JPH05245300A - コードレスアイロン装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】コードレスでありながら長時間連続して作業を
しても、アイロンの底面温度が全然低下しないコードレ
スアイロン装置を提供することにある。 【構成】アイロン台の衣類受け部とアイロン立てかけ部
の双方または衣類受け部のみに配設した励磁コイルによ
り誘導加熱される強磁性体製の加熱用底面と、底面温度
の設定と検知を行う手段と、検知温度と設定温度の差を
アイロン台に送信する通信手段を備えたアイロン本体、
並びに、インバータ電源と、このインバータ電源により
給電される前記励磁コイルと、アイロン本体との通信手
段と、この通信手段によりアイロン本体から受信した信
号に基づいて励磁コイルに供給する電力を制御するイン
バータ電源の制御部を内蔵するアイロン台で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コードレスで、しかも
アイロンかけ作業中、長時間連続して作業してもアイロ
ンの底面温度が全然低下しないようにしたコードレスア
イロン装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】所謂アイロンは一般に内蔵ヒータに通電
して加熱しているが、給電用のコードがアイロンかけ作
業の邪魔になるのでコードレスアイロンが開発された。

【０００３】図３は従来一般に用いられているコードレ
スアイロンの概略側面図である。図中、１１はコードレ
スアイロン本体、１２は加熱底面部、１３はヒータ、１
４は給電端子、１５はハンドルである。アイロンかけ休
止中に、図示してない専用のアイロン載置台に所定の如
くアイロン１１を載置している期間に、上記給電端子１
４は自動的に接続状態となり、上記ヒータ１３が通電さ
れて加熱され、その熱が、例えば、重量当りの熱容量が
比較的大きいアルミニウムなどで製作されている加熱底
面部１２に蓄熱されて行く。さらに図示してないが、通
常は、加熱底面部１２が過度に温度上昇しないように、
例えばバイメタルなどよりなる温度制御手段が付加して
設置されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
コードレスアイロンは、載置台から取り上げてアイロン
かけ作業を開始すると、その瞬間からヒータへの通電が
停止され、アイロンの加熱底面部に蓄積されていた熱量
は、アイロンかけ対象衣類や大気などに奪われて、アイ
ロンの底面温度は低下し始める。たとえ熱容量を極力大
きくしようとしたとしても、アイロンかけ作業時の操作
性を考えると、その重量は自然に制限されてしまう。し
たがって、アイロン底面の温度が低下する速度はかなり
早く、有効にアイロンかけ作業を継続できる時間は比較
的短くなるのは止むを得ない。また、一般に、どうして
も長く継続して使用したいという心理が働いてしまうか
ら、使用時間中の底面温度の変化（低下）が大きくな
り、アイロンかけの効果にムラが生じ易い。しかも、一
方では、極力熱容量を大きくしようとしているので、ア
イロンの重量は比較的重いものになり、作業性が良くな
いものになる。結局、（古くからある炭火によって加熱
する自動的に温度調節のできないものは別として）電気
加熱方式のコードレスアイロンは、業務用には使用しに
くいという問題があった。

【０００５】本発明は上記従来の技術の問題点を解決
し、コードレスで、しかも如何に長時間継続してアイロ
ンかけ作業を行っても加熱用底面温度が低下しないよう
にしたアイロンを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明においては、アイロン台のアイロンかけ対象衣
類受け部とアイロン立てかけ部の双方またはアイロンか
け対象衣類受け部のみに配設した励磁コイルにより誘導
加熱される強磁性体製の加熱用底面と、底面温度の設定
と検知を行う手段と、検知温度と設定温度の差に関する
信号をアイロン台に送信する通信手段を備えたアイロン
本体、並びに、商用交流電源を一旦整流して直流とした
後スイッチング回路により商用電源より周波数の高い交
流に変換するインバータ電源と、このインバータ電源に
より給電される前記励磁コイルと、アイロン本体との通
信手段と、この通信手段によりアイロン本体から受信し
た信号に基づいて前記励磁コイルに供給する電力を制御
するインバータ電源の制御部とを内蔵するアイロン台
で、コードレスアイロンシステム（装置）を形成させる
ことにした。

【０００７】

【作用】近年、インバータ電源は各種の家庭用電気製品
に応用されており、出力的にもアイロンの加熱に適した
容量のものが各種製作されている。したがって価格的な
問題は生じない。また、商用電源の１０００倍近い高周
波数であるから、比較的巻数の小さい励磁コイルを使用
しても誘導加熱の効率はすこぶる良好である。

【０００８】アイロン台のアイロンかけ対象衣類受け部
に励磁コイルが内蔵されているから、使用中すなわちア
イロンかけを実際に行っている期間中つねに加熱可能で
あってアイロン底面の温度が大きく低下するようなこと
は生じない。通信手段としては、超音波、または電波に
よるものなどが使用可能であるが、送信部と受信部とが
実用状態では非常に近距離に位置しているし、また、信
号の内容は、最低では、温度が高過ぎ、低過ぎの２種類
だけでも済ませるので、何れでも容易に実用可能であ
る。また、温度設定や温度検出、更に設定温度と検出温
度の差を求めることは、例えば抵抗温度計方式を用いて
容易に実現できる。また、アイロン本体側に通信手段や
温度検出などのための電源が必要になるが、その電源が
必要な時期には、必ず、アイロン台の上にアイロン本体
が載置されていて両者は密着状態に近いので、例えば商
用電源周波数を用いた小形変圧器の一次巻線をアイロン
台に、二次巻線をアイロン本体側に配置するなどの手段
を用いることができる（インバータ電源は制御方式にも
よるが、オフ状態のときがあるので共用は困難）。但
し、アイロン本体側の装置はすべて２００℃程度の耐熱
性が必要である。

