JPH05251783A - 厚み縦振動圧電磁器トランスの製造方法 - Google Patents

厚み縦振動圧電磁器トランスの製造方法

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JPH05251783A
JPH05251783A JP4083179A JP8317992A JPH05251783A JP H05251783 A JPH05251783 A JP H05251783A JP 4083179 A JP4083179 A JP 4083179A JP 8317992 A JP8317992 A JP 8317992A JP H05251783 A JPH05251783 A JP H05251783A
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JP
Japan
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piezoelectric ceramic
transformer
piezoelectric
binder
green sheet
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JP4083179A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Sasaki
康弘 佐々木
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高周波帯で動作可能な圧電トランス、特に小
型化、低ノイズ化が要求されるオンボード電源用であっ
て電力伝送効率の高い圧電磁器トランスを製造する。 【構成】 厚み方向に内部電極と圧電磁器層を交互に積
層して高インピーダンス部と低インピーダンス部を一体
に形成し、低インピーダンス部あるいは高インピーダン
ス部にスリットを設ける。このスリットは熱処理によっ
て分解する有機材料を含むスリット形成部とセラミック
ス部とを有するグリーンシートを積層し、熱処理するこ
とによって形成する。 【効果】 機械加工によって生じるマイクロクラックが
誘起した不要振動が起こらず、従って高効率であるとい
う特徴があり、電源の高効率化に著しく寄与することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高周波帯で動作可能な圧
電磁器トランスに関し、特に小型化、低ノイズ化が要求
される圧電磁器トランスの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の電源回路を小型化する
ために、スイッチング電源には電磁トランスが用いられ
ており、スイッチング電源の小型化にはスイッチング電
源の高周波化が望ましい。しかしながら、スイッチング
周波数を高くすると、電磁トランスに用いられている磁
性材料のヒステリシス損失、渦電流損失や導線の表皮効
果による損失が急激に増大し、トランスの効率が非常に
低くなる欠点があった。このため、電磁トランスの実用
的な周波数帯域の上限はせいぜい500kHzであっ
た。これに対して、積層型圧電磁器トランスは、共振状
態で使用され、一般の電磁トランスに比べて、(1)同
一周波数においてエネルギー密度が高いため小型化が図
れる、(2)不燃化が図れる、(3)電磁誘導によるノ
イズがでないこと、など数多くの長所を有している。図
1は従来の圧電磁器トランスの断面構造を示したもので
ある。以下、図面に沿って説明する。低インピーダンス
部16、高インピーダンス部17とも内部電極層14,
15と圧電磁器層10,19とが交互に積層された構造
となっており、隣接層間において分極方向が逆向きにな
るように分極処理が施されている。18は圧電横効果に
よる不要振動を除去するためのスリットである。従来の
製造方法では、このスリット形成を掘削などの機械的加
工技術により行ってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上の従来例で示した
ように、圧電磁器トランスのスリット形成方法は、掘削
などの機械的加工法により行ってきたが、この際の機械
的加工による応力が素子内部にマイクロクラックを発生
させ、このマイクロクラックが厚み縦振動以外の不要振
動を誘起し、トランス特性を劣化させる欠点があった。
本発明の目的はこのような従来の問題点を解決すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の内部電
極層と圧電磁器層が交互に積層され、内部電極層を介し
て隣接する圧電磁器層が互いに厚み方向逆向きに分極さ
れている積層体であって、薄い前記圧電磁器層を多数枚
積層した低インピーダンス部と厚い前記圧電磁器層を単
層もしくは少数枚積層した高インピーダンス部からな
り、低インピーダンス部および/または高インピーダン
ス部が厚さ方向に形成されたスリットによって複数部分
に分割されてなる厚み縦振動圧電磁器トランスの製造方
