JPH0525128A - ピロロアゼピン誘導体の製造方法 - Google Patents

ピロロアゼピン誘導体の製造方法

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JPH0525128A
JPH0525128A JP10816691A JP10816691A JPH0525128A JP H0525128 A JPH0525128 A JP H0525128A JP 10816691 A JP10816691 A JP 10816691A JP 10816691 A JP10816691 A JP 10816691A JP H0525128 A JPH0525128 A JP H0525128A
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JP10816691A
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English (en)
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Hidetsura Chiyou
秀連 長
Akira Mizuno
章 水野
Mikiko Hamaguchi
美樹子 浜口
Toshio Tatsuoka
敏雄 立岡
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Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】ピロールをホスゲン類および一般式(IV)で表
されるアミン誘導体と反応させることを特徴とする一般
式(II)で表されるピロールカルボン酸誘導体の製造方
法およびこの化合物(II)に五酸化リン−メタンスルホ
ン酸、五酸化リン−トリフルオロメタンスルホン酸また
はメタンスルホン酸無水物−メタンスルホン酸から選ば
れる縮合剤を作用させる一般式(I)で表されるピロロ
アゼピン誘導体の製造法。 〔各々の式において、Rは水素原子、アルキル基または
アラルキル基を、Yは基−COOR′(但しR′は低級
アルキル基、アラルキル基、アリール基である)または
基−CNを示す〕 【効果】本発明方法によれば、入手容易なピロールから
医薬品の合成中間体であるピロロアゼピン誘導体(I)
を経済的に大量に合成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品製造中間体とし
て有用な次の式(I)
【化4】 (式中、Rは水素原子、アルキル基またはアラルキル基
を示す)で表されるピロロアゼピン誘導体の有利な製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者等は先に、ピロロアゼピン骨格
を有する誘導体が優れた抗α1作用、抗セロトニン作用
を有し、高血圧症や心不全などの循環器系疾患の治療薬
として有用なものであることを見出して特許出願した
(特願平2−26137号)。
【0003】しかし、上記ピロロアゼピン誘導体の製造
法においては、出発原料である式(I)で表される原料
ピロロアゼピン誘導体を有利に製造することが難しく、
操作性及び経済性の面から見て隘路となっていた。すな
わち、原料であるピロロアゼピン誘導体(I)は次の式
(II)
【化5】 [式中、Rは前記した意味を有し、Yは基 −COOR'
(ここでR'は低級アルキル基、アラルキル基またはア
リール基を示す)または基−CNを示す]で表されるピ
ロールカルボン酸誘導体をピロロアゼピン骨格構築の中
間体として製造されるが、この化合物(II)の合成法が
多段階合成であり、操作性及び経済性の面から見て問題
となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、入手が
容易なピロールから短い工程でピロールカルボン酸誘導
体(II)、さらにはピロロアゼピン誘導体(I)を得る
べく鋭意研究を進めた結果、次の式に従い、ピロールに
ホスゲン類とアミン誘導体とを作用させれば、一段階反
応でピロールカルボン酸誘導体(II)を得ることがで
