JPH05258862A - 有機エレクトロルミネセント装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネセント装置

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JPH05258862A
JPH05258862A JP4346702A JP34670292A JPH05258862A JP H05258862 A JPH05258862 A JP H05258862A JP 4346702 A JP4346702 A JP 4346702A JP 34670292 A JP34670292 A JP 34670292A JP H05258862 A JPH05258862 A JP H05258862A
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organic electroluminescent
cathode
aluminum
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JP4346702A
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Jon E Littman
エリック リットマン ジョン
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Eastman Kodak Co
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Eastman Kodak Co
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    • C09K11/06Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing organic luminescent materials
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 順に、アノード、有機エレクトロルミネセン
ト媒体及びカソードを含んで成る有機エレクトロルミネ
セント装置を開示する。 【構成】 該有機エレクトロルミネセント媒体は、アノ
ード及びカソードの両方に接触している正孔及び電子の
両方の注入を持続できる有機ホスト材料と、ホスト材料
中に配置され且つカソードから間隔をあけて配置され
た、正孔−電子再結合に応答して発光できる蛍光色素と
から形成されている。該蛍光色素は、ホスト材料のバン
ドギャップを超えないバンドギャップと、ホスト材料の
還元電位よりもその絶対値が少なくとも0.4V小さい
還元電位とを示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機エレクトロルミネセ
ント装置に関する。より詳細には、本発明は、電極間に
電圧を印加したときにアノード電極とカソード電極との
間に配置された有機媒体から発光する装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】過去3
0年にわたる研究から、当該技術分野では、最も効率の
高い有機エレクトロルミネセント(または簡潔にはE
L)装置は、有機EL媒体が、1μm未満の厚さを示
し、且つ二つの隔離帯域である、アノードに接触してい
る正孔注入及び輸送帯域とカソードに接触している電子
注入及び輸送帯域とに分割されている、そのような装置
であるということで一致している。正孔注入及び輸送帯
域と電子注入及び輸送帯域との内部界面が内部接合部を
形成する。このように、この種の高効率有機EL装置は
内部接合形有機EL装置と通常呼ばれている。正孔注入
及び輸送帯域からの正孔が、その接合部を越えて電子注
入及び輸送帯域に入ると、典型的に発光が起こる。効率
的な内部接合形有機EL装置構造では、電界効果トラン
ジスタのような集積回路ドライバーの性能範囲内の十分
に低い動作電圧を使用しても、周囲照明下で見るのに適
合する光の出力を得ることができる。
【0003】以下の特許が、効率的な内部接合形有機E
L装置構造について例示している。
【0004】R−1;米国特許出願第 4,356,429号明細
書は、実施例1において、ガラス基板上の透明導電性ア
ノード、銅フタロシアニンの1000オングストロームの正
孔輸送層、装置の発光帯域としても働くポリ(スチレ
ン)中のテトラフェニルブタジエンの1000オングストロ
ームの電子輸送層、及び銀のカソードについて開示して
いる。
【0005】R−2;米国特許出願第 4,539,507号明細
書は、電子注入及び輸送帯域を形成するために8−ヒド
ロキシキノリンの金属キレートを使用するという教示で
特に注目すべき内部接合形装置構造について開示してい
る。
【0006】R−3;米国特許出願第 4,720,432号明細
書は、正孔注入性ポルフィリン系化合物(例えば、銅フ
タロシアニン)と電子注入及び輸送帯域との間に芳香族
第三アミンを正孔輸送層として挿入することによって装
置安定性を向上させるという教示で特に注目すべき内部
接合形装置構造について開示している。
【0007】R−4;米国特許出願第 5,061,569号明細
書は、第三アミンを選択することでR−3について改良
している。
