JPH05262255A - 4輪操舵装置 - Google Patents
4輪操舵装置Info
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- JPH05262255A JPH05262255A JP6245292A JP6245292A JPH05262255A JP H05262255 A JPH05262255 A JP H05262255A JP 6245292 A JP6245292 A JP 6245292A JP 6245292 A JP6245292 A JP 6245292A JP H05262255 A JPH05262255 A JP H05262255A
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- steering
- wheel steering
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- rod
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- Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
- Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
- Power Steering Mechanism (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 後輪が安全上必要な操舵量を大きく越えて操
舵されることを防止できるようにする。 【構成】 ハンドル3の回転により前部ラック棒4を移
動させて前輪8を操舵する前輪操舵装置1と、前輪8の
操舵量に応じて電動モータ32で後部ラック棒11を移動さ
せることにより後輪18を操舵する後輪操舵装置2とを備
える。後輪操舵装置2に、後部ラック棒11の最大移動量
を機械的に制限しかつこの最大移動量の調整ができる可
変規制部材を有する最大操舵量規制装置40を設け、前輪
操舵装置1と後輪操舵装置2の間に、前部ラック棒4の
移動量が大きくなるにしたがって可変規制部材により機
械的に制限される後部ラック棒11の最大移動量が大きく
なるように内部に密封された液体により前部ラック棒4
の移動を可変規制部材の移動に変換する液圧装置を設け
る。
舵されることを防止できるようにする。 【構成】 ハンドル3の回転により前部ラック棒4を移
動させて前輪8を操舵する前輪操舵装置1と、前輪8の
操舵量に応じて電動モータ32で後部ラック棒11を移動さ
せることにより後輪18を操舵する後輪操舵装置2とを備
える。後輪操舵装置2に、後部ラック棒11の最大移動量
を機械的に制限しかつこの最大移動量の調整ができる可
変規制部材を有する最大操舵量規制装置40を設け、前輪
操舵装置1と後輪操舵装置2の間に、前部ラック棒4の
移動量が大きくなるにしたがって可変規制部材により機
械的に制限される後部ラック棒11の最大移動量が大きく
なるように内部に密封された液体により前部ラック棒4
の移動を可変規制部材の移動に変換する液圧装置を設け
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車などの4輪操
舵装置に関する。
舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の4輪操舵装置は前輪操舵装置と
後輪操舵装置を備えており、後輪操舵装置として、車速
および前輪の操舵量すなわちハンドル舵角に応じて電動
モータで後輪操舵棒を移動させることにより後輪を操舵
するものが知られている(特開平1−136876号参
照)。
後輪操舵装置を備えており、後輪操舵装置として、車速
および前輪の操舵量すなわちハンドル舵角に応じて電動
モータで後輪操舵棒を移動させることにより後輪を操舵
するものが知られている(特開平1−136876号参
照)。
【0003】このような後輪操舵装置では、後輪操舵棒
の移動量が機械的(構造的)に制限されており、機械的
には、車速にかかわらず、後輪操舵棒は機械的最大移動
量だけ移動でき、したがって、後輪も後輪操舵棒の機械
的最大移動量によって制限される機械的最大操舵量だけ
操舵されうる。そして、制御装置により、この機械的最
大操舵量の範囲内で、車速とハンドル舵角に応じて後輪
の相対操舵方向(前輪の操舵方向に対する後輪の操舵方
向)と操舵量が制御される。
の移動量が機械的(構造的)に制限されており、機械的
には、車速にかかわらず、後輪操舵棒は機械的最大移動
量だけ移動でき、したがって、後輪も後輪操舵棒の機械
的最大移動量によって制限される機械的最大操舵量だけ
操舵されうる。そして、制御装置により、この機械的最
大操舵量の範囲内で、車速とハンドル舵角に応じて後輪
の相対操舵方向(前輪の操舵方向に対する後輪の操舵方
向)と操舵量が制御される。
【0004】4輪操舵装置を備えた自動車では、低速走
行時にはハンドルを大きく操舵して前輪および後輪を大
きく操舵する必要があり、後輪の機械的最大操舵量は、
当然、低速走行時に必要な後輪の操舵量より少し大きく
なっている。
行時にはハンドルを大きく操舵して前輪および後輪を大
きく操舵する必要があり、後輪の機械的最大操舵量は、
当然、低速走行時に必要な後輪の操舵量より少し大きく
なっている。
【0005】一方、高速走行時には、前輪および後輪を
大きく操舵すると危険であるため、ハンドルを小さく操
舵して前輪および後輪を小さく操舵する必要がある。こ
の高速走行時に必要な後輪の操舵量は機械的最大操舵量
よりかなり小さいが、後輪は上述のように機械的には機
械的最大操舵量だけ操舵されうるので、安全上、次のよ
うな問題がある。
大きく操舵すると危険であるため、ハンドルを小さく操
舵して前輪および後輪を小さく操舵する必要がある。こ
の高速走行時に必要な後輪の操舵量は機械的最大操舵量
