JPH05261626A - コネクチングロッドの製造方法およびその装置 - Google Patents

コネクチングロッドの製造方法およびその装置

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JPH05261626A
JPH05261626A JP6196192A JP6196192A JPH05261626A JP H05261626 A JPH05261626 A JP H05261626A JP 6196192 A JP6196192 A JP 6196192A JP 6196192 A JP6196192 A JP 6196192A JP H05261626 A JPH05261626 A JP H05261626A
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force
dividing
connecting rod
timing
cap
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JP6196192A
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Norihiko Kinoshita
典彦 木下
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コネクチングロッドの一体部材を本体とキャ
ップとに分割するに際して、予め加えられた圧縮力を解
除したときの材料内部の復元作用を利用することによっ
て、分割をより容易かつスムースに行わせる。 【構成】 コネクチングロッドの一体部材Wに所定方向
の分割力Fdを加えて本体WbとキャップWcとに分割す
るに際して、上記一体部材Wに上記所定方向と反対の方
向から一定の圧縮力Fcを加えておき、その後、上記一
体部材Wに上記所定方向の分割力Fdを加えるとともに
所定のタイミングで上記圧縮力Fcを解除させることを
特徴とし、また、この圧縮力Fcの解除タイミングを上
記分割力Fdを加えるタイミングに対してわずかに遅ら
せることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エンジンのクランク
軸とピストンとを連結するコネクチングロッドの製造方
法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エンジンのコネクチングロッ
ドの製造方法として、まず、本体とキャップとを一体部
材として形成し、その後、この一体部材をその軸受用開
口部の内周側から荷重を加えて本体とキャップとに分割
するようにした方法が知られている(例えば、特開昭6
4−64729号公報参照)。
【0003】かかる製造方法を採用する場合、通常、分
割前に一体部材の状態で軸受用開口部を含む加工必要箇
所に所定の機械加工が施され、その後に、所定の材料分
割用の装置を用いて本体とキャップとに分割される。そ
して、得られた両部品をペアにして組み合わせ、その分
割面どうしをマッチングさせて相互に組み付けることに
より、比較的容易に、高精度に位置決めされた状態で両
者を組み付けることが可能になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記製
造方法では、二つの部品に分割される際、その分割部分
の一部に曲げモーメントが作用する結果、分割面の一部
に歪みが生じたり、部品精度に悪影響を及ぼす場合が生
じ得る。すなわち、上記両部品は分割によってそれぞれ
二股状の脚部を有することとなるが、分割時には、両脚
部での分割が全く同時に進行する訳ではなく、通常、い
ずれか一方の脚部での分割が先行し、他方の脚部ではこ
れに対して多少の時間遅れを伴って分割が進行すること
になる。従って、上記一方の脚部の分割が終了した時点
では、他方の脚部での分割がまだ進行中であり、この他
方の脚部の分割の遅くとも終期には、先行して分割され
た上記一方の脚部側では両部品の離間が始まる。
【0005】このため、遅れて分割が進行する上記他方
の脚部側では、少なくともその分割の終期には本体側と
キャップ側とが相対的にある程度回転し、曲げ力が作用
た状態で分割されることとなり、スムースな分割の進行
が阻害される。この結果、各部品の縁部において素材の
変形を来し、分割後に両部品を正しく組み合わせること
が困難になったり、再組立後における軸受用開口部の形
