JPH05249751A - 絶縁性磁性1成分トナーの現像方法 - Google Patents

絶縁性磁性1成分トナーの現像方法

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JPH05249751A
JPH05249751A JP4084498A JP8449892A JPH05249751A JP H05249751 A JPH05249751 A JP H05249751A JP 4084498 A JP4084498 A JP 4084498A JP 8449892 A JP8449892 A JP 8449892A JP H05249751 A JPH05249751 A JP H05249751A
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JP
Japan
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toner
magnetic
charge
carrier
developing
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JP4084498A
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English (en)
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Keisuke Satsuta
恵介 薩▲た▼
Koichi Ogawa
孝一 小川
Tatsufumi Kiyomiya
龍文 清宮
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 PPC可能な接触磁性1成分トナー現像に於
いて、長期の連続印字に於いても画像濃度が安定な現像
方法を提供することを目的とする。 【構成】 少なくとも熱可塑性樹脂、磁性粉および必要
に応じて帯電安定剤、着色剤を含有し、体積固有抵抗が
約1×1014Ωcm以上の磁性1成分トナーを、少なくと
も現像場では表面が導電性のトナー担持体に磁力を用い
て保持し、静電荷像担持体上に形成された静電潜像に該
磁性1成分トナーを接触させて潜像を可視化し、該トナ
ー担持体上の残余のトナーをトナー担持体上から掻き落
としつつ、該トナーに潜像電荷と逆極性電荷を付与して
再使用に供することを特徴とする絶縁性磁性1成分トナ
ーの現像方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法等による静電潜像を、絶縁性磁性1成分トナーを用い
て現像する現像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、複写機のみならずプリンタ、ファ
クシミリなどに広く用いられている電子写真方式の現像
剤では、その取り扱い易さなどの点から乾式が主流であ
る。また、乾式現像剤にはキャリア粒子とトナー粒子を
混合して用いる2成分現像剤と、キャリアが不要な1成
分現像剤がある。2成分現像剤を用いる現像法(以後2
成分現像法と呼ぶ)は現在最も実績があり最も広く用い
られているものであり、画質も比較的良好であるが、以
下の欠点がある。
【0003】(1) 現像剤は現像に際しトナーだけが消費
されるため、トナー濃度を常に一定に保つためのトナー
補給手段及び調整機構が必要になり機械が大型かつ複雑
になる。 (2) トナーとキャリアを摩擦帯電させるために、現像剤
の攪拌が十分かつ速やかに行われなければならず、大き
な動力を要し、現像器も大型化する。 (3) トナーによるキャリア表面の汚染等により、現像剤
の寿命が短い。 (4) 上記(3) の問題から時々現像剤の交換が必要であ
る、トナー帯電量低下によるトナー飛散が原因の機内汚
れが発生しやすく、時々大掛かりな機内清掃が必要であ
る、等の問題から専門知識を持つ者によるメンテナンス
が不可欠である 。 (5) トナーの摩擦帯電性が環境湿度の影響を受けやす
く、カブリ発生や画像濃度低下の問題を起こし易い。
【0004】しかし近年は電子写真方式による複写機、
プリンタ、ファクシミリなどの小型化、パーソナル化が
急速に進展してきていることから、小型、簡易でかつ特
に上記のようなメンテナンスを必要とせず、しかもどん
な使用環境、特に高温高湿度下でも、安定した画像の得
られる1成分現像法の確立がますます重要になってきて
いる。また、大型機や高速機に2成分現像法を用いる場