【0008】 R−5;米国特許出願第 4,885,221号明細書 R−6;米国特許出願第 5,047,687号明細書 R−7;米国特許出願第 5,059,861号明細書 R−8;米国特許出願第 5,059,862号明細書 R−9;米国特許出願第 5,073,446号明細書 R−5〜R−9は、カソードに関する特別な教示を加え
た内部接合形装置構造について開示している。
【0009】R−10;米国特許出願第 4,769,292号明
細書は、発光の色相を移動させる目的で発光帯域中に蛍
光色素を添加するという教示で特に注目すべき内部接合
形装置構造について開示している。その蛍光色素は、ホ
スト材料のバンドギャップ以下のバンドギャップと、ホ
スト材料の還元電位よりもその絶対値が小さい還元電位
とを示す。第34欄、第33〜36行にTangらは次のよ
うに述べている。「代わりの別の構造として、ホスト材
料を含有するが蛍光材料を含まない別の層を、発光帯域
とカソードとの間に挿入することができる。」さらにTa
ngらは、第34欄、第64〜67行で次のように述べて
いる。「・・・正孔注入帯域を形成する層または正孔輸
送帯域を形成する層のどちらかを省くことができ、そし
て残りの層が両方の機能を発揮する。」いずれの場合で
も、その装置が内部接合形装置であることに変わりはな
い。
【0010】内部接合形エレクトロルミネセント装置の
問題点は、それらが比較的複雑であるという点である。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】一つの態様にお
いて、本発明は、順に、アノードと、厚さ1μm未満の
有機エレクトロルミネセント媒体と、カソードとを含ん
で成る有機エレクトロルミネセント装置に関する。
【0012】本発明は、有機エレクトロルミネセント媒
体が、(a)アノード及びカソードの両方に接触してい
る、正孔注入及び電子注入の両方を持続することができ
る有機ホスト材料、並びに(b)該ホスト材料中に配置
され且つカソードから間隔をあけて配置された、正孔−
電子再結合に応答して発光できる蛍光色素、から実質的
に成ることを特徴とする。該蛍光色素は、該有機ホスト
材料のバンドギャップ以下のバンドギャップと、該ホス
ト材料の還元電位よりもその絶対値が少なくとも0.4
ボルト小さい還元電位とを有する。
【0013】まったく予期せずに発見されたことは、内
部接合形有機EL装置構造体の性能に近い性能が、内部
接合を含まない簡単な構造を採用することで実現した、
ということである。詳細には、装置構造内に正孔注入及
び輸送帯域を含めることなく、内部接合形有機EL装置
の効率に近付けることができる。
【0014】本発明は以下の発見によって可能になっ
た。すなわち、装置のアノードとカソードの間に単独で
挿入された電子注入及び輸送帯域は、以下の特定の基
準: (1)蛍光色素は、ホスト材料を上回ることのないバン
ドギャップ電位を示すように選ばれなければならない; (2)蛍光色素は、ホスト材料の還元電位よりもその絶
対値が少なくとも0.4V小さい還元電位を示すように
選ばれなければならない;及び (3)蛍光色素は、ホスト材料中の、カソードから間隔
をおいた位置に配置されなければならない;を満たす蛍
光色素を導入した場合に、比較的高いレベルの効率を発
揮できる。
【0015】Tangらは、内部接合形有機EL装置におい
て発光の色相を移動させるのに蛍光色素が一般に有用で
あることを認識しているが、Tangらは、還元電位に基づ
く特定の蛍光色素の選択とその配置との組合せが、内部
接合を含まない比較的高い効率の有機EL装置をもたら
しうることについては認識できなかった。
【0016】実施態様 本発明による有機エレクトロルミネセント(またはE
L)装置100を図1に略図的に例示する。典型的には
プラスチック製の、また好ましくはガラス製の基板であ
る透明基板101は、その表面に、光透過性の、好まし
くは透明なアノード103が被覆されている。アノード
の上に重なって接触しているのが有機EL媒体ELであ
る。有機EL媒体の上に重なって接触しているのがカソ
ード105である。
【0017】有機EL媒体ELは、ドープされた領域a
とドープされていない領域bとに分割されている。どち
らの領域も、正孔と電子の両方の注入を持続することが
できる同じ有機ホスト材料を含有している。そのホスト
材料は、単一化合物であっても、また化合物の混合物で
あってもよい。
【0018】ドープされた領域aにおいて、有機EL媒
体は蛍光色素をさらに含有している。その蛍光色素は、
有機ホスト材料のバンドギャップを上回ることのないバ
ンドギャップと、有機ホスト材料の還元電位よりもその
絶対値が少なくとも0.4ボルト小さい還元電位とを示
すように選ばれている。ホスト材料が1種以上の化合物
からできている場合には、蛍光色素のバンドギャップと
還元電位は、最小のバンドギャップ電位差を示す化合物
を基準とする。
【0019】有機EL装置を動作させるには、カソード
105をアノード103に対して負にバイアスする。電
子は、領域bのカソードとの界面において有機EL媒体
ELに注入される。同時に、正孔は、領域aのアノード
との界面において有機EL媒体に注入される。領域a内
の蛍光色素分子が、蛍光色素のより低いバンドギャップ
によって、正孔−電子再結合にとって好ましい部位を提
供する。電子が、伝導帯エネルギーレベルから蛍光色素
の価電子帯殻へ移動すると、電子によって与えられたエ
ネルギーが光エネルギー、すなわち光子の形で解放され
る。光は、矢印Lで示したように、光透過性アノード1
03と透明基板101を通って装置から発せられる。
【0020】第一の比較用の構造において、蛍光色素を
存在させずに上述のように装置100を構築した場合、