き、更に、当該ピロールカルボン酸誘導体(II)に特定
の縮合剤を作用させれば容易にピロロアゼピン誘導体
(I)が得られることを見出し本発明を完成した。
【化6】 (式中、RおよびYは前記した意味を有する)
【0005】したがって本発明の第一の目的は、ピロー
ル(III)をホスゲン類およびアミン誘導体(IV)と反
応させることを特徴とするピロールカルボン酸誘導体
(II)の製造方法を提供することである。また、本発明
の他の目的は、上記のようにして得たピロールカルボン
酸誘導体(II)に五酸化リン−メタンスルホン酸、五酸
化リン−トリフルオロメタンスルホン酸またはメタンス
ルホン酸無水物−メタンスルホン酸から選ばれる縮合剤
を作用させるピロロアゼピン誘導体(I)の製造法を提
供することである。
【0006】本発明を実施するには、まず、ピロール
(III)を適当な有機溶媒に溶解した後、ホスゲン類、
次いでアミン誘導体(IV)を作用させる。用いられる有
機溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン、テト
ラヒドロフラン等が挙げられる。
【0007】ホスゲン類としては、ホスゲンそれ自体を
トルエン等の適当な溶媒に溶かして用いても良いが、反
応系内においてホスゲンに代わりうる物質を利用しても
良い。反応系内においてホスゲンに代わりうる物質とし
ては、例えば次の式(V) Cl3COCOCl (V) で表される、ホスゲンのダイマーであるトリクロロメチ
ルクロロホルメート(以下、「TCF」と略称する)又
は次の式(VI) (CCl3O)2CO (VI) で表されるホスゲンの三量体であるトリホスゲン(ホス
ゲントリマー)を例示することができる。
【0008】TCF又はトリホスゲンを利用する場合
は、反応系内に塩基または活性炭を存在せしめることが
好ましく、用いられる塩基としては、好ましくはN,N
−ジメチルアニリン等のアニリン誘導体、ピリジン誘導
体、トリエチルアミンなどのアルキルアミン類、好まし
くは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等の
無機塩基類、好ましくは1,1,3,3−テトラメチル尿
素(Tetrahedron Lett.,3297(1967))等の尿素誘導体等
が挙げられる。 これらの塩基または活性炭は直接また
はピロールを溶解したのと同一な有機溶媒に溶解して加
えられる。
【0009】ホスゲン、TCF、トリホスゲンなどのホ
スゲン類を反応系に添加する場合、反応系の温度を−1
5℃〜室温とし、時間をかけて徐々に滴下もしくは吹き
込むことが望ましい。
【0010】また、アミン誘導体(IV)としては、2−
N−メチル−アミノプロピオン酸、2−N−エチル−ア
ミノプロピオン酸、2−N−プロピル−アミノプロピオ
ン酸、2−N−ブチル−アミノプロピオン酸等の2−N
−アルキルアミノプロピオン酸の低級アルキルエステル
や、2−N−メチル−アミノプロピオニトリル、2−N
−エチル−アミノプロピオニトリル、2−N−プロピル
−アミノプロピオニトリル、2−N−ブチル−アミノプ
ロピオニトリル等の2−N−アルキルアミノプロピオニ
トリル等が挙げられる。 これらのアミン誘導体(IV)
は、ピロール(III)を溶解したのと同様な適当な溶媒
に溶解して反応系内に加えても良い。
【0011】反応は、室温ないし加熱還流下で撹拌する
ことにより行なわれる。
【0012】アミンとして式(IV)中、Yが−COO
R'である次の式(IVa) RNH(CH22COOR' (IVa) (式中、R'、Rは前記した意味を有する)で表される
2−N−アルキルアミノプロピオン酸の低級アルキルエ
ステルを使用した場合は、反応系内から減圧下溶媒を留
去し、得られた中間体を水に可溶のアルコールと塩基性
水溶液の混合溶媒中で加水分解することにより、次の式
(IIa)
【化7】 で表されるピロールカルボン酸誘導体が得られる。
【0013】また、アミンとして式(IV)中、Yが−C
Nである次の式(IVb) RNH(CH22CN (IVb) (式中、Rは前記した意味を有する)で表される2−N
−アルキルアミノプロピオニトリルを使用した場合は、
上記と同様にして次の式(IIb)