合には、現像機構の複雑化、大型化が一層顕著になり、
メンテナンス時の現像剤交換作業も非常に困難となり、
これに伴うダウンタイムの増大が使用上大きな支障とな
って、これらの改善への要望が高まっている。
【0005】キャリア粒子を含まない1成分トナーに
は、内部に磁性粉を含み磁気ブラシ現像法で現像する磁
性1成分トナーと、内部に磁性粉を含まない非磁性1成
分トナーがある。非磁性1成分トナーは鮮やかなカラー
トナーが可能であるという特長があり、既に種々の現像
法が提案されているが、常に安定したトナー帯電量と画
質を維持するのが難しく、またトナー及び現像器の寿命
が1成分現像方式であるにもかかわらず短いという欠点
がある。
【0006】一方、磁性1成分トナーも従来の磁気ブラ
シ現像法で高画質の画像が得られるため比較的広く用い
られている。磁性1成分トナーには当初、例えば米国特
許3,639,245号公報、同3,909,258号
公報等に開示されているような導電性磁性トナーが用い
られていた。これは、静電誘導作用に基づいて電界によ
り誘起される電荷を利用して現像するため、(1) 湿度に
よる画像低下の影響を排除できる、(2) 均一電荷をトナ
ーに与えることができるので、地汚れの少ない、解像度
の優れた画像が得られる、(3) 摩擦帯電機構が不必要な
ため現像器の構造が簡単になり、小型化できる、(4) 同
一トナーで、正現像、逆現像の双方を行うことができ
る、等多くの利点がある反面、普通紙へのトナー転写が
困難なため普通紙複写機(PPC)、ファクシミリが不
可能であり現在では大型・低効率の粘着転写法を併用し
たもの以外は殆ど利用されていないのが実状である。
【0007】そこで、PPCを可能にするために例えば
特開昭50−92137号公報に開示されているよう
な、トナーの電気抵抗を上げて転写性を改善する試みが
なされた。しかし、トナーの電気抵抗が上がるにつれて
主にトナーの静電誘導ないし誘電分極による分極が不十
分となり現像性が悪化し、特に1012Ωcmを超えると全
く実用的ではない。よって、磁性1成分現像法をPPC
で可能にするために、単純にトナー抵抗を上げて静電誘
導ないし誘電分極による電荷を用いるのではなく、摩擦
帯電ないし電荷注入を利用する試みがなされた。
【0008】その中では、トナー担持体上にトナーの薄
層を形成し、トナー担持体、トナー層厚規制部材、電極
等との摩擦電荷利用した方式が、現像機構が良く解明さ
れているために、最も多く採用されている。このような
摩擦帯電を利用した現像法としては例えば、特開昭55
−18656号公報等に開示されているような”磁性ジ
ャンピング現像法”と呼ばれる現像法、特開昭57−1
14163号公報等に開示されている”FEED現像
法”等がある。これらの現像法は前述した1成分現像法
の長所である小型、簡易でメンテナンスフリーな現像器
を実際に提供するものである。しかし、これらは現像に
摩擦帯電を利用するため、特に高湿度下でトナー帯電量
が不十分になり、また低湿度下では帯電量が高くなり易
く、使用環境に関係なく常に安定した画像を得るという
目的に対しては依然十分ではない。
【0009】一方、トナー層を上記方式に比べて厚く
し、静電潜像に接触させる現像方式があり(以下接触磁
性1成分現像と呼ぶ)、例えば、特公昭59−4462
7号公報等に開示されている”BMT現像法”と呼ばれ
る現像法、及び例えば米国特許4,121,931号公
報に開示されている現像法がある。前者はトナー表面に
露出している磁性粉とバインダー樹脂がトナー粒子相互
間で摩擦帯電するという現像モデルに基づき、また後者
の現像機構についてはField,"A MODEL TO DESCRIBE ERE
CTROGRAPHIC DEVELOPMENT OF RESISTIVE ONE-COMPONENT
TONER SYSTEMS",IEEE/IAS Conference Records p.973
の文献に詳細に報告されているが、主にトナー担持体か
らの電荷注入を利用している。しかし、実際には単一の
帯電機構のみが現像に寄与し、他は影響が全くないとい
うことはないという考え方が、最近は支配的である。つ
まり例えば同一処方のトナーを用いても、現像器の構造
や現像条件が変わることによって、摩擦帯電が支配的に
なったり、電荷注入が支配的になったりするということ
である。また、PPC可能な静電誘導電荷を利用した接
触磁性1成分現像方式としては、例えば特開昭54−1
34640号公報に開示された方法がある。この現像方