よりかなり小さいが、後輪は上述のように機械的には機
械的最大操舵量だけ操舵されうるので、安全上、次のよ
うな問題がある。
【0006】すなわち、後輪操舵装置全体が正常に動作
している場合、高速走行時には、小さいハンドル舵角に
応じて前輪および後輪が小さく操舵される。ところが、
電動モータやその制御装置に故障などが発生したような
場合、後輪は機械的には機械的最大操舵量だけ操舵され
うるので、後輪の操舵量が安全上必要な操舵量を大きく
越えることがあり、非常に危険である。
している場合、高速走行時には、小さいハンドル舵角に
応じて前輪および後輪が小さく操舵される。ところが、
電動モータやその制御装置に故障などが発生したような
場合、後輪は機械的には機械的最大操舵量だけ操舵され
うるので、後輪の操舵量が安全上必要な操舵量を大きく
越えることがあり、非常に危険である。
【0007】この発明の目的は、上記の問題を解決し、
後輪が安全上必要な操舵量を大きく越えて操舵されるこ
とを防止できる安全な4輪操舵装置を提供することにあ
る。
後輪が安全上必要な操舵量を大きく越えて操舵されるこ
とを防止できる安全な4輪操舵装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明による4輪操舵
装置は、ハンドルの回転により前輪操舵棒を移動させて
前輪を操舵する前輪操舵装置と、前輪の操舵量に応じて
電動モータで後輪操舵棒を移動させることにより後輪を
操舵する後輪操舵装置とを備えた4輪操舵装置におい
て、後輪操舵装置に、後輪操舵棒の最大移動量を機械的
に制限しかつこの最大移動量の調整ができる可変規制部
材を有する最大操舵量規制装置が設けられ、前輪操舵装
置と後輪操舵装置の間に、前輪操舵棒の移動量が大きく
なるにしたがって可変規制部材により機械的に制限され
る後輪操舵棒の最大移動量が大きくなるように内部に密
封された液体により前輪操舵棒の移動を可変規制部材の
移動に変換する液圧装置が設けられていることを特徴と
するものである。
装置は、ハンドルの回転により前輪操舵棒を移動させて
前輪を操舵する前輪操舵装置と、前輪の操舵量に応じて
電動モータで後輪操舵棒を移動させることにより後輪を
操舵する後輪操舵装置とを備えた4輪操舵装置におい
て、後輪操舵装置に、後輪操舵棒の最大移動量を機械的
に制限しかつこの最大移動量の調整ができる可変規制部
材を有する最大操舵量規制装置が設けられ、前輪操舵装
置と後輪操舵装置の間に、前輪操舵棒の移動量が大きく
なるにしたがって可変規制部材により機械的に制限され
る後輪操舵棒の最大移動量が大きくなるように内部に密
封された液体により前輪操舵棒の移動を可変規制部材の
移動に変換する液圧装置が設けられていることを特徴と
するものである。
【0009】
【作用】従来技術に関する説明からも明らかなように、
自動車の最大ハンドル舵角は、低速走行時には大きく、
高速走行時には小さくなる。
自動車の最大ハンドル舵角は、低速走行時には大きく、
高速走行時には小さくなる。
【0010】高速走行時には、最大ハンドル舵角が小さ
く、ハンドルが大きく操作されて前輪操舵棒が大きく移
動することがないため、液圧装置の働きで可変規制部材
により機械的に制限される後輪操舵棒の最大移動量が小
さくなり、電動モータやその制御装置に故障などが発生
しても、後輪が安全上必要な操舵量を大きく越えて操舵
されるようなことがない。
く、ハンドルが大きく操作されて前輪操舵棒が大きく移
動することがないため、液圧装置の働きで可変規制部材
により機械的に制限される後輪操舵棒の最大移動量が小
さくなり、電動モータやその制御装置に故障などが発生
しても、後輪が安全上必要な操舵量を大きく越えて操舵
されるようなことがない。
【0011】停車時や低速走行時には、最大ハンドル舵
角が大きく、ハンドルが大きく操作されて前輪操舵棒が
大きく移動することがあるが、前輪操舵棒の移動量が大
きくなると、液圧装置の働きで可変規制部材により機械
的に制限される後輪操舵棒の最大移動量が大きくなり、
後輪を大きく操舵することが可能になる。
角が大きく、ハンドルが大きく操作されて前輪操舵棒が
大きく移動することがあるが、前輪操舵棒の移動量が大
きくなると、液圧装置の働きで可変規制部材により機械
的に制限される後輪操舵棒の最大移動量が大きくなり、
後輪を大きく操舵することが可能になる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0013】図1は、前輪操舵装置(1) と後輪操舵装置
(2) を備えた自動車の4輪操舵装置の概略構成を示して
いる。図2および図3は前輪操舵装置(1) の機械部分の
一部の詳細を示し、図4は後輪操舵装置(2) の機械部分
の全体を示し、図5〜図9はその各部の詳細を示してい
る。
(2) を備えた自動車の4輪操舵装置の概略構成を示して
いる。図2および図3は前輪操舵装置(1) の機械部分の
一部の詳細を示し、図4は後輪操舵装置(2) の機械部分
の全体を示し、図5〜図9はその各部の詳細を示してい
る。
【0014】図1〜図3に示すように、前輪操舵装置
(1) は、たとえば、ハンドル(ステアリングホイール)
(3) の回転がピニオン(41)を介して前部ラック棒(前輪
操舵棒)(4) に伝えられる公知のラックピニオン式のも
のであり、油圧式動力舵取機構が備えられている。ラッ
ク棒(4) は左右方向にのび、左右方向(軸線方向)に移
動しうるように前部ハウジング(5) に支持されている。
ハウジング(5) は、車体に固定されている。ラック棒
(4) の両端に、タイロッド(6) およびナックルアーム
(7) を介して前輪(8) が連結されている。前部ハウジン
グ(5) にはハンドル(3) に連結された入力軸(42)とピニ
オン(41)が形成された出力軸(44)が回転自在に支持され
ており、これらがトーションバー(43)によって連結され
ている。また、入力軸(42)と出力軸(44)の間に、ロータ
