JPH05247655A - 堆積膜形成装置 - Google Patents

堆積膜形成装置

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JPH05247655A
JPH05247655A JP8128291A JP8128291A JPH05247655A JP H05247655 A JPH05247655 A JP H05247655A JP 8128291 A JP8128291 A JP 8128291A JP 8128291 A JP8128291 A JP 8128291A JP H05247655 A JPH05247655 A JP H05247655A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラズマCVD法による堆積膜形成装置にお
いて、連続して移動する帯状の基体上に大面積にわたっ
て均一に、かつ膜厚方向への組成の変化を容易に制御で
き、より良質の機能性堆積膜を再現性よく量産すること
のできるようにする。 【構成】 連続して移動する基体103とプラズマ形成
用の電極105aとによって区切られた膜形成空間10
4a内に、原料ガスの流れを制御するための仕切板11
6を基体103の移動方向に対し交差する方向に設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体デバイス、画像入
力用インラインセンサー、撮像デバイス、電子写真用感
光体などの用途に有用な機能性堆積膜を基体上に形成す
る堆積膜形成装置に関し、特に、光起電力素子などの大
面積の薄膜からなる半導体素子を長尺の帯状の基体に連
続して形成するための堆積膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、機能性堆積膜、ことに半導体薄膜
を形成する場合、機能性堆積膜に要求される電気的ある
いは物理的特性や用途に応じて、相応の成膜方法と成膜
装置が用いられていた。例えば、光起電力素子などに用
いられるアモルファスシリコン膜などの機能性堆積膜の
形成には、真空蒸着法、プラズマCVD法、反応性スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法、光CVD法な
どが適用されており、一般的にはプラズマCVD法が広
く用いられ企業化されている。
【0003】しかしながら、これらの方法で形成された
機能性堆積膜は、電気的・光学的特性、繰り返し使用時
における疲労特性、使用環境特性、あるいは均一性・再
現性を含めた生産性・量産性などの点でさらに総合的な
特性の向上を図る余地がある。電気的・光学的特性、光
導電特性あるいは機械的特性のそれぞれを十分満足でき
る機能性堆積膜を得るためには、現状ではプラズマCV
D法を用いることが最良の方法とされている。また、機
能性堆積膜の用途によっては、大面積化、膜厚の均一化
とともになお一層の膜品質の向上を図りながら、しかも
成膜速度を速くしつつ再現性のある量産を行なう必要が
あり、プラズマCVD法においてもこれらのことが今後
改善すべき課題であるという指摘がなされている。
【0004】プラズマCVD法における上述のような課
題を解決するための手段の1つとして、米国特許第44
79455号明細書には、ロール・ツー・ロール(Ro
llto Roll)方法において、長手方向に連続的
に搬送される基体に対し原料ガスの流れの向きが基体の
搬送方向と反平行になるようにすることにより、なお一
層均質な半導体膜を堆積させることのできるシステムが
開示されており、このシステムによれば光起電力素子製
造時の無駄が削減されかつ製造された光起電力素子の効
率が向上するとされている。また、米国特許第4608
943号明細書には、ロール・ツー・ロール方法によっ
て連続的に移動している基体上に堆積膜を形成する場合
において、堆積膜の膜厚方向に関して堆積膜中に特定元
素の濃度勾配をもたせるために、基体に対向するカソー
ド電極に前記特定元素の原料ガスを放出するための多数
のガス放出孔を設け、このガス放出孔から放出させる原
料ガスの流量をガス放出孔の基体搬送方向の位置に応じ
て変化させる方法および装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したカソード電極
に多数のガス放出孔を設けたプラズマCVD装置では、
