JPH05254287A - 保護膜付き券紙並びにその製造方法およびその製造装置 - Google Patents

保護膜付き券紙並びにその製造方法およびその製造装置

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JPH05254287A
JPH05254287A JP4089792A JP8979292A JPH05254287A JP H05254287 A JPH05254287 A JP H05254287A JP 4089792 A JP4089792 A JP 4089792A JP 8979292 A JP8979292 A JP 8979292A JP H05254287 A JPH05254287 A JP H05254287A
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JP
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protective film
heat
printing
ticket
paper
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JP4089792A
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Akinori Ueda
章則 上田
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Shibaura Mechatronics Corp
Original Assignee
Shibaura Engineering Works Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低コストで耐久性に富んだ券紙を提供し、自
動券売機の汎用性を高め、耐久性を保持しながら券紙の
使用度数や仕様を表現し、再生可能な保護膜付き券紙を
提供する。 【構成】 少なくとも片面に感熱剤11が塗布された印
刷基材10に熱を加えて情報16を印刷した後に、この
印刷基材を保護膜12により被覆することにより保護膜
付き券紙15を得る。保護膜付き券紙は加熱することに
より発色する度数表示部20を有し、この度数表示部を
構成する感熱剤は熱的可逆性を有する。保護膜付き券紙
の製造装置は、印刷基材の供給ロール1と、情報を印刷
するサーマルヘッド3と、印刷後の印刷基材を被覆する
保護膜の供給ロール5,6と、この保護膜を前記印刷基
材に固定する接着手段13とを有する。保護膜付き券紙
の使用目的により、前記保護膜の供給ロールからの保護
膜の供給、停止を制御する制御手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、券売機により発券され
た券紙並びにその製造方法およびその製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の自動券売機では、券紙ロールから
供給された券紙に顧客の操作に応じた印刷を施した後
に、所定の大きさに切断して発券される。券紙の表面に
は予め感熱剤が塗布されており、この感熱剤層の表面に
サーマルヘッドを押し当てて部分的に熱を加えることに
より感熱剤が発色して印刷が行われるようになってい
る。このような感熱発色による印字方式は、インクリボ
ンをサーマルヘッドと印刷紙との間に配してインクリボ
ンを紙に転写する感熱転写方式や、インクを多数の噴射
孔から印刷紙に吹き付けるインクジェット方式に比べて
印字コストが廉価であるという利点があるものの、画像
安定性の点で問題があった。
【0003】すなわち、印刷された券紙などは、使用者
により把持されて種々の使用に供されるが、感熱剤が塗
布された感熱面が露出していることから、使用者の体温
や把持した際の摩擦熱などによって発色することがあ
り、本来印刷された情報が消失してしまうことも少なく
なかった。したがって、券紙としての寿命が短く、感熱
発色による印字方式を採用した自動券売機により発券さ
れた券紙は、専ら使用環境が穏やかな室内での使用(例
えば食堂で使用される食券など)に限定せざるを得なか
った。
【0004】ところで、回数券や定期券等は、遊園地や
スキー場などのレジャー施設、電車やバスなどの輸送施
設等でも使用される機会があるが、例えば、スキー場で
