JPH05239057A - 2−ベンゾクマリニルカルバペネム類 - Google Patents

2−ベンゾクマリニルカルバペネム類

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JPH05239057A
JPH05239057A JP4174642A JP17464292A JPH05239057A JP H05239057 A JPH05239057 A JP H05239057A JP 4174642 A JP4174642 A JP 4174642A JP 17464292 A JP17464292 A JP 17464292A JP H05239057 A JPH05239057 A JP H05239057A
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Frank Dininno
ディニッノ フランク
Mark L Greenlee
エル.グリーンリー マーク
Thomas A Rano
エー.ラノ トマス
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D477/00Heterocyclic compounds containing 1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. carbapenicillins, thienamycins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulphur-containing hetero ring
    • C07D477/10Heterocyclic compounds containing 1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. carbapenicillins, thienamycins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulphur-containing hetero ring with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, directly attached in position 4, and with a carbon atom having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. an ester or nitrile radical, directly attached in position 2
    • C07D477/12Heterocyclic compounds containing 1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. carbapenicillins, thienamycins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulphur-containing hetero ring with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, directly attached in position 4, and with a carbon atom having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. an ester or nitrile radical, directly attached in position 2 with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, attached in position 6
    • C07D477/14Heterocyclic compounds containing 1-azabicyclo [3.2.0] heptane ring systems, i.e. compounds containing a ring system of the formula:, e.g. carbapenicillins, thienamycins; Such ring systems being further condensed, e.g. 2,3-condensed with an oxygen-, nitrogen- or sulphur-containing hetero ring with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, directly attached in position 4, and with a carbon atom having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. an ester or nitrile radical, directly attached in position 2 with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, attached in position 6 with hydrogen atoms, hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals, attached in position 3
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記式 (式中、Eは 又は RはH又はCH、XはO又はS、R及びR
H,CH−,CHCH−など、RはH,−CF
、ハロゲン原子など、Mは水素、薬学的に許容し得る
エステル化基又は除去可能なカルボキシル保護基などを
示す)のカルバペネム類。 【効果】 このカルバペネム類は有用な抗菌剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、以下で詳細に記載される2−位
置の側鎖が、種々な中性置換基によって置換されている
ベンゾクマリニル部分によって特徴づけられるカルバペ
ネム類の抗菌剤に関する。
【0002】チエナマイシンは広いスペクトルを有する
初期のカルバペネム抗菌剤であった。それは次の式
【化13】 を有しいる。後に、N−ホルムイミドイルチエナマイシ
ンが発見された。それは式
【化14】 を有している。
【0003】本発明の2−ベンゾクマリニル−カルバペ
ネム類はチエナマイシンあるいはN−ホルムイミドイル
チエナマイシンのような広い抗菌スペクトルによって特
徴付けられるものではない。むしろ、それらの活性スペ
クトルは、グラム陽性微生物、特に、メチシリン耐性ス
タフィロコッカス アウレウス(Staphylococcus aureu
s (MRSA))、メチシリン耐性スカフィロコッカス
エピデルミジス(Staphylococcus epidermidis(MR
SE))、及びメチシリン耐性コアグラーゼ陰性スタフ
ィロコクシ(Staphylococci (MRCNS))、に大い
に限定される。従って、本発明の抗菌性化合物は、病原
体を抑制することが困難なこれらの治療に非常に貢献す
る。さらに、そのような病原体(MRSA/MRCN
S)に対して有効であり、同時に安全(すなわち、望ま
しくない毒性の副作用のない)な薬剤の要求が高まって
いる。現在のところ、これらの要求に合うβ−ラクタム
抗菌剤は発見されていない。最近の特別上等な薬剤であ
るグリコペプチド抗菌剤、バンコマイシン、に耐性なM
RSA/MRCNS病原体が増加していることがこれま
での経験からわかる。
【0004】さらに最近になって、アリール部分が場合
により、例えば、アミノメチル及び置換アミノメチルに
よって置換されている2−置換基を有するカルバペネム
抗菌剤が記載された。これらの薬剤は米国特許第4,5
43,275及び4,260,627号に記載されてお
り、式:
【化15】 を有している。しかしながら、本発明の化合物を特徴づ
けているベンゾクマリニル2−置換基についての記載又
は提案はなく、また、本発明の化合物の非常に良好な抗
−MRSA/MRCNS活性についての記載は全くな
い。米国特許第4,978,659は式:
【化16】 の特別な種類の化合物を記載しているが、この限定され
た教示には本発明の化合物及びその非常に良好な抗−M
RSA/MRCNS活性については何も記載されていな
い。
【0005】本発明は、下記の式の新規なカルバペネム
化合物を提供する。
【化17】 式中、RはHまたは CH3であり;Xh はOまたはSであ
り;R1 及びR2 は独立的にH、 CH3−、CH3CH2−、(C
H3)2CH−、 HOCH2−、CH3CH(OH) −、(CH3)2C(OH) −、
FCH2CH(OH)−、F2CHCH(OH)−、F3CCH(OH) −、CH3CH(F)
−、CH3CF2、または(CH3)2C(F)であり;Ra は水素およ
び以下に列挙する基から成る群より独立的に選ばれる、
ただし4個より多くないRa 基は水素以外の基である: a)トリフルオロメチル基:−CF3 ; b)ハロゲン原子:−Br、−Cl、−Fまたは−I c)C1 〜C4 アルコキシ基:−OC1-4 アルキル(ここ
において、アルキルは、所望によっては、Rq によって
モノ置換される)、ここにおいて、
【0006】Rq は−OH、−OCH3、−CN、−C(O)NH2
−OC(O)NH2、CHO 、−OC(O)N(CH3)2、−SO2NH2、−SO2N
(CH3)2、−SOCH3 、−SO2CH3、−F、−CF3 、−COOMa
(ここにおいて、Ma は水素、アルカリ金属、メチルま
たはフェニルである)、テトラゾリル(ここにおいて、
結合個所はテトラゾール環の炭素原子であり、窒素原子
の1個は上記に定義されたようにMa によってモノ置換
されている)および−SO3Mb (ここにおいて、Mb は水
素またはアルカリ金属である)より成る群から選ばれる
一員であり; d)ヒドロキシル基:−OH; e)カルボニロキシル基:−O(C=O)R s 、ここにおいて
【0007】Rs はC1 〜C4 アルキルまたはフェニル
であり、そのおのおのは、場合によっては上記に定義し
たようにRq によってモノ置換されるか、または−Fに
よって三置換される; f)カルバモイルオキシ基:−O(C=O)N(Ry )Rz 、ここ
において
【0008】Ry およびRz は独立的にH、C1 〜C4
アルキル(場合によっては上記に定義したようなRq
よってモノ置換される)であり、3−員〜5−員のアル
キリデン基と一緒に環(場合によっては上記に定義した
ようなRq によって置換される)環を形成し、または−
O−、−S−、−S(O)−または−S(O)2 −によって、分
断された2−員〜4−員のアルキリデン基と一緒に環
(但し、環は場合によっては上記に定義したようなRq
によってモノ置換される)を形成し; g)スルフル基:−S(O)n −Rs 、ここにおいて、nは
0〜2、Rs は上記に定義されている; h)スルファモイル基:−SO2N(Ry )Rz 、ここにおい
て、Ry およびRz は上記に定義された通りであり; i)アジド:N3 j)ホルムアミド基:−N(Rt )(C=0)H 、ここにおいて
【0009】Rt はHまたはC1 〜C4 アルキルであ
り、そのアルキルは場合によっては上記に定義したよう
なRq によってモノ置換され; k)(C1 〜C4 アルキル)カルボニルアミノ基:−N
(Rt )(C=O)C1 〜C 4 アルキル、ここにおいて、Rt
は上記に定義した通りであり、またアルキル基は、場合
によっては、上記に定義したようなRq によってモノ置
換され; l)(C1 〜C4 アルキル)カルボニルアミノ基:−N
(Rt )(C=O)O C1 〜C4 アルキル、ここにおいて、R
t は上記に定義した通りであり、またアルキル基は、場
合によっては、上記に定義したようなRq によってモノ
置換され; m)ウレイド基:−N(Rt ) (C=O)N(Ry )Rz 、ここにお
いてRt 、Ry およびRz は上記に定義した通りであ
り;
【0010】n)スルホンアミド基:−N(Rt )SO
2s 、ここにおいてR3 およびRt は上記に定義した
通りであり; o)シアノ基:−CN; p)ホルミルまたはアセタール化ホルミル基:−(C=O)H
または−CH(OCH3)2; q)カルボニルがアセタール化されている(C1 〜C4
アルキル)カルボニル基:−C(OCH3)21 〜C4 アルキ
ル、ここにおいてアルキルは、場合によっては、上記に
定義したようなRq によってモノ置換され; r)カルボニル基:−(C=O)Rs 、ここでRs は上記に定
義した通りであり;
【0011】s)場合によっては酸素または炭素原子が
1 〜C4 アルキル基によって置換されているヒドロキ
シイミノメチル基:−(C=NORz )Ry 、ここにおいてRy
およびRz は、それらが一緒に結合して環を形成できな
いこと以外は、上記に定義した通りであり; t)(C1 〜C4 アルコキシ)カルボニル基:−(C=O)O
1 〜C4 アルキル、ここにおいてアルキルは、場合に
よっては、上記に定義したようなRq によってモノ置換
され;
【0012】u)カルバモイル基:−(C=O)N(Ry )Rz
