JPH05247721A - 分散染料易染性を有するポリエステル繊維 - Google Patents

分散染料易染性を有するポリエステル繊維

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JPH05247721A
JPH05247721A JP8636292A JP8636292A JPH05247721A JP H05247721 A JPH05247721 A JP H05247721A JP 8636292 A JP8636292 A JP 8636292A JP 8636292 A JP8636292 A JP 8636292A JP H05247721 A JPH05247721 A JP H05247721A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリエステル繊維の染色性を改良する従来技
術の欠点を解消し、しかも通常のポリエステルポリマー
を用いて、安価にかつ安定した操業性能で生産できる分
散染料易染性を有するポリエステル繊維を提供する。 【構成】 極限粘度〔η〕が0.5〜0.7の範囲にあ
るエチレンテレフタレートを繰り返し単位とするポリエ
ステル繊維であって、破断強度が4.0g/d以上、広
角X線回折法で測定した結晶化度が30%以下、平均結
晶体積V(Å3 )が3×104 以下、染料吸着率が50
%以上である分散染料易染性を有するポリエステル繊
維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衣料,産業資材等の用
途に利用できる分散染料易染性を有するポリエステル繊
維に関し、詳しくは、カーモケット,電車,バスのシー
ト地等の産業資材分野や、カジュアル衣料等の衣料分野
に用いられ、耐候性等が良好な分散染料易染性を有する
ポリエステル繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエステル繊維は、一般衣
料用から、ベッド,マットレス,ふとん,キルティング
の詰綿等の家庭資材、ロープ,タイヤコード,カーシー
ト等の産業資材分野まで幅広く利用されている。
【0003】この理由は、ポリエステル繊維の熱的特
性,機械的特性,化学的特性が安定しており、しかも安
価に生産できるためであり、特に、ポリエステル繊維は
適度な強伸度特性や熱安定性、耐候性等を有しているた
めである。
【0004】しかし、ポリエステル繊維は染料と反応す
る官能基を有していないことや、結晶化度が高いため、
染色しにくいという問題を有していた。
【0005】そこで、従来においても、ポリエステル繊
維の染色性を改良するために様々な研究が行われ、ポリ
エステル繊維の染色性を改良する方法としては、下記の
(1)〜(4)に示すように、(1)極限粘度〔η〕の
低いポリマーや、他の添加剤を添加させて極限粘度
〔η〕を低下させたポリマーを溶融紡糸し、これを延伸
して易染性のポリエステル繊維を得る方法や、(2)染
料と反応する官能基を持つ第3成分を共重合したポリマ
ーを用いて、易染性のポリエステル繊維を得る方法や、
(3)通常のポリエステルポリマーを5000〜900
0m/minで超高速紡糸して、易染性のポリエステル
繊維を得る方法や、(4)ジエチレングリコール,トリ
エチレングリコール等の低級グリコール類やポリアルキ
レングリコール等を重合段階等で添加し、このポリマー
を紡糸、延伸して易染性のポリエステル繊維を得る方法
が知られていた。
【0006】ここで、(1)の方法では、確かにポリエ
ステル繊維の染色性を向上させる効果があるが、紡糸工
程における操業性を低下させる要因を含んでおり、特
に、紡糸口金の汚れがはげしく、糸切れが増大するとい
うような欠点を有する。このため、延伸工程への悪影響
が大きく、延伸工程における断糸や、ローラーへの巻き
付きが増大し、また製品の品質も劣悪なものになるとい
うような問題があった。
【0007】また、(2)の方法では、染料と反応する
官能基を持つ第3成分として、例えば、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸を共重合させるしたようなものがあ
り、これによってポリエステル繊維の染色性が改良され
るようになった。しかし、このように5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸等を共重合させたものは、通常のポリ
エステルポリマーと比較して、ポリマーコストが高くな
り、また再溶融時に副反応を生じ、ゲルポリマーが生成
して、紡糸フィルターにおいて詰まりが生じ、口金ライ
フが短かくなること及び紡糸時の糸切れが通常のポリエ