リバルブ(45)が設けられている。そして、ハンドル(3)
を回転させると、入力軸(42)およびトーションバー(43)
を介して出力軸(44)およびピニオン(41)が回転し、これ
によりラック棒(4) が左右方向に移動し、前輪(8) の操
舵が行なわれる。また、ハンドル(3) の回転方向および
回転トルク(操舵トルク)に応じてロータリバルブ(45)
の油路および開度が切替わり、油圧による操舵力の補助
が行なわれる。
(1) は、たとえば、ハンドル(ステアリングホイール)
(3) の回転がピニオン(41)を介して前部ラック棒(前輪
操舵棒)(4) に伝えられる公知のラックピニオン式のも
のであり、油圧式動力舵取機構が備えられている。ラッ
ク棒(4) は左右方向にのび、左右方向(軸線方向)に移
動しうるように前部ハウジング(5) に支持されている。
ハウジング(5) は、車体に固定されている。ラック棒
(4) の両端に、タイロッド(6) およびナックルアーム
(7) を介して前輪(8) が連結されている。前部ハウジン
グ(5) にはハンドル(3) に連結された入力軸(42)とピニ
オン(41)が形成された出力軸(44)が回転自在に支持され
ており、これらがトーションバー(43)によって連結され
ている。また、入力軸(42)と出力軸(44)の間に、ロータ
リバルブ(45)が設けられている。そして、ハンドル(3)
を回転させると、入力軸(42)およびトーションバー(43)
を介して出力軸(44)およびピニオン(41)が回転し、これ
によりラック棒(4) が左右方向に移動し、前輪(8) の操
舵が行なわれる。また、ハンドル(3) の回転方向および
回転トルク(操舵トルク)に応じてロータリバルブ(45)
の油路および開度が切替わり、油圧による操舵力の補助
が行なわれる。
【0015】前輪操舵装置(1) には、また、適宜な手段
で前輪(8) の操舵量を検出する前輪操舵量検出装置(9)
が設けられている。
で前輪(8) の操舵量を検出する前輪操舵量検出装置(9)
が設けられている。
【0016】図1および図4に示すように、後輪操舵装
置(2) は、前輪操舵装置(1) と同様、後部ハウジング(1
0)に支持された後部ラック棒(後輪操舵棒)(11)を備え
ている。ハウジング(10)は、ハウジング本体(12)とその
右側にはめ止められたハウジングチューブ(13)によっ
て、左右方向にのびる筒状に形成されている。ラック棒
(11)はハウジング(10)に挿入されて左右方向にのびてお
り、ハウジング(10)内の公知のブシュ(14)およびサポー
トヨーク(15)(図6参照)に支持されて左右方向に移動
しうるようになっている。ラック棒(11)の両端は、タイ
ロッド(16)およびナックルアーム(17)を介して後輪(18)
に連結されている。そして、ラック棒(11)が左右方向に
移動することにより、後輪(18)の操舵が行なわれる。
置(2) は、前輪操舵装置(1) と同様、後部ハウジング(1
0)に支持された後部ラック棒(後輪操舵棒)(11)を備え
ている。ハウジング(10)は、ハウジング本体(12)とその
右側にはめ止められたハウジングチューブ(13)によっ
て、左右方向にのびる筒状に形成されている。ラック棒
(11)はハウジング(10)に挿入されて左右方向にのびてお
り、ハウジング(10)内の公知のブシュ(14)およびサポー
トヨーク(15)(図6参照)に支持されて左右方向に移動
しうるようになっている。ラック棒(11)の両端は、タイ
ロッド(16)およびナックルアーム(17)を介して後輪(18)
に連結されている。そして、ラック棒(11)が左右方向に
移動することにより、後輪(18)の操舵が行なわれる。
【0017】図5に詳細に示すように、ハウジング本体
(12)内周の左端部に内向き鍔部材(19)が固定され、これ
より右側に離れた部分に内向き鍔部(20)が形成されてい
る。ハウジング本体(12)の内向き鍔部材(19)に対応する
ラック棒(11)の左端寄りの部分の外周に、外向き鍔部材
(21)が固定されている。ハウジング本体(12)の内向き鍔
部(20)に対応するラック棒(11)の外周に止め輪(22)が固
定され、そのすぐ左側にストッパリング(23)がはめられ
ている。ハウジング本体(12)の内向き鍔部材(19)と内向
き鍔部(20)の間の部分において、ラック棒(11)の外周の
外向き鍔部材(21)のすぐ右側の部分に左側摺動リング(2
4)が、ストッパリング(23)のすぐ左側の部分に右側摺動
リング(25)がそれぞれ左右摺動自在にはめられている。
ラック棒(11)の外周の左右の摺動リング(24)(25)の間
に、圧縮コイルばねよりなるセンタリングばね(26)がは
められている。左側摺動リング(24)の外周に右側にのび
る円筒状の左側移動量規制部材(27)が固定され、右側摺
動リング(25)の外周に左側にのびる円筒状の右側移動量
規制部材(28)が固定されている。ラック棒(11)に左右方
向の力が作用していない場合、センタリングばね(26)に
より、左右の摺動リング(24)(25)が互いに離れる方向に
付勢され、左側摺動リング(24)はラック棒(11)の外向き
鍔部材(21)に、右側摺動リング(25)はラック棒(11)のス
トッパリング(23)にそれぞれ圧接する。なお、このと
き、ストッパリング(23)の右側への移動は止め輪(22)に
よって阻止される。また、このとき、左側摺動リング(2
4)がハウジング本体(12)の内向き鍔部材(19)に、右側摺
動リング(25)がハウジング本体(12)の内向き鍔部(20)に
それぞれ圧接し、ラック棒(11)は中立状態に保持され
る。
(12)内周の左端部に内向き鍔部材(19)が固定され、これ
より右側に離れた部分に内向き鍔部(20)が形成されてい
る。ハウジング本体(12)の内向き鍔部材(19)に対応する
ラック棒(11)の左端寄りの部分の外周に、外向き鍔部材
(21)が固定されている。ハウジング本体(12)の内向き鍔
部(20)に対応するラック棒(11)の外周に止め輪(22)が固