ここにおいてRy およびRz は上記に定義した通りであ
り; v)窒素原子がさらにC1 〜C4 アルキル基により置換
されることができるN−ヒドロキシカルバモイルまたは
N(C1 〜C4 アルコキシ)カルバモイル基:−(C=O)-
N(ORy )Rz 、ここにおいてRy およびRz は、それらが
一緒に結合して環を形成できないこと以外は、上記に定
義した通りであり; w)チオカルバモイル基:−(C=S)N(Ry )Rz 、ここにお
いてRy およびRzは上記に定義した通りであり; x)カルボキシル:−COOMb 、ここにおいてMb は上記
に定義した通りであり; y)チオシアネート:−SCN ; z)トリフルオロメチルチオ:−SCF3
【0013】aa) テトラゾリル、ここにおいて結合個所
はテトラゾール環の炭素原子であり、窒素原子の1個は
水素、アルカリ金属または場合によっては上記に定義し
たようなRq によって置換されたC1 〜C4 アルキルに
よってモノ置換され; ab) ホスホノ〔P=O(OMb )2] ;アルキルホスホノ{P=O
(OMb )-〔0(C1 〜C4 アルキル) 〕}; アルキルホス
フィニル〔P=O(OMb )-(C1 〜C4 アルキル)〕;ホス
ホルアミド〔P=O(OMb )N(Ry )Rz および P=O(OM b )NHR
x 〕;スルフィノ(SO2Mb ) ;スルホ(SO2Mb ) ;構造
CONM6 SO2Rx 、CONMb SO2N(Ry )Rz 、SO2NM b CON(R
y )Rz ;および SO2NMb CNより成る群から選ばれたアニ
オン性官能、ここにおいて
【0014】Rx はフェニルまたはヘテロアリールであ
り、ここにおいてヘテロアリールは5員または6員環原
子を有する一環式芳香族炭化水素基であり、そこの1個
の炭素原子が結合個所であり、そこの該炭素原子の1個
は窒素原子によって置換されており、そこにおいては1
個の追加の炭素原子は、場合によっては、OまたはSか
ら選ばれたヘテロ原子によって置換され、そこにおいて
は1個〜2個の追加の炭素原子は、場合によっては、窒
素ヘテロ原子によって置換され、そしてここにおいては
フェニルおよびヘテロアリールは、場合によっては、上
記に定義した如き、Rq によってモノ置換され;Mb
上記に定義した通りであり;Ry およびRz は上記に定
義した通りであり;
【0015】ac)環中の炭素原子の1個がO、S、NH
またはN(C1 〜C4 アルキル)から選ばれたヘテロ原子
によって置換され、追加の1個の炭素原子が、NHまた
はN(C1 〜C4 アルキル)によって置換されることがで
き、各窒素ヘテロ原子に隣接した少なくとも1個の炭素
原子が、1個の酸素にって置換される結合した水素原子
を2個有し、かくしてカルボニル部分を生成し、1個ま
たは2個のカルボニル部分が環中に存在するC5 〜C7
シクロアルキル基; ad)場合によっては上記の置換基a)〜ac)の1個に
よってモノ置換されたC2 〜C4 アルケニル基、および
場合によっては上記に定義されたようなRqにより置換
されたフェニル; ae)場合によっては上記の置換基a)〜ac)の1個に
よってモノ置換されたC2 〜C4 アルキニル基; af)C1 〜C4 アルキル基; ag)上記の置換a)〜ac)の1個によってモノ置換さ
れたC1 〜C4 アルキル; ah)結合個所がオキサゾリジノン環の窒素原子であり、
環の酸素原子が場合によっては−S−およびNRt (但し
t は上記に定義された通りである)から選ばれたヘテ
ロ原子によって置換され、オキサゾリジノン環の飽和炭
素原子の1個が場合によっては上記の置換基a)〜a
g)の1個によってモノ置換された2−オキサゾリジノ
ニル部分;そして
【0016】Mはi)水素; ii)薬学的に許容し得るエステル化基または除去可能な
カルボキシル保護基; iii) アルカリ金属またはその他の薬学的に許容し得る
カチオンから選択される。
【0017】本発明はまた次の式の新規なカルバペネム
中間体を提供する:
【化18】 式中、RはHまたは CH3であり;Xh はOまたはSであ
り;Ra は上記に定義されている、ただしRq はさらに
OP′を含み、ここにおいてP′は以下に定義され、R
q のMa およびMb は両方ともMを含み、そしてタイプ
d)のヒドロキシル置換基はさらに保護されたヒドロキ
シル、OP′であることができ;P′はヒドロキシルの
ための除去可能な保護基であり;そしてMはカルボキシ
のための除去可能な保護基である。
【0018】好ましい中間体は、次の式を有する。
【化19】 式中、RはHまたは CH3であり;P′はヒドロキシル基
のための脱離可能な保護基であり、Mはカルボキシル基
のための脱離可能な保護基であり、Ra は、H、OP′、
Cl、Br、I、SCH3、CN、CHO 、SOCH3 、SO2CH3、CO2M、
CH2OP ′およびCONH2 から成る群より選択される;ただ
し、−CH2OH 置換基はベンゾクマリンの3−位または4
−位にある。
【0019】式Iの化合物の製造は3工程の合成スキー
ムとそれに続く保護基の除去を行なう最終スキームによ
って行なうことができる。第1合成工程の目的は式Iの
カルバペネムの2位の置換基となる基体ベンゾクマリン
化合物の生成である。第2合成工程の目的はこの基体ベ
ンゾクマリンをカルバペネムに結合することである。最
後に、第3合成工程の目的はベンゾクマリンを所望のR
a で置換することである。この第3合成工程は、多様な
a の性質に応じて、第1合成工程の後、あるいは第2
合成工程の途中又は後に行なうことができる。フローシ
ートA1およびA2はここに提案した第1工程の合成を
示す。フローシートB及びCは2通りの第2工程の合成
を示す。第3工程は選択したRa に応じて変わる。
【0020】ここに提案した第一合成法、フローシート
A1及びA2、は Suzuki クロスーカップリング反応に
必要な原料を製造するためのオルト指向メタル化反応
(adirected ortho metalation reaction)及び所期のベ
ンゾクマリンプラットフォームを生成する最終的閉環反
応として一般的に記載されている。この提案された第一
合成法は、スニーカス(Snieckus, V.) 、Chem. Rev.
990年、90、879−933頁;シャープ(Sharp,
M. J.) 及びスニーカス、Tet. Lett.1985年、2
6、5977−6000頁によって類似のベンゾクマリ
ン化合物を製造するのに利用されている。ビアリール及
びフェナンスリドンの同様な製造法がベンゾクマリンに
利用でき、フー(Fu, J. M.)及びスニーカス、Tet. Let
t.1990年、31、1665頁;シディッキ(Siddiq
ui, M. A.)ら、Tetrahedron Lett.,1988年、29
巻、5463−5466頁;ミルズ(Mills, R. J. )
ら、J. Org. Chem.,1989年、54、4372−43
85頁及びスズキ(Suzuki, A.) ら、Syn. Comm., 19
81年、11、513−519頁に記載されている。
【0021】フローシートA1を参照すると、化合物
1−1は上記スニーカスらの方法によって指向メタル化
基(a directed metalation group;DMG)で置換され
ている。指向メタル化基(DMG)の機能は芳香族環の
飾り立てを配置することである。DMGが目的のベンゾ
クマリンのラクトン結合を形成するのに必要なカルボキ
シ機能又はフェノリック機能のための前駆置換基を準備
することはDMGに多く望まれることである。カルボキ
シ前駆体として使用される適当なDMGは2級又は3級
アミド類又はオキサゾリノ基である。特にこれらの前駆
体は、例えば、−CONEt2、−CONEMe、4,4−ジメチル
−2−オキサゾリニル、等であり得る。化合物A1−1
の場合、DMGはカルボキシル前駆体型である。フェノ
リック前駆体として使用される適当なDMGはカーバソ
ート又はエーテル類である。特にこれらの前駆体は、例
えば、O−メトキシメチル(OMOM)、OMe 、OCONEt
2、2−(トリメチルシリル)エトキシメトキシ(OS
EM)などであり得る。下記の化合物A2−1は例え
ば、フェノリック前駆体型のものである。
【0022】フローシートA1の第一工程として、化合
A1−1のブロミンは約−100乃至−50℃の間
で、トリメチルシリルクロライド(TMS−Cl)の存
在下、ハロゲン金属交換を経てシリル化によって保護さ
れアリールシラン化合物A1−2が得られる。オルソ置
換基Ra 又はその適当な前駆体の化入は化合物A1−2
に上記スニーカスら記載の標準的指向メタル化手法に従
って行なわれる。生成した置換アリールシランA1−3
は繰り返しオルトメタル化(オルト金属化)されそして
適当なボロン含有親電子試薬で処理されて必要なアリー
ルボロン酸A1−4が得られる。適当なボロン含有親電
子試薬は硼酸トリメチル及び硼酸トリ−i−プロピルの
様な硼酸低級アルキルを含む。また、フローシートには
示されてないが、オルト金属化された化合物はトリアル
キル錫ハライドの様な親電子試薬で処理されて対応する
アリールスタナンを生成し、このものは順にスチル(St
ille) ら、J. Am. Chem. Soc.,1987年、109巻、
5478−5486頁によって報告されている様にビフ
ェニル類の製造に於て有用な中間体である。ビフェニル
中間体A1−6の製造は Suzuki クロス−カップリング
手法及び適当に修飾されたアリール化合物A1−4及び
A1−5を使用するフローシートで完成される。 Suzuk
i カップリングは一般にトルエン/エタノール溶媒中で
炭酸ナトリウム水溶液の存在下でテトラキス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム(O)触媒を使用するアリ
ールボロン類とアリールハライドまたはハライド当価物
との反応として記載される。生成したビフェニル化合物
は標準方法で分離される。化合物A1−5はそれ自身標
準的方法で製造され、ハロゲン置換体、X、フェノリッ
ク部分−OR′及び所期の置換基Ra を有する化合物又は
その前駆体を得ることができる。好ましいハロゲンXは
臭素、沃素又はハロゲン当価のトリフルオロメタンスル
ホニルオキシである。好ましいフェノリック部分−OR′
は上記酸素ベースDMGまたは保護基がDMGでない適
当に置換されたフェノールのいずれでも良い。ビフェニ
ル化合物A1−6は続いて塩化メチレンまたはその他の
適当な溶媒中でヨードモノクロライドを使用してトリメ
チルシリル部分の ipso 置換を経由してハロゲン化ビフ
ェニルA1−7に変換される。どんなハロゲン化試薬も
適当であり、例えば IBr、NBS 、I2、Br2 等であり、こ
れらは既に存在する官能性基を相溶性でなければならな
い。最終的に、目的化合物、B1−1、はフェノリック
部分とDMG中に潜在しているカルボキシ前駆体とのラ
クトン化を経て得られる。
【0023】フローシートA2を参照すると、レジオ異
性(regioisomeric)ベンゾクマリンB1−2はベンゾク
マリンB1−1のそれと同様な方法で製造できる。化合
A2−1は化合物A2−1のDMGがフェノリック前
駆体型である点において化合物A1−4と相互に似てい
ない。化合物A2−1は適宜に修飾された化合物A2−
と反応して Suzuki クロス−カップリング手法を利用
してビフェニル中間体A2−3とすることができる。上
記の様にビフェニル化合物A2−3はハロゲン化ビフェ
ニル ipso 置換体A2−4に変換されてそして最終的に
ラクトン化によって目的のベンゾクマリンB1−2に変
換される。
【0024】フローシートA1及びA2で示される如
く、当業者は可能な限り有利ないくつかの変形を認識す
るであろう。一つの変形法に於ては、シリコンのハロゲ
ンへのipso 置換は環化の後で行なわれて目的のベンゾ
クマリンを生成する。他の変形法に於ては、化合物A1
−5及びA2−2はそれぞれ−OR′及び−CO2Me に代え
て、DMG置換基を使用して修飾される。上記の様に、
DMG置換基は製造時に於けるRa 又はその前駆体の修
飾を指向している。上記の様に、DMGは適宜にはカル
ボキシ前駆体型又はフェノリック前駆体型のものであ
る。更に別の変形法では、中間体B1−1又はB1−2
のオキソカルボニルは Lawesson 型試薬を使用して、ま
たは適当な溶媒中で5硫化燐で処理してチオカルボニル
に変換されてSとしてXh を生成する。SとしてXh
生成する別の変形法は炭素ベースのDMGを使用する事
であり、ここではオキソカルボニル部分はチオカルボニ
ルで置換される。チオカルボニルを含む適当な炭素ベー
スのDMGは−(C=S)NH −フェニルである。Xh がSで
ある化合物が適当であるが、Xh がOである化合物も好
ましい。
【0025】ベンゾクマリンB1−1又はB1−2を製
造する前記方法はここでは好ましいが、もちろん他に適
当な方法がある。一つの方法としては、既知の手法で製
造されたベンゾクマリンを生成するアブデル−ラチフ
(F. F. Abdel-Latif)、Gazz.Chem. Ital. 1991
年、121、9−10頁の方法はそれに続くブロム化又
は出発原料のブロム置換で修飾されてここに必要なベン
ゾクマリンを得る事ができる。ブリングマン(G. Bring
mann) ら、Angew. Chem.英語国際版、1990年、2
9、977−991頁の方法、又はユング(Jung, M.