1〜2オーダーの大きさの範囲の効率の損失(すなわ
ち、本発明の効率の1/10〜1/100の範囲の効
率)が認められた。蛍光色素が含まれないと、大部分の
電子が、伝導帯エネルギーを解放することなくアノード
へ移動してしまうと考えられる。
【0021】第二の比較用の構造において、蛍光色素を
有機EL媒体EL内部に均一に分布させて、すなわち、
領域bから除外せずに、上述のように装置100を構築
した場合にも、装置の効率が比較的低くなる。この配置
では、カソードのすぐ近くの領域bにおける正孔−電子
再結合が消光をもたらすと考えられる。
【0022】装置100の性能及び構造を第一及び第二
の比較用の構造と比較すると、装置100の構造によっ
て付与される利点の少なくとも一つの基本は、正孔−電
子再結合が有機EL媒体のバルクにより良好に画定さ
れ、しかもこのことがより高い比率の光子の解放をもた
らしてエネルギーを入力することであると考えられる。
【0023】しかしながら、ホスト材料のバンドギャッ
プ電位を越えないバンドギャップ電位と、ホスト材料の
還元電位よりもその絶対値が小さい還元電位とを示す蛍
光色素のすべてが、装置効率を向上させるのに有効であ
るというわけではない。蛍光色素のバンドギャップ電位
がホスト材料のそれと等しい場合、蛍光色素が正孔−電
子再結合に参加し、そして蛍光色素が放出する光子の波
長によって発光の色相に影響を与える。蛍光色素のバン
ドギャップ電位がホスト材料のそれよりも著しく低い場
合には、蛍光色素は、好ましい発光部位を提供し、また
それ自身が発光の色相を決める。
【0024】しかしながら、蛍光色素が装置発光の色相
移動において有効であったとしても、入力エネルギーの
関数として解放される光子に関する装置の効率を有意に
向上させることができない。蛍光色素の還元電位がホス
ト材料の還元電位よりも正の方向に少なくとも0.4V
大きい場合に、入力エネルギーの関数としての発光効率
の顕著な向上が実現できることが、まったく不意に発見
された。蛍光色素の還元電位がホスト材料の還元電位よ
りも正の方向に少なくとも0.45V大きい場合には、
さらに大きな効率の向上が実現される。
【0025】装置100の構築において、アノード10
3は、好ましくはインジウム錫酸化物の導電性光透過性
層から構築され、また基板101は好ましくは透明ガラ
ス基板である。しかしながら、アノード及び基板につい
ては従来のいずれのものを選択してもよい。例えば、先
に引用し、また本明細書に参照として取り入れられてい
るR−1〜R−10に記載されているいずれかの選択が
特に意図される。インジウム錫酸化物、酸化錫または類
似の導電性透明酸化物を使用する代わりに、高い(例え
ば、4.0 eVよりも大きい)仕事関数金属のいずれかの薄
い光透過性層でアノードを形成させることができる。高
仕事関数金属についての記載が米国特許出願第 4,720,4
32号明細書に含まれている。アノードの形成には、クロ
ムと金の混合物が特に意図される。
【0026】有機EL媒体のホスト材料は、先に引用
し、また本明細書に参照として取り入れられているR−
1〜R−9の有機EL装置の電子注入及び輸送帯域を形
成するために用いられている有機材料のうちの任意のも
のから選択することができる。
【0027】一つの特に好ましい態様では、ホスト材料
は以下の式を満たす金属オキシノイド系電荷受容性化合
物である。
【0028】
【化3】
【0029】上式中、Meは金属を表し、nは1〜3の
整数であり、そしてZはオキシン核を完成するのに必要
な原子を表す。
【0030】有用なキレート化オキシノイド化合物の例
として、以下が挙げられる: CO−1;アルミニウムトリスオキシン CO−2;マグネシウムビスオキシン CO−3;ビス[ベンゾ{f}−8−キノリノラート]
亜鉛 CO−4;アルミニウムトリス(5−メチルオキシン) CO−5;インジウムトリスオキシン CO−6;リチウムオキシン CO−7;ガリウムトリス(5−クロロオキシン) CO−8;カルシウムビス(5−クロロオキシン) CO−9;ポリ[亜鉛(II)−ビス(8−ヒドロキシ−
5−キノリニル)メタン] CO−10;ジリチウムエピンドリジオン CO−11;アルミニウムトリス(4−メチルオキシ
ン) CO−12;アルミニウムトリス(6−トリフルオロメ
チルオキシン)。
【0031】各種の金属オキシノイドのうち最も好まし
いものはアルミニウムのトリスキレートである。これら
のキレートは、3個の8−ヒドロキシ−キノリンと1個
のアルミニウム原子とを反応させることによって生成す
る。アルミニウムトリスオキシン[別名、トリス(8−
キノリノール)アルミニウム]及びアルミニウムトリス
(5−メチルオキシン)[別名、トリス(5−メチル−
8−キノリノール)アルミニウム]が特に好ましい2種
のキレートである。
【0032】別の好ましいホスト材料が、共通に譲渡さ
れたVanSlykeらの米国特許出願第 738,777号(1991年 1
月 8日出願、発明の名称「IMPROVED BLUE EMITTING INT
ERNAL JUNCTION ORGANIC ELECTROLUMINESCENT DEVICE
(III)」)に開示されている。特に好ましい態様では、
該特許に開示されている混合配位子アルミニウムキレー
トは、ビス(RS −8−キノリノラート)(フェノラー
ト)アルミニウム(III)キレートを含む。ここで、R
S は、アルミニウム原子に2個を超える8−キノリノラ
ート配位子が結合することを妨害するように選ばれた8
−キノリノラート環の環置換基である。これらの化合物
