JPH0525762A - ステープル、不織布およびその製造方法 - Google Patents

ステープル、不織布およびその製造方法

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JPH0525762A
JPH0525762A JP19497091A JP19497091A JPH0525762A JP H0525762 A JPH0525762 A JP H0525762A JP 19497091 A JP19497091 A JP 19497091A JP 19497091 A JP19497091 A JP 19497091A JP H0525762 A JPH0525762 A JP H0525762A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 2種以上の非相溶性の熱可塑性重合体の積層
面の80%以上が繊維横断面の長軸を横切って平均して
3層以上で並列積層されている偏平複合繊維を含む複合
繊維束から形成された捲縮ステープルであって、繊維横
断面の長軸の長さaと短軸の長さbとの比a/bが1.
1以上である偏平繊維の割合がステープルの繊維数の8
0%以上であり且つステープルにおけるフィブリル化度
が10〜20%であるステープル、該ステープルからな
る不織布およびそれらの製造法。 【効果】 ステープルからウエブを形成する段階では分
割フィブリル化が生じずカード通過性がよく、ウエブに
形成した後は高圧流体噴射等により複合繊維を構成して
いる個々の重合体からなる単繊維に容易に分割フィブリ
ル化・絡合して、極めて柔軟な肌触りのよい不織布にな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、捲縮された複合繊維か
らなるステープル、その製造方法、そのステープルから
製造された不織布およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2種以上の互いに非相溶性の熱可塑性重
合体から形成された分割型複合繊維のステープルを用い
て不織布を製造することが知られている。そこで得られ
た不織布は、分割型複合繊維を構成する各々の熱可塑性
重合体部分が不織布中で分割剥離によりフィブリル化し
て極細デニールの単繊維となるため肌触りが柔らかく、
紙おむつ、生理用ナプキン等の衛生用品、ワイパー、フ
ィルター、マスク、ディスポーザブル手術衣、合成皮革
の基布等として適している。
【0003】しかしながら、分割型複合繊維のステープ
ルを使用して不織布を製造する従来技術においては、不
織布製造前の延伸、捲縮、切断等の工程で複合繊維に過
度の分割フィブリル化が生じ易く、その結果、不織布製
造時にカードの通過性が不良になったり、カード工程で
ネップが生じて厚さの均一なウエブが得られないという
欠点があった。一方、カード工程前に過度の分割フィブ
リル化が生じないように複合繊維を分割フィブリル化し
にくいものとすることも試みられているが、その場合に
は、カード工程でのトラブルは回避できるものの、ステ
ープルからウエブを製造した後の分割フィブリル化が行
われにくくなって、極細の単繊維からなる肌触りの柔ら
かな不織布が得られないという欠点があった。
【0004】
【発明の内容】上記の点から、本発明者らは不織布の製
造工程において、ステープルからウエブを形成する前の
段階では分割フィブリル化が生じにくくてカード工程等
における通過性がよく、しかもウエブに形成した後は、
高圧流体噴射等の適当な分割フィブリル化手段によっ
て、複合繊維を構成している個々の単繊維に容易に分割
剥離してフィブリル化および交絡を生じて、極細の単繊
維からなる極めて柔軟な不織布にすることができる複合
繊維やステープルを得ることを目的として、さらにその
ようなステープルから不織布を円滑に製造することを目
的として研究を続けてきた。
【0005】その結果、2種以上の非相溶性の熱可塑性
重合体からなる分割型複合繊維の横断面形状を円形ない
し偏平なものにすると共に、繊維横断面において積層面
の80%以上が繊維横断面の長軸を横切り、平均して3
層以上で非相溶性の熱可塑性重合体を積層複合させ、し
かもステープルを構成する繊維の総本数に基づいて、偏
平断面繊維の割合を一定割合以上にし、且つステープル
におけるフィブリル化度を特定の範囲にすると、上記し
た目的を達成できることを見出して本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、2種以上の非相溶性
の熱可塑性重合体が、繊維横断面において、積層面の8
0%以上が繊維横断面の長軸を横切り、平均して3層以
