JPH05249209A - 走査型顕微鏡 - Google Patents

走査型顕微鏡

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JPH05249209A
JPH05249209A JP4992092A JP4992092A JPH05249209A JP H05249209 A JPH05249209 A JP H05249209A JP 4992092 A JP4992092 A JP 4992092A JP 4992092 A JP4992092 A JP 4992092A JP H05249209 A JPH05249209 A JP H05249209A
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signal
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JP4992092A
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Yasutaka Tamura
泰孝 田村
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料の加工及びリード線の取り付けが不要
で、導電性の無い試料を含めて広範囲の試料の物理的性
質を2次元的に非接触で観察できるようにする。 【構成】 試料10を載せる試料台11の周りに、スク
イド磁束計12のピックアップコイル12aを巻き、試
料10の磁気変化をスクイド磁束計12で検出する。電
子ビーム源13から放射された電子ビームは、ビーム偏
向機構14を通って試料10の表面に当たる。ビーム偏
向機構14は走査制御部15からの偏向信号及びブラン
キング信号を受けて作動する。このため、電子ビームは
試料表面で断続されながら2次元的に走査される。スク
イド磁束計12の出力側には信号処理部16を備える。
信号処理部16は走査制御部15からの偏向信号及びブ
ランキング信号を受け、ビームスポット位置毎の磁化率
変化を2次元的に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は走査型顕微鏡に関す
る。詳しくは、スクイド(SQUID:Supercon- ducting Qu
antum Interference Device, 超伝導量子干渉素子)を
用いて、試料の磁気的変化を検出し、その表面の物理的
状態を観察するようにした走査型顕微鏡に関する。
【0002】物質の表面を観察する試料観察装置には、
物質科学の研究に見られる如く、走査型顕微鏡が広く使
用されている。この走査型顕微鏡としては、走査型電子
顕微鏡や走査型トンネル顕微鏡などが代表格となってお
り、これらの装置を用いた表面観察が依然として有益な
ことは勿論である。これに加え、最近では、磁性材料や
超伝導材料の表面評価に際し、被対象物の磁気的状態を
画像化したいとする要望がある。この要望は、例えば、
超伝導体の中に侵入した量子化された磁束(渦糸:vort
ex)の構造を観察することが、超伝導体技術の発展に有
益であることから見ても極めて自然である。
【0003】
【従来の技術】このような要望を実現する従来の装置と
しては、図9に示した構造の低温SEM(Scanning Ele
ctron Microscope: 走査型電子顕微鏡)と呼ばれる装置
がある。この低温SEMは、簡単には、通常の走査型電
子顕微鏡の試料ステージを低温に冷却する構造を備えて
いる。つまり、低温SEMは、図9に示す如く、観察時
に試料温度を、その試料の超伝導転移温度よりも低く保
つことが可能な低温の試料ステージ100を備え、この
試料ステージ100に超伝導体薄膜から成る試料101
を取り付ける。試料101の表面には、図10に示すよ
うに適当なパターンが形成され、このパターンから外部
に引き出されたリード線102,102がロックイン増
幅器103を介して画像処理・表示器104に接続さ
れ、これにより電流−電圧特性を観測できるようになっ
ている。
【0004】観察時には、試料101の表面に電子ビー
ム光学系105で電子ビームを収束させ、走査型電子顕
微鏡と同様に、その電子ビームのスポット位置を走査す
る。電子ビームが当たったスポット部分は、その周囲よ
りも若干温度が上昇するため、超伝導臨界電流の値が減
少する。そこで、試料に流す電流を試料の臨界電流に近
い値に設定しておけば、電子ビームの照射によって常伝
導状態になり、試料に電圧が発生し、しかも、その電圧
の大きさは電子ビームのスポット位置の超伝導的性質に
応じて変化する。このため、電子ビームの走査位置に対
応した画面の画素の輝度を発生電圧の大きさに対応させ
て画像化すると、試料101の超伝導性の分布を可視化
