JPH0526370U - 被覆電線の表面印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】電線の被覆の表面に模様や文字列の印刷（或い
は刻印）を行う場合に、工程上の事情により印刷（或い
は刻印）を中断しても、仮に連続して印刷（或いは刻
印）を行った場合の配列を保持して印刷（或いは刻印）
できる設備を開発すること。 【構成】印刷ロールの近傍に電磁石を配備し、磁気感応
性を有する印刷ロールを用いて、印刷中適時に電磁石の
作動によって印刷ロールを被覆電線の表面から引き離す
と同時に印刷ロールの回転を停止し、また被覆電線の表
面へ復帰させる制御を行うこと。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は被覆電線の表面に連続模様や文字列を印刷する表面印刷装置に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

被覆電線の表面に連続模様や文字列を印刷する表面印刷方法には、表面に連続 模様や文字列を浮き彫りしたエンボスロールを用いて、電線に絶縁被覆を施ごす 時点で絶縁被覆が硬化する前にその表面にエンボスロールを押しつけて絶縁被覆 の表面に連続模様や文字列を刻印する方法や、通常の印刷技術例えば凸版印刷法 、グラヴィア印刷法或いは平版印刷法の手法に従って印刷ロールから印刷インク を絶縁被覆の表面に転写して連続模様や文字列を絶縁被覆の表面に印刷する方法 等が挙げられる。

【０００３】 被覆電線の表面に連続模様や文字列の印刷を行っている時に、途中で印刷を中 断し、また施工に復帰する必要がある場合は多い。

【０００４】 電線の絶縁被覆に突起がある場合、例えば電線の風による振動を抑制するため に絶縁被覆に回転形のヒレが設けられている場合に、電線の絶縁被覆の表面にエ ンボスロールを押しつけて文字列を連続的に刻印すると、ヒレ部分がエンボスロ ールによって潰される。また、グラヴィアロールで連続模様を印刷している場合 ヒレ部分では良好な印刷は行えない。

【０００５】 施工を中断した位置の文字列と施工に復帰した位置での文字列との連結関係が 、連続して刻印した時の文字列の配列を保持しておきたい場合がある。

【０００６】 連続模様を印刷している場合でも当然要求されることである。

【０００７】 しかしながら、エンボスロールや印刷ロールは電線の表面から離脱した時慣性 で回転するため、特別の施策を行わないとロールが電線の表面に復帰した時電線 被覆に刻印される文字列は離脱前の文字列と連結した時、連続して刻印した文字 列の配列を保つことはできない。模様印刷の場合も同じである。

【０００８】 かかる技術的欠点を克服するために、例えばエンボスロールの円周上の或る位 置に鐘を埋め込むなどして電線の表面から離脱した時エンボスロールが常に錘を 埋め込んだ位置を下向きにして停止し、ロールが電線の表面に復帰した時刻印さ れる文字等が常に同じになるようにする方法が考えられるが、この方法では上記 欠点の完全な解決策とはならないことは容易に理解される。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、上記した従来技術の欠点を解消するため、例えば回転ヒレ形 電線の被覆の表面に模様や文字列の印刷（或いは刻印）を行う場合に、ヒレ部分 の通過のために印刷が途絶えても、仮に連続して印刷（或いは刻印）を行った場 合の配列を保持して印刷（或いは刻印）される設備を開発することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記課題は、被覆電線の表面に連続模様や文字列を印刷ロールを用いて印刷す る印刷工程において、該印刷ロールは磁気感応性を有し、印刷ロールと一体的に 配備された電磁石を用いて、印刷中の印刷ロールを該被覆電線の表面から引き離 すと同時に印刷ロールの回転を停止し、また被覆電線の表面へ復帰させる制御を 行うことができることを特徴とする電線被覆の表面印刷装置の開発によって達成 される。