E) ら、Tetrahedron Lett. 1988年、29、251
7−2520頁の方法又はデジュパンド(Deshpande,
P. P.) ら、Tetrahedron Lett. 1990年、31、6
313−6316頁の方法も利用出来る。
【0026】フローシートA1
【化20】 フローシートA1(続き)
【化21】 フローシートA2
【化22】
【0027】フローシートA1およびA2の目的化合
物、ベンゾクマリリン、B1−1及びB1−2はここで
教示するカルバペネム化合物の2位置置換基の核を形成
する。このように、Ra が置換されるように示されてい
る。しかしながら、もし化合物A1−1A1−5
2−1又はA2−2上の置換が残っていないか、又は化
合物B1−1又はB1−2の合成を許容しないのであれ
ば、Ra が上記で示されることは、当業者に直ちに明ら
かなことである。それゆえ、Ra が化合物B1−1又は
B1−2上に望まれ、そしてこのRa B1−1又は
1−2を生成する合成スキームと両立しない場合には、
両立し得る前駆体置換基を合成中に用いることができ
る。
【0028】使用される前駆体置換基の本質は、B1−
又はB1−2への合成を妨げず、その後により好まし
い置換基へ転換され得る限りにおいて、決定的でない。
好ましい前駆体置換基Ra はメチル、ヒドロキシメチル
及び保護されたヒドロキシメチルである。
【0029】それ故、化合物B1−1又はB1−2上の
置換基Ra に関しては、化合物B1−1又はB1−2
製造する条件に対して安定であり、且それに続くカルバ
ペネムへのB1−1又はB1−2の付加の条件に安定で
ある保護基を有するRa であるか、又は有さないRa
ある事ができる。あるいは又B1−1又はB1−2を作
る条件に対して安定であり、所望の場合には、B1−1
又はB1−2のカルバペネムへの付加の条件に対して安
定であり、そして所望のRa へ転換できるか、又は他の
前駆体置換基へ転換できる安定な前駆体置換基であるこ
とができる。
【0030】上述のごとく、第2工程合成は基本ベンゾ
クマリンB1−1又はB1−2のカルバペネムの2−位
への付加である。基本カルバペネムへB1−1及びB1
−2を付加する一つの方法はグリニヤール反応を利用す
る。しかしながら、この方法ではB1−1及びB1−2
をそのように利用できない。その代わり、ベンゾクマリ
ン前駆体、即ちビフェニル、は第2工程で出発グリニヤ
ール試薬として使用できる。このように、グリニヤール
反応を利用するこの方法では、上記のように、第1工程
合成は第2工程合成で完結する。安定なRa 又は適当な
前駆体置換基の場合、ビフェニルA1−7はフローシー
トBに示される如くグリニヤール反応において、アゼチ
ジン−2−オンB2に付加される。同様にビフェニル
2−4はメチルエステル部分が酸に加水分解されてしま
っている所に付加される。グリニヤール反応は、例えば
A1−7が、20乃至60℃のTHF中においてマグネ
シウム及び1,2−ジブロモエタンと反応してグリニヤ
ール試薬に変換され、続いて−70乃至約20℃のTH
F中において、グリニヤール試薬としてのA1−7
と接触して、アゼチジン−2−オンB3を生成する。
あるいは又、A1−7は−78乃至約−50℃のTHF
中において、t−ブチルリチウム、n−ブチルリチウム
などと反応し、次にマグネシウムを加えて、同じグリニ
ヤール試薬を生成する。B3のRi は、実際にはピリジ
−2−イルであるが、芳香族又はヘテロ芳香族置換基を
含む種々の置換基であることができる。更に、Ri は例
えばフェニル、2−ピリミジニル又は2−チアゾリルで
あることも出来る。グリニヤール反応に続いて、上記の
如くビフェニル部分はB4を生成するベンゾクマリンプ
ラットフォームに転換される。
【0031】アゼチジン−2−オンB4はカルバペネム
へ閉環出来る中間体である。この中間体上において、R
a 又は前駆体置換基は、その修飾がカルバペネム核と両
立できない場合には、修飾される。
【0032】化合物B4をキシレン中、痕跡のp−ヒド
ロキノンと共に約1〜2時間不活性雰囲気中で加熱還流
することにより、カルバペネムB5に閉環出来る。この
中間物上で、前駆体置換基からRa 、例えばヒドロキシ
メチルの最後の仕上げを遂行できる。カルボキシル又は
ヒドロキシル保護基の除去は一般式Iの最終化合物を与
える。このような最終の仕上げと脱保護を更に詳細に次
に記載する。
【0033】フローシートB
【化23】
【0034】フローシートCは、別の好ましい第2工
程、即ちB1−1のような基本ベンゾクマリンを、カル
バペネムの2位に結合される合成を示す。この合成はカ
ルバペネムトリフラートと適当に置換したアリールスタ
ナンの、パラジウムを触媒としたクロスカップリング反
応を含むが、ここに組入れた1991年2月4日出願の
米国特許出願第650,011号に説明されている。こ
の合成を適用するためには、まづベンゾクマリンB1−
をトリメチルスタニルベンゾクマリンC3に修飾する
必要がある。これは、ベンゾクマリンB1−1を、テト
ラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)の
ようなパラジウム(O)触媒の存在下トルエンのような
不活性溶媒中で25乃至110℃、0.25乃至24時
間ヘキサメチル二錫と反応して、スタナンC3を得る事
ができる。フローシートCを参照しつつ、2−オキソカ
ルバペネムC1を、無水トリフルオロメタンスルホン酸
のような適当なトリフルオロメタンスルホニル供給源
と、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン等の有機
窒素塩基の存在下、テトラヒドロフラン又は塩化メチレ
ンのような極性非プロトン性溶媒中で反応させる。所望
の場合その後、トリエチルアミン等の有機窒素塩基を反
応溶液に加えて、その後直ちにトリメチルシリルトリフ
ルオロメタンスルホン酸塩等のシリル化剤を加えて、中
間体C2を作る。DMF、1−メチル−2−ピロリジノ
ン等の非プロトン性極性配位溶媒を任意に加える。引き
続きトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム−
クロロフォルム、酢酸パラジウム等のパラジウム化合
物、所望の場合、トリス(4−メトキシフェニル)ホス
フィン、トリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)
ホスフィン等の適当な置換フェニルホスフィン及びスタ
ナンC3を加える。塩化リチウム、塩化亜鉛、又は塩化
アンモニウム等のハライド源を加えて、反応溶液を0乃
至50℃の適当な温度に温めて、数分間乃至48時間攪
拌する。カルバペネムC4はこの分野で既知の従来の単
離/精製方法で得られる。
【0035】一般的に言って、フローシートCに示した
より穏やかな合成条件の方が、フローシートBで説明し
た合成よりも、より広範囲の官能基Ra の存在を許容す
る。しかし場合によっては、スタナンC3のRa 置換基
が保護された形又は前駆体の形で導入されるのが有利で
ある。例えば、ヒドロキシメチル等の前駆体置換基から
a を最終的に仕上げるには、カルバペネム中間体C4
上で行なう。その後、ヒドロキシル又はカルボキシル保
護基を取り除くと、式Iの最終化合物が得られる。この
ような最終的な仕上げと保護基の除去については、後に
更に詳しく説明する。
【0036】フローシートC
【化24】
【0037】ピリジル−チオエステルであるアゼチジン
−2−オンB2は、カルバペネムの製造において良く知
られた化合物である。当業者であれば、B2を作るのに
役立つ様々な合成スキームを思い付くであろう。特に本
発明に役立つのは以下のフローシートDの合成スキーム
であり、記号Rは先に定義した通りである。中間体B2
の製造工程は、例えばここに参考として組入れた米国特
許第4,260,627号及び第4,543,257
号、ガマ(L. D. Gama) ら、Tetrahedron,39、253
1頁(1983)、グチコンダ(R. N. Guthikonda)
ら、J. Med. Chem.30、871頁(1987)に記載
の方法と類似のものである。
【0038】フローシートD
【化25】 フローシートD(続き)
【化26】
【0039】2−オキソカルバペネム中間体C1の製造
工程は、この分野でよく知られており、その詳細は、メ
リロ(D. G. Mellilo)ら、Tetrahedron Lett. 21、2
783頁(1980)、ザルツマン(T. Salzmann)ら、
J. Am. Chem. Soc. 102、6161頁(1980)及
びフユーテ(L. M. Fueutes)、シンカイ(I. Shinkai)
とザルツマン、J. Am. Chem. Soc. 108、4675頁
(1986)に豊富に説明されている。また、この合成
は、すべてメルク社の有する米国特許第4,269,7
72号、第4,350,631号、第4,383,94
6号及び第4,414,155号にも開示されている。
これらを参考としてここに組み入れる。
【0040】前出のフローシートに示されている一般的
な説明は、カルバペネムの6−位上の保護された1−ヒ
ドロキシエチルの置換を示している。最後の保護基の除
去の後に、1−ヒドロキシエチル置換基が得られるが、
これは殆どの場合において好ましい。しかしながら、あ
る種の2位の側鎖を選択した場合には、分子全体の好ま
しい性質の究極的なバランスが、6−(1−フルオロエ
チル)部分を代わりに選択することで高められる、とい
うことが知られている。本発明の範囲にある6−フルオ
ロアルキル化合物の製造は、カルバペネム抗菌化合物の
製造の分野で周知の技術を用いてそのまま行なわれる。
例えばデブリース(J. G. deVries)ら、Heterocycles,
