JPH05256629A - シート状物体の表面凹凸縞検査装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、微小な凹凸の検出や縞の方向に関
わらずに検出可能な、シート状物体の表面凹凸縞検査装
置を提供することにある。 【構成】 本発明の表面凹凸縞検査装置は、ほぼ平行光
を検査対象に照射する照明、検査対象表面で反射された
反射光が投影されるスクリーンと、スクリーン上の投影
像を撮像し、画像信号を得るＣＣＤカメラと、検査対象
の表面性状により変化する反射強度分布パターンから検
査対象の表面凹凸縞を検査する検査手段を備えた表面凹
凸縞検査装置において、ＣＣＤカメラによって撮像され
た画像の縞の方向を求め、求められた縞の方向が予め定
められた方向に一致するように画像をアフイン変換等に
よって回転し回転された画像をもとに表面凹凸の検査を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、表面処理鋼板・ステン
レス鋼板・プラスティック等のシート状物体の表面の微
小な凹凸を高感度・高速に検査するシート状物体の表面
凹凸縞検査装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】表面処理鋼板・ステンレス鋼板・プラス
ティック等の比較的反射率の高いシート状物体の表面凹
凸を、走行中に検査する手段として、直線状の光源（例
えば、蛍光灯）で照射して、シート状物体の表面で反射
した虚像を観測する方法がある。本発明に関連するもの
として特公平３−１１４０６号公報に記載の発明や、特
開昭６２−６２２０５号公報に記載の発明がある。この
方法は、凹凸縞とほぼ直交する方向から平行光を当てた
場合にシート状物体の表面に凹凸があると、反射光が歪
んで観測されることを利用した方法である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】表面処理鋼板・ステン
レス鋼板では、圧延工程にて、圧延ロールが微小振動
（チャタリング）をおこすと、鋼板の表面に微細な横縞
（チャタマーク）が発生する。この縞は、ピッチが２ｍ
ｍで高さ０．３μｍ程度と、微細でかつ非常に小さな傾
斜を持ったうねりのため、直線状の光源からの光の反射
光の歪みでは検出出来ない。

【０００４】また、プラスティック板の製造工程でも、
シワが発生する。このシワは、方向が一定でない。直線
状の光源と直交する方向のシワは検出可能であるが、平
行に近いシワは検出出来ない。

【０００５】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたもので、微小な凹凸の検出や縞の方向に関
わらずに検出可能なシート状物体の表面凹凸縞検査装置
を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の表面凹凸縞検査装置は、光源と前記光源から
の光を集光しほぼ平行な光を得る光学系を有する照明手
段と、照明手段から検査対象に照射され検査対象表面で
反射された反射光が投影されるスクリーンと、スクリー
ン上の投影像を撮像し、画像信号を得る撮像手段と、検
査対象の表面性状により変化する反射強度分布パターン
から検査対象の表面凹凸縞を検査する検査手段を備えた
表面凹凸縞検査装置において、撮像手段によって撮像さ
れた画像の縞の方向を求め、求められた縞の方向が予め
定められた方向に一致するように画像を回転し画像出力
を検査装置に供給する画像処理手段を設けた。

【０００７】

【作用】照明手段は光源からの光をレンズ系で集光し、
ほぼ平行光にして、検査対象に照射する。その反射光が
スクリーンで受光されると、検査対象の表面性状により
スクリーン上の反射強度分布パターンが決まる。このス
クリーン像を、撮像手段で撮像する。画像処理手段は撮
像画像信号を二値化し、縞の部分を抽出し、縞のモーメ
ント（主軸）を求めることによって縞の方向を決定す
る。求められた縞の方向と予め定められた方向の差を求
め、その差分だけ撮像画像を回転させ、画像出力を検査
装置に供給する。検査装置では、縞の強度を評価するあ
たり、周波数分析等の手法で縞の異常を検出する。

【０００８】

【実施例】図１に、本発明のシート状物体の表面凹凸縞
検査装置の一実施例の構成を示す。

【０００９】本実施例の表面凹凸縞検査装置は光源１、
平行光を得るレンズ２、反射光が投影されるスクリーン
３、スクリーン３上の画像を撮像する２次元ＣＣＤカメ
ラ４、画像処理部５からなる。画像処理部５は二値化や
ノイズ除去、濃度変換、モーメント検索、高速フーリエ
変換（ＦＦＴ）や、アフイン変換等の処理を高速に行う
ための装置である。

