JPH05255088A - 抗潰瘍剤含有製剤 - Google Patents

抗潰瘍剤含有製剤

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JPH05255088A
JPH05255088A JP27373692A JP27373692A JPH05255088A JP H05255088 A JPH05255088 A JP H05255088A JP 27373692 A JP27373692 A JP 27373692A JP 27373692 A JP27373692 A JP 27373692A JP H05255088 A JPH05255088 A JP H05255088A
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JP
Japan
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sodium
aluminum hydroxide
undercoating
enteric
coprecipitate
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JP27373692A
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English (en)
Inventor
Naohiro Oishi
直寛 大石
Toshiyuki Shibata
祀行 柴田
Kuniki Ikeda
国樹 池田
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Welfide Corp
Original Assignee
Welfide Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 抗潰瘍作用を有する酸に不安定なベンズイ
ミダゾール系化合物を含む核部分に1〜2層のアンダー
コーティング層を被覆し、さらにその上に腸溶性コーテ
ィング剤を被覆してなる腸溶製剤において、核部分およ
び/またはアンダーコーティング層に水酸化アルミニウ
ム・炭酸水素ナトリウム共沈物、または前記化合物と緩
衝剤を配合させてなることを特徴とする腸溶製剤。 【効果】 長期にわたって着色しないなど、保存安定
性が極めて良好で、かつ過酷な条件下における長期保存
下においても、溶出性が悪化しない安定な抗潰瘍剤含有
製剤が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は安定性および溶出性が改
善された抗潰瘍剤含有製剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】H+
−K+ ATPase阻害作用を有する2−〔(2−ピリジル)
メチルスルフィニル〕ベンズイミダゾール系化合物(以
下、単にベンズイミダゾール系化合物と称することもあ
る)は胃酸分泌を強力に抑制する消化性潰瘍治療剤とし
て有用である。その作用は強力かつ持続的であるため、
シメチジン等のヒスタミンH2 受容体拮抗剤に変わる次
世代の消化性潰瘍治療剤として注目されている。特に、
特開昭54−141783号公報、特開昭61−509
78号公報、特開平1−6270号公報等に記載された
ベンズイミダゾール系化合物の胃酸分泌抑制作用は強力
であり、臨床上の有用性が確認されている。
【0003】しかしながら、これらベンズイミダゾール
系化合物の安定性は悪く、固体状態では温度、湿度、光
に対して不安定で、また酸性から中性域の水溶液中で
は、速やかに分解し、著しく着色する。また、錠剤、細
粒剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤などの製剤では製剤処
方中の他成分に影響されて不安定になり、経日的な含量
低下、着色変化が生じる。さらに、これらの製剤のうち
錠剤、顆粒剤にコーティングを施す場合には、腸溶性基
剤(セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチルセ
ルロースアセテートサクシネート、メタアクリル酸・ア
クリル酸共重合物など)との配合性も悪く含量低下、着
色を生じる。このようにベンズイミダゾール系化合物の
経口用製剤を製造するには、他成分の配合および腸溶剤
のコーティングが必要であるにもかかわらず、前記のよ
うに安定性に悪影響をおよぼすため、製剤化が困難であ
った。したがって、これらの化合物を経口投与形態に製
剤化するに当たっては、これらを適切に安定化させる必
要がある。
【0004】これまでに、抗潰瘍作用を有するベンズイ
ミダゾール系化合物の安定な製剤を得るために、ベンズ
イミダゾール系化合物に安定化剤としてマグネシウムお
よび/またはカルシウムの塩基性無機塩(重質炭酸マグ
ネシウム、酸化マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、水
酸化カルシウムなど)を均一に接触させる方法が知られ
ている(特公平3−38247号公報)。特公平3−3
8247号公報によると、保存下での製剤の外観と含量
(残存率)の変化が測定され、外観変化もなく、含量も
安定であったことが報告されている。しかし、本発明者
らがその公報に記載の方法に準じてオメプラゾールの腸
溶性錠剤を製造し、安定性試験を行ったところ、腸溶性
コーティング剤の影響により、着色および含量低下が著
しく、十分に安定な製剤は得られないことを確認した。
また、特開昭62−283964号公報により、ベンズ
イミダゾール誘導体に対して5重量%以上の塩基性物質
(アルカリ金属、アルカリ土類金属、もしくはアルミニ
ウムからなる群より選ばれる金属の水酸化物もしくは無
機弱酸との塩)を含む組成物が開示され、また保存安定
性の結果(残存量)が報告されているが、これに腸溶性
コーティング剤を被覆した場合、安定な腸溶性製剤が得
られないことは上記と同様に明らかである。
【0005】一方、これらの問題点を解決した新規製剤
として特開昭62−258320号公報により、活性
成分を含む核部分、その上に1層以上からなる中間被
覆層、および腸溶皮膜の3層からなる経口医薬製剤に
おいて、核部分にアルカリ化合物(酸化マグネシウム、
水酸化マグネシウムなど)、かつ中間被覆層にpH緩衝
性アルカリ化合物〔酸化マグネシウム、水酸化マグネシ
ウムまたは複合物質(Al2O3 ・6MgO・CO2 ・12H2O また
はMgO ・Al2O3 ・2SiO2 ・nH2O ,nは2未満の非整数で
ある)〕を含有させてなる腸溶性の内服用新規医薬製剤
が開示されている。この製剤は核部分にアルカリ化合物
を含有させ、さらに、核部分と腸溶皮膜の間にpH緩衝
性アルカリ化合物を含む中間被覆層を有していることに
特徴がある。本出願人はこの中から最もよいアルカリ化
合物として水酸化マグネシウムを、中間層のpH緩衝性
アルカリ化合物として合成ヒドロタルサイトを選択し