状精度を維持することができなくなるなどの問題が生じ
る場合がある。
【0006】この問題に関して、例えば上記特開昭64
−64729号公報では、2段階式で割断・分離させ
る、あるいは、軸受用開口部の内周面に応力集中源とな
るノッチ部を設けてこのノッチ部を始点として分割をで
きるだけスムースに行わせる、更には、本体側とキャッ
プ側との相対的な回転を規制するために一体部材を治具
でクランプした状態で分割するなどして、各部品の分割
面における歪みや分割部分の縁部における変形の発生を
防止することが提案されているが、本来、破壊現象の一
種である分割を安定してスムースに行わせることは、実
際にはなかなか容易ではなく、上記の問題を十分に解消
するには至っていないのが実状である。
【0007】ところで、部材に対してその材料の弾性範
囲内の圧縮歪みを生じさせる大きさの圧縮力を加えてお
き、この圧縮力を急に解除した場合、部材の材料組織内
部では、圧縮歪み状態から解放されて急に元の状態に復
帰しようとする弾性的な復元作用が生じ、これに伴って
上記圧縮力の付加方向と反対方向のいわゆる弾性反発力
が作用することが知られている。従って、上記コネクチ
ングロッドの一体部材を本体とキャップとに分割する場
合、一体部材に対して、分割力を作用させるべき方向と
反対の方向から上記大きさの圧縮力を加えておき、この
圧縮力を急に解除するようにすれば、上記一体部材の材
料内部に、圧縮力と反対方向つまり分割力を作用させる
べき方向と同方向の弾性反発力を生じさせることができ
る。そして、一定の分割力に加えて上記弾性反発力を利
用することができれば、例えば部材の分割速度を瞬間的
に高めることができるなど、分割をより容易かつスムー
スに行わせることが可能になる。
【0008】そこで、この発明は、コネクチングロッド
の一体部材を本体とキャップとに分割するに際して、予
め加えられた圧縮力を解除したときの材料内部の弾性的
な復元作用を利用することによって、分割をより容易か
つスムースに行わせることができるコネクチングロッド
の製造方法およびその装置を提供することをを目的とし
てなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、本願の第1の
発明は、コネクチングロッドの本体とキャップとを一体
に形成し、この一体部材に所定方向の分割力を加えて上
記本体とキャップとに分割するようにしたコネクチング
ロッドの製造方法において、上記一体部材に上記所定方
向と反対の方向から所定の大きさの圧縮力を加えてお
き、その後、上記一体部材に上記所定方向の分割力を加
えるとともに所定のタイミングで上記圧縮力を解除させ
るようにしたものである。
【0010】また、本願の第2の発明は、上記第1の発
明において、上記圧縮力の解除タイミングを上記分割力
を加えるタイミングに対してわずかに遅らせるようにし
たものである。
【0011】更に、本願の第3の発明は、本体とキャッ
プとが一体に形成されたコネクチングロッドの一体部材
に所定方向の分割力を加えて上記本体とキャップとに分
割するコネクチングロッドの製造装置において、上記一
体部材に上記所定方向の分割力を加える分割力付加手段
と、上記一体部材に上記所定方向と反対の方向から圧縮
力を加える圧縮力付加手段と、上記一体部材に対して上
記圧縮力付加手段により所定の大きさの圧縮力が加えら
れた状態で上記分割力付加手段による分割力が加えられ
た場合に、所定のタイミングで上記圧縮力を解除させる
圧縮力解除手段とを備えたものである。
【0012】また、更に、本願の第4の発明は、上記第
3の発明において、上記圧縮力解除手段は、上記圧縮力
の解除タイミングを上記分割力を加えるタイミングに対
してわずかに遅らせるように設定されていることを特徴
としたものである。
【0013】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、上記一体部
材に対して上記所定方向の分割力を加えるとともに、予
め該分割力と反対方向から加えられた圧縮力を所定のタ
イミングで解除させるようにしたので、上記分割力に加
えて、圧縮力解除による一体部材の材料内部の弾性的な
復元作用を(つまり上記分割力と同方向の弾性反発力を)
利用することができ、分割速度を瞬間的に高めて上記一
体部材をより容易かつスムースに分割させ、本体および
キャップの縁部における変形や分割面の歪みの発生を抑
制することができる。
