JP2869436B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は液晶表示装置に関し、詳しくは、能動素子と
してMIM(導体−絶縁体−導体)素子を使用したアクテ
ィブ・マトリクス型液晶表示装置に関する。
〔従来の技術〕
液晶表示装置の主流は、今では、単純マトリクス方式
のパネルからアクティブ・マトリクス方式に移行してい
る。その理由は大面積の液晶パネルへの要望がOA機器や
液晶TVなどから出されているのに由来している。そし
て、このアクティブ・マトリクス方式では各画素ごとに
能動素子を設ける手段が採られている。
ところで、前記能動素子の一つとしてMIM素子が多く
用いられている。これはスイッチングに良好な非線形な
電流−電圧特性を示すためである。MIM素子としては、
従来より、ガラス板のような絶縁基板上に下部電極とし
てTa、Al、Ti等の金属電極を設け、その上に前記金属の
酸化物又はSiOX、SiNX等からなる絶縁膜を設け、更にそ
の上に、上部電極としてAl、Cr等の金属電極を設けたも
のが知られている。
しかし、絶縁体(絶縁膜)に金属酸化物を用いたMIM
素子(特開昭57−196589号、同61−232689号、同62−62
333号等の公報に記載)の場合、絶縁膜は下部電極の陽
極酸化又は熱酸化により形成されるため、工程が複雑で
あり、しかも高温熱処理を必要とし(陽極酸化法でも不
純物の除去等を確実にするには、高温熱処理が必要であ
る)、また膜制御性(膜質及び膜厚の均一性及び再現
性)に劣る上、基板が耐熱材料に限られること、及び、
絶縁膜は物性が一定な金属酸化物からなること等から、
デバイスの材料やデバイス特性を自由に変えることがで
きず、設計上の自由度が狭いという欠点がある。これは
MIM素子を組込んだ液晶表示装置からの仕様を十分に満
たすデバイスを設計・作製することが極めて困難である
ことを意味している。さらに、後述のごとく、比誘電率
εrと素子の急峻性βとには の関係があり、εrが高いと急峻性は小さくなってしま
い高密度の表示には不適となる、等の欠点を有してい
る。
また、絶縁膜にSiOXやSiNXを用いたMIM素子(特開昭6
1−275819号公報)の場合、絶縁膜はプラズマCVD法、ス
パッタ法等の気相法で成膜するが、基板温度が通常300
℃程度必要であるため、低コスト基板は使用できず、ま
た大面積化の際、基板温度分布のため膜厚、膜質が不均
一になり易いという欠点がある。また、これらの絶縁膜
を合成する際には気相でなされることから、ダストが多
く発生し、膜のピンホールが多いため素子の歩留りが低
下する。更には、膜ストレスが大きく、膜剥離が起こ
り、この点からも素子の歩留りが低下する。
一方、絶縁基板には、前記のように、ガラス板が通常
用いられている。これは、これまでの能動素子における
絶縁膜の形成では300〜600℃の熱処理が必要であること
に由来している。
従って、もし室温程度の低温でMIM素子の絶縁膜が成
膜できるのであれば、絶縁基板をガラス板から高分子板
にかえることが可能である。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明はMIM素子における絶縁膜を前述の金属酸化物
やSiOX、SiNXなどでなく、低温で成膜しうる特定のもの
にかえ、同時に、絶縁基板として高分子板が用いられる
ようにした液晶表示装置を提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、一対の絶縁基板間に液晶材料を挟持してな
り、かつ、少なくとも一方の基板上に設けられた複数個
の画素電極の各々に少なくとも1つの導体−絶縁膜−導
体からなる能動素子が接続されているアクティブ・マト
リクス型液晶表示装置において、前記絶縁基板はその少
なくとも一方が厚さ700μm以上、ガラス転移温度60℃
