JPH05248477A - 減衰力調整式ショックアブソーバ - Google Patents

減衰力調整式ショックアブソーバ

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Publication number
JPH05248477A
JPH05248477A JP8285792A JP8285792A JPH05248477A JP H05248477 A JPH05248477 A JP H05248477A JP 8285792 A JP8285792 A JP 8285792A JP 8285792 A JP8285792 A JP 8285792A JP H05248477 A JPH05248477 A JP H05248477A
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JP
Japan
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valve
oil chamber
passage
hydraulic oil
chamber
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Application number
JP8285792A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Masamura
辰也 政村
Ken Mimukai
建 水向
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 圧側の減衰力可変範囲を大きくとれ、しかも
「伸側ハードモードで圧側ソフトモード」、「伸側ソフ
トモードで圧側ハードモード」等の特性をもつものとす
る。 【構成】 ピストン2に上部作動油室A側へと向かって
開くチェックバルブ13を備えた圧側ポート11を形成
し、この圧側ポートからピストンロッド4を横断して下
部作動油室Bに通じる通路と、上部作動油室からピスト
ンロッド内を通って前記通路と交叉連通し、ここから伸
側チェック機能の圧側バルブ28を介して下部作動油室
に通じる通路の2つの通路を構成し、かつピストンロッ
ド内には少なくとも3つの開閉モードをもつ切換バルブ
16を設け、さらに、ベースバルブ9にチェックバルブ
8を配設する一方、上部作動油室をリザーバ室Cに連通
する油路38を設けて、この油路に伸側及び圧側共用バ
ルブ41を介装した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両のばね下である
車輪とばね上の車体間に介装して、路面から走行車両の
車輪を通して車体に伝わる振動の減衰と、併せて車輪の
路面ホールディング性能の向上を図り、走行車両として
の乗心地と操縦安定性とを確保するためのショックアブ
ソーバに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、走行車両用のショックアブソー
バとしは、車体に伝わる振動をより適確に吸収して走行
車両としての一層の乗心地の向上と、併せて操縦安定性
の確保とを図るために、路面状況に応じて発生減衰力を
適宜に調整し得るようにした減衰力調整式のショックア
ブソーバが多く用いられるようになってきた。
【0003】この種の減衰力調整式ショックアブソーバ
としては、これまでにも各種構造のものが提案されてき
たが、たとえば、一例として平成2年特許出願公開第2
36035号公報の第5図に示されるものは、添付の図
3にみられるように、シリンダ1内をピストン2によっ
て上部作動油室Aと下部作動油室Bに区画すると共に、
シリンダ1とアウターシェル3間にリザーバ室Cを形成
している。
【0004】ピストン2は、ピストンロッド4の下端に
ピストンナット5で締め付けて固定されており、ピスト
ンロッド4の上端は、シリンダ1から外方へと突出して
走行車両の車体側に取付けられる。
【0005】一方、シリンダ1は、下端に溶接結合した
アイ6により走行車両の車輪側に取付けられる。
【0006】シリンダ1内の下部には、ショックアブソ
