JPH05264038A - ガスタービン燃焼器用の中央体構造及び2段2モード燃焼器用の中央体構造 - Google Patents

ガスタービン燃焼器用の中央体構造及び2段2モード燃焼器用の中央体構造

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JPH05264038A
JPH05264038A JP4347557A JP34755792A JPH05264038A JP H05264038 A JPH05264038 A JP H05264038A JP 4347557 A JP4347557 A JP 4347557A JP 34755792 A JP34755792 A JP 34755792A JP H05264038 A JPH05264038 A JP H05264038A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 保炎性を高めることのできるガスタービン燃
焼器用の中央体構造を提供する。 【構成】 中央体構造は、一対の内側及び外側の概して
筒形の部材98及び96と、冷却流体マニホルド120
とを含んでおり、内側筒形部材98はその前端に取り付
けられている末広カップ部110を有している。カップ
部110は外側筒形部材96に向かって延在しており、
冷却流体マニホルド120は内側及び外側筒形部材98
及び96の間に、中央体カップ部110に半径方向に隣
接して配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービン燃焼器に
関し、特に、窒素酸化物(NOx)の放出量を減らし得
るガスタービン燃焼器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンの排気内のNOxの量を減
らすために、2段2モード燃焼器が本発明の譲受人(本
出願人)により開発され、米国特許番号第429280
1号に開示されている。この引用特許では、通常の運転
負荷状態において上流の1次燃焼室が予混合室として働
くと共に、下流の2次燃焼室内で実際の燃焼が起こるよ
うに2つの燃焼室を設ければ、従来の単段単一燃料ノズ
ル式燃焼器に比べて、NOx排出量を大いに減らし得る
ということが開示されている。上述の運転状態では、1
次室には火炎が発生せず、そこで予混合された燃料及び
空気は2次室で燃やされ、その結果、NOxの発生量は
減少する。この状態では、2次又は中央ノズルは火炎源
として燃焼器の動作に役立つ。上述の引用特許に開示さ
れている特定形状は、各々が燃料を1次燃焼室内に排出
するように環状列を成している1次ノズルと、燃料を2
次燃焼室内に排出する中央2次ノズルとを含んでいる。
換言すれば、第2段中央体が、第1段から通流する予混
合された燃料及び空気用のパイロットとして作用する。
後の関連開発、即ち米国特許番号第4982570号
(やはり本出願人に譲渡されたもの)の主題となってい
る開発では、単一中央ノズルの代わりに、拡散・予混合
組合わせノズルが用いられており、この拡散・予混合組
合わせノズルは燃焼器全体に関し、全燃料流量の約20
%から全燃料流量の約2%まで中央拡散火炎への燃料流
を減らす。この開発では、パイロットは小さな拡散サブ
パイロットと、予混合された燃料及び空気とから成って
おり、両方共、中央体内の第2段ノズルから供給され
る。
【0003】予混合燃焼中に望ましいことは、第2段パ
イロットからの火炎が常に安定していることである。な
ぜなら、火炎が不安定であると、高い振動圧力(動圧)
が発生するからである。このような動圧は火炎を保炎不
要区域内に移行させることにより、燃焼器の動作を乱す
おそれがある。即ち、逆火を生ずるおそれがある。全運
転状態で安定性の優れた予混合パイロットがあれば、動
圧が減り、そして燃焼器及びガスタービンの動作特性が
改善される。
【0004】前述の米国特許番号第4982570号及
び同第4292801号(ここに参照されるべき両特
許)に示されている現存の中央体カップ構成は、一般
に、外周に空気スワーラが設けられている筒形中央体カ