式は絶縁性の主領域に、主にカーボンブラックのような
電荷移動可能な領域を散在させたような表面を持つトナ
ーを用い、現像部を構成するトナー担持体として絶縁性
のものを用い、トナーは画像部の潜像電荷によって現像
可能な荷電状態になるものである。現像メカニズムを更
に詳しく述べると以下のようになる。カーボン等の導電
体を分散させた磁性トナー粒子を用い、現像場の電界中
で、露出したカーボン部分同士が接触した2個のトナー
粒子を考えると、その接点を通して静電誘導によりそれ
ぞれのトナーのカーボン部分に正・負の電荷が誘起され
る。こうして現像に寄与し得る電荷状態になったトナー
粒子は潜像に接触した際に潜像を現像する。トナー電荷
が(スリーブからの)電荷注入によるものでないこと
は、トナー担持体として現像部では絶縁性のものを用い
ていることからも明らかである。
【0010】上記のように接触磁性1成分現像に於いて
は、その現像条件の設定によって何れの帯電メカニズム
がトナーの帯電に対して支配的になるかを一概には論じ
られないが、摩擦帯電以外の帯電も利用するようになる
ために、使用環境に対しても極めて安定した画像を得る
ことが可能になる。
【0011】しかし、接触磁性1成分現像法において
は、実際に長期の連続印字を行うことによって画像濃度
が低下していく現象がしばしば見られる。このとき、例
えば特開昭57−58162号公報に開示されているよ
うな、磁性トナー担持体及び/またはトナー担持体内の
マグネットロールを回転させた場合の、トナー層の表面
電位を測定すると、印字初期に比べて電位が上昇してい
ることが判る。これはトナー相互摩擦、静電誘導ないし
誘電分極、電荷注入いずれの考え方においても、正、負
極性トナー粒子数のバランスが初期の状態から崩れたた
めである。
【0012】そこで、目的はやや異なるが、このような
場合は例えば特開昭56−130764号公報に開示さ
れているような強制的にトナーに電荷を付与または除去
する第2の電気的手段を設置する必要がある。しかし、
このような電気的手段の設置は機械の大型化、複雑化を
招くため、できるだけ簡便な方法が望まれる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、PPC可能
な接触磁性1成分トナー現像に於いて、長期の連続印字
に於いても画像濃度が安定な現像方法を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも熱
可塑性樹脂、磁性粉、および必要に応じて帯電安定剤、
着色剤を含有し、体積固有抵抗が約1×1014Ωcm以上
の磁性1成分トナーを、少なくとも現像場では表面が導
電性のトナー担持体に磁力を用いて保持し、静電荷像担
持体上に形成された静電潜像に該磁性1成分トナーを接
触させて潜像を可視化し、該トナー担持体上の残余のト
ナーをトナー担持体上から掻き落としつつ、該トナーに
潜像電荷と逆極性電荷を付与して再使用に供することを
特徴とする絶縁性磁性1成分トナーの現像方法に関す
る。
【0015】本発明に使用するトナー及びトナー組成物
の体積固有抵抗は以下のように測定する。市販の赤外線
吸収スペクトル測定用錠剤成型器(成型内部断面が20
mmの円)に、予め23℃・50%RHの恒温恒湿槽に2
4時間放置したトナー約0.8g を入れ、油圧プレス器
を用い400Kg/cm2 で加圧して、厚さ約2mm、両端面
が直径20mmの円形である円筒形ペレットを作製する。
このペレットの両方の円形端面部の中央に、直径10mm
の主電極を銀ペーストを塗布して密着させ一端をグラン
ドに接地する。次に、一端をグランドに接地したガード
電極をペレット外周部に沿って設け、主電極に直流電圧
を印加し、電流計で主電極間を流れる電流を直読し、安
定した段階の電流値より体積固有抵抗値を算出する。印
加電圧は電極間の電界強度が500〜1000V/cm程
度になるよう調節する。これ以上の電界強度では観測さ
れる体積固有抵抗値が電界依存性を示し、一義的に決定
できなくなることがある。
【0016】本発明に用いる絶縁性磁性1成分トナーの
製造方法としては、熱可塑性樹脂を主成分とするバイン
ダー成分と磁性粉、着色剤、帯電安定剤、及びその他必
要に応じて添加される成分を、2軸押出混練機、2本ロ
ールミル、加圧ニーダー等の混練機を用いて熱熔融混練
した後、冷却固化しジェットミル等の粉砕機を用いて微
粉砕し、気流分級機等により所望の粒度分布に調整する
のが一般的である。また、近年は懸濁重合法、乳化重合
