JPH05257121A - 液晶駆動電源回路及び液晶表示装置 - Google Patents

液晶駆動電源回路及び液晶表示装置

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JPH05257121A
JPH05257121A JP8787392A JP8787392A JPH05257121A JP H05257121 A JPH05257121 A JP H05257121A JP 8787392 A JP8787392 A JP 8787392A JP 8787392 A JP8787392 A JP 8787392A JP H05257121 A JPH05257121 A JP H05257121A
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JP
Japan
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liquid crystal
voltage
power supply
operational amplifier
frequency dividing
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Application number
JP8787392A
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English (en)
Inventor
Kenji Kameyama
健司 亀山
Yuji Kimura
裕治 木村
Hitoshi Kondo
均 近藤
Katsuyuki Yamada
勝幸 山田
Hidekazu Ota
英一 太田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のオペアンプを用いて、液晶駆動の安定
した電源回路を得る。 【構成】 オペアンプ1a〜1dの電源を分周抵抗R1
〜R6により分周された電圧を用いる。分周抵抗の抵抗
値の総和は5KΩ以上、15KΩ以下であることが好適
である。高い駆動電圧を必要とする場合でも、従来のオ
ペアンプを用いて安定した電源回路が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、液晶駆動電源回路及び液晶表示
装置に関する。例えば、コンピュータやワードプロセッ
サ等のOA端末に適用されるものである。
【0002】
【従来技術】現在市販されている液晶駆動用ドライバI
Cには、走査側と信号側共に4レベル(内2レベルは共
用)の電圧レベルが必要である。従来の方法では、この
電圧を供給するために抵抗を用いて分周していた。しか
し、この方法では各電圧レベルでの電流変動により、電
圧が不安定となる。これを防ぐために下記の二つの方法
が行われている。 分周抵抗全体の抵抗値を低くし、各分周部で取り出せ
る電流量を増やす方法。 オペアンプ(ボルテージホロウ)を用いて電圧を安定
化させる方法。 前記の方法では、全体の抵抗値が低いほど各電圧は安
定するが、消費電力が増加する。そこで、一般には前記
の方法が用いられている。
【0003】一方、液晶パネルの表示容量を増加する傾
向にあるが、大面積で、より高コントラストな画質を得
るためには、より高い駆動電圧を液晶パネルに印加する
必要がある。また、近年、研究開発が行われている高分
子分散型液晶は、従来のTN(Twisted Nematic),S
TN(Super Twisted Nematic)等に比べて高い駆動電
圧が必要である。しかし、前記の方法では高耐圧のオ
ペアンプが必要となる。一般に高耐圧オペアンプは高価
で素子が大きく、また放熱処理が必要なため、従来から
用いられてきたオペアンプを用いた電源回路より大幅な
コストアップや実装面積の増加が予想される。従来技術
ではこれらの点に何ら対策がうたれていない。
【0004】図9は、従来の液晶駆動電源回路の回路図
で、図中、10a〜10dはオペアンプ、R1′〜R6
は分周抵抗である。抵抗により分周された各電圧は、オ
ペアンプ(ボルテージホロウ)によりインピーダンス変
換がおこなわれ(高インピーダンス入力−低インピーダ