【００１１】 上記印刷ロール（或いはエンボスロール）が磁気感応性を有するとは、印刷ロ ール（或いはエンボスロール）が近傍に配備された電磁石によって吸引され得る ことを意味する。印刷ロールを磁気感応性にする方法としては、ロールを鉄等常 磁性の材質で製作することで達成されることはいうまでもない。しかしかかる方 法はロールを不必要に重くする。この欠点を避ける方法としてはロール本体はア ルミニウム合金製にし、管の部分に常磁性の鉄製の管を嵌め込む方法など種々の 方法が考えられる。

【００１２】 印刷ロールと一体的に配備された電磁石とは、例えば印刷ロールの近傍の任意 の場所に（好ましくは印刷ロールの上部に）電磁石を配置することである。かく することによって例えば回転ヒレ形電線のヒレ部分が通過する時に電磁石に通電 し、常磁性の材質で製作された印刷ロールを電線の表面から離脱し、同時にロー ルの回転を停止することができる。

【００１３】 印刷ロールの場合はエンボスロールの場合に比較して、インク溜めからインク を印刷ロールに転写する機構を伴っているため多少印刷ロールを電線の表面から 離脱するには電磁石の配置の工夫や要する磁気力に強力さが要求されるが、最終 の印刷ロールのみを離脱すれば足りる。

【００１４】 印刷ロールが電線被覆の表面から離脱れた時即座にロールの回転が停止するの で、次にロールが電線被覆の表面に復帰し印刷を始めると、復帰した時電線被覆 に印刷される文字列を、表面から離脱する直前の文字列と連結した時、結合して できた文字列は連続して印刷した時の文字列の配列を保持したものとなる。勿論 、ロールを下げる時には電磁石の通電を止めるように制御しなければならない。

【００１５】

【具体的態様】

以下に本考案の具体的態様を電線の絶縁被覆の表面にエンボスロールを押しつ けて文字列を刻印する場合を具体例として説明するが、印刷ロールを用いて絶縁 被覆の表面に図柄を印刷する場合も同様であり、また当然ながら本発明により本 考案の装置が制限されることはない。

【００１６】 図１は本考案の磁気感応性を有するエンボスロール１によって回転ヒレ４を有 する電線３の絶縁被覆の表面に文字などの刻印を施工している状態を示している 。エンボスロール１の上部には電磁石２が設置されており、通電は行われていな い状態にある。

【００１７】 図２は、エンボスロール１が電線被覆のヒレ４の部分にさしかかり、電磁石２ に通電して、エンボスロール１を電線３から引き離し、文字などの刻印作業を中 断している状態を示している。

【００１８】 図３は本考案の磁気感応性を有するエンボスロール１の１態様である嵌め込み 磁性体６を嵌め込んだアルミニウム合金製ロール本体５の断面を示している。

【００１９】

【考案の効果】

電線の絶縁被覆の表面に連続模様や文字列の印刷ロールを用いて印刷する印刷 工程において、電線の絶縁被覆に回転形のヒレのような突起があり、ヒレのよう な突起を避けて印刷を行う場合に、本考案の一体的に電磁石を配備された磁気感 応性印刷ロールを利用することによって、ヒレのような突起の部分で印刷が途絶 えても、仮に連続して印刷（或いは刻印）を行った場合の配列を保持したものと できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の磁気感応性エンボスロールによる文字
列の刻印施工の模式図である。

【図２】本考案の磁気感応性エンボスロールを一体的に
配備した電磁石を用いて文字列の刻印施工を中断した状
況を示す模式図である。

【図３】本考案の嵌め込み磁性体を嵌め込んだアルミニ
ウム製エンボスロールの断面図である。

【符号の説明】

１ 磁気感応性エンボスロール ２ 電磁石 ３ 電線 ４ 回転ヒレ ５ アルミニウム合金製ロール本体 ６ 嵌め込み磁性体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】被覆電線の表面に連続模様や文字列を印刷
   ロールを用いて印刷する印刷工程において、該印刷ロー
   ルは磁気感応性を有し、印刷ロールと一体的に配備され
   た電磁石を用いて、印刷中の印刷ロールを該被覆電線の
   表面から引き離すと同時に印刷ロールの回転を停止し、
   また被覆電線の表面へ復帰させる制御を行うことができ
   ることを特徴とする電線被覆の表面印刷装置。