JPH05262754A - 無水マレイン酸の製造方法 - Google Patents

無水マレイン酸の製造方法

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JPH05262754A
JPH05262754A JP4091822A JP9182292A JPH05262754A JP H05262754 A JPH05262754 A JP H05262754A JP 4091822 A JP4091822 A JP 4091822A JP 9182292 A JP9182292 A JP 9182292A JP H05262754 A JPH05262754 A JP H05262754A
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JP
Japan
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catalyst
orthophosphate
butane
monohydrogen
formula
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JP4091822A
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English (en)
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Ikuya Matsuura
郁也 松浦
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Maruzen Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Maruzen Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ブタンを分子状酸素を用いて気相接触酸化し
て無水マレイン酸を製造するに際し、触媒として、オル
トリン酸一水素バナジルと特定の二価の金属のオルトリ
ン酸一水素塩および/またはオルトリン酸アンモニウム
塩との一定割合の混合物を焼成して調製された触媒を、
一定条件で賦活処理した後用いる。 【効果】 使用触媒が優れた触媒活性、無水マレイン酸
への選択性を示すので、高い転化率、選択率で無水マレ
イン酸を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はブタンを分子状酸素によ
り気相接触酸化して無水マレイン酸を製造する方法に関
する。さらに詳しくは、特定の調製法により調製され
た、特定の金属を含有するリン−バナジウム−酸素複合
系触媒を用いる上記方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ブタンを分子状酸素により気相接触酸化
する無水マレイン酸の製造方法は従来から良く知られて
おり、該方法で用いられる触媒に関しては、従来から種
々の提案ないし報告がなされている。例えば、特公昭5
3−12496号公報には、Cr、Fe、Hf、Zr、
LaあるいはCeを含有するリン−バナジウム−酸素複
合系触媒が、特公昭57−45229号公報には、Z
n、Cu、BiあるいはLiを含有するリン−バナジウ
ム−酸素複合系触媒が、特公昭57−45233号公報
には、Co、NiあるいはCdを含有するリン−バナジ
ウム−酸素複合系触媒がそれぞれ提案されている。ま
た、「触媒」Vol.33、No.2(1991)に
は、Mo、Sb、Cr、Fe、As、Mn、Sn、C
o、Cu、Zn、W、Ca、Mg、Na、K、Csを含
有するリン−バナジウム−酸素複合系触媒の触媒活性等
に関する報告がなされている。しかし、従来提案ないし
報告されているこれら各種金属を含有するリン−バナジ
ウム−酸素複合系触媒は、触媒活性、無水マレイン酸へ
の選択性等の点でまだ十分とはいえず、その改良が望ま
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ブタ
ンを分子状酸素により気相接触酸化して無水マレイン酸
を製造するに際し、優れた触媒活性、無水マレイン酸へ
の選択性を示す触媒を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究した結果、上記従来の各種金属を含