一つの成膜空間に対して多数のガス導入部を設けること
になるため、膜厚方向への組成の変化の制御が複雑にな
りやすくさらに堆積膜を形成するときの条件の再現性に
乏しいという問題点がある。
【0006】本発明の目的は、連続して移動する帯状の
基体上に大面積にわたって均一に、かつ膜厚方向への組
成の変化を容易に制御でき、より良質の機能性堆積膜を
再現性よく量産することのできる堆積膜形成装置を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、真空容器と、該真空容器内において帯状の
基体をその長手方向に連続して搬送する搬送手段と、前
記真空容器内に設けられ境界の少なくとも一部が前記帯
状の基体によって構成され、原料ガスとプラズマ形成エ
ネルギーとが導入される膜形成空間とを有し、該膜形成
空間にプラズマを形成することによって前記帯状の基体
の表面に堆積膜を形成する堆積膜形成装置において、前
記膜形成空間の内部に、前記原料ガスの流れを制御する
ための仕切板を、前記帯状の基体の搬送方向に交差する
方向に設けたことを特徴とする。
【0008】前記プラズマ形成エネルギーとして高周波
電力を用い、前記膜形成空間に高周波プラズマを形成す
るようにするとよい。また、膜形成空間に原料ガスを供
給するための導入部を仕切板の両側にそれぞれ設けるよ
うにしてもよい。
【0009】
【作用】膜形成空間の内部に、原料ガスの流れを制御す
るための仕切板を帯状の基体の搬送方向に対し概ね垂直
になるように設けているので、仕切板の両側で原料ガス
の濃度、圧力に差が生じ、一方、帯状の基体は仕切板を
またがるように連続的に移動しているから、帯状の基体
上に堆積する膜には膜厚方向の組成の変化が生じる。ま
た、仕切板によって膜形成空間が仕切られることとなる
ので、仕切られた空間内での原料ガスの分布が均一にな
り、帯状の基体の幅方向には堆積膜がより均一に形成さ
れることになる。
【0010】また、膜形成空間に原料ガスを供給するた
めの導入部を仕切板の両側にそれぞれ設けると、それぞ
れの導入部から膜形成空間に導入されるガスの種類や流
量が異なる場合に、仕切板の両側での異なるガスの分割
がより有効に行われるので、帯状の基体上に堆積する膜
の膜厚方向の組成の変化がより急峻なものとなる。
【0011】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0012】(実施例1)図1は本発明の一実施例の堆
積膜形成装置の構造を示す概略断面図である。図中の矢
印は、ガスの流れを模式的に示したものである。
【0013】この堆積膜形成装置は、2個の内部容器1
02a、102bを内部に有する真空容器101からな
る。真空容器101には、各内部容器102a、102
bにそれぞれ対応し図示しない排気ポンプに他端が接続
された2本の排気管111a、111bが接続されてい
る。各排気管111a、111bの途中には、それぞれ
真空計110a、110bが設けられている。
【0014】堆積膜が形成される帯状の基体103は、
真空容器101の外側にある送りロール114から供給
され、真空容器101の図示左側の側壁に取り付けられ
たガスゲート113aを通って真空容器101内に導入
され、真空容器101の図示右側の側壁に取り付けられ
たガスゲート113bを通って真空容器101の外側に
ある巻取りロール115に巻取られるようになってい
る。図示しない駆動モータで巻取りロール115を回転
駆動することにより、基体103は送りロール114か
ら連続的に真空容器101内に供給され、真空容器10
1内を基体103の長手方向に沿って連続的に移動し、
巻取りロール115に巻取られることになる。すなわ
ち、基体103は図示左側から右側方向へ連続的に搬送
されることとなる。各ガスゲート113a、113b
は、真空を破らずに基体103を連続的に真空容器10
1内に搬送しかつゲートガスを導入できる構造となって
おり、この真空容器101を他の真空容器と接続すると
きの連結部ともなるものである。また、送りロール11
4、巻取りロール115は、各ガスゲート113a、1
13bにそれぞれ接続された不図示の真空室内に格納さ
れ、基体103が大気に曝されることのないようになっ
ている。
【0015】各内部容器102a、102bは、それぞ
れ一面が開口部となった中空の直方体形状であり、前記
開口部が基体103に近接して対向するように設けられ