23、1915頁(1985)、BE900,718A
(Sandoz) 及び特開昭60−163882(サンラク・
オーシャン)を参照のこと。
【0041】好ましい式Iの化合物において、R1 は水
素である。より好ましくはR1 が水素で、R2 が (R)−
CH3CH(OH) −又は (R)−CH3CH(F)−である。最も好まし
いものは、R1 が水素、R2 が (R)−CH3CH(OH) −であ
る。大抵はRがHであることが好ましいが、Rが CH3
あるとよりよい化学安定性、水への溶解性又は薬動力学
的挙動を与える場合がある。 CH3である置換基Rは、α
及びβのどちらかの立体異性体であっても良い。更に好
ましい化合物では、ベンゾクマリンの3−,4−又は7
−位の少なくとも一個のRa は水素以外のものである。
最も好ましい化合物においては、全体で、2個のRa
換基は水素以外である。
【0042】好適なRa については式Iの説に関して上
述した。とりわけ、好ましいRa はヒドロキシでモノ置
換されたC1-4 アルキル、例えば、ヒドロキシメチル;
ホルミル;アルキキシカルボニル、例えば−COOCH3;カ
ルバモイル、例えば−CONH;ヒドロキシイミノメ
チル、例えば−CH=NOH 又はシアノである。
【0043】この好ましい置換に関連して、Ra につい
ては、7、1、2、3又は4位のいずれの位置において
もヒドロキシメチルを以下のようにして得ることができ
る。一つの方法として、ヒドロキシメチルは、環A1−
4及びA1−5又はA2−1及びA2−2のいずれの環
上においても、標準的操作により置換されることがで
き、適切に保護される。あるいは、前駆体置換基として
のメチルは、出発物質A1−4及びA1−5又はA2−
1及びA2−2上において、周知の手段により適切な位
置で置換され、出発物質はフローシートA1またはA2
のそれぞれに従って反応して対応するメチル置換B1−
1又はB1−2となる。続いて、メチル置換B1−1又
はB1−2のメチル置換基はN−ブロモスクシンイミド
を用いてブロモメチルへ酸化されることができる。前駆
体置換基メチルのこの酸化は、好適には、アゼチジン−
2−オン上でのベンゾクマリンの置換に先立って行なわ
れる。その理由は、酸化性条件はアゼチジン−2−オン
又は続くカルバペネムのいずれかに適合しないことため
である。ブロモメチル置換基の場合、ヒドロキシメチル
置換B1−1又はB1−2への変換は三段階シーケンス
によって達成することができる。80℃におけるDMF
中での酢酸カリウムとのブロモメチル化合物の反応は、
対応するアセトキシメチル化合物を与える。メタノール
性水酸化ナトリウムでの加水分解又はTHF中水素化ジ
イソブチルアルミニウムでの還元等によるアセテート基
の除去により、ヒドロキシメチル置換化合物B1−1又
はB1−2が得られる。フローシートBに従いヒドロキ
シメチル置換A1−7又はA2−4をさらに処理して対
応するB4及びB5が得られる。
【0044】ベンゾクマリン上の好ましいホルミルへの
置換は、スウェン酸化により、Raの場合にはヒドロキ
シメチルの置換で、B5上で得られる。たとえば、B5
を、塩化メチレン中で、−70℃から室温で、塩化オキ
ザリル−ジメチルスルホキシド、さらにトリエチルアミ
ンを活性化剤に用いて酸化する。明らかに、得られたホ
ルミル置換基の位置は、B5上のヒドロキシメチル置換
の位置によって決まる。
【0045】ベンゾクマリン上での好ましい−CH=NOH
への置換は今述べたホルミルへの置換により簡単に行な
える。これはただ、ホルミルへ置換した化合物を、室温
で適当な溶媒中のヒドロキシアミンに浸して行なう。
【0046】ベンゾクマリン上のシアノへの置換は、今
述べた−CH=NOH の置換により行なえる。−CH=NOH に
置換した化合物を、−70℃の溶媒中で、無水トリフラ
ート酸及びトリエチルアミンで脱水する。
【0047】ベンゾクマリン上の好ましい−COOCH3への
置換は、今述べたヒドロキシメチルで置換したB3又は
B4から得られる。たとえば、化合物B3又はB4をジ
ョーンズ試薬で酸化して、ヒドロキシメチル置換基をカ
ルボン酸基に変換する。ジョーンズ試薬を用いる酸化
は、カルバペネムには適切でないかもしれず、そのた
め、最適には環を閉じる前に行なう。環を閉じる前に、
カルボン酸基を、室温において、有機溶媒中で、1−エ
チル−3−(3−ジメチル−アミノプロピル)カルボジ
イミド塩酸塩、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、及
びメタノールに連続して接触させることによりエステル
化する。置換エステルは、勿論メタノールを対応する置
換アルコールに代えることにより得ることができる。ま
た、上述したメチル置換B1−1又はB1−2は、三酸
化クロム又は nBu4NMn O4で酸化してカルボキシを形成
することができる。
【0048】ベンゾクマリン上の好ましいカルバモイル
への置換は、前記のようなジョーンズ試薬を用いて、ヒ
ドロキシメチル基を対応するカルボン酸基へと酸化する
ことにより、B3又はB4より得られる。このカルボン
酸置換基をさらに順番に塩酸1−エチル−3−(3−ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミド、1−ヒドロキ
シベンゾトリアゾール及びアンモニアと、室温で有機溶
媒中で接触させることにより、カルボキサミド基−CONH
2 に変える。アンモニアのかわりに対応する置換したア
ミンによって、置換したアミドが得られるのはもちろん
である。カルボキシルの置換とはちがって、このカルバ
モイル基は、カルバペネムの環化条件に対して保護を必
要としない。
【0049】又、今述べたタイプIIの好ましいRa で置
換した化合物を、フロー・シートCに示した合成を用い
て得ることができる。この場合、今述べた合成変換は、
ベンゾクマリン側鎖がカルバペネムに結合する以前に中
間体B1−1又はC3上で行なうか、あるいはその結合
の後にC4上で行なう。
【0050】さらに前記のものに加えて、タイプIIの適
当なRa には以下のものが含まれる。すなわち:
【0051】前記の製造方法において、カルバペネムの
3位のカルボキシル基と8位の水酸基は、最終生成物の
直前生成物が製造されるまで、保護基でブロックされた
ままである。適当な水酸基の保護基P′は以下のもので
ある。すなわち、トリアルキルシリル、アリール(アル
キル)アルコキシシリル、アルキルオキシジアリールシ
リル及びジアリールアルキルシリル等のシリル基、そし
て、アルキルオキシカルボニル、置換したアルキルオキ
シカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、置換したベ
ンジルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル及び
置換したアリルオキシカルボニル等の炭酸塩基である。
合成スキームで示したものに加えて、又はそれらを含め
た好ましい保護基は、t−ブチルメトキシフェニルシリ
ル、t−ブトシキジフェニルシリル、トリメチルシリ
ル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、o
−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジ
ルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、t−
ブチル−オキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエ
チルオキシカルボニル及びアリルオキシカルボニルであ
る。合成計画で示したものに加えて、又はそれらを含め
た適当なカルボキシル保護基Mは、後述する。
【0052】脱ブロックは従来のやり方で行なえる。フ
ロー・シートBに従がって製造した化合物に関しては、
脱保護に、2−エチルヘキサン酸カリウム及び2−エチ
ルヘキサン酸、あるいはまた、ピロリジン等の他の適当
な求核試薬を含んだ溶液中で、パラジウムを触媒とした
反応で行なう。別の方法としては、フロー・シートCに
よって製造した化合物に関しては、脱保護は、次の手順
で行なう。すなわち、化合物C4を、まずテトラヒドロ
フラン等の有機溶媒中で、0℃でないし室温で、数分か
ら数時間、酢酸又は稀釈HCl 等の水性酸性条件にさら
す。この結果得られた脱シリル化したカルバペネムを、
従来の技術で単離することもできるが、より簡単には、
そのまま最終的な脱保護工程に入る。すなわち、NaHCO3
又はKHCO3 等の無機塩基と10%Pd/C又は5%Ph/
Al2O3 のような触媒を加えた後に、水素添加すると、p
−ニトロベンジル保護基が除去されて、構造式Iの最終
的化合物が生成する。
【0053】前記の定義に関して、「アルキル」は、直
鎖又は分岐状脂肪族炭化水素ラジカルである。「ヘテロ
原子」は独立した基準で選択したN、S、又はOを意味
する。
【0054】本出願書で定義した「ヘテロアリール」
は、Rx 基に関して、特定の限定された意味を持ち、単
環だけを意味する。単環ヘテロアリールは、少なくとも
1個の窒素原子を持つ必要があり、任意に最大1個のさ
らなる酸素又は硫黄のヘテロ原子が存在してもよい。こ
のタイプのヘテロアリールは、ピロール及びピリジン
(N1個)、オキサゾール、チアゾール又はオキサジン
(N個と、OかS1個)である。第1の窒素及び、酸素
又は硫黄に加えてさらに窒素原子が存在して、たとえは
チアジアゾール(N2個とS1個)を成してもよいが、
好ましいヘテロアリールは、ヘテロ原子が2個以上のと
き1個だけ窒素ヘテロ原子が存在するものである。これ
らの代表的なものは、ピラゾール、イミダゾール、ピリ
ミジン及びピラジン(N2個)、及びトリアジン(N3