ップを含んでいる。米国特許番号第4982570号の
中央体カップは、一実施例において、2次ノズルの下流
において外方に張り開いているが、依然として、拡散・
予混合ノズルの下流且つ中央体カップ壁の周囲にあるス
ワーラを利用している。外側スワーラは保炎のために火
炎を柱状化するが、同時に火炎を他の保炎装置から遮蔽
する。もし中央体形状が適当に設計されなければ、中央
体内に予混合された燃料及び空気を供給する2次ノズル
が働いているときに、ある運転状態で高い動圧振動が起
こるおそれがある。(より安定した拡散パイロット2次
ノズルに対して)中央体に予混合された燃料及び空気を
供給する2次ノズルは、低放出レベルを達成する必要が
あるので、本発明による中央体の改変は、より安定した
パイロット火炎を発生し且つ動圧レベルを低くする最善
の方法である。
【0005】
【発明の目的と特徴】従って、本発明の主目的は、火炎
を導くために中央体カップを通流する予混合された燃料
及び空気の動態(速度及び方向)を変えることである。
上述の両引用特許に記載されているような元来の形状で
は、カップは筒形であり、カップを通る流れは旋回空気
の外層によって同じ方向に保たれる。本発明による改変
は、カップ直径を拡大して末広部を形成すること、及び
外側空気スワーラを除去することである。このことは、
空気の外層を大いに減らし、そして流速を下げ(等しい
質量流量が比較的大きな面積を通り)、又、空燃混合気
が中央体カップを離れるにつれ、混合気の幾らかの半径
方向分散を許容し、これにより、比較的大きな再循環
域、従って、より安定した火炎が生ずる。末広カップは
又、保炎器を取り付ける支持体として役立つ。従って、
本発明の独特な特徴は、第1に、火炎を囲む旋回空気な
しに保炎が達成されることである。本形状において、末
広中央体カップは、旋回空燃混合気をカップに供給する
装置に取り付けられている。混合気は、火炎がカップ内
に保たれた状態で燃焼するが、下流に進むにつれ、末広
カップにより半径方向に広がり得る。その結果、再循環
域が大きくなり、火炎がカップに更に接近して保たれ、
従って、火炎が保護されて保炎性が高まる。同時に、従
来用いられていた空気スワーラの代わりに、冷却流体マ
ニホルドが中央体の内側及び外側筒形部の間に配置され
ており、中央体を通る空気流の小部分を分流して、中央
体カップの外面の冷却に役立てる。
【0006】
【発明の概要】従って、本発明の各実施例によれば、一
対の筒形部を備えている中央体が設けられており、外側
筒形部は冷却されるか又は冷却されない。拡散・予混合
ノズルの排出端と適合(インタフェイス)しているスワ
ーラが、内側筒形部に取り付けられており、運転中、旋
回空燃混合気をカップに送給する。内側スワーラの下流
において、末広カップ部が内側筒形部に付加されてい
る。末広カップ部はまっすぐな円錐形或いは湾曲円錐形
の表面、又は両形の変形或いは組合わせ形状の表面を有
し得る。
【0007】中央体カップは、冷却流体マニホルドを通
流する衝突及び(又は)フィルム冷却空気により冷却さ
れ、このマニホルドは、半径方向に内側及び外側筒形部
の間に、特に中央体カップと外側筒形部との間に配置さ
れている。一実施例において、末広カップ部は、実質的
に筒形の中間中央部により連結されている別々の末広端
部を含んでいる。この実施例では、冷却流体マニホルド
は半径方向に中央体カップと隣接外側筒形部との間に、
それらから離れて配置されており、従って、後部が中央
体カップの上流側末広部と平行に延在していると共に、
前部が中央体カップの筒形中間部とほぼ平行に延在して
いる。マニホルドの前端は実質的に筒形のままであるか
ら、中央体カップの前側末広端部と交差している。同時
に、マニホルドの後端は、密閉環状壁によって中央体カ
ップに固定されている。マニホルドの両端間の中間位置
において、環状壁が冷却流体マニホルドと中央体の外側
筒形部との間に延在している。
【0008】マニホルドには、中間連結壁の上流に第1
の複数の孔が設けられていると共に、中間連結壁の下流
に第2の複数の孔が設けられており、更に、中間連結壁
には第3の複数の孔が設けられている。この構成によ
り、中央体の内外両部間の環状空間内を軸方向に流れる