ている。各内部容器102a、102bには、各排気管
111a、111bの真空容器101側の取り付け部に
対向して排気用の開口がそれぞれ設けられ、また該開口
から前記取り付け部に向かう開管状の突起117a、1
17bがそれぞれ設けられている。前記開口には調整板
108a、108bがそれぞれ取り付けられている。前
記突起117a、117bの先端部および各排気管11
1a、111bの前記取り付け部にもそれぞれ調整板1
09a、109bが取り付けられている。これら各調整
板108a、108b、109a、109bは、排気コ
ンダクタンスを調整し、膜形成空間102a、102b
の内外に差圧を発生させるために開口部の面積を変化で
きる部材、例えばスリット状あるいは絞り状の部材であ
り、その開口部の面積をを変えることにより前記差圧を
適宜選択できることになる。
【0016】また、各内部容器102a、102bに
は、原料ガスを加熱するためのガスヒーター106a、
106b、プラズマ放電を発生するための電極105
a、105bがそれぞれ設けられている。ガスヒーター
106a、106bは、原料ガスを加熱してポリシラン
などの発生を防止するとともに、電極105a、105
bを加熱して該電極105a、105bの表面に吸着さ
れている残留空気や水分を除去する働きを有する。
【0017】各電極105a、105bはそれぞれ平板
状の形状であり、いくつかに分割された形状でもよく、
基体103に対向してこれに平行になるように設けられ
ている。各電極105a、105bは、真空容器101
の外部に設けられた2個の高周波電源112a、112
bの一端に、図示しないマッチングボックスを介してそ
れぞれ電気的に接続されている。各高周波電源112
a、112bの他端は接地されている。このように電極
105a、105bを配置したことにより、真空容器1
01内を排気し、所定の原料ガスを導入し、各高周波電
源112a、112bから高周波電力を前記電極105
a、105bに印加したとき、前記電極105a、10
5bと基体103とではさまれた空間でプラズマ放電が
生起することとなり、前記空間がそれぞれ膜形成空間1
04a、104bとなる。すなわち、各内部容器102
a、102bに対応してそれぞれ膜形成空間104a、
104bが形成されることになる。
【0018】図示左側の内部容器102aに形成された
膜形成空間104aには、この膜形成空間104aにお
ける原料ガスの流れをを制御するための長方形の仕切板
116が設けられている。仕切板116は、基体103
の搬送方向に交差する方向に、前記左側の内部容器10
2aの電極105aに取り付けられている。仕切板11
6の高さは、基体103と前記電極105aとの間隔よ
りも若干小さく、したがって仕切板116の上辺と基体
103との間には隙間が形成されることになる。また、
仕切板116の横幅は少なくとも基体103の横幅より
も大きく、仕切板116が前記膜形成空間104aを仕
切るようになっている。仕切板116は、導電性、非導
電性のいずれであってもよいが、非導電性のものが好ま
しく、例えば石英、アルミナセラミックス、窒化アルミ
ニウムなどが挙げられる。
【0019】前記膜形成空間104aにおいて、仕切板
116を基体103の搬送方向に関しどこに設けるか
は、基体103上に堆積させようとする膜の膜厚方向へ
の組成の変化に応じて適宜定められる。図示しないアク
チュエーターなどからなる移動手段を用い、外部からの
操作によって、仕切板116を図示太矢印方向に移動で
きるようにしてもよい。
【0020】さらに真空容器101の外部に設けられた
ガスボンべなどのガス供給源から原料ガスを各内部容器
102a、102bの内部にそれぞれ供給するための第
1、第2のガス供給管107a、107bが、真空容器
101の壁を貫通しそれぞれの内部容器102a、10
2bに取り付けられている。原料ガスは各ガス供給管1
07a、107bから対応する内部容器102a、10
2bに供給され、各ガスヒーター106a、106bで
加熱され、そして各膜形成空間104a、104bへ導
入され、そののち突起117a、117b、排気管11
1a、111bを経て排気されることになる。この場
合、左側の内部容器102aに取り付けられた第1のガ
ス供給管107aから導入された原料ガスは、前記左側
の内部容器102aの膜形成空間104aに仕切板11