以上、可視光透過率80%以上である高分子板であり、ま
た、前記絶縁膜は硬質炭素膜であることを特徴としてい
る。
本発明者らは、以前より液晶表示装置について多くの
研究検討を行なってきたが、能動素子として絶縁膜が硬
質炭素膜であるMIM素子を用い、こうしたMIM素子が形成
されるのであれば絶縁基板としてガラス板でなく特定の
高分子板が使用され得ることを確めた。本発明はこれに
基づいてなされたものである。
〔実施例〕
以下に、本発明を添付の図面を参照しながらさらに詳
細に説明する。
本発明の液晶表示装置は、前記のように、能動素子
(MIM素子)の絶縁膜を室温程度の堆積温度で形成しう
る硬質炭素膜で形成し、また、絶縁基板の少なくとも一
方を高分子板(厚さ700μm以上、ガラス転移温度(T
g)60℃以上、可視光透過率80%以上)で構成してなる
ものである。
本発明でのMIM素子における絶縁膜は、炭素原子及び
水素原子を主要な組織形成元素とし非晶質及び微結晶の
少なくとも一方を含む硬質炭素膜(i−C膜、ダイヤモ
ンド状炭素膜、アモルファスダイヤモンド膜、ダイヤモ
ンド薄膜とも呼ばれる)からなっている。
硬質炭素膜の一つの特長は気相成長膜であるがため
に、後述するように、その諸物性が製膜条件によって広
範囲に制御できることである。従って、絶縁膜といって
もその抵抗値は半絶縁体〜絶縁体領域までをカバーして
おり、この意味では本発明で用いられるMIM素子は、特
開昭61−275819号公報に記載されているところのMSI素
子(Metal−Semi−Insulator)や、SIS素子(半導体−
絶縁体−半導体からなる素子であり、ここでの半導体は
不純物を高濃度でドープさせたものである)等を含めて
位置付けられるものである。
また、本発明での絶縁基板には高分子材料が用いら
れ、より低コスト、薄型、軽量、耐衝撃性の液晶パネル
が得られる。しかし、その反面、高分子材料の特質とし
て剛性が弱く薄過ぎると基板が撓んでしまい、或いは、
バンドリングが難しいため微細加工(MIM作製時あるい
はコモンライン作製時)に寸法精度が悪くなる、加
工(エッチング)不良が多くなる等の問題がある。
第1図に高分子基板の厚さと寸法精度及び不良発生率
との関係を示した。これより高分子基板の厚さが700μ
m以上であれば実用上特に問題を生じさせないことがわ
かる。
さらにプロセス上80℃、20分程度の熱処理をするため
に、少なくとも高分子基板のガラス転移温度(Tg)は60
℃以上でなければ基板が著しく変形し微細パターンの形
成は不可能に近い。また、液晶パネルとして表示のコン
トラスト比を20:1以上取るには、画素電極、偏光板、カ
ラーフィルターの光透過率などを考慮すると、少なくと
も高分子基板の透過率は80%以上(全可視光領域)であ
ることが望ましい。
これらの観点からすると、高分子基板(絶縁基板)の
具体的な材料としてはポリエステル(PET)、ポリサル
フォン(PES)、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボ
ネート、ポリアセテート等の使用が有利である。
次に第2図、第3図により能動素子(MIM素子)及び
これを用いた液晶表示装置の作製について述べる。
第2図は画素電極4がMIM素子に接続されている様子
を表わしたものである。このものは、まず、高分子基板
(図示されていない)上に、画素電極用透明電極材料を
蒸着、スパッタリング等の方法で堆積し、所定のパター
ンにパターニングして画素電極4を形成し、次に、蒸
着、スパッタリング等の方法で下部電極用導体薄膜を形
成し、ウェット又はドライエッチングにより所定のパタ
ーンにパターニングして下部電極となる第1導体7と
し、その上にプラズマCVD法、イオンビーム法等により
硬質炭素膜2を被覆後、ドライエッチング、ウェットエ
ッチング又はレジストを用いるリフトオフ法により所定
のパターンにパターンニングして絶縁膜とし、次にその