できる。この手法により、各種試料の超伝導的性質、例
えば臨界電流の大きさの分布を可視化できるため、超伝
導体を評価できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た試料観察装置としての低温SEMでは、試料に電流を
流し、その状態で発生電圧を検出するという構成である
ため、その電流−電圧特性の観察のために、試料にリー
ド線を接続する必要があるし、また、十分な感度を得る
ためには、試料を細いライン状に加工しておく必要があ
るなど、超伝導材料の評価手法として大きな制約があ
り、加工方法を確立できた材料にしか適用できないとい
う、適用範囲の狭さの問題があった。具体的には、ま
ず、試料を細いライン状に加工できなければ観察できな
いという致命的な欠点があり、加工ができても、電極を
取り付けられなければ観察できず、さらには、高抵抗の
試料は測定できないという不具合があった。つまり、現
状における低温SEMは、ごく限られた超伝導デバイス
分野で使われるのみであった。
【0006】この発明は、上述した従来の問題に鑑みて
なされたもので、試料の加工が不要であり、リード線の
取り付けが不要、即ち非接触の状態で観察可能であると
共に、試料の導電性の有無に拘らず観察可能な走査型顕
微鏡を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の走査型顕微鏡は、試料10の表面の微小
領域にエネルギを与えて、その微小領域の磁気的変化に
帰する物理状態を可逆的に変化させるエネルギ付与手段
13と、このエネルギ付与手段13がエネルギを与える
微小領域の位置を2次元的に変化させる走査手段14
と、上記試料10に磁気的に結合され且つその試料の磁
気的変化に対応した信号を出力するスクイド磁束計12
と、このスクイド磁束計12の出力信号と上記走査手段
から出力される上記微小領域の位置信号とに基づき上記
試料の物理的性質に関する表面画像を生成する画像生成
手段16とを備えて構成する。
【0008】好適な態様によれば、前記エネルギ付与手
段16は電子ビームやレーザビームなど、ビーム状のエ
ネルギを放射する手段であり、前記走査手段14は上記
エネルギ付与手段13によって試料10の表面に放射さ
れるビームのスポット位置を2次元的に走査する手段で
構成する。また別の態様では、前記エネルギ付与手段1
6は前記試料10の表面の微小領域に近接して配置さ
れ、その微小領域にトンネル電流を流すプローブであ
り、前記走査手段14は上記プローブの位置を試料表面
に沿って2次元的に走査する手段で構成する。
【0009】
【作用】この発明の走査型顕微鏡では、エネルギ付与手
段13が、電子ビームやレーザビームなどのビームエネ
ルギを試料10の表面の微小領域に与えて、その微小領
域をその領域以外の部分とは異なる物理状態に可逆的に
変化させると共に、その試料表面のビーム照射を受ける
微小領域が位置走査手段14によって2次元的に変えら
れる。ビームエネルギの照射によって微小領域の物理状
態が変化し、その結果、磁化率も変化するので、この変
化がスクイド磁束計12によって非接触で検出され、画
像生成手段にて、例えば試料表面の磁化率変化の2次元
画像が得られる。このため、非接触の観察が可能になる
から、試料に何等パターン加工を施したり、リード線を
取り付ける必要もない。また、磁化率が変化するもので
あれば観察でき、高抵抗の導電性の殆ど無い試料でも観
察できる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の実施例を、図面を参照して
説明する。 (第1実施例)第1実施例を図1〜図3に基づいて説明
する。
【0011】図1には、試料観察装置としての走査型顕
微鏡の全体構成を示す。この走査型顕微鏡は、走査型電
子顕微鏡や走査型トンネル顕微鏡に対比させて、とく
に、走査型スクイド顕微鏡と呼ぶことにする。
【0012】図1に示す走査型スクイド顕微鏡は、試料
10を載せる試料台11と、この試料台11に磁気的に
結合したスクイド磁束計12と、試料10に電子ビーム
を照射する、エネルギ付与手段としての電子ビーム源1
3と、この電子ビーム源13から照射された電子ビーム
を走査させるビーム偏向機構14と、このビーム偏向機
構14の動作を制御する走査制御部15と、上記スクイ
ド磁束計12の出力信号を処理する信号処理部16とを
備えている。試料台11は、とくに、図2にも示されて
いる。
【0013】ビーム偏向機構14及び走査制御部15は
この発明の走査手段を形成し、走査制御部15及び信号
処理部16はこの発明の画像生成手段を形成している。
上記スクイド磁束計12は高感度の磁界センサであり、
動作方法の違いによって直流型と交流型があるが、この
実施例では直流型を採用しているので、直流型につい
