JPH0525318A - 樹脂積層体用処理剤組成物 - Google Patents

樹脂積層体用処理剤組成物

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JPH0525318A
JPH0525318A JP20106191A JP20106191A JPH0525318A JP H0525318 A JPH0525318 A JP H0525318A JP 20106191 A JP20106191 A JP 20106191A JP 20106191 A JP20106191 A JP 20106191A JP H0525318 A JPH0525318 A JP H0525318A
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JP
Japan
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resin
weight
resin laminate
alcohols
treatment composition
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Application number
JP20106191A
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English (en)
Inventor
Hajime Moriwaki
肇 森脇
Fumio Goto
文男 後藤
Tadashi Miyazawa
正 宮澤
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Tatsuta Chemical Co Ltd
Westlake Akishima Co Ltd
Original Assignee
Akishima Chemical Industries Co Ltd
Tatsuta Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は熱安定化された塩素含有樹脂とウレタ
ン樹脂との積層体をもたらす樹脂積層体用処理剤組成物
を提供することを目的としている。 【構成】(a)過塩素酸のナトリウム、マグネシウム、
カルシウム、バリウム又は亜鉛塩の少なくとも一種以上
と、(b)水、アルコール類及びこの誘導体、エステル
類、ケトン類又は炭化水素類の少なくとも二種以上と、
(c)接着性を有する樹脂の少なくとも一種以上と、か
らなるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂積層体用処理剤組成
物、さらに詳しくは、車両用の内装材としての成形部品
などに用いる塩素含有樹脂とウレタン樹脂とからなる積
層体の、塩素含有樹脂層とウレタン樹脂層積層体との接
合部に使用される新規な処理剤組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】塩素含有樹脂とウレタン樹脂とからなる
積層体は、近年車両の内装部品用として多用され、これ
は軟質ポリ塩化ビニルなどの塩素含有樹脂からなる表皮
の裏面にウレタン樹脂発泡体(以下「ウレタンフォー
ム」という)を接合したものである。この成形品は車両
の軽量化などの目的とともに、反発弾性、風合そして安
全性を改善し、さらには表皮に複雑な模様を施すことに
より高級な感触が得られるなど極めて有用なものであ
る。
【0003】従来より、この塩素含有樹脂とウレタンフ
ォームとの積層体からなる車両用内装成形品は、その製
造方法として一般に、塩素含有樹脂を先ずカレンダー加
工機などでシートに成形し、このシートに真空成形加工
を施し、この成形品にさらにウレタンを注入して所期の
目的とする車両用内装成形品を得ていた。
【0004】また、近年この改良成形方法として粉末成
形方法も多く採用されている。即ち、塩素含有樹脂組成
物を混合し、カレンダー加工等の工程を経ることなく、
高温に加熱された金型内にこの粉末状の塩素含有樹脂組
成物を散布し、短時間で溶融、溶着させ冷却して所望の
成形品を得、この内部にウレタンを注入、発泡させて目
的とする車両用内装成形品を得る方法である。例えば特
開昭56−125443号、同56−131651号、
同60−90221号、同61−111337号、同6
1−136542号、同63−12553号、同63−
65157号、特公昭64−8661号、同64−86
62号、同64−8663号、特公平3−1340号及
び米国特許第4659764号公報などによって、この
粉末成形加工は既に知られている。
【0005】このように、上記の成形加工から得られる
車両用内装品用の積層体は塩素含有樹脂とウレタンフォ
ームとの接合部に処理剤、例えば接着処理剤を用いて処
理を施すという方法もあるが、通常は塩素含有樹脂シー