法等により、直接トナー粒子を生成する方法も種々提案
されており、これらの方法により製造したトナーでも使
用できる。上記トナーは体積基準平均粒径が5〜15μ
mであることが必要である。上記上限を超えると画像の
荒れが顕著になり、また上記下限より小さいと通常の現
像器・現像法ではトナーとしての流動性の悪化による補
給性の悪化が顕著になるので好ましくない。
【0017】熱可塑性樹脂としては、トナー用として通
常使用されるものであればよく、例えばポリスチレン
系、スチレンとアクリル酸エステルもしくはメタクリル
酸エステル、アクリロニトリルあるいはマレイン酸エス
テルとのスチレンを含む共重合体系、ポリアクリル酸エ
ステル系、ポリメタクリル酸エステル系、ポリエステル
系、ポリアミド系、エポキシ系、フェノール系、炭化水
素系、石油系等の樹脂を例示できる。
【0018】磁性粉としては、各種フェライト、マグネ
タイト、ヘマタイト等公知のものが使用でき、形状も立
方晶状、正八面体状、球状、針状等種々のものが使用で
きるが、トナー中に分散した際のトナー粒子間の磁性粉
量の偏在、遊離磁性粉の発生等の問題から粒径は1μm
以下であることが望ましい。磁気特性の面では、飽和磁
化については50emu/g 程度以上あれば特に限定はない
が、保磁力は主にトナー粒子のトナー担持体上での運動
性の問題から200Oe以下であることが望ましく、更
には120Oe以下で40Oe以上であることが望まし
い。また、磁性粉はそのまま使用しても問題はないが、
必要に応じて脂肪酸、シランカップリング剤等で表面処
理をしてもよい。磁性粉の添加量については、トナー粒
子をトナー担持体上に保持するための磁力を付与するた
めに、トナー担持体上の磁場の強さによって必要量添加
されるが、トナー担持体への拘束力と静電潜像への引力
の関係から、トナーに対して20〜60重量%が望まし
い。
【0019】必ずしも必須ではないが帯電安定剤として
は、これまで通常の摩擦帯電を利用する各種現像法に於
いて利用されてきた各種電荷制御剤の中から、種々のも
のが使用される。
【0020】接触磁性1成分現像に用いる帯電安定剤と
しては、トナー中に熔融混練分散後、粉砕、分級した際
にトナー粒子から遊離しない程度の粒子径を有し、トナ
ー粒子に所定の帯電電荷を付与するものである。このよ
うな物質としては例えば、ニグロシン系の油溶性染料、
クリスタルバイオレット、トリフェニルアミン、4級ア
ンモニウム塩、アゾ系の金属錯塩、バラチン染料、オラ
ゾール染料等の金属錯塩染料等が挙げられる。また、従
来着色剤として使用している各種顔料、例えば、各種非
鉄金属酸化物、亜鉛華、黄色酸化鉄、ハンザイエロー、
ジスアゾイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイ
エロー、ベンガラ、リソールレッド、ウォッチャンレッ
ドカルシウム塩、ウォッチャンレッドマンガン塩、ピラ
ゾロンレッド、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリ
リアントカーミン3B、紺青、フタロシアニンブルー、
酸化チタン等も場合によって帯電安定剤になり得る。
【0021】着色剤としては、磁性粉が黒色、褐色ない
し暗青色なため必ずしも必須ではないが、通常使用され
ている顔料や染料が使用でき、磁性粉である鉄黒以外に
も例えば、カーボンブラック、各種非鉄金属酸化物、亜
鉛華、黄色酸化鉄、ハンザイエロー、ジスアゾイエロ
ー、キノリンイエロー、パーマネントイエロー、ベンガ
ラ、リソールレッド、ウォッチャンレッドカルシウム
塩、ウォッチャンレッドマンガン塩、ピラゾロンレッ
ド、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカ
ーミン3B、紺青、フタロシアニンブルー、酸化チタン
等の顔料、或いは油溶性の染料を使用できる。
【0022】その他必要な成分としては、各種ワックス
等の滑剤等がある。また、必要に応じて、トナーには疎
水性シリカ等を、主に流動性向上の為に添加する。
【0023】トナー担持体2としては、例えば第1図に
示すような、内部に複数の磁極を有するマグネットロー
ル1を包含し、導電性の円筒が回転することによってド
クターブレード3で規制されたトナー層を搬送する機構
が最も一般的である。内部のマグネットロール1は固定
でも回転してもよい。この導電性のトナー担持体2は電
気的に接地されていることが好ましい。また有機及び無
機感光体において、露光量が十分でない等の理由で背景