【化8】 (式中、Rは前記した意味を有する)で表されるピロー
ルニトリル誘導体を得、更にこれを酸性条件下で加水分
解することによりピロールカルボン酸誘導体(IIa)を
得る。
【0014】叙上の如くして得られたピロールカルボン
酸誘導体(II)を有利にピロロアゼピン誘導体(I)に
導くには、五酸化リン−メタンスルホン酸、五酸化リン
−トリフルオロメタンスルホン酸またはメタンスルホン
酸無水物−メタンスルホン酸から選ばれる縮合剤を用
い、閉環せしめれば良い。
【0015】ピロールカルボン酸誘導体(II)の閉環反
応にあたっては、従来より閉環反応の試薬として知られ
ているポリリン酸や、フリーデルクラフト反応の条件で
用いられる塩化アルミニウム等を利用することもできる
が、ポリリン酸は粘稠オイルであり、また、塩化アルミ
ニウムは懸濁液として用いなければならず、操作性に問
題があった。
【0016】ところが、本発明者等は五酸化リンとメタ
ンスルホン酸の混合溶液(五酸化リン−メタンスルホン
酸;以下、「PPMA」と略称する)、五酸化リンとト
リフルオロメタンスルホン酸の混合溶液(五酸化リン−
トリフルオロメタンスルホン酸;以下、「PPTMA」
と略称する)およびメタンスルホン酸無水物−メタンス
ルホン酸を縮合剤として利用すると従来法に比べ非常に
操作性がよく、有利にピロールカルボン酸誘導体(II)
をピロロアゼピン誘導体(I)に導けることを見出し
た。
【0017】このうちPPMAおよびPPTMAは、例
えば次の様にして調製しうる。 PPMA:PPMAは既に文献公知(J. Org. Chem. 3
8, 4701, (1973))であり、この方法で調製したものを
利用しても良いが、公知方法では五酸化リンとメタンス
ルホン酸から試薬を調製する際、室温で1〜2時間かけ
なければならず、また、十分に溶液ができない場合もあ
る。
【0018】本発明者等の検討によれば、五酸化リンと
メタンスルホン酸を、好ましくは1:9〜13程度のモ
ル比で混合し、これを100℃に加熱し、10〜30分
間激しく撹拌して反応させることにより、使用しやすい
PPMAが容易に調製できるので、このようにして得た
ものを利用することがより好ましい。
【0019】PPTMA:PPMAと同様の方法によ
り、五酸化リンとトリフルオロメタンスルホン酸を、好
ましくは1:9〜13程度のモル比で混合し、これを1
00℃にて10〜30分間激しく撹拌することにより調
製できる。得られたPPTMAは、脱水力および結合力
が強い試薬である。
【0020】上記したPPMAまたはPPTMAを縮合
剤として用い、ピロールカルボン酸誘導体(II)をピロ
ロアゼピン誘導体(I)に導くには、まず、重量比で4
〜6倍の100℃に加熱した縮合剤中に、撹拌下、粉末
状のピロールカルボン酸誘導体(II)を加え、3〜5分
間反応させた後、この反応物を氷水中に注ぐか氷水で希
釈する。 次いで、これを適当な有機溶媒で抽出し、有
機層を塩基性水溶液好ましくは希重曹水溶液で洗浄、乾
燥させた後、溶媒を留去させれば良く、こうすることに
より効率良くかつ迅速にピロロアゼピン誘導体(I)を
得ることができる。
【0021】また、メタンスルホン酸中にメタンスルホ
ン酸無水物を加えた混合物(メタンスルホン酸無水物−
メタンスルホン酸)を用いる場合は、これを80〜10
0℃とし、その中にピロールカルボン酸誘導体(II)又
はそのメタンスルホン酸溶液を加え、5〜30分間反応
させることにより、上記同様、ピロロアゼピン誘導体
(I)を得ることができる。メタンスルホン酸無水物と
メタンスルホン酸の比は、モル比で2〜3:11程度が
好ましい。
【0022】
【発明の効果】本発明方法によれば、入手容易なピロー
ルから医薬品の合成中間体であるピロロアゼピン誘導体
(I)を経済的に大量に合成することができる。
【0023】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明
する。 実 施 例 1 3−(N−メチル−2−ピロールカルボキサミド)プロ
ピオン酸の合成(式(II)中、R=メチル):ピロール
2.026gとN,N−ジメチルアニリン 3.38gの
トルエン(35ml)溶液に、ホスゲンダイマー 1.8