トからなる表皮の裏面に、直接ウレタンを注入する方法
を採用しているのが一般である。また接着処理剤を用い
たとしても、その成分は塩ビ−アクリル系ポリマー又は
ニトリル−ブタジエンゴムを、ケトン類及び芳香族炭化
水素系の溶媒にただ単に溶解した公知の接着処理剤を用
い、接合をより完全なものとするという従来からの方法
である。
【0006】ところで、この塩素含有樹脂は熱、酸素又
は光などの作用により脱塩化水素反応を起こし、これが
ために着色及び(又は)物理的劣化をきたし、成形品の
商品価値を著しく低下させるという欠点がある。またウ
レタンフォームも熱、酸素又は光の作用により着色及び
(又は)物理的劣化を起こしやすい。これらの欠点を解
消するため従来より、塩素含有樹脂には安定剤、例えば
金属石鹸系、有機亜リン酸エステル化合物、フェノール
系酸化防止剤さらにはエポキシ化合物などを適宜組み合
わせて添加して安定化させ、そして、ウレタンポリマー
に対しては、例えばアゾ化合物、アミン系化合物、尿素
系化合物又はフェノール系化合物などを組み合わせて添
加し、それぞれ安定化する方法が採用されている。
【0007】しかして、この塩素含有樹脂とウレタンフ
ォームとからなる積層体を車両用の内装品として採用す
る場合、大変に厳しい条件に十分に耐え得る性能が求め
られている。すなわち、温度が70℃から最高140℃
という高温での雰囲気下における長時間にわたる熱経時
にさらされても品質劣化、特に伸び率及び弾性などの物
性低下を生じないことが求められている。しかしなが
ら、この高温でしかも長時間という暴露下において、上
述したようなウレタンフォームを注入した塩素含有樹脂
からなる積層成形品は、塩素含有樹脂の単独からなる成
形品に比較して、極めて容易に着色劣化及び(又は)物
性の低下を生じ、これがために車両用の内装部品として
の商品価値の低下をきたすことがよく知られている。
【0008】この主な原因として、上記の積層成形品
は、注入したウレタンフォーム中に残存しているアミン
系触媒、また、高温で長時間の熱経時にさらされたウレ
タンフォームの熱劣化によって生成したアミン、イミド
若しくはシアン系化合物などが、塩素含有樹脂からなる
表皮に移行し、表皮の着色劣化及び(又は)物性の低下
をより一層促進させるという現象が従来から知られてい
る。例えばアール・エル・ヂンマーマン(R.L.Zi
mmerman)及びティー・エイチ・オースチン
(T.H.Austin)発表のジャーナル・オブ・セ
ルラー・プラスチックス(Jouarnal of C
ellular Plastics)第l24巻,3月
号,256〜265頁(1988年),テクノミック社
(Technomic)発行には、塩素含有樹脂とウレ
タンフォームとの積層体において、アミン系化合物に基
因する着色劣化及びその劣化機構について詳細な実験報
告が記載されている。
【0009】このようなことから従来より、この課題の
解決方法として種々の方法が提案されている。例えば特
開昭60−161451号、同61−91238号、同
62−270645号及び同64−65157号などに
は熱安定剤を多量に配合することで安定化する方法や、
ハイドロタルサイトを金属石鹸と併用する方法などが開
示されている。また特公昭62−1620号、同63−
462号には熱安定化方法として金属石鹸と、過塩素酸
金属−多価アルコール又はこの誘導体からなる錯塩と、
の併用による熱安定化方法がそれぞれ開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら現状にお
いては上述した方法をもってしても車両用の内装部品と
しての積層体の熱安定化はまだ十分とは云えず、高温で
長時間にわたる熱経時にさらされるという厳しい条件下
でも品質の劣化、特に伸び率及び弾性などの物性が低下
しない、樹脂積層体が望まれていた。
【0011】本発明は熱安定化された塩素含有樹脂とウ
レタン樹脂との積層体をもたらす樹脂積層体用処理剤組
成物を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩素含有樹脂
とウレタン樹脂との積層体を熱安定化すると云う課題を
解決するに当たり、上述したような従来の方法とは全く
別の方法によって達成させた。すなわち塩素含有樹脂と
ウレタン樹脂との積層体の接合部に新規な処理剤組成物
を用いることにより、熱安定化された樹脂積層体を得よ
うとするものである。
【0013】そのために請求項1記載の発明では、処理
剤組成物が(a)過塩素酸のナトリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、バリウム又は亜鉛塩の少なくとも一種
以上と、(b)水、アルコール類及びこの誘導体、エス
テル類、ケトン類又は炭化水素類の少なくとも二種以上
と、(c)接着性を有する樹脂の少なくとも一種以上
と、からなるよう構成した。