ステルポリマーを用いた場合より多くなる等の問題があ
った。
【0008】また、(3)の方法は、比較的最近に用い
られるようになった方法であり、捲取機のハード技術が
向上したために生産できるようになったもので、超高速
紡糸技術では結晶と配向とが紡糸過程中で起こるため、
紡糸工程のみで製品とすることが出来、工程短縮による
メリットが大きい。しかし、この方法は、フィラメント
製造技術であり、捲縮を必要とする短繊維分野ではメリ
ットがなく、また得られる製品が従来のポリエステル繊
維とは異なり、極低熱収縮性であるため、利用できる分
野が限られる等の問題があった。
【0009】また、(4)の方法を用いた場合、得られ
るポリエステル繊維は、確かに易染性にはなるが、アル
カリに対して弱くなり、また耐候性にも乏しいという問
題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリエステ
ル繊維の染色性を改良する場合における上記のような様
々な問題を解決することを課題とするものであり、通常
のポリエステルポリマーを用いて安価に製造することが
でき、かつ安定した操業性によって、安定した生産が行
えるようになった分散染料易染性を有するポリエステル
繊維を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
のような課題を解決するため、極限粘度〔η〕が0.5
〜0.7の範囲にあるエチレンテレフタルレートを繰り
返し単位とするポリエステル繊維であって、その破断強
度が4.0g/d以上、広角X線回折法で測定した結晶
化度が30%以下、平均結晶体積V(Å3 )が3×10
4 以下、染料吸着率が50%以上である分散染料易染性
を有するポリエステル繊維を開発したのである。
【0012】ここで、本発明のポリエステル繊維に用い
られるポリマーとして、その極限粘度〔η〕が0.5か
ら0.7の範囲のものを用いるようにしたのは、極限粘
度が0.5未満の場合、確かに易染性にはなるが、破断
強度が4.0g/dより低くなり、後工程における操業
性が低下すると共に、紡糸や延伸の操業性が悪化し、特
に、紡糸に際してガスの発生が激しく、紡糸口金の汚れ
が顕著となり、糸切れが多発するといった問題を生ず
る。一方、極限粘度が0.7を越えると、後述する染料
吸着量を満足することができず、染色性の改良が充分で
はなく、易染性は期待できないためである。
【0013】また、本発明におけるポリエステル繊維
は、その繊度が3デニール以下のものに対して有効であ
り、繊度が1.5〜2.5デニールのものに対してより
有効である。これは、特に短繊維で用いる場合、3デニ
ールを越えるものは、一般に詰綿,不織布等に利用され
ることが多く、これらは通常染色しないで用いられるも
のが大半であり、一方、3デニール以下の短繊維は、紡
績糸として染色する用途に用いられることが多く、また
長繊維で用いる場合も、3デニール以下のものは一般衣
料用に用いられ、ファッション性が要求されて染色され
るため、このように繊度が3デニール以下のものに対し
て有効である。
【0014】また、本発明におけるポリエステル繊維に
おいては、その破断強度が4.0g/d以上必要であ
る。これは、破断強度が4.0g/dより小さい場合、
整経工程,サイジング工程,製編織工程等において張力
が加わると、断糸が多くなる可能性があり、操業性が悪
化し、また他の繊維たとえば天然繊維と混紡した場合、
混紡率及び混紡する繊維にもよるが、紡績糸の強度が弱
くなり、後工程に適さないものができる可能性が生じる
ためである。
【0015】また、本発明におけるポリエステル繊維に
おいては、広角X線回折法で測定した結晶化度が30%
以下になるようにする必要があり、好ましくは、上記の
結晶化度が25%以下になるようにする。すなわち、ポ
リエステル繊維において上記の結晶化度が30%を越え
ると、非晶成分が相対的に少なくなり、繊維構造が密に
なるため、染色した際に、染料が入りにくくなり、染料
吸着率が50%以上のものを確保できなくなるためであ
る。
【0016】また、本発明におけるポリエステル繊維に
おいては、平均結晶体積V(Å3 )が3×104 以下で
あることが必要である。これは、上記のようにポリエス
テル繊維における上記の結晶化度が30%以下になるよ
うにした場合、非晶領域が多くて、染料の吸着能は増加
するが、構造が粗であるため、染料の脱落、変色等が発
生し、耐候性が悪化する。そこで、このようなポリエス
テル繊維において、上記のように耐候性が悪化するのを
防止するためには、平均結晶体積V(Å3 )を3×10
4 以下にすることが必要になるのである。
【0017】なお、このように平均結晶体積V(Å3
