JPH05262373A - 脱酸素機能付与型バックインボックス及びそれを用いる飲料類の保存方法 - Google Patents

脱酸素機能付与型バックインボックス及びそれを用いる飲料類の保存方法

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JPH05262373A
JPH05262373A JP9368692A JP9368692A JPH05262373A JP H05262373 A JPH05262373 A JP H05262373A JP 9368692 A JP9368692 A JP 9368692A JP 9368692 A JP9368692 A JP 9368692A JP H05262373 A JPH05262373 A JP H05262373A
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bag
box
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oxygen
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JP9368692A
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Kiyoshi Ozaki
清 尾崎
Hiroyasu Yamazaki
博恭 山崎
Teruo Tachibana
輝雄 立花
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TANIGUCHI TEKKOSHO KK
Nippon Soda Co Ltd
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TANIGUCHI TEKKOSHO KK
Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】バック内を簡単、かつ確実に脱酸素状態に保持
せしめ、果汁飲料等の長期間冷蔵保存用脱酸素機能付与
型バックインボックス及びその保存方法を提供する。 【構成】脱酸素剤Gをバックインボックスの外袋D
内袋Dの中間の空間に装着して、第二メンブレンA
側グランド部Eに通気孔Cを設け、かつ通気性包装材料
Bをラミネートし、飲料とは直接接触しないバックイン
ボックスに果汁飲料等の飲料を無菌充填包装してなる脱
酸素機能付与型バックインボックス及び該容器を用いた
果汁飲料等の保存方法。 【効果】本発明の脱酸素機能付与型バックインボックス
は、バック内を容易、かつ確実に脱酸素状態に保持し
て、果汁飲料等の劣化がなく長期間冷蔵保存できるもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、飲料の保存容器及びそ
の保存方法に関し、更に詳しくは、脱酸素機能付与型バ
ックインボックス及び該バックインボックスを利用した
果実飲料等の飲料の保存方法に係わり、脱酸素剤をバッ
クインボックスの外袋と内袋の中間の空間に装着し、飲
料とは直接接触しない脱酸素機能付与型バックインボッ
クスを提供し、果実飲料等の飲料の冷蔵保存を特徴とす
る飲料の無菌充填包装による果実飲料等の飲料の保存方
法に関する。該脱酸素機能付与型バックインボックス
は、果実飲料等の飲料を長期間冷蔵保存を可能にするた
め、果実飲料等の飲料保存用として広い範囲で使用され
る。
【0002】
【従来の技術】
【0003】天然果汁、果汁飲料等の果実飲料は、光、
保存温度等の要因だけでなく保存中にヘッドスペースや
果実飲料中に共存する酸素の影響を受けて、変色、風味
の低下、成分の変化や劣化等が進行して商品価値が低下
する。そのため、従来は、果汁充填時にアスコルビン酸
等の酸化防止剤の添加、充填時の脱気装置の併用、ホッ
トパック方式(高温充填)による酸素の除去等の諸方法
で対応していた。
【0004】しかし、加熱殺菌充填であるホットパック
方式は、充填時に高温で長時間保持するので果実本来の
風味に加熱臭を生成するなど風味の保持が困難であっ
た。また、酸化防止剤等の添加物の使用は、果実本来の