【0014】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において(a)の過塩素酸金属塩の少なくとも一種
が0.5〜40重量%、(b)水、アルコール類及びこ
の誘導体、エステル類、ケトン類又は炭化水素類の少な
くとも一種が30〜90重量%、(c)接着性を有する
樹脂の少なくとも一種が1〜30重量%、であるように
構成した。
【0015】請求項3記載の発明では、請求項1または
2記載の発明において、過塩素酸のナトリウム、マグネ
シウム、カルシウム、バリウム又は亜鉛塩の少なくとも
一種と、アルコール類及びこの誘導体の少なくとも一種
とが錯化合物を生成してなるように構成した。
【0016】請求項4記載の発明では、請求項1または
2記載の発明において、(b)が水、アルコール類及び
この誘導体、エステル類、ケトン類又は炭化水素類の少
なくとも三種以上を組み合わせてなるように構成した。
【0017】請求項5記載の発明では、請求項1または
2記載の発明において、(c)の接着性を有する樹脂
が、熱可塑性樹脂であるポリ塩化ビニル、熱可塑性ポリ
ウレタン、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体のいずれかの一種
であるように構成した。
【0018】請求項6記載の発明では、請求項1または
2記載の発明において、(c)の接着性を有する樹脂
が、熱硬化性樹脂であるエポキシオリゴマー、不飽和ポ
リエステル、ポリウレタン又はポリエステルアクリレー
トのいずれかの一種であるように構成した。
【0019】請求項7記載の発明では、請求項1または
2記載の発明において、(c)の接着性を有する樹脂
が、エラストマーであるニトリルゴム、クロロプレンゴ
ム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエ
ンゴム、ニトリル−ブタジエンゴムのいずれかの一種で
あるように構成した。
【0020】以下この発明を更に詳しく説明する。この
発明における処理剤組成物の成分(a)の過塩素酸金属
塩は、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸マグネシウム、過
塩素酸カルシウム、過塩素酸バリウム又は過塩素酸亜鉛
である。かかる過塩素酸金属塩は本発明の処理剤組成物
の成分として用いるとき0.5〜40重量%、好ましく
は3〜20重量%である。
【0021】この発明における処理剤組成物の成分
(b)は、水又はアルコール類及びこの誘導体、エステ
ル類、ケトン類又は炭化水素類である。アルコール類と
しては例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、
プロピルアルコール、ブチルアルコールなどの脂肪族ア
ルコール、ベンジルアルコールなどの芳香族アルコー
ル、シクロヘキサノールなどの脂環式アルコール、そし
てエチレングリコール、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテルなどのセロソルブ
系、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエー
テルなどのカルビトール系、トリエチレングリコール、
トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエ
チレングリコール、プロピレングリコール、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルそしてトリプロピレングリコールなどの多価アルコー
ル類及びこの誘導体である。
【0022】またエステル類としては酢酸と以下のアル
コール、例えば、メチル、エチル、ブチル、ベンジルと
のエステル、アクリル酸とメチル、エチルとのエステル
である。ケトン類としてはアセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセ
トフェノン、イソホロンなどである。炭化水素類として
は石油系炭化水素によって代表され、例えばn−ヘキサ
ン、石油ナフサ、ミネラルスピリットそしてベンゼン、
トルエン、混合キシレン、ソルベントナフサ、テトラヒ
ドロフランなどである。しかしてこの成分(b)は少な
くとも一種以上用いられ、例えば水とケトン類、アルコ
ール類及びこの誘導体との混合系がより好ましく、本発
明において用いるとき30〜90重量%、好ましくは5
0〜85重量%である。
【0023】また、本発明においては上記のアルコール
類及びこの誘導体、なかんずく多価アルコールと、前記
の処理剤組成物の成分(a)の過塩素酸金属塩とを特定
した反応比で反応させ、生成した錯化合物も極めて有用
である。例えばエチレングリコール、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなど
