JPH0524989U - 横置型回転機械の給油機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 横置型スクロール圧縮機の潤滑個所を給油す
るための安価で、信頼性に富む給油機構を提供する。 【構成】 回転シヤフト５の一端に掬上管50を固定す
る。この掬上管50を回転させることによってハウジング
８内底部に貯溜された潤滑油81を掬上げ、回転シャフト
５に穿設された油路51、52を経て潤滑個所に給油する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はスクロール式流体機械、ロータリ式圧縮機等の回転機械をほぼ水平に 設置されたハウジング内に内蔵してなる横置型回転機械の給油機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の竪置型スクロール圧縮機の１例が図３に示されている。 図３に示すように、密閉ハウジング８の内部にはその上部にスクロール式圧縮 機構Ｃが、下部に電動モータＭが配設され、これらは回転シヤフト５によって連 動連結されている。 スクロール式圧縮機構Ｃは固定スクロール１、旋回スクロール２、旋回スクロ ール２の公転旋回運動を許容するが、その自転を阻止するオルダムリンク等の自 転阻止機構３、固定スクロール１及び電動モータＭが締結されるフレーム６、回 転シヤフト５を支持する上部軸受71及び下部軸受72、旋回スクロール２を支持す る旋回軸受73及びスラスト軸受74等からなる。 固定スクロール１は端板11とその内面に立設されたうず巻状ラップ12とを備え 、この端板11には吐出ポート13及びこれを開閉する吐出弁17が設けられている。 旋回スクロール２は端板21とこの内面に立設されたうず巻状ラップ22とを備え 、この端板21の外面に立設されたボス23内にドライブブッシュ25が旋回軸受73を 介して回転自在に嵌装されている。このドライブブッシュ25に穿設された偏心孔 内には回転シヤフト５の上端から突出する偏心ピン53が回転自在に嵌合されてい る。そして、この回転シヤフト５の上端にはバランスウェイト84が取り付けられ ている。 固定スクロール１と旋回スクロール２とを相互に公転旋回半径だけ偏心させ、 かつ、 180°だけ角度をずらせて噛み合わせることによって複数個の密閉空間24 が形成されている。

【０００３】 電動モータＭを駆動することによって、回転シヤフト５、偏心ピン53、ドライ ブブッシュ25、ボス23等の旋回駆動機構を介して旋回スクロール２が駆動され、 旋回スクロール２は自転阻止機構３によってその自転を阻止されながら公転旋回 半径の円軌道上を公転旋回運動する。 すると、ガスが吸入管82を経てハウジング８内に入り、電動モータＭを冷却し た後、フレーム６に穿設された通路85を通り吸入通路15から吸入室16を経て密閉 空間24内に吸入される。そして、旋回スクロール２の公転旋回運動により密閉空 間24の容積が減少するのに伴って圧縮されながら中央部に至り、吐出ポート13か ら吐出弁17を押し開いて吐出キャビティ14に入り、更に、吐出管83を経て外部に 吐出される。

【０００４】 これと同時に、ハウジング８内底部に貯溜された潤滑油81は回転シヤフト５内 下部に設けられた遠心ポンプ51によって吸い上げられ、給油孔52を通って下部軸 受72、偏心ピン53、上部軸受71、自転阻止機構３、旋回軸受73、スラスト軸受74 等を潤滑した後、室61、排油穴62を経て密閉ハウジング８の底部に落下してここ に貯溜される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

このスクロール圧縮機を横置型とするため、密閉ハウジング８をほぼ水平に設 置すると、回転シヤフト５の下端に組み込まれた遠心ポンプ51を潤滑油81中に浸 漬することができないため、スクロール式圧縮機構Ｃの潤滑個所に給油できない という問題があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記に鑑み、安価で、信頼性があり、ポンプ機能の優れた横置型回転 機械の給油機構を提供しようとするものであって、その要旨とするところは、ほ ぼ水平に設置されたハウジング内に内蔵された回転機械に上記ハウジング内底部 に貯溜された潤滑油を給油する横置型回転機械の給油機構において、先端開口が 回転方向に開口するとともに上記潤滑油中を通過する掬上管の基端を上記回転機 械の回転シャフトに固定し、この掬上管によって掬上げられた潤滑油を上記回転 機械の潤滑個所に給油するための油路を上記回転シヤフトに設けたことを特徴と する横置型回転機械の給油機構にある。

【０００７】

【作用】

本考案においては、上記構成を具えているため、回転シヤフトの回転に伴って 掬上管が回転し、この掬上管によって掬上げられた潤滑油が油路を通って回転機 械の潤滑個所に給油される。

【０００８】

【実施例】

本考案の１実施例が図１及び図２に示されている。 図１に示すように、密閉ハウジング８はほぼ水平に設置され、この密閉ハウジ ング８内底部に潤滑油81が貯溜されている。回転シヤフト５の左端には円弧状の 掬上管50の基端が固定され、この掬上管50の先端開口は回転シャフト５が矢印方 向に回転したとき、回転方向に向かって開口し、かつ、潤滑油81中を通過するよ うにされている。そして、回転シヤフト５の左端には掬上管50によって掬上げら れた油を給油孔52に導くための放射方向に伸びる孔51が穿設されている。また、 フレーム６には室61内の圧力を密閉ハウジング８内の圧力と均圧させるための均 圧孔63が穿設されている。 他の構成は図３に示す従来のものと同様であり、対応する部材には同じ符号が 付されている。

【０００９】 しかして、回転シヤフト５の回転に伴って掬上管50が回転すると、その先端開 口によって潤滑油81が掬上げられ、掬上管50及び孔51内を通って給油孔52を経て スクロール式圧縮機構Ｃの潤滑個所、即ち、下部軸受72、上部軸受71、旋回軸受 73、スラスト軸受74、偏心ピン53、自転阻止機構３等に給油される。 上記実施例においては、回転シヤフト５に１個の掬上管50を取り付けたが、２ 又はそれ以上の掬上管を取り付けることができ、また、掬上管50は回転シャフト ５の端面に取り付けることもできる。また、本考案はロータリ式圧縮機構やその 他の回転機械を内蔵する横置型回転機械に適用しうることは勿論である。

【００１０】

【考案の効果】

本考案においては、先端開口が回転方向に開口するとともに潤滑油中を通過す る掬上管の基端を上記回転機械の回転シャフトに固定したため、回転シヤフトの 回転に伴って掬上管が回転し、この掬上管によって掬上げられた潤滑油が油路を 通って回転機械の潤滑個所に給油される。 かくして、構造が簡単で、安価であり、しかも、信頼性に富む給油機構を得る ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例を示す縦断面図である。

【図２】図１のＡ矢に沿う矢視図である。

【図３】従来の竪置型スクロール圧縮機の縦断面図であ
る。

【符号の説明】

８ ハウジング Ｃ 回転機械 81 潤滑油 ５ 回転シヤフト 50 掬上管 51 油路 52 油路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ほぼ水平に設置されたハウジング内に内
   蔵された回転機械に上記ハウジング内底部に貯溜された
   潤滑油を給油する横置型回転機械の給油機構において、
   先端開口が回転方向に開口するとともに上記潤滑油中を
   通過する掬上管の基端を上記回転機械の回転シャフトに
   固定し、この掬上管によって掬上げられた潤滑油を上記
   回転機械の潤滑個所に給油するための油路を上記回転シ
   ヤフトに設けたことを特徴とする横置型回転機械の給油
   機構。