mlのトルエン(15ml)溶液を、0℃で15分間か
けてゆっくり加える。 室温で16時間撹拌後、2時間
加熱還流する。 反応溶液を0℃に冷却し、エチル 2−
N−メチルアミノプロピオネート 3.67gとN,N−
ジメチルアニリン3.38gのトルエン(10ml)溶
液を加え、油浴温度150℃で1時間緩和に加熱還流す
る。 反応混合物からトルエンを減圧留去した後、残渣
に0℃にてエタノール20ml、更に10%水酸化ナト
リウム水溶液を加えて塩基性とし、20時間室温で撹拌
する。 反応液をクロロホルムで抽出(3回)し、水層
に塩化ナトリウムおよび10%塩酸を加え酸性とし、酢
酸エチルで3回抽出する。 有機層を無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した後、減圧下溶媒を留去すると、表題化合
物 4.96g(90%)が無色結晶として得られる。
【0024】I R(cm-1; ヌジョール):320
0,1700,1570 NMR(CDCl3 δppm):2.72(2H,t,J
=7Hz),3.32(3H,brs), 3.89(2H,
brt),6.25(1H,m),6.40(1H,br
s), 6.96(1H,brs)
【0025】実 施 例 2 3−(N−メチル−2−ピロールカルボキサミド)プロ
ピオン酸の合成:トルエン 1000mlにピロール 6
0.3gとN,N−ジメチルアニリン108.9gを溶解
し、これに反応温度を0℃に保ちながらホスゲンダイマ
ー54mlのトルエン 400ml溶液を20分以上か
けてゆっくり滴下する。 反応液を0℃のまま撹拌し、
次第に昇温させ、室温で18時間反応させる。反応液を
0℃に冷却し、撹拌しながらエチル 2−N−メチルア
ミノプロピオネート 141.5gとN,N−ジメチルア
ニリン 130.7gをトルエン 300mlに溶かした
ものを滴下する。 5分間撹拌した後、油浴の温度を1
50℃にして1時間還流させ、室温まで冷却した後、適
度に加温し、トルエンを減圧留去する。
【0026】得られた暗褐色の残渣にエタノール 60
0mlを加えて0℃まで冷却する。そこに10%水酸化
ナトリウム水溶液 1500mlを加えて室温に戻して
18時間撹拌する。 反応液に塩化ナトリウム 80gと
クロロホルム 2000mlを加えて撹拌し、有機層を
除く。 水層にクロロホルム 1000mlを加え、撹拌
分液する(2回)。
【0027】水層を0℃に冷却し、10%塩酸水溶液
(濃塩酸350ml、水1100ml)約1300ml
でpH3−4の酸性にする。 しばらく放置すると一部
粗結晶が晶出することもあるので、直ちに酢酸エチル
2000ml、1000ml、1000mlで3回抽出
する。 酢酸エチル層をあわせ、無水硫酸マグネシウム
約300gと活性炭 35g(和光純薬 # 037−0
2115)を加えて、乾燥脱色する。 ろ液を緩和に加
熱し、溶媒を減圧留去すると、表題化合物の粗結晶(淡
褐色又は無色)132.6g(75%)得られる。 これ
にメタノール1000mlを加え、40−50℃で加熱
し、溶解する。 全量が1/3になるまでメタノールを
減圧留去し、そこにイソプロピルエーテル 500ml
を加え、結晶化を行うと無色の結晶が得られる。 更に
母液を濃縮しても無色の結晶が得られる。 再結晶体1
20g(68%)。 融 点 : 123−124℃
【0028】実 施 例 3 3−(N−メチル−2−ピロールカルボキサミド)プロ
ピオン酸の合成:トルエン 800mlにピロール 6
0.3gとN,N−ジメチルアニリン 108.9gを溶か
し、これに反応温度を0℃に保ちながらホスゲンダイマ
ー54mlをトルエン 300mlに溶かしたものをを
20分以上かけて滴下する。 その後0℃で2時間撹拌
する。
【0029】次いでこの反応液にエチル 2−N−メチ
ルアミノプロピオネート 141.5gとトリエチルアミ
ン 90.9gをトルエン 200mlに溶かしたものを
0℃で滴下し、30分間撹拌する。生じたトリエチルア
ミン塩酸塩の結晶を濾過する。 結晶をトルエン 200
mlで洗浄し、洗浄液は濾液に加える。 濾液は減圧濃
縮する。 得られる残渣にエタノール 200mlと3.