有するリン−バナジウム−酸素複合系触媒はその調製法
が適当でないために触媒活性、無水マレイン酸への選択
性等が不十分であり、ある特定の調製法によればその触
媒活性、無水マレイン酸への選択性等を顕著に改善し得
ることを見出した。すなわち、上記従来の触媒の調製
は、一般に、五酸化バナジウム等のバナジウム化合物と
塩化水素等の還元剤とオルトリン酸等のリン化合物とか
ら前駆体溶液を調製するに当たり、各種金属の塩化物等
の各種金属塩の溶液を加えた後、該前駆体溶液を蒸発乾
固して固形物を得、それを焼成することによって行われ
ていた。それに対し、バナジウム化合物と還元剤とリン
化合物とから固形物のオルトリン酸一水素バナジル[V
OHPO4・0.5H2O]を調製し、このオルトリン酸
一水素バナジルに各種金属のオルトリン酸一水素塩また
はオルトリン酸アンモニウム塩を特定の割合で混合し、
該混合物を焼成するというようにして調製された触媒
は、その触媒活性、無水マレイン酸への選択性等が顕著
に改善されていることを見出した。また、所期の目的を
達成するために含有させるべき一定の金属を見出し、さ
らには所期の目的を十分達成するには、上記のようにし
て調製された触媒を不活性ガス中またはブタンと分子状
酸素含有ガスの混合ガス中にて一定の条件で前処理して
から反応に使用すべきこことも見出した。本発明はこれ
らの知見に基づいて完成されたものである。
【0005】すなわち、本発明の要旨は、ブタンを分子
状酸素を用いて気相接触酸化して無水マレイン酸を製造
するに際し、触媒として、式(I) VOHPO4・0.5H2O (I) で表わされるオルトリン酸一水素バナジルと、式(II) MHPO4・nH2O (II) (式中、Mは原子価が二価であるMg、Ca、Ba、M
n、Fe、Co、Ni、CuおよびZnから選ばれた金
属を表わし、nは調製温度によって異なる配位水の数を
表わす。)で表わされる二価の金属のオルトリン酸一水
素塩および式(III) NH4MPO4・nH2O (III) (式中、Mおよびnは上記と同じ。)で表わされる二価
の金属のオリトリン酸アンモニウム塩から選ばれた少な
くとも1種の混合物であって、M/V原子比が0.00
3〜0.5の範囲である混合物を300〜400℃で焼
成して調製された触媒を、不活性ガス中またはブタンと
分子状酸素含有ガスの混合ガス中にて350〜700℃
で前処理した後、用いることを特徴とする無水マレイン
酸の製造方法に存する。
【0006】本発明の所期の目的を達成するには、オル
トリン酸一水素バナジル(I)と二価の金属のオルトリ
ン酸一水素塩(II)またはオルトリン酸アンモニウム塩
(III)の混合割合を、M/V原子比で0.003〜
0.5の範囲とすることが肝要である。すなわち、M/
V原子比が0.003未満、あるいは0.5を越えると
本発明の所期の目的が達せられない。また、この混合割
合の好ましい範囲は、M/V原子比で0.01〜0.2
の範囲である。すなわち、M/V原子比が0.01未満
では、活性の向上は認められるが、無水マレイン酸への
選択性の向上はあまり認められなくなる。一方、M/V
原子比が0.2を越えると、無水マレイン酸への選択性
の向上は認められるが、活性の向上はあまり認められな
くなる。
【0007】また、上記オルトリン酸一水素塩(II)ま
たはオルトリン酸アンモニウム塩(III)の二価の金属
は、Mg、Ca、Ba、Mn、Fe、Co、Ni、Cu
およびZnから選ばれたものであり、異なった金属のオ
ルトリン酸一水素塩(II)またはオルトリン酸アンモニ
ウム塩(III)を併用しても差支えない。また、必要に
応じて、オルトリン酸一水素塩(II)とオルトリン酸ア
ンモニウム塩(III)とを併用することも可能である。
【0008】本発明で触媒の調製に用いられるオルトリ
ン酸一水素バナジル(I)、および二価の金属のオルト
リン酸一水素塩(II)またはオルトリン酸アンモニウム
塩(III)は、この分野で通常採用されている公知の方
法、例えば次のような方法で調製することができる。す
なわち、オルトリン酸一水素バナジル(I)は、五酸化
バナジウム、メタバナジン酸、ピロバナジン酸等のバナ
ジウム化合物を、塩化水素、アルコール類、アルデヒド
類等の還元剤により還元した後、オルトリン酸、ピロリ
ン酸、五酸化リン、リン酸アルカリ、五塩化リン等のリ
ン化合物と反応させ、得られた反応液から沈澱物を分別