は、以下の式:
【0033】
【化4】
【0034】(上式中、Qは各場合において、置換8−
キノリノラート配位子を表し、RS は、アルミニウム原
子に対する2個を超える置換8−キノリノラート配位子
の結合を立体的に妨害するように選ばれた8−キノリノ
ラート環置換基を表し、O−Lはフェノラート配位子で
あり、そしてLは、フェニル部分を含んで成る炭素原子
数6〜24個の炭化水素である)によって表すことがで
きる。
【0035】本明細書で用いられる語句「フェノラート
配位子」は、フェノールの脱プロトン化したヒドロキシ
ル基によってアルミニウムに結合した配位子を意味す
る、当該技術分野で認識されている用語法で使用されて
いる。
【0036】最も簡単な態様では、フェノラート配位子
はヒドロキシベンゼンの脱プロトン化によって提供され
得る。式IIのアルミニウムキレートに好ましいフェノラ
ート配位子は、HO−Lフェノール(ここで、Lはフェ
ニル部分を含んで成る炭素原子数6〜24個の炭化水素
である)から誘導される。これはヒドロキシベンゼンの
みならず、各種の炭化水素置換ヒドロキシベンゼン、ヒ
ドロキシナフタレン、及び他の縮合環炭化水素も含む。
フェニル部分のモノメチル置換は発光波長を短くするの
で、フェノラート配位子が少なくとも7個の炭素原子を
含有することが好ましい。一般に、非常に多数の炭素原
子を有するフェノラート配位子を使用して得られる利点
はほとんどない。しかしながら、18個の芳香環炭素原
子を有するフェノラート配位子の検討は、高いレベルの
安定性を示した。こうして、フェノラート配位子が総数
7〜18個の炭素原子を含有することが好ましい。
【0037】フェノラート配位子のフェニル部分の脂肪
族置換基は、それぞれ1〜12個の炭素原子を含有する
ことを意図される。炭素原子数1〜3個のアルキルフェ
ニル部分置換基が特に好ましく、メチル置換基を用いる
と最良の全体特性が生じることが観測された。
【0038】フェニル部分の芳香族炭化水素置換基は、
フェニルまたはナフチル環であることが好ましい。フェ
ニル部分のフェニル、ジフェニル、及びトリフェニル置
換基はすべて非常に望ましい有機EL素子特性を生み出
すことが観測された。
【0039】αまたはβナフトール由来のフェノラート
配位子は、安定性の非常に高いアルミニウムキレートを
生じることが観測された。ヒドロキシベンゼン由来のフ
ェノラート配位子により示されたものと同様に、より短
波長への発光移動の程度が限定されることも認められ
た。以下に記述するように、青色発光性の蛍光色素と組
み合わせてナフトラート配位子含有アルミニウムキレー
トを使用することによって、非常に望ましい素子の構築
が可能である。
【0040】各種フェノラート配位子のオルト、メタ、
及びパラ置換類似体を比較したところ、炭化水素置換基
が占めるフェニル部分の環の位置が寄与する性能の差
は、あったとしてもほとんどないことがわかった。
【0041】好ましい態様では、アルミニウムキレート
は、以下の式、
【0042】
【化5】
【0043】(上式中、Q及びRS はさきに定義したと
おりであり、そしてL1 、L2 、L3 、L4 、及びL5
は、集合的に12個以下の炭素原子を含有し、しかも各
々は独立して、水素または炭素原子数1〜12個の炭化
水素基を表し、但し、L1 とL2 は一緒に、あるいはL
2 とL3 は一緒に縮合ベンゾ環を形成することができ
る)を満たす。
【0044】8−キノリノラート環の一方または両方が
立体妨害置換基以外の置換基を含有することはできる
が、環のさらなる置換は必要ではない。環一個当たり一
個を超える置換基が立体妨害に寄与し得ることがさらに
認識されている。各種の立体妨害置換基となり得るもの
は、以下の式:
【0045】
【化6】
【0046】(上式中、Lは上述のいずれの態様でもと
ることができ、そしてR2 〜R7 は8−キノリノラート
環の2〜7の各位置における置換可能性を表す)を参照
することによって最も容易に想見される。環の4、5、
及び6位における置換基は、1個のアルミニウム原子に
3個の8−キノリノラート環が結合するのを立体的に妨
害するには好ましくない配置である。環の3位または7
位における大きな置換基は十分な立体障害を提供できる
ことが期待されるが、かさ高い置換基の導入は、分子の
性能を高めることなく分子量を実質的に増加させるの
で、全体の性能を低下させる。しかるに、環の2位は立
体障害を提供するのに適しており、そしてこれらの環の
位置の一つにおける非常に小さな置換基(例えば、メチ
ル基)でさえも効果的な立体妨害置換基を提供する。合
成上の都合からは、立体妨害置換基が環の2位に配置さ
れていることが特に好ましい。本明細書で用いる語句
「立体妨害」は、RS −Q配位子がアルミニウム原子の
第三の配位子としての包含に対しては競争できないこと
を示すのに用いられる。
【0047】R2 はアミノ、オキシ、または炭化水素置
換基であることが好ましい。R2 がメチル基であり且つ
唯一の8−キノリノラート環置換基である(すなわち、
3、R4 、R5 、R6 、及びR7 は各々水素である)
場合に、十分な立体障害が提供される。こうして、いず
れかのアミノ基、オキシ基、または少なくとも1個の炭
素原子を有する炭化水素基が、好ましい置換基に含まれ
る。いずれの一炭化水素部分においても、存在する炭素
原子数が10個を超えないことが好ましく、そしてそれ
が6個を超えないことが最適である。こうして、R2
は、−R' 、−OR' 、または−N(R" )R' (式
中、R' は炭素原子数1〜10個の炭化水素であり、そ