6で仕切られた一方の側から導入されることなる。そこ
で、前記膜形成空間104aの仕切板116で仕切られ
た他方の側に原料ガスを直接供給するための第3のガス
供給管107cが設けられている。第3のガス供給管1
07cは真空容器101の壁を貫通して設けられてい
る。これら3本のガス供給管107a、107b、10
7cは、原料ガスのほか、基体103の加熱用のガスや
真空容器101を洗浄するためのガスを真空容器101
内に導入するときにも用いられる。
【0021】真空容器101内の基体103の裏面側
(各内部容器102a、102bに対向しない側)に
は、基体103を加熱するための輻射熱を発生する一群
のランプヒーター118が設けられている。
【0022】次にこの堆積膜形成装置の動作について説
明する。
【0023】まず、図示しない排気ポンプにより真空容
器101内を排気し、前記排気ポンプを作動させなが
ら、各ガス供給管107a、107b、107cより真
空容器101内にそれぞれ所定の原料ガスを導入する。
また、各ガスヒーター105a、105b、ランプヒー
ター118を作動させ、図示しない駆動モーターにより
巻取りロール115を回転駆動して帯状の基体103を
連続的に移動させる。このようにすることにより、真空
容器101内を連続的に移動する基体103は加熱さ
れ、第1、第2のガス供給管107a、107bから膜
形成空間104a、104bに導入される原料ガスも加
熱される。
【0024】この状態で、各高周波電源112a、11
2bにより各電極105a、105bに高周波電力をそ
れぞれ印加すると、各膜形成空間104a、104bで
高周波放電が発生してプラズマが生成し、該プラズマの
作用によって原料ガスが分解し、連続的に移動している
基体103に表面に堆積膜が形成される。ここで図示左
側の内部容器102aに形成された膜形成空間104a
に注目すると、この膜形成空間104aには仕切板11
6が存在するため、第1のガス供給管107aから供給
された原料ガスは仕切板116によって仕切られた前記
膜形成空間104aのうちの右側の空間にまず導入さ
れ、主として該空間において分解されて基体103に堆
積することとなる。第3のガス供給管107cから導入
された原料ガスは仕切板116の左側の空間にのみ導入
され、この空間で分解して基体103上に堆積すること
となる。
【0025】基体103は、図示左側から右側方向へ連
続的に搬送されているから、まず仕切板116の左側の
部分で堆積膜の形成をうけ、続いて仕切板116の右側
の部分で堆積膜の形成をうけることになる。第1および
第3のガス供給管107a、107cとから導入される
原料ガスの種類と流量を調整することにより、仕切板1
16をはさんだ両側において基体103上に堆積する膜
の組成が異なることになるから、結局、基体103に堆
積する膜の膜厚方向に組成が変化するようになる。仕切
板116をまたがる原料ガスの混合の度合が少なけれ
ば、それだけ上述した組成の膜厚方向への変化は急峻な
ものとなる。
【0026】また仕切板116を設けているので、前記
膜形成空間104aにおける圧力の分布は、仕切板11
6のところで急激に変化しその他のところではほとんど
変化しないような分布となり、また仕切板116が基体
103の幅方向に延びているので、基体103の横方向
への原料ガスの分布がより均一になり、基体103に堆
積する膜の幅方向の均一性が向上し、膜質も良好なもの
となる。
【0027】以上の説明では、前記膜形成空間104a
の仕切板116で仕切られた図示左側の空間に直接原料
ガスを導入する第3のガス供給管107cを設けている
が、このガス供給管107cを設けなくても仕切板11
6の両側でガスの濃度、圧力などが異なるため、基体1
03上に膜厚方向に組成が変化した堆積膜を良好に形成
することができる。
【0028】(実施例2)図2は、上述した堆積膜形成
装置における真空容器101の両側にさらに堆積膜形成
のための真空容器をそれぞれカスケードに接続した、光
起電力素子などを容易に作成しうる堆積膜形成装置の構
造を示す概略断面図である。
【0029】3基の真空容器201〜203がそれぞれ
ガスゲート204、205を介して直列に接続されてい
る。帯状の基体211は、第1の真空容器201の内部
に設けられた送りロール212から繰り出され、第1の
ガスゲート204、第2の真空容器202、第2のガス
ゲート205を順次通って、第3の真空容器203の内
