JPH05246587A - 広幅帯状シート用スリッターリワインダー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯状シートをスリッターで複数条に分割し
て、両端支持された２本の巻軸に振り分けて巻き取るス
リッターリワインダーにおいて、巻軸の外径を大きくす
ることなく巻軸をの長さを長くし、従来より幅の広い帯
状シートを取り扱えるようにして帯状シート分割巻取工
程での生産性の向上を図る。 【構成】 巻軸４の下部を支えるためのローラ６を持
つ、分割された帯状シート３の幅より狭い幅の巻軸中間
支持装置７と、巻軸４の長手方向に平行に設けたレール
１７上をスライド可能な、巻軸中間支持装置７の移動台
８と、巻軸中間支持装置７のローラ６の昇降機構９と、
巻軸４上の巻取ロール５の下部を支持する昇降可能な巻
取ロール受取装置１０とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、帯状シートをスリッタ
ーで複数条に分割して、両端支持された２本の巻軸に振
り分けて巻き取る形式のスリッターリワインダーに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】この形式のスリッターリワインダーで
は、巻軸の外径は巻芯内径により制約されるので、巻軸
の長さを長くしても巻軸の機械的強度を大きくすること
ができない。それゆえ、処理できる帯状シートの幅を大
きくするために巻軸の長さを長くすると、巻取ロールの
重量により巻軸がたわむので、品質の良い巻取ロールが
得られない。また、巻軸が破損する可能性もあり危険で
ある。そこで、従来の上記形式のスリッターリワインダ
ーは、このような問題を生じないように幅の狭い帯状シ
ートの分割巻取工程にしか適用されない。たとえば、実
公昭６３−３３８６９号公報に開示されているようなフ
リクション巻軸に３インチ紙管を嵌めて巻き取る場合、
巻軸の長さは２メートル以下とするのが普通である。そ
して、仕様を越える幅の広い帯状シートは、たとえば、
分割された帯状シートごとの巻芯をそれぞれ一対の支持
腕で支持して巻き取る大型スリッターリワインダーによ
り、予め幅の狭い帯状シートの巻取ロールにして上記形
式のスリッターリワインダーに供給する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、最近では帯
状シートの種類やその製造、出荷時の寸法形態が多様化
しており、上記形式のスリッターリワインダーの帯状シ
ート幅仕様より僅かに大きな幅の帯状シートを幅の狭い
分割帯状シートにして巻き取ることも必要になってい
る。しかし、このような場合でも従来においては予め上
述のような大型スリッターリワインダーにより一旦所要
幅に分割して巻き取った後、再び上記形式のスリッター
リワインダーにより加工しなければならないので、非能
率的である。そこで、上記形式のスリッターリワインダ
ーの巻軸の長さを従来以上に長くし、幅の広い帯状シー
トを処理できるようにすることができれば、この問題は
解決する。そためには巻軸のたわみを一定量以下に抑え
なければならない。

【０００４】従来、両端支持された巻軸を用いる巻取装
置における巻軸のたわみ抑制手段としては、たとえば特
公昭６２−２３６９２号公報に示されているように、巻
取中の巻取ロールの下面を支える支持ローラがある。

【０００５】また、巻軸のたわみによる巻取不良を防ぐ
ため、巻軸のたわみを補正する手段としては、実開昭６
２−５３２７０号に示されているように、巻軸両端の支
持部の内側にメタルを設け、油圧シリンダなどで強制的
に上向きの荷重を加え、巻取ロールの重量による巻軸の
たわみを補正するたわみ補正装置がある。

【０００６】ところが、上述の巻取ロールの下面を支え
る支持ローラは、幅の広い１条の帯状シートを巻き取る
場合には有効でも、分割された幅の狭い多数条の帯状シ
ートを共通の巻軸に一斉に巻き取る場合には次のような
問題を生ずる。即ち、一般に帯状シートには厚みむらが
あり、それを分割巻き取りすると厚みむらが累積して各
巻取ロール間に外径差が生じる。そして、共通の巻軸に
支持された外径差のある巻取ロールの下面を支持ローラ
で支えると、外径の大きな巻取ロールに支持荷重が集中
しする。したがって、支持ローラの支持荷重が特定の巻
取ロールに集中することにより、分割幅が小さい帯状シ
ートを大きな外径の巻取ロールに巻き上げる場合には巻
き崩れなどの巻取不良が発生し易い。