使用されるリフト回数券などは使用期間は短いものの、
使用条件が過酷であり、一方、電車やバスの定期券や回
数券などは、使用条件はスキー場ほど過酷ではないにし
ても、長期間にわたり使用されることが多いので、何れ
にしても、使用される回数券や定期券には、優れた耐水
性、耐薬品性、耐折曲性などが要求される。したがっ
て、従来では、このような過酷な条件下で使用される回
数券や定期券等には上述した券紙を用いることができ
ず、樹脂製のカード等が用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発券作
業を効率化するために樹脂製カードを自動券売機により
発券しようとすると、カードへの印刷機構やカードの切
断機構が複雑になり、自動券売機が大型かつ高コストな
装置になるという問題があった。また、使用されるカー
ド自体が高コストになるという問題もあった。さらに、
このような樹脂製カードの回数券や定期券を使用環境が
穏やかな室内で使用することは、過剰品質となってコス
ト的に問題があるため、樹脂製カードを発券する自動券
売機の使用場所が限定されてしまい、自動券売機として
の汎用性にも問題があった。そこで本発明者は、印刷さ
れる感熱紙を保護膜で被覆することにより耐水性、耐薬
品性、耐折曲性等の諸特性を付与する構成とし、同時に
感熱紙が有する特質に着目して、保護膜を破壊すること
なく券紙の使用度数や券紙の仕様を表現し得る手段を鋭
意検討した結果、本発明を完成するに至った。
【0006】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、低コストで耐久性に富んだ
券紙を提供すると共に自動券売機の汎用性を高めること
を目的とし、さらに、耐久性を保持しながら券紙の使用
度数や仕様を表現し、再生可能な保護膜付き券紙を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の保護膜付き券紙は、少なくとも片面に感熱
剤が塗布された印刷基材と、この印刷基材を被覆する保
護膜とを有する保護膜付き券紙において、加熱すること
により発色する度数表示部を有することを特徴としてい
る。前記度数表示部を構成する感熱剤は熱的可逆性を有
することが好ましい。
【0008】また、本発明の保護膜付き券紙は、少なく
とも片面に情報が印刷された印刷基材と、この印刷基材
の表面に形成された感熱層と、これら印刷基材および感
熱層を被覆する保護膜とを有する保護膜付き券紙におい
て、前記感熱層は、所定温度未満では前記情報を隠蔽す
ると共に、所定温度以上では前記情報を透過することを
特徴としている。
【0009】さらに、本発明の保護膜付き券紙は、少な
くとも片面に感熱剤が塗布された印刷基材と、この印刷
基材を被覆する保護膜とを有する保護膜付き券紙におい
て、前記印刷基材を使用目的に応じた複数の領域に区画
し、これら各領域に感熱温度が異なる感熱剤をそれぞれ
塗布したことを特徴としている。
【0010】また、本発明の保護膜付き券紙の製造方法
は、少なくとも片面に感熱剤が塗布された印刷基材に熱
を加えて情報を印刷した後に、この印刷基材を保護膜に
より被覆することを特徴としている。前記保護膜には、
予め感熱剤を塗布しておくこともできる。
【0011】さらに、本発明の保護膜付き券紙の製造装
置は、少なくとも片面に感熱剤が塗布された印刷基材の
供給ロールと、この供給ロールから搬送された印刷基材
に熱を加えて情報を印刷するサーマルヘッドと、このサ
ーマルヘッドの下流に配設されて、印刷後の印刷基材を
被覆する保護膜の供給ロールと、この保護膜を前記印刷
基材に固定する接着手段とを有することを特徴としてい
る。保護膜付き券紙の使用目的により、前記保護膜の供
給ロールからの保護膜の供給、停止を制御する制御手段
を有することが好ましい。
【0012】
【作用】印刷基材への印刷は保護膜を被覆する前に行わ
れ、券紙の使用目的に応じた印刷が施される。この印刷
を行った後に保護膜で印刷基材を被覆しているので、耐
水性、耐薬品性、耐屈曲性に富んだ券紙を提供すること
ができ、過酷な条件下での使用にも耐えることができ
る。
【0013】また、印刷基材を保護膜で被覆した状態
で、使用度数に応じて順次度数表示部を加熱してゆけ
ば、券紙の耐久性を保持したままで現在の使用度数を表
示することができる。このとき、熱的可逆性を有する感
熱剤により度数表示部を構成すれば、使用度数が限度と
なっても再び元の発色前状態に復元することができ再利