部に設けられた巻取りロール213に巻取られるように
なっている。図示しない駆動手段により巻取りロール2
13を図示矢印方向に回転駆動すると、基体211は、
送りロール212から繰り出され、連続的に搬送される
ことになる。基体211の上にpin接合を有するアモ
ルファス光起電力素子を形成する場合、第1の真空容器
201はn型半導体層を、第2の真空容器202はi型
半導体層を、第3の真空容器203はp型半導体層をそ
れぞれ形成するための成膜室となる。
【0030】第1の真空容器201は、送りロール21
2が収納される真空室214と一体的に設けられ、送り
ロール212から繰り出される基体211に対向するよ
うに設けられた内部容器221、内部容器に原料ガスを
供給するためのガス供給管222、ガスを加熱するため
内部容器221に設けられたガスヒータ223、図示し
ない高周波電源に接続され内部容器221に設けられた
電極224、基体211をはさんで内部容器221に対
向して設けられ基体211を加熱するランプヒータ22
5を有している。内部容器221の構成は、上述の実施
例1における右側の内部容器102bと同じである。ま
た、真空容器201には、他端が図示しない排気ポンプ
に接続された排気管226の一端が接続されている。
【0031】第1の真空容器201と第2の真空容器2
02を接続する第1のガスゲート204には、ゲートガ
スを導入するためのゲートガス導入管206が接続され
ている。第2の真空容器202の構成は、上述の実施例
1における真空容器101と同一である。また、第2の
真空容器202と第3の真空容器203とを接続する第
2のガスゲート205には、ゲートガスを導入するため
のゲートガス導入管207が接続されている。第3の真
空容器203は、巻取りロール213を収納する真空室
215と一体的に設けられ、第1の真空容器201と鏡
像の関係を有する構造となっている。各真空室214、
215には、図示しない排気ポンプに接続された排気管
216がそれぞれ接続されている。
【0032】次に、この堆積膜形成装置の動作について
説明する。
【0033】まず、各真空容器201〜203と各真空
室214、215を排気し、各ガスゲート204、20
5のゲートガス導入管206、207から、各真空容器
201〜203内の原料ガスが隣接する真空容器内に流
入するのを防ぐためのゲートガスを導入する。続いて、
各真空容器201〜203に所定の原料ガスを供給しつ
つ、図示しない駆動手段によって巻取りロール213を
回転駆動し、帯状の基体211を連続的にその長手方向
に搬送する。この状態で各真空容器201〜203内で
プラズマ放電を生起させることにより、基体211の上
に堆積膜が形成される。このとき基体211が第1の真
空容器201から第3の真空容器203に向かう方向に
連続的に搬送されているので、基体211の表面には、
基体211の本体側から、第1の真空容器201での堆
積層、第2の真空容器202での堆積層、第3の真空容
器203での堆積層が順次積層されることになる。
【0034】特に、第2の真空容器202に上述の実施
例1での真空容器101と同じものを使用しているの
で、基体211上に第2の真空容器202で堆積する膜
において、その膜厚方向に組成が良好に変化し、また基
体211の幅方向への膜の均一性がより一層向上する。
したがって、この堆積膜形成装置をpin型接合を有す
るアモルファス光起電力素子の作成に利用すると、i型
半導体層に膜厚方向の組成の変化を持たせることが可能
になるとともにi型半導体層の膜質が向上する。アモル
ファス光起電力素子の特性が概ねi型半導体層の特性で
定まることが知られているから、この堆積膜形成装置に
よって、より優れたアモルファス光起電力素子が得られ
ることになる。
【0035】次に、上述の各実施例に示した堆積膜形成
装置を用いて実際に堆積膜を形成した結果について、比
較例を参照しながら説明する。
【0036】(実験例1)図1に示した実施例1の堆積
膜形成装置を用い、帯状の基体103上にアモルファス
シリコンゲルマニウム膜を成膜した。基体103として
はステンレス(SUS430BA,幅12cm×長さ50m×厚さ
0.2mm)を用い、真空容器101の排気ポンプとし
て、ロータリーポンプとメカニカルブースターポンプと
ターボ分子ポンプ(島津製作所製TMP-150)を用いた。
また、各内部容器102a、102bの排気用の開口に