【０００７】また、巻軸に油圧シリンダ等で強制的に上
向きの荷重を加えるたわみ補正装置では、巻取ロールの
巻き太りによる巻取ロール重量の変化に応じて上向き荷
重の大きさを正確に制御しなければならない。そのため
制御が複雑になる。

【０００８】そこで、本発明は、帯状シートをスリッタ
ーで複数条に分割して、両端支持された２本の巻軸に振
り分けて巻き取るスリッターリワインダーにおいて、巻
軸の外径を大きくすることなく巻軸をの長さを長くし、
従来より幅の広い帯状シートを取り扱えるようにして帯
状シート分割巻取工程での生産性の向上を図ることを目
的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のスリッターリワインダーは、巻軸の下部を
支えるためのローラを持つ、分割された帯状シートの幅
より狭い幅の巻軸中間支持装置と、上記巻軸の長手方向
に平行に設けたレール上をスライド可能な、前記巻軸中
間支持装置の移動台と、上記巻軸中間支持装置のローラ
の昇降機構と、上記巻軸上の巻取ロールの下部を支持す
る昇降可能な巻取ロール受取装置とを備えることを特徴
とする。

【００１０】

【作用】巻軸中間支持装置は、巻取中は隣り合う巻取ロ
ール間の空間において、昇降機構により所定の高さに位
置付けされたローラで、巻軸がたわまないよう下から支
える。また、分割位置の変更などにより巻軸中間支持装
置による巻軸支持位置を変更するとき、移動台は巻軸長
手方向に平行にスライドして巻軸中間支持装置を所要位
置に付ける。また、巻取ロールを巻軸から取り外すとき
には巻取ロール受取装置が巻取ロールを支え、巻軸に巻
取ロール重量による過大な荷重が加わらないようにす
る。

【００１１】

【実施例】図１ないし図４により本発明の実施例１に係
るスリッターリワインダーを説明する。図面中において
１は帯状シート、２はスリッター、３は分割帯状シー
ト、４は巻軸、５は巻取ロール、６はローラ、７は巻軸
中間支持装置、８は移動台、９は昇降機構、１０は巻取
ロール受取装置である。

【００１２】図１において、幅の広い帯状シート１は原
反ロール１１から繰り出しローラ１２の回転に応じて繰
り出され、走行経路中に設けたスリッター２により長手
方向に分割されて複数の分割帯状シート３となる。分割
帯状シート３はタッチローラ部１３を経て上下に配置さ
れた巻軸４に交互に振り分けられ、巻軸４の外周に嵌め
た巻芯４ａのまわりに巻き取られて巻取ロール５とな
る。

【００１３】巻軸４は、図２に示すように巻取中には一
対のフレーム１４ａ、１４ｂの軸受部１５ａ、１５ｂに
より巻取位置で両端支持し、図示しない公知の回転駆動
機構により駆動する。更に、巻軸４は巻取中にその下部
を、両端の支持点間の中央に近い位置において巻軸中間
支持装置７により回転可能に支える。また、この実施例
では巻取ロール完成後、巻軸抜取復帰機構１６により巻
取位置から引き抜くことができるようにしてある。

【００１４】巻軸４の下方には、その巻軸４に平行なレ
ール１７が設けてあり、このレール１７には巻軸中間支
持装置７を支持する移動台８が巻軸４の長手方向に平行
にスライド可能に取り付けてある。この実施例の場合、
レール１７は、ローラ又は球体を介してスライド可能な
スライダを備えた市販品であり、このスライダを移動台
８の下面に取り付けてある。そして、上段のレール１７
は左右のフレーム１４ａ、１４ｂ間に設けた箱形断面の
梁１８に固着してあり、下段のレール１７は基盤１９に
固着してある。

【００１５】また、巻軸４の下方には、昇降装置２０に
より片持支持された一対の受け棒１０ａからなる巻取ロ
ール受取装置１０が設けてある。この巻取ロール受取装
置１０は、昇降装置２０により昇降させられ、巻軸４上
の巻取ロール５の下部を支えることができるようになっ
ている。