ンス出力による)安定した液晶ドライバに供給される。
しかし、この構成では電源回路の出力電圧はオペアンプ
の耐圧で制限されてしまう(一般に用いられているオペ
アンプは、電源電圧36V)。液晶の駆動電圧として4
0V〜60V程度を印加するためには、高耐圧のオペア
ンプ(電源電圧50V〜70V)を用いる必要がある
が、この仕様のオペアンプは高価で(1チャネルあたり
2〜3万円、従来品では4チャネルで400円程度)、
素子サイズも従来品に比べ大きくなる。また放熱処理が
必要であり、実装面積は大幅に増加する(従来品では放
熱処理は不用)。
【0005】
【目的】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされた
もので、表示容量の増加や高分子分散型液晶等の高い駆
動電圧を必要とするものに、従来から使用されている安
価なオペアンプを用い、液晶を駆動するために必要な電
圧を安定にまた安価に供給する電源回路を得ること、ま
た、高分子分散型液晶と前記電源回路を用いることによ
り、安価で高画質(高コントラストで応答速度が速い)
のアクティブマトリクス液晶表示装置を提供することを
目的としてなされたものである。
【0006】
【構成】本発明は、上記目的を達成するために、(1)
液晶表示装置の液晶ドライバに駆動電圧を供給するため
の電源回路において、分周抵抗とオペアンプを設け、少
なくとも一個以上のオペアンプの電源は前記分周抵抗に
より分周された電圧を用いること、更には、(2)前記
分周抵抗の抵抗値の総和が、5KΩ以上、15KΩ以下
であること、更には、(3)前記(1)又は(2)にお
いて、前記オペアンプの2つの電源は、それぞれ分周抵
抗により分周された電圧のうちオペアンプの入力に対し
前段と次段の電圧を用いること、更には、(4)前記
(1)又は(2)において、前記分周抵抗により分周さ
れた各電圧に、2個以上のオペアンプを並列に接続する
こと、或いは、(5)前記(3)又は(4)記載の電源
を用い、液晶層がポリマーにより形成された三次元網構
造に取り囲まれるように、液晶を分散されたポリマーネ
ットワーク型液晶層からなる膜、またはポリマーのマト
リクス中に粒子状に液晶を分散させたポリマー分散型液
晶層からなる膜により構成されていることを特徴とした
ものである。以下、本発明の実施例に基づいて説明す
る。
【0007】図1は、本発明による液晶駆動電源回路の
一実施例を説明するための構成図で、図中、1a〜1d
はオペアンプ、R1〜R6は分周抵抗である。オペアンプ
の電源を分周抵抗の各電圧に接続することにより、従来
品のオペアンプを用いて40V〜60V程度の電圧を供
給することができる。分周抵抗の抵抗値については、オ
ペアンプの電源を兼ねるため従来の構成によるものよ
り、分周抵抗を流れる電流は増加するが、実験により基
準電圧(図1中のVEE)と本発明の構成による電源回路
の各出力電力との関係を分周抵抗の全体の抵抗値につい
て測定したところ、5KΩ以上、15KΩ以下が好まし
いことがわかった。
【0008】図2は、本発明による液晶駆動電源回路の
他の回路図で、図中、2a〜2d、3a〜3dはオペア
ンプ、R1″〜R6″は分周抵抗、R7〜R14は抵抗であ
る。表示容量の増加に伴う電流の増加に対しても、本発
明の構成にオペアンプを並列に接続することで対応する
ことができる。本発明は電源回路で使用されるオペアン
プの少なくとも1個の電源を分周抵抗により分周された
電圧を用いること以外にはオペアンプの配置や部品仕様
等についていっさい制限を加えるものではない。また図
1に示す回路は本発明を説明するものであり、これによ
り本発明を制限するものではない。
【0009】次に、本発明による液晶表示装置の構成に
ついて説明する。高分子分散型の液晶を用いることによ
りバックライト不用の反射型によるディスプレイの研究
が行われている。しかし、現状では従来のTN型やST
N型に比べて駆動電圧は高く、前述のように電源回路の
高コスト化と電源回路の大型化は避けられない。そこで
前述の本発明の電源回路と高分子分散型液晶を組み合わ
せることにより安価で、小型の液晶ディスプレイが実現
できる。さらに液晶の駆動素子として硬質炭素膜による
MIM(Metal Insulator Metal)素子を用いることに