て、安定なオメプラゾール製剤を製造販売している。し
かしながら、この錠剤においては、第1中間被覆層、第
2中間被覆層の製造過程でその皮膜形成性が悪く、部分
的に剥離が生じたり、また脆さのために製造中の衝撃で
皮膜が欠損し、当該中間被覆層の不完全なものが混在す
ることが生じた。その結果、腸溶皮膜が核錠に直接接触
して、部分的に褐変した不良錠が混入するという問題が
生じた。さらに、該製剤は高温高湿下で保存すると錠剤
の崩壊遅延、溶出悪化をきたすという問題点も有してい
た。従って、このように安定性が改良された製剤ではあ
るが、その製造工程中では不良品が出やすく、また流通
過程においては厳密な防湿包装が施されているのが現状
であり、経済的にも好ましくない。以上の点から、良好
な保存安定性はもちろん、製造時におけるコーティング
工程が円滑に行え、かつ耐湿性、溶出性の点においても
すぐれた特性を有する製剤の開発が希求されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な事情に鑑み、抗潰瘍作用を有する酸に不安定なベンズ
イミダゾール系化合物のより有用な製剤を開発すること
を目的として、種々の物質を用いて鋭意研究を行ったと
ころ、安定化剤として水酸化アルミニウム・炭酸水素ナ
トリウム共沈物を、さらに、それに緩衝剤を配合するこ
とによって、上記課題が解決できることを見出し、本発
明を完成させるに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(1)抗潰瘍作用を
有する酸に不安定な2−〔(2−ピリジル)メチルスル
フィニル〕ベンズイミダゾール系化合物を含む核部分に
1〜2層のアンダーコーティング層を被覆し、さらに、
その上に腸溶性コーティングを被覆してなる腸溶製剤に
おいて、核部分および/またはアンダーコーティング層
に水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物を配
合させることを特徴とする安定性および溶出性が改善さ
れた腸溶製剤、および(2)抗潰瘍作用を有する酸に不
安定な2−〔(2−ピリジル)メチルスルフィニル〕ベ
ンズイミダゾール系化合物を含む核部分に1〜2層のア
ンダーコーティング層を被覆し、さらに、その上に腸溶
性コーティングを被覆してなる腸溶製剤において、核部
分および/またはアンダーコーティング層に安定化剤と
して水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物お
よび緩衝剤を配合させることを特徴とする腸溶製剤に関
する。
【0008】本発明において、抗潰瘍作用を有する酸に
不安定な2−〔(2−ピリジル)メチルスルフィニル〕
ベンズイミダゾール系化合物は、具体的には前記各公開
公報等に記載された化合物であって、たとえばオメプラ
ゾール (5−メトキシ−2−〔〔(4−メトキシ−
3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチル〕スルフィニ
ル〕−1H−ベンズイミダゾール)、ランソプラゾール
(2−〔〔〔3−メチル−4−(2,2,2−トリフ
ルオロエトキシ)−2−ピリジル〕メチル〕スルフィニ
ル〕−1H−ベンズイミダゾール)、2−〔〔4−(3
−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル〕
メチルスルフィニル〕−1H−ベンズイミダゾール、2
−〔(3,5−ジメチル−4−メトキシ−2−ピリジ
ル)メチルスルフィニル〕−1H−ベンズイミダゾー
ル、6−メチル−2−〔(3−メチル−2−ピリジル)
メチルスルフィニル〕−1H−ベンズイミダゾール−5
−カルボン酸メチル、5−メチル−2−〔(3,5−ジ
メチル−2−ピリジル)メチルスルフィニル〕−1H−
ベンズイミダゾール、2−〔(4−メトキシ−2−ピリ
ジル)メチルスルフィニル〕−5−トリフルオロメチル
−1H−ベンズイミダゾール、2−〔(4−メトキシ−
3−メチル−2−ピリジル)メチルスルフィニル〕−5
−トリフルオロメチル−1H−ベンズイミダゾール、2
−〔(5−エチル−4−フェノキシ−2−ピリジル)メ
チルスルフィニル〕−5−メトキシ−1H−ベンズイミ
ダゾール、5−メトキシ−2−〔(4−フェノキシ−2
−ピリジル)メチルスルフィニル〕−1H−ベンズイミ
ダソール、2−〔(3−メチル−4−(2−(N−ベン
ジル−N−メチルアミノ)エトキシ)−2−ピリジル)
メチルスルフィニル〕−1H−ベンズイミダゾール、2
−〔(3−メチル−4−(2−モルホリノエトキシ)−
2−ピリジル)メチルスルフィニル〕−1H−ベンズイ
ミダゾールまたは2−〔(3−メチル−4−(2−
(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イ
ル)エトキシ)−2−ピリジル)メチルスルフィニル〕
−1H−ベンズイミダゾール等があげられ、有効成分と
して前記化合物を核部分に1〜50mg、好ましくは5
〜30mgを含有させる。
【0009】核部分における水酸化アルミニウム・炭酸
水素ナトリウム共沈物の配合量は、ベンズイミダゾール
系化合物1重量部に対して0.1〜20重量部が望まし
い範囲であるが、これに限定されるものではない。上記
安定化剤は製薬上汎用されている添加剤、たとえば乳
糖、マンニット、トウモロコシデンプン、結晶セルロー
ス等の賦形剤、ヒドロキシプロピルセルロース等の結合
剤、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキ
シメチルスターチナトリウム(商品名:エクスプロタ
ブ、木村産業)、カルボキシメチルセルロースカルシウ
ム等の崩壊剤、ラウリル硫酸ナトリウム、ツィーン80
(商品名)等の界面活性剤、ステアリン酸マグネシウ
ム、タルク等の滑沢剤などと共に添加することができ
る。崩壊剤としては、カルボキシメチルスターチナトリ
ウムが望ましい。
【0010】本発明の安定化剤である水酸化アルミニウ
ム・炭酸水素ナトリウム共沈物は水に非常に難溶性であ
るため、湿式造粒時においてベンズイミダゾール系化合
物または各種賦形剤、糊料、滑沢剤などの製剤加工原料
の液性(pH)の影響を受けてベンズイミダゾール系化
合物の安定化が不十分な場合は、水溶性の緩衝剤を併用
することによりその安定性を向上させることができる。
緩衝剤としては酒石酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリ
ウム、ポリリン酸カリウム、リン酸水素二カリウム、ピ
ロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、リン酸水素
二ナトリウム、リン酸三ナトリウムまたはリン酸三カリ
ウムが挙げられる。また、その配合量はベンズイミダゾ
ール系化合物1重量部に対して、緩衝剤0.01〜2重
量部が望ましい範囲であるが、これに限定されるもので
はない。
【0011】本発明による製剤の核部分はベンズイミダ
