JPH05247602A - 高磁歪軟磁性合金膜 - Google Patents

高磁歪軟磁性合金膜

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JPH05247602A
JPH05247602A JP4975792A JP4975792A JPH05247602A JP H05247602 A JPH05247602 A JP H05247602A JP 4975792 A JP4975792 A JP 4975792A JP 4975792 A JP4975792 A JP 4975792A JP H05247602 A JPH05247602 A JP H05247602A
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JP
Japan
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soft magnetic
alloy film
alloy
magnetic alloy
film
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Application number
JP4975792A
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English (en)
Inventor
Keita Ihara
慶太 井原
Hiroshi Sakakima
博 榊間
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高磁歪を有し、かつ良好な軟質磁気特性を示
すセンサー用高磁歪軟磁性合金膜を提供する。 【構成】 本発明の高磁歪軟磁性合金膜は、膜中の平均
組成が式FeaCobcd で示され、前記式の組成にお
いて、Feは鉄,Coはコバルト、MはジルコニウムZ
r,ニオブNb,タンタルTa,チタンTi,ハフニウムH
f,ホウ素Bおよびケイ素Siよりなる群から一種類以上
選択された金属元素、Nは窒素であって、a,b,c,
dは原子%を表し、それぞれ 32≦a≦76,5≦b≦5
0,60≦a+b≦92,3≦c≦20,3≦d≦25,a+b
+c+d=100 である窒化合金膜である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁歪の効果により圧力や
トルクを検出するセンサーや、磁歪振動子用等として適
した高磁歪軟磁性合金膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の高磁歪材料として、印加磁界を40
kA/m以上まで強くすることができるならば、稀土類
合金が100×10~6以上の巨大な飽和磁歪定数を有し、鉄
Fe−コバルトCoの2元合金が最大70×10~6の大きな飽
和磁歪定数を有することが知られている。
【0003】しかしながら、センサー用や磁歪振動子用
等の高磁歪磁性合金は比較的小さな印加磁界の範囲で用
いられるものであり、代表的なものとして飽和磁歪定数
が40×10~6程度の13%アルミニウムAl−鉄Fe合金や10
〜40×10~6程度の鉄Fe−ホウ素B系非晶質合金等があ
る。ここでセンサー等の用途としては20×10~6程度で軟
質磁気特性の良好な高磁歪磁性合金がよく用いられてい
る。即ち、センサー用や磁歪振動子用等の磁性合金は、
単に高磁歪であるばかりでなく、印加磁界に対して敏感
となるような軟質磁気特性を必要とされるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】磁気デバイスに用いら
れる実用的な高磁歪材料としては、できるかぎり高い磁
歪定数と良好な軟質磁気特性を兼ね備えた高磁歪軟磁性
合金膜が求められている。この実用化されている高磁歪
材料の飽和磁歪定数は20×10~6程度であり、センサーの
高性能化や各種磁歪応用デバイスの小型化等を考慮した
場合、軟質磁気特性を有しつつ従来よりも高い磁歪定数
を有する材料が必要とされている。
【0005】本発明は、本来高磁歪であるFe−Co合金
に、窒素Nとの親和性の強い元素と窒素を加えた組成系
によって軟質磁気特性を併せ持たせることにより、良好
な軟質磁気特性と高磁歪を示す高磁歪軟磁性合金膜を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、膜中の平均組
成が式
【0007】