上に蒸着、スパッタリング等の方法によりバスライン用
導体薄膜を被覆し、所定のパターンにパターニングして
バスラインとなる第2導体6を形成し、最後に下部電極
7の不必要部分を除去し、透明電極パターンを露出さ
せ、画素電極4とする。この場合、MIM素子(能動素
子)5の構成はこれに限られるものではなく、MIM素子
の作成後、最上層に透明電極を設けたもの、透明電極が
上部又は下部電極を兼ねた構成のもの、下部電極の側面
にMIM素子を形成したもの等、種々の変形が可能であ
る。
ここで下部電極、上部電極及び透明電極の厚さは通
常、夫々数百〜数千Å、数百〜数千Å、数百〜数千Åの
範囲である。硬質炭素膜の厚さは100〜8000Å、望まし
くは200〜5000Å、さらに望ましくは300〜4000Åの範囲
である。
硬質炭素膜を用いたMIM素子を用いることにより、表
示品質の向上、低温での作製が可能となるだけでなく、
これまで耐熱性を配慮して絶縁基板にプラスチック材料
の使用が困難とされてきたのが条件つきであるが解消さ
れるようになった。
続いて、本発明で使用されるMIM素子の材料について
説明する。
下部電極となる第1導体7の材料としては、Al、Ta、
Cr、W、Mo、Pt、Ni、透明導電体等の種々の導電体が使
用される。
バスラインとなる第2導体6の材料としては、Al、C
r、Ni、Mo、Pt、Ag、透明導電体等種々の導電体が使用
されるが、I−V特性の安定性及び信頼性が特に優れて
いる点からNi、Pt、Agが好ましい。絶縁膜として硬質炭
素膜2を用いたMIM素子は電極の種類を変えても対称性
が変化せず、また の関係からプールフレンケル型の伝導をしていることが
判る。また、この事からこの種のMIM素子の場合、上部
電極と下部電極との組合せをどのようにしてもよいこと
が判る。しかし、硬質炭素膜と電極との密着力や界面状
態により素子特性(I−V特性)の劣化及び変化が生じ
る。これらを考慮すると、Ni、Pt、Agが良いことがわか
った。
本発明におけるMIM素子の電流−電圧特性は第4図の
ように示され、近似的には以下に示すような伝導式で表
わされる。
I=κexp(βV1/2) …(1) I:電流 V:印加電圧 κ:導電係数 β:プールフレン
ケル係数 n:キャリヤ密度 μ:キャリヤモビリティ q:電子の電
荷量 Φ:トラップ深さ ρ:比抵抗 d:硬質炭素膜の厚さ k:ボルツマン定数 T:雰囲気温度 εr:硬質炭素膜の誘
電率 ε0:真空誘電体 硬質炭素膜を形成するためには有機化合物ガス、特に
炭化水素ガスが用いられる。これら原料における相状態
は常温常圧において必ずしも気相である必要はなく、加
熱或は減圧等により溶融、蒸発、昇華等を経て気化し得
るものであれば、液相でも固相でも使用可能である。
原料ガスとしての炭化水素ガスについては、例えば、
CH4、C2H6、C3H8、C4H10等のパラフィン系炭化水素、C2
H4等のアセチレン系炭化水素、オレフィン系炭化水素、
アセチン系炭化水素、ジオレフィン系炭化水素、さらに
は芳香族炭化水素などすべての炭化水素を少なくとも含
むガスが使用可能である。
さらに、炭化水素以外でも、例えば、アルコール類、
ケトン類、エーテル類、エステル類、CO、CO2等、少な
くとも炭素元素を含む化合物であれば使用可能である。
本発明における原料ガスからの硬質炭素膜の形成方法
としては、成膜活性種が直流、低周波、高周波、或いは
マイクロ波等を用いたプラズマ法により生成されるプラ
ズマ状態を経て形成される方法が好ましいが、より大面
積化、均一性向上、低温製膜の目的で、低圧下で堆積を
行なうため、磁界効果を利用する方法がさらに好まし
い。もっとも、高温における熱分解によっても活性種を
形成できる。
その他にも、イオン化蒸着法、或いはイオンビーム蒸
着法等により生成されるイオン状態を経て硬質炭素膜が
形成されてもよいし、真空蒸着法、或いはスパッタリン
グ法等により生成される中性粒子から形成されてもよい