してR" はR' または水素である)の態様をとることが
好ましい。好ましくは、R2 は10個以下の炭素原子
を、そして最適には6個以下の炭素原子を含有する。
【0048】R3 及びR4 は、R2 よりも広い範囲の態
様をとり得るが、R2 と同じ好ましい置換基群の中から
選択することを特に意図する。環の3位及び4位の置換
は必要ではないので、R3 及びR4 はさらに水素であっ
てもよい。
【0049】環の5、6、または7位の置換は必要では
ないので、R5 、R6 、及びR7 は水素を表すことがで
きる。好ましい態様では、R5 、R6 、及びR7 は、合
成上都合のよい電子受容性置換基、例えばシアノ、ハロ
ゲン、並びに10個以下の、最も好ましくは6個以下の
炭素原子を含有するα−ハロアルキル、α−ハロアルコ
キシ、アミド、スルホニル、カルボニル、カルボニルオ
キシ、及びオキシカルボニル置換基、から選択すること
ができる。
【0050】以下は、本発明の要件を満たす好ましい混
合配位子アルミニウムキレートの特別な例を構成するも
のである: PC−1;ビス(2−メチル−8−キノリノラート)
(フェノラート)アルミニウム(III )
【0051】
【化7】
【0052】PC−2;ビス(2−メチル−8−キノリ
ノラート)(オルト−クレゾラート)アルミニウム(II
I )
【0053】
【化8】
【0054】PC−3;ビス(2−メチル−8−キノリ
ノラート)(メタ−クレゾラート)アルミニウム(III
【0055】
【化9】
【0056】PC−4;ビス(2−メチル−8−キノリ
ノラート)(パラ−クレゾラート)アルミニウム(III
【0057】
【化10】
【0058】PC−5;ビス(2−メチル−8−キノリ
ノラート)(オルト−フェニルフェノラート)アルミニ
ウム(III )
【0059】
【化11】
【0060】PC−6;ビス(2−メチル−8−キノリ
ノラート)(メタ−フェニルフェノラート)アルミニウ
ム(III )
【0061】
【化12】
【0062】PC−7;ビス(2−メチル−8−キノリ
ノラート)(パラ−フェニルフェノラート)アルミニウ
ム(III )
【0063】
【化13】
【0064】PC−8;ビス(2−メチル−8−キノリ
ノラート)(2,3−ジメチルフェノラート)アルミニ
ウム(III )
【0065】
【化14】
【0066】PC−9;ビス(2−メチル−8−キノリ
ノラート)(2,6−ジメチルフェノラート)アルミニ
ウム(III )
【0067】
【化15】
【0068】PC−10;ビス(2−メチル−8−キノ
リノラート)(3,4−ジメチルフェノラート)アルミ
ニウム(III )
【0069】
【化16】
【0070】PC−11;ビス(2−メチル−8−キノ
リノラート)(3,5−ジメチルフェノラート)アルミ
ニウム(III )
【0071】
【化17】
【0072】PC−12;ビス(2−メチル−8−キノ
リノラート)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノラー
ト)アルミニウム(III )
【0073】
【化18】
【0074】PC−13;ビス(2−メチル−8−キノ
リノラート)(2,6−ジフェニルフェノラート)アル
ミニウム(III )
【0075】
【化19】
【0076】PC−14;ビス(2−メチル−8−キノ
リノラート)(2,4,6−トリフェニルフェノラー
ト)アルミニウム(III )
【0077】
【化20】
【0078】PC−15;ビス(2−メチル−8−キノ
リノラート)(2,3,6−トリメチルフェノラート)
アルミニウム(III )
【0079】
【化21】
【0080】PC−16;ビス(2−メチル−8−キノ
リノラート)(2,3,5,6−テトラメチルフェノラ
ート)アルミニウム(III )
【0081】
【化22】
【0082】PC−17;ビス(2−メチル−8−キノ
リノラート)(1−ナフトラート)アルミニウム(III
【0083】
【化23】
【0084】PC−18;ビス(2−メチル−8−キノ
リノラート)(2−ナフトラート)アルミニウム(III
【0085】
【化24】
【0086】PC−19;ビス(2,4−ジメチル−8
−キノリノラート)(オルト−フェニルフェノラート)
アルミニウム(III )
【0087】
【化25】
【0088】PC−20;ビス(2,4−ジメチル−8
−キノリノラート)(パラ−フェニルフェノラート)ア
ルミニウム(III )
【0089】
【化26】
【0090】PC−21;ビス(2,4−ジメチル−8
−キノリノラート)(メタ−フェニルフェノラート)ア
ルミニウム(III )
【0091】
【化27】
【0092】PC−22;ビス(2,4−ジメチル−8
−キノリノラート)(3,5−ジメチルフェノラート)
アルミニウム(III )
【0093】
【化28】
【0094】PC−23;ビス(2,4−ジメチル−8
−キノリノラート)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノ
ラート)アルミニウム(III )
【0095】
【化29】
【0096】PC−24;ビス(2−メチル−4−エチ
ル−8−キノリノラート)(パラ−クレゾラート)アル
ミニウム(III )
【0097】
【化30】
【0098】PC−25;ビス(2−メチル−4−メト
キシ−8−キノリノラート)(パラ−フェニルフェノラ
ート)アルミニウム(III )
【0099】
【化31】
【0100】PC−26;ビス(2−メチル−5−シア
ノ−8−キノリノラート)(オルト−クレゾラート)ア