を3×104 以下にすると耐候性の悪化が防止される理
由は明らかでないが、本発明者等の知得によれば次のよ
うに考えられる。
【0018】すなわち、結晶体積の比較的小さな結晶が
非晶領域内に多数存在している場合と、結晶体積の比較
的大きな結晶が非晶領域内に少ししか存在していない場
合とでは、非晶領域の拘束度が異なり、前者はその拘束
度が高く、後者はその拘束度が低いと考えられ、また、
結晶体積の大きなものはバラツキが同一であっても、絶
対的な結晶体積の差が大きく、それだけ非晶領域もかき
乱されている可能性が高い。
【0019】そして、このように非晶領域における染料
分子が入る孔の相対的な強さ及びバラツキの差によっ
て、結晶体積の比較的小さな結晶が非晶領域内に多数存
在している場合と、結晶体積の比較的大きな結晶が非晶
領域内に少ししか存在していない場合とでは耐候性に差
が生じ、平均結晶体積V(Å3 )を3×104 以下の場
合には、上記の結晶化度が30%以下であっても耐候性
が悪化するということが少なくなると思われる。
【0020】また、本発明におけるポリエステル繊維に
おいて、染料吸着量が50%以上になるようにしたの
は、染料吸着量が50%より少ないと、染色が容易に行
われるとはいえず、布帛等にした場合の発色性が劣るた
めである。
【0021】なお、本発明におけるポリエステル繊維に
おいては、この繊維の上記の性質を変化させない程度
で、酸化チタン等の艷消剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤
等を添加することができる。
【0022】また、本発明におけるポリエステル繊維の
形状は、通常の丸断面,異形断面,中空断面等のどのよ
うな形状であってもよいが、軽量性,嵩高性の機能を有
する中空断面形状の繊維であることが好ましく、特に、
中空度が15%以上になった中空断面形状の繊維にする
ことがより好ましい。
【0023】次に、本発明に係るポリエステル繊維を製
造する方法の一例について説明するが、本発明のポリエ
ステル繊維を製造する方法は、特にこの方法に限定され
るものではない。
【0024】先ず、一般に用いられている通常のポリエ
チレンテレフタレートチップをエクストルーダーに供給
し、このエクストルーダーにおいて溶融して押出し、紡
糸口金を介して紡糸させるようにする。
【0025】そして、このように紡糸口金を介して紡糸
された糸条にエアーを吹き付けて冷却させるにあたり、
紡糸口金から吹付開始位置までの距離を30〜60mm
の比較的短い長さとし、吹付風の速度を1m/sec〜
3m/secの比較的速い領域(通常の吹付速度は0.
5m/sec程度)とし、吹付長は300mm以下の短
い距離とし、また、吹付開始位置から一番遠いノズル孔
までの距離を100mm以内にして、紡糸口金から出た
糸条の冷却を瞬時に行うようにする。このようにする
と、配向度の比較的高い未延伸糸が得られる。
【0026】次いで、このようにして得られた未延伸糸
を、通常の延伸方法により延伸倍率を2.0〜3.0倍
程度の範囲で延伸すると、上記のような条件を満たす本
発明の分散染料易染性を有するポリエステル繊維が得ら
れる。
【0027】
【実施例】以下、この発明の実施例におけるポリエステ
ル繊維について具体的に説明すると共に比較例を挙げ、
この発明の実施例におけるポリエステル繊維が優れてい
ることを明らかにする。
【0028】(実施例1及び比較例1,2)実施例1に
おいては、極限粘度〔η〕が0.65のポリエチレンテ
レフタレートのチップを、比較例1においては、極限粘
度〔η〕が0.46のポリエチレンテレフタレートのチ
ップを、比較例2においては、極限粘度〔η〕が0.7
2のポリエチレンテレフタレートのチップを用いるよう
にした。なお、上記極限粘度〔η〕は、フェノールとテ
トラクロルエタンの重量比6:4の混合溶媒を用い、2
5℃で測定したときの値である。
【0029】そして、これらのポリエチレンテレフタレ
ートのチップを、それぞれ口金面径120mmφ,最外
用100mmφ,単列で口金孔径0.23mmφ,孔数
36の紡糸ノズルを用いて紡糸させると共に、紡糸され
た各糸条にそれぞれ吹付長が300mmになった環状吹
付装置を用いて吹き付けを行い、各糸条を冷却させて各
未延伸糸を得るようにした。なお、紡糸させる際の紡糸
温度(℃),吐出量(g/min),紡糸速度(m/m
in),紡糸口金から吹き付けを行う吹付開始点までの
距離(mm),吹付速度(m/sec),吹付量(g/
min)は下記の表1に示す条件で行った。
【0030】そして、上記のようにして得たこれらの未
延伸糸を予熱ローラ温度80℃,ヒータープレート温度
160℃にしてそれぞれ表1に示す延伸倍率に延伸させ