部に残留電位がある場合には地汚れ防止の目的で、電気
的手段4により静電潜像と同極性の直流バイアスを印加
する必要がある。
【0024】トナー担持体2とドクターブレード3の間
隙及びトナー担持体2と静電荷像担持体(図示せず)と
の距離は、トナー層が静電荷像担持体に接触するか、極
接近するように調整する必要がある。実際の設定値はブ
レードの材質(磁性の有無等)によっても変化するため
に、実験によって最適値を選択する。なお、トナー担持
体とドクターブレード、及びトナー担持体と静電荷像担
持体の間隙を大きくすることは、機械の寸法精度をラフ
にできることから、製造コスト低減および、超大型画面
の複写機等に極めて有利である。また精密な調整が不要
なことから、機械間の性能が一定になり安定化するとい
う利点もある。
【0025】静電荷像担持体上に静電潜像を形成する方
法としては、Se系、a−シリコン系等の無機感光体、
及び有機感光体等の静電荷像担持体に光を当てない状態
でコロナ放電等を利用して帯電させることにより均一に
電荷を分布させた後、画像情報を露光して静電潜像を形
成するのが最も一般的である。その他、針状電極によっ
て静電記録紙等に直接静電潜像を記録する方式及びイオ
ンフロー記録等であっても差し支えない。その後、この
静電潜像に例えば磁気力によりトナーを保持したトナー
担持体を接触させると、前記メカニズムによってトナー
は静電潜像に選択的に付着し現像する。
【0026】トナー担持体上に形成されたトナー層が静
電荷像担持体に接触し、静電荷像を現像した直後のトナ
ー層中では、トナーの帯電機構が何れのメカニズムであ
れ、前述のようにトナー電荷のバランスが崩れる。即
ち、トナーの相互摩擦、静電誘導を用いたモデルに於い
ては原理的に潜像と逆極性のトナー粒子だけが現像され
ることから同時に発生する潜像と同極性トナーが残留す
る訳であり、また電荷注入モデルに於いても、トナー層
上層での正・負両極性の存在を肯定している。こうして
発生した静電荷像と同極性トナー電荷はトナー担持体が
再度現像場に行く前に、速やかに消失する必要がある。
実際には現像に寄与しない電荷を有するトナー粒子が多
く存在するままの状態で、例えば第1図に示すように特
別の方策を設けていない現像器を用いても、ある程度現
像に寄与しないトナー電荷は除去される。これは第1図
中のトナー溜まり部5に於いて、トナーの交換が行われ
るためと思われる。また、第2図に示すような同極性磁
極を対向させ、トナー粒子を剥離させる機構に於いては
さらにトナーの交換、電荷の除去は促進される。しかし
ながら、このような機構では積極的に電荷の除去を行っ
ていないため、長期の連続印字に於いては、電荷の中和
速度が蓄積速度を上回ることができず、やはり画像濃度
が低下してしまう。
【0027】本発明に関する現像法の一例を第3図に示
した。トナー担持体2に接した導電性のトナー掻き落と
し部材6により、トナー担持体上2のトナーは一旦全て
トナー担持体2から離れた後、トナー溜まり5へ還元さ
れる。この際、掻き落とし部材6にはトナーに静電荷像
と逆極性電荷を付与するための、直流電源が接続されて
いる。ここで、静電荷像と逆極性電荷とは、正規現像の
時は静電荷像担持体に付与する一様帯電電荷と同極性、
反転現像の時は静電荷像担持体に付与する一様帯電電荷
と逆極性電荷のことである。
【0028】掻き落とし部材としては、例えばアルムニ
ウム、ステンレス、黄銅等の薄い板が最も使い易く、表
面をメッキ処理されたものであっても良い。また、導電
性のフィラーを分散したゴム、ウレタンでも構わない。
掻き落とし部材はある程度の可撓性を有することが必要
であり、また、トナー担持体上の残余トナーを全て掻き
落とすよう、十分な幅が必要である。掻き落とし部材の
取りつけ角度は、実験的に決定するが、スリーブの接線
より5〜45度程度立てた方が良好である。また、掻き
落とし部材は導電性のトナー担持体に対し、電気的に絶
縁されていることが望ましい。電気的に導通している
と、トナーへの電荷付与以外に、トナー担持体への逆バ
イアスとして働き、カブリの原因となることがある。そ
のためには、例えばトナー掻き落とし部材のトナー担持
体に接する面を絶縁体で被覆する方策がある。絶縁体で
の被覆をしない場合には、上記問題から掻き落とし部材
への印加電圧をカブリを発生させない程度に調整する必
要がある。またその他の掻き落とし部材としては、例え
ば導電性フィラーを練り込んだ導電性繊維からなるファ
ーブラシ、多孔性(ないしスポンジ状)の弾性ローラー
等であっても良い。
【0029】