ルミニウム(III )
【0101】
【化32】
【0102】PC−27;ビス(2−メチル−6−トリ
フルオロメチル−8−キノリノラート)(2−ナフトラ
ート)アルミニウム(III )
【0103】
【化33】
【0104】上述のようにビス(Rs −8−キノリノラ
ート)(フェノラート)アルミニウム(III )キレート
を使用する代わりに、ビス(Rs −8−キノリノラー
ト)アルミニウム(III )−μ−オキソ−ビス(Rs
8−キノリノラート)アルミニウム(III )化合物を使
用することが意図される。これらの化合物を有機EL装
置に使用することが、VanSlykeの共通に譲渡された米国
特許出願第 738,776号(1991年、 1月 8日出願、発明の
名称「IMPROVED BLUE EMITTING INTERNAL JUNCTION ORG
ANIC ELECTROLUMINESCENT DEVICE (I)」)に教示されて
いる。これらの化合物は、広くは以下の式を満たし:
【0105】
【化34】
【0106】そして、特別に好ましい態様は以下の式を
満たす:
【0107】
【化35】
【0108】上式中、Q、Rs 及びR2 〜R7 は、先に
式II及びIVに関連して記載したものと同じである。
【0109】以下の化合物は、式V及びVIを満たす好ま
しい化合物の特別例である:
【0110】BA−1;ビス(2−メチル−8−キノリ
ノラート)アルミニウム(III )−μ−オキソ−ビス
(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム(II
I )
【0111】
【化36】
【0112】BA−2;ビス(2,4−ジメチル−8−
キノリノラート)アルミニウム(III )−μ−オキソ−
ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)アルミ
ニウム(III )
【0113】
【化37】
【0114】BA−3;ビス(4−エチル−2−メチル
−8−キノリノラート)アルミニウム(III )−μ−オ
キソ−ビス(4−エチル−2−メチル−8−キノリノラ
ート)アルミニウム(III )
【0115】
【化38】
【0116】BA−4;ビス(2−メチル−4−メトキ
シキノリノラート)アルミニウム(III )−μ−オキソ
−ビス(2−メチル−4−メトキシキノリノラート)ア
ルミニウム(III )
【0117】
【化39】
【0118】BA−5;ビス(5−シアノ−2−メチル
−8−キノリノラート)アルミニウム(III )−μ−オ
キソ−ビス(5−シアノ−2−メチル−8−キノリノラ
ート)アルミニウム(III )
【0119】
【化40】
【0120】BA−6;ビス(2−メチル−5−トリフ
ルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム(II
I )−μ−オキソ−ビス(2−メチル−5−トリフルオ
ロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム(III )
【0121】
【化41】
【0122】式II〜IVの化合物のうちの一つをホスト化
合物として使用した場合、式Iの金属オキシノイド化合
物の一つまたは組合せの有機EL媒体のb領域によっ
て、改善された性能が得られることが認められた。
【0123】有機EL媒体のa領域に取り込まれる蛍光
色素は、既知の様々な蛍光色素の中から選択することが
できる。例えば、有用な蛍光色素は、クマリン色素、4
−ジシアノメチレン−4H−ピラン及び4−ジシアノメ
チレン−4H−チオピラン、ポリメチン色素(シアニ
ン、メロシアニン、錯シアニン及びメロシアニン、オキ
ソノール、ヘミオキソノール、スチリル、メロスチリル
及びストレプトシアニンを含む)、4−オキソ−4H−
ベンズ[d,e]−アントラセン色素、キサンテン色素
(ローダミン及びフルオレセインを含む)、ピリリウ
ム、チアピリリウム、セレナピリリウム及びテルロピリ
リウム色素、カルボスチリル色素、ペリレン色素、アク
リジン色素、ビス(スチリル)ベンゼン色素、ピレン色
素、オキサイン色素並びにフェニレンオキシド色素の中
から選択することができる。これらの種類の色素のすべ
てが米国特許出願第 4,769,292号明細書の一般的教示の
範囲内にあり、本明細書ではその開示を参照として取り
入れる。
【0124】1種以上の蛍光色素の特定の選択は、蛍光
色素が制御する所望の発光色相に依存すると同時に、特
別に選択されるホスト媒体にも依存する。後者の理由
は、蛍光色素が、ホスト材料の還元電位よりもその絶対
値が少なくとも0.4ボルト小さい還元電位を示すよう
に選択されなければならないからである。上記の例示的
種類の部類にある色素の典型的な還元電位が、米国特許
出願第 4,743,528号、同第 4,743,529号、同第 4,743,5
30号及び同第 4,743,531号明細書に記載されており、本
明細書ではこれらの開示を参照として取り入れる。色素
とホスト材料の還元電位が同様に測定されるならば、還
元電位を測定するための従来のいずれの技法を用いても
よい。というのは、本発明の利点を担うのは蛍光色素と
ホスト材料の還元電位の差であるからである。
【0125】非常に低い濃度の蛍光色素でも発光の色相
を視覚的に変えることができる。米国特許出願第 4,76
9,292号明細書は、10-3程度の低濃度の蛍光色素濃度を
提唱している。性能の効率を著しく向上させるには、存
在するホストと色素の合計量を基準として少なくとも0.