定され、そのすぐ左側にストッパリング(23)がはめられ
ている。ハウジング本体(12)の内向き鍔部材(19)と内向
き鍔部(20)の間の部分において、ラック棒(11)の外周の
外向き鍔部材(21)のすぐ右側の部分に左側摺動リング(2
4)が、ストッパリング(23)のすぐ左側の部分に右側摺動
リング(25)がそれぞれ左右摺動自在にはめられている。
ラック棒(11)の外周の左右の摺動リング(24)(25)の間
に、圧縮コイルばねよりなるセンタリングばね(26)がは
められている。左側摺動リング(24)の外周に右側にのび
る円筒状の左側移動量規制部材(27)が固定され、右側摺
動リング(25)の外周に左側にのびる円筒状の右側移動量
規制部材(28)が固定されている。ラック棒(11)に左右方
向の力が作用していない場合、センタリングばね(26)に
より、左右の摺動リング(24)(25)が互いに離れる方向に
付勢され、左側摺動リング(24)はラック棒(11)の外向き
鍔部材(21)に、右側摺動リング(25)はラック棒(11)のス
トッパリング(23)にそれぞれ圧接する。なお、このと
き、ストッパリング(23)の右側への移動は止め輪(22)に
よって阻止される。また、このとき、左側摺動リング(2
4)がハウジング本体(12)の内向き鍔部材(19)に、右側摺
動リング(25)がハウジング本体(12)の内向き鍔部(20)に
それぞれ圧接し、ラック棒(11)は中立状態に保持され
る。
【0018】ラック棒(11)が中立状態にあるとき、左側
規制部材(27)の右端と右側規制部材(28)の左端は左右に
少し離れている。そして、ラック棒(11)にセンタリング
ばね(26)より大きい左右方向の力が作用すると、ラック
棒(11)は左右にそれぞれこの左右の規制部材(27)(28)の
間隔分だけ移動しうる。ラック棒(11)に左向きの力が作
用すると、外向き鍔部材(21)が左側摺動リング(24)から
離れて、ラック棒(11)が左に移動する。ラック棒(11)が
左に移動すると、止め輪(22)およびストッパリング(23)
に押されて、右側摺動リング(25)および右側規制部材(2
8)も左に移動し、右側規制部材(28)の左端が静止してい
る左側規制部材(27)の右端に当たると、ラック棒(11)の
移動が停止する。逆に、ラック棒(11)に右向きの力が作
用すると、ストッパリング(23)が右側摺動リング(25)か
ら離れて、ラック棒(11)が右に移動する。ラック棒(11)
が右に移動すると、外向き鍔部材(21)に押されて、左側
摺動リング(24)および左側規制部材(27)も右に移動し、
左側規制部材(27)の右端が静止している右側規制部材(2
8)の左端に当たると、ラック棒(11)の移動が停止する。
このように、ラック棒(11)は、機械的には、中立状態に
おける左右の規制部材(27)(28)の間隔の2倍分だけ左右
に移動しうる。以下、この移動量をラック棒(11)の機械
的最大移動量といい、これに対応する後輪(18)の操舵量
(操舵角)を機械的最大操舵量ということにする。
規制部材(27)の右端と右側規制部材(28)の左端は左右に
少し離れている。そして、ラック棒(11)にセンタリング
ばね(26)より大きい左右方向の力が作用すると、ラック
棒(11)は左右にそれぞれこの左右の規制部材(27)(28)の
間隔分だけ移動しうる。ラック棒(11)に左向きの力が作
用すると、外向き鍔部材(21)が左側摺動リング(24)から
離れて、ラック棒(11)が左に移動する。ラック棒(11)が
左に移動すると、止め輪(22)およびストッパリング(23)
に押されて、右側摺動リング(25)および右側規制部材(2
8)も左に移動し、右側規制部材(28)の左端が静止してい
る左側規制部材(27)の右端に当たると、ラック棒(11)の
移動が停止する。逆に、ラック棒(11)に右向きの力が作
用すると、ストッパリング(23)が右側摺動リング(25)か
ら離れて、ラック棒(11)が右に移動する。ラック棒(11)
が右に移動すると、外向き鍔部材(21)に押されて、左側
摺動リング(24)および左側規制部材(27)も右に移動し、
左側規制部材(27)の右端が静止している右側規制部材(2
8)の左端に当たると、ラック棒(11)の移動が停止する。
このように、ラック棒(11)は、機械的には、中立状態に
おける左右の規制部材(27)(28)の間隔の2倍分だけ左右
に移動しうる。以下、この移動量をラック棒(11)の機械
的最大移動量といい、これに対応する後輪(18)の操舵量
(操舵角)を機械的最大操舵量ということにする。
【0019】ハウジング本体(12)に、ラック棒(11)を左
右方向に移動させるラック棒駆動装置(29)、後輪(18)の
操舵量を検出するための第1操舵量検出装置(30)および
第2操舵量検出装置(31)が設けられている。
右方向に移動させるラック棒駆動装置(29)、後輪(18)の
操舵量を検出するための第1操舵量検出装置(30)および
第2操舵量検出装置(31)が設けられている。
【0020】ラック棒駆動装置(29)は、駆動源としての
電動モータ(32)、クラッチ(33)および減速装置(34)を備
えている。図6に示すように、ハウジング本体(12)内に
前後方向にのびるピニオン軸(35)が回転自在に支持され
ており、ピニオン軸(35)に形成されたピニオン(36)がラ
ック棒(11)に形成されたラック(37)とかみ合っている。
そして、モータ(32)の回転がクラッチ(33)および減速装
置(34)を介してピニオン(36)に伝えられ、これとかみ合
うラック棒(11)が左右に移動する。
電動モータ(32)、クラッチ(33)および減速装置(34)を備
えている。図6に示すように、ハウジング本体(12)内に
前後方向にのびるピニオン軸(35)が回転自在に支持され
ており、ピニオン軸(35)に形成されたピニオン(36)がラ
ック棒(11)に形成されたラック(37)とかみ合っている。