【００１６】なお、上記巻軸抜取復帰機構１６及び巻取
ロール受取装置１０並びに昇降装置２０は公知であり、
たとえば巻軸抜取復帰機構１６は実公平１−４４５２０
号に、また巻取ロール受取装置１０並びに昇降装置２０
は実開昭６３−１４２３５３号に開示されているので、
それらについての詳しい説明は省略する。

【００１７】図３は図２の切断線Ｃ−Ｃにおける巻軸中
間支持装置７の断面を示す。巻軸中間支持装置７は巻軸
４の下部を支えるための一対のローラ６を持っている。
支持体２１は案内筒２２に昇降可能に嵌め合わせた昇降
軸２３に固着してあり、案内筒２２は一対の受け棒１０
ａの間を通して下方の移動台８上に設置してある。ロー
ラ６は市販のベアリングを用いており、図４に示すよう
に支持体２１に固着した軸２１ａに回転可能に取り付け
てある。また、移動台８は位置決め後、その位置に固定
するためのクランプネジ２４を備えている。

【００１８】案内筒２２の下部には流体圧シリンダ装置
からなる昇降機構９が設けてある。昇降機構９は巻取
中、巻取ロール５の重量による巻軸４のたわみ荷重より
大きな力で昇降軸２３を上昇限まで押し上げ、巻軸中間
支持装置のローラ６を、巻軸４のたわみを防ぐための所
定高さに位置付けして保持することができる。また、巻
軸４を巻取位置から引き抜くときは、昇降軸２３を下降
させてローラ６を図３に鎖線で示す位置につけることが
できる。

【００１９】巻取ロール５が完成すると巻取ロール受取
装置１０は昇降装置２０により待機位置から上昇し、受
け棒１０ａにより巻取ロール５を支える。そして、巻軸
中間支持装置のローラ６を昇降機構９により巻軸４の下
方へ降ろすと、巻軸抜取復帰機構１６は巻軸４を巻取位
置から引き抜き、巻取ロール５を巻取ロール受取装置１
０上に解放する。そして、巻取ロール受取装置１０上に
解放された巻取ロール５は、図示しない巻取ロール搬送
台車等の搬送手段に受け渡して、他の場所へ搬送する。

【００２０】巻取運転を開始するには、巻軸４を巻軸抜
取復帰機構１６により巻取位置へ途中まで復帰させ、巻
芯４ａを巻軸４の周りに嵌める。なお、このとき巻軸４
は図２における左側のフレーム１４ａと巻軸抜取復帰機
構１６とによる片持支持の状態であり、しかも巻軸４が
長いため、その重量により巻軸４の先端が垂れ、軸受部
１５ｂより下方にずれる。そして、この状態では巻軸４
と軸受部１５ｂとのセンタが合わないので、巻軸４を巻
取位置に完全に復帰させることができない。そこで、こ
の実施例では、移動台８のクランプを解放するととも
に、巻芯４ａの装着が済んだ後、昇降機構９により巻軸
中間支持装置のローラ６を上昇させ、巻軸４を押し上げ
てから巻軸４を軸受部１５ｂへ向けて押し出す。こうす
ることにより巻軸４と軸受部１４ｂのセンタがほぼ一致
するので巻軸４の完全復帰が可能になる。また、巻軸中
間支持装置７が移動台８上にスライド可能に支持されて
いるので、巻軸中間支持装置のローラ６が巻軸外周に引
っ掛かっても巻軸中間支持装置７がスライドして巻軸４
と共に移動する。それゆえ、巻軸中間支持装置６や巻軸
４外周部が破損することもない。

【００２１】巻軸４が巻取位置に完全に復帰すると、巻
軸中間支持装置７を所要の位置に移動してレール１７上
に固定し、ローラ６で巻軸４を支えて巻き取りを開始す
る。

【００２２】図５及び図６により本発明の実施例２に係
るスリッターリワインダーを説明する。図５の巻取部Ａ
及び巻取部Ｂは図６の切断線Ｄ−Ｄにおける断面を示
す。そして、巻取部Ａは巻取運転時の状態を示し、巻取
部Ｂは巻取ロール５の搬出時の状態を示す。

