JPH0524328U - 射出成形用金型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 固定型１と移動型２とからなり、固定型１と
移動型２とが閉合時において固定型１及び移動型２の両
型にわたってガイドピン５を設けた射出成形用金型にお
いて、ガイドピン５を中途において２部分５１，５２に
分割し、２部分５１，５２のうちの一方５２を他方５１
にねじ接合した。 【効果】 ガイドピン５が邪魔でロボットによる成形品
の自動取り出しに支障が生じたときとか、ガイドピン５
が損傷し、修理交換の必要が生じたとき等では、ねじ接
合されている、一方５２を他方５１から容易に取り外す
ことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、固定型及び移動型からなり、固定型及び移動型の両型にわたってガ イドピンが設けられた射出成形用金型に関し、特にガイドピンの取り外しが容易 になるように配慮したものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、固定型及び移動型からなる射出成形用金型においては、固定型から移動 型を正確に且つ円滑に移動させるために固定型及び移動型の両型にわたってガイ ドピンが設けられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のこの種の射出成形用金型においては、ガイドピンが邪魔 をしてロボットによる成形品の自動取り出しに支障が生じたとき、或いはガイド ピンが損傷し修理交換の必要が生じたとき等はガイドピンが取付けられている移 動型又は固定型から取り外す必要があるが、その為には、ガイドピンが取付けら れている移動型又は固定型を成形機から取り外した上、移動型又は固定型を分解 してガイドピンを移動型又は固定型から取り外す必要があり、ガイドピンを移動 型又は固定型に取付ける際にはこの逆の動作が必要であり、その作業は煩瑣であ る。

【０００４】 本考案は、従来の射出成形用金型におけるこのような問題点に鑑みてなされた ものであり、その目的とするところは、上記の問題を解決し、ガイドピンの取り 外しが容易な射出成形用金型を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案射出成形用金型においては、固定型及び 移動型からなり、固定型及び移動型の両型にわたってガイドピンが設けられた射 出成形用金型において、ガイドピンは中途において２部分に分割され、２部分の うちの一方が他方にねじ接合されていることを特徴とするもの、或いは、このよ うな射出成形用金型において、ガイドピンは中途において大径部から小径部への 段部が設けられ、大径部に小径部がねじ接合されていることを特徴とするもので ある。 更にまた、ガイドピンは金型に取付け該金型より若干突出し突出端部に雌ねじ を有するガイドピン基部と、該ガイドピン基部の突出端部にねじ込み接続する雄 ねじ部と取付け・取り外し時に工具を係合させる切欠き部を有するガイドピン本 体とよりなることを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

本考案射出成形用金型においては、ガイドピンは中途において２部分に分割さ れ、２部分のうちの一方が他方にねじ接合されているので、ねじ接合されている 一方を他方から簡単に取り外すことができる。

【０００７】 又、大径部から小径部への段部が設けられ、大径部に小径部がねじ接合されて いるものにおいては、ねじ接合箇所が分かり易く、取り外し作業が容易である。

【０００８】 また、ガイドピン基部を一方の金型に取付け該金型より若干突出した構成とす ることにより、ガイドピン基部を金型に挿入する精密表面仕上部分に触ることな く突出部分を保持してガイドピン基部を容易に金型に取付けることができる。 そして、ガイドピン本体の取付け・取り外し時に、汚れた油等が金型表面を伝 わってガイドピン基部の突出端部の雌ねじ内に侵入し汚すことがなく、ガイドピ ン本体の切欠き部に工具を係合させてガイドピン本体を容易に取付け・取り外し することができる。

【０００９】

【実施例】

次に、本考案の実施例を、図面を参照しながら説明する。 図１は本考案射出成形用金型の一例を示す断面図、図２はガイドピンのみを若 干拡大して示す一部切欠正面図である。

【００１０】 これらの図において、１は固定型、１１は固定型１の取付板、１２は固定型１ に設けられたスプルーブッシュである。 ２は移動型、２１は移動型２の取付板、２２は移動型２に設けられたコアであ り、移動型２が固定型１に密着した型閉じの状態では、固定型１の型面と移動型 ２のコア２２の型面との間には成形品３の外形に対応したキャビティ４が形成さ れる。

【００１１】 ５は移動型２に設けられたガイドピンであり、ガイドピン５は大径部５１と小 径部５２とからなり、大径部５１に小径部５２の先端がねじ込まれて接合一体化 されている。大径部５１が移動型２に取付けられ、小径部５２が移動型２の分割 面から突出され、固定型１と移動型２との閉合時には小径部５２が固定型１のガ イド孔１３に挿入されている。尚、５２１は小径部５２に設けられた凹溝である 。

【００１２】 ２３は移動型２に設けられたエア弁であり、圧縮空気により成形品３をコア２ ２から離型できるようになっている。 〔実施例の作用〕 図１及び図２に示すように、ガイドピン５は中途において大径部５１と小径部 ５２との２部分に分割され、２部分のうちの一方である小径部５２が他方である 大径部５１にねじ接合されているので、ねじ接合されている小径部５２を大径部 ５１から簡単に取り外すことができる。

【００１３】 又、大径部５１から小径部５２への段部が設けられ、大径部５１に小径部５２ がねじ接合されているので、ねじ接合箇所が分かり易く、取り外し作業が容易で ある。