個)である。Rx のヘテロアリール基は常に、場合によ
り前記Rq によってモノ置換されており、置換は炭素原
子の1つまたはヘテロ原子の1つで行うことができる
が、後者の場合には、選択することが適当でない一定の
置換基がある。
【0055】本発明の具体的な化合物を表I及び表IIに
掲げる。
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【0056】本発明のカルバペネム化合物は、それ自体
で、そして薬剤用の塩やエステルの形態で、動物及びヒ
トの患者における微生物感染の治療に有用である。「薬
剤用のエステル又は塩」とは、医化学者には明らかであ
ろうが、無毒性で、前記化合物の薬物動態学的特性すな
わち、服用しやすく、吸収性、分配、代謝及び排泄に好
ましい結果のある、本発明の化合物の塩及びエステルの
形態を意味する。性格上より実際的で、また同様に選択
するのに重要な他の要素は、原料物質の費用、結晶化の
容易で、収率、安定性、吸湿性及び作った原薬剤の流動
性である。簡単には、薬剤混合物は、薬剤用担体と組み
合わせた活性成物から製造する。したがって、又、本発
明は、本発明の新規なカルバペネム化合物を活性成分と
して用いる薬剤用混合物及び微生物感染の治療方法にも
関れる。
【0057】前記の薬剤用の塩は−COOMの形態をとって
もよい。このMは、ナトリウム又はカリウム等のアルカ
リ金属カチオンでよい。Mに用いる他の薬剤用カチオン
は、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アンモニウム、
あるいはテトラメチルアンモニウム、テトラブチルアン
モニウム、コリン、トリエチルヒドロアンモニウム、メ
グルミン、トリエタノールヒドロアンモニウム等のアル
キルアンモニウムカチオンでもよい。
【0058】本発明の新規なカルバペネム化合物の薬剤
用エステルは医化学者には容易に明らかであるが、たと
えば、米国特許第4,309,438号、第9段落、6
1行目から第12段落51行目にくわしく述べられてい
るようなものを含み、ここにそれを引用することによっ
てその内容を本明細書に組み入れたものとする。このよ
うな薬剤用エステルに含まれるのは、ピバロイルオキシ
メチル、アセトキシメチル、フタリジル、インダニル及
びメトキシメチル等の生体条件下に加水分解するもの、
そして本出願書に引用されとり込まれている米国特許第
4,479,947号にくわしく述べられているもので
ある。
【0059】本発明の新規なカルバペネム化合物は、CO
OMの形をとり得るが、ここにMは、容易にとり除くこと
のできるカルボキシル保護基である。このような従来の
保護基は、前記合成過程中にカルボキシル基を保護して
ブロックするのに用いる既知のエステル基から成る。こ
れらの従来の保護基は容易にとりのぞける。つまり、そ
れらは、必要な場合には、分子の他の部分の切断やその
他の破壊を生じない工程によってとりのぞくことができ
る。そのような工程に含まれるのは、化学的及び酸素的
加水分解、穏やかな条件下での化学的還元剤又は酸化剤
処理、遷移金属触媒及び求核剤での処理、そして触媒的
水素添加である。大まかにいって、そのようなエステル
保護基には、アルキル、置換したアルキル、ベンジル、
置換したベンジル、アリール、置換したアリール、アリ
ル、置換したアリル及びトリオルガノシリルが含まれ
る。それらのエステル保護基の具体例には、ベンズヒド
リル、p−ニトロベンジル、2−ナフチルメチル、アリ
ル、2−クロロアリル、ベンジル、2,2,2−トリク
ロロエチル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシ
リル、t−ブチルジフェニルシリル、2−(トリメチル
シリル)エチル、フェナシル、p−メトキシベンジル、
アセトニル、o−ニトロベンジル、4−ピリジルメチル
及びt−ブチルが含まれる。
【0060】本発明の化合物は多種のグラム陽性菌と、
それよりはせまい範囲のグラム陰性菌に対して作用する
有用な抗菌剤であり、したがって、ヒト及び家畜の薬剤
として有用性がある。本発明の抗菌剤は、医薬としての
有用性に限定されず、あらゆる産業に用いることができ
る。たとえば、飼料の添加物として、飲料の保存に、殺
菌剤として、そして微生物の成長抑制が必要な他の産業
システムにおいて用いることができる。たとえば、これ
らを水性混合物中に0.1ないし100ppm の濃度で用
いて、医科及び歯科器具に有害な微生物が成長するのを
滅菌したり抑制することができ、そして殺菌剤として工
業的に適用して、たとえば、水性ペンキや製紙工場の白
水に用いて、有害な微生物の成長を抑制することができ
る。
【0061】本発明の化合物は、あらゆる種類の薬剤処
法で用いることができる。それらは、カプセル剤、末粉
の形態、溶液中、又は懸濁液中で用いることができる。
それらは種々の方法で投与できる。とりわけ重要な方法
には、(静脈内又は筋肉内)注射による局所又は非経口
投与が含まれる。
【0062】好ましい投薬経路である注射用の化合物
は、アンプル中の単位服用量の形態で、又はバイアルび
ん中に製造する。化合物は、懸濁剤、溶液、あるいは油
性又は水性賦形剤中のエマルジョン剤等の形態をとるこ
とができ、また処方用剤を含んでよい。別の方法として
は、活性成分を、投薬時に滅菌水等の適当な賦形剤で再
構成するための粉末の形態にしてもよい。局所への適用
は、軟膏、クリーム剤、外用水剤、塗布剤又は粉剤など
の疎水性又は親水性の基剤中に処法してよい。
【0063】投与する服用量は、大部分は治療を受ける
対象の状態や大きさ、また同様に投与経路、投与頻度、
全身の感染に対して好ましい注射による非経口投与経路
に左右される。しかし、このような問題は、抗微生物の
分野で周知の治療原則にしたがって治療者のルーチンの
判断にまかせられる。感染の性質や治療を受ける個体の
特殊な個性の他に、的確な投与量管理に影響する別のフ
ァクターは、選択した本発明の化合物のモル重量であ
る。
【0064】ヒトへ単位服用量の投薬をするための化合
物は、液体の場合にも固体の場合にも、0.1%ないし
99%の活性物質を含むが、好ましくは、約10〜60
%の範囲である。通常、化合物は約15mgから約150
0mgの活性成分を含むが、一般に、約250mgないし1
000mgの範囲の服用量を用いるのが好ましい。非経口
投与の際には、単位服用形態は通常、純粋な化合物Iの
滅菌水溶液又は、溶液とするための溶解性の粉末の形態
である。
【0065】構造式Iの抗菌剤化合物の好ましい投与方
法は、静脈内点滴静脈内ボーラス投与、又は筋肉内注射
による非経口投与である。
【0066】大人には、体重1kgあたり5〜50mgの構
造式Iの抗菌剤化合物を、一日に2、3又は4回与える
のが好ましい。好ましい服用は250mgないし1000
mgの構造式Iの抗菌剤を、一日あたり2回で(b.i.d.)
、3回で(t.i.d.) 又は4回で(q.i.d.) 与えること
である。さらに具体的には、軽度の感染に対してはt.i.
d.又はq.i.d.で250mgの服用量が好ましい。非常に感
受性のあるグラム陽性生物に対する中程度の感染に関し
ては、t.i.d.又はq.i.d.で500mgの服用量が好まし
い。生物に対する重度で生命をおびやかす感染に関して
は、抗生物質に対する感受性の上限で、t.i.d.又はq.i.
d.で1000mgの服用量が好ましい。
【0067】子供には、体重1kgあたり5〜25mgの服
用量を一日あたり2、3又は4回与えるのが好ましい
が、通常、t.i.d.又はq.i.d.で10mg/kgの服用が望ま
しい。
【0068】構造式Iの抗菌剤化合物は、カルバペネム
又は1−カルバデチアペネムとして知られる広範囲の類
に属する。天然のカルバペネムは、デヒドロペプチダー
ゼ(DHP)として知られる腎の酵素の攻撃に弱い。こ
の攻撃、又は分解が、カルバペネム抗菌剤の効果を減ず
ることもあるだろう。それに対して、本発明の化合物
は、このような攻撃に非常にさらされることが少なく、
したがって、DHP抑制物質の使用を必要としない。し
かし、抑制物質の使用は任意であるから、これは本発明
の一部と考えられる。DHP抑制物質及びそれらのカル
バペネム抗菌剤との使用については、従来より説明され
ている(ヨーロッパ特許出願第79102616.4、
1979年7月24日出願(特許第0.007614
号);及び第82107174.3、1982年8月9
日出願(公告第0072014号)を参照)。
【0069】本発明の化合物は、DHP抑制物質が望ま
しいか必要な場合には、前記の特許及び公開出願書が説
明する適当なDHF抑制物質と組み合わせるか、又は併
用してよい。したがって、引用したヨーロッパ特許出願
が、1)本発明のカルバペネムのDHF感受性の決定方
法を定義し、そして2)適切な抑制物質、組み合わせた
混合物及び治療方法を説明する、このかぎりにおいて、
それらはをここに引用することにより、その内容を本明
細書に組み入れたものとする。組み合わせた混合物中
の、構造式Iの化合物とDHP抑制物質の質量比の好ま
しい一例は、約1:1である。好ましいDHF抑制物質
は、7−(L−2−アミノ−2−カルボキシエチルチ
オ)−2−(2,2,−ジメチルシクロプロパンカルボ
キサミド)−2−ヘプテン酸又はその有用な塩である。
【0070】構造式Iのベンゾクマリン環は本文中およ
び特許請求項中において慣用的な様式にそってナンバリ
ングしていない。本実施例において、この環の慣用的な
ナンバリングは以下の構造式に記載してある通りであ
る。
【化32】
【0071】実施例1
【化33】
【0072】乾燥THF(103mL)に溶解した
(7.0g、27.3mmol)の溶液に攪拌しながら、−
78℃にて窒素置換下クロロトリメチルシラン(10.