空気は主として、環状空間からマニホルドの第1の複数
の孔を経て冷却室に流れ、そこで、空気は中央体カップ
の外面に衝突する。次いで、空気は第2の複数の孔(中
間連結壁の下流)を経て冷却室を流出し、マニホルドと
外側筒形部との間の空間に戻り、中央体から軸方向に流
出して、フィルム冷却をなす。同時に、空気の比較的少
ない部分が、中間連結壁の第3の複数の孔を直接通流し
て冷却室をバイパスする。
【0009】第1、第2及び第3の複数の孔の各々の孔
の正確な数は、所望の冷却、空気流量等を得るように所
望に応じて調整され得る。第2の実施例において、中央
体カップは均等円錐形状を有しており、冷却流体マニホ
ルドがその前端に取り付けられている。マニホルドはカ
ップと平行に延在していると共に、マニホルドと外側筒
形部の前端とが交差している箇所を越えて軸方向に延在
している。外側筒形部は、前述の第1の実施例と異な
り、その全長に沿って実質的に筒形である。この構成で
は、マニホルドの前端と外側筒形部との間の連結部を閉
ざすことができ、これにより、すべての空気がマニホル
ドの第1の複数の孔を通流して開端冷却室に達し、中央
体カップを冷却する。代替的に、環状列を成している孔
を、マニホルドが外側筒形部と交差している所に設ける
ことができ、そうすれば、空気の少なくとも一部が内側
中央体カップに衝突することなく、中央体の内側及び外
側部の間の空間から流出し得る。この第2の実施例で
は、外側筒形部はその全長に沿ってフィルム冷却され
得、中央体の内外両部の間の環状空間からの空気流出用
の複数の追加流路を備えている。上述の諸実施例の幾つ
かの改変も、本明細書に更に開示される。
【0010】従って、より広範な態様において、本発明
は、ガスタービン燃焼器用の次のような中央体構造と関
連する。即ち、この中央体構造は、一対の内側及び外側
の概して筒形の部材を含んでおり、内側筒形部材はその
前端に取り付けられている末広カップ部を有しており、
このカップ部は外側筒形部材に向かって延在している。
又、中央体構造は冷却流体マニホルドを含んでおり、冷
却流体マニホルドは内側及び外側筒形部材の間に、中央
体カップ部に半径方向に隣接して配置されている。
【0011】本発明の中央体カップ構造は、公知の構造
に比べて多くの利点を有する。外側スワーラを除去する
と共に、末広中央体カップを利用することにより、空燃
混合気はカップ内で燃焼するが、火炎が下流方向に進む
につれて、混合気は半径方向に広がる。これにより、比
較的大きな再循環域が生じ、火炎がカップに更に接近し
て保たれ、従って、保炎性が高まる。同時に、中央体カ
ップ用の冷却構造が設けられており、これは又、逆火阻
止手段を形成している。
【0012】本発明の他の目的及び利点は、以下の詳述
から明らかとなろう。
【0013】
【実施例の記載】図1及び図2において、ガスタービン
12は圧縮機14と、燃焼器16と、単一動翼で代表さ
れているタービン18とを含んでいる。詳細に示してい
ないが、周知のように、タービン18は共通軸線に沿っ
て圧縮機14に連結されており、圧縮機を駆動する。圧
縮機14は導入空気を圧縮し、次いで、この空気は転向
又は逆流して燃焼器16へ向かい、そこで燃焼器の冷却
に用いられ、又、燃焼用空気として用いられる。ガスタ
ービン12は複数の燃焼器16(1つを図示)を含んで
おり、複数の燃焼器16はガスタービンの周囲に沿って
配置されている。一つの特定ガスタービンモデルでは、
14個のこのような燃焼器がガスタービンの周囲に沿っ
て配置されている。その特定燃焼器の出口端は遷移ダク
ト20によって、タービン18の入口端に接続されてお
り、高温の燃焼生成物をタービンに送る。
【0014】本発明は、米国特許番号第4292801
号及び同第4982570号に記載されている型の2段
2モード低NOx燃焼器に特に有用である。米国特許番
号第4982570号に記載されており、且つ図2に示
されているように、各燃焼器は、ベンチュリのど(スロ
ート)域28によって隔てられている、1次又は上流燃
焼室24と、2次又は下流燃焼室26とを備え得る。燃
焼器は燃焼器流れスリーブ30によって囲まれており、