より、高画質(応答性の向上と高コントラスト表示)の
液晶ディスプレイを実現することができる。以下に高分
子分散型液晶と硬質炭素膜を用いたMIM素子について
説明する。
【0010】本発明はアクティブマトリクス液晶につい
ては、その方式は限定を加えるものではないが、非線形
二端子素子は他の三端子素子(TFT:薄膜トランジス
タ)に比べ歩留りが高く、又室温成膜が可能な硬質炭素
膜をMIM素子の絶縁膜に用いたものがその作製方法、
大面積、均一化等の点で有利である。
【0011】本発明の有利なMIM型素子の作製方法に
ついて図4を参照して説明する。図中、11は透明絶縁
性基板、12は絶縁膜(硬質炭素膜)、13は画素電
極、14は能動素子、15は第2導体、16は第1導体
である。まず、ガラス、プラスチック板、プラスチック
フィルム等の透明絶縁性基板11上に、画素電極用透明
電極材料を蒸着やスパッタリング等の方法で堆積し、所
定のパターンにパターニングして画素電極13とする。
【0012】次に、蒸着やスパッタリング等の方法で下
部電極用導体薄膜を形成し、ウェット又はドライエッチ
ングにより所定のパターンにパターニングして下部電極
となる第1導体16とし、その上にプラズマCVD法や
イオンビーム法等により硬質炭素膜12を被覆後、ドラ
イエッチング、ウェットエッチング又はレジストを用い
るリフトオフ法により所定のパターンにパターニングし
て絶縁膜とし、次にその上に蒸着やスパッタリング等の
方法によりバスライン用導体薄膜を被覆し、所定のパタ
ーンにパターニングしてバスラインとなる第2導体15
を形成し、最後に下部電極16の不必要部分を除去し、
透明電極パターンを露出させ、画素電極13とする。こ
の場合、MIM素子の構成はこれに限られるものではな
く、MIM素子の作成後、最上層に透明電極を設けたも
の、透明電極が上部又は下部電極を兼ねた構成のもの、
下部電極の側面にMIM素子を形成したもの等、種々の
変形が可能である。
【0013】ここで下部電極、上部電極及び透明電極の
厚さは通常、夫々数百〜数千Å、数百〜数千Å、数百〜
数千Åの範囲である。硬質炭素膜の厚さは、100〜8
000Å、望ましくは300〜6000Å、さらに望ま
しくは500〜5000Åの範囲である。又プラスチッ
ク基板の場合、いままでその耐熱性から能動素子を用い
たアクティブマトリクス装置の作製が非常に困難であっ
た。しかし、硬質炭素膜は室温程度の基板温度で良質な
膜の作製が可能であり、プラスチック基板においても作
製が可能であり、非常に有効な画質向上手段である。
【0014】次に本発明で使用されるMIM素子の材料
について更に詳しく説明する。下部電極となる第1導体
16の材料としては、Al,Ta,Cr,W,Mo,P
t,Ni,Ti,Cu,Au,ITO,ZnO:Al,
In23,SnO2等種々の導電体が使用される。次に
バスラインとなる第2導体15の材料としては、Al,
Cr,Ni,Mo,Pt,Ag,Ti,Cu,Au,
W,Ta,ITO,ZnO:Al,In23,SnO2
等種々の導電体が使用されるが、電流−電圧(I−V)
特性の安定性及び信頼性が特に優れている点からNi,
Pt,Agが好ましい。絶縁膜として硬質炭素膜12を
用いたMIM素子は電極の種類を変えても対称性が変化
せず、またIn1∝√vの関係からプールフレンケル型
の伝導をしていることが判る。またこのことからこの種
のMIM素子の場合、上部電極と下部電極との組合せを
どのようにしてもよいことが判る。しかし、硬質炭素膜
と電極との密着力や界面状態により素子特性(I−V特
性)の劣化及び変化が生じる。これらを考慮すると、N
i,Pt,Agが良いことがわかった。MIM素子の電
流−電圧特性は図8のように示され、近似的には以下に
示すような伝導式で表わされる。
【0015】
【数1】
【0016】I:電流、V:印加電圧、κ:導電係数、
β:プールフレンケル係数、n:キャリヤ密度、μ:キ
ャリヤモビリティ、q:電子の電荷量、Φ:トラップ深
さ、ρ:比抵抗、d:硬質炭素の膜厚(Å)、k:ボル
ツマン定数、T:雰囲気温度、ε1:硬質炭素の誘電
率、ε2:真空誘電率
【0017】本発明で使用する高分子分散液晶とは、液