4mL、81.9mmol、3.0当量)を添加した。tert−
ブチルリチウム(23.1mL、30mmol、1.1当量)
を45分間かけて−78℃にて滴下した。反応溶液を氷
浴中で0℃まで暖め、その後飽和塩化アンモニウム溶液
(25mL)で反応を終了させた。THFを減圧留去し、
反応混合物をエーテル(400mL)に注ぎ、水、飽和炭
酸水素ナトリウム溶液(2×50mL)、水、食塩水の順
で洗浄した。エーテル層を乾燥し(MgSO4)、濾過後、減
圧乾固した。フラッシュクロマトグラフィー(20% E
tOAc/ヘキサン)にて精製し、5.7g(87%)のア
リールシランを白色固体として得た。 1H−NMR〔400MHz 、CDCl3 、回転異性
体〕:δ 0.24(s, 9H)、1.08(ブロードs 、3H) 、1.21
(ブロードs 、3H) 、3.24(ブロードs 、2H) 、3.51
(ブロードs 、2H) 、7.30(d、J=8.1 Hz、2H) 、7.50
(d、J=8.1 Hz、2H) IR(CHCl3) : 3010、1615 cm-1
【0073】実施例2
【化34】
【0074】乾燥THF(100ml)に溶解したN,
N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン(2.
7mL、17.6mmol、1.1当量)溶液に−78℃、窒
素置換下、セカンダリーブチルリチウム(13.0mL、
16.8mmol、1.05当量)を攪拌しながら滴下し
た。15分後、黄色の混合物を乾燥THF(40ml)に
溶解した(4.0g、16.0mmol)の溶液で処理
し、できた赤色混合物を1時間、−78℃にて攪拌し
た。ホウ酸トリメチル(2.0mL、17.6mmol、1.
1当量)を滴下した。反応容器を氷浴中で0℃まで暖
め、5分間攪拌した。緑色の反応混合物を8%HCl
(60mL)で反応停止し、10分間攪拌し、有機層を減
圧濃縮した。混合物をエーテルに注ぎ、エーテル層を水
(2X)、食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過後、
減圧濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(5:
3:1 EtOAc/アセトン/水)で精製することにより、
3.77g(80%)のボロン酸(boronic acid)
白色泡状物質として得た。 1H−NMR〔200MHz 、CDCl3 、回転異性
体〕:δ 0.27(s, 9H)、0.88から1.16(m、6H) 、3.27か
ら3.36(m、4H) 、7.28(d、J=6.4 Hz、1H) 、7.52(d、J=
7.6 Hz、1H) 、8.15(s, 1H) 。 IR(CHCl3) : 2960、1615、1601 cm-1
【0075】実施例3
【化35】
【0076】乾燥THF(30mL)に溶解したブロモヒ
ドロキシ安息香酸(1.0g、4.6mmol)溶液に0
℃、窒素置換下THF・BH3 (13.8mL、13.8
mmol、3.0当量)を滴下した。添加が完全に完了した
ら、氷浴を取り去り、溶液を30分間還流加熱した。反
応容器を0℃に冷却し、トリエチルアミン(1mL)を含
むMeOH(30mL)で反応を停止した。溶媒を減圧留去し
た。残渣をMeOHに溶解し、MeOHを減圧留去した(3
X)。残った固体をピリジン(10mL)に溶解し、無水
酢酸(10mL)で処理した。室温にて1時間攪拌した
後、反応容器中の内容物をEt2Oに注ぎ、2N HCl 溶
液(2X)、水(1X)、2N HCl (2X)、およ
び食塩水で洗浄した。エーテル層を乾燥し(MgSO4)、濾
過後、減圧乾固した。油状残渣を溶離液として EtOAc/
ヘキサン(20%)を用いたシリカゲルカラムクロマト
グラフィーを行い、1.32g(定量的収率)のビス酢
酸塩を得た。 1H−NMR〔400MHz 、CDCl3 〕:
δ 2.09(s 、3H) 、2.34(s、3H) 、5.04(s、2H) 、7.08
-7.14(m 、2H) 、7.57(d、J=8.0 Hz、1H) 。
【0077】実施例4
【化36】
【0078】トルエン(5.0mL)に溶解したボロン酸
(200.0mg;0.68mmol)にテトラキス(トリ
フェニルホスフィン)パラジウム(0)(23.0mg;
3mol %)、Na2CO3(680μl;1.36mmol;2.
0当量)、およびエタノール(2.0mL)に溶解したア
リールブロミド(196.0mg;0.68mmol;1.
0当量)を添加した。不均一混合物を60分間、窒素置
換下、還流加熱した。反応混合物をEt2Oに注ぎ、水(3
X)、食塩水(2X)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過
後、溶媒を減圧留去した。フラッシュクロマトグラフィ
ー(40% EtOAc/ヘキサン)により精製し、147.
0mg(47%)のビフェニルを得た。1 H−NMR〔400MHz 、CDCl3 、回転異性体〕:δ
0.24(s, 9H)、0.75(t、J=6.5 Hz、3H) 、0.85(t、J=6.5
Hz、3H) 、2.04(s, 3H) 、2.08(s, 3H) 、2.60-3.10
(ブロード、3H) 、3.55-3.85(b 、1H) 、5.08(s、2H)
、7.13(s、1H) 、7.20(d、J=8.0 Hz、1H) 、7.33(d、J
=6.4 Hz、1H) 、7.39(s、1H) 、7.41-7.48(ブロード、1
H) 、7.52(d、J=6.4 Hz、1H) 。
【0079】実施例5
【化37】
【0080】ジクロロメタン(1mL)に溶解したビフェ
ニル(98.0mg;0.215mmol)に室温にてジク
ロロメタンに溶解したICl (2.15mL;2.15mm
ol;10.0当量)をゆっくりと滴下した。反応混合物
を1晩攪拌した。次の朝反応混合物をEt2Oに注ぎ、飽和
チオ硫酸ナトリウム溶液、水、および食塩水で洗浄し
た。エーテル層を乾燥(MgSO4)し、濾過後、溶媒を減圧
留去し、110mgのヨウ化物を得た。1 H−NMR〔200MHz 、CDCl3 、回転異性体〕:δ
0.70-0.91(m、6H) 、2.10(s, 3H) 、2.15(s, 3H) 、2.6
0-3.10(ブロード、3H) 、3.30-3.80(ブロード、1H) 、
5.10(s、2H) 、7.10-7.29(コンプレックスm 、3H) 、7.
42(d、J=7.2 Hz、1H) 、7.67(s、1H) 、7.78(d、J=7.6
Hz、1H) 。
【0081】実施例6
【化38】
【0082】MeOH(8mL)に溶解したヨウ化物(10
9.0mg、0.215mmol)の攪拌した溶液に25重量
% NaOMe(250μl、1.15mmol、5.3当量)を
添加した。の消費をシリカゲルTLC(50% EtOAc
/ヘキサン)で確認した後、反応混合物をEt2Oに注ぎ、
飽和 NH4Cl溶液、水、食塩水の順に洗浄した。乾燥(Mg
SO4)後、濾過し、溶媒を減圧留去し、粗残渣をトルエン
(10mL)に懸濁し、触媒量のパラトルエンスルホン酸
存在下、還流加熱した。中間体であるジオールの消費を
シリカゲルTLC(50% EtOAc/ヘキサン)で確認し
た後、反応混合物をEt2Oに注ぎ、飽和 NaHCO3 、水、食
塩水の順に洗浄した。乾燥(MgSO4)し、濾過後、溶媒を
減圧留去し75.7mg(定量的収率)のベンゾクマリン
を白色固体として得た。1 H−NMR〔400MHz 、D6 DMSO 〕:δ 4.18(s 、2
H) 、6.88(m、2H) 、7.53(m, 2H) 、7.85(m, 1H) 、8.3
5(s、1H) 。
【0083】実施例7
【化39】
【0084】トルエン(25mL)に溶解したヨウ化物
(510.0mg、1.45mmol)にテトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)−パラジウム(0)(84.0mg、
0.0725mmol、5mol %)、トリフェニルホスフィ
ン(11.0mg、0.044mmol、3mol %)およびヘ
キサメチルジチン(327.6mg、1.59mmol、1.