のセロソルブ系、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル等のカルビトール系の多価アルコール及びこの誘導
体の一種と、過塩素酸のナトリウム、マグネシウム、バ
リウム塩の一種と、の反応生成物である。そしてこの反
応比は20:80〜55:45の重量比で反応し生成し
た錯化合物であって、この錯化合物は本発明において用
いるとき、上記の成分(a)の一種として用いることが
できる。
【0024】この発明における処理剤組成物の成分
(c)の接着性を有する樹脂はホモポリマー又はコポリ
マーであり、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又はエラスト
マーであってもよい。熱可塑性樹脂としては、例えばポ
リ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル(エマルジョン又は溶液
系)、ポリビニルアルコール、ポリメタアクリレート又
はポリアクルレート(エマルジョン又は溶液系)、熱可
塑性ポリウレタン、ポリエチレン、ポリイソブチレン、
ポリビニルエーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−ウレ
タン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリア
クリル酸エステル、ポリビニルアセタール(ブチラー
ル、アセタール又はホルマール)などである。
【0025】熱硬化性樹脂としては、例えばビスフェノ
ールA系エポキシオリゴマー、ポリウレタン、ポリエス
テルアクリレート、ポリアクリル酸エステル、ポリエス
テル(不飽和ポリエステル又はジアリルフタレート
系)、ポリエステル−ポリイソシアネートなどである。
エラストマーとしては例えばニトリルゴム(溶液又はラ
テックス)、クロロプレンゴム(溶液又はラテック
ス)、イソプレンゴム(溶液又はラテックス)、ブチル
ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(溶液又はラテック
ス)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(溶液又はラ
テックス)、スチレン−イソプレンゴム、スチレン−ブ
チレン−エチレンゴム、天然ゴムなどである。そして、
ここに挙げた樹脂は少なくとも一種以上、なかんずく二
種若しくは三種の併用が特に好ましい。この樹脂を本発
明において用いるとき1〜30重量%、好ましくは2〜
15重量%である。
【0026】本発明の処理剤組成物が用いられる積層体
を構成する塩素含有樹脂としては、例えばポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エ
チレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩
化ビニル−ウレタン共重合体、塩素化ポリエチレン、塩
素化ポリプロピレン及びこれらの塩素含有樹脂とニトリ
ル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチ
レン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン−スチ
レン共重合体とのブレンド品である。
【0027】また、この積層体を構成する上記の塩素含
有樹脂には以下のような安定剤が添加されている。安定
剤成分としては、例えばバリウム−亜鉛カルボキシレー
ト、フェノレート金属石鹸を主体に、有機亜リン酸エス
テル例えばジフェニルイソデシルホスファイト、フェノ
ール系酸化防止剤例えばブチル化ヒドロキシトリエン、
光安定剤例えばヒンダードアミン及び2−(5−メチル
−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、その
他の安定化助剤、例えば過塩素酸金属塩又はこの金属塩
とグリコール類との錯化合物、β−ジケトン化合物であ
るベンゾイルアセトン、ペンタエリスリトール−アジピ
ン酸エステルなどそれぞれを適宜組み合せ、エポキシ化
合物、例えばエポキシ化大豆油と共に塩素含有樹脂に併
用され熱安定化される。
【0028】この塩素含有樹脂は積層体の用途に応じ
て、以下の可塑剤の添加量の増減により硬質から軟質ま
で広範囲にわたる成形品を提供するものである。可塑剤
としてはフタル酸エステル、トリメリット酸エステル、
セバシン酸エステル、アジピン酸エステル又はリン酸エ
ステルによって代表され、フタル酸エステルとしては、
例えばフタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エ
チルヘキシル、フタル酸ジ−イソデシル、フタル酸ジ−
イソノニル、フタル酸ペプチル−ノニル、フタル酸n−