し、さらには、これらの組み合わせにより製膜がなされ
てもよい。
こうして作製される硬質炭素膜の堆積条件の一例はプ
ラスマCVD法の場合、概ね次の通りである。
RF出力:0.1〜50W/cm2 圧 力:10-3〜10Torr 堆積温度:室温〜950℃(このような広い範囲を採用
できるが、好ましくは室温〜300℃であり、更に好まし
くは室温〜150℃である。) このプラズマ状態により原料ガスがラジカルとイオン
とに分解され反応することによって、基板上に炭素原子
Cと水素原子Hとからなるアモルファス(非晶質)及び
微結晶質(結晶の大きさは数10Å〜数μm)の少なくと
も一方を含む硬質炭素膜が堆積する。硬質炭素膜の諸特
性を表−1に示す。
こうして形成される硬質炭素膜はIR吸収法及びラマン
分光法による分析の結果、夫々、第5図及び第6図に示
すように炭素原子がSP3の混成軌道とSP2の混成軌道とを
形成した原子間結合が混在していることが明らかになっ
ている。SP3結合とSP2結合との比率は、IRスペクトルを
ピーク分離することで概ね推定できる。IRスペクトルに
は、2800〜3150cm-1に多くのモードのスペクトルが重な
って測定されるが、夫々の波数に対応するピークの帰属
は明らかになっており、第7図の如くガウス分布によっ
てピーク分離を行ない、夫々のピーク面積を算出し、そ
の比率を求めればSP3/SP2比を知ることができる。
また、X線及び電子線回折分析によればアモルファス
状態(a−C:H)あるいは数10Å〜数μm程度の微結晶
粒を含むアモルファス状態にあることが判っている。
一般に量産に適しているプラズマCVD法の場合には、R
F出力が小さいほど膜の比抵抗値および硬度が増加し、
低圧力なほど活性種の寿命が増加するために基板温度の
低温化、大面積での均一化が図れ、かつ、比抵抗及び硬
度が増加する傾向が認められる。更に、低圧力ではプラ
ズマ密度が減少するため、磁場閉じ込め効果を利用する
方法は、比抵抗の増加には特に効果的である。
さらに、この方法は常温〜150℃程度の比較的低い温
度条件でも同様に良質の硬質炭素膜を形成できるという
特徴を有しているため、MIM素子製造プロセスの低温化
には最適である。従って、使用する基板材料の選択自由
度が広がり、基板温度をコントロールし易いために大面
積に均一な膜が得られるという特長をもっている。ま
た、硬質炭素膜の構造、物性等は表−1に示したよう
に、広範囲に制御可能であるため、デバイス特性を自由
に設計できる利点もある。さらには、膜の誘電率も2〜
6と従来MIMに使用されていた。Ta2O5,Al2O3,SiNXと比
較して小さいため、同じ電気容量をもった素子を作る場
合、素子サイズが大きくてすむので、それほど微細加工
を必要とせず、歩留まりが向上する(駆動条件の関係か
らLCDとMIM素子との容量比はCLCD:CMIM=10:1程度必要
である)。
また、前述したように素子急峻性 であるため、誘電率が小さければ急峻性は大きくなり、
オン電流Ionとオフ電流Ioffとの比が大きくとれるよう
になる。このため、より低デューティ比でのLCD駆動が
可能となり、高密度のLCDが実現できる。さらに、硬質
炭素膜の硬度が高いため、液晶材料封入時のラビング工
程による損傷が少なく、この点からも歩留まりが向上す
る。以上の点を鑑みるに、硬質炭素膜を使用すること
で、低コスト、階調性(カラー化)、高密度のLCDが実
現できる。
さらにこの硬質炭素膜は炭素原子及び水素原子の他
に、周期律表第III族元素、同第IV族元素、同第V族元
素、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、窒素原
子、酸素元素、カルコゲン系元素又はハロゲン原子を構
成元素として含んでもよい。構成元素の1つとして周期
律表第III族元素、同じく第V元素、アルカリ金属元
素、アルカリ土類金属元素、窒素原子又は酸素原子を導