1当量)を添加した。窒素置換下還流加熱する前に、窒
素を約5分間バブリングした。ヨウ化物の消費をシリ
カゲルTLC(50% EtOAc/ヘキサン)で確認した
後、反応混合物をEt2Oに注ぎ、飽和 NaHCO3(2X)、水
(1X)および食塩水(1X)で洗浄した。有機層を乾
燥(MgSO4)し、濾過後、減圧濃縮することにより、黄褐
色の固体を得、これは EtOAc/ヘキサン溶液からくり返
し沈澱し、458mg(81%)の黄褐色固体スタナン
を得た。1 H−NMR〔400MHz 、D6アセトン〕:δ 0.41(s
、9H) 、4.75(s、2H) 、7.36-7.39(m, 2H)、7.82(d、J
=7.6 Hz、1H) 、8.22(d、J=7.6 Hz、1H) 、8.34(d、J=
8.0 Hz、1H) 、8.55(s、1H) 。
【0085】実施例8
【化40】
【0086】乾燥THF(2.0mL)に溶解した2環状
βケトエステル(134.6mg、0.386mmol)の
攪拌溶液に−78℃、窒素置換下ジイソプロピルアミン
(60.0μL 、0.43mmol、1.1当量)を添加し
た。生成した黄色混合溶液を10分間攪拌した後、無水
トリフルオロメタンスルホン酸(71.0μL 、0.4
3mmol、1.1当量)を添加した。15分後、トリエチ
ルアミン(60μL 、0.43mmol、1.1当量)、次
にトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホンネート
(82.0μL 、0.43mmol、1.1当量)を添加
し、反応混合溶液を20分間攪拌した。反応混合液を無
水N−メチルピロリジノン(2.0mL)、Pd2(dba)3
CHCl3触媒(8.0mg、2.0mol %) 、アリールスタ
ナン(100.0mg、0.257mmol、0.66当
量)、塩化亜鉛(0.19mL、0.257mmol、0.6
6当量)で順に処理した。低温浴を取り除き、反応容器
を温浴中に移し、直ちに室温にした。溶液を15分間、
その温度にて攪拌した。反応物をエーテルに注ぎ、飽和
炭酸水素ナトリウム、水、食塩水で洗浄した。有機層を
乾燥(MgSO4)し、濾過後、減圧濃縮した。フラッシュク
ロマトグラフィー(65% EtOAc/ヘキサン)で精製す
ることにより、146mg(90%)の縮合物10を得
た。1 H−NMR〔400MHz 、CDCl3 〕:δ 0.14(s, 9
H)、1.29(d、J=6.2 Hz、3H) 、2.34(t、J=6.0 Hz、1H)
、3.25-3.34(コンプレックスm 、2H) 、3.41(1/2 AB
X、 JAB=18.5 Hz、 JAX=8.9 Hz 、1H) 、4.23-4.29(m
、1H) 、4.35(dt 、J=10.0, 3.0 Hz、1H) 、4.74(d、J
=5.8 Hz、2H) 、5.22(ABq、 JAB=13.5 Hz、ΔυAB=69.8
Hz、2H) 、7.23(d、J=8.0 Hz、1H) 、7.28(s、1H) 、
7.40(d、J=8.8 Hz、2H) 、7.44(dd 、J=8.3, 1.6 Hz 、
1H) 、7.74(d、J=8.2 Hz、1H) 、7.95(d、J=1.5 Hz、1
H) 、7.99(d、J=8.7 Hz、2H) 、8.27(d、J=8.3 Hz、1H)
。 IR(CHCl3) : 3640-3580 、3020、2960、1780、1730、16
10、1540 cm-1。 UV(CH3CN) λ=322 nm 、ε=13,500; λ=305 nm 、ε=1
6,900 。
【0087】実施例9
【化41】
【0088】THF/H2O (9mL、2:1)に溶解した
10(66.0mg、0.105mmol)の攪拌溶液に0℃
にてEt2Oに溶解したHCl (52.0μL 、0.052
mmol、0.5当量)を添加した。0℃にて10分間放置
した後、飽和 NaHCO3(210μL 、0.21mmol、2.
0当量)、次に10%Pd/C(6.6mg、10重量
%)を添加した。氷浴を取り除き、反応容器を風船を用
いてH2 置換した。45分後、H2 を窒素に置換し、更
に攪拌を15分間行った。反応混合物を水を溶離液とし
たセライトカラムにて濾過した。THFを減圧留去し、
残った水を0℃にて凍結除去した。生成した固体を逆相
調製薄層クロマトグラフィー(6:1 H2O/CH3CN)によ
り精製し、35.7mg(76.6%)のカルバペネム
を得た。1 H−NMR〔400MHz 、 D2O/CD3CN(2:1)〕:
δ 1.61(d 、J=6.5 Hz、3H) 、3.50(1/2 ABX、 JAB =1
6.5 Hz 、 JAX=9.8 Hz 、1H) 、3.81-3.88(コンプレッ
クスm 、2H) 、4.51-4.57(m 、1H) 、4.65(dt 、J=9.7,
3.2 Hz 、1H) 、5.02(s、3H) 、7.67(s、1H) 、7.71
(d、J=8.3 Hz、1H) 、7.92(d、J=8.3 Hz、1H)、8.46
(d、J=8.2 Hz、1H) 、8.48-8.51(m 、2H) 。 IR(KBr) : 1755、1715、1610 cm-1。 UV(MOPS 緩衝液) λ=330 nm 、ε=14,700;λext =340 n
m 、εext =10,500 。
【0089】実施例10
【化42】
【0090】乾燥ジクロロメタン(1.0mL)に溶解し
10(33.0mg、0.0526mmol)、N−メチル
モルホリン−N−オキシド(9.2mg、0.0788mm
ol、1.5当量)、および粉状4Åモルキュラーシーブ
(26.0mg、500mg/mmol)の攪拌溶液を、室温、
窒素置換下にて過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニ
ウム(1.0mg、5.0mol %)で処理した。20分後
更に“TPAP”0.5mgを反応を完全に進行させるた
めに添加した。反応混合液を更に5分間攪拌した後、生
成した黒色混合物を70% EtOAc/ヘキサンを溶離液と
したシリカゲルのショートカラムを用いて濾過した。濾
液を減圧濃縮することにより21.0mg(64%)のア
ルデヒド12を得た。1 H−NMR〔400MHz 、CDCl3 〕:δ 0.14(s, 9
H)、1.29(d、J=6.3 Hz、3H) 、3.27-3.36(コンプレック
スm 、2H) 、3.43(1/2 ABX、 JAB=18.3 Hz、 JAX=8.7 H
z 、1H) 、4.24-4.30(m 、1H) 、4.37(dt 、J=10.0, 2.
8 Hz、1H) 、5.28(ABq、 JAB=14.2 Hz、ΔυAB=68.1 H
z、2H) 、7.50(d、J=8.6 Hz、2H) 、7.58(dd、J=8.3,
1.5 Hz 、1H) 、7.80-7.83(m 、2H) 、8.04-8.11(m 、3
H) 、8.18(s、1H) 、8.37(d、J=8.4 Hz、1H) 、10.05(s
、1H) 。 IR(CHCl3) : 3030、1785、1740、1705、1610、1525 cm
-1。 UV(CH3CN) λ=320 nm 、ε=20,400; λ=291 nm 、ε=2
6,500 。
【0091】実施例11
【化43】
【0092】化合物10にて記載した通常の脱保護手順
を利用して12から4.6mg(30%)のカルバペネム
13を得た。1 H−NMR〔400MHz 、2:1 D2O/CD3CN 〕:δ 1.
64(d 、J=6.3 Hz、3H)、3.54(1/2 ABX、 JAB =16.5 Hz
、 JAX=9.9 Hz 、1H) 、3.85-3.92(コンプレックスm
、2H) 、4.53-4.60(m 、1H) 、4.66-4.72(m 、1H) 、
8.07(d、J=8.1 Hz、1H) 、8.23(d、J=1.4 Hz、1H) 、8.
29(d、J=8.1 Hz、1H) 、8.59(d、J=8.4 Hz、1H) 、8.64
(s、1H) 、8.74(d、J=8.1 Hz、1H) 、10.37(s 、1H) 。 IR(KBr) : 1730、1695、1610 cm-1。 UV(MOPS 緩衝液) λ=302 nm 、ε=18,000;λext =315 n
m 、εext =8,500。
【0093】実施例12
【化44】
【0094】無水ピリジン(1.0mL)に溶解したアル
コール(100.0mg、0.257mmol)の攪拌溶液
に無水ピリシン(1.0mL)に溶解した nBu4NMO4(12
3.0mg、0.342mmol、1.33当量)の溶液を滴
下した。15分後、反応混合液をEt2Oに注ぎ、NaHCO3
液、1N HCl 溶液、水、食塩水で順に洗浄した。エ
ーテル層を乾燥(MgSO4)し、濾過し、減圧濃縮すること
により粗製の酸を得た。これを分離しないでTHF
(6.5mL)およびCH3CN(1.5mL)に溶解し、1−
(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジ
イミド塩酸塩(98.5mg、0.514mmol、2当
量)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(10
4.2mg、0.771mmol、3当量)、およびアンモニ
アエタノール溶液(500μL 、1.28mmol、5当
量)で順に処理した。生成したミルク状の白色溶液を約
1時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウムで反応停止し
た。THFおよびCH3CN を減圧留去した後、残渣をEt2O
に注ぎ、水、食塩水で洗浄した。エーテル層を乾燥(Mg
SO4)し、濾過し、減圧濃縮した。再結晶化によって2
5.0mgの14の純物質を得た。母液をフラッシュクロ
マトグラフィー(100% EtOAc/ヘキサン)で精製す
ることにより、更に22.0mgの14を得た。合計収率
は45%であった。1 H−NMR〔200MHz 、CDCl3 〕:δ 0.43(s 、9H)
、5.70-6.30(ブロード、2H) 、7.75-7.90(コンプレッ
クスm 、3H) 、8.20(d、J=8.3 Hz、1H) 、8.27(s、1H)
、8.32(d、J=7.7 Hz、1H) 。 IR(CHCl3) : 3520、3420、3020、2920、1730、1680、16
00 cm-1
【0095】実施例13
【化45】
【0096】化合物15(50.0mg、収率70%)
を、スタナンの代りにスタナン14を用いたことを除
いて化合物10調製において記載した通常のカップリン
グ手順に従って調製した。1 H−NMR〔300MHz 、CDCl3 〕:δ 0.14(s 、9H)
、1.30(d、J=6.2 Hz、3H) 、3.25-3.37(コンプレック
スm 、2H) 、3.45(1/2 ABX、 JAB =18.5 Hz 、 JAX=8.9
Hz 、1H) 、4.23-4.32(m 、1H) 、4.37(dt 、J=9.9,
2.8 Hz 、1H) 、5.25(ABq、 JAB=13.6 Hz、ΔυAB=49.8
Hz、2H) 、5.85-6.10(ブロード、1H) 、6.35-6.60(ブ
ロード、1H) 、7.45(d、J=8.8 Hz、1H) 、7.52(dd 、J=
8.2, 1.5 Hz、1H) 、7.71-7.74(m 、2H) 、7.89(d、J=
8.2 Hz、1H) 、8.03-8.07(m 、3H) 、8.29(d、J=8.2 H
z、1H) 。 IR(CHCl3) : 3520、3420、3020、2960、1780、1730、16
80、1610 cm-1。 UV(CH3CN) λ=310 nm 、ε=17,400 。
【0097】実施例14
【化46】
【0098】化合物10において記載した通常の脱保護
化手順を利用して15(25.0mg、0.039mmol)
から12.5mg(70%)のカルバペネム16を得た。1 H−NMR〔400MHz 、2:1 D2O/CD3CN 〕:δ 1.