【実施例】
絶縁性磁性トナーの製造例 下記配合のトナー原料を予備混合した。部は重量部を表
す。 スチレン−アクリル樹脂(商品名:アルマテックスPA−201、三井東圧化 学(株)製) 63.0部 マグネタイト(商品名:MG−WMK、三井金属工業(株)製) 35.0部 帯電安定剤(商品名:スプロンブラックTRH、保土谷化学工業(株)製) 2.0部 上記原料3kgを、20リットルのミキサー(商品名:
ヘンシェルミキサー、三井三池製作所(株)製)で15
00rpmにて5分間混合した。これを2軸押出混練機
(商品名:PCM−30、池貝鉄工(株)製)で熔融混
練した後、ジェットミルで粉砕、気流分級機にて分級
し、体積基準平均粒径約11μで、5μ以下及び20μ
以上を実質的に含まないトナーサンプルとした。このト
ナーに主に流動性を向上させるため、疎水性シリカをト
ナー100重量部に対し0.3部加え乾式混合した。
【0030】複写試験機の試作例 なお、上記トナーは市販の複写機(正帯電セレン(表面
電位+800V)感光体使用)を改造した実験機を用い
て実際に印字試験を行った。現像器の構造および設定条
件は以下の通りである。 現像器の基本機構: ・内部磁極:8極、1000ガウス、600rpmで感
光体と逆方向に回転 ・導電性スリーブ:直径24mmφ、周速13cm/秒で感
光体と同方向に回転 ・ドクターブレード−導電性スリーブ間隙:0.3mm ・感光体−導電性スリーブ間隙:0.2mm ・スリーブは直流バイアス+100V印加
【0031】実施例1 この現像器のスリーブ下方に、接線に対し20度の角度
をつけて、裏面を絶縁処理したアルミニウム薄板を絶縁
面から押し当て、直流−1kVを印加した。トナーを現
像器中へ200g入れ、連続印字試験を行ったところ、
初期画像のベタ黒部反射濃度1.35に対し1500枚
後も1.36と良好な安定性を示した(反射濃度は、反
射濃度計マクベスRD−918を使用した)。
【0032】比較例1 実施例1で使用した現像器に於いて、トナー掻き落とし
部材を取り除いて同様の実験を行ったところ、約100
枚印字でベタ黒画像濃度が0.9に減少した。
【0033】比較例2 実施例2で約100枚連続印字しベタ黒画像濃度が0.
9に減少した後、約1時間放置して再度印字してみた
が、ベタ黒濃度の上昇は見られなかった。
【0034】比較例3 実施例2の後、さらに2週間放置して再度印字試験を行
ったところ、ベタ黒濃度は1.32に復帰した。しかし
その後約100枚の連続印字によってベタ黒濃度は0.
82まで低下した。
【0035】実施例2 ネガポジ反転画像を用い、直流+700Vをトナー担持
体に印加し、反転現像を行った。実施例1と同様な現像
器で、トナー掻き落とし部材に直流+1kVを印加した
ところ、初期画像のベタ黒部反射濃度1.25に対し、
1500枚後は1.32と良好な安定性を示した。
【0036】比較例4 実施例2に於いて、トナー掻き落とし部材に直流−1k
Vを印加したところ、数枚の印字でベタ黒画像濃度が大
きく減少した。
【0037】
【発明の効果】本発明の絶縁性磁性1成分トナーの現像
法によれば、長期の連続印字によっても画像濃度、画質
の安定な、信頼性の高い接触磁性1成分現像が可能とな
った。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の現像器の断面図
【図2】 従来の現像器の断面図
【図3】 本発明の現像器の断面図
【図4】 掻き落とし部材の断面図
【0039】
【符号の説明】
1 マグネットロール 2 トナー担持体 3 ドクターブレード 4 バイアス印加用電圧 5 トナー溜まり 6 トナー掻き落とし部材 7 直流電源

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも熱可塑性樹脂、磁性粉および必
    要に応じて帯電安定剤、着色剤を含有し、体積固有抵抗
    が約1×1014Ωcm以上の磁性1成分トナーを、少なく
    とも現像場では表面が導電性のトナー担持体に磁力を用
    いて保持し、静電荷像担持体上に形成された静電潜像に
    該磁性1成分トナーを接触させて潜像を可視化し、該ト
    ナー担持体上の残余のトナーをトナー担持体上から掻き
    落としつつ、該トナーに潜像電荷と逆極性電荷を付与し
    て再使用に供することを特徴とする絶縁性磁性1成分ト
    ナーの現像方法。
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