上で並列積層されている円形ないし偏平な横断面を有す
る複合繊維を捲縮して得られたステープルであって、繊
維横断面の長軸の長さをa、そして短軸の長さをbとし
たときに、a/b≧1.1である偏平断面繊維の割合が
ステープルを構成する繊維の総本数に基づいて80%以
上であり、且つステープルにおけるフィブリル化してい
る繊維の本数割合を示すフィブリル化度が10〜20%
であるステープルである。
【0007】また、本発明は、2種以上の非相溶性の熱
可塑性重合体を紡糸装置に供給して非相溶性の熱可塑性
重合体の積層面の80%以上が繊維横断面の長軸を横切
り、平均して3層以上で積層されている円形ないし偏平
な横断面を有する積層型複合繊維を紡糸した後、延伸、
捲縮および切断処理を施して上記ステープルを製造する
方法、更には上記ステープルを使用して不織布を製造す
る方法、並びにそれにより製造された不織布をも包含す
る。
【0008】まず、本発明のステープルを構成する複合
繊維について説明すると、本発明で用いる複合繊維は、
繊維の長さ方向に直角に切断した横断面の形状が、円形
ないし偏平をなしている。ここで、本発明でいう「偏平
な横断面」とは、繊維の横断面形状が真円形から外れて
その多少に拘わらず偏平化されたものを意味し、したが
って横断面繊維における長軸の長さをaとし、短軸の長
さをbとした時に、両者の比a/b>1である繊維のす
べてを偏平な横断面を有する繊維として扱う。
【0009】そこで、本発明の複合繊維の横断面の形状
を例示すると、図1に示すような円形、図2に示すよう
な楕円形、図3に示すような偏平度合いの高い偏平横断
面を挙げることができるが、偏平形状は図2および図3
のものに限定されない。また、繊維表面は、図1〜図3
にみるように、凹凸がなく平滑なものとするのが、ステ
ープルからウエブを製造する際のカード工程通過性が良
好になり好ましい。
【0010】本発明で使用する複合繊維では、長軸の長
さaと短軸の長さbとの上記した比a/bを、1〜1.
5にするのが、紡糸性、延伸や捲縮処理のし易さ、分割
剥離性の点から好ましい。そして、本発明では、a/b
≧1.1である偏平な横断面を有する繊維の割合が、ス
テープルを構成する繊維の総本数に基づいて80%であ
ることが必要であり、約85〜100%とするのが好ま
しい。
【0011】そして、上記複合繊維においては、図1〜
図3に例示するように、2種以上の非相溶性の熱可塑性
重合体成分1と2との積層面の80%以上が繊維横断面
の長軸を横切るようにして、平均して3層以上で並列積
層されていることが必要である。なお、繊維が図1に示
すような円形の横断面を有している場合は、a=bとな
り長軸と短軸の寸法が同じになるが、その場合には積層
面が、軸aを横切るか、または軸bを横切って並列積層
するようにする。
【0012】2種以上の非相溶性の熱可塑性重合体から
なる分割型の複合繊維としては、例えば図4に示すよう
に、2種の熱可塑性重合体成分1と2との複数の貼合わ
せ面が放射状に交差した構造となっているもの等が広く
知られているが、本発明で用いる複合繊維では、複数の
積層面は図4におけるように交差しておらず、互いに長
軸を横切るようにして横に並んだ状態、すなわち長軸を
横切って並列になっていることが必要である。
【0013】複合繊維における積層面は、2種の非相溶
性の熱可塑性重合体成分1と2との積層面が、図3に示
すように長軸を横切って互いに平行になっていても、ラ
ンダムに入り組みながら並列していてもよい。また、複
合繊維における積層の数は、上記したように平均して3
層以上であることが必要であり、複合繊維の製造のし易
さ、および得られる不織布中の単繊維の繊度等の点から
平均して約4〜10層程度にするのが好ましい。
【0014】本発明で用いる複合繊維における2種以上
の非相溶性の熱可塑性重合体の組み合わせとしては、ウ
エブを形成したときに容易に分割剥離してフィブリル化
できる組み合わせであればいずれも採用することがで
き、例えばポリエステル/ポリオレフィン、ポリエステ
ル/ポリアミド、ポリアミド/ポリオレフィン、ポリエ
ステル/ポリアミド/ポリオレフィン、エラストマー/
ポリエステル、エラストマー/ポリオレフィン等の組み
合わせを挙げることができる。
【0015】複合繊維の太さは、通常、1フィラメント
当たり約1〜10デニール/程度とするのがよく、また
不織布中で分割フィブリル化により形成される個々の単
繊維のデニールは、約0.1〜1.0デニール程度にす
るのがよい。フィブリル化により形成された単繊維のデ
ニールが約1.0デニールを超すと、肌触りが固くなり
好ましくない。
【0016】積層面の80%以上が繊維横断面の長軸を
横切り、平均して3層以上で並列積層されている2種以