ゾール系化合物、安定化剤である水酸化アルミニウム・
炭酸水素ナトリウム共沈物、または前記化合物と緩衝
剤、さらに必要により上記の添加剤を加えて均一に混和
することによって得られるが、その混和方法は、たとえ
ば予めベンズイミダゾール系化合物に安定化剤を混和し
たものに添加剤を混和してもよいし、ベンズイミダゾー
ル系化合物と添加剤を混和したものに安定化剤を添加し
てもよい。得られた混合物を湿式造粒法により粉粒体と
し、次いで打錠して錠剤用の基錠が得られる。あるいは
混合物を湿式練合したのち押出し造粒機を用いて造粒
し、次いでマルメライザー(富士パウダル製)により顆
粒剤用の核顆粒とすることができる。
【0012】このようにして得られた核部分(基錠、核
顆粒)上に1〜2層のアンダーコーティング層を被覆
し、アンダーコーティング層中に安定化剤として水酸化
アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、または前記
化合物と緩衝剤を配合させることができる。アンダーコ
ーティング用剤としてはポリマー、好ましくはヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチン等から選ばれ
る製薬上許容されうる水溶性ポリマー、または白糖、マ
ンニット、乳糖などの糖が用いられ、他にタルク、酸化
チタン、軽質無水ケイ酸などの添加物も添加することが
できる。アンダーコーティング層は2層からなることが
好ましく、核部分に近い側のアンダーコーティング層が
水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、ポリ
マーまたは糖、およびタルク等の添加物からなり、腸溶
被膜に近い側のアンダーコーティング層がポリマーまた
は糖、および必要に応じてタルク等の添加物からなるこ
とがより好ましい。アンダーコーティング層における安
定化剤の配合量は核部分100重量部に対して0.01
〜10重量部が望ましい範囲であるが、これに限定され
るものではない。
【0013】このようにして得られた製剤中間品に腸溶
性コーティングを被覆することによって腸溶製剤とする
ことができる。腸溶性コーティングとしては、セルロー
スアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロースフタレート、ヒドロキシメチルセルロースアセ
テートサクシネート、メタアクリル酸・アクリル酸共重
合物(商品名:オイドラギット)等が用いられ、可塑
剤、つや出し剤なども添加できる。
【0014】以上のように、核部分、アンダーコーティ
ング層および腸溶性コーティング層の3層からなる製剤
において、核部分および/またはアンダーコーティング
層に制酸剤である水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリ
ウム共沈物を配合させることが重要であり、いずれの構
成要件を欠いても目的とする製剤は得られない。すなわ
ち、核部分に多孔性の水酸化アルミニウム・炭酸水素ナ
トリウム共沈物を含有させることによって親水性が増加
し、核部分の崩壊性が高まり、その結果、高温、加湿下
の過酷条件下で長期間保存しても、溶出性の悪化は生じ
ない。特開昭62−258320号公報の製剤のアンダ
ーコーティング層に核部分に配合した水酸化マグネシウ
ムを添加すると、腸溶剤コーティング層に悪影響を及ぼ
す。それを回避するために、その発明の最もよい製剤で
はアンダーコーティング層に合成ヒドロタルサイトを用
いている。一方、本願発明ではアンダーコーティング層
中に核部分に配合した水酸化アルミニウム・炭酸水素ナ
トリウム共沈物を添加する。そうすると、アンダーコー
ティング用剤(ヒドロキシプロピルメチルセルロースな
ど)による膜の形成性は合成ヒドロタルサイトなどの他
のpH緩衝性アルカリ化合物を添加する場合に比較して
良好である。また、この水酸化アルミニウム・炭酸水素
ナトリウム共沈物およびタルクを添加することによっ
て、アンダーコーティングの製造過程での滑りがよくな
り、衝撃が少なくなることによって、膜の欠損発生が抑
制され、その結果、褐変不良錠が生じなくなる。なお、
水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物は酸に
対して強い中和作用を有するため、核部分に対する腸溶
性コーティング剤の影響を完全に抑えることを可能にす
る。
【0015】以上のようにして、経口投与に適した剤形
である腸溶性の錠剤、顆粒剤を得ることができ、また顆
粒剤をカプセルに充填してカプセル剤とすることができ
る。このようにして得られた製剤は、次のような特徴を
有する。 (1)過酷条件下に長期間保存しても外観上、全く悪化
がみられず、ベンズイミダゾール系化合物含量の低下も
ほとんどない。 (2)高温加湿下においても崩壊性がよく、溶出性の悪
化は起こらない。 (3)アンダーコーティング層の皮膜形成性にすぐれ
る。従って、製造工程における不良品が少なくなり、コ
スト低減につながる。 (4)製品の包装を軽減できる。また、薬局等での開封
後の安定性をより長く保証できるようになる。
【0016】本発明の製剤はすぐれた胃酸分泌抑制作
用、抗潰瘍作用を有し、ヒトを含む哺乳動物の消化器潰
瘍等の治療に用いることができる。
【0017】
【実施例】以下に、参考例、実施例および実験例をあげ
て本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0018】参考例1 基錠における安定化剤として水酸化マグネシウムを、ア
ンダーコーティング層における安定化剤として合成ヒド
ロタルサイトを用いた腸溶性錠剤を、特開昭62−25
8320号公報に記載の方法に準じて、次のようにして
製造した。錠剤135mg当たりオメプラゾール20m
gおよびアルカリ化合物として水酸化マグネシウムを含
有する錠剤をロータリー式打錠機により製造した。この
ようにして得た錠剤(基錠)を、合成ヒドロタルサイト
0.3mg含有するヒドロキシプロピルメチルセルロー
スからなるアンダーコーティング液により第一層アンダ
ーコーティング、その上にヒドロキシプロピルメチルセ
ルロースのみからなるアンダーコーティング液により第
二層アンダーコーティングを施し、次いでヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースフタレートからなる腸溶コーテ
ィング液により腸溶コーティングを行い、腸溶錠剤を得
た。
【0019】実施例1 下記組成物を練合機に取り、約20分間混合した後、適
量の精製水を加えて練合し、押出し造粒機(スクリーン
径1.0mm)で造粒した後、マルメライザー(富士パ
ウダル製)で球状の顆粒を得る。この顆粒を流動乾燥機
中で給気温度50℃で30分間乾燥し、篩を用いて14