晶と高分子を組み合わせたものであり、以下の2つの大
別される。 (1)ポリマーにより形成された三次元網構造に取り囲
まれるように、液晶を分散させたポリマーネットワーク
型液晶層からなる膜、又は(2)ポリマーのマトリクス
中に粒子状の液晶を分散させたポリマー分散型液晶層か
らなる膜により構成されているものがあげられる。これ
ら高分子分散液晶の作製方法には、マイクロカプセル
法、UVや熱による硬化法、キャスティング法、含浸法
等がある。高分子分散液晶とアクティブ用TN液晶の特
性を以下に示す。
【0018】
【表1】
【0019】高分子分散液晶は応答が早く、偏光板を必
要としないので明るく、視野角が広い等の特徴がある。
しかし、駆動電圧が高いため、電源として従来より高出
力電圧をもつものが必要となる。高分子分散液晶を用い
たアクティブマトリクス液晶表示装置の作製方法の例を
以下に示す。 (1)エポキシ樹脂と硬化剤を所定量混合した液に、シ
アノビフェニル系のネマティック液晶を重量で4:1の
割合で混合した。これをホモジナイザーにて均一混合し
た液晶分散液を透明電極上に塗布後80℃で加熱硬化し
てポリマー分散型液晶層を作成する。エポキシ樹脂のか
わりにポリビニルアルコール、二官能型光硬化アクリル
樹脂等を用いることができる。液晶としてはシアノビフ
ェニル系以外にもエステル系、ピリミジン系などや、そ
れらの混合物等の通常のネマティック液晶を用いること
ができる。液晶粒子の大きさは10μm以下程度が適当
であり、その含有量は10〜50wt%程度が適当であ
る。
【0020】(2)ポリメチルメタクリレート樹脂(P
MMA)の15wt%トルエン溶液に重量比で10:1
の割合でネマティック液晶を添加した。撹拌により均一
化し、透明電極上に塗布後加熱して溶液を除去すること
によりポリマーネットワーク型液晶層が作成される。こ
のポリマーネットワーク型液晶に用いられるポリマーと
しては、アクリル樹脂、ポリエスチレン、ポリカーボネ
ート、ポリビニルアルコール、シロキサン系、エステル
系等の高分子液晶、およびエポキシ樹脂、ポリアミド等
通常の高分子化合物等が例示され、液晶としてはポリマ
ー分散型と同様のものが例示される。液晶の含有量は、
60〜90wt%程度が適当である。高分子及び液晶材
料は網目構造をつくるか、液晶を分散できればこれに限
るものではない。
【0021】次に、硬質炭素膜について詳しく説明す
る。硬質炭素膜を形成するためには有機化合物ガス、特
に炭化水素ガスが用いられる。これら原料における相状
態は常温常圧において必ずしも気相である必要はなく、
加熱或は減圧等により溶融、蒸発、昇華等を経て気化し
得るものであれば、液相でも固相でも使用可能である。
【0022】原料ガスとしての炭化水素ガスについて
は、例えばCH4,C26,C38,C410等のパラフ
ィン系炭化水素、C24等のオレフィン系炭化水素、ア
セチレン系炭化水素、ジオレフィン系炭化水素、さらに
は芳香族炭化水素などすべての炭化水素を少なくとも含
むガスが使用可能である。さらに、炭化水素以外でも、
例えば、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステ
ル類、CO,CO2等、少なくとも炭素元素を含む化合
物であれば使用可能である。
【0023】本発明における原料ガスからの硬質炭素膜
の形成方法としては、成膜活性種が、直流、低周波、高
周波、或いはマイクロ波等を用いたプラズマ法により生
成されるプラズマ状態を経て形成される方法が好ましい
が、より大面積化、均一性向上、低温成膜の目的で、低
圧下で堆積を行なうため、磁界効果を利用する方法がさ
らに好ましい。また高温における熱分解によっても活性
種を形成できる。その他にも、イオン化蒸着法、或いは
イオンビーム蒸着法等により生成されるイオン状態を経
て形成されてもよいし、真空蒸着法、或いはスパッタリ
ング法等により生成される中性粒子から形成されてもよ
いし、さらには、これらの組み合せにより形成されても
よい。
【0024】こうして作製される硬質炭素膜の堆積条件
の一例はプラズマCVD法の場合、次の通りである。 RF出力:0.1〜50W/cm2 圧 力:1/103〜10Torr 堆積温度:室温〜950℃ このプラズマ状態により原料ガスがラジカルとイオンと