用に供することが可能となる。
【0014】さらに、印刷基材に形成する感熱層が、所
定温度未満では印刷基材上の情報を隠蔽すると共に、所
定温度以上では情報を透過する性質を備えた感熱剤によ
り構成し、印刷基材上の情報を隠蔽した状態で印刷基材
を保護膜で被覆すれば、発券時においては情報を読み取
ることができないが、保護膜で被覆した状態のまま券紙
を所定温度上で加熱すれば印刷基材に印刷された情報を
知ることができるようになる。
【0015】また、印刷基材を使用目的に応じた複数の
領域に区画し、これら各領域に感熱温度が異なる感熱剤
を塗布した券紙では、使用目的に応じて加熱温度を変化
させるだけで券紙の識別を容易に行うことができる。な
お、印刷基材を保護膜で被覆した状態で加えられる熱
は、印刷基材に塗布された感熱剤に対して行っても良
く、また、予め保護膜に塗布しておいた感熱剤に対して
行っても良い。
【0016】さらに、券紙の使用目的により保護膜の供
給ロールからの保護膜の供給、停止を制御する制御手段
を備えた保護膜付き券紙の製造装置では、比較的使用条
件が過酷なときには保護膜を供給して印刷基材を保護膜
で被覆し、比較的使用条件が穏やかなときには保護膜の
供給を停止して印刷基材のみの券紙とすることができ
る。したがって、一つの製造装置で保護膜付き券紙と保
護膜なしの券紙を得ることができ、汎用性に富んだ製造
装置を提供することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の一実施例に係る保護膜付き券紙
の製造方法および製造装置を示す概略図、図2は同実施
例により製造された保護膜付き券紙を示す縦断面図、図
3は本発明の保護膜付き券紙の一実施例を示す正面図、
図4は本発明の保護膜付き券紙の他の実施例を示す正面
図、図5は本発明の保護膜付き券紙のさらに他の実施例
の使用状態を示す図、図6は本発明の保護膜付き券紙の
さらに他の実施例を示す正面図である。
【0018】まず、図1および図2を参照しながら、本
実施例の保護膜付き券紙の製造方法と製造装置について
説明する。本実施例では感熱発色による印字方式を採用
しており、使用される感熱紙は、基紙を構成する印刷基
材10の表面に感熱剤からなる感熱層11が形成された
印刷紙である。感熱剤は染料と顕色材からなり、加熱溶
融によって無色のラクトン環が分解して黒色に発色する
性質を有している。このような感熱剤は、染料、顕色材
をそれぞれポリマー水溶液に溶解してサンドミル微粒化
し、これに増感材や添料等の分散物を配合することによ
り得られ、この感熱剤を印刷基材の原紙に塗布して平滑
化することにより感熱紙を得ることができる。なお、本
発明の感熱紙および感熱剤の構成は、上述した実施例の
みに限定されることなく、印刷基材10の少なくとも片
面に感熱剤が塗布されていれば良いので、他の公知の感
熱紙や感熱剤を用いても良い。
【0019】感熱紙9は、図1に示すようにロール状に
巻回された供給ロール1から図示しないシートフィーダ
により次工程に順次排出され、所定の大きさ、すなわち
使用目的に応じた券紙の大きさに切断される。この切断
を行うためのカッター2が感熱紙の供給ロール1の下流
側に設けられている。感熱紙の供給ロール1から排出さ
れた感熱紙は、印刷工程の加熱手段であるサーマルヘッ
ド3に送られる。このサーマルヘッド3の構造は、感熱
紙9の送り方向に対して複数のヘッドを横一列に配置
し、ヘッド側を固定して感熱紙側を順次送ってゆくライ
ンヘッド方式、あるいは、感熱紙側を固定して複数のヘ
ッドを縦一列に配置し、このヘッドを横方向に移動させ
ながら印刷するシリアルヘッド方式の何れの構造でも良
い。なお、図1において、「4」はサーマルヘッド3と
の間に感熱紙9を挟持するためのローラである。
【0020】このようにして所定の情報が印刷された感
熱紙9は、図示しないシートフィーダにより保護膜装着
工程に送られる。この保護膜装着工程には、感熱紙9の
表面を被覆する表面保護膜用供給ロール5と、感熱紙9
の裏面を被覆する裏面保護膜用供給ロール6とが設けら
れており、それぞれのガイドローラ7,8および図示し
ないシートフィーダによって搬送された感熱紙9を挟む
ように排出されるようになっている。
【0021】本実施例で用いられる保護膜用シート12
は、例えば、塩化ビニルやポリエチレン等の透明あるい
はそれに相当する透明性を有する、厚さが例えば30〜