上の非相溶性の熱可塑性重合体からなる円形ないし偏平
な横断面を有する上記した複合繊維は、例えば、2種以
上の非相溶性の熱可塑性重合体を別々に溶融し、それら
の溶融流を1個または2個以上の静止混練素子を通過さ
せて積層した複合流を形成させた後、円形ないし偏平形
状の複数の紡糸口金ノズルから溶融紡糸することにより
製造することができる。
【0017】上記のようにして製造された複合繊維束
は、その横断面における複合状態が一種類のみの繊維
(フィラメント)からなっていても、またはその横断面
における複合状態が上記した本発明の範囲内で色々異な
っている複数の繊維(フィラメント)からなる混繊繊維
束であってもよい。また複合繊維束では、束を構成する
各繊維(フィラメント)の横断面の形状(輪郭)が同じ
であっても、互いに異なっていてもよい。
【0018】上記のようにして複合繊維を溶融紡糸して
複合繊維束を製造した後、それを更に延伸処理、機械捲
縮等の捲縮処理し、次いで所定長に切断することによっ
て、不織布の製造に適する本発明のステープルを製造す
ることができる。
【0019】そして、本発明のステープルでは、フィブ
リル化している繊維の本数割合を示すフィブリル化度が
10〜20%であることが必要である。フィブリル化度
が10%未満であると、ステープルを構成する複合繊維
が分割フィブリル化しにくくなって、ウエブにした場合
に複合繊維を個々の単繊維に分割フィブリル化しにくく
なる。一方、フィブリル化度が20%を超えると、ステ
ープルから不織ウエブを製造する前の工程でフィブリル
化が過度になって、カード工程でネップが発生したり、
カード工程通過性が不良になる。
【0020】ここで、本発明におけるステープルのフィ
ブリル化度は、次のようにして測定した。ステープルのフィブリル化度の測定 原綿から50本の繊維をランダムに採取し、これを揃え
てパラフィンで一つに固めた後、ミクロトームで切断
し、その切断面を光学顕微鏡で観察して、切断面におい
て少なくとも1つの積層面が完全に剥離している繊維の
本数を数え、50本に対する割合(%)を計算により求
めてフィブリル化度(%)とした。
【0021】ステープルのフィブリル化度を10〜20
%にするためには、種々の方法が考えられ、フィブリル
化度を10〜20%にできる方法であればいずれも本発
明において採用できるが、代表的には以下のおよび
の2つの方法により、フィブリル化度が10〜20%の
ステープルを円滑に得ることができる。
【0022】 複合繊維を紡糸する際の紡糸ドラフト
倍率(A)と延伸処理する際の延伸ドラフト倍率(B)
との比(A/B)が15〜45になるように、紡糸ドラ
フト倍率および延伸ドラフト倍率を設定する方法。 延伸した後、機械捲縮を付与する際に、捲縮機のニ
ップ圧(線圧)を70〜120kgf/cm、好ましくは
80〜110kgf/cmにする方法。
【0023】上記の方法について説明すると、通常、
ポリエチレンテレフタレートを単独紡糸する場合は、例
えば紡糸ドラフト倍率を50倍、延伸ドラフト倍率を4
倍程度に設定して(すなわちA/B=12.5で)紡
糸、延伸が行われるが、本発明のステープルを得るに
は、A/Bが15〜45の範囲になるように、紡糸ドラ
フト倍率を例えば75倍程度と高くし、延伸ドラフト倍
率を例えば3.5倍と低めにして紡糸、延伸する。A/
Bが15未満になるとステープルにおけるフィブリル化
度が20%を超えるようになり、またA/Bが45を超
えるとステープルにおけるフィブリル化度が10%未満
になり、いずれの場合も望ましくない。
【0024】また、上記の方法による場合に、ニップ
圧が70kgf/cm未満であるとステープルのフィブ
リル化度が10%未満になってフィブリル化不足にな
り、一方ニップ圧が120kgf/cmを超えると、ス
テープルのフィブリル化度が20%を超えフィブリル化
が過度になり、いずれも好ましくない。本発明のステー
プルを製造するに当たっては、上記およびの方法の
一方のみを採用しても、または両方を同時に採用しても
よい。
【0025】また、機械捲縮等の捲縮を施すに当たって
は、捲縮数が8〜18個/25mmの範囲になるように
するのが望ましい。捲縮数が8個/25mm未満である
とステープルがカードに沈んでしまってカード工程の通
過性が不良となる。また、不織布における繊維同士のか
らみも少なくなり、不織布の圧縮回復性が低下する。一
方、捲縮数が18個/25mmを超えるとカード工程で
ネップが発生したり、フィブリル化が起こり、やはりカ
ード工程の通過性が劣ったものとなり、またウエブの嵩
が充分でなくなる。
【0026】上記した延伸処理、捲縮処理、ステープル
への切断に当たっては、通常採用されている装置および