【００１０】光源１からの光はレンズ２によって平行光
に変換された後検査対象物６に照射される。検査対象物
６で反射された光はスクリーン３に投射されスクリーン
３上には検査対象物６の表面凹凸に応じた反射光の強度
分布ムラが発生する。検査対象物６のへこんだ箇所は、
凹面鏡として作用し、入射光を集光するので、スクリー
ン３上では明るくなる。逆に凸部分は凸面鏡として作用
し、入射光を分散するので、スクリーン３上では暗くな
る。これを、２次元のＣＣＤカメラ４で撮像し、５１２
×５１２画素のデジタルデータとし画像処理部５に入力
する。

【００１１】画像処理部５では、鋼板のチャタマークの
発生方向は、板幅方向に限定されているので、Ｘ軸方向
に投影すると、縞情報が強調される。この投影データを
フーリエ変換する。フーリエ変換の結果からパワースペ
クトルを求め、そのピークパワーを求める。また特定の
周波数成分だけを残して逆フーリエ変換を行いその波形
の、長さ・面積を求める。パワースペクトルのピークパ
ワー，時系列データの長さ・面積が凹凸縞の強度とな
る。凹凸縞の強度の大小に応じて検査対象の良否が判定
される。

【００１２】プラスティック板シワの場合は、凹凸縞の
発生方向が一定でないため、投影する方向が事前には判
からない。そこで、原画像データを二値化し、各縞領域
の面積、重心を求め、各縞領域のモーメント（主軸）を
求める。代表的な縞領域のモーメントの平均から縞の発
生方向を求め、この軸が水平方向（Ｘ軸方向）と同じに
なるようにアフイン変換により回転を行う。

【００１３】図２はＣＣＤカメラ４で撮像された原画像
を二値化した画像の図である。この画像を孤立点除去
し、図３に示す画像を得る。この画像の縞模様のモーメ
ントを求めアフイン変換により図４に示すＸ軸方向にモ
ーメントを一致させた画像を得る。その後、鋼板のチャ
タマーク同等の手法で解析・評価する。

【００１４】また、鋼板のチャタマーク・プラスティッ
ク板のシワいずれでも、ここまでの解析を実施せず画像
データを全体の輝度平均値を基準として、そのＡ％増レ
ベル以上の明るい箇所（凹部分）の有無・及び、逆にＢ
％減以下の暗い箇所（凸部分）の有無のみを判定するこ
とも可能である。ここでＡ及びＢは検査対象によって予
め定められる定数である。

【００１５】プラスティック板の例で説明したが、必ず
しも縞の発生方向が一定していない検査対象について本
発明が適用可能である。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、従来よ
り微細な凹凸縞の検出が可能である。また、凹凸縞の発
生方向に関係なく、高精度な検出が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の構成図である。

【図２】ＣＣＤカメラ４で撮像された原画像を二値化し
た画像の図である。

【図３】孤立点除去された画像の図である。

【図４】画像の縞模様のモーメントを求めアフイン変換
後の画像を示す図である。

【符号の説明】

１ 光源 ２ レンズ ３ スクリーン ４ ２次元のＣＣＤカメラ ５ 画像処理部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光源と前記光源からの光を集光しほぼ平
   行な光を得る光学系を有する照明手段と、 前記照明手段から検査対象に照射され検査対象表面で反
   射された反射光が投影されるスクリーンと、 前記スクリーン上の投影像を撮像し、画像信号を得る撮
   像手段と、 検査対象の表面性状により変化する反射強度分布パター
   ンから検査対象の表面凹凸縞を検査する検査手段を備え
   た表面凹凸縞検査装置において、 前記撮像手段によって撮像された画像の縞の方向を求
   め、求められた縞の方向が予め定められた方向に一致す
   るように前記画像を回転し画像出力を前記検査装置に供
   給する画像処理手段を備えたことを特徴とするシート状
   物体の表面凹凸縞検査装置。