風味を損ない自然食趣向に反し、充填時の脱気は、香気
成分が失われるだけでなく脱気装置を必要とするなど過
大な設備投資に問題があった。
【0005】上記問題点を解決する手段として、近年、
無菌充填機(アセプティック)を用いたコールドパック
方式(低温充填)が有力視されているが、バックインボ
ックスを用いたコールドパック方式は、加熱による風味
の変化、加熱臭の生成がなく非常に良好であるが、ヘッ
ドスペースや果実飲料中に共存する酸素の影響による変
色、風味の低下が著しく、冷蔵では長期間の保存ができ
ず、原料果汁に限って冷凍保存を行っていた。しかし、
これも冷凍に要する保存コストが高いため、現実的に半
年以上の長期保存は困難であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、バックイ
ンボックスを用いた無菌充填機によるコールドパック方
式による冷蔵下での飲料類の長期保存方法について鋭意
研究した結果、バックインボックスの外袋と内袋の中間
に脱酸素剤を装着してなる脱酸素機能付与型バックイン
ボックスを発明し、ヘッドスペースに存在する果実飲料
等の飲料中の酸素を除去することにより、飲料類が冷蔵
下で長期保存が可能であるこを見出し本発明を完成し
た。
【0007】本発明は、バックインボックスタイプの飲
料用無菌充填包装において、外袋と内袋の中間の空間に
脱酸素剤を装着したバックの第2メンブレン側グランド
部分に通気孔を設け、かつ通気孔の飲料と接触する側に
常圧で水を通さない通気性包装材料をラミネートしてな
ることを特徴とする脱酸素機能付与型バックインボック
ス及びその保存方法である。以下、本発明を詳細に説明
する。
【0008】脱酸素機能が付与された本発明のバックイ
ンボックスは、保存、輸送時に必要な積み重ね性、持ち
運び性等の剛性を有する真空成形方式やブロー成形方式
で成形されてなる成形容器(外装)と、耐水性、耐薬品
性等の耐久性を有し、フレキシブルで折りたたみの可能
な薄肉成形プラスチック容器やフィルムの袋(内袋)か
らなり、該内装の容器の口から液体食品を充填、密封す
る複合形態の液体容器である。例えば、バックインボッ
クス型容器、大型のドラムカン式無菌バック(バックイ
ンドラム)、ポリエチレン製液体コンテナー(バックイ
ンコンテナー)等があり、主として、果汁などの保存、
輸送容器として使用されるものである。
【0009】本発明のバックインボックスの内装は、酸
素バリアー性を有する外袋とヒートシールー性を有する
内袋からなる複層袋で飲料用無菌充填包装のできるバッ
クインボックスであり、特にヒートシールタイプが好ま
しい。該バックインボックスの内装は、外袋と内袋の中
間に形成された空間に脱酸素剤を装着し脱酸素機能を付
与しただけでなく、脱酸素剤と果実飲料等の飲料が直接
接触することがなく、主としてバックの第2メンブレン
側グランド部分に設けた通気孔にラミネートした常圧で
水を通さない通気性包装材料から内袋中の酸素及び外袋
を通過して浸入してくる酸素を除去することを特徴とす
る。
【0010】本発明における脱酸素機能付与型バックイ
ンボックスの外袋に使用されている酸素バリアー性を有
する複層プラスチックフィルムは、例えば、ポリ塩化ビ
ニリデン(PVDC)、エチレン−ビニルアルコール共重合
体(EVAL)、アルミ蒸着フィルム、アルミ箔などの金属
箔等の酸素バリアー層を、外袋の2層、3層等の複層か
ら構成されるその複層の1層以上を組み込んで容易に製
造されるものである。成形方式では、ハイバリアー樹脂
を用いての加工が必要である。
【0011】また、該バックインボックスの外袋の複層
プラスチックフィルムは、酸素透過度が、20 cc/m2・24
hr・atm ・sheet 以下、好ましくは 5 cc/m2・24hr・at
m ・sheet 以下のフィルムであり、酸素バリアー性を有
する。
【0012】また、本発明における脱酸素機能付与型バ
ックインボックスに使用されているプラスチックフィル
ムとしては、例えば、ヒートシール性を有するポリエチ
レン(LDPE、LLDPE )、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、アイオノマーフィルム等の低温ヒートシール性の良