取り付けられた調整板108a、108bと、突起11
7a、117bの先端部および各排気管111a、11
1bの前記取り付け部に取り付けられた調整板109
a、109の開口比が1:18になるようにした。ま
た、図示左側の内部容器102aに形成された膜形成空
間104aを排気側(図示左側)からみて1:2に分割
するところに、仕切板116を配置するようにした。
【0037】まず、送りロール114、巻取りロール1
15をそれぞれ格納している不図示の2個の真空室と真
空容器101とをロータリーポンプで荒引きし、続いて
メカニカルブースターポンプにより、圧力が約10-3To
rrになるまで排気した。ランプヒータ118により基体
の表面温度を300℃に保持し、また各ガスヒーター1
06a、106bを330℃に保ち、次にターボ分子ポ
ンプにて2×10-5Torr以下まで排気した。
【0038】真空度が2×10-5Torr以下になったら、
不図示のガスボンベから不図示のマスフローコントロー
ラーを介して、400sccmのH2ガスをパージガスとし
て第1、第2のガス供給管107a、107bと前記2
個の真空室に設けられた不図示の導管とから導入し、各
真空計110a、110bの示度が1.0Torrとなるよ
うにそれぞれの排気管111a、112bに取り付けら
れた不図示のバタフライバルブを調整しつつ、ターボ分
子ポンプで2時間排気した。
【0039】その後、不図示のガスボンベからマスフロ
ーコントローラー(不図示)を介して、第1、第2ガス
供給管107a、107bより表1に示す条件でSi2
6、GeH4、H2の各ガスを導入し、各真空計110
a、110bの示度が1.0Torrになるようメカニカル
ブースターポンプの回転数を調整した。まず、0.5時
間にわたって上記ガスを流し、そののちガスを流したま
ま各高周波電源112a、112bより13.56MHzの
表1に示す実効値の高周波電力を各電極105a、10
5bにそれぞれ印加し、各膜形成空間104a、104
bでプラズマ放電を生起させ、基体103上に長さ40
mにわたって堆積膜を形成した。このとき、基体103
の搬送速度は14cm/minであった。
【0040】
【表1】
【0041】堆積膜形成後、冷却させてから基体103
を取り出し、基体103の長手方向および幅方向につい
て、膜厚計(東京エレクトロン社製 アルファステップ
100)を用いて堆積膜の膜厚分布を測定した。その結
果、膜厚のばらつきは2.5%以内に納まっており、ま
た堆積速度を計算したところ平均8Å/sであった。次
に、堆積膜の形成された基体103の一部を任意に35
ヶ所切り出し、2次イオン質量計(SIMS)(CAM
ECA社製 imf-3f)を用い、堆積膜の深さ方向の組成
分析を行った。その結果、任意の膜厚の点でのゲルマニ
ウム含有量のばらつきは、切り出した35個のサンプル
について±3%以内に納まっていた。
【0042】(比較例1)上述の実験例1において仕切
板116を取り除いた他は同様にして、基体上に堆積膜
を形成した。その後、実験例1と同様にして、ゲルマニ
ウム含有量の深さ方向の分布を調べたところ、任意の膜
厚の点でのゲルマニウム含有量のばらつきは±6%であ
った。
【0043】以上の実験例1と比較例1を比較すると、
本発明の堆積膜形成装置を使用することにより、連続的
に移動する帯状の基体上に堆積膜を形成する場合に、膜
厚方向への組成の変化を正確に制御できることがわかっ
た。このことは、例えばアモルファス光起電力素子の作
成において、バンドギャップ調整剤を所望のとおり再現
性よく分布できることを示す。
【0044】(実験例2)図2に示す実施例2の堆積膜
形成装置を用い、基体上にpin型接合が設けられ、傾
斜型のバンドギャッププロファイルを有する太陽電池シ
ングルセルを作成した。基体211として、上述の実験
例と同様のものを使用した。
【0045】基体211を搬送速度15cm/minで連続
的に搬送しながら、基体211上に、第1の真空容器2
01でn型半導体層を、第2の真空容器202でi型半
導体層を、第3の真空容器でp型半導体層を順次堆積さ
せた。このとき、各真空容器201〜203間での原料
ガスの混合を防ぐため、各ゲートガス導入管206、2
07よりArガス、H2ガスをそれぞれ300sccm、3
50sccm導入した。n型半導体層とp型半導体層の堆積
の条件は表2に示すとおりであり、また、i型半導体層