て、それぞれ75デニールの延伸糸を得た。
【0031】
【表1】
【0032】そして、上記のようにして実施例1及び比
較例1〜2の各未延伸糸をそれぞれ1週間製造した場合
における糸切率(回/日)及び糸切れとローラへの糸の
捲きつき程度を示す糸切+単糸捲率(%)を求め、その
結果を下記の表2に示した。
【0033】
【表2】
【0034】次に、上記のようにして得た実施例1及び
比較例1,2の各ポリエステルフイラメントについて、
繊度(d),破断強度(g/d),結晶化度(%),平
均結晶体積(Å3 ),染料吸着率(%),耐侯性を調べ
るようにした。
【0035】ここで、各ポリエステルフイラメントにつ
いて、これらの特性を調べるにあたっては下記のように
して測定を行うようにした。
【0036】1.繊度,破断強度 繊度及び破断強度については、JIS L−1074に
準拠して測定した。
【0037】2.結晶化度 結晶化度を測定するにあたっては、X線回折装置(理学
電機社製,高輝度回転対陰極型RAD−γB)を用い、
出力50KV−200mA,CuKα線(グラファイト
モノクロメーター使用)の条件で、光学系は、発散スリ
ット1°,受光スリット0.3〜1°,波高分析付シン
チレーションカウンターを用いるようにした。そして、
各繊維をハサミで約1mm以下に細断し、これらをアル
ミニウム製の回折測定用試料枠に充分に詰め込み、集中
反射広角ゴニオメータにより2θ=5°〜125°まで
のディフラクトメータ曲線を測り、空気散乱及び吸収の
補正を行い、Rulandの方法に従い結晶化度を算出
した。
【0038】4.平均結晶体積 平均結晶体積を測定するにあたっては、装置として、上
記の結晶化度を測定するのに使用したのと同じ装置を用
い、光学系には、第1ピンホール1mmφ,レシービリ
グスリット1°〜1°,波高分析付シンチレーションカ
ウンターを用いるようにした。そして、各繊維を巾4m
m×長さ20mmのスリット状金枠に0.05g/dの
張力下で速やかに長軸方向に平行に巻き付け、その巻き
付け量を50400デニールとした。次いで、このよう
に巻き付けた各試料を試料台に取り付け、対称透過法で
ディフラクトメータ曲線を測り、得られたディフラクト
メータ曲線から(010)と(100)面に垂直な方向
の結晶サイズをScherrerの式に従って算出する
一方、結晶サイズの高さ方向は(105)面の積分巾か
ら求めた。そして、上記の測定を1サンプルについて5
回繰り返して行い、各結晶サイズの平均値を求め、これ
らの積を平均結晶体積とした。尚、この平均結晶体積の
単位は(Å3 )である。
【0039】5.染料吸着率 染料吸着率を測定するにあたっては、試料の形態とし
て、長繊維は筒編地にする一方、短繊維はそのまま綿状
で用いるようにした。そして、各試料を充分水洗し、乾
燥後1g秤量した。次いで、染料としてEastman
Polyester Dark RedFL(イース
トマン社製)、分散剤としてディスパーTL(明成化学
工業社製)、助剤として硫酸アンモニウムと蟻酸とを用
い、各試料を下記の染色条件で染色した。 (染色条件) Eastman Polyester Dark Red FL 5.5%o.w.
f Disper TL 1g/l 硫酸アンモニウム 2g/l 蟻 酸 0.1g/l 浴 比 1:100 処理時間 室温〜100℃ (45分間) 100℃恒温 (60分間) このようにして各試料を染色した後、残液2mlをメタ
ノールで25倍に希釈し、波長490nmで吸光度
(D)を測定すると共に、染色する前の染液2mlもメ
タノールで25倍に希釈し、同一波長で吸光度(Do)
を測定し、これらの結果から下記の式により染料吸着率
(%)を求めるようにした。 染料吸着率(%)=(1−D/Do)×100
【0040】6.耐候性 耐侯性を調べるにあたっては、筒編地にして染色処理し
たものを耐侯性サンプルとして用い、JIS L084
3に準拠し、明暗法で露光させた。なお、装置として
は、キセノンロングライフウェザーメータ(スガ試験機
社製,XWL−DLH−B・Ec型1.5Kw)を用
い、積算放射照度488KJ/m2 で露光させた。そし
て、露光前後のサンプルをマクベス社製の色差計(タイ
プMS−2020プラス)にて測色し、下記の式により
ΔEを算出し、耐候性の尺度とした。 ΔE=[(L−Lo)2 +(a−ao)2 +(b−b
o)21/2 L,a,b : 露光後サンプルのL,a,b値 Lo,ao,bo : 露光前サンプルのL,a,b値
【0041】そして、実施例1及び比較例1,2の各ポ
リエステルフイラメントについて、上記のようにして繊
度(d),破断強度(g/d),結晶化度(%),平均
結晶体積(Å3 ),染料吸着率(%),耐侯性を調べた