方法が採用できる。捲縮処理は、特に捲縮ボックス等を
用いて機械捲縮によって行うのが望ましく、また捲縮処
理時に油剤を付与するのがよい。また、ステープルの繊
維長は通常約30〜70mm程度にしておくのが、不織
ウエブを製造する際の工程性、不織布における繊維の絡
合状態等の点から好ましい。
【0027】本発明のステープルから、ウエブおよび不
織布を製造するに当たっては、常法によってステープル
からカード工程にてウエブを製造し、さらにウエブ中の
複合繊維を適当な方法によってその積層面において分割
・剥離させることによってフィブリル化させ、それと合
わせて残存している未分割の複合繊維およびフィブリル
化により生じた単繊維を互いに絡み合わせる。
【0028】ウエブを構成する複合繊維を分割フィブリ
ル化させる方法としては、高圧流体噴射法、ニードルパ
ンチ法、加熱処理、薬剤処理等を採用でき、高圧流体噴
射法とニードルパンチ法は絡合も同時に行うことができ
る。そのうち、高圧流体噴射法がウエブ全体に亙って均
一に複合繊維のフィブリル化および絡合を行わせること
ができ望ましい。その場合の条件としては、高圧流体噴
射ノズルの孔径を約0.2〜2mmとして、噴射圧力約
30〜100kg/cm2で、不織布における目付を約
30〜500g/m2程度にするのがよい。
【0029】
【発明の効果】a/b≧1.1の偏平横断面繊維を80
%以上含有する本発明のステープルからウエブを製造し
た場合には、例えば図5に示すように、ウエブ製造時の
押圧作用等によって、偏平な横断面を有する複合繊維4
は、繊維の横断面における長軸がウエブ3の平面と同じ
か近似した方向、すなわちウエブ内で起立せずに横方向
に寝るようにして配置される度合いが多くなる。その結
果、複合繊維の横断面においてその長軸を横切って並列
配置された非相溶性の熱可塑性重合体の積層面の多くが
ウエブ平面に対して起立した状態、すなわち分割用の高
圧流体の噴射方向と同じ方向に向いた状態になって、高
圧流体ノズル5から高圧流体を噴射した時に、複合繊維
がその積層面で極めて容易に且つ十分に分割フィブリル
化され、絡合が生じて、非常に柔軟性に富む肌触りの良
好な不織布を得ることができる。
【0030】これに対して、図6に見るように、例えば
図4に示したような放射状の分割面を有する円形横断面
の複合繊維ステープルを用いた形成された本発明以外の
不織ウエブ6の場合は、複合繊維7の分割面が放射状に
色々な方向に向いて位置しており、高圧流体ノズル5か
らの高圧流体の噴射方向と同じ方向に向いている分割面
の数が少ないことにより、本発明に比べて、高圧流体噴
射によって複合繊維が分割フィブリル化する割合が低く
なって最終的な不織布における未分割複合繊維の割合が
高くなり、本発明に比べて不織布の柔軟性が低いものと
なる。
【0031】しかも、本発明では、ステープルにおける
フィブリル化度を10〜20%にすることによって、ス
テープルを構成する複合繊維がウエブ製造する前の工程
で過度にフィブリル化することがなくなり、ウエブ製造
時のカード工程でネップの発生を防止でき且つカード工
程通過性が良好になり、それにも拘わらずウエブを作成
後、高圧流体によって分割させる場合には容易に分割剥
離を行うことができるという特徴を有する。
【0032】
【実施例】
《実施例1〜2および比較例1〜2》ポリエチレンテレ
フタレート(PET)を290℃で溶融し、ナイロン6
(N−6)を250℃で溶融し、PETの溶融流とN−
6の溶融流とを、両方の溶融流の入口から紡糸ノズルま
での間に、各々5個(実施例1)、8個(実施例2)お
よび2個(比較例2)の静止混練素子を配置した口金装
置に供給して混練積層流を形成させ、その混練積層流を
紡糸ノズルから溶融紡糸して複合繊維束を製造した。
【0033】《実施例 3》ノズル形状を長方形(長辺
/短辺=1.3)として以外は辞し1と同様にして複合
繊維束を製造した。
【0034上記実施例1〜3および
比較例1〜2におけるPETとN−6の口金への供給割
合(重量割合)、紡糸温度、紡糸ドラフト倍率、得られ
た複合繊維束のデニール、複合繊維束中における複合繊
維の横断面の形状とそれらの割合(%)、複合繊維にお
けるPET層とN−6層との合計積層数の平均値は下記
の表1に示すとおりであった。 【0035】上記の複合繊維束を、表1に示した延伸温
度、延伸ドラフト倍率で延伸処理した後、捲縮ボックス
に表1に示した捲縮機のニップ圧(線圧)で供給して、
機械捲縮を施し、100℃で10分間熱処理した後、繊
維長38mmのステープルに切断した。
【0036】上記で得たステープルを常法に従ってカー
ド工程を通過させて表1に示す目付数を有するウエブを