150μmのシート状物であり、下流側に配設された接
着装置13によって上下のシートが融着する。なお、本
発明の保護膜用シート12は、上述した材料にのみ限定
されることなく、例えば不織布を基材としてアクリル、
EVA、合成ゴム、エポキシなどを接着剤にした熱接着
フィルム等を用いることも可能である。不織布にアクリ
ル接着剤を塗布したフィルムは熱活性であるものの常温
での感圧接着も可能である。したがって、このような常
温接着が可能な保護膜用シートを選択すれば、図1に示
す接着装置13は押しつけ用ローラのみで足る。また、
不織布に合成ゴム接着剤を塗布したフィルムは、低温で
被覆作業を行うことができ耐寒性に優れている。したが
って、スキー場などで用いられる券紙に適用すると好ま
しい。
【0022】上述した接着装置13は、選択する保護膜
用シート12の材質等の諸条件により、加熱手段を備え
たり、あるいは加熱手段を省略して押しつけローラのみ
で構成したりする。なお、図1において「14」は、感
熱紙9に保護膜12を被覆した券紙15を切断するカッ
ターである。
【0023】このように、本実施例の券紙の製造方法お
よび製造装置における印刷基材10への印刷は保護膜1
2を被覆する前に行われ、券紙15の使用目的に応じた
印刷が施される。そして、この印刷を行った後に保護膜
12で感熱紙9を被覆しているので、耐水性、耐薬品
性、耐屈曲性に富んだ券紙を提供することができ、過酷
な条件下での使用にも耐えることができる。特に、用い
られる保護膜12の材質を選択することにより耐寒性に
優れた券紙を提供することができる。また、厚い保護膜
等を使用すれば、保護膜上から熱を加えても感熱層に伝
達される熱が分散して印字がシャープでなくなり、これ
によって券紙の改ざんを防止することができる。
【0024】なお、本実施例の保護膜付き券紙の製造装
置を構成するにあたり、券紙の使用目的により保護膜の
供給ロール5,6からの保護膜の供給、停止を制御する
制御手段を設けておき、比較的使用条件が過酷なときに
は保護膜を供給して感熱紙9を保護膜12で被覆する一
方、比較的使用条件が穏やかなときには保護膜の供給を
停止して感熱紙9のみの券紙15とすることもできる。
この場合には、一つの製造装置で保護膜付き券紙と保護
膜なしの券紙を得ることができ、汎用性に富んだ製造装
置を提供することができる。
【0025】次に、本発明の製造方法および製造装置に
より製造された券紙について説明する。既述したよう
に、表面に感熱剤が塗布されて加熱発色により所定の印
刷16が施された感熱紙9は、図2に示すように保護膜
12にて被覆されており、耐水性、耐薬品性、耐屈曲性
等の耐久性に優れているが、このような券紙15を使用
するにあたり種々の構成を付加することが好ましい。
【0026】図3に示す実施例では、運送施設やレジャ
ー施設等で用いられる回数券を例示している。一般的
に、回数券は複数回分の券を綴り合わせたものであり、
使用するたびに使用済であることを示す切り込みを入れ
たり、あるいは、部分的に順次切断してゆく。しかしな
がら、保護膜12で被覆された券紙15に切り込みを入
れたり、部分的に切断すると、その切断面から水等が侵
入して保護膜の効果が半減することになる。そこで、本
実施例の回数券17では、印刷基材10に塗布された感
熱層11を利用して度数表示部18を形成し、使用する
たびにこの度数表示部18に順次熱を加えて発色させる
ようにしている。図3において「19」は、回数券を使
用する際に当該回数券を挿入する改札装置であり、図示
はしないが、度数表示部18に熱を加えるサーマルヘッ
ド等が設けられている。また、図3の右側に示す回数券
17は使用度数が2回であることを表示している(符号
20参照)。
【0027】このような回数券は使用度数が使用限界ま
で達すると廃棄されるが、図4に示す実施例では、度数
表示部18に使用する感熱剤を熱的可逆性を有するもの
とすることにより、回数券の再生を行えるようにしてい
る。すなわち、図4の左側に示す回数券17は度数表示
部18が全て発色して使用限界まで達したものであり、
これを再生装置21に挿入して度数表示部18に紫外線
を照射することにより、一度分解されたラクトン環を再
生成させる。なおこの場合、度数表示部以外の印刷を紫
外線から保護するために度数表示部以外の範囲をマスキ
ングしておく必要がある。また、この度数表示部18の
再生は、上述した紫外線の照射によるものに限定される
ことなく、例えばX線やγ線などのように高エネルギー