好な低融点シーラント樹脂等からなる単層又は複層プラ
スチックフィルムを挙げることができる。
【0013】本発明における脱酸素機能付与型バックイ
ンボックスの外袋と内袋はラミネートされておらず、中
間に空間を有する形態からなり、外袋又は内袋の厚さ
は、一般に内袋の方が薄く、それぞれ 15 〜 15000μm
、好ましくは 20 〜 1000 μmである。
【0014】本発明における脱酸素機能付与型バックイ
ンボックスの第2メンブレン側グランド部分に設けた通
気孔は、グランドに開けた貫通孔であって、孔数、孔
径、孔パターン等は通気孔にラミネートした常圧で水を
通さない通気性包装材料の透気度を加味して決められ
る。
【0015】本発明のバックインボックスの常圧で水を
通さない通気性包装材料は、ガーレー式透気度が0.1 〜
10,000 秒/100ml の通気性の不織布、微多孔膜等にヒ
ートシール層を付与した複層フィルムである。
【0016】本発明のバックインボックスの常圧で水を
通さない不織布としては、ポリエチレン若しくはポリプ
ロピレンからなる連続した極めて細かい交錯した繊維の
束を紡糸した上で加熱加圧することにより繊維どうしを
接合して得られる不織布であり、例えば、タイベック
(デュポン社製)、ルクサー(旭化成工業(株)製)な
どを使用することができる。
【0017】本発明のバックインボックスの常圧で水を
通さない微多孔膜であるプラスチックフィルムとして
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成
樹脂フィルムを延伸して製造されるものを例示すること
ができるが、シリカ、タルク、炭酸カルシウム等の微粉
末を添加してフィルムを延伸し、微粉末を含有するフィ
ルムから微粉末を抽出するなどの方法により製造したも
のであってもよい。例えば、NFシート(徳山曹達
(株)製)、ポーラム(徳山曹達(株)製)、セルポア
(積水化学工業(株)製)、FP−2(旭化成工業
(株)製)、NOP(日本石油化学(株)製)、ニトフ
ロンNTF(日東電気工業(株)製)、ポリフロンペー
パー(ダイキン工業(株)製)、ジュラガード(セラニ
ーズ社製)、ゴーアテックス(ゴア社製)、TSF(興
人(株)製)等を挙げることができる。
【0018】本発明のバックインボックスの常圧で水を
通さない通気性包装材料に付与したヒートシール層とし
ては、該包材と同一の材質又はヒートシール可能なフィ
ルム、例えば、LDPE、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、アイオノマーフィルム等の低温ヒートシール性の良
好なシーラントフィルム等が使用可能であり、好んで用
いられる。また、紙とポリエチレン等から構成されるの
混抄紙、ポリエチレン等のヒートシール可能な樹脂を組
成とした芯と鞘から構成されるES樹脂、ポリエチレン
等からなる不織布、微多孔膜等の自己ヒートシール性を
有するフィルム等も使用可能である。
【0019】また、該通気性包材の片面に該包材と同等
若しくはそれより低い軟化点を有する樹脂、例えば、ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノ
マー樹脂、ポリプロピレンなどから選ばれた一種又は二
種以上の樹脂であり、これを300℃程度に熔融し、押し
出しラミネート加工や塗布などの手法により、多数の筋
状又は網目状に形成されたヒートシール層として使用し
てもよい。このようにして形成された樹脂部は、包装材
料の補強、透気度の調節としても機能する。
【0020】本発明で用いる脱酸素剤は、酸素を吸収す
る性質を有する組成物をガーレー式透透気度が0.1 〜 1
0,000 秒/100ml であって、常圧で水を通さない通気性
包材に充填し包装したものである。脱酸素剤組成物とし
ては、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、亜ニチオン酸塩、ヒド
ロキノン、カテコール、レゾルシン、ピロガロール、没
食子酸、鉄粉等の金属粉、アスコルビン酸等を含有する
ものを使用することができる。
【0021】本発明のバックインボックスは、甘夏柑、