ーバの圧縮行程時に圧側減衰力を発生する圧側バルブ7
と,伸長行程時にリザーバ室C内の油を下部作動油室B
に向かって吸い込むチェックバルブ8をもつたベースバ
ルブ9が設けてある。
【0007】また、ピストン2には、ショックアブソー
バの伸長行程時に上部作動油室Aから下部作動油室Bに
向かって油を流す伸側ポート10と、逆に圧縮行程時に
下部作動油室Bから上部作動油室Aに向かって油を流す
圧側ポート11が設けてあり、これら伸側ポート10と
圧側ポート11の出口部分には、伸側バルブ12と圧側
バルブ13がそれぞれ設けられている。
【0008】ピストン2を担うピストンロッド4は中空
になっていてその内部がバイパス通路14となってお
り、このバイパス通路14内にコントロールロッド15
と切換バルブであるロータリバルブ16が結合して納め
られている。
【0009】そして、ピストンロッド4には、上部作動
油室Aとバイパス通路14を繋ぐ1個或いは複数個の通
孔17が、また、ロータリバルブ16には、通孔17と
対向してオリフィス18がそれぞれ穿設されており、こ
れら通孔17とオリフィス18との相対的な回転変位に
よって上部作動油室Aとバイパス通路14との連通状態
を開から閉の間で任意に選択できるようになっている。
【0010】そのために、コントロールロッド15は、
ピストンロッド4内に設けたシール19を貫通して外方
に延び、減衰力切換え用のアクチュエータ20と結合し
いる。
【0011】かくして、アクチュエータ20によりロー
タリバルブ16を回転させて上部作動油室Aとバイパス
通路14との連通を閉じてやれば、ショックアブソーバ
の伸長行程時に上部作動油室A内の油が、ピストン2の
伸側ポート10を通って伸側バルブ12を押し開きつつ
下部作動油室B側に流れ、かつ同時に、ピストンロッド
4がシリンダ1から外部にでた体積に相当する量の油
が、リザーバ室Cからベースバルブ9のチェックバルブ
8を通して下部作動油室Bに補給される。
【0012】これにより、伸側バルブ12の流動抵抗に
よって上部作動油室Aと下部作動油室B間に差圧が生
じ、この差圧で伸側の減衰力が発生する。
【0013】一方、圧縮行程時には、下部作動油室B内
の油がピストン2の圧側ポート11から圧側バルブ13
を押し開きつつ上部作動油室Aに流入すると共に、ピス
トンロッド4がシリンダ1内に侵入した体積に相当する
量の油が、ベースバルブ9の圧側バルブ7を押し開いて
リザーバ室Cに流出し、このとき、圧側バルブ7,13
の流動抵抗によって下部作動油室Bと上部作動油室A間
に差圧が生じ、この差圧で圧側の減衰力が発生する。
【0014】したがって、このときの発生減衰力は伸・
圧共に高減衰力となり、切換モードとしては「ハード」
となる。
【0015】次に、アクチュエータ20を駆動してロー
タリバルブ16を回転し、ロータリバルブ16のオリフ
ィス18をピストンロッド4側の通孔17に合致させて
下部作動油室Bに通じているバイパス通路14を、これ
ら通孔17とオリフィス18を通して上部作動室A側に
開いてやれば、伸長および圧縮行程のいづれの場合にあ
っても、これらバイパス通路14と通孔17からオリフ
ィス18を通して上・下部作動油室A,B間を流れるバ
イパス流れが生じ、このバイパス流れが伸側バルブ12
或いは圧側バルブ13を通る流れに対して並列流れとな
るので、ピストン2の伸側バルブ12或いは圧側バルブ
13を通して上・下部作動油室A,B間を流れる油の流
量がこのバイパス流れの流量分だけ少なくなり、伸長行
程および圧縮行程とも上・下部作動油室A,B間に生じ
る差圧が小さくなって、このときの発生減衰力は伸・圧
共に低減衰力となり、切換モードとしては「ソフト」と
なる。
【0016】なお、このことから、アクチュエータ20
によりロータリバルブ16のオリフィス18を全開と全
閉の中間でその流路面積を適宜に選択してやれば、バイ
パス流れの流量が変化するので発生減衰力は高減衰力と
低減衰力の間で変化し、切換モードとしては「ミディア
ム」となる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のショックアブソーバを含めてこれまでの減衰力調整式