そして、モータ(32)の回転がクラッチ(33)および減速装
置(34)を介してピニオン(36)に伝えられ、これとかみ合
うラック棒(11)が左右に移動する。
【0021】第1操舵量検出装置(30)は、たとえばポテ
ンショメータなどを備え、ピニオン軸(35)の回転を検出
することにより後輪(18)の操舵量を検出する。
ンショメータなどを備え、ピニオン軸(35)の回転を検出
することにより後輪(18)の操舵量を検出する。
【0022】第2操舵量検出装置(31)は、適宜な手段で
ラック棒(11)の左右方向の移動を回転に変換し、この回
転を検出することにより後輪(18)の操舵量を検出する。
ラック棒(11)の左右方向の移動を回転に変換し、この回
転を検出することにより後輪(18)の操舵量を検出する。
【0023】後輪操舵装置(2) は、車速センサ(38)、前
輪操舵量検出装置(9) 、第1および第2操舵量検出装置
(30)(31)の出力に応じてラック棒駆動装置(29)のモータ
(32)およびクラッチ(33)を制御する制御装置(39)を備え
ている。制御装置(39)は、コンピュータによって構成さ
れている。
輪操舵量検出装置(9) 、第1および第2操舵量検出装置
(30)(31)の出力に応じてラック棒駆動装置(29)のモータ
(32)およびクラッチ(33)を制御する制御装置(39)を備え
ている。制御装置(39)は、コンピュータによって構成さ
れている。
【0024】制御装置(39)は、車速ならびに前輪(8) の
操舵方向および操舵量すなわちハンドル(3) の舵角に応
じてモータ(32)の回転方向および回転量を制御すること
により後部ラック棒(11)の移動方向および移動量を制御
し、その結果、後輪(18)の操舵方向および操舵量を制御
する。すなわち、車速センサ(38)によって検出された車
速より、その車速における後輪(18)の操舵方向および最
大許容操舵量を知り、この最大許容操舵量の範囲内にお
いて、前輪(8) の操舵量に応じてモータ(32)を制御す
る。このとき、第1操舵量検出装置(30)によって後輪(1
8)の操舵量が検出されて、制御装置(39)にフィードバッ
クされる。また、制御装置(39)は、常時、第1操舵量検
出装置(30)の出力と第2操舵量検出装置(31)の出力を比
較し、これらに所定量以上の差が生じたときに、後輪(1
8)の操舵量の検出に異常が生じたと判断し、クラッチ(3
3)をオフにするとともに、モータ(32)をオフにして、後
輪(18)の操舵が行なわれないようにする。
操舵方向および操舵量すなわちハンドル(3) の舵角に応
じてモータ(32)の回転方向および回転量を制御すること
により後部ラック棒(11)の移動方向および移動量を制御
し、その結果、後輪(18)の操舵方向および操舵量を制御
する。すなわち、車速センサ(38)によって検出された車
速より、その車速における後輪(18)の操舵方向および最
大許容操舵量を知り、この最大許容操舵量の範囲内にお
いて、前輪(8) の操舵量に応じてモータ(32)を制御す
る。このとき、第1操舵量検出装置(30)によって後輪(1
8)の操舵量が検出されて、制御装置(39)にフィードバッ
クされる。また、制御装置(39)は、常時、第1操舵量検
出装置(30)の出力と第2操舵量検出装置(31)の出力を比
較し、これらに所定量以上の差が生じたときに、後輪(1
8)の操舵量の検出に異常が生じたと判断し、クラッチ(3
3)をオフにするとともに、モータ(32)をオフにして、後
輪(18)の操舵が行なわれないようにする。
【0025】後輪操舵装置(2) は、ラック棒(11)の最大
移動量を機械的最大移動量の範囲内において機械的に制
限する最大操舵量規制装置(40)を備えている。
移動量を機械的最大移動量の範囲内において機械的に制
限する最大操舵量規制装置(40)を備えている。
【0026】最大操舵量規制装置(40)の構成の1例が図
7〜図9に詳細に示されている。
7〜図9に詳細に示されている。
【0027】ハウジング本体(12)の上壁に直方体状のブ
ロック部(46)が一体に形成され、その上面に角みぞ状の
案内凹部(47)が形成されている。ブロック部(46)の後面
に凹部(47)に達するねじ穴(48)が形成され、このねじ穴
(48)に前端が開口した有底筒状のばね受け部材(49)の前
部が後側からねじはめられている。凹部(47)の上部開口
は蓋(50)によって塞がれており、蓋(50)の下面には案内
板(51)が固定されている。凹部(47)内の底面、両側面お
よび後壁内面の所要箇所に設けられた板状の案内部材(7
5)と案内板(51)に囲まれた部分に、凹部(47)より前後長
の短い直方体状の可変規制部材(52)が前後摺動自在には
められている。ばね受け部材(49)内に、前端部が規制部
材(52)後面の浅いばね受け穴(53)にはまって規制部材(5
2)を前向きに付勢する圧縮コイルばね(54)の後部が収容
されている。規制部材(52)の前部下面に、前端から後方
にのびる規制みぞ(55)が形成されている。このみぞ(55)
は底面から見てV状をなし、その左右幅は後にいくにし
たがって徐々に小さくなっている。凹部(47)の底のハウ
ジング本体(12)の上壁とこれに対応するチューブ(13)の
部分に、左右方向に長い長穴(56)(57)が形成されてい
る。ラック棒(11)に、移動量規制ピン(58)が固定されて
いる。このピン(58)はラック棒(11)の上部外周から上方
に突出し、チューブ(13)およびハウジング本体(12)の長
穴(57)(56)を通って凹部(47)内に入り、規制部材(52)の
みぞ(55)にはまるようになっている。
ロック部(46)が一体に形成され、その上面に角みぞ状の
案内凹部(47)が形成されている。ブロック部(46)の後面
に凹部(47)に達するねじ穴(48)が形成され、このねじ穴
(48)に前端が開口した有底筒状のばね受け部材(49)の前
部が後側からねじはめられている。凹部(47)の上部開口
は蓋(50)によって塞がれており、蓋(50)の下面には案内