製造した。このウエブに対して、高圧水流噴射ノズル
(ノズル孔径0.5mm)から、水流の噴射圧力60k
g/cmで、高圧水流を噴射して、複合繊維の分割フ
ィブリル化および絡合を行わせた後、乾燥して不織布を
得た。
【0037】《比較例 3》また、PETとN−6とが
図4に示すように放射状に8分割型で複合している複合
繊維を使用した他は実施例1と同様にして延伸処理、捲
縮処理、切断、不織布の製造を行って不織布を製造し
た。上記実施例1〜3および比較例1〜3の結果を表1
に示す。
【0038】
【表1】
【0039】上記表1の結果から、本発明のステープル
を使用した場合には、ステープルを構成する複合繊維が
ウエブ製造するまでの工程で過度にフィブリル化するこ
とがなく、ウエブ製造時のカード工程でネップの発生が
なく且つカード工程通過性が良好であったことがわか
る。
【0040】また、上記実施例1〜3および比較例1〜
3で得られた分割フィブリル化後の不織布をその厚さ方
向に切断して、その断面を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、実施例1〜3および比較例1の不織布では、偏平複
合繊維の大半が分割されていたのに対し、比較例2と3
では、複合繊維における2種の重合体の積層面が分割し
ていないものが目立った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステープルを構成する複合繊維の横断
面の一例を示す模式図である。
【図2】本発明のステープルを構成する偏平な複合繊維
の横断面一例を示す模式図である。
【図3】本発明のステープルを構成する偏平な複合繊維
の横断面の他の例を示す模式図である。
【図4】本発明のステープルに使用するのに適さない複
合繊維の横断面の一例を示す模式図である。
【図5】本発明のステープルから得られるウエブ中にお
ける複合繊維の配置状態を示す断面図である。
【図6】図4に示した複合繊維のステープルを使用して
得られた本発明以外の不織ウエブ中における複合繊維の
配置状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 一方の非相溶性の熱可塑性重合体成分 2 他方の非相溶性の熱可塑性重合体成分 3 不織ウエブ 4 複合繊維 5 高圧流体噴射装置 6 不織ウエブ 7 複合繊維

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種以上の非相溶性の熱可塑性重合体
    が、繊維横断面において、積層面の80%以上が繊維横
    断面の長軸を横切り、平均して3層以上で並列積層され
    ている円形ないし偏平な横断面を有する複合繊維を捲縮
    して得られたステープルであって、繊維横断面の長軸の
    長さをa、そして短軸の長さをbとしたときに、a/b
    ≧1.1である偏平断面繊維の割合がステープルを構成
    する繊維の総本数に基づいて80%以上であり、且つス
    テープルにおけるフィブリル化している繊維の本数割合
    を示すフィブリル化度が10〜20%であるステープ
    ル。
  2. 【請求項2】 2種以上の非相溶性の熱可塑性重合体の
    積層面が繊維横断面の長軸を横切る方向にランダムに並
    列積層されている複合繊維からなる請求項1のステープ
    ル。
  3. 【請求項3】 2種以上の非相溶性の熱可塑性重合体を
    紡糸装置に供給して、それらの熱可塑性重合体の積層面
    の80%以上が繊維横断面の長軸を横切り、 平均して3層以上で並列積層されている円形ないし偏平
    な横断面を有する積層型複合繊維を紡糸した後、延伸、
    捲縮および切断処理を施すことを特徴とする請求項1の
    ステープルを製造する方法。
  4. 【請求項4】 紡糸ドラフト(A)と延伸ドラフト
    (B)との比(A/B)が15〜45である請求項3の
    方法。
  5. 【請求項5】 捲縮が機械捲縮であり且つ機械捲縮時の
    ニップ圧(線圧)が70〜120kgf/cmである請
    求項3の方法。
  6. 【請求項6】 請求項1のステープルからウエブを形成
    した後、繊維の分割フィブリル化および絡合を行わせる
    ことからなる不織布の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6の方法により製造された不織
    布。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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