【0014】また、本願の第2の発明によれば、上記第
1の発明において、上記圧縮力の解除タイミングを上記
分割力を加えるタイミングに対してわずかに遅らせるよ
うにしたので、上記第1の発明と同様の効果を奏するこ
とができ、しかも、圧縮力解除による復元作用が働くタ
イミングを分割力が作用する期間の一部に確実に含ませ
ることができる。すなわち、上記分割力と圧縮力解除に
伴って一体部材の材料内部に生じる弾性反発力とについ
て、作用するタイミングのずれを確実に防止し、該弾性
反発力を無駄なく効果的に利用することができる。
【0015】更に、本願の第3の発明によれば、上記コ
ネクチングロッドの製造装置において、上記分割力付加
手段と圧縮力付加手段と圧縮力解除手段とを設けたの
で、上記一体部材に対して上記圧縮力付加手段により所
定の大きさの圧縮力が加えられた状態で上記分割力付加
手段による分割力が加えられた場合には、所定のタイミ
ングで上記圧縮力を解除させることができる。すなわ
ち、上記分割力に加えて、圧縮力解除による一体部材の
材料内部の弾性的な復元作用を(つまり上記分割力と同
方向の弾性反発力を)利用することを可能にし、分割速
度を瞬間的に高めて上記一体部材をより容易かつスムー
スに分割させ、本体およびキャップの縁部における変形
や分割面の歪みの発生を抑制することを可能にできる。
【0016】また、更に、本願の第4の発明によれば、
上記第3の発明において、上記圧縮力解除手段は、上記
圧縮力の解除タイミングを上記分割力を加えるタイミン
グに対してわずかに遅らせるように設定されているの
で、上記第3の発明と同様の効果を奏することができ、
しかも、圧縮力解除による復元作用が働くタイミングを
分割力が作用する期間の一部に確実に含ませることを可
能にできる。すなわち、上記分割力と圧縮力解除に伴っ
て一体部材の材料内部に生じる弾性反発力とについて、
作用するタイミングのずれを確実に防止し、該弾性反発
力を無駄なく効果的に利用することを可能にできる。
【0017】
【実施例】以下、この発明の実施例を、添付図面に基づ
いて詳細に説明する。図1は、本実施例に係る例えば自
動車用エンジンのコネクチングロッドの大端部を、本体
とキャップとが一体に形成された一体部材の状態におい
て示した平面説明図であるが、この図に示すように、上
記大端部Waには、クランクピン(不図示)を挿通させる
開口部Wh(軸受用開口部)が設けられており、該開口部
Whの内周面などの機械加工部は、一体部材の状態で所
定の寸法に仕上げられている。
【0018】本実施例では、上記コネクチングロッドの
一体部材Wは、より好ましくは、焼結金属で形成されて
おり、上記一体部材Wに成形して焼成後、本体Wbとキ
ャップWcとに分割する前に、所定箇所に対して必要な
機械加工が施される。尚、上記軸受用開口部Whの内周
面については、成形時の寸法精度と要求される寸法精度
のレベルによっては、特に機械加工で仕上げる必要なし
に焼結で成形された状態のままで用いることも可能であ
る。また、具体的には図示しなかったが、上記大端部W
aには、本体WbとキャップWcとに分割後、両者を再び
組み付けて結合させる際にボルト部材を螺着させる(あ
るいは挿通させる)ボルト孔が、上記一体部材Wの長手
軸Lwと平行な方向に設けられている。
【0019】上記一体部材Wは、その軸受用開口部Wh
の中心を通りその長手軸Lwと略直交する方向に沿って
二分割(分割面S,S)することにより、ピストンピン(不
図示)に連結される小端部(不図示)を備えた本体Wbと、
該本体Wbの端部と組み合わされて大端部Waを構成する
キャップWcとに分割されるようになっている。尚、こ
の大端部Waの軸受用開口部Whには、例えば、分割後の
再組立時に、クランクピン(不図示)を回転自在に軸支す
る軸受メタル(不図示)が嵌装される。また、本実施例で
は、より好ましくは、上記軸受用開口部Whの内周部
に、該開口部Whの中心を通りその長手軸Lwと略直交す
る方向に切り欠かれた一対のV字状ノッチ部Wvが18
0度対向位置に設けられており、一体部材Wを二分割す
る際には、このノッチ部Wvを始点として分割を行わせ
ることにより、比較的スムースに分割を進行させること
ができるようにしている。
【0020】以下、上記一体部材Wを本体Wbとキャッ
プWcとに分割するための装置について説明する。図2
および図3に示すように、本実施例に係る分割装置1
は、上記一体部材Wの大端部Waを載置する基台2と、