て、その原理を説明する。スクイド磁束計12の直流ス
クイド素子は、図3に示すように、超伝導体で形成され
たリングを有し、このリングは2つのジョセフソン結合
JJ1、JJ2を挟んで電極がつけられ、この電極を通
じて直流のバイアス電流を流しておく。バイアス電流は
ある値まではジョセフソン結合JJ1、JJ2を超伝導
で流れ、ジョセフソン結合JJ1、JJ2を挟んで電圧
は生じない。しかし、バイアス電流がある値より大きく
なると、ジョセフソン結合JJ1、JJ2を挟んで電圧
が発生する。このときの電流を臨界電流と呼ぶ。リング
には、このバイアス電流以外に、リングの中に磁場が侵
入しようとすると、マイスナー効果の一種である遮蔽電
流が流れる。バイアス電流は2つのジョセフソン結合J
J1、JJ2に対して同じ方向に流れるが、遮蔽電流は
リングの上を流れるので各々のジョセフソン結合JJ
1、JJ2を流れる遮蔽電流の向きは逆になる。つま
り、2つのジョセフソン結合JJ1、JJ2に流れる電
流は、各々、バイアス電流と遮蔽電流の和と差になる。
バイアス電流を臨界電流の付近で流し、リングの中に磁
束を入れようとすると、ジョセフソン結合を流れる電流
が臨界電流を越え、電極に電圧が発生する。この電圧
は、磁束の大きさに対して磁束量子に基づき周期的に変
化し、磁束の強さに比例していないが、例えば、”flux
locked loop (fll) operation”と呼ばれる手法で、磁
場の大きさに比例した電圧が出力されるようになってい
る。
【0014】また、図3に示した超伝導リングの実際の
径は非常に小さいので、測定する磁界をピックアップコ
イル(図1、2中、符号12aで示されている)と入力
コイルからなる超伝導磁束トランスを通じてリングに伝
えるようになっている。
【0015】上記ピックアップコイル12aは、例えば
Nbで形成されており、図1、2に示すように試料台1
1の側面に沿って巻かれており、試料10の磁化率変化
を磁束計12に伝えるようになっている。
【0016】一方、電子ビーム源13は、電子ビームを
試料表面に収束させるレンズ系を備えている。ビーム偏
向機構14は、走査制御部15から与えられる偏向信号
であるX,Y信号やブランキング信号を受けて、電子ビ
ーム源13からの照射ビームを収束、偏向させ、また断
続(ブランキング)できる。走査制御部15は、X,Y
信号発生器20、ブランキング信号発生器21などを備
えている。これらの発生器20、21の発生信号は、電
子光学系14のみならず、信号処理部16にも参照信号
及び同期信号として供給される。
【0017】信号処理部16は、ブランキング信号を参
照入力とし且つスクイド磁束計12の出力電圧を増幅す
るロックイン増幅器22と、このロックイン増幅器22
の増幅信号とX,Y方向の偏向信号とに基づき画像デー
タを作成する画像処理器23と、この画像処理器23の
生成データを表示する画像表示器24とを備える。
【0018】次に、この第1実施例の作用効果を説明す
る。電子ビーム源13から照射された電子ビームは、ブ
ランキング周波数で断続され、この断続された電子ビー
ムが試料10の表面に当たる。このビームが当たった試
料表面の微小領域は局所的に加熱され、試料10の磁化
率が局所的に変化する。この磁化率変化は、試料台11
に巻かれた超伝導ピックアップコイル12aにより感知
され、スクイド磁束計12に伝達される。このため、ス
クイド磁束計12は、試料10の磁化率変化に対応して
変化する電圧を出力する。この電圧は、ロックイン増幅
器22に拠って、ブランキングの参照周波数に同期して
増幅されるから、スクイド磁束計12の磁束変化が高感
度で検出される。そこで、画像処理器23では、ロック
イン増幅器22で増幅された信号値を画素の輝度とし、
且つ、電子ビームを偏向させたX,Y信号を画素の位置
信号として画像データを生成し、この画像データを画像
表示器24に送る。このため、画像表示器24のモニタ
に磁化率変化の試料表面画像が表示される。
【0019】このように、走査型顕微鏡の信号検出部分
にスクイド磁束計を使用した走査型スクイド顕微鏡に構
成したことで、まず、試料表面の磁気的性質を非接触で
画像化できるから、従来のように、試料からリード線を
引き出す作業が不要となり、また試料のパターン加工が
不要になることから、観察準備作業が簡単になる。これ
と共に、測定対象の物理的状態を電極取り付けによって
乱すこともない。また、スクイド磁束計12でセンサ部
分を構成することで、磁束を高感度で検出でき、画像精
度が向上するという利点がある。さらに、この走査型ス
クイド顕微鏡によって観察できる試料は、超伝導体のほ
かにも、磁化率が温度依存性を有する材料であれば、導
電性の有無に拘らず観察可能である。例えば、非超伝導
体である磁性体の磁化率は一般に温度に依存して変化す