【００１４】 〔他の実施例〕 図３は、この考案の他の実施例に備えるガイドピンの縦断面図であり、図４は 同ガイドピンの横断面図である。

【００１５】 本実施例の射出成形用金型の基本構成は前記実施例に準じている。そしてガイ ドピンの構成に特徴を有しており、以下ガイドピンについて説明する。

【００１６】 図示のガイドピン２４は前記従来例と同様に移動型に直接取付けるか、或はバ ックプレートまたは受け板等に取付け可動型を貫通させて固定型方向に突出させ 、固定型に埋め込んだガイドピンブッシュに挿入摺動させて可動型の移動をガイ ドする構成となっている。

【００１７】 なお上記のようにガイドピン２４を可動型の側に、そしてガイドピンブッシュ を固定型の側に配置するのではなく、逆に配置して可動型の移動をガイドする構 成としてもよい。

【００１８】 そして、本実施例に備えるガイドピン２４は、金型、或はバックプレートまた は受け板等に取付けたガイドピン基部２５と、ガイドピン基部２５の突出端部の 雌ねじ２６にねじ込んで接続したガイドピン本体２７とよりなっている。

【００１９】 実施例では、ガイドピン基部２５の突出端部は取付け側の金型表面２８から約 ４０ｍｍ突出してガイドピン本体２７が接続されているが、このガイドピン基部 ２５の突出長さは、射出成形装置および金型の構成によって異なるものであり、 精密な仕上表面処理をした金型との嵌合部分・摺動部分を避けてガイドピン本体 ２７を接続できる若干程度の突出とすることが望ましい。

【００２０】 ガイドピン本体２７は、他方の金型側のガイドピンブッシュに挿入して摺動し 可動型の移動をガイドする部分であり、必要な表面仕上がされている。２９はガ イドピン基部２５の突出端部の雌ねじ２６にねじ込んで接続する雄ネジ部であり 、３０はガイドピン本体２７に設けた切欠き部である。

【００２１】 切欠き部３０は、ガイドピン基部２５にガイドピン本体２７を接続・取外しす るとき固定されたガイドピン基部２５に対してガイドピン本体２７を廻す工具を 係合するための構成であり、その一例を図４の断面図に示す。

【００２２】 上記のように、ガイドピン２４は一方の金型側に取付けたガイドピン基部２５ にガイドピン本体２７をねじ込み接続した構成によって、ガイドピン基部２５は 金型に取付けたままで、突出したガイドピン本体２７だけを容易に取外し、また 再取付けすることができる。

【００２３】 そして、ガイドピン基部２５は一方の金型に取付け該金型表面２８より若干突 出した構成とすることにより、ガイドピン基部２５を金型に挿入する精密表面仕 上部分に触ることなく突出端部分を保持してガイドピン基部２５を容易に金型に 取付けることができる。更に、ガイドピン本体２７の取付け・取り外し時に、汚 れた油等が金型表面を伝わってガイドピン基部２５の突出端部の雌ねじ２６内に 侵入し汚すことがなく、ガイドピン本体２７の切欠き部３０に工具を係合させて ガイドピン本体２７を容易に取付け・取り外しすることができる。

【００２４】

【考案の効果】

本考案射出成形用金型においては、ガイドピンは中途において２部分に分割さ れ、２部分のうちの一方が他方にねじ接合され、ねじ接合されている一方を他方 から簡単に取り外すことができるので、ロボットによる成形品の自動取り出しに 支障が生じたとき、或いはガイドピンが損傷し修理交換の必要が生じたとき等は ねじ接合されている一方を他方から短時間に取り外すことができ、生産性向上に 役立つ。

【００２５】 又、大径部から小径部への段部が設けられ、大径部に小径部がねじ接合されて いるものにおいては、ねじ接合箇所が分かり易く、取り外し作業が容易である。

【００２６】 更に、ガイドピン基部を一方の金型に取付け該金型表面より突出した構成とす ることにより、ガイドピン基部を金型に挿入する精密表面仕上部分に触ることな く突出端部分を保持してガイドピン基部を容易に金型に取付けることができる。 そして、ガイドピン本体の取付け・取り外し時に、汚れた油等が金型表面を伝わ ってガイドピン基部の突出端部の雌ねじ内に侵入し汚すことがなく、ガイドピン 本体の切欠き部に工具を係合させてガイドピン本体を容易に取付け・取り外しす ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は本考案射出成形用金型の一例を示す断
面図である。

【図２】 図２はガイドピンのみを若干拡大して示す一
部切欠正面図である。

【図３】 図３は他の実施例に備えるガイドピンの縦断
面図である。

【図４】 図４は他の実施例に備えるガイドピンの横断
面図である。

【符号の説明】

１ 固定型 ２ 移動型 ５ ガイドピン ２４ 他の実施例に備えるガイドピン ２５ ガイドピン基部 ２６ 雌ねじ ２７ ガイドピン本体 ２９ 雄ねじ部 ３０ 切欠き部 ５１ 大径部 ５２ 小径部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 固定型及び移動型からなり、固定型及び
   移動型の両型にわたってガイドピンが設けられた射出成
   形用金型において、ガイドピンは中途において２部分に
   分割され、２部分のうちの一方が他方にねじ接合されて
   いることを特徴とする射出成形用金型。
2. 【請求項２】 ガイドピンは中途において大径部から小
   径部への段部が設けられ、大径部に小径部がねじ接合さ
   れていることを特徴とする請求項１記載の射出成形用金
   型。
3. 【請求項３】 ガイドピンは金型に取付け該金型より若
   干突出し突出端部に雌ねじを有するガイドピン基部と、
   該ガイドピン基部の突出端部にねじ込み接続する雄ねじ
   部と取付け・取り外し時に工具を係合させる切欠き部を
   有するガイドピン本体とよりなることを特徴とする請求
   項１記載の射出成形用金型。