ショックアブソーバにあっては、以下に述べるような不
具合点を有する。
【0018】すなわち、ソフトモードでの圧側減衰力を
Fs,ハードモードでの圧側減衰力をFh,ピストンロ
ッドの断面積をAr,ピストンの断面積をAp,上部作
動油室の圧力をPa,下部作動油室の圧力をPb,リザ
ーバ室の圧力をPcとすると、ソフトモードでの圧側減
衰力Fsの最下限値は「Pa=Pb」のときであるか
ら、 Fs=Ar×Pb となり、また、ハードモードでの圧側減衰力Fhの最大
限とり得る値は、上部作動油室の圧力Paを負圧(Pa
=0)にしない条件から、 Fh=Ar×Pb+(Ap−Ar)×(Pb+Pc) =Ap×Pb+(Ap−Ar)×Pc となる。
【0019】したがって、ハードおよびソフトモードで
の圧側減衰力比Fh/Fsは、 Fh/Fs=[Ap+(Ap−Ar)×Pc/Pb]/
Ar となるが、リザーバ室Cにガスを封入しない場合には
「Pc=0」、また、ガスを封入するとしてもそのガス
圧Pcは低圧であり、ピストン速度の早い領域での圧縮
行程時に下部作動油室B内に発生する圧力Pbに比べて
「Pc≪Pb」となるので、上式[ ]内の第2項はほ
ぼ0とみなしてよく、これにより、 Fh/Fs≒Ap/Ar となって、圧側のハードおよびソフトモードでの出し得
る減衰力の範囲はピストン断面積Apとピストンロッド
断面積Arの比によって制限を受け、圧側の減衰力可変
範囲を任意に大きくとれない。
【0020】また、セミアクティブサスペンション用と
して使用されるショックアブソーバにあっては、「伸側
ハードモードで圧側ソフトモード」および「伸側ソフト
モードで圧側ハードモード」等の特性を必要とする場合
もあるが、これら従来のショックアブソーバにあって
は、ロータリーバルブ16の制御操作に伴ってバイパス
通路14を流れるバイパス流量の増減傾向が伸長行程時
と圧縮行程時とで同じであるため、「伸側および圧側共
にハードモード」と「伸側および圧側共にソフトモー
ド」の特性しか出せないという不都合があった。
【0021】したがって、この発明の目的は、ピストン
およびピストンロッドの断面積比に関係なく圧側の減衰
力可変範囲を任意に大きくとることができ、しかも、併
せて「伸側ハードモードで圧側ソフトモード」および
「伸側ソフトモードで圧側ハードモード」等の特性をも
得ることのできる減衰力調整式ショックアブソーバを提
供することである。
【0022】
【問題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明にあっては、シリンダ内を上部作動油室
と下部作動油室とに区画するピストンに上部作動油室側
へと向かって開くチェックバルブを備えた圧側ポートを
形成し、この圧側ポートからピストンロッドを横断して
下部作動油室に通じる通路と、上部作動油室からピスト
ンロッド内を通って前記通路と交叉連通し、ここから伸
側チェック機能の圧側バルブを介して下部作動油室に通
じる通路の2つの通路を構成し、かつ、ピストンロッド
内にはこれら2つの通路の何れかが開状態のときに他方
が閉状態或いは両通路共開状態の少なくとも3つの開閉
モードをもつ切換バルブを設け、さらに、下部作動油室
とリザーバ室とを区画するベースバルブに下部作動油室
側へと向かって開くチェックバルブを配設する一方、上
部作動油室をリザーバ室に連通する連通油路を設けて、
この連通油路に伸側および圧側共用バルブを介装したの
である。
【0023】
【作 用】これにより、本発明のものによれば、切換バ
ルブを操作してピストンロッドを横断する通路を開状態
にしたソフトモードでの圧縮行程時には、下部作動油室
から押し出された油が他方の通路に介装した圧側バルブ
を通ることなく、その全量が圧側バルブをバイパスして
上部作動油室に流れ、さらに、ここからピストンロッド
の侵入体積分に相当する量の油が連絡通路を通して伸側
および圧側共通バルブを押し開きつつリザーバ室側に流
れることになり、また、切換バルブでピストンロッドを
横断する通路を閉状態にしたハードモードでの圧縮行程
時には、下部作動油室から押し出された油の全量が圧側
バルブを押し開いて上部作動油室側に流れ、さらに、こ