75M水酸化ナトリウム水溶液 1000mlを0℃で
加えて室温で18時間撹拌する。 反応液をクロロホル
ム 1000ml、500ml、500mlで3回洗浄
した後、17.5%塩酸 500mlで反応液のpHを3
−4にする。 直ちに、酢酸エチル 1000ml、50
0ml、500mlで3回抽出し、酢酸エチル層は無水
硫酸マグネシウム 200gで乾燥し、活性炭 30gで
脱色濾過する。 濾液を温和に加温し減圧留去すると、
表題化合物の粗結晶が得られる。 粗結晶はメタノール
500mlに溶かし、液量が半分又は1/3になるまで
減圧濃縮してから、イソプロピルエーテル 300ml
で再結晶させる。
【0030】実 施 例 4 3−(N−メチル−2−ピロールカルボキサミド)プロ
ピオン酸の合成:トルエン(7ml)中にトリホスゲン
1.48gを溶解した溶液を、ピロール1gとN,N−
ジメチルアニリン 1.8gのトルエン(18ml)溶液
に0℃で撹拌下滴下する。 5分後、反応溶液を室温に
し、20時間撹拌する。 0℃でこの反応液にエチル 2
−N−メチルアミノプロピオネート 2.34gとN,N
−ジメチルアニリン 2.17gのトルエン溶液(5m
l)を加え、1時間、150℃に加温し、冷却後トルエ
ンを減圧留去する。 残渣をエタノール10mlに溶か
し、10%カセイソーダ水溶液25mlを0℃で加え、
室温で24時間激しく撹拌する。 反応液をクロロホル
ム抽出し(3回)、残った塩基性水溶液を10%塩酸水
溶液で酸性とし、酢酸エチルで抽出する。 有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去すると、
粗結晶として表題化合物2.55g(87%)が得られ
る。 実施例2で示した方法で再結晶を行うと無色の再
結晶体が得られる。
【0031】実 施 例 5 3−(N−メチル−2−ピロールカルボキサミド)プロ
ピオン酸の合成:ピロール 15.65g(0.233m
ol)とN−ジメチルアニリン 28.3g(0.233
mol)のトルエン 120ml溶液に、寒剤(食塩−
氷)で冷却撹拌下、無水トルエン250mlに23.1
g(0.233mol)のホスゲンを溶かした溶液を、
30分かけて(反応容器内温度−5℃から−10℃で)
ゆっくり滴下する。 1時間後、氷水浴を除去し、室温
で2.5時間撹拌し、再度寒剤で冷却する。 この反応液
に、エチル 2−N−メチルアミノプロピオネート 3
6.7g(0.280mol)とトリエチルアミン 23.
56g(0.233mol)の無水トルエン50mlの
溶液を30分かけゆっくりと滴下する。 室温で終夜1
7時間撹拌し、生じたトリエチルアミンの塩酸塩を濾過
し、その塩をトルエン80mlで洗浄し、濾液を合せて
減圧濃縮する。残渣76gをエタノール 53mlに溶
解し、氷冷下10%カセイソーダ水溶液260mlを加
え、しばらく撹拌後、室温で22時間撹拌する。 クロ
ロホルム 300mlで抽出し、さらに水層をクロロホ
ルム 150mlで抽出し、未反応の原料及び有機塩基
を除去する。 塩基性の水層を10%塩酸水溶液で、約
pH3とし、直ちに酢酸エチル300mlついで150
mlで2回抽出する。 有機層に無水硫酸マグネシウム
と活性炭 8gを加え、乾燥と脱色を行ない、濾過後減
圧濃縮する。 残渣粗結晶 39gをメタノール 130
mlに溶解し、約3分の1量まで濃縮し、イソプロピル
エーテル80mlを加え結晶を晶出させ、これを濾取す
る。 この結晶を適量のイソプロピルエーテルで洗浄し
て、無色の結晶32gを得る。 これを減圧乾燥(50
℃)し、乾燥後28.3g(61.8%)の無色結晶を得
る(HPLC純度 99.9%)。 融 点 : 124.4℃
【0032】なお、上記の第1工程でホスゲンのトルエ
ン溶液をピロールなどのトルエン溶液中に滴下する加え
方を逆にして、ホスゲンのトルエン溶液中にピロールな
どのトルエン溶液を同様に滴下しても、ほぼ同じ収率
(59%)で目的化合物を得ることができる。
【0033】実 施 例 6 3−(N−メチル−2−ピロールカルボキサミド)プロ
ピオニトリル(式(II)中、R=メチル)の合成:実施
例1に示した方法において、エチル 2−N−メチルア
ミノプロピオネートに代え、2−N−メチルアミノプロ
ピオニトリル 2.48gを用いると、粗結晶として表題
化合物2.65g(51%)が得られる。
【0034】I R(cm-1;CHCl3):2250,
1600 NMR(CDCl3 δppm):2.74(2H,t,J
=7Hz),3.45(3H,s),3.82(2H,t,J
=7Hz),6.30(1H,m),6.62(1H,br
s),6.98(1H,brs) 融 点 : 106〜107℃ 性 状 : 結 晶
【0035】実 施 例 7 3−(N−メチル−2−ピロールカルボキサミド)プロ
ピオン酸の合成:実施例6で得られた3−(N−メチル
−2−ピロールカルボキサミド)プロピオニトリルをそ