オクチル−n−デシルであり、トリメリット酸エステル
としては、例えばトリメリット酸トリ−2−エチルヘキ
シル、トリメリット酸トリデシルであり、セバシン酸エ
ステルとしてはセバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セ
バシン酸ポリ(プロピレングリコール)で代表され、ア
ジピン酸エステルとしては、例えばアジピン酸ジ−2−
エチルヘキシル、アジピン酸ジ−イソデシル、アジピン
酸ジ−イソノニル、アジピン酸ポリ(プロピレングリコ
ール)、アジピン酸ポリ(ブタンジオール)であり、リ
ン酸エステルとしてはリン酸トリクレジル、リン酸ジフ
ェニル−2−エチルヘキシルなどである。この可塑剤は
積層体を構成する塩素含有樹脂100重量部に対し、可
塑剤は20〜80重量部、好ましくは25〜60重量
部、配合し可塑化される。積層体を構成する塩素含有樹
脂には、その用途に応じて充填剤、顔料、防燃剤、架橋
剤、防黴剤、発泡剤などを適宜併用することができる。
【0029】本発明の処理剤組成物が用いられる積層体
を構成するウレタン樹脂は以下のような公知のプレポリ
マー、(A)長鎖ポリオールと、(B)イソシアネート
とを反応させ、注入して得るものである。 (A)のポリオールとしては、ポリエーテルポリオール
又はポリエステルポリオールによって代表され、例えば
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、テ
トラメチレングリコール、トリプロピレングリコール、
ポリプロピレングリコール、エチレンプロピレングリコ
ール、プロピレンオキサイド−グリセリン、ポリテトラ
メチレンエーテルグリコール又はポリエチレンアジペー
トなどである。これらの長鎖ポリオールは平均分子量1
000〜5000ぐらいである。また(B)のイソシア
ネートとしては、例えばヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トリジンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,4
−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソ
シアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、p−フェニレンジイソシアネートなどのイソシア
ネートプレポリマーを挙げることができる。本発明で上
記のプレポリマーを用いてウレタンフォームを得る場
合、(A)のポリオールと、(B)のイソシアネートと
の反応比は1:0.6〜1:1の反応重量比で用いられ
る。
【0030】
【実施例】以下に、合成例、試験例及び実施例を挙げて
本発明を具体的に説明する。しかしながら、本発明はこ
れらの合成例、試験例及び実施例に何ら限定されるもの
ではない。
【0031】[合成例1〜4] 合成例1 エチレングリコールモノメチルエーテル129g(1.
7モル)をかき混ぜながら加熱し、温度80℃のとき過
塩素酸ナトリウム−水和物112g(0.8モル)を少
しづつ加え、該グリコール中にけん濁させた。つぎにか
き混ぜながら徐々に温度を上げ100℃で溶解した。さ
らに加熱し、穏やかな発熱反応をともない反応させた。
115℃にて減圧しながら水を留出させ、計算量の水を
除去した。反応終了後、収量223gの淡黄色透明液体
からなる錯化合物を得た。この錯化合物はエチレングリ
コールモノメチルエーテル−過塩素酸ナトリウム 5
6:44の重量比であり、以下Na−MGという。
【0032】合成例2 プロピレングリコールモノメチルエーテル126g
(1.4モル)と、過塩素酸ナトリウム−水和物(合成
例1と同一の塩)112gを用い、合成例1と同一の方
法、条件に従い合成し、収量221gの透明液体からな
る錯化合物を得た。この錯化合物はプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル−過酸化水素酸ナトリウム56:
44の重量比であり、以下Na−MPGという。
【0033】合成例3 ジエチレングリコールモノメチルエーテル120g(1
モル)と、過塩素酸マグネシウム三水和物138g
(0.5モル)とを用い、合成例1と同一の方法、条件
に従い合成し、収量230gの淡黄色透明液体からなる
錯化合物を得た。この錯化合物はジエチレングリコール
モノメチルエーテル−過塩素酸マグネシウム52:48
の重量比であり、以下Mg−MDGという。
【0034】合成例4 プロピレングリコールモノメチルエーテル117g
(1.3モル)と、過塩素酸バリウム三水和物118g
(0.3モル)とを用い、合成例1と同一の方法、条件
に従い合成し、収量215gの淡黄色透明液体からなる
錯化合物を得た。この錯化合物はプロピレングリコール
モノメチルエーテル−過塩素酸バリウム54:46の重