該基台2上にセットされた一体部材Wの大端部Waに対
して、キャップWc側の外方から長手軸Lwに沿って所定
の大きさの圧縮力Fcを加える圧縮力付加装置3と、上
記基台2の上方に設置され、該基台2上にセットされた
一体部材Wの大端部Waに分割力を加える分割力付加装
置4とを備えている。
【0021】上記圧縮力付加装置3は、例えば油圧シリ
ンダで構成された所定の負荷容量の圧力発生装置(不図
示)を有するとともに、この図示しない圧力発生装置(油
圧シリンダ)のピストンロッド6に連結されて水平方向
に移動し得る移動ヘッド7を備えている。該移動ヘッド
7は平面視で略コ字状に形成され、その両端部には、ピ
ストンロッド6の軸線と略平行でかつ逆向きに突出する
押圧部8がそれぞれ設けられており、この押圧部8,8
を一体部材WのキャップWc側の頭部両端面に当接さ
せ、油圧シリンダ(不図示)を駆動することにより、上記
一体部材Wに対してその長手軸Lwに沿った水平方向の
圧縮力Fcを加えることができる。一方、一体部材Wの
大端部Waを挟んで反対側には、上記押圧部8,8に対応
した受け具9,9が設けられ、一体部材Wに圧縮力Fcが
加えられた際には、その本体Wb側が上記受け具9,9で
受けられるようになっている。尚、上記移動ヘッド7の
中央部には、後で詳しく説明するテーパコーン18(第
2テーパコーン)を嵌合させる嵌合溝部17が設けられ
る一方、基台2には上記第2テーパコーン18の背面側
を支持して上下方向にガイドするストッパ19が立設さ
れている。
【0022】また、上記分割力付加装置4は、例えば油
圧シリンダで構成された所定の負荷容量の圧力発生装置
(不図示)を有するとともに、この図示しない圧力発生装
置(油圧シリンダ)に連結されて上下方向に移動し得る上
下動ラム11と、該ラム11に一体的にに結合されて下
方に延びるテーパコーン12(第1テーパコーン)とを備
えている。一方、一体部材Wの軸受用開口部Whの内側
には、長手軸Lwに沿って水平方向にスライド可能な一
対のスプリッタ13を装着し得るようになっている。こ
れら各スプリッタ13の上部は平面視で略半円状に形成
され、少なくとも一方のスプリッタ13の背面側には、
上記第1テーパコーン12のテーパ面12aと組み合わ
されるテーパ面14aを有する嵌合溝部14が設けられ
ている。
【0023】そして、一体部材Wの分割作業を行う際に
は、その軸受用開口部Whの内側に上記一対のスプリッ
タ13を装着した上で一体部材Wを基台2上に載置し、
該スプリッタ13の嵌合溝部14に上記第1テーパコー
ン12が適正に嵌合する位置に一体部材Wをセットした
後、上記上下動ラム11を降下させることにより、上記
テーパ面12aが嵌合溝部14のテーパ面14aに案内さ
れた状態で、上記第1テーパコーン12が下降する。そ
の結果、上記各スプリッタ13が、一体部材Wの長手軸
Lwに沿って互いに反対方向にスライドして離間し、該
一体部材Wの軸受用開口部Whの内周部は内側から外側
に向かって押圧される。すなわち、該軸受用開口部Wh
の内周部に、一体部材Wを本体WbとキャップWcとに分
割する分割力が、上記長手軸Lwに沿って作用するよう
になっている。
【0024】本実施例では、上記コネクチングロッド一
体部材Wを本体WbとキャップWcとに分割するに際し
て、上記のような分割力に加えて、予め該分割力と反対
方向から付加された圧縮力を解除したときの材料内部の
弾性的な復元作用を(つまり上記分割力と同方向のいわ
ゆる弾性反発力を)利用することにより、分割をできる
だけスムースに行わせて両部品Wb,Wcの変形や分割面
S,Sの歪みの発生を抑制するようにしている。以下、
上記分割装置1による一体部材Wの分割方法について説
明する。まず、一対のスプリッタ13が軸受用開口部W
hの内側に装着された一体部材Wを基台2の所定位置に
セットし、上記圧縮力付加装置3により、一体部材Wの
長手軸Lwに沿ってキャップWc側の外方から所定の大き
さの圧縮力Fcを加える。このとき、上記一体部材Wの
本体Wb側は受け具9,9で支持されている(図2および
図3参照)。上記圧縮力Fcの大きさは、より好ましく
は、一体部材Wにその材料の弾性範囲内で、できるだけ
大きい圧縮歪みを生じさせる値に設定されている。本実
施例では、この圧縮力Fcの大きさが例えば3トンとな
るように上記圧縮力付加装置3をセットした。
【0025】次に、この圧縮力Fcが作用した状態で、
分割力付加装置4の上下動ラム11を降下させることに