【００２３】実施例２では、図５に示すように巻軸４は
左右に配置してある。左右の巻軸４の上方には移動台
８、移動台８を支持、案内するレール１７、及びこのレ
ール１７を下面に取り付けた梁１８が設けてある。移動
台８には湾曲腕２６と、この湾曲腕２６の下部に取り付
けた、巻軸４を支えるための一対のローラ６とからなる
巻軸中間支持装置７が支持されている。また巻軸４の下
方にはそれぞれ油圧リフターからなる昇降装置２０によ
り昇降可能な巻取ロール受取装置１０が設けてある。こ
の巻取ロール受取装置１０は巻取ロールをその長手方向
に搬送することができるコンベヤ装置からなる。そして
巻取ロール受取装置１０より巻取ロール５を巻取位置か
らフレーム１４ｂの外側に搬出するため、フレーム１４
ｂは巻取ロール５の搬送通路に当る部分を切り取ってあ
る。なお、コンベヤ装置はベルトコンベヤ、ローラコン
ベヤ等公知のコンベヤを用いることができ、また、巻取
ロール受取装置としてコンベヤ装置の代わりに搬送用の
台車を用いてもよい。

【００２４】巻軸４は、図６に示すように巻取中には一
端を可動腕２７により支持し、他の一端をフレーム１４
ａにより支持する。また、図示しない駆動機構により回
転駆動する。巻取ロール５か完成すると、他の一端に係
合する公知の巻軸抜取復帰機構１６により巻取位置から
引き抜くことができるようにしてある。

【００２５】可動腕２７は、図５に示すように上端部に
おいてフレーム１４ｂに設けた支軸１４ｃを中心に揺動
可能に支持してあり、図示しない公知の揺動駆動機構に
より、左側の巻取部Ｂに示すように巻取ロール５の半径
方向に退避した退避位置と、右側の巻取部Ａに破線で示
す巻軸支持位置とにつくことができるようになってい
る。

【００２６】巻軸中間支持装置７の湾曲腕２６は、その
ボス部２６ａを移動台８のブラケット８ａに回転可能に
取り付けてある。そして、図６に示す退避駆動機構２５
により駆動されて揺動し、図５の右側の巻取部Ａに示す
巻軸支持姿勢と、図５の左側の巻取部Ｂに示す、巻取ロ
ール５の半径方向に退避した退避姿勢とをとることがで
きる。なお、この実施例では、湾曲腕２６の揺動中心と
巻軸４の中心とを共通の鉛直線上に配置することによっ
て、湾曲腕２６が巻軸支持姿勢をとり、ローラ６により
巻軸４を支えたとき、支持荷重により湾曲腕２６に回転
モーメントが生じないようになっている。

【００２７】図６に示すように、退避駆動機構２５は、
梁１８沿いに設けた軸２８とこの軸２８を所定の角度だ
け回転駆動するアクチュエータ２９とからなる。そし
て、軸２８は、湾曲腕のボス部２６ａの中心をスライド
可能に貫通し、図示しない滑りキーを介して回転をボス
部２６ａに伝達可能にしてある。

【００２８】梁１８はフレーム１４ａ、１４ｂに設けた
案内部材３０により鉛直方向に案内されて昇降可能であ
り、昇降機構９により高さにを変えることができる。昇
降機構９は梁１８の両端部に設けた従節体３１を押し上
げるカム３２を備えている。両側のカム３２は軸３３で
連結してあり、アクチュエータ３４で軸３３を所定の角
度だけ回転駆動すると両側の従節体３１が同じ量だけ昇
降するようになっている。そして、湾曲腕２６に巻軸支
持姿勢をとらせて昇降機構９により梁１８を上昇限まで
押し上げると、巻軸中間支持装置７のローラ６は図５の
右側の巻取部Ａに示すように巻軸４のたわみを防ぐため
の所定高さに位置決めされ、また、下降限まで下げると
左の巻取部Ｂに鎖線て示すように巻軸４の外周下面から
離れ、湾曲腕２６の旋回が可能になる。