量比であり、以下Ba−MPGという。
【0035】[試験例1〜10]この試験例は表1に示
すように、本発明の成分(a)〜(c)を混合溶解し、
液状の処理剤を調整して得た。 (イ)まず、表1に示す成分(b)の溶剤系に(c)の
樹脂を加え、かきまぜながら緩やかに加熱し、30〜4
0℃で120分かき混ぜて十分に溶解し、これを室温に
なるまで放置した。 (ロ)つぎに表1に示す成分(b)のセロソルブ又はカ
ルビトール類の溶剤の特定量に、(a)を加え100℃
にて30分かき混ぜて十分に溶解し、これを室温になる
まで放置した。 この(イ)の溶解成分と、(ロ)の溶解成分又は前記合
成例の成分とを常温にてかき混ぜ、液状の処理剤を得
た。
【表1】
【0036】[実施例1〜11]塩素含有樹脂及びポリ
ウレタン樹脂との積層体を、下記のような手法によって
成形した。その際、この成形品の接合部に本発明の処理
剤組成物からなる処理剤を塗布した。この成形品につい
て以下に示すような試験を行い、高温で長時間の熱経時
にさらされることによって生ずる着色劣化及び(又は)
脆物性などを調べた。この結果を表2に示す。
【表2】
【0037】なお、塩素含有樹脂からなる表皮(シー
ト)の配合及びシートの作成、ポリウレタンフォームの
注入成形、試験の方法及び条件などは以下の通りであ
る。 <塩素含有樹脂からなる表皮(シート)の配合及び作成> [配合] ポリ塩化ビニル(重合度1300) 100 重量部 アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体 50 重量部 ニトリル−ブタジエンゴム 30 重量部 トリメリット酸トリ−2−エチルエチシルエステル 30 重量部 エポキシ化大豆油 8 重量部 重質炭酸カルシウム 10 重量部 亜鉛−ステアレート 0.3重量部 亜鉛−ネオデカネート 0.3重量部 バリウム−ステアレート 0.5重量部 バリウム−ネオデカネート 0.5重量部 バリウム−ノニルフェノレート 0.5重量部 合成ハイドロタルサイト 0.8重量部 テトラアルキル(C12〜C15)ビスフェノールAジホスファイト 1.0重量部 ブチル化ヒドロキシトルエン 0.2重量部
【0038】上記の塩素含有樹脂、ブレンドポリマー、
安定剤及び可塑剤からなる配合組成物をまず用意した。
この配合組成物を180℃に加熱した混練ロールを用
い、5分間混練して厚さ1mmの均一なシートを作成
し、これを表皮用の原シートとした。この原シートを用
い、前記の表1(試験例1〜10)に記載の処理剤を原
シート上に次の方法及び条件で塗布した。まず、この原
シートを採取し、原シート上に表1の処理剤をバーコー
ダーを用い、15mμの厚さになるように均一に塗布し
た。つぎに120℃に加熱したギヤーオーブン加熱機中
に、この塗布したシートを5分間入れて乾燥させて取り
出した。このシートを塗布シートとした。
【0039】<ウレタン液の調整及びウレタンフォーム
の注入による積層体の製造>(A)ポリオール、EP−
3033(三井東圧化学製)90重量部、トリエタノー
ルアミン7重量部、トリエチレンジアミン0.5重量
部、水2.3重量部からなる組成物を用意し、これを常
温にてかき混ぜて十分に混合し調整した。この調整液を
冷凍庫に入れ冷却した。さらに(B)イソシアネート、
MDI−CR−200(三井東圧化学製)70重量部を
用意した。この(B)液と、(A)液とをかき混ぜて十
分に混合してウレタン液とした。つぎに、上記塗布シー
トの塗布面に上記のウレタン液を厚さ20mmになるよ
うに注入し発泡させ、塩素含有樹脂とウレタン樹脂とか
らなる積層体を得た。
【0040】<試験方法及び条件>上記の積層体を一定
温度に加熱されたギヤーオーブン老化試験機の中に一定
長時間さらし、高温長時間の熱経時による成形品の着色
劣化、物性などを調べた。この試験方法としてJIS
K7127(プラスチックフィルム及びシートの引張試
験方法)に従い試験を行った。試験は3回行い、この平
均値を採用した。この結果を表2に示す。表2には、実
施例(1〜11)とともに比較例(1〜5)も示した。
この表2から明らかのように、本発明の成分(a)〜
(c)からなる処理剤組成物を成形品の接合部に塗布し
た積層体は優れた着色防止性を有し、また物性試験にお
いても良い効果を得ている。 これに対比して比較例は
200時間ですでに着色劣化、脆化が見られ、さらに4
00時間ではシートの黒褐色又は黒色にまで着色が進行
し、硬化現象が見られた。すなわち、表2で明らかのよ
うに、シートに弾性が残存している場合には実施例のご
とく伸び率の値は200%以上であり、また50%モジ
ュラス(kgf/cm2 )の値においても、実施例は低
い値を示している。この50%モジュラスの値は、周知
のごとく伸び率が高いと低い値を示し、脆化及び硬化が
進行したシートは高い値を示すものである。
【0041】
【発明の効果】本発明は、(a)過塩素酸金属塩、
