JP3647818B2 - 近接場光励起スクイド顕微鏡装置 - Google Patents

近接場光励起スクイド顕微鏡装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、近接場光で試料を励起し、試料の磁場の状態をスクイド(SQUID:Superconducting Quantum Interference Device:超伝導量子干渉素子)で計測し画像化する近接場光励起スクイド顕微鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザ光を試料に照射して、照射個所における磁場の変化をスクイドで検出し、その信号から画像を得ることができる走査型スクイド顕微鏡装置が知られている(特開2001−50934号公報参照)。
【0003】
このようなスクイド顕微鏡装置においては、励起光としてレーザ光101が試料202に照射され、これによって生じる試料202における照射個所の磁気変化をスクイド103で検出し、画像化していた。そして、このような従来の装置においては、励起光は、レーザ光101を光ファイバ等で導いてそのまま試料202に照射するか、レーザ光101を対物レンズ104で集光して試料202に照射している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のようにレーザ光を対物レンズで試料面に集光する場合であっても、その光の集光サイズは光の波長程度が限界であった。そのため、ナノメートルスケール空間サイズの分解能で光磁気分布を高感度に計測することが望まれている。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、ナノメートルスケールの空間分解能を持つ近接場光励起スクイド顕微鏡装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では光を対物レンズなどで試料に集光するのではなく、先鋭化した光ファイバを試料に近づけた時に発生する近接場光で試料を励起する。近接場光は開口径が数十ナノメートルの光ファイバ先端から放射され、従来の回折限界を超えた微小サイズでの光励起を可能とする。これにより走査型スクイド顕微鏡装置の空間分解能を著しく向上することができ、さらに、スクイドはその光ファイバ先端付近に一体形成できるので、光軸と磁気軸の位置ずれが皆無となり、安定的に動作する。また、試料とスクイド、試料と光ファイバ先端の位置合わせが同時にできるので、操作性が格段に良くなる。
【0007】
即ち、本発明に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置は、試料に近接して配置され、光源からの光により先端から放出される近接場光を前記試料に作用させる近接場光プローブと、前記近接場光が作用した試料領域の磁場変化を検出するスクイド(超伝導量子干渉素子:SQUID)と、試料表面の近接場光作用点を相対的に移動させる走査手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
前記本発明に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置によれば、試料には近接場光が作用するが、この近接場光は試料の微小領域、すなわち光の回折限界を越えた極めて小さな個所にだけ作用するものであるため、試料の微小領域を観察領域とすることができ、また、試料の磁場変化はスクイドで検出するものとしているから、微小領域の極めて小さな磁場の変化を確実に観察できる。そして、走査手段によりこの磁場変化の状態を試料の観察面にわたって観察できる。
【0009】
また、本発明の近接場光励起スクイド顕微鏡装置において、前記近接場光プローブは、光ファイバのコア先端を先鋭化し、先端から近接場光が放出される光ファイバ型であり、スクイドのピックアップコイルは該光ファイバの端面又は端面近傍の側面に、該光ファイバに一体形成されたことを特徴とする。
【0010】
前記本発明に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置によれば、近接場光は光ファイバのコア先端を先鋭化して形成された近接場光プローブの先端から試料の微小領域に作用する。そして、この近接場光によって発生する試料の磁場は、該光ファイバの端面又は端面近傍の側面に光ファイバに一体に設けられたピックアップコイルからスクイドによって検出される。この際、磁場を検出するピックアップコイルは近接場光が照射される近接場光プローブの光軸と磁気検出軸の位置ずれがなくなり、安定的に動作する。また、試料とピックアップコイル、試料と光ファイバ型近接場光プローブ先端の位置合わせが同時にできるので、操作性が格段に良くなる。
【0011】
本発明の近接場光励起スクイド顕微鏡装置において、近接場光プローブは、光ファイバ型であり、スクイドは該光ファイバの端面又は端面近傍の側面に、一体形成されたことを特徴とする。
【0012】