05モル%、また最適には少なくとも 0.2モル%の濃度の
蛍光色素を、有機EL媒体のa領域に存在させることが
好ましい。a領域における蛍光色素の濃度は、10モル%
までの範囲またはそれ以上とすることはできるが、5モ
ル%未満であることが好ましい。
【0126】有機EL媒体のb領域は、a領域中に取り
込まれている蛍光色素をまったく含まないことが好まし
いが、上記最低濃度未満の非常に限られた量の蛍光色素
は許容することができ、また本発明の利点を実現するこ
とが認識されている。
【0127】好ましいレベルの効率を実現するために
は、有機EL媒体の全厚はすべての場合において1μm
(10,000オングストローム)未満であり、またほとんど
の場合において5000オングストローム未満である。有機
EL媒体の全厚が少なくとも1000オングストロームであ
ることが一般には好ましい。有機EL媒体のb領域が最
小厚、すなわち、装置のカソードと蛍光色素を含有する
a領域との接触を防止するのに十分なだけの厚さ、に維
持された場合に、最高の性能効率が実現される。装置の
b領域の厚さは50オングストローム程度であることがで
きるが、一般には、b領域の厚さが 100〜1000オングス
トロームの範囲にあることが好ましい。
【0128】カソード105は、より低い(<4.0 eV)
仕事関数を示すいずれかの(アルカリ金属以外の)金属
を、単独でまたはより高い(>4.0 eV)仕事関数を示す
1種以上の金属との組合せで、用いて製作することがで
きる。しかしながら、カソードは、米国特許出願第 4,8
85,432号明細書(本明細書ではその開示を参照として取
り入れる)の教示に従い構築することが好ましい。特に
好ましい構成では、カソードは、その有機EL媒体との
界面において、少なくとも50%のマグネシウムと、少な
くとも 0.1%(最適には少なくとも1%)の、仕事関数
が4.0 eVよりも大きな金属、例えば銀またはアルミニウ
ム、とを含有する。有機EL媒体との界面を形成する金
属を付着させた後、便利な任意の金属を付着させること
によって、カソードを厚くして、電子注入効率を低下さ
せることなく電導度を増大させることができる。この目
的で高い(>4.0 eV)金属を使用すると、カソードの安
定性もまた増大する。
【0129】
【実施例】本発明の実施については、以下の特別な実施
例を参照することによってよりよく認識することができ
る。還元電位は標準的なカロメル電極に対して測定し
た。
【0130】実施例1(対照) インジウム錫酸化物で被覆したガラス基板表面にトリス
(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウムキレート(還
元電位-1.79V)を1200オングストロームの厚さで蒸着す
ることによって有機EL装置を構築した。次いで、その
有機EL媒体の上に厚さ2000オングストロームのカソー
ドを蒸着した。カソードは、元素基準で90%のマグネシ
ウムと残りの10%を占める銀とを含有した。
【0131】光出力レベル0.1 mW/cm2で動作させたとき
の有機EL装置の量子効率は非常に低く、わずか0.002
光子/電子にすぎなかった。
【0132】この対照試料は、単層の有機EL媒体を使
用した場合には、その有機EL媒体が高効率内部接合形
有機EL装置の構成にとって最も好ましい材料の一つか
ら成っている場合でさえも、非常に非効率的であること
を例示している。
【0133】実施例2(対照) 実施例1に記載したように有機EL装置を構築したが、
但し、その有機EL媒体は米国特許出願第 4,769,292号
明細書の教示に従い構築した。
【0134】1,1,1−ビス(4−ジ−p−トリルア
ミノフェニル)シクロヘキサンの厚さ 300オングストロ
ームの正孔注入及び輸送層をインジウム錫酸化物の表面
に付着させた。次いで、蛍光色素の4−(ジシアノメチ
レン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリ
ル)−4H−ピランを2モル%ドープしたトリス(8−
ヒドロキシキノリン)アルミニウムキレートの 600オン
グストロームの層を付着させた。さらにその後、蛍光色
素ドーパントをまったく含有していないトリス(8−ヒ
ドロキシキノリン)アルミニウムキレートの 600オング
ストロームの層を付着させた。
【0135】実施例1と同様に試験したところ、この装
置は0.04光子/電子というはるかに改善された効率を示
した。この装置は実施例1の装置よりも20倍以上効率
が高いことに着目されたい。
【0136】実施例3〜5 実施例2に例示したTangらの有機EL装置の性能効率
が、簡素化された装置構造で、実施例1の装置構造より
も10〜100倍以上高い効率に近づけられることがま
ったく不意に発見された。この装置は実施例1と同様に
試験した。
【0137】実施例2を繰り返したが、但し、正孔注入
及び輸送層は省いた。
【0138】動作効率は0.03光子/電子であった。この
値は実施例1の装置よりも15倍の改善であり、また実
施例2の装置の効率に近いものである。しかしながら、
実施例2の装置とは違い、トリス(8−ヒドロキシキノ