の堆積の条件は上述の実験例1で表1により示したもの
と同じにした。また、その他の動作も実験例1と同様で
ある。
【0046】
【表2】
【0047】このようにして作成したアモルファスシリ
コンゲルマニウム太陽電池に、AM値が1.5、光強度
が100mW/cm2の疑似太陽光を照射し、このアモルフ
ァスシリコンゲルマニウム太陽電池の任意の40ヶ所に
おいて光電変換効率を測定したところ、光電変換効率の
ばらつきは±4%以内におさまっていた。
【0048】(比較例2)上述の実験例2において第2
の真空容器202内の膜形成空間に設けられた仕切板を
取外し、他は実験例2と同様にして、傾斜型バンドギャ
ッププロファイルを有する太陽電池シングルセルを作成
した。その後、実験例2と同様にして、作成した太陽電
池シングルセルの光電変換効率を測定したところ、光電
変換効率のばらつきは±8%であった。
【0049】実験例2と比較例2とを比較すると、膜形
成空間に仕切板を設けることにより、光電変換効率のば
らつきが半減した。以上の結果より、本発明の堆積膜形
成装置を使用することによって、連続的に移動する帯状
の基体上に太陽電池を作成するときに、大面積にわたっ
て再現性よく良好な太陽電池が得られることがわかっ
た。
【0050】(実験例3)上述の実験例2で使用した堆
積膜形成装置では第2の真空容器202には1枚の仕切
板が使用されていたが、仕切板を2枚にし、他は実験例
2と同様にして傾斜型バンドギャッププロファイルを有
する太陽電池シングルセルを作成した。
【0051】ここで、本実験例における仕切板の配置の
詳細について説明する。実験例2における第2の真空容
器202は、図1により上述の実施例1において説明し
た真空容器101と同じ構成であるので、該真空容器1
01によって2枚の仕切板の配置を説明する。
【0052】真空容器101において、仕切板116は
図示左側の内部容器102aに形成される膜形成空間1
04aを排気側から1:2に内分する位置に設けられて
いる。本実験例は、前記膜形成空間104aを排気側か
ら2:1に内分する点に、前記仕切板116と同様の構
成の第2の仕切板をさらに設けたものである。この結
果、前記膜形成空間104aは、これら2枚の仕切板に
よって、基体103の搬送方向に沿ってほぼ3等分され
たことになる。
【0053】実験例2と同様にして、作成された太陽電
池の任意の35ヶ所について光電変換効率を測定したと
ころ、光電変換効率のばらつきは±3%以内におさまっ
ていた。またF.F.(曲線因子)が、実験例2の太陽電
池に比べ約2%ほど向上していた。
【0054】以上の結果より、本発明の堆積膜形成装置
において、膜形成空間に設ける仕切板の枚数を増やすこ
とによって、大面積にわたってより再現性よく、また特
性がより優れた太陽電池が得られることがわかった。
【0055】(実験例4)実施例2の堆積膜形成装置を
用い、第2の真空容器202の仕切板の設けられた膜形
成空間の前記仕切板より排気側にもガス供給管により原
料ガスを導入しながら、実験例2と同様にして傾斜型バ
ンドギャッププロファイルを有する太陽電池シングルセ
ルを作成した。上述のように第2の真空容器202は実
施例1での真空容器101と同じ構成であるので、図1
により説明する。
【0056】真空容器101の図示左側の内部容器10
2aに形成された膜形成空間104aには、該膜形成空
間104aに設けられた仕切板116よりも排気側にガ
スを導入するための第3のガス供給管107cが取り付
けられている。このガス供給管107cから、Si
26、H2ガスを前記膜形成空間104aに導入した。
このときの太陽電池シングルセルの形成条件をまとめる
と、表3に示すもののようになる。
【0057】
【表3】
【0058】このように作成した太陽電池について、実
験例2と同様にして任意の35ヶ所について光電変換効
率を測定した。その結果、光電変換効率のばらつきは±
3.5%以内におさまっていた。また、上述の比較例2
による太陽電池と比較すると、F.F.(曲線因子)およ
びVoc(開放電圧)がそれぞれ1.5%ずつ向上した。
【0059】以上の結果より、本発明の堆積膜形成装置
において仕切板より排気側の膜形成空間にも原料ガスを
導入することによって、大面積にわたってより再現性よ
く、また特性がより優れた太陽電池が得られることがわ
かった。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、膜形成空