結果を下記の表3に示した。
【0042】
【表3】
【0043】この結果、極限粘度〔η〕が0.65のポ
リエチレンテレフタレートを用いた実施例1のものは、
操業性,染色性及び耐侯性の点で比較例1,2のものに
比べて優れていた。
【0044】(実施例2,3及び比較例3〜5)これら
の実施例2,3及び比較例3〜5においては、それぞれ
極限粘度〔η〕が0.65のポリエチレンテレフタレー
トのチップを用いるようにした。
【0045】そして、これらのポリエチレンテレフタレ
ートのチップを、それぞれ口金面径200mmφ,最内
周120mmφ,最外周180mmφ,列ピッチ20m
mの4列の千鳥配列になった中空繊維用紡糸口金(孔数
630)を用いて紡糸させると共に、紡糸された各糸条
にそれぞれ吹付長240mmになった内径250mmφ
の環状吹付装置を用いて吹き付けを行い、各糸条を冷却
させ、各未延伸糸を捲き取るようにした。ここで、上記
のようにして各未延伸糸を捲き取るにあたっては、それ
ぞれ紡糸温度を288℃,捲取速度を1050m/mi
nにする一方、吐出量(g/min),紡糸速度(m/
min),紡糸口金から吹き付けを行う吹付開始点まで
の距離(mm),吹付速度(m/sec)を下記の表4
に示すように変化させた。但し、比較例5のものは、紡
糸することができなかった。
【0046】そして、上記のようにして捲き取った各未
延伸糸を10万デニールに引きそろえ、表4に示す延伸
倍率に延伸させた後、170℃で緊張熱処理を行ない、
51mmに切断し、2.5d×51mmの中空ポリエス
テル短繊維を得た。
【0047】
【表4】
【0048】次に、上記のようにして得た実施例2,3
及び比較例3,4の各中空ポリエステル短繊維における
繊度(d),破断強度(g/d),結晶化度(%),平
均結晶体積(Å3 ),染料吸着率(%),耐侯性を、前
記の場合と同様にして調べ、その結果を下記の表5に示
した。
【0049】
【表5】
【0050】この結果、実施例2,3のものは、比較例
3,4のものに比べて染色性が良好であり、耐候性にも
優れたものであった。
【0051】(実施例4及び比較例6)実施例4におい
ては上記実施例1で得た長繊維を、比較例6においては
上記比較例1で得た長繊維をそれぞれ経緯使いにし、経
糸については整経し、サイジングした後、経織密度18
0本/25.4mm、緯織密度150本/25.4mm
になるようにして、織機回転数600rpmで製織試験
を実施し、それぞれ実施例4,比較例6の布帛を得た。
【0052】このようにして製織試験を実施した結果、
織機の停台率(回/日)は、実施例4では0.02、比
較例6では3.58であり、実施例1で得た長繊維を用
いた方が織機の停台率が低く、操業性が良かった。
【0053】また、実施例1の長繊維を用いて織った実
施例4の布帛の品位は非常に良好なものであった。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る分散
染料易染性を有するポリエステル繊維おいては、通常の
ポリエステルポリマーを用いて、分散染料易染性のポリ
エステル繊維を得ることができ、またその製造の操業性
も良く、分散染料易染性を有するポリエステル繊維を効
率良くかつ安価に製造できるようになった。
【0055】また、本発明に係る分散染料易染性を有す
るポリエステル繊維は、分散染料易染性を有すると共
に、耐光性が良好であるため、カーモケット等のシート
分野、カジュアルな衣料、その他の様々な用途に好適に
利用できるようになった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極限粘度〔η〕が0.5〜0.7の範囲
    にあるエチレンテレフタルレートを繰り返し単位とする
    ポリエステル繊維であって、その破断強度が4.0g/
    d以上、広角X線回折法で測定した結晶化度が30%以
    下、平均結晶体積V(Å3 )が3×104 以下、染料吸
    着率が50%以上であることを特徴とする分散染料易染
    性を有するポリエステル繊維。
JP4086362A 1992-03-09 1992-03-09 分散染料易染性を有するポリエステル繊維 Expired - Lifetime JP2592745B2 (ja)

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JPWO2019142718A1 (ja) * 2018-01-18 2020-11-19 東レ株式会社 可染性ポリオレフィン繊維およびそれからなる繊維構造体

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