給により発熱部及び吸熱部を生成
する電子冷却素子を備え、上記吸熱部により容器を冷却
するようになされた冷蔵庫において、上記電子冷却素子
に第１の電流を供給する蓄電池と、外部電源から上記電
子冷却素子へ第２の電流（＞第１の電流）の供給を可能
とする電源接続手段と、上記外部電源が接続されたとき
は上記外部電源からの電流供給に切り換える電源切換手
段と、上記容器を形成する壁に熱結合して周設される蓄
冷材とを備えたことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項２】前記容器は中空層を有する２重壁構造で
あって、前記蓄冷材は、上記中空層内に封入されている
ことを特徴とする請求項１記載の冷蔵庫。