こからピストンロッドの侵入体積分に相当する量の油が
連絡通路を通して伸側および圧側共通バルブを押し開き
つつリザーバ室側に流れることになる。
【0024】したがって、これらハードモードとソフト
モードでの圧側減衰力比をピストンおよびピストンロッ
ドの断面積比に関係なく、任意に設定できる伸側および
圧側共通バルブとピストンの圧側バルブとで自由に定め
ることができるので、圧側減衰力の可変範囲を何等の制
限もなく大きく設定することが可能になる。
【0025】また同時に、切換バルブで2つの通路の開
閉制御の組み合わせを任意に設定できるので、「伸側ハ
ードモードで圧側ソフトモード」および「伸側ソフトモ
ードで圧側ハードモード」等の特性をも自由に得ること
ができる。
【0026】
【実施例】以下、図面に基づいてこの発明を説明する。
【0027】図1に示すように、この発明の一実施例で
ある減衰力調整式ショックアブソーバは、密閉筒体のシ
リンダ1と、このシリンダ1内に摺動自在に挿入したピ
ストン2、シリンダ1との間でリザーバ室Cを区画する
アウターシェル3、およびピストン2からシリンダ1の
上端密閉部を貫通して外方に伸びるピストンロッド4と
からなる。
【0028】ピストン2は、ピストンロッド4の下端イ
ンロー部にピストンナット5で締め付けて固定されてお
り、このピストン2でシリンダ1内をロッド側の上部作
動油室Aとヘッド側の下部作動油室Bとに区画すると共
に、ピストンロッド4は、シリンダ1の上部に設けたベ
アリング21とシール22を貫通して外方へ延び、その
上端が走行車両の車体側に取付けられる。
【0029】一方、シリンダ1は、下端に溶接結合した
アイ6を備え、このアイ6を通して走行車両の車輪側に
取付けられる。
【0030】ピストンナット5は、シリンダ1の内壁と
の間に環状の通路23を形作っており、かつ、内部には
下部作動油室B側に向かって開口する内室Dが形成され
ていて、この内室Dがピストンナット5に穿った通路2
4で上面の環状溝25に連通している。
【0031】また、内室D内には、下部作動油室Bと内
室Dとを区画するバルブ機構26が設けられており、こ
のバルブ機構26は、下部作動油室Bと内室Dとを連通
する通路27と、この通路27の下端出口部分に設けた
内外周撓みの伸側および圧側共用の圧側バルブ28とで
形成されている。
【0032】なお、この圧側バルブ28は、少なくとも
下部作動油室Bから内室Dへの油の流れに対して抵抗を
与え、逆の流れに対しては自由流れかそれに近いような
ものであればどのようなバルブ構造のものであってもよ
い。
【0033】ピストン2を担うピストンロッド4は中空
になっていてその内部がバイパス通路14となってお
り、このバイパス通路14は、ピストンロッド4に穿っ
た通孔29を通して上部作動油Aに通じると共に、下端
はピストンナット5の内室Dに向かって開口している。
【0034】ピストン2とピストンナット5の間には、
通路30,31をもったサブプレート32が挟持して配
設されている。
【0035】通路30は、一方ではシリンダ1とピスト
ンナット5間の通路23に通じ、他方ではピストンロッ
ド4に穿った通孔33を通してピストンロッド4内のバ
イパス通路14に通じており、また、通路31は、一方
ではピストンナット5の環状溝25に通じ、他方ではピ
ストン2の圧側ポート11に通じていると共に、ピスト
ンロッド4の通孔33を通してピストンロッド4内のバ
イパス通路14にも通じている。
【0036】ピストンロッド4のバイパス通路14内に
は、コントロールロッド15と切換バルブであるロータ
リバルブ16(勿論上下方向への摺動バルブでもよい)
とが結合して納められており、これらコントロールロッ
ド15とロータリバルブ16は、ロータリバルブ16の
下方に位置してバイパス通路14内に圧入した脱落防止
用のストッパ34で係止されている。
【0037】そして、ロータリバルブ16には、ピスト
ンロッド4側の通孔29,33のそれぞれと対向して通
孔35,36が設けてある。
【0038】ピストンロッド4の通孔29,33とロー
タリバルブ16の通孔35,36とは、この実施例の場
合図2にみられるように、予め両者の回転変位に伴って