るから、この磁性体の表面観察もでき、したがって、従
来の低温SEMのように超伝導体に限定されることが無
いので、適用範囲がより広範囲になり、材料評価に有益
な装置を提供できる。
【0020】(第2実施例)第2実施例を図4に基づき
説明する。なお、上記第1実施例で説明した構成要素と
同一又は同等のものについては、同一符号を用い、その
説明を省略する(後述の第3以降の実施例でも同様とす
る)。
【0021】この第2実施例に係る走査型スクイド顕微
鏡は、図4に示すように、エネルギ付与手段として走査
型トンネル顕微鏡(STM)で使用されるSTMプロー
ブ30を用い、このSTMプローブ30からトンネル電
流を試料10の表面に局所的に流すようにしている。そ
のほかの構成は第1実施例と同様であり、STMプロー
ブ30のX−Y位置を決める位置信号とスクイド磁束計
12の出力信号に基づき、試料表面の2次元画像を得て
いる。
【0022】これにより、第1実施例の走査型スクイド
顕微鏡と同等の作用効果が得られる一方で、空間分解能
の高い、走査型トンネル顕微鏡のSTMプローブを用い
ることによって、その高い分解能をそのまま享受した状
態で、試料の磁気的又は超伝導的性質を観察できる。
【0023】(第3実施例)第3実施例を図5に基づき
説明する。この第3実施例に係る走査型スクイド顕微鏡
では、エネルギ付与手段がレーザ光を照射するようにな
っている。つまり、図5に示すように、エネルギ付与手
段を形成するレーザ照射器31及びポリゴンミラー32
が備えられており、レーザ照射器31から出射されたレ
ーザがポリゴンミラー32の回転に付勢されて、レーザ
光が試料表面のX−Y面内で走査されるようになってい
る。そして、レーザ光の走査位置信号とスクイド磁束計
12の出力信号とに基づいて、試料表面の画像が生成さ
れる。その他の構成は第1実施例の場合と同等である。
【0024】そこで、第1実施例と同等の効果が得られ
る他、電子ビームを使用しないため、試料10を必ずし
も真空中に置かなくても済むから、装置全体の構成が簡
単化される。さらに、電子ビームを使う場合に比べて、
より大きなエネルギ密度のビームを利用できるため、検
出感度に優れ、種々の磁性体の観察も可能になる。
【0025】(第4実施例)第4実施例を図6に基づき
説明する。この第4実施例に係る走査型スクイド顕微鏡
では、エネルギ付与手段が集光された光を照射すると共
に、光の収束位置を変化させる走査手段は試料台11を
機械的にスライドするようになっている。つまり、図6
においては、光源33及びレンズ系34がエネルギ付与
手段を成し、光源33から出射された光がレンズ系34
を介して試料10の表面の一点に収束する。また、ステ
ージスライド機構35が走査手段を成す。その他は第1
実施例と同等に構成されており、試料台11のX−Y位
置決め信号とスクイド磁束計12の出力信号との基づ
き、表面画像が生成される。この第4実施例によれば、
とくに、エネルギ付与手段の部分の構造が著しく簡単に
なるという利点がある。
【0026】(第5実施例)第5実施例を図7に基づき
説明する。この第5実施例の係る走査型スクイド顕微鏡
は、第1実施例で述べた構成の中で、とくに試料台が異
なっている。つまり、試料台11には、試料温度を試料
10のキュリー温度付近に保つためのヒータ37が取り
付けられている。これに伴って、超伝導のピックアップ
コイル12aは、クライオスタット37内に収容されて
いる。
【0027】このように温度制御機構としてのヒータ3
7を配した理由は次のようである。試料10が磁性体の
場合、その磁化率は試料のキュリー温度の付近で大きく
変化するので、試料10をキュリー点付近の温度に保
ち、ビームによって局所的な温度変化を与えると、試料
10のキュリー温度の位置的な変化を、磁化率の変化を
媒介させて、2次元画像として観察できる。
【0028】この温度制御機構は、上述したように試料
温度を上昇させる場合に限定されることなく、例えば、
試料温度を超伝導遷移温度付近に保持すれば、試料の遷
移温度の位置的変化を、磁化率の変化を通して、高感度
で画像化できる。
【0029】(第6実施例)第6実施例を図8に基づき
説明する。この第6実施例に係る走査型スクイド顕微鏡
は、第1実施例で述べた構成の中で、とくに、ピックア
ップコイル12aを移動可能にしたものである。つま
り、ピックアップコイル12aを試料表面上でビーム位
置に応じて動かすもので、例えば図8において、Aの領
域を拡大して観察するときは、ピックアップコイル12
aをa位置に置き、B領域を観察するときは、ピックア
ップコイル12aをb位置に置く。このように構成する
と、より小さなピックアップコイル12aで試料の広い
範囲をカバーできる。小さいピックアップコイルの方
が、コイルの検出面内における磁化率の変化領域の割合