スリーブ30は圧縮機吐出し空気流を燃焼器に導いてい
る。燃焼器は更に、外側ケーシング31(図1)によっ
て囲まれており、ケーシング31はタービンケーシング
32(図1)にボルト止めされている。
【0015】1次ノズル36は燃料を上流燃焼室24に
送るものであり、中央2次ノズル38の周囲に環状列に
配置されている。一つの型のガスタービンでは、各燃焼
器は6つの1次ノズルと、1つの2次ノズルとを含み得
る。燃焼器の説明の最後として述べると、燃料は当該技
術において周知のように、導管42(図1)を経てそれ
ぞれのノズルに送られる。やはり当該技術において周知
のように、主燃焼器内の点火が点火プラグ48(図1)
によって発生し、そして複数の隣り合っている燃焼器内
の点火がクロスファイア管50(図1)によって発生す
る。
【0016】図2に示されており、且つ米国特許番号第
4292801号に説明されているように、1次ノズル
は参照番号36で示すような拡散型のものでよく、燃料
送給ノズル54と、環状スワーラ56とを含んでいる。
ノズル54は燃料のみを噴出し、燃料はその後、燃焼用
の旋回空気と混合される。米国特許番号第498257
0号では、本発明の図2にも示してあるように、2次ノ
ズル38は拡散・予混合組合わせノズルとして開示され
ている。この組合わせノズルは拡散パイロット62を含
んでおり、拡散パイロット62は燃料送給管64を有し
ている。燃料送給管64は軸方向管66と、複数の半径
方向閉端形予混合燃料分配管68とを含んでおり、燃料
分配管68は軸方向管66から半径方向外方に延在して
いる。燃料分配管68の各々は複数の燃料排出孔(総括
的に矢印70で示す)を含んでおり、これらの複数の燃
料排出孔は、組合わせノズルの放出端の方に下流方向に
向けられている。これらの燃料分配孔の寸法は、所望割
合の燃料流量が予混合室内に入るように定められてい
る。拡散パイロット62は更に空気送給管74を含んで
おり、空気送給管74は燃料送給軸方向管66を同軸的
に囲んでいる。空気送給管内に入る空気は、燃焼器の周
囲を逆流し、流れスリーブ30と燃焼室ライナ78とに
よって画成されている空間76内に入る圧縮機吐出し空
気である。拡散パイロット62はその排出端に、第1の
スワーラ環状域又は拡散パイロットスワーラ82を含ん
でおり、空気送給管排出空気を拡散パイロット火炎に導
く。
【0017】予混合室84が、2次ノズル38の下流部
を囲んでいるスリーブ状円錐台形部86によって画成さ
れており、円錐台形部86は、拡散パイロット排出端に
隣接している排出端を含んでいる。圧縮機吐出し空気
は、空気送給管74の場合と同様に、空間76から予混
合室84内にも逆流する。複数の半径方向燃料分配管6
8は空気送給管74を貫通して環状予混合室84内に突
入しているので、燃料と空気とが混合され、そして拡散
パイロット62と予混合室円錐台形部86との間の第2
のスワーラ又は予混合室スワーラ88に送られる。
【0018】第3の又は外側スワーラ90が拡散・予混
合組合わせノズル38の排出端の下流に配置されてい
る。このスワーラは、パイロットの排出端に設けられて
いる中央体カップ92と1次燃焼室の中央体壁94との
間に配置されている。圧縮機吐出し空気は又、燃焼ライ
ナの周囲の空間76から、このスワーラに逆流する。こ
の第3のスワーラの目的は、1次燃焼室からの1次予混
合流と一緒になる拡散・予混合ノズル火炎を安定化する
ことである。
【0019】図3には本発明の一実施例による改良構造
が示されており、この改良構造はノズル中央体を含んで
いる。このノズル中央体は、一対の同心的に配置されて
いる筒形部材96及び98(図2の壁94及び86に相
当)を備えており、筒形部材96及び98は、空間76
(図1及び図2を参照)からの圧縮機吐出し空気を受け
入れる環状空気室100を画成している。内側筒形部材
98には、スワーラ88(図2)と同様のスワーラ10
2が設けられており、スワーラ102は中央スリーブ1
04を含んでおり、燃料ノズル(明示のため図示せず)
の排出端と隣接(インタフェイス)している。スワーラ
102は複数の旋回羽根106を含んでおり、複数の旋