【００２９】実施例２のスリッターリワインダーでは、
巻取ロール５が完成すると、巻取ロール受取装置１０の
上面で巻軸４上の巻取ロール５の下部を支えた後、巻軸
抜取復帰機構１６により巻軸４を巻取位置から引き抜
き、可動腕２７を退避位置につける。それと同時に昇降
機構９により梁１８を下げ、アクチュエータ２９の作動
により湾曲腕２６に退避姿勢をとらせる。その後、巻取
ロール受取装置１０を作動させて巻取ロール５を巻取位
置から搬出する。

【００３０】巻取ロール５が搬出されると、可動腕２７
を巻軸支持位置へつけ、湾曲腕２６に巻軸支持姿勢をと
らせる。そして、巻軸４を巻取位置へ途中まで復帰さ
せ、巻芯４ａを装着する。なお、巻芯４ａのスペーサを
用いる場合にはスペーサも装着する。巻軸４が可動腕２
７の軸受部２７ａにくる前に昇降機構９により巻軸中間
支持装置のローラ６を持ち上げ、巻軸４の下面を支えた
後、巻軸４を完全に巻取位置に戻す。

【００３１】この実施例によれば、巻取ロール受取装置
１０に解放された巻取ロール５は巻取ロール受取装置に
より巻取装置外へ搬出されるので巻取ロール搬出作業が
簡単になる。

【００３２】以上、本発明を２つの実施例により示した
が、本発明の実施態様は発明の要旨を変えることなく多
様に変化、応用し得る。

【００３３】たとえば、実施例１及び実施例２では巻軸
を巻軸抜取復帰機構により巻取位置から引き抜くことが
できるようにしてあるが、巻軸からの巻取ロールの取り
外しは、巻取ロールと共に巻軸を巻取位置から取り外
し、他の場所で巻取ロールから引き抜くようにしてもよ
い。また、巻軸を巻取位置から引き抜かず、巻取ロール
を巻軸から押し出すようにすることもできる。その場
合、実施例２の装置の可動腕２７に代えて、たとえば特
開昭６３−３０００５６号公報に示されるような、巻取
ロールの搬出空間から退避可能であり、かつ巻軸４先端
の軸受部を保持、解放可能に支持することができる可動
腕を用いるとよい。また、巻取ロールの巻軸からの押し
出しは、巻取ロール受取台で巻軸上の巻取ロールの下部
を支えた後、作業者の労力によってもよいが、上記公報
に示される、巻軸沿いに往復駆動する押具を設けるとよ
い。

【００３４】また、巻軸は上述の実施例１及び実施例２
では巻取中一定の位置に支持されるが、巻取中、巻取ロ
ール半径が大きくなるにつれタッチローラ等から離反す
る形式の場合には、その巻軸の両端を支持するための移
動するフレームに、移動台を取りつけるためのレールを
設けるとよい。またレールは巻取ロール受取装置上に設
ける場合もある。

【００３５】また、巻軸中間支持装置は、ローラの部分
が巻軸上の巻取ロール間に入り、巻軸を回転可能に支え
ることができれば、その他の部分は、分割帯状シート幅
より広くても良いのは当然であり、その構造も上述の実
施例に限らない。たとえば、巻軸に対して進退可能なス
ライド体に設けた一対の開閉可能な開閉腕の先端部にそ
れぞれローラを取り付け、この開閉腕を開閉駆動機構に
より巻軸の外径より大きく開くことができるようにして
おき、スライド体を軸の上方から巻軸に接近させて開閉
腕を閉じ、ローラを巻軸の下部に付けて巻軸の下部を支
えることができるようにしたものでもよい。またローラ
を３個以上持つものやローラを巻軸の下部だけでなく巻
軸の上部にも配置したものを用いることができる。ま
た、実施例２のように巻取ロールの搬出空間から巻軸中
間支持装置を退避させる場合において退避駆動機構を移
動台上に設けてもよい。更に、巻軸が長い場合は一本の
巻軸に対して複数個設けてもよい。その際、実施例２に
示すように複数個の巻軸中間支持装置を設けると、ロー
ラの位置決めや湾曲腕を退避せさるための機構が簡単に
なる。