【数1】FeaCobcd で示され、前記式の組成において、Feは鉄,Coはコバ
ルト、MはジルコニウムZr,ニオブNb,タンタルT
a,チタンTi,ハフニウムHf,ホウ素Bおよびケイ素
Siよりなる群から一種類以上選択された金属元素、N
は窒素であって、a,b,c,dは原子%を表し、それ
ぞれ
【0008】
【数2】32≦a≦76,5≦b≦50,60≦a+b≦92,3
≦c≦20,3≦d≦25,a+b+c+d=100 である高磁歪軟磁性合金膜を用いる。
【0009】この場合、粒径が60nm以下の微結晶粒
を含有する上記高磁歪軟磁性合金膜は特に軟質磁気特性
が良好となる。
【0010】また、少なくとも合金膜作製時に膜厚方向
の組成が変調されており、組成変調波長が60nm以下であ
る上記高磁歪軟磁性合金膜はさらに軟質磁気特性が優れ
たものとなっている。
【0011】
【作用】本発明の高磁歪軟磁性合金膜は、スパッタ法に
よりアルゴン等のスパッタガス中に窒素ガスを混合して
作製される窒化合金膜であり、Fe基合金中に窒素Nと
の親和性が強い金属元素Mを含んでいる。この窒化合金
膜は、スパッタ法による合金膜作製時に一様に窒化され
たものであっても良く、また膜厚方向に窒素等の組成が
変調された組成変調窒化合金膜となっていても良い。こ
のようにして作製される窒化合金膜は、成膜時において
は非晶質もしくはそれに近い状態にあるが、熱処理によ
り窒素等の拡散が生じて、Fe−Co等の微結晶粒が生じ
るようになる。この熱処理により合金膜の構造が変化し
た状態において、本発明の高磁歪軟磁性合金膜は良好な
軟質磁気特性と高磁歪を示すものである。
【0012】以上の場合、良好な軟質磁気特性を得るた
めには熱処理後に生じる微結晶粒の粒径を60nmとするこ
とが望ましい。さらに特に優れた軟質磁気特性を得るた
めには、少なくとも合金膜作製時に膜厚方向の組成が変
調されており、組成変調波長が60nm以下の組成変調窒化
合金膜を成膜し、これに磁界中熱処理を施せばよい。
【0013】上記数1で示される本発明の軟磁性合金膜
の場合、窒素元素との親和性が弱いFeおよびCoと、窒
素元素との親和性が強いZr,Nb,Ta,Ti,Hf,B
およびSiより選択された金属元素Mが合金膜中に共在
している。合金膜中では選択的に金属元素Mが窒素元素
Nと化学的に強く結合しており、このことが熱処理後に
良好な軟質磁気特性を得る上で重要となっている。
【0014】本発明の高磁歪軟磁性合金膜において熱処
理後に単に高飽和磁化と良好な軟質磁気特性を得るため
には、膜中の平均組成で金属元素Mを少なくとも3原子
%以上、窒素Nを3原子%以上、逆にFeおよびCoの合
計の含有量を92原子%以下にすることが必要である。逆
に飽和磁歪定数を高くするためには、FeとCoの合計の
含有量を60原子%以上として、窒素Nとの親和性が強い
金属元素Mを少なくとも20原子%以下とすることが望ま
しい。これには、ある程度は飽和磁化の関与があるもの
と推定される。
【0015】さらに、高磁歪合金を得るために重要な点
でFeとCoの含有量であり、いずれかの含有量が少なす
ぎてはならないのである。極端な例として、Coなしの
Fe基窒化合金や、FeなしのCo基窒化合金、またCo基
窒化合金膜にFeを2原子%程度加えた組成系や、Fe基
窒化合金膜にCoを1原子%程度加えた組成系等では逆
に無磁歪に近い低磁歪合金となってしまう。したがっ
て、本合金系で高磁歪を得るためにはFeとCoの両元素
を含有することが必要であり、少なくともFeの含有量
を32原子%以上で76原子%以下に、またCoの含有量を
5原子%以上で50原子%以下にする必要がある。
【0016】以上をまとめたものが数2で示されてい
る。これらの組成範囲の合金膜は熱処理後に高磁歪かつ
軟磁性を示すことが確認され、高磁歪軟磁性合金膜とな
っているのである。
【0017】以上のようにした得られる本発明の高磁歪
軟磁性合金膜は、良好な軟質磁気特性と高磁歪を兼ね備
えたものとなっている。ただし、FeやCoの一部をNi
で置換する場合もFeが18原子%以上で、Coが2原子%
以上含まれていればよい。またスパッタガス中に不可避
的なガス等が含有されて合金膜中に酸素等が含有される
場合も微量であれば問題はない。
【0018】
【実施例】本発明の実施例を以下に説明する。
【0019】高周波スパッタ法により、(Fe50Co50)93
Zr7を合金ターゲットとして用い、スパッタ時に1.44P
aのアルゴンガス(Ar)中に0.16Paの窒素ガス(N2)を周
期的に混合しつつ、セラミック製の基板上に組成変調波