回羽根106は予混合室84(図2)からの空燃混合気
を旋回させる。
【0020】本発明のこの第1の実施例によれば、中央
体カップ108が内側筒形部材98の前端に取り付けら
れていると共に、末広壁部110と、概して筒形の壁部
112と、下流端部としての末広壁部114とを含んで
いる。同時に、外側筒形部材96には、末広部116
と、概して筒形の部分118とが設けられており、中央
体カップ108とほぼ同心的に配置されている。冷却流
体マニホルド120が中央体カップ108と、外側筒形
部材96の壁部116及び118との間に設けられてお
り、冷却室121を画成している。マニホルド120は
末広部122と、概して筒形の部分124とを含んでお
り、この筒形の部分は、その最前端縁においてカップ壁
部114の端縁に取り付けることができる。マニホルド
120の後部はカップ108の末広部110と係合して
おり、壁部125が図3に明示されているように、壁部
110と垂直に延在している。同時に、冷却流体マニホ
ルド120は壁部116及び118の交差部において、
環状壁126によって外側筒形部材96に連結されてお
り、環状壁126はマニホルド120の後端と前端との
中間位置で、マニホルド120から延在している。マニ
ホルド120の末広部122には、壁126の上流に第
1の複数の冷却流体孔128が設けられていると共に、
壁126の下流に第2の複数の冷却流体孔130が設け
られている。環状壁126には、第3の複数の孔132
が設けられている。第1、第2及び第3の複数の孔12
8、130及び132は、それぞれの表面又は壁12
2、124及び126に周方向に相隔たるように配設さ
れていることを認識されたい。
【0021】環状室100を通流する空気の一部は、第
3の複数の孔132を通って中央体から流出する。しか
しながら、同時に、大部分の空気は第1の複数の孔12
8内に分流し、中央体カップ108の外面に沿って流
れ、冷却流体マニホルド120の筒形壁部124の下流
側の第2の複数の孔130を経て流出する。このように
して、中央体カップ108は衝突空気により冷却され、
同時に、逆火を阻止する手段が、壁118及び124の
間を出る空気により生成される。
【0022】上述からわかるように、図2に示す構造と
関連して前述した外側スワーラ90は、本発明による中
央体構造から除去されている。従って、空燃混合気は、
火炎がカップ108内に保たれた状態で燃焼するが、下
流に進むにつれて、末広カップによって半径方向に広が
り得る。その結果、再循環域が大きくなり、火炎がカッ
プに更に接近して保たれ、従って、火炎が保護されて、
保炎性が高まる。
【0023】カップ108の冷却を促進するために、カ
ップ108の末広部114を除去し得ることを認識され
たい。そうすれば、冷却室121内の冷却空気が他の冷
却様式を取って中央体から流出し、こうして、筒形壁1
24の一部をフィルム冷却する。第1、第2及び第3の
複数の孔128、130及び132の数及び配置は、空
気流量・冷却要件によりそれぞれ選定し得るもので、例
示した配置に限定されないことを認識されたい。
【0024】図4は本発明の第2の実施例による中央体
カップ構造を示す。この中央体構造はフィルム冷却され
る外側筒形部材140を利用しているもので、外側筒形
部材140には、軸方向及び周方向に配設されている複
数のスロット又は孔142が形成されている。外側筒形
部材140は又、その全長にわたって実質的に筒形のま
まであり、その下流端で、わずかばかり外方に張り開い
ている。外側筒形部材140と内側筒形部材144との
間には、環状空気室146が形成されており、この環状
室を空間76(図2参照)からの空気が通流する。内側
筒形部材144は中央体カップ148を有しており、中
央体カップ148は後端150から前端152まで均等
に末広になっている。前述の実施例におけるように、内
側スワーラ154が内側筒形部材144内の中央に配置
されている(明示のため燃料ノズルをやはり除去してあ
る)。
【0025】環状冷却マニホルド156が、中央体カッ
プ148の周囲に延在していると共に、カップを越えて
外側筒形部材140の前端に達しており、そこで外側筒