入したものは硬質炭素膜の膜厚をノンドープのものに比
べて約2〜3倍に厚くすることができ、またこれにより
素子作製時にピンホールの発生を防止すると共に、素子
の機械的強度を飛躍的に向上することができる。更に窒
素原子又は酸素原子の場合は以下に述べるような周期律
表第IV族元素等の場合と同様な効果がある。
同様に周期律表第IV族元素、カルコゲン系元素又はハ
ロゲン元素を導入したものは硬質炭素膜の安定性が飛躍
的に向上すると共に、膜の硬度も改善されることも相ま
って高信頼性の素子が作製できる。これらの効果が得ら
れるのは第IV族元素及びカルコゲン系元素の場合は硬質
炭素膜中に存在する活性な2重結合を減少させるからで
ある。またハロゲン元素の場合は、1)水素に対する引
抜き反応により原料ガスの分解を促進して膜中にダング
リングボンドを減少させ、2)成膜過程でハロゲン元素
XがC−H結合中の水素を引抜いてこれと置換し、C−
X結合として膜中に入り、結合エネルギーを増大させる
(C−H間及びC−X間の結合エネルギーはC−X間の
方が大きい)からである。
これらの元素を膜の構成元素とする為には、原料ガス
としては炭化水素ガス及び水素の他に、周期律表第III
族元素、同第IV族元素、同第V族元素、アルカリ金属元
素、アルカリ土類金属元素、窒素原子、酸素原子、カル
コゲン系元素又はハロゲン元素を含む化合物(又は分
子)(以下、これらを「他の化合物」ということもあ
る)のガスが用いられる。
ここで周期律表第III族元素を含む化合物としては、
例えばB(OC2H5、B2H6、BCl3、BBr3、BF3、Al(O
−i−C3H7、(CH33Al、(C2H53Al、(i−C4H
93Al、AlCl3、Ga(O−i−C3H7、(CH33Ga、
(C2H53Ga、GaCl3、GaBr3、(O−i−C3H7、I
n、(C2H53In等がある。
周期律表第IV族元素を含む化合物としては、例えばSi
H4、Si2H6、Si3H8、(C2H53SiH、SiF4、SiH2Cl2、Si
(OCH3、Si(OC2H5、Si(OC3H7、GeCl4、G
eH4、Ge(OC2H5、Ge(C2H5、(CH34Sn、(C2
H54Sn、SnCl4等がある。
周期律表第V族元素を含む化合物としては、例えば、
PH3、PF3、PF5、PCl2F3、PCl2F、PCl3、PBr3、PO(OC
H3、P(C2H5、POCl3、AsH3、AsCl3、AsBr3、A
sF3、AsF5、AsCl3、SbH3、SbF3、SbCl3、Sb(OC2H5
等がある。
アルカリ金属原子を含む化合物としては、例えばLiO
−i−C3H7、NaO−i−C3H7、KO−i−C3H7等がある。
アルカリ土類金属原子を含む化合物としては、例えば
Ca(OC2H5、Mg(O2H5、(C2H52Mg等がある。
窒素原子を含む化合物としては例えば窒素ガス、アン
モニア等の無機化合物、アミノ基、シアノ基等の官能基
を有する有機化合物及び窒素を含む複素環等がある。
酸素原子を含む化合物としては、例えば酸素ガス、オ
ゾン、水(水蒸気)、過酸化水素、一酸化炭素、二酸化
炭素、亜酸化炭素、一酸化窒素、二酸化窒素、三酸化二
窒素、五酸化二窒素、三酸化窒素等の無機化合物、水酸
基、アルデヒド基、アシル基、ケトン基、ニトロ基、ニ
トロソ基、スルホン基、エーテル結合、エステル結合、
ペプチド結合、酸素を含む複素環等の官能基或いは結合
を有する有機化合物、更には金属アルコキシド等が挙げ
られる。
カルコゲン系元素を含む化合物としては、例えばH
2S、(CH3)(CH24S(CH24CH3、CH2=CHCH2SCH2CH
=CH2、C2H5SC2H5、C2H5SCH3、チオフェン、H2Se、(C2
H52Se、H2Te等がある。
また、ハロゲン元素を含む化合物としては、例えば弗
素、塩素、臭素、沃素、弗化水素、弗化塩素、弗化臭
素、弗化沃素、塩素水素、塩化臭素、塩化沃素、臭化水