「通孔29が閉で通孔33が開のモードR」,「通孔2
9と通孔33が共に開のモードS」および「通孔29が
開で通孔33が閉のモードS」の3つのモードをとり得
るように構成されている(勿論「通孔29,33が共に
閉のモードH」や「通孔29,33がロータリバルブ1
6側の通孔35,36で絞られた状態にある中間モー
ド」をとるように構成することもできる)。
【0039】そのために、図1に示すようにコントロー
ルロッド15は、ピストンロッド4内に設けたシール1
9を貫通して外方に延び、図示上省略した減衰力切換え
用のアクチュエータと結合される。
【0040】これにより、アクチュエータを介してロー
タリバルブ16を所望の角度宛回転操作してやることに
より、「モードR」,「モードS」および「モードC」
(或いはその他のモード)等に自由に切換えることがで
きる。
【0041】シリンダ1内の下部には、下部作動油室B
とリザーバ室Cとの間を区画するベースバルブ9が設け
られており、このベ−スバルブ9には、下部作動油室B
側に向かって開くチェックバルブ、すなわち、ショック
アブソーバの伸長行程時にリザーバ室C内の油を下部作
動油室Bに向かって吸い込むチェックバルブ8が配設し
てある。
【0042】また、リザーバ室C内には、ベアリング2
1とベースバルブ9に亙ってシリンダ1と同軸上に中間
シリンダ37が設けてあり、この中間シリンダ37によ
ってシリンダ1の外壁との間に環状の連絡油路38を区
画している。
【0043】連絡油路38は、一方ではシリンダ1に穿
った通孔39でシリンダ1内の上部作動油室Aに通じ、
他方ではベースバルブ9に形成した通路40を通しリザ
ーバ室Cに通じていて、この連絡油路32により上部作
動油室Aとリザーバ室Cを互いに連通している。
【0044】そして、ベースバルブ9の通路40の出口
部分に位置してハードモードでの伸側減衰力を発生する
伸側および圧側共用バルブ41を介装したのである。
【0045】なお、この伸側および圧側共用バルブ41
は、必ずしもベースバルブ9に設ける必要はなく、要す
るに上部作動油室Aを伸側および圧側共用バルブ41を
通してリザーバ室Cに通じるようにしてやればよい。
【0046】次に、作用について説明する。
【0047】モードRを得るためには、アクチュエータ
を駆動してロータリバルブ16によりピストンロッド4
側の通孔29を閉じると共に通孔33を開いてやる。
【0048】これにより、ショックアブソーバの伸長行
程時には、上部作動油室A内の油がピストンロッド4の
通孔29を通してバイパス通路14側に通り得ないの
で、シリンダ1の通孔39から連絡油路38,ベースバ
ルブ9の通路40を通って伸側および圧側共用バルブ4
1を押し開きつつリザーバ室C側に流れ、このとき伸側
および圧側共用バルブ41を通る油の流動抵抗で上部作
動油室A内の油圧が上昇し、ハードモードでの高い伸側
減衰力が発生する。
【0049】また、ピストンロッド4がシリンダ1から
外部に退出した体積に相当する量の油と、上部作動油室
Aから伸側および圧側共用バルブ41を通してリザーバ
室C側に流れ出た量の油が、リザーバ室Cからベースバ
ルブ9のチェックバルブ8を通して下部作動油室Bに補
給される。
【0050】一方、圧縮行程時にあっては、下部作動油
室Bから押し出された油の全量がシリンダ1とピストン
ナット5間の通路23を通り、サブプレート32の通路
30からピストンロッド4の通孔33とロータリバルブ
16の通孔36を通ってバイパス通路14に入り、ここ
からロータリバルブ16とピストンロッド4のもう1つ
の通孔36,33,サブプレート32の通路31および
ピストン2の圧側ポート11を通ってチェックバルブ1
3を押し開きつつ上部作動油室Aに流入し、このとき通
孔33と通孔36とを実用域で殆ど圧損を生じない流路
面積にしておけば上部作動油室Aと下部作動油室B間に
は殆ど差圧が発生しない。
【0051】なお、通孔33,36の部分である程度絞
ってやるとか或いはチェックバルブ13にある程度の抵
抗を与えおいてやれば、上部作動油室Aと下部作動油室
B間に多少の差圧が発生する。
【0052】また、これと並行してにピストンロッド4