〜24メッシュの核顆粒を得た。 オメプラゾール 5.0mg 水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物 5.0mg 結晶セルロース 4.0mg 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 4.0mg ヒドロキシプロピルセルロース 0.5mg マンニット 56.5mg ─────────────────────────────────── 計 75.0mg
【0020】得られた核顆粒に下記組成のコーティング
を施し、腸溶性の顆粒を得た。アンダーコーティング
1、2は流動噴霧乾燥機(大川原製)中で給気温度75
℃、排気温度45℃で行い、腸溶コーティングは給気温
度65℃、排気温度40℃でコーティングを行った。 核顆粒 75.5mg アンダーコーティング1 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.5mg 水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物 1.5mg タルク 0.5mg 精製水 (64.5mg) ─────────────────────────────────── 計 5.5mg アンダーコーティング2 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.5mg 酸化チタン 2.5mg タルク 0.5mg 精製水 (64.5mg) ─────────────────────────────────── 計 6.5mg 腸溶コーティング ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 10.7mg セタノール 0.5mg タルク 1.8mg メチレンクロライド (33.0mg) エタノール (86.0mg) 精製水 (33.0mg) ─────────────────────────────────── 計 13.0mg
【0021】実施例2 下記組成のうちオメプラゾール、水酸化アルミニウム・
炭酸水素ナトリウム共沈物、乳糖、カルボキシメチルス
ターチナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびヒド
ロキシプロピルメチルセルロースを均一に混合し、それ
に適量の精製水を加えて、練合を行った後、流動乾燥機
中、給気温度50℃で30分間乾燥した。乾燥した造粒
末を24メッシュの篩で整粒し、ステアリン酸マグネシ
ウムを加え混合後、ロータリー式打錠機で1錠当たり1
35mgの錠剤(基錠)を製造した。 オメプラゾール 20.0mg 水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物 15.0mg 乳糖 91.2mg カルボキシメチルスターチナトリウム 7.5mg ラウリル硫酸ナトリウム 0.3mg ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.5mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg ─────────────────────────────────── 計 135.0mg
【0022】得られた錠剤(基錠)に下記組成のコーテ
ィングを施して、腸溶錠を得た。アンダーコーティング
1、2はハイコーター(フロイント産業製)を用い、給
気温度70℃、排気温度40℃、パン回転数15rpm
でコーティングを施した。腸溶コーティングは給気温度
55℃、排気温度37℃でコーティングを行った。 基錠 135.0mg アンダーコーティング1 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.2mg 水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物 0.3mg タルク 0.1mg 精製水 (23.0mg) ─────────────────────────────────── 計 1.6mg アンダーコーティング2 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.1mg 酸化チタン 1.0mg タルク 0.1mg 精製水 (56.0mg) ─────────────────────────────────── 計 4.1mg 腸溶コーティング ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 2.9mg セタノール 0.1mg タルク 0.2mg エタノール (35.0mg) 精製水 (10.0mg) ─────────────────────────────────── 計 3.2mg ──────────────────────────────────── 合 計 144.0mg
【0023】実験例1 参考例1と本発明の処方である実施例2で得られた腸溶
性の錠剤について、製剤特性および保存安定性を調べた
ところ、表1、表2に示すように、両者に差はみられな
かった。
【0024】
【表1】 表1 製剤特性 ──────────────────────────────────── 参考例1 実施例2 ──────────────────────────────────── 重量(mg) 143.0 144.0 直径(mm) 7.13 7.13 厚さ(mm) 3.23 3.24 硬度(kp) 13.0 14.0 ──────────────────────────────────── 崩壊(日局12) 第1液(2時間後の耐性) 適合 適合 第2液 4.7分 5.8分 ──────────────────────────────────── 溶出(第2液、パドル法、100rpm) 10分 89.3% 96% 20分 100.4% 100.3% ──────────────────────────────────── 耐1液性(第1液、パドル法、100rpm) 2時間後の主薬残存率 99.8% 99.9% ────────────────────────────────────
【0025】
【表2】 表2 安定性 ──────────────────────────────────── 参考例1 実施例2 保存条件 ──────────────────────── 外観 含量(%) 外観 含量(%) ──────────────────────────────────── 初期 白色 99.7 白色 99.7 ──────────────────────────────────── 40℃、1ケ月 白色 99.3 白色 99.6 40℃、2ケ月 白色 100.0 白色 99.5 ──────────────────────────────────── 60℃、2週間 白色 99.3 白色 99.5 60℃、1ケ月 白色 99.5 白色 99.2 ──────────────────────────────────── 40℃、75%RH 、2週間 白色 99.3 白色 99.5 40℃、75%RH 、1ケ月 白色 99.3 白色 99.3 ────────────────────────────────────