ネーブル、八朔、オレンジ等の柑橘類、林檎、葡萄、
桃、梨、杏、梅、桜桃、トマト、イチゴ、メロン、バナ
ナ、グレープフルーツ、パインアップル、パパイア、マ
ンゴー、グアバー、ベリー、ファッションフルーツ等の
果実から得た果汁、果肉を含む果実飲料およびその混合
果実飲料や果汁入り飲料、または濃縮果汁の他、各種野
菜ジュース、乳飲料、コーヒー飲料、各種ティー、果汁
シロップ、健康飲料、水等の飲料を充填、保存すること
ができる。また、ケチャップ、ソース、醤油、食酢等の
調味量、各種タレ、日本酒、ワイン等の酒類、ロングラ
イフミルク、醗酵牛乳、ヨーグルト飲料、等の乳製品、
プディング、各種精油、種子油等の油類等の各種液状、
ゼリー状、ペースト状食品等の飲料以外の食品類の充
填、保存にも使用可能である。
【0022】
【作用】本発明のバックインボックスは、酸素バリアー
性を有する外袋とヒートシールー性を有する内袋からな
る複層袋で飲料用無菌充填包装のできるものである。該
バックインボックスは、外袋と内袋の中間に形成された
空間に脱酸素剤を装着し脱酸素機能を付与しただけでな
く、脱酸素剤と果実飲料等の飲料が直接接触することが
なく、主としてバックの第2メンブレン側グランド部分
に設けた通気孔にラミネートした常圧で水を通さない通
気性包装材料から内袋中の酸素及び外袋を通過して浸入
してくる酸素を除去することを特徴とする。
【0023】すなわち、脱酸素剤が正常に働いて、内袋
の果実飲料等の飲料が速やかに脱酸素状態を保持するよ
うにバックインボックスの第2メンブレン側グランド部
分に通気孔を設け、かつ通気孔の飲料と接触する側のグ
ランド部分に常圧で水を通さない通気性包装材料をラミ
ネートして飲料の流入のない形状からなる。従って、脱
酸素剤は果実飲料等の飲料と直接接触しないだけでな
く、通気孔部のガーレー式透気度が 0.1〜10,000秒/10
0ml である通気性包装材料を通して内袋中の果実飲料等
の飲料中の酸素を速やかに脱酸素して該バックインボッ
クスを脱酸素下に保持することができる。
【0024】また、該バックの外袋に酸素透過度が 20c
c/m2・24hr・atm ・sheet 以下の酸素バリアー性の複層
プラスチックフィルムを採用して、外部からの酸素の流
入を極力抑えるだけでなく、外袋と内袋の中間の空間に
装着した脱酸素剤が有効に働き効果を充分に発揮できる
様にした。
【0025】
【実施例】本発明を、以下の実施例及び比較例により、
更に具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、これ
らの実施例に何等制限を受けるものではない。 (1)試料及び比較試料の作製 (試料−1)PET(厚み:20μm)にアルミニウムを蒸着し
た AL 蒸着PET フィルムの外袋と、LDPE/EVA-LDPE(厚
み:40μm)の内袋からなる二重袋( 2l バック、包材寸
法:220 ×310 mm)にフランジを設けたバックインボッ
クスにおいて、バックのグランド部分に完全にシールさ
れた第一メンブレンと流入口を有し部分シールされた第
二メンブレンを備え、かつ第2メンブレン側グランド部
分に通気孔を設け、通気孔の飲料と接触する側に常圧で
水を通さないタイベック1059B(デュポン社製、ポ
リエチレン不織布)にポーラム〔厚み:40μm 、徳山曹
達(株)製 PE 微多孔膜〕からなる通気性包装材料をラ
ミネートした。K-PET/LDPE (厚み:40μm)製の第一、第
二メンブレンを使用した。また、バックの外袋と内袋の
中間の空間に脱酸素剤(鉄粉を主剤とする酸素吸収能力
が 100mlの脱酸素剤組成物を 50× 50 mmの包材に充
填した脱酸素剤包装体)を装着して脱酸素機能付与型バ
ックインボックスを作製した。
【0026】(試料−2)外袋の AL 蒸着PET フィルム
を LDPE/PVDC/LDPE/PVDC/LDPE(厚み: 110μm)に変える
以外は、試料−1と全く同様にして脱酸素機能付与型バ
ックインボックスを作製した。
【0027】(試料−3)脱酸素剤を、酸素吸収能力が
100mlから 500mlに変える以外は、試料−1と全く同様
にして脱酸素機能付与型バックインボックスを作製し