【００３６】また、巻軸中間支持装置のローラは、巻軸
の外周面、巻芯が金属管のように上部であり、分割帯状
シート幅より長いときは巻芯の外周面、巻芯と巻芯の間
に管状のスペーサを入れるときはスペーサの外周面、巻
軸としてフリクション巻軸を用いるときは、必要な場所
に用意した外周の平坦なフリクションカラーの外周面等
に接触して巻軸の下部を支える場合も有り得る。また、
ローラが巻軸を回転可能に支持する機能があればローラ
の保持の仕方は問わない。

【００３７】

【発明の効果】本発明のスリッターリワインダーによれ
ば、巻軸中間支持装置により巻軸を下から支え、巻軸に
加わる、巻取ロールによる曲げ荷重を軽減することがで
きるので、巻軸の外径を大きくすることなく巻軸の長さ
を長くすることができる。

【００３８】また、巻軸中間支持装置は隣り合う巻取ロ
ール間で巻軸を支持することができるため、従来のよう
に巻取ロールの支持ローラのように、巻取ロールの品質
を損なうことがない。しかも帯状シートの分割位置の変
更に応じて巻軸の支持位置を変えることにより巻軸のた
わみを効果的に抑制することができる。また、昇降装置
により所定の高さに位置決めされたローラにより巻軸を
支えることで巻軸のたわみを防止するので、従来のよう
に上向き荷重を調節する必要がない。それゆえ複雑な制
御か不要である。また、帯状シートの分割幅が変わって
も、巻軸からローラを後退させて移動台をレール沿いに
移動させることにより、簡単にかつ素早く巻軸中間支持
装置を必要な位置に準備することができる。

【００３９】したがって、本発明のスリッターリワイン
ダーによれば、巻軸の外径を大きくすることなしに従来
より長い巻軸を用いることができるので、従来には分割
巻取作業を２段階に分けておこなわなければならなかっ
た幅の広い帯状シートであっても、１回の分割巻取作業
で所要幅の分割帯状シートにすることができるようにな
り、生産性が著しく向上する。そして複雑な制御も必要
としない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１に係るスリッターリワインダ
ーの側面図である。

【図２】本発明の実施例１に係る巻取部の正面図であ
る。

【図３】巻軸中間支持装置の、図２の切断線Ｃ−Ｃにお
ける断面を示す側面図である。

【図４】本発明の実施例１に係る巻軸中間支持装置の正
面図である。

【図５】本発明の実施例２に係るスリッターリワインダ
ーの側面図である。

【図６】本発明の実施例２に係る巻取部の正面図であ
る。

【符号の説明】

１ 帯状シート ２ スリッター ３ 分割帯状シート ４ 巻軸 ５ 巻取ロール ６ ローラ ７ 巻軸中間支持装置 ８ 移動台 ９ 昇降機構 １０ 巻取ロール受取装置 １６ 巻軸抜取復帰機構 １７ レール ２０ 昇降装置 ２６ 湾曲腕 ２７ 可動腕 ２９ アクチュエータ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 帯状シートをスリッターで複数条に分割
   して、両端支持された２本の巻軸に振り分けて巻き取る
   スリッターリワインダーにおいて、上記巻軸の下部を支
   えるためのローラを持つ、分割された帯状シートの幅よ
   り狭い幅の巻軸中間支持装置と、上記巻軸の長手方向に
   平行に設けたレール上をスライド可能な、前記巻軸中間
   支持装置の移動台と、上記ローラの昇降機構と、上記巻
   軸上の巻取ロールの下部を支持する昇降可能な巻取ロー
   ル受取装置とを備えることを特徴とする広幅帯状シート
   用スリッターリワインダー．
2. 【請求項２】 巻軸引抜復帰機構を備える請求項１記載
   の広幅帯状シート用スリッターリワインダー。
3. 【請求項３】 上記巻軸中間支持装置は上記巻軸上の巻
   取ロール半径方向に退避可能であり、上記巻取ロール受
   取装置は巻取ロールを長手方向に搬出可能である請求項
   １記載の広幅帯状シート用スリッターリワインダー。