形部材140に取り付けられている。マニホルド156
は後壁155によってカップ148に連結されているの
で、マニホルド156は中央体カップ148及び外側筒
形部材140の両者から半径方向に隔たっており、マニ
ホルド156と中央体カップ148との間に環状冷却室
157を形成している。
【0026】第1の複数の孔158が環状列を成してマ
ニホルド156に設けられている。第2の複数の孔16
0が、マニホルド156が外側筒形部材140の前端縁
に接合されている箇所に、周方向に相隔たるように設け
られている。上述の構成により、(図2に示す空間76
から)環状室146を通流する空気の一部が、孔158
を通流して室157に入り、そこで中央体カップ148
に衝突して、カップを冷却する。残りの空気は孔160
を通って室146から流出し、冷却室157をバイパス
する。この場合も又、第1及び第2の複数の孔158及
び160の数、形状及び寸法は、本発明の特定用途に合
うように変えることができる。
【0027】図5に示す実施例では、他の構成が例示さ
れており、環状冷却流体マニホルド162の前端164
が、冷却流体マニホルドと外側筒形部材168との間に
延在している環状壁166によって閉ざされており、
又、後端170が中央体カップ172に連結されてい
る。この改変例における中央体カップ172は、外側筒
形部材168とマニホルド162とを越えて軸方向に延
在しているので、冷却スロット又は冷却室174が中央
体カップ172の一部のみに沿って延在している。第1
の複数の孔176が環状列を成して環状マニホルド16
2に形成されており、そして閉壁166の存在により、
環状室178を通流するすべての空気は、孔176を通
流して冷却室174に流入し、そこで中央体カップ17
2の外面に沿って導かれる。一部の空気が孔176を通
流せずに室178を逃れることが望ましいと定められた
場合、環状壁166を図6に示すように、例えば10個
の等間隔のスロット又は孔180を有するように形成す
れば、一部の空気は冷却流体マニホルド162をバイパ
スし得る。
【0028】図7に示す他の実施例では、中央体は外側
筒形部材182と内側筒形部材184とを備えており、
両部材間に空気室186を画成している。内側スワーラ
188が内側筒形部材184内に固定されており、燃料
ノズル190の前端と結合(インタフェイス)してい
る。中央体カップ192が部材184の前端に設けられ
ており(一体に設けられているか、又は取り付けられて
おり)、外側筒形部材182に向かってほぼ均等に外方
に湾曲していると共に、先端部で環状スロット194を
画成している。
【0029】中央体カップ192とほぼ同様に湾曲して
いる冷却流体マニホルド196が、カップ192の後端
と外側筒形部材182の前端との間に延在しており、環
状冷却室198を形成している。第1の複数の孔200
が環状列を成してマニホルド196内に設けられてお
り、従って、室186を通流するすべての空気が孔20
0を通流して室198に流入し、そして中央体カップ1
92の全長に沿ってカップに衝突した後、スロット19
4を通って中央体から流出する。
【0030】以上の各実施例では、動圧レベルが様々な
方式で低減される。第1に、拡大中央体カップが比較的
大きな再循環を可能にする。第2に、拡大カップは、火
炎を係留する面積が比較的大きく、又、燃料及び空気が
半径方向外方に進むにつれて、混合するための空間が比
較的大きい。第3に、外側スワーラがないので、他の保
炎器への半径方向火炎伝達が阻止されない。第4に、周
囲冷却空気の存在が逆火阻止手段を生成する。
【0031】以上、本発明の最適実施例と考えられるも
のについて説明したが、本発明は、開示した実施例に限
定されるものではなく、本発明の範囲内で様々な改変及
び対等な構成が可能であることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のガスタービンエンジンの部分断面立面図
である。
【図2】従来設計によるガスタービンエンジンの燃焼器
部の拡大詳細立面図である。
【図3】本発明による中央体カップの(明示のため燃料