板(51)が固定されている。凹部(47)内の底面、両側面お
よび後壁内面の所要箇所に設けられた板状の案内部材(7
5)と案内板(51)に囲まれた部分に、凹部(47)より前後長
の短い直方体状の可変規制部材(52)が前後摺動自在には
められている。ばね受け部材(49)内に、前端部が規制部
材(52)後面の浅いばね受け穴(53)にはまって規制部材(5
2)を前向きに付勢する圧縮コイルばね(54)の後部が収容
されている。規制部材(52)の前部下面に、前端から後方
にのびる規制みぞ(55)が形成されている。このみぞ(55)
は底面から見てV状をなし、その左右幅は後にいくにし
たがって徐々に小さくなっている。凹部(47)の底のハウ
ジング本体(12)の上壁とこれに対応するチューブ(13)の
部分に、左右方向に長い長穴(56)(57)が形成されてい
る。ラック棒(11)に、移動量規制ピン(58)が固定されて
いる。このピン(58)はラック棒(11)の上部外周から上方
に突出し、チューブ(13)およびハウジング本体(12)の長
穴(57)(56)を通って凹部(47)内に入り、規制部材(52)の
みぞ(55)にはまるようになっている。
【0028】前輪操舵装置(1) と後輪操舵装置(2) の間
に、前部ラック棒(4) の移動を規制部材(52)の移動に変
換する液圧装置(59)が設けられ、その要部の詳細が図
2、図3および図7〜図9に示されている。
に、前部ラック棒(4) の移動を規制部材(52)の移動に変
換する液圧装置(59)が設けられ、その要部の詳細が図
2、図3および図7〜図9に示されている。
【0029】図2および図3に示すように、前部ハウジ
ング(5) の後面に形成された円筒部(5a)内に厚肉円筒状
のサポートヨーク(60)が前後摺動自在にはめられ、円筒
部(5a)の後端部に厚肉円筒状の前部シリンダ部材(61)の
前端部がねじによってはめ止められている。そして、サ
ポートヨーク(60)の中間部の内向きフランジ部とシリン
ダ部材(61)の前端面との間に、サポートヨーク(60)を前
向きに付勢してラック棒(4) の後面に圧接させるための
圧縮コイルばね(62)が設けられている。シリンダ部材(6
1)の後端部に厚肉円筒状の管接続部材(63)の前端部がね
じによってはめ止められており、この管接続部材(63)の
後端部に油管(64)の前端部が適当な管継手(65)によって
液密状に接続されている。シリンダ部材(61)内の前部に
前部ピストン部材(66)が前後摺動自在にはめられ、ピス
トン部材(66)と管接続部材(63)との間にピストン部材(6
6)を前向きに付勢する圧縮コイルばね(67)が設けられて
いる。ピストン部材(66)の前部はピン状をなし、シリン
ダ部材(61)から前方に突出し、サポートヨーク(60)を貫
通してばね(67)によりラック棒(4) の後面に圧接させら
れるようになっている。ラック棒(4) の後面の1箇所に
浅いみぞ(68)が形成されている。このみぞ(68)は左右方
向に所定の幅を有し、ラック棒(4) が中立位置にあると
きにはピストン部材(66)がみぞ(68)の底面の左右方向中
央部に接するようになっている。そして、ラック棒(4)
の移動量が小さい間はピストン部材(66)はみぞ(68)の底
面に接し、ラック棒(4) の移動量が所定量より大きくな
るとピストン部材(66)がみぞ(68)から外れてその左右方
向外側のラック棒(4) の後面に接するようになってい
る。
ング(5) の後面に形成された円筒部(5a)内に厚肉円筒状
のサポートヨーク(60)が前後摺動自在にはめられ、円筒
部(5a)の後端部に厚肉円筒状の前部シリンダ部材(61)の
前端部がねじによってはめ止められている。そして、サ
ポートヨーク(60)の中間部の内向きフランジ部とシリン
ダ部材(61)の前端面との間に、サポートヨーク(60)を前
向きに付勢してラック棒(4) の後面に圧接させるための
圧縮コイルばね(62)が設けられている。シリンダ部材(6
1)の後端部に厚肉円筒状の管接続部材(63)の前端部がね
じによってはめ止められており、この管接続部材(63)の
後端部に油管(64)の前端部が適当な管継手(65)によって
液密状に接続されている。シリンダ部材(61)内の前部に
前部ピストン部材(66)が前後摺動自在にはめられ、ピス
トン部材(66)と管接続部材(63)との間にピストン部材(6
6)を前向きに付勢する圧縮コイルばね(67)が設けられて
いる。ピストン部材(66)の前部はピン状をなし、シリン
ダ部材(61)から前方に突出し、サポートヨーク(60)を貫
通してばね(67)によりラック棒(4) の後面に圧接させら
れるようになっている。ラック棒(4) の後面の1箇所に
浅いみぞ(68)が形成されている。このみぞ(68)は左右方
向に所定の幅を有し、ラック棒(4) が中立位置にあると
きにはピストン部材(66)がみぞ(68)の底面の左右方向中
央部に接するようになっている。そして、ラック棒(4)
の移動量が小さい間はピストン部材(66)はみぞ(68)の底
面に接し、ラック棒(4) の移動量が所定量より大きくな
るとピストン部材(66)がみぞ(68)から外れてその左右方
向外側のラック棒(4) の後面に接するようになってい
る。
【0030】図7〜図9に示すように、後輪操舵装置
(2) のハウジング本体(12)のブロック部(46)の前面に支
持部材(69)が固定されている。この支持部材(69)は長方
形板状部(69a) の中央に円筒部(69b) が一体に形成され
たものであり、板状部(69a) がブロック部(46)の前面に
固定されている。支持部材(69)の円筒部(69b) の中央の
板状部(69a) およびブロック部(46)の凹部(47)の前壁の
部分に、これらを前後に貫通するガイド穴(70)(71)が形
成されている。支持部材(69)の円筒部(69b) に厚肉円筒
状の後部シリンダ部材(72)の後部がねじによって液密状
にはめ止められており、このシリンダ部材(72)の前端部