【0026】実験例2 参考例1および実施例2で得られたオメプラゾールの腸
溶錠について、25℃、85%および40℃、82%R
H(相対湿度)の条件下でそれぞれ2週間保存した後の
日本薬局方第2液(pH約6.8)における溶出率を測
定した。その結果を図1〜図4に示す。図1、図3から
明らかなように、参考例1の腸溶錠は25℃、85%
(図1)および40℃、82%RH(図3)保存下で、
著しい溶出性の悪化がみられた。一方、図2、図4から
明らかなように、実施例2の腸溶錠では25℃、85%
(図2)および40℃、82%RH(図4)の2週間保
存下でも溶出性の悪化は認められなかった。
【0027】参考例2 下記組成からなるランソプラゾールの腸溶錠を参考例1
の方法に準じて製造する。 基錠 ランソプラゾール 20.0mg 水酸化マグネシウム 10.0mg 乳糖 73.5mg カルボキシメチルスターチナトリウム 5.0mg ラウリル硫酸ナトリウム 0.2mg ヒドロキシプロピルセルロース 0.8mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg ─────────────────────────────────── 計 110.0mg アンダーコーティング1 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.0mg 合成ヒドロタルサイト 0.2mg タルク 0.1mg 精製水 (20.0mg) ─────────────────────────────────── 計 1.3mg アンダーコーティング2 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.6mg 酸化チタン 0.8mg タルク 0.1mg 精製水 (45.0mg) ─────────────────────────────────── 計 3.5mg 腸溶コーティング ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 2.5mg セタノール 0.1mg タルク 0.1mg エタノール (30.0mg) 精製水 ( 8.5mg) ─────────────────────────────────── 計 2.7mg ──────────────────────────────────── 合 計 117.5mg
【0028】参考例3 下記組成からなる2−〔(3,5−ジメチル−4−メト
キシ−2−ピリジル)メチルスルフィニル〕−1H−ベ
ンズイミダゾール(化合物1と称する)の腸溶錠を参考
例1の方法に準じて製造する。 基錠 化合物1 20.0mg 水酸化マグネシウム 20.0mg 乳糖 31.0mg 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0mg ヒドロキシプロピルセルロース 0.7mg ステアリン酸マグネシウム 0.3mg ─────────────────────────────────── 計 80.0mg アンダーコーティング1 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.8mg 合成ヒドロタルサイト 0.15mg タルク 0.05mg 精製水 (20.0mg) ─────────────────────────────────── 計 1.0mg アンダーコーティング2 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.4mg タルク 0.1mg 精製水 (45.0mg) ─────────────────────────────────── 計 2.5mg 腸溶コーティング ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 2.0mg セタノール 0.8mg タルク 0.7mg エタノール (30.0mg) 精製水 ( 8.5mg) ─────────────────────────────────── 計 3.5mg ──────────────────────────────────── 合 計 87.0mg
【0029】化合物1に代えて2−〔〔4−(3−メト
キシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル〕メチル
スルフィニル〕−1H−ベンズイミダゾール(化合物
2)を用いた腸溶錠も同様に製造する。
【0030】実施例3 下記組成からなるランソプラゾールの腸溶錠を実施例2
の方法に準じて製造する。 基錠 ランソプラゾール 20.0mg 水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物 10.0mg 乳糖 73.5mg カルボキシメチルスターチナトリウム 5.0mg ラウリル硫酸ナトリウム 0.2mg ヒドロキシプロピルセルロース 0.8mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg ─────────────────────────────────── 計 110.0mg アンダーコーティング1 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.0mg 水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物 0.2mg タルク 0.1mg 精製水 (20.0mg) ─────────────────────────────────── 計 1.3mg アンダーコーティング2 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.6mg 酸化チタン 0.8mg タルク 0.1mg 精製水 (45.0mg) ─────────────────────────────────── 計 3.5mg 腸溶コーティング ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 2.5mg セタノール 0.1mg タルク 0.1mg エタノール (30.0mg) 精製水 ( 8.5mg) ─────────────────────────────────── 計 2.7mg ──────────────────────────────────── 合 計 117.5mg
【0031】実施例4 下記組成からなる2−〔(3,5−ジメチル−4−メト
キシ−2−ピリジル)メチルスルフィニル〕−1H−ベ
ンズイミダゾール(化合物1)の腸溶錠を実施例2の方