前記本発明に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置によれば、近接場光は光ファイバのコア先端を先鋭化して形成された近接場光プローブの先端から試料の微小領域に作用する。そして、この近接場光によって発生する試料の磁場は、該光ファイバの端面又は端面近傍の側面に光ファイバに一体に設けられたスクイドによって検出される。この際、磁場を検出するスクイドは近接場光が照射される近接場光プローブの光軸と磁気検出軸の位置ずれがなくなり、安定的に動作する。また、試料とスクイド、試料と光ファイバ型近接場光プローブ先端の位置合わせが同時にできるので、操作性が格段に良くなる。
【0013】
また、本発明に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置は、近接場光プローブ−試料間距離を一定とし、光源の出力を一定とし、検出された磁場の強度を画像化することを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置は、光源の出力を一定とし、
検出される磁場の強度を一定とするように、近接場光プローブ−試料間距離を変化させ、該光プローブ−試料間距離の値を画像化することを特徴とする。
【0015】
さらにまた、本発明に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置は、近接場光プローブ−試料間距離を一定にし、検出される磁場が一定強度になるように光源の強度を調節し、そのときの光源の出力を画像化することを特徴とする。
【0016】
また、近接場光プローブ−試料間距離を、光プローブと試料との間の原子間力又はシアフォースで測定することを特徴とする。
【0017】
前記本発明に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置によれば、スクイドで検出される磁場の強度、近接場光プローブ−試料間距離、光源の出力値を走査位置に応じて再配置して試料像を得ることができ、試料の種類、観測の目的に応じた画像を得ることができる。また、近接場光プローブ−試料間距離は、原子間力あるいはシアフォースで選択して行なうことができ、試料種類、観測の目的に応じた画像を得ることができる。
【0018】
そして、本発明に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置は、光源は、出力光の波長を可変としたことを特徴とする。
【0019】
前記発明に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置によれば、試料の種類、観測の目的に応じた波長の光で試料の顕微鏡装置画像を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態例に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置の基本的構成を示すブロック図、図2は本発明の実施の形態例に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置の光ファイバ型プローブ先端の構造を説明する斜視図、図3は図2に示した近接場光励起スクイド顕微鏡装置の光ファイバ型プローブ先端の側面図、図4は図2に示した光ファイバ型プローブ先端の底面図、図5は光ファイバとスクイドが分離されている実施の形態例の説明図、図6は光ファイバに検出コイルが設けられている実施の形態例の説明図である。
【0021】
(第1の実施の形態例)
本例に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置1は、図1に示すように、試料2に近接場光プローブ30から近接場光を作用させ、この近接場光プローブ30に設けたスクイド40で磁気を検出する検出部10と、検出部10の制御および画像化を行なう制御部60とからなる。
【0022】
検出部10は外部からの磁気を遮断する磁気シールド11、内部を低温に保つデュアー12を備えており、デュアー12内部には、液体ヘリウム29が蓄留され、内部は液体ヘリウム温度(4.2K)に保持される。
【0023】
また、デュアー12内には走査手段としてピエゾ素子によって駆動され試料2をXYZの直交三方向に移動させ、試料2表面の近接場光作用点を試料2に対して相対的に移動させるXYZピエゾステージ13が配置される。また、近接場光プローブ30には近接場光プローブ30を軸方向に微小変位、または軸に垂直な方向に微小に微小振動させる微小変位手段20が設けられており、この微小動量は光てこを利用したプローブ変位量測定手段(図示していない)で測定される。
【0024】
本例では、近接場光プローブ30は、コア21、クラッド22からなる光ファイバ14の先端部14aのコア21を先鋭化して形成されている。
【0025】
そして、本例では前記近接場光プローブ30には前記近接場光が作用した試料領域の磁場変化を検出するスクイド(超伝導量子干渉素子:SQUID)40がその先端に一体形成されている。なお、図1中符号15はスクイド40と制御部60との制御線、16はXYZピエゾステージ13をデュアー12内で支持する支柱、17は光ファイバ14を保持する保持部、18はXYZピエゾステージ13と制御部60とを接続する制御線、19は微小変位手段20と制御部60とを接続する制御線を示している。