た。
【0028】(試料−4)外袋の AL 蒸着PET フィルム
をPET(前出、厚み:20μm)にアルミニウム箔(厚み:15
μm)及びPEフィルム(厚み20μm)をラミネートした P
ET/AL/PEフィルムに変える以外は、試料−1と全く同様
にして脱酸素機能付与型バックインボックスを作製し
た。
【0029】(比較試料−1)試料−1において調整し
たPET(厚み:20μm)にアルミニウムを蒸着した AL 蒸着
PET フィルム(前出)の外袋と、LDPE/EVA-LDPE(前出)
の内袋のからなる二重袋(前出、2 l バック、包材寸
法: 220×310 mm)のグラインド部分にPET/LDPE(厚
み:40μm)製の完全にシールされた第一メンブレンと流
入口を有し部分シールされた第二メンブランを設けたバ
ックインボックスを作製した。
【0030】(比較試料−2)AL蒸着PET フィルム(前
出)に変えて、LDPE/PVDC/LDPE/PVDC/LDPE (前出、厚
み: 110μm)に変える以外は、比較試料−1と全く同様
にしてバックインボックスを作製した。
【0031】(比較試料−3)AL蒸着PET フィルム(前
出)に変えて、PET/LDPE (厚み:各々20μm)に変える以
外は、比較試料−1と全く同様にしてバックインボック
スを作製した。
【0032】(比較試料−4)比較試料−1において調
整した二重袋(前出、2 l バック、包材寸法: 220×31
0 mm)のグランド部分にPET/LDPE (前出、厚み:40μm)
製の完全にシールされた第一メンブレンと K-PET/LDPE
(前出、厚み:40μm)製の流入口を有し部分シールされ
た第二メンブレンを設け、かつバックの外袋と内袋の中
間の空間に脱酸素剤(前出、鉄粉を主剤とする酸素吸収
能力が 100mlの脱酸素剤組成物を 50 × 50 mmの包材に
充填した脱酸素剤包装体)を装着したバックインボック
スを作製した。
【0033】以上作製した本発明における各試料、比較
試料及び500mlの空気を該バックインボックス中に入
れて密封し、25℃に放置して酸素濃度が零になるまでの
時間を測定し(n=10)、その結果を表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】(2)バックインボックスの殺菌と果汁飲
料の無菌充填包装
【0036】前記第(1)項で作製したバックインボッ
クスの各試料及び比較試料を、γ線又は、EOG等で殺
菌して完全滅菌状態のアセプティックバックとする。次
に、UHT殺菌した果汁飲料を前記バックインボックス
中に無菌充填包装し、無菌性が維持されたまま充填が完
了すると、第二メンブレン流入口等に付着した果汁飲料
を蒸気により洗浄すると同時に、第二メンブレンは袋の
後ろよりヒート板が上昇し、メンブレンをグランドのフ
ランジに完全にシールして試験試料とした。しかし、メ
ンブレンと袋本体とは材質が異なり溶着しない構造にな
っている。
【0037】(3)果汁飲料の保存試験 (実施例1)試料−1にて作製し殺菌処理した脱酸素機
能付与型バックインボックス中に、温州蜜柑から得られ
た天然果汁を殺菌処理後、5 ℃に急冷した 1000ml の天
然果汁を無菌充填包装した。これを5 ℃、30℃の恒温槽
に保存して、所定時間毎に、酸素濃度、天然果汁中の溶
存酸素濃度、還元型ビタミンC含有量、褐変度 (色調)
、外観、官能試験による評価を実施した。結果を表2
に示した。
【0038】(実施例2〜4、比較例1〜4、7)試料
−2〜4、比較試料1〜4のそれぞれを用いて、実施例
1と同様の保存試験を実施した。結果を表2及び表3に
示した。
【0039】(実施例5、6、及び比較例5、6)試料
−1、3にて作製し殺菌処理した脱酸素機能付与型バッ
クインボックス又は比較試料1、3にて作製し殺菌処理
したバックインボックス中に、林檎から得られた天然果
汁を殺菌処理後、5 ℃に急冷した 1000ml の天然果汁を
無菌充填包装し、実施例1と同様の保存試験を実施し
た。結果を表2及び表3に示した。
【0040】比較例8にて作製したバックインボックス
中に、温州蜜柑から得られた天然果汁を92℃に加熱殺菌
してホットパックにて充填包装後、散水して冷却して、