に油管(64)の後端部が適当な管継手(73)によって液密状
に接続されている。シリンダ部材(72)内の前部に、後部
ピストン部材(74)が前後摺動自在にはめられている。ピ
ストン部材(74)はシリンダ部材(72)から後方に突出し、
その後部が支持部材(69)の板状部(69a) および凹部(47)
の前壁の穴(70)(71)を貫通して凹部(47)内に侵入し、規
制部材(52)の前面に接するようになっている。そして、
油管(64)内、管接続部材(63)内、前部シリンダ部材(61)
内および後部シリンダ部材(72)内に油が密封されてい
る。
(2) のハウジング本体(12)のブロック部(46)の前面に支
持部材(69)が固定されている。この支持部材(69)は長方
形板状部(69a) の中央に円筒部(69b) が一体に形成され
たものであり、板状部(69a) がブロック部(46)の前面に
固定されている。支持部材(69)の円筒部(69b) の中央の
板状部(69a) およびブロック部(46)の凹部(47)の前壁の
部分に、これらを前後に貫通するガイド穴(70)(71)が形
成されている。支持部材(69)の円筒部(69b) に厚肉円筒
状の後部シリンダ部材(72)の後部がねじによって液密状
にはめ止められており、このシリンダ部材(72)の前端部
に油管(64)の後端部が適当な管継手(73)によって液密状
に接続されている。シリンダ部材(72)内の前部に、後部
ピストン部材(74)が前後摺動自在にはめられている。ピ
ストン部材(74)はシリンダ部材(72)から後方に突出し、
その後部が支持部材(69)の板状部(69a) および凹部(47)
の前壁の穴(70)(71)を貫通して凹部(47)内に侵入し、規
制部材(52)の前面に接するようになっている。そして、
油管(64)内、管接続部材(63)内、前部シリンダ部材(61)
内および後部シリンダ部材(72)内に油が密封されてい
る。
【0031】ハンドル(3) を操作していない中立状態に
おいては、図2および図3に示すように、前部ピストン
部材(66)が前端位置まで前進して、前部ラック棒(4) の
みぞ(68)の左右方向中央部に接している。そして、図7
および図8に示すように、規制部材(52)はばね(54)によ
り凹部(47)の前壁に接する前端位置まで前進させられ、
これによって後部ピストン部材(74)が前端位置まで移動
させられている。このように規制部材(52)が前端位置に
ある状態では、ピン(58)は規制部材(52)のみぞ(55)の後
端部の左右幅の最も小さい部分にはまっている。このみ
ぞ(55)の後端部のみぞ幅はピン(58)の直径よりわずかに
大きいだけであるから、ピン(58)はほとんど左右に移動
できず、後部ラック棒(11)もほとんど左右に移動できな
い。
おいては、図2および図3に示すように、前部ピストン
部材(66)が前端位置まで前進して、前部ラック棒(4) の
みぞ(68)の左右方向中央部に接している。そして、図7
および図8に示すように、規制部材(52)はばね(54)によ
り凹部(47)の前壁に接する前端位置まで前進させられ、
これによって後部ピストン部材(74)が前端位置まで移動
させられている。このように規制部材(52)が前端位置に
ある状態では、ピン(58)は規制部材(52)のみぞ(55)の後
端部の左右幅の最も小さい部分にはまっている。このみ
ぞ(55)の後端部のみぞ幅はピン(58)の直径よりわずかに
大きいだけであるから、ピン(58)はほとんど左右に移動
できず、後部ラック棒(11)もほとんど左右に移動できな
い。
【0032】ハンドル(3) が左または右に操作されて
も、その操作量が小さくて前輪(8) の操舵量すなわち前
部ラック棒(4) の移動量が小さい間は、前部ピストン部
材(66)が前部ラック棒(4) のみぞ(68)の部分に接してい
るので、上記同様、後部ラック棒(11)はほとんど左右に
移動できない。
も、その操作量が小さくて前輪(8) の操舵量すなわち前
部ラック棒(4) の移動量が小さい間は、前部ピストン部
材(66)が前部ラック棒(4) のみぞ(68)の部分に接してい
るので、上記同様、後部ラック棒(11)はほとんど左右に
移動できない。
【0033】ハンドル(3) が左または右に大きく操作さ
れて、前部ラック棒(4) がみぞ(68)の左右長さの半分よ
り大きく移動すると、前部ピストン部材(66)はみぞ(68)
から外れてラック棒(4) の後面に接するようになり、こ
れにより後に押されて、後端位置まで移動させられる。
そして、この前部ピストン部材(66)の動きが油によって
後部ピストン部材(74)に伝えられ、図9に示すように、
後部ピストン部材(74)が後端位置まで移動させられる。
このため、規制部材(52)も凹部(47)の前壁から離れて後
端位置まで移動させられ、ピン(58)は規制部材(52)のみ
ぞ(55)の前部の左右幅の大きい部分にはまる。これによ
り、ピン(58)はこの部分のみぞ幅で決まる量だけ左右に
移動しうるようになり、ピン(58)およびラック棒(11)の
左右方向の最大移動量も大きくなる。
れて、前部ラック棒(4) がみぞ(68)の左右長さの半分よ
り大きく移動すると、前部ピストン部材(66)はみぞ(68)
から外れてラック棒(4) の後面に接するようになり、こ
れにより後に押されて、後端位置まで移動させられる。
そして、この前部ピストン部材(66)の動きが油によって
後部ピストン部材(74)に伝えられ、図9に示すように、
後部ピストン部材(74)が後端位置まで移動させられる。
このため、規制部材(52)も凹部(47)の前壁から離れて後
端位置まで移動させられ、ピン(58)は規制部材(52)のみ
ぞ(55)の前部の左右幅の大きい部分にはまる。これによ
り、ピン(58)はこの部分のみぞ幅で決まる量だけ左右に
移動しうるようになり、ピン(58)およびラック棒(11)の
左右方向の最大移動量も大きくなる。
【0034】自動車の最大ハンドル舵角は、低速走行時