法に準じて製造する。 基錠 化合物1 20.0mg 水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物 20.0mg 乳糖 31.0mg 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.0mg ヒドロキシプロピルセルロース 0.7mg ステアリン酸マグネシウム 0.3mg ─────────────────────────────────── 計 80.0mg アンダーコーティング1 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.8mg 水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物 0.15mg タルク 0.05mg 精製水 (20.0mg) ─────────────────────────────────── 計 1.0mg アンダーコーティング2 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.4mg タルク 0.1mg 精製水 (45.0mg) ─────────────────────────────────── 計 2.5mg 腸溶コーティング ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 2.0mg セタノール 0.8mg タルク 0.7mg エタノール (30.0mg) 精製水 ( 8.5mg) ─────────────────────────────────── 計 3.5mg ──────────────────────────────────── 合 計 87.0mg
【0032】化合物1に代えて2−〔〔4−(3−メト
キシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジル〕メチル
スルフィニル〕−1H−ベンズイミダゾール(化合物
2)を用いた腸溶錠も同様に製造する。
【0033】実験例3 参考例2、実施例3で得られるランソプラゾールの腸溶
錠および参考例3、実施例4で得られる化合物1、化合
物2の腸溶錠について、実験例1、実験例2と同様の試
験を行うと、いずれの錠剤においても良好な保存安定性
と、溶出特性の改善効果が得られる。
【0034】実施例5 オメプラゾールの安定化に水酸化アルミニウム・炭酸水
素ナトリウム共沈物を用いた下記組成の基錠を、実施例
2に準じて湿式造粒法で製造した。 基錠 オメプラゾール 20.0mg 水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物 10.0mg 乳糖 95.7mg カルボキシメチルスターチナトリウム 7.5mg ラウリル硫酸ナトリウム 0.3mg ヒドロキシプロピルセルロース 1.0mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg ──────────────────────────────────── 計 135.0mg この基錠に下記組成のアンダーコーティング1、アンダ
ーコーティング2および腸溶コーティングを実施例2に
準じた方法によりコーティングを施した。 アンダーコーティング1 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.2mg 水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物 0.3mg タルク 0.1mg 精製水 (23.0mg) ─────────────────────────────────── 計 1.6mg アンダーコーティング2 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.1mg 酸化チタン 1.0mg タルク 0.1mg 精製水 (56.0mg) ─────────────────────────────────── 計 4.2mg 腸溶コーティング ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 2.9mg セタノール 0.1mg タルク 0.2mg エタノール (35.0mg) 精製水 (10.0mg) ─────────────────────────────────── 計 3.2mg ──────────────────────────────────── 合 計 144.0mg
【0035】一方、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナト
リウム共沈物の代わりに水酸化マグネシウム、酸化マグ
ネシウムまたは水酸化カルシウムをそれぞれ用いて湿式
造粒法で基錠を製造した後、同様にフィルムコーティン
グを施して腸溶錠を得た。以上のようにして得られた腸
溶錠を、50℃、75%RH、1週間または40℃、7
5%RH、2週間保存した後、日本薬局方に準じて、試
験液に第2液を用い、補助盤を使用せずに、錠剤の崩壊
時間を測定した。その結果を表3に示す。
【0036】
【表3】 表 3 ──────────────────────────────────── 崩壊時間(分) 安定化剤 ──────────────────── 初期値 50℃,75%RH, 40℃,75%RH, 1 週間 2 週間 ──────────────────────────────────── 本発明 水酸化アルミニウム・ 炭酸水素ナトリウム 4.0 3.5 3.9 共沈物 ──────────────────────────────────── 対照 水酸化マグネシウム 3.0 29.0 7.5 〃 酸化マグネシウム 25.0 30以上 30 以上 〃 水酸化カルシウム 20.0 22.0 30 以上 ────────────────────────────────────
【0037】水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム
共沈物を用いた本発明の腸溶錠は、調製時(初期)およ
び高温加湿保存下ともに良好な崩壊性を示した。一方、
水酸化マグネシウムを用いたものは、高温加湿下で、著
しく崩壊性が悪化した。また、酸化マグネシウム、水酸
化カルシウムを用いた腸溶錠は調製時点から崩壊性が悪
かった。
【0038】実施例6 下記組成物を練合機に取り、約20分間混合した後、適
量の精製水を加えて練合し、押出し造粒機(スクリーン
径1.0mm)で造粒した後、マルメライザー(富士パ
ウダル製)で球状の顆粒を得る。この顆粒を流動乾燥機
中で給気温度50℃で約30分間乾燥し、篩を用いて1
4〜24メッシュの核顆粒を得た。 オメプラゾール 5.0mg 水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物 5.0mg リン酸三ナトリウム(Na3PO4・12H2O) 0.5mg 結晶セルロース 4.0mg 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 4.0mg ヒドロキシプロピルセルロース 0.5mg マンニット 56.0mg ──────────────────────────────────── 計 75.0mg