より、上記第1テーパコーン12の下降動作に応じてス
プリッタ13,13を開かせ、一体部材Wの軸受用開口
部Whの内周面に、長手軸Lwに沿って分割力Fdを作用
させる。この分割力Fdと上記圧縮力Fcとは、上記長手
軸Lwに沿って互いに反対方向から作用している。この
分割力Fdは、第1テーパコーン12の降下量に応じて
大きくなり、この降下量が所定値に達すると、上記一体
部材Wの大端部Waには、軸受用開口部Whのノッチ部W
v,Wvを始点として微細なクラックが発生し始める。
【0026】また、このとき、スプリッタ13,13が
開くことによって上記圧縮力付加装置3の移動ヘッド7
には分割力Fdの大きさに応じた背圧が作用し、圧縮力
付加装置3の油圧シリンダ(不図示)の油圧値が上昇す
る。そして、第1テーパコーン12が、スプリッタ1
3,13を開かせるに至らないフリー状態の限度位置(図
2および図3参照)から、図4および図5に示すよう
に、わずかな所定量ΔYだけ降下すると、背圧の上昇に
応じて圧縮力付加装置3の油圧値が予め設定された上限
値(例えば3.2トン)に達し、上記圧縮力付加装置3の
油圧シリンダ(不図示)の油圧リリーフ機構(不図示)が作
動して該圧縮力付加装置3による圧縮力Fcが急速に解
除されるようになっている。
【0027】この圧縮力Fcが解除されると、一体部材
Wの材料内部では弾性的な復元作用が生じ、圧縮力Fc
が作用していた方向と反対方向(つまり分割力Fdと同方
向)の弾性反発力が作用する。すなわち、このとき、上
記一体部材Wには、上記分割力Fdだけでなく、これに
加えて圧縮力解除に伴う弾性反発力を利用することがで
き、分割速度が瞬間的に高められることなどにより、一
体部材Wの大端部Waを容易かつスムースに分割させる
ことができる。
【0028】また、上記圧縮力Fcは、分割力Fdが加え
られ始めてから、第1テーパコーン12のわずかな降下
量ΔYに対応するわずかな期間だけ遅れて解除されるよ
うに設定されているので、圧縮力解除による弾性反発力
が作用するタイミングを分割力Fdが作用する期間の一
部に確実に含ませ、両者の作用するタイミングがずれる
ことを確実に防止することができる。
【0029】その後、上記第1テーパコーン12が更に
降下させられてスプリッタ13,13が更に開かれ、一
体部材Wは最終破断に至るまで割断される。尚、本実施
例では、前述したように、上記移動ヘッド7の嵌合溝部
17に第2テーパコーン18が嵌合されており、該第2
テーパコーン18は、第1テーパコーン12が、スプリ
ッタ13,13を開かせるに至らないフリー状態の限度
位置(図2および図3参照)から、予め設定された上記わ
ずかな所定量ΔYだけ降下(図4および図5参照)すると
同時に、つまり、圧縮力Fcが解除されると同時に、上
記上下動ラム11の下端面に当接してその下降動作が始
まり、移動ヘッド7の後退動作が助勢されるようになっ
ている。この第2テーパコーン18は、図6および図7
からよく分かるように、その背面側がストッパ19で上
下方向に案内され、かつ、下端テーパ面18aが嵌合溝
部17に形成されたテーパ面17aで案内されながら下
降する。
【0030】また、本実施例では、より好ましくは、上
記第2テーパコーン18の上下動に伴って互いにスライ
ドする両テーパ面17a,18aの垂直方向からの傾斜角
βが、第1テーパコーン12の上下動に伴って互いにス
ライドする両テーパ面12a,14aの垂直方向からの傾
斜角αよりも大きく設定されており、圧縮力解除後、両
方のテーパコーン12,18が同時に下降させられる際
には、移動ヘッド7の後退速度の方がスプリッタ13の
開き速度よりも大きく、一体部材Wの分割動作が上記移
動ヘッド7によって阻害されることがないようになって
いる。すなわち、第1テーパコーン12の降下によるス
プリッタ13の開き量X1および第2テーパコーン18
の降下による移動ヘッド7の後退量X2は、各テーパコ
ーン12,18の降下量Yが同一であれば、それぞれ、
1=Y・tanα,X2=Y・tanβで表され、β>αであ
ればX2>X1となる。従って、移動ヘッド7の後退速度
の方がスプリッタ13の開き速度よりも大きく、移動ヘ
ッド7がスプリッタ13に干渉することはない。
【0031】以上、説明したように、本実施例によれ
ば、上記一体部材Wの大端部Waに対して上記長手軸Lw
に沿った方向の分割力Fdを加えるとともに、予め該分
割力Fdと反対方向から加えられた圧縮力Fcを所定のタ