し、該沈澱物を良く洗浄した後、乾燥することによって
調製することができる。また、二価の金属のオルトリン
酸一水素塩(II)は、上記の二価の金属の塩化物、硫酸
塩、硝酸塩、有機酸塩等の化合物をpH4〜5に保った
ナトリウム、カリウム等アルカリ金属のオルトリン酸一
(または二)水素塩の溶液に加えて反応させ、得られた
反応液から沈澱物を分別し、該沈澱物を良く洗浄した
後、乾燥することによって調製することができる。ただ
し、上記の二価の金属の内、MgおよびCaについて
は、オルトリン酸一(または二)水素アンモニウムの溶
液を用いてもそれらのオルトリン酸一水素塩を調製する
ことができる。さらにまた、二価の金属のオルトリン酸
アンモニウム塩(III)は、上記と同様の二価の金属の
化合物を過剰のオルトリン酸二水素アンモニウムの溶液
に加えて反応させ、得られた反応液から沈澱物を分別
し、該沈澱物を良く洗浄した後、乾燥することによって
調製することができる。ただし、MgおよびCaについ
ては、クエン酸等の加えられたオルトリン酸二水素アン
モニウムの溶液を用いてそれらのオルトリン酸アンモニ
ウム塩を調製することができる。
【0009】本発明で用いられる触媒は、上記したオル
トリン酸一水素バナジル(I)と、二価の金属のオルト
リン酸一水素塩(II)および/またはオルトリン酸アン
モニウム塩(III)とを、M/V原子比0.003〜
0.5、好ましくは0.01〜0.2となる割合で混合
して混合物となし、その際必要に応じて溶液として、好
ましくはpHが4〜5の微弱酸性の水溶液として加熱混
合し、しかる後該溶液を蒸発乾固することにより混合物
となし、得られた混合物を300〜400℃で焼成をし
て調製される。この焼成は、空気等の分子状酸素含有ガ
ス中にて行っても、窒素等の不活性ガス中にて行っても
良い。ただし、Feのオルトリン酸一水素塩またはオル
トリン酸アンモニウム塩が用いられた場合は、不活性ガ
ス中にて焼成を行うのが良い。焼成時間は30分〜12
時間が適当である。この調製された触媒を接触気相酸化
反応に供するに当たっては、窒素、炭酸ガス等の不活性
ガス中、あるいはブタンと分子状酸素含有ガスの混合ガ
ス、すなわち反応組成ガス中にて350〜700℃で前
処理することが肝要である。この前処理において、処理
温度は触媒活性を発現させる上で重要であって、350
℃未満の温度では所期の触媒活性が発現されず、また7
00℃を越える温度では所期の触媒活性が失われる。ま
た、この前処理は30分〜20時間行うのが適当であ
る。
【0010】本発明による無水マレイン酸製造のための
接触気相酸化反応は、この分野で一般に行われている公
知の反応条件を採用して実施することができるが、通常
次のようにして実施される。すなわち、原料ガスとして
1〜4容量%のブタン、10〜20容量%の分子状酸素
および76〜89容量%の希釈ガスからなる組成の混合
ガスを、上記した前処理後の触媒上に、300〜500
℃の温度において、任意の圧力下、一般には常圧下、常
圧換算での空間速度300〜5000/hrで導入する
ことにより実施される。上記分子状酸素としては、純酸
素を用いることもできるが、空気を利用するのが一般的
である。空気を利用する場合は、所望の分子状酸素の濃
度によって希釈ガスの添加が不要であることはいうまで
もない。また、上記希釈ガスとしては、工業的には通常
窒素、炭酸ガス等の不活性ガスが用いられる。
【0011】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに具体的に説明する。実施例および比較例における転
化率、選択率および収率は次のように定義される。
【0012】転化率=(反応したブタンのモル数/供給
したブタンのモル数)×100 選択率=(生成した無水マレイン酸のモル数/反応した
ブタンのモル数)×100 収 率=(生成した無水マレイン酸のモル数/供給した
ブタンのモル数)×100
【0013】実施例1 ベンジルアルコール80mlに五酸化バナジウム10g
を加えて加熱撹拌した。五酸化バナジウムが還元された
ことを確認した後、これに98%オルトリン酸11.3
gを加えて1時間還流させ、生成した沈澱物を取出し
た。この沈澱物をトルエンで良く洗浄した後、120℃
で乾燥してオルトリン酸一水素バナジル[VOHPO4
・0.5H2O](I)を得た。
【0014】水100ml中に酢酸マグネシウム13.