に分解され反応することによって、基板上に炭素原子C
と水素原子Hとからなるアモルファス(非晶質)及び微
結晶質(結晶の大きさは数10Å〜数μm)の少くとも
一方を含む硬質炭素膜が堆積する。なお硬質炭素膜の諸
特性を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】注)測定法; 比抵抗(ρ):コプレナー型セルによるI−V特性より
求める。 光学的バンドギャップ(Egopt):分光特性から吸収係
数(α)を求め、以下の(4)式の関係より決定。
【0027】
【数2】
【0028】膜中水素量〔C(H)〕:赤外吸収スペクト
ルから2900/cm付近のピークを積分し、吸収断面
積Aを掛けて求める。すなわち、 C(H)=A・∫α(v)/v・dv SP3/SP2比:赤外吸収スペクトルを、SP3,SP2
にそれぞれ帰属されるガウス関数に分解し、その面積比
より求める。 ビッカース硬度(H):マイクロビッカース計による 屈折率(n):エリプソメーターによる。 欠陥密度 :ESRによる。
【0029】こうして形成される硬質炭素膜はラマン分
光法及びIR吸収法による分析の結果、夫々、図5及び
図6に示すように炭素原子にSP3の混成軌道とSP2
混成軌道とを形成した原子間結合が混在していることが
明らかになっている。SP3結合とSP2結合との比率
は、IRスペクトルをピーク分離することで概ね推定で
きる。IRスペクトルには、2800〜3150/cm
に多くのモードのスペクトルが重なって測定されるが、
夫々の波数に対応するピークの帰属は明らかになってお
り、図7のようにガウス分布によってピーク分離を行な
い、夫々のピーク面積を算出し、その比率を求めればS
3/SP2を知ることができる。
【0030】また、X線及び電子線回折分析によればア
モルファス状態(a−C:H)、及び/又は約50Å〜
数μm程度の微結晶粒を含むアモルファス状態にあるこ
とが判っている。一般に量産に適しているプラズマCV
D法の場合には、RF出力が小さいほど膜の比抵抗値お
よび硬度が増加し、低圧力なほど活性種の寿命が増加す
るために基板温度の低温化や大面積での均一化が図れ、
かつ比抵抗や硬度が増加する傾向にある。更に、低圧力
ではプラズマ密度が減少するため、磁場閉じ込め効果を
利用する方法は、比抵抗の増加には特に効果的である。
【0031】さらに、この方法は常温〜150℃程度の
比較的低い温度条件でも同様に良質の硬質炭素膜を形成
できるという特徴を有しているため、MIM素子製造プ
ロセスの低温化には最適である。従って、使用する基板
材料の選択自由度が広がり、基板温度をコントロールし
易いために大面積に均一な膜が得られるという特徴をも
っている。また硬質炭素膜の構造、物性は表1に示した
ように、広範囲に制御可能であるため、デバイス特性を
自由に設計できる利点もある。さらには、膜の誘電率も
3〜5と従来MIM素子に使用されていたTa25,A
23,SiNXと比較して小さいため、同じ電気容量
をもった素子を作る場合、素子サイズが大きくてすむの
で、それほど微細加工を必要とせず、歩留りが向上する
(駆動条件の関係からLCDとMIM素子の容量比は、
C(LCD):C(MIM)=10:1程度必要であ
る)。
【0032】また、素子急峻性β∝1/√ε・√dであ
るため、誘電率εが小さければ急峻性は大きくなり、オ
ン電流Ionとオフ電流Ioffとの比が大きくとれる
ようになる。このためより低デューティ比でのLCD駆
動が可能となり、高密度のLCDが実現できる。さらに
膜の硬度が高いため、液晶材料封入時のラビング工程に
よる損傷が少なく、この点からも歩留りが向上する。以
上の点を鑑みるに、硬質炭素膜を使用することで、低コ
スト、階調性(カラー化)、高密度LCD等が実現でき
る。
【0033】さらにこの硬質炭素膜が炭素原子及び水素
原子の他に、周期律表第III族元素、同第IV族元素、同
第V族元素、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元
素、窒素原子、酸素原子、カルコゲン系元素又はハロゲ
ン原子を構成元素として含んでもよい。構成元素の1つ
として周期律表第III族元素、同じく第V族元素、アルカ