ノズルを除去してある)部分断面拡大詳細立面図であ
る。
【図4】本発明の第2の実施例による中央体カップの
(明示のため燃料ノズルを除去してある)部分断面拡大
詳細立面図である。
【図5】本発明の第3の実施例による中央体カップの拡
大詳細図である。
【図6】図5に示す中央体カップの部分正面図である。
【図7】本発明の第4の実施例による中央体カップの拡
大詳細立面図である。
【符号の説明】
16 燃焼器 96、140、168、182 外側筒形部材 98、144、184 内側筒形部材 102 スワーラ 108、148、172、192 中央体カップ 110、114 末広壁部 120、156、162、196 マニホルド 126、166 環状壁 128、130、132、158、160、176、2
00 孔 142、180 スロット又は孔 154、188 内側スワーラ 155 後壁 190 燃料ノズル 194 環状スロット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エリザベス・バイアン・ボードイン アメリカ合衆国、ニューヨーク州、スケネ クタデイ、アッシュトゥリー・レーン、 913番

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の内側及び外側の概して筒形の部材
    と、冷却流体マニホルドとを備えており、前記内側部材
    は、その前端に取り付けられており前記外側筒形部材に
    向かって延在している末広カップ部を有しており、前記
    冷却流体マニホルドは、前記内側及び外側筒形部材の間
    で前記中央体カップ部に半径方向に隣接して設けられて
    いるガスタービン燃焼器用の中央体構造。
  2. 【請求項2】 前記第2の内側部材はスワーラを有して
    おり、該スワーラは中央体燃料ノズルの前端と適合する
    よう構成されている請求項1に記載の中央体構造。
  3. 【請求項3】 前記冷却流体マニホルドは壁を含んでお
    り、該壁は軸方向に相隔たっている2つの位置で前記末
    広カップ部と係合していると共に前記軸方向に相隔たっ
    ている位置の間で前記末広カップ部から半径方向に隔た
    っている請求項1に記載の中央体構造。
  4. 【請求項4】 前記冷却流体マニホルドは前記軸方向に
    相隔たっている位置の間の中間位置で環状壁により前記
    外側部材に連結されている請求項1に記載の中央体構
    造。
  5. 【請求項5】 前記マニホルドは前記環状壁の両側にお
    いて冷却流体孔を有している請求項4に記載の中央体構
    造。
  6. 【請求項6】 前記冷却流体マニホルドは壁を含んでお
    り、該壁は前記末広カップ部とその後端で係合している
    と共に、前記中央体カップ係合部の軸方向下流において
    前記外側筒形部材とその前端で係合している請求項1に
    記載の中央体構造。
  7. 【請求項7】 少なくとも1つの孔が前記マニホルドと
    前記外側筒形部材の前記前端との境界に設けられている
    請求項6に記載の中央体構造。
  8. 【請求項8】 前記冷却流体マニホルドは、前記後端及
    び前端の間に複数の冷却流体孔を有している請求項6に
    記載の中央体構造。
  9. 【請求項9】 第1の外方張り開き下流端を有している
    第1の外側筒形部材と、前記第1の外方張り開き下流端
    に半径方向に隣接している第2の外方張り開き下流端を
    有している第2の内側筒形部材と、前記第1及び第2の
    外方張り開き下流端の間に半径方向に設けられており、
    前記第2の外方張り開き下流端を冷却する手段とを備え
    た2段2モード燃焼器用の中央体構造。
  10. 【請求項10】 前記手段は前記第1及び第2の筒形部
    材の間を流れる空気の少なくとも一部を前記第2の外方
    張り開き下流端に向けて半径方向に分流するよう作用す
    る請求項9に記載の中央体構造。
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