2gを溶かした水溶液と、水100ml中にオルトリン
酸二水素アンモニウム11.5gを溶かした水溶液を等
量ずつゆっくりとpH=4に保ちながら混合し、この混
合物を一晩放置し、生成した沈澱物を取出した。この沈
澱物を良く水洗した後、80℃で乾燥してオルトリン酸
一水素マグネシウム[MgHPO4・3H2O](II)を
得た。
【0015】得られたオルトリン酸一水素バナジル
(I)とオルトリン酸一水素マグネシウム(II)をモル
比(Mg/V原子比)0.05となるように混合し、こ
れを蒸留水に塩酸を加えてpH=4とした水溶液に加え
て4時間80〜100℃で加熱撹拌し、その後得られた
溶液を120℃で蒸発乾固して固形物を得た。この固形
物を空気中で360℃にて6時間焼成し、それを錠剤成
形して触媒を調製した。
【0016】上記錠剤成形した触媒3gを流通式反応器
に充填し、それにブタン2容量%、酸素20容量%、ヘ
リウム78容量%からなる原料ガスを、460℃で常圧
下、空間速度1800/hrの条件で6時間流して前処
理した後、反応温度を440℃とした以外前処理と同じ
条件で触媒の性能評価を行った。評価結果は表1に示し
た。
【0017】実施例2 オルトリン酸一水素バナジル(I)を実施例1と同様に
して調製した。水100ml中に塩化カルシウム11g
を溶かした水溶液と、水100ml中にオルトリン酸二
水素アンモニウム11.5gを溶かした水溶液を等量ず
つゆっくりとpH=4に保ちながら混合し、この混合物
を24時間放置し、生成した沈澱物を取出した。この沈
澱物を良く水洗した後、80℃で乾燥してオルトリン酸
一水素カルシウム[CaHPO4・2H2O](II)を得
た。
【0018】得られたオルトリン酸一水素バナジル
(I)とオルトリン酸一水素カルシウム(II)をモル比
(Ca/V原子比)0.10となるように混合し、これ
に蒸留水を加えて4時間80〜100℃で加熱撹拌し、
その後得られた溶液を120℃で蒸発乾固して固形物を
得た。この固形物を、実施例1と同様に空気中で焼成
し、それを錠剤成形して触媒を調製した。
【0019】上記錠剤成形した触媒3gを用いて実施例
1と同様に前処理し、その後反応温度を430℃とした
以外前処理と同じ条件で触媒の性能評価を行った。評価
結果を表1に示した。
【0020】実施例3 オルトリン酸一水素バナジル(I)を実施例1と同様に
して調製した。水100ml中に二塩化マンガン12.
6gを溶かした水溶液を、水100ml中にオルトリン
酸水素二ナトリウム20gを溶かした水溶液に加え、生
成した沈澱物を取出した。この沈澱物を良く水洗した
後、80℃で乾燥してオルトリン酸一水素マンガン[M
nHPO4・3H2O](II)を得た。
【0021】得られたオルトリン酸一水素バナジル
(I)とオルトリン酸一水素マンガン(II)をモル比
(Mn/V原子比)0.03となるように混合し、これ
をpH=4のリン酸水溶液に加えて4時間80〜100
℃で加熱撹拌し、その後得られた溶液を120℃で蒸発
乾固して固形物を得た。この固形物を、実施例1と同様
に空気中で焼成し、それを錠剤成形して触媒を調製し
た。
【0022】上記錠剤成形した触媒3gを用いて実施例
1と同様に前処理し、その後反応温度を410℃とした
以外前処理と同じ条件で触媒の性能評価を行った。評価
結果を表1に示した。
【0023】実施例4 オルトリン酸一水素バナジル(I)を実施例1と同様に
して調製した。酸素に触れないように窒素ガス雰囲気中
で水100ml中にオルトリン酸二水素アンモニウム6
gを溶かした水溶液に、水10ml中に二塩化鉄0.4
gを溶かした水溶液を加え、生成した沈澱物を取出し
た。この沈澱物をエチルアルコールで数回洗浄した後、
80℃で乾燥してオルトリン酸鉄アンモニウム[NH4
FePO4・6H2O](III)を得た。
【0024】得られたオルトリン酸一水素バナジル
(I)をエチルアルコール100ml中に加え、同時に
得られたオルトリン酸鉄アンモニウム(III)も加え、
窒素ガス雰囲気中で50℃にて撹拌しながらエチルアル
コールを蒸発させて固形物を得た。この固形物を、窒素
中とした以外実施例1と同様に焼成し、それを錠剤成形
して触媒を調製した。調製された触媒のFe/V原子比
は0.03である。
【0025】上記錠剤成形した触媒3gを用いて実施例
1と同様に前処理し、その後反応温度を400℃とした
以外前処理と同じ条件で触媒の性能評価を行った。評価
結果を表1に示した。
【0026】実施例5 オルトリン酸一水素バナジル(I)を実施例1と同様に
して調製した。水100ml中に二塩化コバルト13.