素、臭化沃素、沃化水素等の無機化合物、ハロゲン化ア
ルキル、ハロゲン化アリール、ハロゲン化スチレン、ハ
ロゲン化ポリメチレン、ハロホルム等の有機化合物が用
いられる。
実際に、本発明の液晶表示装置をつくるには、まず絶
縁基板1′上に共通電極4′用の透明導体たとえばIT
O、ZnO:Al、ZnO:Si、SnO2、In2O3等をスパッタリング、
蒸着等の方法で数百Åから数μm厚に堆積させ、ストラ
イプ状にパターニングして共通電極4′とする。この共
通電極4′を設けた絶縁基板1′と先にMIM素子をマト
リックス状に設けた高分子基板1との各々の表面にポリ
イミドの様な配向材8を付け、ラビング処理を行ない、
シール材を取付け、ギャップ材9を入れてギャップを一
定にし、液晶3を封入して液晶表示装置とする(第3
図)。
〔発明の効果〕
本発明に係る液晶表示装置によれば下記のような効果
がもたらされる。
絶縁膜を硬質炭素膜とすることで、 1)プラズマCVD法等の気相合成法で作成されるため、
成膜条件によって物性が広範に制御でき、従ってデバイ
ス設計上の自由度が大きい、 2)硬質でしかも厚膜にできるため、機械的損傷を受け
難く、また厚膜化によるピンホールの減少も期待でき
る、 3)室温付近の低温においても良質な膜を形成できるの
で、基板材質に制約がない、 4)膜厚、膜質の均一性に優れているため、薄膜デバイ
ス用として適している、 5)誘電率が低いので、高度の微細加工技術を必要とせ
ず、従って素子の大面積化に有利であり、さらに誘電率
が低いので素子の急峻性が高くIon/Ioff比がとれるの
で、低デューテイ比での駆動が可能である、 また、絶縁基板を特定の高分子材料TOすることで、上
記1)〜5)をそこなわず、 6)ガラス基板より軽い液晶表示装置となる、 7)耐衝撃性がありよい薄い表示となり、 8)液晶材料との屈折率差が小さく、収差の少ない好画
質となる、 等である。
【図面の簡単な説明】
第1図は高分子基板の厚さと寸法精度及び不良発生率と
の関係を表わしたグラフである。 第2図はMIM素子と画像電極とが連続している状態を表
わした図である。 第3図は液晶表示装置の一部切欠斜視図である。 第4図は本発明におけるMIM素子の電流−電圧特性図で
ある。 第5図、第6図及び第7図は本発明における硬質炭素膜
の性質を説明するための図である。 1……高分子基板、1′……絶縁基板、2……硬質炭素
膜 3……液晶、4……画素電極、4′……共通電極 5……能動素子、6……第2導体(バスライン) 7……第1導体(下地電極)、8……配向膜 9……ギャップ材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榎本 孝道 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平2−110522(JP,A) 特開 平3−9325(JP,A) 特開 昭62−138833(JP,A) 特開 昭56−14282(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/1333 G02F 1/1337

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の絶縁基板間に液晶材料を挟持してな
    り、かつ、少なくとも一方の基板上に設けられた複数個
    の画素電極の各々に少なくとも1つの導体−絶縁膜−導
    体からなる能動素子が接続されているアクティブ・マト
    リクス型液晶表示装置において、前記絶縁基板はその少
    なくとも一方が厚さ700μm以上、ガラス転移温度60℃
    以上、可視光透過率80%以上である高分子板であり、ま
    た、前記絶縁膜は硬質炭素膜であることを特徴とする液
    晶表示装置。
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