が大きくなるため、検出信号もより大きく変化する。こ
のため、感度良く、信号対雑音比に優れた画像が得られ
る。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の走査型
顕微鏡は、試料表面の微小領域に電子ビームやレーザビ
ームなどのエネルギを与え、その微小領域の物理状態を
可逆的に変化させると共に、その微小領域の位置を、ビ
ーム照射位置を変えるなどの手法によって2次元的に走
査し、各微小領域の物理状態の変化に伴う磁気変化をス
クイド磁束計で検出して、その検出信号と上記微小領域
の走査位置とに基づき試料の磁化率などの物理的性質に
関する表面画像を生成する、走査型スクイド顕微鏡の構
造に形成した。このため、非接触且つ非破壊の状態で試
料の磁気的性質や超伝導的性質を観察できるから、従来
の低温SEMで見られた、試料へのパターン加工やリー
ド線取り付け作業が不要になり、観察のための準備作業
を簡単且つ迅速に行えるとともに、スクイド磁束計を用
いることにより精度の高い2次元画像が得られ、しか
も、超伝導体のみならず、非超伝導体の磁気的性質ま
で、広範囲の材料評価に適用できるという優れた効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係る走査型スクイド顕
微鏡のブロック化した全体構成図である。
【図2】図1における試料台とピックアップコイルを示
す斜視図である。
【図3】スクイド磁束計の原理を説明するための超伝導
リングの説明図である。
【図4】この発明の第2実施例に係る走査型スクイド顕
微鏡のプローブ部分を示す部分構成図である。
【図5】この発明の第3実施例に係る走査型スクイド顕
微鏡のレーザビーム放射部分を示す部分構成図である。
【図6】この発明の第4実施例に係る走査型スクイド顕
微鏡の光放射部分を示す部分構成図である。
【図7】この発明の第5実施例に係る走査型スクイド顕
微鏡の試料台の加熱部分を示す部分構成図である。
【図8】この発明の第6実施例に係る走査型スクイド顕
微鏡のピックアップコイルの位置を説明する説明図であ
る。
【図9】従来の低温走査型電子顕微鏡のブロック化した
要部構成図である。
【図10】試料のパターンを示す説明図である。
【符号の説明】
10…試料 11…試料台 12…スクイド磁束計 13…電子ビーム源 14…ビーム偏向機構 15…走査制御部 16…信号処理部 30…STMプローブ 31…レーザ放射器 32…ポリゴンミラ− 33…光源 34…レンズ系 35…ステージスライド機構

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料(10)の表面の微小領域にエネル
    ギを与えて、その微小領域の磁気的変化に帰する物理状
    態を可逆的に変化させるエネルギ付与手段(13)と、
    このエネルギ付与手段(13)がエネルギを与える微小
    領域の位置を2次元的に変化させる走査手段(14)
    と、上記試料に磁気的に結合され且つその試料(10)
    の磁気的変化に対応した信号を出力するスクイド磁束計
    (12)と、このスクイド磁束計(12)の出力信号と
    上記走査手段(14)から出力される上記微小領域の位
    置信号とに基づき上記試料の物理的性質に関する表面画
    像を生成する画像生成手段(16)とを備えたことを特
    徴とする走査型顕微鏡。
  2. 【請求項2】 前記エネルギ付与手段(13)はビーム
    状のエネルギを放射する手段であり、前記走査手段(1
    4)は上記エネルギ付与手段によって試料表面に放射さ
    れるビームのスポット位置を2次元的に走査する手段で
    ある請求項1記載の走査型顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記ビーム状のエネルギは、電子ビーム
    又はレーザビームである請求項2記載の走査型顕微鏡。
  4. 【請求項4】 前記エネルギ付与手段(13)は前記試
    料(10)の表面の微小領域に近接して配置され、その
    微小領域にトンネル電流を流すプローブであり、前記走
    査手段(14)は上記プローブの位置を試料表面に沿っ
    て2次元的に走査する手段である請求項1記載の走査型
    顕微鏡。
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JP2016176829A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 国立研究開発法人産業技術総合研究所 試料ホルダ及び合成画像取得方法

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