が上部作動油室A内に侵入した体積に相当する量の油
が、シリンダ1の通孔39から連絡油路38,ベースバ
ルブ9の通路40を通して伸側および圧側共用バルブ4
1を押し開きつつリザーバ室C側に流れ、このとき、伸
側および圧側共用バルブ41の流動抵抗によって上部作
動油室A内の油圧が上昇するが、それに伴って下部作動
油室Bの油圧も上昇するので上・下部作動油室A,Bは
ほぼ同圧或いは多少の差圧をもった状態に保たれ、何れ
にしても圧縮行程側ではソフトモードの低い減衰力とな
る。
【0053】そして、このソフトモードでの圧側減衰力
Fsは、ピストンロッド4の断面積をAr,ピストン2
の断面積をAp,上部作動油室Aの圧力をPa,下部作
動油室Bの圧力をPbとすると、 Fs=Ar×Pa で表される。
【0054】また、モードCを得るためには、再びアク
チュエータを駆動してロータリバルブ16によりピスト
ンロッド4側の通孔29を開くと共に通孔33を閉じて
やる。
【0055】これにより、ショックアブソーバの伸長行
程時には、上部作動油室A内の油がピストンロッド4の
通孔29からロータリバルブ16の通孔35,バイパス
通路14,ピストンナット5内の内室Dおよびバルブ機
構26の通路27を通って圧側バルブ28の外周を下方
に撓ませつつ下部作動油室B側に流れ、このとき圧側バ
ルブ28は油の流れに対して殆ど流動抵抗を与えない
か、或いは与えたとしてもごく僅かであるのでこのとき
の伸側減衰力は低く、ソフトモードとなる。
【0056】一方、ピストンロッド4がシリンダ1から
外部にでた体積に相当する量の油は、リザーバ室Cから
ベースバルブ9のチェックバルブ8を通して下部作動油
室Bに補給される。
【0057】それに対し、圧縮行程では、ピストンロド
4の通孔33が閉じられているので、下部作動油室Bか
ら押し出された油の全量がバルブ機構26における圧側
バルブ28の内周側を上方に撓ませて押し開きつつ通路
27を通ってピストンナット5内の内室Dに入り、ここ
からはピストンナット5の通路24と環状溝25,サブ
プレート32の通路31,ピストン2の圧側ポート11
およびチェックバルブ13を通る流れと、バイパス通路
14,ロータリバルブ16の通孔35およびピストンロ
ッド4の通孔29を通る流れとに分流して上部作動油室
A側に流れ、このとき圧側バルブ28を通る油の流動抵
抗で下部作動油室Bと上部作動油室A間に圧側バルブ2
8の流動抵抗に応じた大きい差圧が生じ、ハードモード
での高い圧側減衰力を発生する。
【0058】一方、ピストンロッド4が上部作動油室A
内に侵入した体積に相当する量の油が、シリンダ1の通
孔39から連絡油路38,ベースバルブ9の通路40を
通して伸側および圧側共用バルブ41を押し開きつつリ
ザーバ室C側に流れ、このとき、伸側および圧側共用バ
ルブ41の流動抵抗によって上部作動油室A内の油圧が
上昇するが、それに伴って下部作動油室Bの油圧も上昇
するので圧縮行程側ではハードモードの高い減衰力とな
る。そして、このハードモードでの圧側減衰力Fhは、 Fh=Ar×Pb+(Ap−Ar)×(Pb−Pa) で表される。
【0059】モードSを得るためには、さらにアクチュ
エータを駆動してロータリバルブ16を回転し、ピスト
ンロッド4の通孔29,33を共に開いた状態にする。
【0060】これにより、伸長行程では先のモードCの
ときの伸長行程時と同じに作動し、圧縮行程にあっては
先のモードRのときの圧縮行程時に加え、さらにバイパ
ス通路14、ロータリバルブ16の通孔35およびピス
トンロッド4の通孔29を流れる流路も加わった作動状
態となり、共にソフトモードでの低い減衰力となる。
【0061】かくして、「伸側および圧側共にハードモ
ード」とか或いは逆に「伸側および圧側共ソフトモー
ド」というだけでなく、「伸側ハードモードで圧側ソフ
トモード」および「伸側ソフトモードで圧側ハードモー
ド」等の特性をも自由に得ることができる。
【0062】また、ハードおよびソフトモードでの圧側
減衰力比Fh/Fsは、 Fh/Fs=1+(Pb−Pa)/Pa +[(Ap/Ar−1)×(Pb−Pa)/Pa] となり、ここで、上部作動油室A内の発生圧力Paは伸