【0026】
本例では、XYZピエゾステージ13は、試料2を水平方向(XY方向)に移動して、近接場光プローブ30に対して相対的に走査する他、試料2と近接場光プローブ30との間隔(Z方向)を変化させることができるものである。このXYZピエゾステージ13は、10μm以上の可動範囲と、0.1nm程度の位置分解能が実現できるものである。
【0027】
制御部60は、全体がコンピュータと各制御部とを接続するインタフェースを備えたシステム制御部61と、XYZピエゾステージ13の位置制御を行なうステージ制御部62と、前記スクイド40の値を読み取るスクイド制御部63と、光ファイバ14への光源を含み光源の光量の制御を行なう光制御部64と、前記微小変位手段20の変位量の制御を行なう変位量制御部65と、各制御部62〜65で検出した量を再配置して画像化する画像表示部66とからなる。なお光源は波長を適宜変更することができる可変波長光源あるいは複数光源を選択して使用するようにする。
【0028】
検出部10のデュアー12内において、試料2の直上に配置されている近接場光プローブ30は、図2に示すように、光ファイバ14の先端部14aに位置するコア21とクラッド22にスクイド40を一体に形成したものである。本例では、光ファイバ14は単一モードであり、そのクラッド22の先端面24にスクイド40を形成している。スクイド40は超伝導リング41とリング中に2個所のジョセフソン接合42が形成され構成されてなる。なお図2中15aは制御線15の電流リード線、15bは電圧リード線を示す。
【0029】
本例では、光ファイバ14のコア21は、周辺のクラッド22よりも円錐状に外側に数μm〜10μm飛び出て形成されており、コア21は先端に開口部25を備えたテーパ部23として形成されている。本例では光ファイバ14のコア21の直径は10μm程度あり、クラッド22の外径は100μm程度である。
【0030】
図3及び図4はプローブ先端部の構成の具体例を示すものである。本例ではコア21を取り囲むように超伝導リング41が形成され、ブリッジ弱結合によるジョセフソン接合42が設けられている。また先鋭化されたコア21のテーパ部23は無駄な光が漏れないように遮光効果も兼ね備えた金属薄膜の導波ガイド26で覆われている。テーパ部23の先端部分は金属薄膜が取り払われており、直径50nm以下の開口部25が設けられている。本例では、この開口部25から近接場光が放射される。
【0031】
ここで、この近接場光プローブ30の製作方法について説明する。まず、光ファイバ14は石英系単芯シングルモードファイバであり、コア21にはGeO2 が10mol%程度ドープされたものを用いる。光ファイバ14の端面を研磨して平坦な面を形成する。その後、フッ酸系のエッチング液でウェットエッチングすると、コア21に含まれるGeO2 のエッチングレートがSiO2 よりも遅いためコア21が円錐状に先鋭化されたテーパ部23を形成できる。具体的にはHF(47%):NH4 F(75%):H2 O=0.4:1:1、液温35度として、コア先端部の曲率半径が50nmの光ファイバプローブを製造した。
【0032】
次に、Nbをスパッタリングによって光ファイバ先端に堆積した。この時、膜厚が均一になるように光ファイバを自転させるか、スパッタリングターゲットの位置を公転させると良い。次に、その光ファイバ端面を収束イオンビーム装置(FIB)で加工する。FIBはガリウムイオンを10nm程度に収束して、それを走査することにより任意のパターンにイオンミリングする機能を有する。図4に示したように、スクイドと導波ガイド以外のNb膜を除去する。端面に製作したスクイドから電極を引き出すために、光ファイバの側面に通じる電極部も加工する。ジョセフソン接合はブリッジ型にすると膜の堆積もイオンミリングも各1回で済むので製作しやすい。本例ではジョセフソン接合が2つあるDC型SQUIDを示したが、AC型SQUIDにすると、接合が1個で済み、2つの接合のバランスをとる手間が省けるので、さらに製作しやすくなる。
【0033】
次に、光ファイバを90度傾けて、側面方向からスクイド引き出し電極部とコア先端部をミリングする。これにより先端部を覆い隠していたNb膜が除去され、開口部25が表出する。開口部25の径は小さい方が空間分解能の向上を図れるが、光量が少なくなるので50nm程度が適当である。
【0034】
その後、シールドされた制御線15として細線ケーブルをスクイド40に接続し、信号をスクイド制御部63に伝送できるようにする。
【0035】
このように作成した近接場光プローブ30を、図1に示すように配置する。本例では、このクライオスタット内の温度はNbが超伝導状態になる液体ヘリウム温度(4.2K)である。冷却は図1のように、本装置中の液体ヘリウムの中に浸してもよいが、冷凍機等からの伝導冷却としてももちろん良い。
【0036】
ここで、試料を半導体とすると、そのバンドギャップ以上のフォトンエネルギーを有する光を照射すると試料には電子および正孔が発生する。これらの発生および移動は微弱ではあるが電磁波を発生する。スクイドは感度が高く、かつ高周波まで応答する。スクイドの制御方法として2つの場合がある。
【0037】
