JPH0524225Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は例えば自動車のバツテリーと同等の出
力特性が得られる様に構成されたバツテリーシミ
ユレーシヨンシステムに用いられる直流安定化電
源等の内部抵抗可変型電源に関する。

［従来の技術］ 一般に、自動車用バツテリーの出力電圧は出力
電圧初期値から、内部抵抗による電圧降下分を減
算した値となり、常に一定ではない。

第２図は自動車用バツテリーの等価回路を示
し、バツテリーの起電圧Eoはバツテリーの種類、
周囲温度、充電状態により変化し、内部抵抗roは
バツテリーの種類、周囲温度、充放電回数、充電
状態により変化する。

従つて、自動車用ワイヤーハーネスに挿入され
たヒユーズの溶断特性を調べる試験等のバツテリ
ーをパワーソースとして動作する電装品等の試験
に於いてバツテリーの特性により試験結果が異な
る現象が発生する。その為、厳密なデータを取る
場合は各種のバツテリーを試験前に用意する必要
があるが、全てを満足させるのは現実的には不可
能であつた。

そこで、バツテリーの特性と同じ特性を直流安
定化電源に与えることにより、バツテリーをパワ
ーソースとして動作する電装品等の試験に於いて
バツテリー特性を忠実に再現できるバツテリーシ
ミユレーシヨンシステムが考えられる。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、このようなバツテリーシミユレ
ーシヨンシステムでは内部抵抗を変化し得る直流
安定化電源が必要であるが、このような電源は今
のところ存在しない。

本考案は上記の事情に鑑みてなされたもので、
直流安定化電源に等価的な内部抵抗を発生し得る
内部抵抗可変型電源を提供することを目的とす
る。

［問題点を解決するための手段と作用］ 本考案は上記目的を達成するために、出力電圧
を基準電圧回路の基準電圧と比較して出力電圧を
一定にするように制御する直流安定化電源と、こ
の直流安定化電源の出力電流に対応したフイード
バツク電圧を検出して前記基準電圧を下げるよう
に前記基準電圧回路に加えるフイードバツク回路
と、このフイードバツク回路に接続され前記フイ
ードバツク電圧を変化させるように制御電圧を加
える制御回路とを具備することを特徴とするもの
で、直流安定化電源の出力電流に対応したフイー
ドバツク電圧を検出して基準電圧回路にフイード
バツクして基準電圧を下げて出力電圧を低下させ
ると共に、フイードバツク回路に制御電圧を加え
てフイードバツク電圧を変化させることにより、
出力電圧の低下量を変えて見掛け上の内部抵抗を
変化するものである。

［実施例］ 以下図面を参照して本考案の実施例を詳細に説
明する。

第１図は本考案の一実施例を示し、商用交流電
源１が１次巻線に接続されたトランス２の２次巻
線は一端に一方の出力端子３が接続され、端他に
ダイオード４のアノードが接続される。このダイ
オード４のカソードとトランス２の２次巻線の一
端との間にはコンデンサ５が接続される。前記ダ
イオード４のカソードにはトランジスタ６のコレ
クタが接続され、このトランジスタ６のエミツタ
には抵抗７を介して他方の出力端子８が接続され
る。前記トランジスタ６のベースにはコンパレー
タ９の出力端が接続され、このコンパレータ９の
一方の入力端には抵抗１０を介して減算回路１１
の出力端が接続されると共に抵抗１３を介して出
力端子３が接続される。この減算回路１１の一方
の入力端には基準電圧源１２が接続され、前記減
算回路１１の他方の入力端には乗算器１４の出力
端が接続される。この乗算器１４は一方の入力端
に制御回路１５が接続され、他方の入力端に増幅
器１６の出力端が接続される。この増幅器１６の
入力端は前記抵抗７の両端に接続される。

即ち、商用交流電源１からの100Vの電圧はト
ランス２を介してダイオード４及びコンデンサ５
で整流及び平滑され、トランジスタ６を介して出
力端子３，８に出力直流電圧を抽出している。こ
の場合、出力直流電圧と基準電圧源１２からの基
準電圧をコンパレータ９で比較してトランジスタ
６を制御することにより、出力直流電圧の安定化
を図つている。そして、抵抗７の両端に接続され
た増幅器１６により出力電流に対応したフイード
バツク電圧を検出して乗算器１４に加え、この乗
算器１４で制御回路１５からの制御電圧と乗算さ
れて減算回路１１に加える。この減算回路１１で
は基準電圧源１２からの基準電圧から乗算器１４
の出力電圧が減算されてコンパレータ９に加えら
れる。すなわち、増幅器１６、乗算器１４、減算
回路１１等よりなるフイードバツク回路を設ける
ことにより、直流安定化電源の出力電流に対応し
たフイードバツク電圧を検出して基準電圧回路に
フイードバツクして基準電圧を下げて出力電圧を
低下させると共に、フイードバツク回路の乗算器
１４に制御回路１５からの制御電圧を加えてフイ
ードバツク電圧を変化させることにより、出力電
圧の低下量を変えて見掛け上の内部抵抗を変化す
る。このようにして、直流安定化電源に等価的な
内部抵抗を発生させる。この様な内部抵抗可変型
電源を用いることにより100μsぐらいの応答速度
が得られる。

［考案の効果］ 以上述べたように本考案によれば、直流安定化
電源に等価的な内部抵抗を発生することができる
ため、内部抵抗を可変できる電源を容易に構成す
ることができる。従つて、例えば、自動車のバツ
テリーの特性と同じ特性を直流安定化電源に与え
ることにより、バツテリーをパワーソースとして
動作する電装品等の試験に於いてバツテリー特性
を忠実に再現できるバツテリーシミユレーシヨン
システムの実現が容易となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す回路図、第２
図はバツテリーの等価回路の一例を示す回路図で
ある。 ３，８……出力端子、６……トランジスタ、９
……コンパレータ、１１……減算回路、１２……
基準電圧源、１４……乗算器、１５……制御回
路、１６……増幅器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 出力電圧を基準電圧回路の基準電圧と比較して
   出力電圧を一定にするように制御する直流安定化
   電源と、この直流安定化電源の出力電流に対応し
   たフイードバツク電圧を検出して前記基準電圧を
   下げるように前記基準電圧回路に加えるフイード
   バツク回路と、このフイードバツク回路に接続さ
   れ前記フイードバツク電圧を変化させるように制
   御電圧を加える制御回路とを具備することを特徴
   とする内部抵抗可変型電源。