リ金属元素、アルカリ土類金属元素、窒素原子又は酸素
原子を導入したものは硬質炭素膜の膜厚をノンドープの
ものに比べて約2〜3倍に厚くすることができ、またこ
れにより素子作製時のピンホールの発生を防止すると共
に、素子の機械的強度を飛躍的に向上することができ
る。更に窒素原子又は酸素原子の場合は以下に述べるよ
うな周期律表第IV族元素等の場合と同様な効果がある。
【0034】同様に周期律表第IV族元素、カルコゲン系
元素又はハロゲン元素を導入したものは硬質炭素膜の安
定性が飛躍的に向上すると共に、膜の硬度も改善される
ことも相まって高信頼性の素子が作製できる。これらの
効果が得られるのは第IV族元素及びカルコゲン系元素の
場合は硬質炭素膜中に存在する活性な2重結合を減少さ
せるからであり、またハロゲン元素の場合は、水素に
対する引抜き反応により原料ガスの分解を促進して膜中
のダングリングボンドを減少させ、成膜過程でハロゲ
ン元素XがC−H結合中の水素を引抜いてこれと置換
し、C−X結合として膜中に入り、結合エネルギーが増
大する(C−H間及びC−X間の結合エネルギーはC−
X間の方が大きい)からである。これらの元素を膜の構
成元素とすめためには、原料ガスとしては炭化水素ガス
及び水素の他に膜中に周期律表III族元素、同第IV族元
素、同第V族元素、アルカリ金属元素、アルカリ土類金
属元素、窒素原子、酸素原子、カルコゲン系元素又はハ
ロゲン元素を含有させるために、これらの元素又は原子
を含む化合物(又は分子)(以下、これらを「他の化合
物」ということもある)のガスが用いられる。
【0035】ここで周期律表第III族元素を含む化合物
としては、例えばB(OC253,B26,BCl3
BBr3,BF3,Al(O-i-C373,(CH33
Al,(C253Al,(i-C493Al,AlC
3,Ga(O-i-C373,(CH33Ga,(C2
53Ga,GaCl3,GaBr3,(O-i-C37
3In,(C253In等がある。周期律表第IV族元素
を含む化合物としては、例えばSi36,(C253
SiH,SiF4,SiH2Cl2,SiCl4,Si(O
CH34,Si(OC254,Si(OC374,G
eCl4,GeH4,Ge(OC254,Ge(C
254,(CH34Sn,(C254Sn,SnCl
4等がある。
【0036】周期律表第V族元素を含む化合物として
は、例えばPH3,PF3,PF5,PCl23,PC
3,PCl2F,PBr3,PO(OCH33,P(C2
53,POCl3,AsH3,AsCl3,AsBr3
AsF3,AsF5,AsCl3,SbH3,SbF3,S
bCl3,Sb(OC253等がある。アルカリ金属原
子を含む化合物としては、例えばLiO-i-C37,N
aO-i-C37,KO-i-C37等がある。アルカリ土
類金属原子を含む化合物としては、例えばCa(OC2
53,Mg(OC252,(C252Mg等があ
る。窒素原子を含む化合物としては例えば窒素ガス、ア
ンモニア等の無機化合物、アミノ基、シアノ基等の官能
基を有する有機化合物及び窒素を含む複数環等がある。
【0037】酸素原子を含む化合物としては、例えば酸
素ガス、オゾン、水(水蒸気)、過酸化水素、一酸化炭
素、二酸化炭素、亜酸化炭素、一酸化窒素、二酸化窒
素、三酸化二窒素、五酸化二窒素、三酸化窒素等の無機
化合物、水酸基、アルデヒド基、アシル基、ケトン基、
ニトロ基、ニトロソ基、スルホン基、エーテル結合、エ
ステル結合、ペプチド結合、酸素を含む複素環等の官能
基或いは結合を有する有機化合物、更には金属アルコキ
シド等が挙げられる。カルコゲン系元素を含む化合物と
しては、例えばH2S,(CH3)(CH24S(CH24
CH3,CH2=CHCH2SCH2CH=CH2,C25
SC25,C25SCH3,チオフェン、H2Se,(C
252Se,H2Te等がある。またハロゲン元素を含
む化合物としては、例えば弗素、塩素、臭素、沃素、弗
化水素、弗化塩素、弗化臭素、弗化沃素、塩化水素、塩
化臭素、塩化沃素、臭化水素、臭化沃素、沃化水素等の
無機化合物、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリー
ル、ハロゲン化スチレン、ハロゲン化ポリメチレン、ハ
ロホルム等の有機化合物が用いられる。