には大きく、高速走行時には小さくなる。
には大きく、高速走行時には小さくなる。
【0035】高速走行時には、最大ハンドル舵角が小さ
く、ハンドルが大きく操作されることがないため、前部
ラック棒(4) は中立位置またはその近傍に位置し、規制
部材(52)は前端位置に位置している。このため、規制部
材(52)のみぞ(55)により機械的に制限される後部ラック
棒(11)の最大移動量は小さく、モータ(32)や制御装置(3
9)に故障などが発生しても、後輪(18)が安全上必要な操
舵量を大きく越えて操舵されるようなことがない。
く、ハンドルが大きく操作されることがないため、前部
ラック棒(4) は中立位置またはその近傍に位置し、規制
部材(52)は前端位置に位置している。このため、規制部
材(52)のみぞ(55)により機械的に制限される後部ラック
棒(11)の最大移動量は小さく、モータ(32)や制御装置(3
9)に故障などが発生しても、後輪(18)が安全上必要な操
舵量を大きく越えて操舵されるようなことがない。
【0036】停車時や低速走行時には、最大ハンドル舵
角が大きく、ハンドル(3) が大きく操作されることがあ
る。ハンドル舵角が大きくなると、前部ラック棒(4) の
左または右への移動量が大きくなり、規制部材(52)は後
端位置に移動する。このため、規制部材(52)のみぞ(55)
により機械的に制限される後部ラック棒(11)の最大移動
量が大きくなる。したがって、後輪(18)を大きく操舵す
ることが可能になる。
角が大きく、ハンドル(3) が大きく操作されることがあ
る。ハンドル舵角が大きくなると、前部ラック棒(4) の
左または右への移動量が大きくなり、規制部材(52)は後
端位置に移動する。このため、規制部材(52)のみぞ(55)
により機械的に制限される後部ラック棒(11)の最大移動
量が大きくなる。したがって、後輪(18)を大きく操舵す
ることが可能になる。
【0037】
【発明の効果】この発明の4輪操舵装置によれば、上述
のように、高速走行時に、前輪操舵棒の移動量が小さく
なることによって、可変規制部材により機械的に制限さ
れる後輪操舵棒の最大移動量が小さくなり、電動モータ
やその制御装置の故障などにより後輪が安全上必要な操
舵量を大きく越えて操舵されるようなことを防止するこ
とができる。
のように、高速走行時に、前輪操舵棒の移動量が小さく
なることによって、可変規制部材により機械的に制限さ
れる後輪操舵棒の最大移動量が小さくなり、電動モータ
やその制御装置の故障などにより後輪が安全上必要な操
舵量を大きく越えて操舵されるようなことを防止するこ
とができる。
【図1】この発明の実施例を示す自動車の4輪操舵装置
の概略構成図である。
の概略構成図である。
【図2】前輪操舵装置の要部を拡大して示す垂直断面図
である。
である。
【図3】図2のB−B線の断面図である。
【図4】後輪操舵装置の機械部分の全体を示す部分切欠
き背面図である。
き背面図である。
【図5】図4の一部を拡大して示す部分切欠き背面図で
ある。
ある。
【図6】図4のA−A線の拡大断面図である。
【図7】図4のC−C線の拡大断面図である。
【図8】図7のD−D線の断面図である。
【図9】図8と異なる状態を示す同図相当の図面であ
る。
る。
(1) 前輪操舵装置 (2) 後輪操舵装置 (3) ハンドル (4) 前部ラック棒(前輪操舵棒) (8) 前輪 (11) 後部ラック棒(後輪操舵棒) (18) 後輪 (32) 電動モータ (40) 最大操舵量規制装置 (52) 可変規制部材 (59) 液圧装置
Claims (1)
- 【請求項1】ハンドルの回転により前輪操舵棒を移動さ
せて前輪を操舵する前輪操舵装置と、前輪の操舵量に応
じて電動モータで後輪操舵棒を移動させることにより後
輪を操舵する後輪操舵装置とを備えた4輪操舵装置にお
いて、 後輪操舵装置に、後輪操舵棒の最大移動量を機械的に制
限しかつこの最大移動量の調整ができる可変規制部材を
有する最大操舵量規制装置が設けられ、前輪操舵装置と
後輪操舵装置の間に、前輪操舵棒の移動量が大きくなる
にしたがって可変規制部材により機械的に制限される後
輪操舵棒の最大移動量が大きくなるように内部に密封さ
れた液体により前輪操舵棒の移動を可変規制部材の移動
に変換する液圧装置が設けられていることを特徴とする
4輪操舵装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6245292A JPH05262255A (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | 4輪操舵装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6245292A JPH05262255A (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | 4輪操舵装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05262255A true JPH05262255A (ja) | 1993-10-12 |
Family
ID=13200616
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6245292A Withdrawn JPH05262255A (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | 4輪操舵装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05262255A (ja) |
-
1992
- 1992-03-18 JP JP6245292A patent/JPH05262255A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990518 |