法において、圧電材料、分散媒およびバインダからなる
泥漿によりグリーンシートを作製する工程と、圧電材
料、分散媒およびバインダからなる泥漿と、スリット形
成用有機材料、分散媒およびバインダからなる泥漿とか
らセラミックス部とスリット形成部とが一体的に形成さ
れたグリーンシートを作製する工程と、前記グリーンシ
ートおよびスリット形成部付きグリーンシートのうちス
リット形成部を除く領域に内部電極を印刷する工程と、
該電極印刷グリーンシートのそれぞれを所定の順序で前
記スリット形成部が重なるように積層して熱圧着し、所
定形状に切断する工程と、熱処理により脱バインダする
と共に、有機材料を分解もしくは燃焼させる工程と、焼
成を行う工程と、外部電極を形成する工程と、外部電極
に電圧を印加した後、該圧電磁器を研磨して、所定の寸
法に調整する工程とを備えたことを特徴とする厚み縦振
動圧電磁器トランスの製造方法である。
【0005】
【作用】内部多層電極および積層体の中に内部電極面と
垂直にスリットを設けた構造の圧電磁器トランスのスリ
ット形成方法として、本発明ではセラミックス粉末、バ
インダ、分散媒により作製したセラミックス部と、スリ
ット形成用の有機材料、分散媒、バインダからなるスリ
ット部とを一体的に形成したグリーンシートを用い、こ
のグリーンシートのセラミックス部と、セラミックス粉
末、バインダ、分散媒からなるグリーンシートの表面に
内部電極を印刷した後、グリーンシートを重ねて熱圧着
し、所定の形状に切断後、バインダ、分散媒、スリット
形成用有機材料を熱処理により除去し、さらに焼成する
ことによりスリットが形成された圧電磁器トランスを作
製する。この方法によれば従来の機械的な加工技術によ
りスリットを形成する方法に比べ、圧電磁器トランス内
部に掘削によるマイクロクラックが発生せず、不要振動
の起こらない、従って振動特性に優れ、電力伝送効率が
高い圧電磁器トランスが実現できる。
【0006】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。図1
は本発明の方法により作製した圧電磁器トランスの一例
の斜視図、図2はその断面結線図である。図1、図2に
おいて、本発明の方法による圧電磁器トランスは、内部
電極層14,15を介して厚み方向に逆向きに分極され
た圧電磁器層19を多数積層した低インピーダンス部1
6と、その中間に絶縁層を介して形成された単層の圧電
磁器層10からなる高インピーダンス部17で構成され
ている。また、低インピーダンス部16には、積層方向
に垂直にスリット18が形成されている。
【0007】外部電極端子は、図2に示すように、低イ
ンピーダンス部16の内部電極層14を外部で交互に接
続し、出力端子21,22,25,26,27,28と
し、高インピーダンス部17の上下に位置する内部電極
層15から入力端子を取り出し、23,24とする。な
お、高インピーダンス部17の圧電磁器層の合計厚さと
低インピーダンス部16の圧電磁器層の合計厚さとが同
じになるように構成する。ここで、低インピーダンス部
の圧電磁器層は隣接する各層の分極方向が逆になるよう
に配置されている。また、各圧電磁器層の間には、内部
電極14,15により、電界を印加することが可能とな
っており、独立した3個の低インピーダンス部と1個の
高インピーダンス部とが1つの積層体を構成している。
【0008】本実施例によって作製される圧電磁器トラ
ンスは、4端子型圧電トランスの積層型であり、2MH
z帯厚み縦振動二次モードを用い、圧電材料としてはP
bTiO3系圧電材料を用いている。次にその製造方法
について説明する。図3(a)〜(c)に示すように、
まずPbTiO3系圧電セラミックス粉末またはスリッ
ト形成用有機材料を有機バインダと共に溶媒中に分散
し、スラリーにする。得られたセラミックス部用の泥漿
とスリット形成部用の泥漿を用いてドクターブレードを
用いたキャスティング法により、厚さ70μmのグリー
ンシート31,32を作製する。ここで、グリーンシー
ト31はセラミックス部のみからなるものであり、グリ
ーンシート32はセラミックス部以外にスリット形成部
36を有するものである。次にグリーンシート31およ
びグリーンシート32のセラミックス部にPt、バイン
ダ、有機溶剤からなるPtペーストをスクリーン印刷法
により形成し、内部電極35を印刷したグリーンシート
33,34を作製する。
【0009】作製した電極印刷グリーンシート33,3
4を図3(b)の形状になるように組み合わせ重ねた
後、プレスにより熱圧着し、積層する。その後、500
℃で空気中での熱処理により脱バインダをして、さらに
600℃、空気中での熱処理によりスリット形成用有機
材料を燃焼除去し、図3(c)の形状にする。次に12
00℃、空気中で2時間の焼成を行い圧電磁器トランス
を作製する。
【0010】内部電極はそれぞれ1端面にのみ露出して
おり、その端面に外部電極を焼き付けし、図2における
電極端子21と22間、27と28間、25と26間、
23と24間に7kV/mmの直流電圧を印加し分極す