のままジオキサン(5ml)に溶解し、10%塩酸水溶
液( 5ml)を加え、1時間還流する。 反応混合物を
0℃に冷却し、10%水酸化ナトリウム水溶液を加え、
酢酸エチルで抽出する。 水層を10%塩酸で酸性と
し、酢酸エチル3回抽出する。 有機層を無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した後、減圧下溶媒留去すると表題化合
物1.65g(60%)が得られる。
【0036】実 施 例 8 3−(N−n−プロピル−2−ピロールカルボキサミ
ド)プロピオン酸(式(II)中、R=n−プロピル)の
合成:ピロール18.9gとN,N−ジメチルアニリン
34.1gのトルエン(300ml)溶液にホスゲンダ
イマー 17mlのトルエン 125ml溶液を0℃で2
0分間かけて、ゆっくり滴下撹拌する。10分後、反応
溶液を室温に戻し、22時間撹拌し、2時間還流する
(油浴150℃)。 これを0℃に冷却し、エチル 2−
N−n−プロピルアミノプロピオネート 49gとN,N
−ジメチルアニリン 40.9gの(トルエン)100
ml溶液を0℃で冷却した反応溶液中に加え、1時間還
流する。 次いで、トルエンを減圧留去し、濃縮残渣に
エタノ−ル190mlと10%水酸化ナトリウム水溶液
470mlを0℃で加え、反応液を室温で16時間撹
拌し、反応混合物をセライトをひいたヌッチエで過す
る。ろ液に飽和食塩水 0.5lを加え、次いでクロロホ
ルム(1l)で3回(合計3l)抽出する。水層を10
%塩酸水溶液で酸性とし酢酸エチル(0.9l)で3回
(合計2.7l)抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウ
ム 90gで乾燥し、活性炭 20gで脱色後、ろ過し、
溶媒を減圧留去すると、表題化合物 38.5g(61
%)が結晶として得られる。 本結晶はほとんど無色に
近いが、必要ならばメタノール−酢酸エチル−イソプロ
ピルエーテルから再結晶する。
【0037】I R(cm-1; ヌジョール):324
0,1700,1560 NMR(CDCl3/CD3OD=1/1 δppm):
0.98(3H,t,J=7Hz) 1.62〜1.85(2H,m) 2.70(2H,t,J=7Hz) 3.46〜3.66(2H,m) 3.72〜3.95(2H,m) 6.25(1H,m), 6.58(1H,brs), 6.9
4(1H,brs)
【0038】実 施 例 9 7−メチル−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−C]アゼ
ピン−4,8(1H,5H)−ジオン(式(I)中、R=
メチル)の合成: (1)縮合試薬の調製 PPMAの調製 4gの五酸化リンを入れた容器に、室温で40gのメタ
ンスルホン酸を加えた後、100℃で10分間加熱攪拌
すると、無色ないし淡黄色溶液として標記試薬が得られ
る。 PPTMAの調製 2.5gの五酸化リンを入れた容器に0℃でトリフルオ
ロメタンスルホン酸25gを加え、よく撹拌する。 更
に室温で30分間撹拌した後、100℃で10分間撹拌
すると、無色の溶液として標記試薬が得られる。
【0039】(2) 上記(1)の で調製した10
0℃のPPMA溶液を激しく撹拌し、これに7.33g
の実施例1で得た3−(N−メチル−2−ピロールカル
ボキサミド)プロピオン酸の結晶を粉末にして加える。
3分間100℃で撹拌し、これを氷水中にあけ、クロ
ロホルムで3回抽出する。 有機層を0.5%重曹水溶液
で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減
圧下溶媒を留去すると無色結晶として表題化合物 5.4
5g(82%)が得られる。この結晶はこのままでもき
れいであるが(高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)*による純度 97%)、必要であればクロロホル
ム−イソプロピルエーテルまたはクロロホルム−酢酸エ
チルから更に再結晶を行えば、HPLC純度99.6%
以上の結晶を得ることもできる。 * HPLC条件: 20% アセトニトリル/リン酸緩
衝溶液(pH 4.8)ODS逆相カラムを用いた。
【0040】(3) 上記(1)の で調製した10
0℃のPPTMA溶液を激しく撹拌し、これに4.58
gの3−(N−メチル−2−ピロールカルボキサミド)
プロピオン酸の結晶を粉末にして加える。1分間100
℃で撹拌し、これを氷水中にあけ、クロロホルムで3回
抽出する。有機層を0.5%重曹水溶液で1回洗浄し無
水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下溶媒を留去す
ると無色ないし淡黄色結晶として表題化合物 2.49g
(60%)が得られる。 NMR(CDCl3/TMS δppm):2.89(2
H,m),3.27(3H,s),3.73(2H,m),6.
