JPH0525196Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、熱源にヒータランプを使用した調理
用の電気コンロに関するものである。

〔従来技術とその問題点〕 熱源にヒータランプを使用し、ケーシングの上
面を赤外線フイルター板で覆つた調理用の電気コ
ンロは、通電直後の速熱性に優れ、清潔で高級感
を出し易いので、最近注目され、既に実用化され
ている。かかる電気コンロは、鍋などの加熱対象
物の底面が円形をしたものが多いので、熱放射面
を円形にし、熱放射面の下方の周面および底面に
断熱材層を配置するとともに、同一長さの複数本
の直管状ヒータランプを熱放射面の下方で平面状
に配置している。ところで、ヒータランプは、両
端部にピンチシール部が形成され、このピンチシ
ール部にモリブデン箔が埋設されているが、モリ
ブデン箔は高温に曝されると酸化しやすいので、
ピンチシール部を断熱材層の周面から外部に突出
させる必要がある。このため、電気コンロが熱放
射面の大きさの割りには大型化し、台所などにお
いて大きな設置面積を要する不具合があるが、更
には、中央寄りに配置されたヒータランプは円形
をした断熱材層の周面間に露出して有効に熱源と
して使用できる割合は比較的大きいものの、端部
寄りに配置されたヒータランプは断熱材層の周面
間に露出する長さが短くなり、熱効率が悪い不具
合がある。

〔考案の目的〕

そこで本考案は、コンパクトな構造で小型化が
可能であり、熱効率も高い、ヒータランプを使用
した電気コンロを提供することを目的とするもの
である。

〔考案の構成とその作用〕

本考案の構成は、上面に熱放射用開口を有する
ケーシングと、このケーシング内に配置されたヒ
ータランプと、このヒータランプの背面および周
囲を取り囲む断熱材層と、ケーシングの熱放射用
開口を覆う赤外線フイルター板とよりなる電気コ
ンロにおいて、前記ヒータランプは、リング状に
形成された熱放射部と、この熱放射部の両端から
略平行に伸びた電流導入部からなり、この電流導
入部が熱放射部に対して直角に折り曲げられて下
方の断熱材層を貫通したことを特徴とするもので
ある。

すなわち、熱放射面の下方に配置されるヒータ
ランプの熱放射部がリング状であるので、熱放射
面が円形のときに、熱放射部からの熱を全て有効
に利用でき、熱効率が向上する。また、電流導入
部が熱放射部に対して直角に折り曲げられて下方
の断熱材層を貫通しているので、電流導入部先端
のピンチシール部は高温に曝されないが、このピ
ンチシール部が横方向に突出せず、小型化が可能
で、所要設置面積を小さくできる。

また、ヒータランプの熱放射部の大きさを異な
らせると、２本もしくはそれ以上のピータランプ
を同心円状の配置することが可能になり、熱放射
面の大きさに応じてヒータランプの本数を適宜決
定すれば、熱放射面の温度分布の均一度を向上で
きる。更には、ヒータランプの断熱材層側の外表
面に白色のセラミツク膜をコーテイングすれば、
熱がこのセラミツク膜で乱反射し、熱効率が向上
するとともに、温度分布の均一度も向上する利点
を有する。

〔実施例〕

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体
的に説明する。

第１図は大きさの異なる２本のヒータランプ１
を同心円状に配置した例を示す。ヒータランプ１
は、熱放射部１１と電流導入部１２からなるが、
熱放射部１１はリング状をしており、フイラメン
トコイル１４がアンカー１５によつて保持されて
熱放射部１１の軸心に沿つて配置されている。そ
して、電流導入部１２は、熱放射部１１の両端か
ら平行状態で伸びているが、熱放射部１１に対し
て直角に屈曲している。そして、電流導入部１２
の先端にモリブデン箔が埋設されたピンチシール
部１３が形成されている。

ケーシング２は、第２図に示すように、上面に
熱放射用開口２１が形成され、この熱放射用開口
２１は、結晶化ガラス板からなり、可視光をカツ
トし、赤外線を透過させる赤外線フイルター板４
で覆われている。そして、ヒータランプ１の熱放
射部１１が赤外線フイルター板４の下方に配置さ
れ、電流導入部１２が下方に伸びているが、ヒー
タランプ１は断熱材層３で囲われており、電流導
入部１２が下方の断熱材層３を貫通し、ピンチシ
ール部１３が断熱材層３から突出している。ま
た、ヒータランプ１の断熱材層３側の外表面に
は、便宜上斜線で示す白色のセラミツク膜５がコ
ーテイングされており、ヒータランプ１の熱がこ
のセラミツク膜５で乱反射して赤外線フイルター
板４を透過し、熱効率と温度分布の均一性が向上
するようになつている。

このように、ヒータランプ１の熱放射部１１が
リング状であつて周囲の断熱材層３から突出しな
いので、熱放射面が円形のときに、熱放射部１１
からの熱を全て有効に利用でき、熱効率が向上す
る。また、電流導入部１２が熱放射部１１に対し
て直角に折り曲げられ、電流導入部１２先端のピ
ンチシール部１３が高温に曝されないように下方
の断熱材層３を貫通しているので、このピンチシ
ール部１３が従来のように横方向に突出せず、小
型化が可能で、所要設置面積を小さくできる利点
がある。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案の電気コンロは、
リング状に形成された熱放射部とこの熱放射部に
対して直角に伸びる電流導入部からなるヒータラ
ンプを使用し、電流導入部が下方の断熱材層を貫
通するようにしたので、小型化が可能で所要設置
面積を小さくでき、熱効率も高い調理用の電気コ
ンロとすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はヒータランプの斜視図、第２図は本考
案実施例の断面図である。 １……ヒータランプ、１１……熱放射部、１２
……電流導入部、１３……ピンチシール部、２…
…ケーシング、２１……熱放射用開口、３……断
熱材層、４……赤外線フイルター板、５……セラ
ミツク膜。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 上面に熱放射用開口を有するケーシングと、
   このケーシング内に配置されたヒータランプ
   と、このヒータランプの背面および周囲を取り
   囲む断熱材層と、ケーシングの熱放射用開口を
   覆う赤外線フイルター板とよりなる電気コンロ
   において、 前記ヒータランプは、リング状に形成された
   熱放射部と、該熱放射部の両端から略平行に伸
   びた電流導入部からなり、該電流導入部が熱放
   射部に対して直角に折り曲げられて下方の該断
   熱材層を貫通したことを特徴とする電気コン
   ロ。 ２ ２個もしくはそれ以上のヒータランプの熱放
   射部が同心円状に配置されたことを特徴とする
   請求項１記載の電気コンロ。 ３ 前記ヒータランプの断熱材層側の外表面に白
   色のセラミツク膜がコーテイングされたことを
   特徴とする請求項１または請求項２記載の電気
   コンロ。