【0039】得られた核顆粒に下記組成のコーティング
を施し、腸溶性の顆粒を得た。アンダーコーティング
1、2は流動噴霧乾燥機(大川原製)中で給気温度75
℃、排気温度45℃で行い、腸溶コーティングは給気温
度65℃、排気温度40℃でコーティングを行った。 核顆粒 75.0mg アンダーコーティング1 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.5mg 水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物 1.5mg タルク 0.5mg 精製水 (64.5mg) ──────────────────────────────────── 計 5.5mg アンダーコーティング2 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.5mg 酸化チタン 2.5mg タルク 0.5mg 精製水 (64.5mg) ──────────────────────────────────── 計 6.5mg 腸溶コーティング ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 10.7mg セタノール 0.5mg タルク 1.8mg メチレンクロライド (33.0mg) エタノール (86.0mg) 精製水 (33.0mg) ──────────────────────────────────── 計 13.0mg
【0040】参考例4 実施例6において、核顆粒に配合した水酸化アルミニウ
ム・炭酸水素ナトリウム共沈物とリン酸三ナトリウムの
代わりにマンニットを用いて実施例6と同様に核顆粒を
調整した。次に、アンダーコーティング1に配合した水
酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物の代わり
にタルクを追加配合した以外は実施例6と同様にしてコ
ーティングを行い、オメプラゾールの腸溶顆粒を得た。
【0041】実験例4 実施例6および参考例4で得たオメプラゾールの腸溶顆
粒をガラスビンに入れ、60℃密栓または40℃、75
%RH開放の条件下に2週間保存した。その外観変化を
表4に示す。
【0042】
【表4】 表 4 ─────────────────────────────────── 開始時 60℃密栓 40℃,75%開放 ─────────────────────────────────── 実施例6 白 白 白 参考例4 淡褐 褐 褐 ───────────────────────────────────
【0043】表4から明らかなように、核顆粒に水酸化
アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物と緩衝剤、か
つアンダーコーティング層に水酸化アルミニウム・炭酸
水素ナトリウム共沈物を添加した実施例6の腸溶顆粒は
過酷条件下においても外観の変化がみられなかった。
【0044】実施例7 下記組成のうちオメプラゾール、水酸化アルミニウム・
炭酸水素ナトリウム共沈物、乳糖、カルボキシメチルス
ターチナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびヒド
ロキシプロピルセルロースを均一に混合し、それにピロ
リン酸ナトリウムを溶解した適量の精製水を加えて、練
合を行った後、流動乾燥機中で50℃、30分間乾燥し
た。乾燥した造粒末を24メッシュの篩で整粒し、ステ
アリン酸マグネシウムを加え混合後、ロータリー式打錠
機で1錠当たり135mgの錠剤(基錠)を製造した。 オメプラゾール 20.0mg 水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物 20.0mg ピロリン酸ナトリウム 2.0mg 乳糖 83.2mg カルボキシメチルスターチナトリウム 8.0mg ラウリル硫酸ナトリウム 0.3mg ヒドロキシプロピルセルロース 1.0mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg ──────────────────────────────────── 合 計 135.0mg
【0045】得られた錠剤(基錠)に下記組成物のコー
ティングを施して、腸溶錠を得た。アンダーコーティン
グ1、2はハイコーター(フロイント産業)を用い、給
気温度70℃、排気温度40℃、パン回転数13rpm
でコーティングを施した。腸溶コーティングは給気温度
55℃、排気温度37℃でコーティングを行った。 基錠 135.0mg アンダーコーティング1 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.4mg 水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物 0.4mg タルク 0.1mg 精製水 (23.0mg) ──────────────────────────────────── 計 1.9mg アンダーコーティング2 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.1mg 酸化チタン 1.0mg 精製水 (56.0mg) ──────────────────────────────────── 計 4.1mg 腸溶コーティング ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 3.1mg セタノール 0.2mg タルク 0.2mg エタノール (35.0mg) 精製水 (10.0mg) ──────────────────────────────────── 計 3.5mg ──────────────────────────────────── 合 計 144.5mg
【0046】このようにして得られたオメプラゾールの
腸溶錠について、25℃、85%RHおよび40℃、8
2%RHの条件下でそれぞれ2週間保存した後の日本薬
局方第2液(pH約6.8)における溶出率を測定し
た。その結果を図5と図6に示す。図5、6から明らか
なように、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共
沈物と緩衝剤(ピロリン酸ナトリウム)を用いた本発明
の腸溶錠は、高温加湿下に保存しても調製時と変わらな
い、良好な溶出性を示した。
【0047】実施例8 下記組成からなるオメプラゾールの腸溶錠を実施例7の