77(1H,t,J=2.6Hz),6.94(1H,t,J
=2.6Hz),10.84(1H,br.) I R(cm-1;CHCl3):3425,2450,1
665,1620,1480,1400,1365,114
5,1080,945
【0041】実 施 例 10 7−メチル−6,7−ジヒドロピロロ[2,3−C]アゼ
ピン−4,8(1H,5H)−ジオンの合成:3−(N−
メチル−2−ピロールカルボキサミド)プロピオン酸9
2.6mgのメタンスルホン酸(1ml)溶液を、80
℃でメタンスルホン酸無水物493mgのメタンスルホ
ン酸の2ml溶液へ撹拌下加える。 80℃で30分間
反応させ、反応液を氷水中に加えてクロロホルムで抽出
する。 有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧
留去すると無色の結晶として表題化合物 64mg(7
7%)が得られる。 以 上
【化9】
【化10】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立岡 敏雄 大阪府三島郡島本町若山台1丁目1番1号 サントリー株式会社生物医学研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピロールをホスゲン類および次の式
    (IV) RNH(CH22Y (IV) [式中、Yは基−COOR'(ここでR'は低級アルキル
    基、アラルキル基またはアリール基を示す)または基−
    CNを示し、Rは水素原子、アルキル基またはアラルキ
    ル基を示す]で表されるアミン誘導体と反応させること
    を特徴とする次の式(II) 【化1】 (式中、R、Yは前記した意味を有する)で表されるピ
    ロールカルボン酸誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 ピロールをホスゲン類および次の式
    (IV) RNH(CH22Y (IV) [式中、Yは基−COOR'(ここでR'は低級アルキル
    基、アラルキル基またはアリール基を示す)または基−
    CNを示し、Rは水素原子、アルキル基またはアラルキ
    ル基を示す]で表されるアミン誘導体と反応させて次の
    式(II) 【化2】 (式中、R、Yは前記した意味を有する)で表されるピ
    ロールカルボン酸誘導体とし、必要な場合にはこれを加
    水分解した後、五酸化リン−メタンスルホン酸、五酸化
    リン−トリフルオロメタンスルホン酸またはメタンスル
    ホン酸無水物−メタンスルホン酸から選ばれる縮合剤を
    作用させる次の式(I) 【化3】 (式中、Rは前記した意味を有する)で表されるピロロ
    アゼピン誘導体の製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0807632A1 (en) * 1995-12-01 1997-11-19 Suntory Limited Pyrroloazepine derivatives
WO2000048602A1 (en) * 1999-02-17 2000-08-24 Suntory Limited Intermittent claudication therapeutic drugs comprising pyrroloazepines

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0807632A4 (en) * 1995-12-01 1998-12-09 Suntory Ltd PYRROLOAZEPINE DERIVATIVES
WO2000048602A1 (en) * 1999-02-17 2000-08-24 Suntory Limited Intermittent claudication therapeutic drugs comprising pyrroloazepines

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