1gを溶かした水溶液を、水100ml中にオルトリン
酸二水素アンモニウム20gを溶かした水溶液に加え、
60℃で7時間加熱撹拌し、生成した沈澱物を取出し
た。この沈澱物を良く水洗した後、60℃で乾燥してオ
ルトリン酸コバルトアンモニウム[NH4CoPO4・6
2O](III)を得た。
【0027】得られたオルトリン酸一水素バナジル
(I)とオルトリン酸コバルトアンモニウム(III)を
モル比(Co/V原子比)0.03となるように混合
し、これをpH=4の塩酸水溶液に加えて4時間80〜
100℃で加熱撹拌し、その後得られた溶液を120℃
で蒸発乾固して固形物を得た。この固形物を、実施例1
と同様に空気中で焼成し、それを錠剤成形して触媒を調
製した。
【0028】上記錠剤成形した触媒3gを用いて実施例
1と同様に前処理し、その後反応温度を400℃とした
以外前処理と同じ条件で触媒の性能評価を行った。評価
結果を表1に示した。
【0029】実施例6 オルトリン酸一水素バナジル(I)を実施例1と同様に
して調製した。水100ml中に塩化亜鉛13.6gを
溶かした水溶液を、水100ml中にオルトリン酸二水
素アンモニウム20gを溶かした水溶液に加え、60℃
で7時間加熱撹拌し、生成した沈澱物を取出した。この
沈澱物を良く水洗した後、60℃で乾燥してオルトリン
酸亜鉛アンモニウム[NH4ZnPO4・6H2O](II
I)を得た。
【0030】得られたオルトリン酸一水素バナジル
(I)とオルトリン酸亜鉛アンモニウム(III)をモル
比(Zn/V原子比)0.10となるように混合し、こ
れをpH=4のリン酸水溶液に加えて4時間80〜10
0℃で加熱撹拌し、その後得られた溶液を120℃で蒸
発乾固して固形物を得た。この固形物を、実施例1と同
様に空気中で焼成し、それを錠剤成形して触媒を調製し
た。
【0031】上記錠剤成形した触媒3gを用いて実施例
1と同様に前処理し、その後反応温度を420℃とした
以外前処理と同じ条件で触媒の性能評価を行った。評価
結果を表1に示した。
【0032】実施例7 オルトリン酸一水素バナジル(I)を実施例1と同様に
して調製した。塩化バリウム二水塩24.4gとオルト
リン酸二水素アンモニウム12gを原料として実施例2
と同様の調製方法でオルトリン酸一水素バリウム[Ba
HPO4・2H2O](II)を得た。
【0033】得られたオルトリン酸一水素バナジル
(I)とオルトリン酸一水素バリウム(II)をモル比
(Ba/V原子比)0.10となるように混合し、実施
例2と同様の方法で混合物を調製した。それを実施例1
と同様に空気中で焼成し、錠剤成形して触媒を調製し
た。
【0034】上記錠剤成形した触媒3gを用いて実施例
1と同様に前処理し、その後反応温度を440℃とした
以外前処理と同じ条件で触媒の性能評価を行った。評価
結果を表1に示した。
【0035】実施例8 オルトリン酸一水素バナジル(I)を実施例1と同様に
して調製した。塩化ニッケル六水塩23.8gとオルト
リン酸二水素アンモニウム20gを原料として実施例5
と同様の調製方法でオルトリン酸ニッケルアンモニウム
[NH4NiPO4・6H2O](III)を得た。
【0036】得られたオルトリン酸一水素バナジル
(I)とオルトリン酸ニッケルアンモニウム(III)を
モル比(Ni/V原子比)0.10となるように混合
し、実施例2と同様の方法で混合物を調製した。それを
実施例1と同様に空気中で焼成し、錠剤成形して触媒を
調製した。
【0037】上記錠剤成形した触媒3gを用いて実施例
1と同様に前処理し、その後反応温度を420℃とした
以外前処理と同じ条件で触媒の性能評価を行った。評価
結果を表1に示した。
【0038】実施例9 オルトリン酸一水素バナジル(I)を実施例1と同様に
して調製した。塩化銅二水塩17.1gとオルトリン酸
二水素アンモニウム20gを原料として実施例5と同様
の調製方法でオルトリン酸銅アンモニウム[NH4Cu
PO4・2H2O](III)を得た。
【0039】得られたオルトリン酸一水素バナジル
(I)とオルトリン酸銅アンモニウム(III)をモル比
(Cu/V原子比)0.10となるように混合し、実施
例2と同様の方法で混合物を調製した。それを実施例1
と同様に空気中で焼成し、錠剤成形して触媒を調製し
た。
【0040】上記錠剤成形した触媒3gを用いて実施例
1と同様に前処理し、その後反応温度を420℃とした
以外前処理と同じ条件で触媒の性能評価を行った。評価
結果を表1に示した。
【0041】比較例1 ベンジルアルコール80ml中に五酸化バナジウム10
gを加えて加熱撹拌した。五酸化バナジウムが還元され
たことを確認した後、これに98%オルトリン酸12.