側および圧側共用バルブ30によって任意に設定できる
値であり、上・下部作動油室A,B間の発生差圧「Pb
−Pa」も、下部作動油室B内の発生圧力Pbを圧側バ
ルブ28によって自由に設定できるので任意に決めるこ
とができ、しかも、これら上部作動油室A内の発生圧力
Paと下部作動油室B内の発生圧力Pbは、互いに影響
を与えることなくそれぞれ独立して設定することができ
るので、圧側減衰力の可変範囲を何等の制約もなく大き
く設定することができる。
【0063】なお、上記したように、ソフトモードでの
最も低い圧側減衰力が「Fs=Ar×Pa」となってハ
ードモードでの伸側減衰力と等しい式で与えられため、
このときの圧側減衰力が伸側減衰力特性によって制限を
受けるようにも思われるが、これらの状態において伸側
および圧側共通バルブ41を通る油の流量Qがピストン
2のストロークをSとすると、伸長行程では「Q=(A
p−Ar)×S」であるのに対し圧縮行程では「Q=A
r×S」であるので、「Ap>2×Ar」とすることで
ピストン2が同速度,同ストロークの下での圧側減衰力
を伸側減衰力よりも低く設定でき、したがって、ピスト
ン2の断面積Apとピストンロッド4の断面積Arとの
比を適当に選ぶことにより十分対応できる。
【0064】特にこのことは、実用範囲でのピストンお
よびピストンロッド径を用いて試算した結果でも確認済
である。
【0065】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、ピス
トン断面積とピストンロッド断面積によって制約を受け
ることなく、圧側減衰力の可変範囲を大きくとることが
可能になるばかりか、伸側および圧側共にソフトモード
或いはハードモードというばかりでなく、伸側がハード
モードで圧側がソフトモードとか逆に伸側がソフトモー
ドで圧側がハードモードという組み合わせをもとり得る
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である減衰力調整式ショッ
クアブソーバの縦断正面図である。
【図2】各切換モードでのロータリバルブによるバイパ
ス通路の開閉状態と伸側および圧側減衰力の関係を示す
図である。
【図3】従来公知の減衰力調整式ショックアブソーバの
縦断正面図である。
【符号の説明】
A 上部作動油室 B 下部作動油室 C リザーバ室 D 内室 1 シリンダ 2 ピストン 3 アウターシェル 4 ピストンロッド 8 チェックバルブ 9 ベースバルブ 11 圧側ポート 12 伸側バルブ 13 チェックバルブ 14 バイパス通路 16 切換バルブとしてのロータリバルブ 23 通路 24 通路 28 伸側チェック機能の圧側バルブ 29 通孔 30 通路 31 通路 32 サブプレート 33 通孔 35 通孔 36 通孔 37 中間シリンダ 38 連絡油路 39 通孔 40 通路 41 伸側および圧側共用バルブ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内を上部作動油室と下部作動油
    室とに区画するピストンに上部作動油室側へと向かって
    開くチェックバルブを備えた圧側ポートを形成し、この
    圧側ポートからピストンロッドを横断して下部作動油室
    に通じる通路と、上部作動油室からピストンロッド内を
    通って前記通路と交叉連通し、ここから伸側チェック機
    能の圧側バルブを介して下部作動油室に通じる通路の2
    つの通路を構成し、かつ、ピストンロッド内にはこれら
    2つの通路の何れかが開状態のときに他方が閉状態或い
    は両通路共開状態の少なくとも3つの開閉モードをもつ
    切換バルブを設け、さらに、下部作動油室とリザーバ室
    とを区画するベースバルブに下部作動油室側へと向かっ
    て開くチェックバルブを配設する一方、上部作動油室を
    リザーバ室に連通する連通油路を設けて、この連通油路
    に伸側および圧側共用バルブを介装したことを特徴とす
    る減衰力調整式ショックアブソーバ。
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