一つは、フラックス・ロック・ループ(FLL)回路(クローズドループ)を使う方法である。この場合、ダイナミックレンジは6桁程度が実現できる。しかしながら、周波数応答速度は1MHzが現実的な限界である。
【0038】
もう一つは、オープンループでそのまま使う方法である。ジョセフソン接合にマイクロ波帯域の電磁波を照射すると、周波数に比例した直流電圧がジョセフソン接合に発生する。
【0039】
このようにして構成した近接場光励起スクイド顕微鏡装置において、試料の画像を得るには次の3通りの方法がある。これらの方法は試料の種類、測定目的により適宜選択すればよい。
【0040】
すなわち、
▲1▼ 近接場光プローブ−試料間距離を一定にし、光源の出力を一定にし、検出された磁場の強度を走査位置に応じて再配置して画像化する。
▲2▼ 光源の出力を一定にし、検出される磁場の強度を一定とするように、近接場光プローブ−試料間距離を変化させ、該光プローブ−試料間距離の値を走査位置に応じて再配置して画像化する。
▲3▼ 近接場光プローブ−試料間距離を一定にし、検出される磁場が一定強度になるように光源の強度を調節し、そのときの光源の出力を再配置して画像化する。
【0041】
以上の場合において、近接場光プローブ−試料間距離は、光プローブと試料との間の原子間力又はシアフォースで測定することができる。これらの測定は、前記変位量制御部65での駆動量をプローブ変位量測定手段でモニタしつつ微小変位手段20を駆動制御して行なう。すなわち原子間力を測定する場合には近接場光プローブ30を軸方向に微小に移動させ、一方シアフォースによるときは、近接場光プローブ30を振動させその振幅を測定して、近接場光プローブ−試料間距離を測定する。
【0042】
図5は本発明の開発段階で提案された近接場光励起スクイド顕微鏡装置の例を示すものであり、参考として挙げる。本例は、光ファイバ14とスクイド70とが分離されているタイプのものである。スクイド70は平面基板72上に形成されており、試料2はスクイド70の中央に配置される。この場合スクイド70と試料2との化学反応および物理的な損傷を防止するために、スクイド70には保護膜71を設けると良い。なお、光ファイバ14の先端部14aの形状は、スクイドを形成しないほかは、第1の実施の形態例と同一である。また、画像の形成も第1の実施の形態例と同様に行なう。
【0043】
本例に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置ではスクイド70が光ファイバとは一体化されていないので、低コストに製作できる。その反面、走査のために試料を動かすとスクイドも動くので、地磁気中を動くことによるノイズが発生する。そのため、光ファイバ側を動かして走査するとよい。ただし、走査範囲を大きくしすぎるとスクイド中心からのズレが大きくなり磁気効率が悪くなる。
【0044】
(第2の実施の形態例)
図6は本発明に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置の第2の実施の形態例を示すものである。本例は、光ファイバ14の先端部14aに第1の実施の形態で説明した方法で形成したNb製ピックアップコイル81だけを設ける。スクイド(図示していない)は光ファイバの先端から離れた場所に磁気シールドされて配置する。なお、図6中符号82、83はピックアップコイル81と同時に作成され、ピックアップコイル81とスクイドとを接続する信号線、84はシールド材を示している。なお、光ファイバ14の先端部14aの形状は、スクイドを形成しないほかは、第1の実施の形態例と同一である。また、画像の形成も第1の実施の形態例と同様に行なう。
【0045】
本例では、光ファイバ先端にジョセフソン接合を作る必要がないので、加工が容易になる。一面、ピックアップコイルとスクイドの距離を長くしすぎると、その間をつなぐ配線からのノイズ混入が無視できなくなりS/N比が悪くなるおそれがあるため、シールドを十分に行なう必要がある。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置によれば、試料に近接場光プローブから近接場光を作用させ、スクイドにより近接場光が作用した試料領域の磁場変化を検出するようにしたので、空間分解能が数ナノメートル程度になり、従来よりも100倍以上向上した。
【0047】
また、ピックアップコイルを近接場光プローブと一体として構成した本発明にあっては、ピックアップコイルを試料から数ミクロンの距離に配置することができたので、磁気感度が大幅に向上した。さらに、ピックアップコイルと光ファイバを一体化したので、光軸と磁気軸の位置関係が一定となり、精度と安定性が向上した。
【0048】
また、スクイドを近接場光プローブと一体として構成した本発明にあっては、スクイドを試料から数ミクロンの距離に配置することができたので、磁気感度が大幅に向上した。さらに、スクイドと光ファイバを一体化したので、光軸と磁気軸の位置関係が一定となり、精度と安定性が向上した。
【0049】
さらに、スクイドで検出される磁場の強度、近接場光プローブ−試料間距離、光源の出力値を走査位置に応じて再配置して試料像を得る本発明にあっては、試料の種類、観測の目的に応じた画像を得ることができる。また、近接場光プローブ−試料間距離は、原子間力あるいはシアフォースで選択して行なうことができ、試料種類、観測の目的に応じた画像を得ることができる。