【０００９】アイロン本体の加熱用底面部は効率良く誘
導加熱を行うために強磁性体製とするのが望ましいが、
要するに普通の鉄系統の材料で差し支えない。また使用
中たえず加熱されるから、アイロン本体の熱容量を大き
くする必要はなく、最も使い易い重さ（あまり軽くても
アイロンかけ対象衣類を押しつける力が不足し、使用上
不便になる）と大きさに設定できる。

【００１０】また、アイロン本体を所定のアイロン台以
外の所に放置した場合には、アイロン本体の加熱は行わ
れず、温度が低下するので火災発生の可能性は極めて低
い。

【００１１】

【実施例】図１は本発明の第１実施例（家庭用）図であ
る。図中、１はアイロン本体、１ａは加熱底面部、１ｂ
はハンドル、２はアイロン台、２ａはアイロンかけ対象
衣類受け部、２ｂは支持部、２ｃはベース部、３は主励
磁コイル、５はインバータ電源（とその制御部をまとめ
たもの）、６はアイロンかけ対象衣類である。図示のよ
うに、実使用時には、アイロン本体１とアイロン台２の
間にアイロンかけ対象衣類６が存在するけれども、衣類
６は薄いから、励磁コイル３によりアイロン本体の加熱
底面部１ａが誘導加熱されるのを妨げない。アイロン使
用中は、アイロン本体１はコードレスであるけれども、
アイロン台２のアイロンかけ対象衣類受け部２ａ上で使
用する限り、常にアイロン本体１は主励磁コイル３によ
って誘導加熱され、所望の温度が維持できることは自明
である。本発明によるアイロン本体１は、実用に便利な
範囲内で小形軽量にでき、通常、従来のコードレスアイ
ロンよりも熱容量は小さい（従って軽い）から、使用前
にアイロン本体１をアイロン台２の衣類受け部２ａに比
較的短時間載せておけば、加熱底面部１ａは作業可能な
状態まで温度上昇する。１’はアイロンかけを行わない
ときに、アイロン本体１を立てて置いた状態を示す。

【００１２】家庭用では上記第１実施例で十分である
が、業務用の場合には、アイロン本体の予熱をさらに高
速に短時間で行ったり、アイロンかけ休止中にもアイロ
ン本体の温度を余り低下させない方が無駄な時間が生じ
なくて好ましい。図２は業務用に好適な第２実施例の概
略図である。図中、２ｄはアイロン立てかけ部、４は副
励磁コイルで、他の符号は図１の場合と同じである。
１”はアイロンかけ休止期間にアイロン本体１を副励磁
コイル４が表面近くに埋蔵されているアイロン立てかけ
部２ｄに立てかけている状態を示す。このようにアイロ
ンかけを開始する前やアイロンかけ休止中にもアイロン
本体の加熱を行って、無駄な時間が発生することを極力
防止する。この実施例では、例えば、アイロン台２のア
イロンかけ対象衣類受け部２ａに図示してない圧力セン
サを装備して、衣類受け部２ａにアイロン本体１が載置
されている（圧力センサがアイロン本体の重量による圧
力を検出している）ときには主励磁コイル３がインバー
タ電源５に接続され、アイロン本体１が衣類受け部２ａ
に載置されていないときは副励磁コイルがインバータ電
源５に接続されるようになっている。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ア
イロン本体はコードレスでありながら、使用中に温度低
下は全く生ぜず、また、アイロン本体の形状、重量を最
も実用に好都合な状態に定めることができ、作業性が良
く、アイロンかけを行った対象（衣類）の仕上りも良好
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例（家庭用）図である。

【図２】本発明の第２実施例（業務用）図である。

【図３】従来一般に用いられているコードレスアイロン
の概略側面図である。

【符号の説明】

１…アイロン本体、 １ａ…加熱底面部、 １ｂ…ハン
ドル、 ２…アイロン台、 ２ａ…アイロンかけ対象衣
類受け部、 ２ｂ…支持部、 ２ｃ…ベース部、２ｄ…
アイロン立てかけ部、 ３…主励磁コイル、 ４…副励
磁コイル、 ５…インバータ電源（とその制御部をまと
めたもの）、 ６…アイロンかけ対象衣類、 １１…コ
ードレスアイロン本体、 １２…加熱底面部、 １３…
ヒータ、１４…給電端子、 １５…ハンドル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】アイロン台のアイロンかけ対象衣類受け部
   とアイロン立てかけ部の双方またはアイロンかけ対象衣
   類受け部のみに配設した励磁コイルにより誘導加熱され
   る強磁性体製の加熱用底面と、底面温度の設定と検知を
   行う手段と、検知温度と設定温度の差に関する信号をア
   イロン台に送信する通信手段を備えたアイロン本体、並
   びに、商用交流電源を一旦整流して直流とした後スイッ
   チング回路により商用電源より周波数の高い交流に変換
   するインバータ電源と、このインバータ電源により給電
   される前記励磁コイルと、アイロン本体との通信手段
   と、この通信手段によりアイロン本体から受信した信号
   に基づいて前記励磁コイルに供給する電力を制御するイ
   ンバータ電源の制御部とを内蔵するアイロン台よりなる
   ことを特徴とするコードレスアイロン装置。