実施例1と同様の保存試験を実施した。測定結果を表3
に示した。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】(4)評価方法 試験結果の評価は、以下のようにして行った。 酸素濃度:ジルコニア式酸素濃度計によって測定し
た。 溶存酸素濃度:溶存酸素計によって果汁中の溶存酸素
濃度を測定した。 還元型ビタミンC含有量:果実飲料の分析方法、 JAS
法に記載のインドフェノール滴定法によって果汁中の還
元型ビタミンC含有量を測定した。 褐変度 (色調) :果実飲料に等量のエタノールを加え
て充分に混合し、15分間静置後、濾過し、分光光度計に
より 420 nm の吸光度を測定した。 外観:褐変度、濁り等の外観を観察した。 官能試験:パネラーにより、果実飲料の味、臭い(香
り) を異常 (変質) の有無で評価した。
【0044】
【発明の効果】本発明のバックインボックスは、果実飲
料等の飲料の無菌充填機(アセプティック)を用いたコ
ールドパック方式(低温充填)において使用可能であ
り、該バックスインボックスの外袋と内袋の中間の空間
に脱酸素剤を装着して脱酸素機能を付与したものであ
る。従って、本発明の脱酸素機能付与型バックインボッ
クスは、容易に果実飲料等の飲料を無菌充填包装し、か
つ酸素を除去するので、長期間の冷蔵保存を可能とする
ものであり、果実飲料等の保存容器として広い範囲で使
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる脱酸素機能付与型バックインボ
ックス内装部の断面図を示す。
【図2】本発明に用いる脱酸素機能付与型バックインボ
ックスのグランド部の第二メンブレン側からの平面図を
示す。
【図3】本発明に用いる脱酸素機能付与型バックインボ
ックスのグランド部の第一メンブレン側からの平面図を
示す。
【符号の説明】
1 :第一メンブレン A2 :第二メンブレン B :通気性包装材料 C :通気孔 D1 :外袋 D2 :内袋 E :グランド部 F :未シール部 G :脱酸素剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立花 輝雄 千葉県市原市五井南海岸12−54 日本曹達 株式会社機能製品研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バックインボックスタイプの飲料用無菌充
    填包装において、外袋と内袋の中間の空間に脱酸素剤を
    装着したバックの第2メンブレン側グランド部分に通気
    孔を設け、かつ通気孔の飲料と接触する側に常圧で水を
    通さない通気性包装材料をラミネートしてなることを特
    徴とする脱酸素機能付与型バックインボックス。
  2. 【請求項2】常圧で水を通さない通気性包装材料が、ポ
    リエチレン若しくはポリプロピレンからなり、ガーレー
    式透気度が 0.1〜10,000秒/100ml である常圧で水を通
    さない不織布又は微多孔膜からなる単層又は積層フィル
    ムである請求項1記載のバックインボックス。
  3. 【請求項3】外袋が 20cc/m2・ 24hr ・atm ・sheet 以
    下の酸素透過度を有する酸素バリアー性の複層プラスチ
    ックフィルムであることを特徴とする請求項1及び請求
    項2記載のバックインボックス。
  4. 【請求項4】請求項1記載の脱酸素機能付与型バックイ
    ンボックスを用いた果実飲料の無菌充填包装による飲料
    の保存方法。
JP9368692A 1992-03-19 1992-03-19 脱酸素機能付与型バックインボックス及びそれを用いる飲料類の保存方法 Pending JPH05262373A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102782118A (zh) * 2010-02-08 2012-11-14 贝克尔-安德伍德公司 用于改进微生物存储容器中的氧气渗透性的方法和设备

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