長は20nmの組成変調窒化合金膜を形成した。この組成変
調窒化合金膜の膜中平均組成は、プラズマ発光分析とラ
ザフォード後方散乱分析の組合せにより測定した結果、
四捨五入してFe41Co41Zr612となっていた。このよ
うにして成膜された組成変調窒化合金膜に対して真空中
で600℃1時間の磁界中熱処理を施し、本発明の高磁歪
軟磁性合金膜とした。
【0020】この高磁歪軟磁性合金膜は、磁化困難磁区
方向に80A/mの低保磁力を示し、1.92Tの高飽和磁化
を有していた。この状態で光てこ法によりヤング率を15
0GPaとして飽和磁歪定数を測定したところ、100×10~
6の極めて高い飽和磁歪定数を示し、高磁歪と良好な軟
質磁気特性を兼ね備えた高磁歪軟磁性合金膜となってい
た。ここで本合金膜ではヤング率が不明なため、上記の
計数に用いた値はバルクのFe,Co,Fe−Coや各種非
晶質合金の値を参考にして推定した。このヤング率の推
定値は正確ではないがほぼ妥当な値と考えられ、以降こ
の値を用いて飽和磁歪定数を計算している。さらに各種
合金ターゲットを用いて、高周波スパッタ法により全ス
パッタガス圧が1.6Paとなるようにスパッタ時のアルゴ
ンガス分圧と窒素ガス分圧の比を変えて各種窒化合金膜
を成膜し、磁界中熱処理を施して各種組成の合金膜を作
製した。以上の各種合金膜の磁気特性をまとめて表1に
示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1中には熱処理後における本発明の実施
例と比較例が示されているが、膜中平均組成およびいく
つかの磁気特性は小数点以下を四捨五入した値で表わさ
れている。また窒化合金膜の飽和磁歪定数は熱処理温度
によって変化するため、熱処理温度も併記されている。
表1中の各種窒化合金膜はいずれも低保磁力で代表され
るように良好な軟質磁気特性を有している。
【0023】ここで飽和磁歪定数の絶対値が20×10~6
上の高磁歪を示す試料が本発明の実施例となっており、
特に実施例1,2および3で示されるようにFeの含有
量とCoの含有量がともに多い組成の窒化合金膜ではバ
ルクのFe−Co2元合金よりも高い100×10~6前後の高
磁歪を示すものである。これに対して比較例6のCoな
しのFe基合金および比較例8のFeなしのCo基合金は
飽和磁歪定数の絶対値が10×10~6以下となっており、あ
まり高い磁歪定数を得ることができない。またFe−Co
合金系であってもCo基合金に少量のFeを添加した比較
例7のような例においては逆に低磁歪合金となってしま
うのである。
【0024】以上述ベたように本発明の高磁歪軟磁性合
金膜は、Fe−Co合金に窒素と窒素との親和性が強い元
素とを加えた適当な組成系により達成され、熱処理後に
良好な軟質磁気特性と高磁歪を示すのである。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明の高磁歪軟磁
性合金膜は、高磁歪であるばかりでなく、熱処理後に良
好な軟質磁気特性を示し、磁歪応用磁気デバイスに有効
となっている。
【0026】したがって、本発明の高磁歪軟磁性合金膜
の産業上の利用価値が極めて高いものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜中の平均組成が式 FeaCobcd
    示され、前記式の組成において、Feは鉄,Coはコバル
    ト、MはジルコニウムZr,ニオブNb,タンタルTa,
    チタンTi,ハフニウムHf,ホウ素Bおよびケイ素Si
    よりなる群から一種類以上選択された金属元素、Nは窒
    素であって、a,b,c,dは原子%を表し、それぞれ
    32≦a≦76,5≦b≦50,60≦a+b≦92,3≦c≦2
    0,3≦d≦25,a+b+c+d=100 であることを特
    徴とする高磁歪軟磁性合金膜。
  2. 【請求項2】 粒径が60nm以下の微結晶粒を含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の高磁歪軟磁性合金膜。
  3. 【請求項3】 少なくとも合金膜作製時に膜厚方向の組
    成が変調されており、組成変調波長が60nm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の高磁歪軟
    磁性合金膜。
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