量の電磁波を照射するなど、他の公知手段により行うこ
ともできる。
【0028】なお、図3および図4に示す実施例では、
度数表示部18を構成する感熱剤を印刷基材に塗布形成
した感熱層11で共用しているが、厚い保護膜12を使
用した場合のように、保護膜12上からの加熱が充分に
感熱層11まで達し難い場合には、感熱紙9を被覆する
保護膜12の裏面等に別の感熱剤を塗布し、これにより
度数表示部18を構成しても良い。
【0029】感熱剤の発色を利用してさらに別の用途に
用いることができる券紙を提供することができる。図5
に示す実施例は、例えば、くじ引き券、おみくじ、数字
ゲームなどのように、発券したときには券紙に印刷した
情報を隠しておき、ある時点でこの情報を表示するよう
な券紙に適用する具体例である。すなわち、印刷基材2
2に種々の手法により印刷を施して情報23(図5の実
施例では数字情報「1234」)を入力し、この上から
当該情報を隠蔽する範囲に感熱剤を塗布する。この感熱
剤は塗布時においては高隠蔽性の色彩を呈するもので、
所定温度以上に加熱すると隠蔽性が低下して印刷基材に
印刷された情報23が透過し得る材料を用いれば良い。
例えば、液晶は温度変化によって光学的性質が変化する
ので(液晶の熱光学効果)、この性質を利用すれば良
い。また、加熱前は白濁しているが加熱することにより
透明となる合成樹脂などを用いることも可能である。本
発明では、印刷基材に印刷した情報を隠蔽できれば良い
ので、例えば印刷基材への印字の色彩とのコントラスト
上、高隠蔽性を有していれば良い。したがって、塗布時
における色彩が黒色でなくても印字色と同色であれば隠
蔽することができるので、このような色彩の感熱剤を用
いることができる。
【0030】印刷23を施した印刷基材22の表面に感
熱剤24(ハッチング部分)を塗布した後に、保護膜2
5を被覆して券紙26を得る。この状態で発券するが、
その後、印刷基材22に印刷した情報23を知りたいと
きは、感熱剤24に熱を加えるサーマルヘッド等を備え
た改札装置27に挿入して感熱剤を透明色に変色させ
る。これにより、予め印刷基材22に印刷された情報2
3が透過して現れると共に、この情報23は保護膜25
により保護されているので、過酷な条件下で券紙26を
取り扱っても破損等することはない。
【0031】さらに、図6に示す実施例では、印刷基材
10を例えば3つの領域イ,ロ,ハに区画して、これら
の領域イ,ロ,ハにそれぞれ発色温度が異なる感熱剤を
塗布しておく。図6に示す具体例では、領域イが70〜
80℃で赤色に発色する感熱剤、領域ロが80〜90℃
で青色に発色する感熱剤、領域ハが90〜100℃で緑
色に発色する感熱剤をそれぞれ塗布している。そして、
このような感熱剤を塗布した印刷基材10を保護膜12
で被覆して券紙28を得た後に、使用目的に応じて券売
機の最終工程に配設された加熱手段の加熱温度を変化さ
せる。例えば、度数Aの券紙である場合は領域イを発色
させ、度数Bの場合は領域ロ、度数Cの場合は領域ハと
すると、使用者が度数Aを購入しようとしたときには加
熱手段の加熱温度を70〜80℃に設定する。これによ
り、発券された券紙は領域イの部分のみが赤色に変色す
ることとなり、1種類の券紙で使用度数に応じた複数種
類の券紙を得ることができる。なお、この場合、具体的
構成は本実施例のみに限定されることなく種々に改変す
ることは可能である。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、印刷
を行った後に保護膜で印刷基材を被覆しているので、耐
水性、耐薬品性、耐屈曲性に富んだ券紙を提供すること
ができ、過酷な条件下での使用にも耐えることができ
る。また、印刷基材を保護膜で被覆した状態で、使用度
数に応じて順次度数表示部を加熱してゆけば、券紙の耐
久性を保持したままで現在の使用度数を表示することが
できる。このとき、熱的可逆性を有する感熱剤により度
数表示部を構成すれば、使用度数が限度となっても再び
元の発色状態に復元することができ再利用に供すること
が可能となる。さらに、印刷基材に形成する感熱層が、
所定温度未満では印刷基材上の情報を隠蔽すると共に、
所定温度以上では情報を透過する性質を備えた感熱剤に
より構成し、印刷基材上の情報を隠蔽した状態で印刷基
材を保護膜で被覆すれば、発券時においては情報を読み
取ることができないが、保護膜で被覆した状態のまま券