【0038】液晶駆動用MIM素子として好適な硬質炭
素膜は、駆動条件から膜厚が100〜8000Å、比抵
抗が106〜1013Ω・cmの範囲であることが有利で
ある。硬質炭素膜のピンホールによる素子の欠陥数は膜
厚が減少にともなって増加し、300Å以下では特に顕
著になること(欠陥率は1%を越える)、及び、膜厚の
面内分布の均一性(ひいては素子特性の均一性)が確保
できなくなる(膜厚制御の精度は30Å程度が限度で、
膜厚のバラツキが10%を越える)ことから、膜厚は3
00Å以上であることがより望ましい。また、ストレス
による硬質炭素膜の剥離が起こりにくくするため、か
つ、より低デューティ比(望ましくは1/1000以
下)で駆動するために、膜厚は4000Å以下であるこ
とがより望ましい。
【0039】以下に、具体的な実施例について説明す
る。実施例1 本発明の実施例としてオペアンプにテキサス・インスツ
ルメンツ社製TLE2064CNを用い、図1に示す電
源回路を作製した。動作確認として基準電圧VEEを0V
〜80Vスイープした場合の各オペアンプの出力を測定
した。各可変抵抗はR1=R7=0Ω、R2=R3=R
5=R6=1KΩ、R4=6KΩとした。図3に結果を
示す。図より明らかなように、5V〜80Vにおいて、
各オペアンプの出力はリニアに変化しており設定したバ
イアス比を維持したまま駆動電圧を調整できることがわ
かった。
【0040】実施例2 本発明の電源を用い、液晶層に高分子分散型液晶を用
い、硬質炭素膜を用いたMIM素子によるアクティブマ
トリックス液晶表示装置を作製して動作確認を行った。
以下に作製方法を示す。基板には、パイレックス基板を
用い透明電極としてITOを600Å、下部電極として
Alを600Å、硬質炭素膜を2000Å、上部電極と
してNiを800Åとして、MIM素子を作製した。対
向基板はパイレックス基板として、ITOを600Å堆
積し、ストライプ状にパターニングした。両基板をはり
合わせ、次いでTN液晶をマイクロカプセル化し、高分
子(ポリメチルメタクリレート)を基板間に封入し、液
晶パネルとした。この時、硬質炭素膜の成膜条件は 圧力:0.13Torr CH4流量:30SCCM RFパワー:0.4W/cm2 温度:30℃ とした。また、液晶層のV10=4V、V90=10Vとし
た。
【0041】こうして作製した液晶パネルの駆動電圧は
60Vであった。同じ液晶パネルを駆動するための電源
として1つは実施例1の電源を、もう一つは従来の回路
構成によりオペアンプとしてナショナル・セミコンダク
タ社製品のLM12を用い、本発明による電源と同一ス
ペックのものを作製して比較を行った。表示品質はどち
らも良好で、表示ムラはなく、安定に動作させることが
できた。また応答速度もマウスによるカーソル移動が十
分に認識できた。しかし、本発明による電源がオペアン
プにDIPタイプの従来品を用い、部品点数はこのDI
Pサイズ14ピン(5mm×20mm)のオペアンプを
用いるのに対し、従来の回路構成による電源では、高耐
圧オペアンプLM12を用いることにより、本発明によ
る電源に対して部品取り付け面積は約4倍となった(高
耐圧オペアンプはTO−03パッケージで、20mm
φ、最大寸法縦39mm、横25mm、1チップ1チャ
ネルのためこれが4個必要であり、また放熱処理が必要
なためそれぞれのオペアンプに26mm×25mm×1
0mm程度のヒートシングを取り付ける必要がある)。
【0042】
【効果】以上の説明から明らかなように、本発明による
と、以下のような効果がある。 (1)請求項1〜4に対応する効果:本発明により、オ
ペアンプの電源電圧より高い液晶駆動電圧を、従来のオ
ペアンプを用いて安定にまた安価に得ることができる。
また電源回路の小型化が実現できる。 (2)請求項5に対応する効果:本発明により、高表示
品質(応答速度が速い、高コントラスト)の液晶ディス
プレイを安価に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による液晶駆動電源回路の一実施例を
説明するための構成図である。
【図2】 本発明による液晶駆動電源回路の他の実施例
を示す図である。
【図3】 基準電圧VEEと本発明の電源回路による各電