る。そして最後に所定の寸法精度になるように研磨を施
す。本実施例では1.7MHzで圧電トランスを駆動さ
せるために、圧電トランスの厚さが2.8mmになるよ
うに研磨を行った。
【0011】次に、高インピーダンス部17の電極端子
23,24からそれぞれ厚み縦振動2次モードを励振す
る高周波・高電圧信号を入力し、低インピーダンス部1
6の電極端子21、22と25、26と27,28に適
当な抵抗負荷で終端し、出力を取り出す降圧型のトラン
スとして評価した。従来方法の掘削によりスリットを形
成した本発明と同寸法の圧電磁器トランスが5W駆動時
において電力伝送効率が90%であるのに対し、本発明
により作製した圧電磁器トランスの効率は95%となっ
た。図4(a)には従来方法である掘削によりスリット
を形成した圧電磁器トランスのアドミタンス−周波数特
性を、図4(b)には本発明により作製した圧電磁器ト
ランスのアドミタンス−周波数特性を示す。この図から
本発明により作製した圧電磁器トランスは、従来方法の
掘削により発生したマイクロクラックが誘起した不要振
動が起こらず、電力伝送効率が従来方法により作製した
圧電磁器トランスより向上したことがわかる。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により作製
した圧電磁器トランスは、有機材料の燃焼によってスリ
ットを形成することにより、従来方法により作製した圧
電磁器トランスに比べ、高効率を実現し、工業的価値は
多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により作製した厚み縦振動圧電磁
器トランスの斜視図である。
【図2】本発明の方法により作製した圧電磁器トランス
の断面結線図である。
【図3】本発明の方法を説明するための圧電磁器トラン
スの積層方法の説明図である。
【図4】アドミタンス−周波数特性図である。
【符号の説明】
10 圧電磁器層 11,12,13,16 低インピーダンス部 14,15 内部電極層 17 高インピーダンス部 18 スリット 21,22,23,24,25,26,27,28 電
極端子 31 グリーンシート 32 スリット形成部を有するグリーンシート 35 内部電極 36 スリット形成部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の内部電極層と圧電磁器層が交互に
    積層され、内部電極層を介して隣接する圧電磁器層が互
    いに厚み方向逆向きに分極されている積層体であって、
    薄い前記圧電磁器層を多数枚積層した低インピーダンス
    部と厚い前記圧電磁器層を単層もしくは少数枚積層した
    高インピーダンス部からなり、低インピーダンス部およ
    び/または高インピーダンス部が厚さ方向に形成された
    スリットによって複数部分に分割されてなる厚み縦振動
    圧電磁器トランスの製造方法において、圧電材料、分散
    媒およびバインダからなる泥漿によりグリーンシートを
    作製する工程と、圧電材料、分散媒およびバインダから
    なる泥漿と、スリット形成用有機材料、分散媒およびバ
    インダからなる泥漿とからセラミックス部とスリット形
    成部とが一体的に形成されたグリーンシートを作製する
    工程と、前記グリーンシートおよびスリット形成部付き
    グリーンシートのうちスリット形成部を除く領域に内部
    電極を印刷する工程と、該電極印刷グリーンシートのそ
    れぞれを所定の順序で前記スリット形成部が重なるよう
    に積層して熱圧着し、所定形状に切断する工程と、熱処
    理により脱バインダすると共に、有機材料を分解もしく
    は燃焼させる工程と、焼成を行う工程と、外部電極を形
    成する工程と、外部電極に電圧を印加した後、該圧電磁
    器を研磨して、所定の寸法に調整する工程とを備えたこ
    とを特徴とする厚み縦振動圧電磁器トランスの製造方
    法。
JP4083179A 1992-03-05 1992-03-05 厚み縦振動圧電磁器トランスの製造方法 Pending JPH05251783A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7374628B2 (en) * 2001-04-06 2008-05-20 Ngk Insulators, Ltd. Method for manufacturing a cell-driving-type micro pump member

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7374628B2 (en) * 2001-04-06 2008-05-20 Ngk Insulators, Ltd. Method for manufacturing a cell-driving-type micro pump member

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