イミングで解除させるようにしたので、上記分割力Fd
に加えて、圧縮力解除による一体部材Wの材料内部の弾
性的な復元作用を(つまり上記分割力Fdと同方向の弾性
反発力を)利用することができ、分割速度を瞬間的に高
めて上記一体部材Wの大端部Waをより容易かつスムー
スに分割させ、本体WbおよびキャップWcの縁部におけ
る変形や分割面の歪みの発生を効果的に抑制することが
できるのである。
【0032】また、この場合において、上記圧縮力Fc
の解除タイミングを上記分割力Fdを加えるタイミング
に対してわずかに遅らせるようにしたので、圧縮力解除
による材料内部の復元作用が働くタイミングを分割力F
dが作用する期間の一部に確実に含ませることができ
る。すなわち、上記分割力Fdと圧縮力解除に伴って一
体部材Wの材料内部に生じる弾性反発力とについて、作
用するタイミングのずれを確実に防止し、該弾性反発力
を無駄なく効果的に利用することができる。
【0033】尚、上記実施例では、圧縮力Fcの解除タ
イミングは、スプリッタ13,13の開き動作に伴う圧
縮力付加装置3側での油圧値の上昇を検出して設定され
ていたが、この代わりに、分割力付加装置4側の油圧値
を検出する、あるいは一体部材Wの適所に歪みゲージを
貼り付けて分割力の付加状態を検出するなどして、これ
らの検出値に応じて上記解除タイミングを設定するよう
にしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係るコネクチングロッド一
体部材の大端部の平面図である。
【図2】 上記実施例に係る分割装置の圧縮力付加状態
における平面説明図である。
【図3】 図2のA−A方向の断面説明図である。
【図4】 上記実施例に係る分割装置の圧縮力および分
割力付加状態における平面説明図である。
【図5】 図4のB−B方向の断面説明図である。
【図6】 上記実施例に係る分割装置の圧縮力解除状態
における平面説明図である。
【図7】 図6のC−C方向の断面説明図である。
【符号の説明】
1…分割装置 3…圧縮力付加装置 4…分割力付加装置 7…移動ヘッド 11…上下動ラム 12…第1テーパコーン 13…スプリッタ Fc…圧縮力 Fd…分割力 W…コネクチングロッド一体部材 Wb…本体 Wc…キャップ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コネクチングロッドの本体とキャップと
    を一体に形成し、この一体部材に所定方向の分割力を加
    えて上記本体とキャップとに分割するようにしたコネク
    チングロッドの製造方法であって、 上記一体部材に上記所定方向と反対の方向から所定の大
    きさの圧縮力を加えておき、その後、上記一体部材に上
    記所定方向の分割力を加えるとともに所定のタイミング
    で上記圧縮力を解除させることを特徴とするコネクチン
    グロッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記圧縮力の解除タイミングを上記分割
    力を加えるタイミングに対してわずかに遅らせることを
    特徴とする請求項1記載のコネクチングロッドの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 本体とキャップとが一体に形成されたコ
    ネクチングロッドの一体部材に所定方向の分割力を加え
    て上記本体とキャップとに分割するコネクチングロッド
    の製造装置であって、 上記一体部材に上記所定方向の分割力を加える分割力付
    加手段と、上記一体部材に上記所定方向と反対の方向か
    ら圧縮力を加える圧縮力付加手段と、上記一体部材に対
    して上記圧縮力付加手段により所定の大きさの圧縮力が
    加えられた状態で上記分割力付加手段による分割力が加
    えられた場合に、所定のタイミングで上記圧縮力を解除
    させる圧縮力解除手段とを備えたことを特徴とするコネ
    クチングロッドの製造装置。
  4. 【請求項4】 上記圧縮力解除手段は、上記圧縮力の解
    除タイミングを上記分割力を加えるタイミングに対して
    わずかに遅らせるように設定されていることを特徴とす
    る請求項3記載のコネクチングロッドの製造装置。
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