【0050】
そして、出力光の波長を変え得ることができる本発明によれば、試料の種類、観測の目的に応じた波長の光で試料の顕微鏡装置画像を得ることができる。
【0051】
以上のように本発明に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置によれば、半導体の微小領域での解析を可能とし、材料開発、量子デバイスの開発における重要な評価装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態例に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態例に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置の光ファイバ型プローブ先端の構造を説明する斜視図である。
【図3】 本発明の実施の形態例に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置の光ファイバ型プローブ先端の側面図である。
【図4】 本発明の実施の形態例に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置の光ファイバ型プローブ先端の底面図である。
【図5】 本発明の開発段階で提案された近接場光励起スクイド顕微鏡装置の光ファイバとスクイドが分離されているタイプの説明図である。
【図6】 本発明のその他の実施の形態例に係る近接場光励起スクイド顕微鏡装置の光ファイバに検出コイルが設けられているタイプの説明図である。
【図7】 従来の走査型スクイド顕微鏡装置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 近接場光励起スクイド顕微鏡装置
2 試料
10 検出部
11 磁気シールド
12 デュアー
13 XYZピエゾステージ(走査手段)
14 光ファイバ
14a 先端部
15 制御線
20 微小変位手段
21 コア
22 クラッド
23 テーパ部
24 先端面
25 開口部
26 導波ガイド
30 近接場光プローブ
40 スクイド
41 超伝導リング
42 ジョセフソン接合
60 制御部
61 システム制御部
62 ステージ制御部
63 スクイド制御部
64 光制御部
65 変位量制御部
66 画像表示部
70 スクイド
71 保護膜
72 平面基板
81 ピックアップコイル

Claims (7)

  1. 試料に近接して配置され、光源からの光により先端から放出される近接場光を前記試料に作用させる近接場光プローブと、
    前記近接場光が作用した試料領域の磁場変化を検出するスクイドと、
    試料表面の近接場光作用点を相対的に移動させる走査手段とを備え、
    近接場光プローブは、光ファイバのコア先端を先鋭化し、先端から近接場光が放出される光ファイバ型であり、
    スクイドのピックアップコイルは該光ファイバの端面又は端面近傍の側面に、一体形成されたことを特徴とする近接場光励起スクイド顕微鏡装置。
  2. 試料に近接して配置され、光源からの光により先端から放出される近接場光を前記試料に作用させる近接場光プローブと、
    前記近接場光が作用した試料領域の磁場変化を検出するスクイドと、
    試料表面の近接場光作用点を相対的に移動させる走査手段とを備え、
    近接場光プローブは、光ファイバ型であり、スクイドは該光ファイバの端面又は端面近傍の側面に、一体形成されたことを特徴とする近接場光励起スクイド顕微鏡装置。
  3. 近接場光プローブ−試料間距離を一定とし、
    光源の出力を一定とし、
    検出された磁場の強度を画像化することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の近接場光励起スクイド顕微鏡装置。
  4. 光源の出力を一定とし、
    検出される磁場の強度を一定とするように、
    近接場光プローブ−試料間距離を変化させ、該光プローブ−試料間距離の値を画像化することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の近接場光励起スクイド顕微鏡装置。
  5. 近接場光プローブ−試料間距離を一定にし、
    検出される磁場が一定強度になるように光源の強度を調節し、
    そのときの光源の出力を画像化することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の近接場光励起スクイド顕微鏡装置。
  6. 近接場光プローブ−試料間距離を、光プローブと試料との間の原子間力又はシアフォースで測定することを特徴とする請求項3,請求項4又は請求項5記載の近接場光励起スクイド顕微鏡装置。
  7. 前記光源は、出力光の波長が可変であることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3,請求項4,請求項5又は請求項6記載の近接場光励起スクイド顕微鏡装置。
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