(b)水、アルコール類、ケトン類、エステル類又は炭
化水素系いずれかの物質、または、(a)成分とアルコ
ール類との錯化合物及び(c)樹脂の3成分を包含した
新規な処理剤組成物を、塩素含有樹脂とウレタン樹脂と
の積層体の塩素含有樹脂層とウレタン樹脂層との接合部
に用いることで、高温で長時間の熱経時にさらされるこ
とにより生ずる上記積層体の着色及び(又は)物性の低
下に対して、優れた防止効果を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/07 KAQ 7167−4J 5/10 KAS 7167−4J C08L 101/00 7167−4J

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)過塩素酸のナトリウム、マグネシウ
    ム、カルシウム、バリウム又は亜鉛塩の少なくとも一種
    以上と、(b)水、アルコール類及びこの誘導体、エス
    テル類、ケトン類又は炭化水素類の少なくとも二種以上
    と、(c)接着性を有する樹脂の少なくとも一種以上
    と、からなる樹脂積層体用処理剤組成物。
  2. 【請求項2】(a)の過塩素酸金属塩の少なくとも一種
    が0.5〜40重量%、(b)の水、アルコール類及び
    この誘導体、エステル類、ケトン類又は炭化水素類の少
    なくとも一種が30〜90重量%、(c)の接着性を有
    する樹脂の少なくとも一種が1〜30重量%、である請
    求項1記載の樹脂積層体用処理剤組成物。
  3. 【請求項3】過塩素酸のナトリウム、マグネシウム、カ
    ルシウム、バリウム又は亜鉛塩の少なくとも一種と、ア
    ルコール類及びこの誘導体の少なくとも一種とが錯化合
    物を生成してなる請求項1又は2記載の樹脂積層体用処
    理剤組成物。
  4. 【請求項4】(b)が水、アルコール類及びこの誘導
    体、エステル類、ケトン類又は炭化水素類の少なくとも
    三種以上を組み合わせてなる請求項1又は2記載の樹脂
    積層体用処理剤組成物。
  5. 【請求項5】(c)の接着性を有する樹脂が、熱可塑性
    樹脂であるポリ塩化ビニル、熱可塑性ポリウレタン、ポ
    リアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
    体、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体、エチレ
    ン−酢酸ビニル共重合体のいずれかの一種である請求項
    1又は2記載の樹脂積層体用処理剤組成物。
  6. 【請求項6】(c)の接着性を有する樹脂が、熱硬化性
    樹脂であるエポキシオリゴマー、不飽和ポリエステル、
    ポリウレタン又はポリエステルアクリレートのいずれか
    の一種である請求項1又は2記載の樹脂積層体用処理剤
    組成物。
  7. 【請求項7】(c)の接着性を有する樹脂が、エラスト
    マーであるニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴ
    ム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニト
    リル−ブタジエンゴムのいずれかの一種である請求項1
    又は2記載の樹脂積層体用処理剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20120123038A1 (en) * 2009-05-15 2012-05-17 Akishima Chemical Industries Co., Ltd. Perchlorate solution improved in safety, and a method for heat-stabilizing chlorine-containing resin compositions

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120123038A1 (en) * 2009-05-15 2012-05-17 Akishima Chemical Industries Co., Ltd. Perchlorate solution improved in safety, and a method for heat-stabilizing chlorine-containing resin compositions
JP2012526860A (ja) * 2009-05-15 2012-11-01 昭島化学工業株式会社 安全性に優れた過塩素酸塩溶液と、塩素含有樹脂組成物の熱安定化方法

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