圧の関係を示す図である。
【図4】 MIM型素子の斜視図である。
【図5】 MIM型素子の絶縁層に使用した硬質炭素膜
をIR吸収法で分析した分析結果を示すスペクトル図で
ある。
【図6】 MIM型素子の絶縁層に使用した硬質炭素膜
をラマン分光法で分析した分析結果を示すスペクトル図
である。
【図7】 IRスペクトルのガウス分布図である。
【図8】 MIM素子の典型的な電流−電圧(I−V)
特性およびInI−√V特性図である。
【図9】 従来の液晶駆動電源回路を示す図である。
【符号の説明】
1a〜1d,2a〜2d,3a〜3d…オペアンプ、R
1〜R6,R′1〜R′6,R″1〜R″6…分周抵抗(可変
抵抗)、11…絶縁基板、12…硬質炭素膜、13…画
素電極、14…能動素子、15…第二導体(上部電
極)、16…第一導体(下部電極)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 勝幸 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 太田 英一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶表示装置の液晶ドライバに駆動電圧
    を供給するための電源回路において、分周抵抗とオペア
    ンプを設け、少なくとも一個以上のオペアンプの電源は
    前記分周抵抗により分周された電圧を用いることを特徴
    とする液晶駆動電源回路。
  2. 【請求項2】 前記分周抵抗の抵抗値の総和が、5KΩ
    以上、15KΩ以下であることを特徴とする請求項1記
    載の液晶駆動電源回路。
  3. 【請求項3】 前記オペアンプの2つの電源は、それぞ
    れ分周抵抗により分周された電圧のうちオペアンプの入
    力に対し前段と次段の電圧を用いることを特徴とする請
    求項1又は2記載の液晶駆動電源回路。
  4. 【請求項4】 前記分周抵抗により分周された各電圧
    に、2個以上のオペアンプを並列に接続することを特徴
    とする請求項1又は2記載の液晶駆動電源回路。
  5. 【請求項5】 前記請求項3または請求項4の電源を用
    い、液晶層がポリマーにより形成された三次元網構造に
    取り囲まれるように、液晶を分散されたポリマーネット
    ワーク型液晶層からなる膜、またはポリマーのマトリク
    ス中に粒子状に液晶を分散させたポリマー分散型液晶層
    からなる膜により構成されていることを特徴とする液晶
    表示装置。
JP8787392A 1992-03-11 1992-03-11 液晶駆動電源回路及び液晶表示装置 Pending JPH05257121A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5764205A (en) * 1993-05-28 1998-06-09 U.S. Philips Corporation Picture display and selection driver and integrated driver circuit for use in such a picture display device
US6028598A (en) * 1993-05-10 2000-02-22 Kabushiki Kaisha Toshiba Liquid crystal driving power supply circuit
US6501467B2 (en) 1998-06-08 2002-12-31 Nec Corporation Liquid-crystal display panel drive power supply circuit

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US6501467B2 (en) 1998-06-08 2002-12-31 Nec Corporation Liquid-crystal display panel drive power supply circuit

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