間の内部に原料ガスの流れを制御するための仕切板を帯
状の基体の搬送方向に対し交差する方向に設けることに
より、仕切板の両側で原料ガスの濃度、圧力に差が生
じ、帯状の基体上に堆積する膜の膜厚方向の組成の変化
を容易にかつ良好に制御することができ、また、仕切板
によって膜形成空間が仕切られることとなるので、帯状
の基体の幅方向には堆積膜が大面積にわたって均一に形
成され、より良質の機能性堆積膜を再現性よく量産でき
るようになるという効果がある。特に、膜厚方向にバン
ドギャップが連続的に変化する良質の半導体薄膜を量産
性よく作成するのに適しているという効果がある。ま
た、仕切板で区切られた両側の膜形成空間にそれぞれ原
料ガスの導入部を設けることにより、仕切板の両側での
原料ガスの分割がより有効に行われるので、堆積膜の膜
厚方向の組成の変化をより急峻なものにすることがで
き、膜厚方向への組成の制御を容易かつ正確に行えるよ
うになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の堆積膜形成装置の構造を示
す概略断面図である。
【図2】本発明の別の実施例の堆積膜形成装置の構造を
示す概略断面図である。
【符号の説明】
101、201〜203 真空容器 102a、102b、221 内部容器 103、211 基体 104a、104b 膜形成空間 105a、105b、224 電極 106a、106b、223 ガスヒーター 107a、107b、107c、222 ガス供給
管 108a、108b、109a、109b 調整板 110a、110b 真空計 111a、111b、216、226 排気管 112a、112b 高周波電源 113a、113b、204、205 ガスゲー
ト 114、212 送りロール 115、213 巻取りロール 116 仕切板 117a、117b 突起 118、225 ランプヒーター 206、207 ゲートガス導入管 214、215 真空室

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器と、該真空容器内において帯状
    の基体をその長手方向に連続して搬送する搬送手段と、
    前記真空容器内に設けられ境界の少なくとも一部が前記
    帯状の基体によって構成され原料ガスとプラズマ形成エ
    ネルギーとが導入される膜形成空間とを有し、該膜形成
    空間にプラズマを形成することによって前記帯状の基体
    の表面に堆積膜を形成する堆積膜形成装置において、 前記膜形成空間の内部に、前記原料ガスの流れを制御す
    るための仕切板を、前記帯状の基体の搬送方向に対し交
    差する方向に設けたことを特徴とする堆積膜形成装置。
  2. 【請求項2】 仕切板を帯状の基体の搬送方向と平行方
    向に往復移動するための移動手段を有する請求項1記載
    の堆積膜形成装置。
  3. 【請求項3】 プラズマ形成エネルギーが高周波電力で
    ある請求項1または2記載の堆積膜形成装置。
  4. 【請求項4】 膜形成空間に原料ガスを供給するための
    導入部が、仕切板の両側にそれぞれ設けられている請求
    項1、2または3記載の堆積膜形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5364481A (en) * 1992-07-24 1994-11-15 Fuji Electric Co., Ltd. Apparatus for manufacturing a thin-film photovoltaic conversion device
JP2008098668A (ja) * 2001-02-12 2008-04-24 Asm America Inc 半導体膜の改良された堆積方法
JP2011127162A (ja) * 2009-12-16 2011-06-30 Fuji Electric Co Ltd 薄膜製造装置

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JP2008098668A (ja) * 2001-02-12 2008-04-24 Asm America Inc 半導体膜の改良された堆積方法
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