紙を所定温度上で加熱すれば印刷基材に印刷された情報
を知ることができるようになる。
【0033】また、印刷基材を使用目的に応じた複数の
領域に区画し、これら各領域に感熱温度が異なる感熱剤
を塗布した券紙では、使用目的に応じて加熱温度を変化
させるだけで券紙の識別を容易に行うことができる。さ
らに、券紙の使用目的により保護膜の供給ロールからの
保護膜の供給、停止を制御する制御手段を備えた保護膜
付き券紙の製造装置では、比較的使用条件が過酷なとき
には保護膜を供給して印刷基材を保護膜で被覆し、比較
的使用条件が穏やかなときには保護膜の供給を停止して
印刷基材のみの券紙とすることができる。したがって、
一つの製造装置で保護膜付き券紙と保護膜なしの券紙を
得ることができ、汎用性に富んだ製造装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る保護膜付き券紙の製造
方法および製造装置を示す概略図である。
【図2】同実施例により製造された保護膜付き券紙を示
す縦断面図である。
【図3】本発明の保護膜付き券紙の一実施例を示す正面
図である。
【図4】本発明の保護膜付き券紙の他の実施例を示す正
面図である。
【図5】本発明の保護膜付き券紙のさらに他の実施例の
使用状態を示す図である。
【図6】本発明の保護膜付き券紙のさらに他の実施例を
示す正面図である。
【符号の説明】
9…感熱紙 10…印刷基材 11…感熱層 12…保護膜 15…券紙

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも片面に感熱剤が塗布された印刷
    基材と、この印刷基材を被覆する保護膜とを有する保護
    膜付き券紙において、加熱することにより発色する度数
    表示部を有することを特徴とする保護膜付き券紙。
  2. 【請求項2】前記度数表示部を構成する感熱剤は熱的可
    逆性を有することを特徴とする請求項1に記載の保護膜
    付き券紙。
  3. 【請求項3】少なくとも片面に情報が印刷された印刷基
    材と、この印刷基材の表面に形成された感熱層と、これ
    ら印刷基材および感熱層を被覆する保護膜とを有する保
    護膜付き券紙において、前記感熱層は、所定温度未満で
    は前記情報を隠蔽すると共に、所定温度以上では前記情
    報を透過することを特徴とする保護膜付き券紙。
  4. 【請求項4】少なくとも片面に感熱剤が塗布された印刷
    基材と、この印刷基材を被覆する保護膜とを有する保護
    膜付き券紙において、前記印刷基材を使用目的に応じた
    複数の領域に区画し、これら各領域に感熱温度が異なる
    感熱剤をそれぞれ塗布したことを特徴とする保護膜付き
    券紙。
  5. 【請求項5】少なくとも片面に感熱剤が塗布された印刷
    基材に熱を加えて情報を印刷した後に、この印刷基材を
    保護膜により被覆することを特徴とする保護膜付き券紙
    の製造方法。
  6. 【請求項6】前記保護膜には、予め感熱剤が塗布されて
    いることを特徴とする請求項5に記載の保護膜付き券紙
    の製造方法。
  7. 【請求項7】少なくとも片面に感熱剤が塗布された印刷
    基材の供給ロールと、この供給ロールから搬送された印
    刷基材に熱を加えて情報を印刷するサーマルヘッドと、
    このサーマルヘッドの下流に配設されて、印刷後の印刷
    基材を被覆する保護膜の供給ロールと、この保護膜を前
    記印刷基材に固定する接着手段とを有することを特徴と
    する保護膜付き券紙の製造装置。
  8. 【請求項8】保護膜付き券紙の使用目的により、前記保
    護膜の供給ロールからの保護膜の供給、停止を制御する
    制御手段を有することを特徴とする請求項7に記載の保
    護膜付き券紙の製造装置。
JP4089792A 1992-03-13 1992-03-13 保護膜付き券紙並びにその製造方法およびその製造装置 Pending JPH05254287A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006127257A (ja) * 2004-10-29 2006-05-18 Nippon Signal Co Ltd:The 券媒体及び券媒体処理装置

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