4gを加えて1時間還流させ、生成した沈澱物を取出し
た。この沈澱物をトルエンで良く洗浄した後、120℃
で乾燥してオルトリン酸一水素バナジル[VOHPO4
・0.5H2O](I)を得た。このオルトリン酸一水
素バナジルを空気中で360℃にて6時間焼成して触媒
を調製した。この調製された触媒はピロリン酸バナジル
[(VO)227]であり、そのP/V原子比は1.
1であった。
【0042】上記触媒の錠剤成形したもの3gを用いて
実施例1と同様に前処理し、その後反応温度をそれぞれ
440℃または470℃とした以外前処理と同じ条件で
触媒の性能評価を行った。評価結果を表1に示した。
【0043】比較例2 実施例1において得られたものと同様のオルトリン酸一
水素マグネシウム[MgHPO4・3H2O](II)を空
気中で360℃にて6時間焼成した後、さらに460℃
にて6時間焼成して触媒を調製した。この調製された触
媒はピロリン酸マグネシウム[Mg227]であっ
た。
【0044】上記触媒の錠剤成形したもの3gを用いて
実施例1と同様に前処理し、その後反応温度を440℃
とした以外前処理と同じ条件で触媒の性能評価を行っ
た。評価結果を表1に示した。
【0045】比較例3 水100mlにオルトリン酸11gとヒドロキシルアミ
ン塩酸塩7gを加えて、80℃に加熱して、撹拌しなが
ら五酸化バナジウム9.1gを徐々に添加して溶解させ
た。得られた濃青色の溶液に二塩化マンガン1.3gの
10ml水溶液を添加し、攪拌した後、これを蒸発濃縮
してから、乾燥した。それをさらに窒素気流中で500
℃で2時間焼成して触媒(Mn/V原子比=0.10)
を得た。
【0046】上記触媒の錠剤成形したもの3gを用いて
実施例1と同様に前処理し、その後反応温度を430℃
とした以外前処理と同じ条件で触媒の性能評価を行っ
た。評価結果を表1に示した。
【0047】 表1 ─────────────────────────── 反応温度 触媒性能(%) (℃) 転化率 選択率 収率 ─────────────────────────── 実施例1 440 85 74 62.9 〃 2 430 86 70 60.2 〃 3 410 90 72 64.8 〃 4 400 95 76 72.2 〃 5 400 84 74 62.2 〃 6 420 84 76 63.8 〃 7 440 84 71 59.6 〃 8 420 88 66 58.1 〃 9 420 82 68 55.8 比較例1 440 52 66 34.3 470 86 62 53.3 〃 2 440 10 4 0.4 〃 3 430 90 60 54.0 ───────────────────────────
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、ブタンを分子状酸素に
より気相接触酸化して無水マレイン酸を製造するに当た
り、使用触媒が優れた触媒活性、無水マレイン酸への選
択性を示すので、高い転化率、選択率で無水マレイン酸
を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブタンを分子状酸素を用いて気相接触酸
    化して無水マレイン酸を製造するに際し、触媒として、
    式(I) VOHPO4・0.5H2O (I) で表わされるオルトリン酸一水素バナジルと、式(II) MHPO4・nH2O (II) (式中、Mは原子価が二価であるMg、Ca、Ba、M
    n、Fe、Co、Ni、CuおよびZnから選ばれた金
    属を表わし、nは調製温度によって異なる配位水の数を
    表わす。)で表わされる二価の金属のオルトリン酸一水
    素塩および式(III) NH4MPO4・nH2O (III) (式中、Mおよびnは上記と同じ。)で表わされる二価
    の金属のオリトリン酸アンモニウム塩から選ばれた少な
    くとも1種の混合物であって、M/V原子比が0.00
    3〜0.5の範囲である混合物を300〜400℃で焼
    成して調製された触媒を、不活性ガス中またはブタンと
    分子状酸素含有ガスの混合ガス中にて350〜700℃
    で前処理した後、用いることを特徴とする無水マレイン
    酸の製造方法。
JP4091822A 1992-03-17 1992-03-17 無水マレイン酸の製造方法 Pending JPH05262754A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6960670B2 (en) 2001-06-19 2005-11-01 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for production of maleic anhydride
JP2009502465A (ja) * 2005-07-28 2009-01-29 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 触媒および無水マレイン酸の製造法

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US6960670B2 (en) 2001-06-19 2005-11-01 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for production of maleic anhydride
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