方法に準じて製造する。 基錠 オメプラゾール 20.0mg 水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物 13.0mg ピロリン酸ナトリウム 2.0mg 乳糖 83.0mg カルボキシメチルスターチナトリウム 8.0mg ラウリル硫酸ナトリウム 0.3mg ヒドロキシプロピルセルロース 1.0mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg ──────────────────────────────────── 計 135.0mg アンダーコーティング1 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 1.4mg 水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物 0.4mg タルク 0.1mg 精製水 (23.0mg) ──────────────────────────────────── 計 1.9mg アンダーコーティング2 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.1mg 酸化チタン 1.0mg 精製水 (56.0mg) ──────────────────────────────────── 計 4.1mg 腸溶コーティング ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 3.1mg セタノール 0.2mg タルク 0.2mg エタノール (35.0mg) 精製水 (10.0mg) ──────────────────────────────────── 計 3.5mg ──────────────────────────────────── 合 計 144.5mg 得られたオメプラゾール腸溶錠について、保存下におけ
る安定性試験および溶出試験を行ったところ、良好な保
存安定性と高い溶出率が得られる。
【0048】
【発明の効果】抗潰瘍作用を有する酸に不安定なベンズ
イミダゾール系化合物を含む核部分、1〜2層からなる
アンダーコーティング層および腸溶性コーティング層か
らなる腸溶製剤において、核部分および/またはアンダ
ーコーティング層に水酸化アルミニウム・炭酸水素ナト
リウム共沈物、または前者に緩衝剤を配合させることに
より、長期にわたって着色しないなど保存安定性が極め
て良好で、かつ過酷な条件下における長期保存において
も、溶出性が悪化しない安定な抗潰瘍剤含有製剤を得る
ことができる。さらに、本発明製剤は皮膜形成性にすぐ
れ、製造時における不良品を抑えることができる。これ
らのことから、従来の製剤に比べてよりすぐれた特性を
有する製剤が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1で得られたオメプラゾール錠剤の溶出
プロファイルを示した図である。
【図2】実施例2で得られた本発明のオメプラゾール錠
剤の溶出プロファイルを示した図である。
【図3】参考例1で得られたオメプラゾール錠剤の溶出
プロファイルを示した図である。
【図4】実施例2で得られた本発明のオメプラゾール錠
剤の溶出プロファイルを示した図である。
【図5】実施例7で得られた本発明のオメプラゾール錠
剤の溶出プロファイルを示した図である。
【図6】実施例7で得られた本発明のオメプラゾール錠
剤の溶出プロファイルを示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31:195) 8413−4C

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗潰瘍作用を有する酸に不安定な2−
    〔(2−ピリジル)メチルスルフィニル〕ベンズイミダ
    ゾール系化合物を含む核部分に1〜2層のアンダーコー
    ティング層を被覆し、さらにその上に腸溶性コーティン
    グを被覆してなる腸溶製剤において、核部分および/ま
    たはアンダーコーティング層に水酸化アルミニウム・炭
    酸水素ナトリウム共沈物を配合させることを特徴とする
    安定性および溶出性が改善された腸溶製剤。
  2. 【請求項2】 核部分における2−〔(2−ピリジル)
    メチルスルフィニル〕ベンズイミダゾール系化合物1重
    量部に対して、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウ
    ム共沈物が0.1〜20重量部であることを特徴とする
    請求項1記載の製剤。
  3. 【請求項3】 アンダーコーティング層における水酸化
    アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物の配合量が核
    部分100重量部に対して0.01〜10重量部である
    ことを特徴とする請求項1記載の製剤。
  4. 【請求項4】 アンダーコーティング層に水酸化アルミ
    ニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物とタルクを配合する
    ことを特徴とする請求項1記載の製剤。
  5. 【請求項5】 抗潰瘍作用を有する酸に不安定な2−
    〔(2−ピリジル)メチルスルフィニル〕ベンズイミダ
    ゾール系化合物を含む核部分の上に1〜2層のアンダー
    コーティング層を被覆し、さらにその上に腸溶性コーテ
    ィングを被覆してなる腸溶製剤において、核部分および
    /またはアンダーコーティング層に安定化剤として水酸
    化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物と緩衝剤を
    配合させることを特徴とする安定性および溶出性が改善
    された腸溶製剤。
  6. 【請求項6】 2−〔(2−ピリジル)メチルスルフィ
    ニル〕ベンズイミダゾール系化合物1重量部に対して、
    水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物が0.
    1〜20重量部、緩衝剤が0.01〜2重量部であるこ
    とを特徴とする請求項5記載の製剤。
  7. 【請求項7】 緩衝剤が酒石酸ナトリウム、酢酸ナトリ
    ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ポリリン
    酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリ
    ウム、ピロリン酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、
    リン酸水素二カリウム、リン酸三ナトリウムまたはリン
    酸三カリウムである請求項5記載の製剤。
JP27373692A 1991-11-05 1992-09-17 抗潰瘍剤含有製剤 Pending JPH05255088A (ja)

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