リン)アルミニウムキレートを付着させる前に正孔注入
及び輸送層を付着させることがないので、この実施例の
装置の構築はより簡素化された。
【0139】実施例4 実施例3を繰り返したが、但し、蛍光色素ドーパントと
して、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−
(p−ユロリジルエチレニル)−4H−ピラン(還元電
位-1.34V)を代用した。動作効率は0.03光子/電子であ
った。
【0140】実施例5 実施例3を繰り返したが、但し、以下のクマリン系蛍光
色素(還元電位-1.38V)を代用した。
【0141】
【化42】
【0142】性能効率は 0.009光子/電子であった。
【0143】この実施例は、本発明の先の実施例よりも
低い性能効率を例示している。性能効率の低下は、色素
とホストの還元電位の差が0.41Vであることが原因であ
る。しかしながら、なおもこの装置の性能効率は実施例
1の装置の効率よりも高いものであった。
【0144】実施例6(対照) 実施例3を繰り返したが、但し、蛍光色素として以下の
色素(還元電位-1.46V)を代用した。
【0145】
【化43】
【0146】性能効率は 0.004光子/電子であった。こ
の低い性能効率は、蛍光色素とホストの還元電位の差が
比較的小さく、この場合わずか0.33Vにすぎないことが
原因である。
【0147】実施例5及び6は、ホスト材料の還元電位
よりも正の方向に少なくとも0.40V大きい還元電位を示
す蛍光色素を選択することの重要性を例示している。
【0148】
【発明の効果】本発明の少なくともいくつかの実施態様
の利点は、内部接合形有機エレクトロルミネセント装置
構造の性能に、内部接合を含まないより簡単な構造を採
用することで近づけることができるという点である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要件を満たす有機EL装置の概略図で
ある。
【符号の説明】
100…有機エレクトロルミネセント装置 101…透明基板 103…アノード 105…カソード EL…有機エレクトロルミネセント媒体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 順に、アノードと、厚さ1μm未満の有
    機エレクトロルミネセント媒体と、カソードとを含んで
    成る有機エレクトロルミネセント装置において、 該有機エレクトロルミネセント媒体が、 アノード及びカソードの両方に接触している、正孔注入
    及び電子注入の両方を持続することができる有機ホスト
    材料、並びに該ホスト材料中に配置され且つカソードか
    ら間隔をあけて配置された、正孔−電子再結合に応答し
    て発光できる蛍光色素であって、該有機ホスト材料のバ
    ンドギャップ以下のバンドギャップと、該ホスト材料の
    還元電位よりもその絶対値が少なくとも0.4ボルト小
    さい還元電位とを示す蛍光色素から実質的に成ることを
    特徴とする有機エレクトロルミネセント装置。
  2. 【請求項2】 順に、アノードと、厚さ1μm未満の有
    機エレクトロルミネセント媒体と、カソードとを含んで
    成る有機エレクトロルミネセント装置において、 該有機エレクトロルミネセント媒体が、カソードに接触
    している第一領域及びアノードに接触している第二領
    域、並びに正孔−電子再結合に応答して発光できる蛍光
    色素であって、該有機ホスト材料のバンドギャップ以下
    のバンドギャップと、該ホスト材料の還元電位よりもそ
    の絶対値が少なくとも0.4ボルト小さい還元電位とを
    示す蛍光色素、を含んで成り、 該第一領域は、以下の式の化合物: 【化1】 (上式中、Meは金属を表し、nは1〜3の整数であ
    り、そしてZはオキシン核を完成するのに必要な原子を
    表す)から実質的に成り、また該第二領域は、以下の式
    の化合物: 【化2】 (上式中、Lはフェニル部分を含んで成る炭素原子数6
    〜24個の炭化水素であり、Meは金属を表し、nは1
    〜3の整数であり、O−Lはフェノラート配位子であ
    り、Qは、各場合において、置換8−キノリノラート配
    位子を表し、Rs は、アルミニウム原子に置換8−キノ
    リノラート配位子が2個を上回り結合するのを立体的に
    妨害するように選ばれた8−キノリノラート環置換基を
    表し、そしてZはオキシン核を完成するのに必要な原子
    を表す)の中の少なくとも1種から選択されたホスト材
    料から実質的に成ることを特徴とする有機エレクトロル
    ミネセント装置。
JP4346702A 1991-12-30 1992-12-25 有機エレクトロルミネセント装置 Pending JPH05258862A (ja)

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US81466091A 1991-12-30 1991-12-30
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