62(d 、J=6.5 Hz、3H)、3.52(1/2 ABX、 JAB =15.7 Hz
、 JAX=9.1 Hz 、1H) 、3.83-3.90(コンプレックスm
、2H) 、4.54-4.56(m 、1H) 、4.67(t、J=8.0 Hz、1H)
、8.01(d、J=8.2Hz、1H) 、8.13(s、1H) 、8.16(d、J=
8.4 Hz、1H) 、8.54-8.58(m 、2H) 、8.61(d、J=8.4 H
z、1H) 。 IR(KBr) : 1725、1670、1600 cm-1。 UV(MOPS 緩衝液) λ=308 nm 、ε=15,400 ; λext =342
nm 、εext =9,400。
【0099】実施例15
【化47】
【0100】ピリジン(5mL)に溶解したオルトブロモ
フェノール(500mg、2.89mmol)に無水酢酸(5
mL)を添加した。出発物質の消費をシリカゲルTLCに
て確認した後、溶媒を減圧留去し621.0mg(当量的
収率)のアリールブロミド17を得た。1 H−NMR〔200MHz 、CDCl3 〕:δ 2.35(s 、3H)
、7.08-7.18(m 、2H)、7.25-7.40(m 、1H) 、7.58-7.6
5(m 、1H) 。
【0101】実施例16
【化48】
【0102】化合物の調製において記載したSuzukiの
方法によって(70.0mg、0.24mmol)および
(51.0mg、0.24mmol)から44.0mg(48
%)のビフェニル18を得た。1 H−NMR〔200MHz 、CDCl3 、回転異性体〕:δ
0.28(s 、9H) 、0.72-0.80(コンプレックスm 、6H) 、
2.09(s 、3H) 、2.60-3.90(ブロード、4H) 、7.13-7.60
(コンプレックスm 、7H) 。 IR(CHCl3) : 3000、2860、2800、1760、1740、1610 cm
-1
【0103】実施例17
【化49】
【0104】MeOH(5mL)に溶解したビフェニル18
(161mg、0.42mmol)の攪拌溶液に25重量%の
NaOMe溶液(9.0μL 、0.042mmol、10mol
%)を添加した。約1時間後、トルエン(15mL)、次
にTsOH・H2O(16.0mg、0.084mmol、20mol
%)を添加した。反応混合液を Dean-Stark 装置で20
分間還流加熱した。反応混合液をEt2Oに注ぎ、飽和炭酸
水素ナトリウム(3X)、食塩水(2X)で洗浄し、乾
燥(MgSO4)後、濾過し、溶媒を減圧留去した。フラッシ
ュクロマトグラフィー(15% EtOAc/ヘキサン)によ
り71.5mg(63%)のベンゾクマリン19を白色結
晶性固体として得た。1 H−NMR〔200MHz 、CDCl3 〕:δ 0.39(s 、9H)
、7.31-7.52(コンプレックスm 、3H) 、 7.73(d 、J=
8.7 Hz、1H) 、8.14(d、J=8.0 Hz、1H) 、8.27(s、1H)
、8.35(d、J=7.7 Hz、1H) 。 IR(CHCl3) : 3010、2980、1728、1600 cm-1
【0105】実施例18
【化50】
【0106】CH2Cl2(1mL)に溶解した19(71.5
mg、0.266mmol)の攪拌溶液にCH2Cl2に溶解したI
Cl 溶液(1.33mL、1.3mmol、5.0当量)を1
時間かけて添加した。完全に添加が終了したら、反応混
合液をEt2Oに注ぎ、Na2S2O4水溶液、水、食塩水で洗浄
した。エーテル層をMgSO4 で乾燥し、濾過し、溶媒を減
圧留去することにより85.6mg(当量的収率)のヨウ
化物20を得た。1 H−NMR〔200MHz 、CDCl3 〕:δ 7.32-7.40
(m、2H) 、7.48-7.56(m 、1H) 、7.92(d、J=8.5 Hz、1
H) 、8.05(d、J=8.2 Hz、1H) 、8.09(d、J=8.4 Hz、1H)
、8.50(s、1H) 。 IR(CHCl3) : 3010、1730、1600 cm-1
【0107】実施例19
【化51】
【0108】ヨウ化物20(87.0mg、0.266mm
ol)を乾燥トルエン(10mL)に溶解した。テトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(15m
g、5mol %) 、次にトリフェニルホスフィン(2mg、
3mol %) およびヘキサメチルジチン(96.0mg、
0.29mmol、1.1当量)を添加した。窒素を溶液に
5分間バブリングした後、反応混合液を窒素置換下、還
流加熱した。反応が完全に終了してから(TLC)、混
合液をEt2Oに注ぎ、飽和 NaHCO3 、水、食塩水で洗浄し
た。エーテル層を乾燥(MgSO4)後、濾過し、溶媒を減圧
留去した。フラッシュクロマトグラフィー(5% EtOAc
/ヘキサン)で精製することにより、71mg(74%)
のスタナン21を得た。1 H−NMR〔200MHz 、CDCl3 〕:δ 0.42(s 、9H)
、7.31-7.53(コンプレックスm 、3H) 、 7.73(d 、J=
7.8 Hz、1H) 、8.13(d、J=7.8 Hz、1H) 、8.26(s、1H)
、8.32(d、J=7.8 Hz、1H) 。 IR(CHCl3) : 3020、2980、2920、1725、1600 cm-1
【0109】実施例20
【化52】
【0110】(103.0mg、0.30mmol)および
スタナン21(71.0mg、0.2mmol、0.66当
量)から化合物10の調製において記載した通常のクロ
スカップリング手順に従って82.0mg(69%)の
を得た。1 H−NMR〔400MHz 、CDCl3 〕:δ 0.14(s 、9H)
、1.30(d、J=6.1 Hz、3H) 、3.26-3.33(コンプレック
スm 、2H) 、3.41(1/2 ABX、 JAB =18.3 Hz 、 JAX=8.8
Hz 、1H) 、4.25-4.28(m 、1H) 、4.33-4.38(dt、J=9.
8, 2.8 Hz 、1H)、5.24(ABq、 JAB=13.5 Hz、ΔυAB=6
4.0 Hz、2H) 、7.26-7.35(m 、2H) 、7.43-7.87(m 、3
H) 、7.87(d、J=6.6 Hz、1H) 、8.04-8.07(m 、2H) 、
8.33(d、J=8.4 Hz、1H) 。 IR(CHCl3) : 3020、2960、1760、1730、1610、1520 cm
-1
【0111】実施例21
【化53】
【0112】化合物11の調製において記載した通常の
脱保護化手順により、22(41.0mg、0.068mm
ol)から4.4mg(15%)のカルバペネム23を得
た。1 H−NMR〔400MHz 、2:1 D2O/CD3CN 〕:δ 1.
60(d 、J=6.3 Hz、3H)、3.51(1/2 ABX、 JAB =16.8 Hz
、 JAX=10.0 Hz、1H) 、3.81-3.90(コンプレックスm
、2H) 、4.52-4.56(m 、1H) 、4.65(t、J=8.0 Hz、1H)
、7.74(d、J=8.1Hz、1H) 、7.78-7.80(m 、2H) 、7.89
-7.98(m 、2H) 、8.54-8.56(m 、3H) 。 IR(KBr) : 1780-1720(ブロード) 、1610 cm-1。 UV(MOPS 緩衝液) λ=328 nm 、ε=10,500 ; λext =338
nm 、εext =7,100。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マーク エル.グリーンリー アメリカ合衆国,07065 ニュージャーシ ィ,ローウェイ,キャンベル ストリート 1470,ナンバーピービ−1 (72)発明者 トマス エー.ラノ アメリカ合衆国,08876 ニュージャーシ ィ.ソマーヴィル,カスケード テラス 34

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式の化合物 【化1】 〔式中、 RはHまたは CH3であり;Xh はOまたはSであり;R
    1 及びR2 は独立的にH、 CH3−、CH3CH2−、(CH3)2CH
    −、 HOCH2−、CH3CH(OH) −、(CH3)2C(OH) −、FCH2CH
    (OH)−、F2CHCH(OH)−、F3CCH(OH) −、CH3CH(F)−、CH
    3CF2−、または(CH3)2C(F)−であり;Ra は水素および
    以下に列挙する基から成る群より独立的に選ばれる、た
    だし4個より多くないRa 基は水素以外の基である: a)トリフルオロメチル基:−CF3 ; b)ハロゲン原子:−Br、−Cl、−Fまたは−I c)C1 〜C4 アルコキシ基:−OC1-4 アルキル(ここ
    において、アルキルは、所望によっては、Rq によって
    モノ置換される)、 ここにおいて、 Rq は−OH、−OCH3、−CN、−C(O)NH2 、−OC(O)NH2
    CHO 、−OC(O)N(CH3)2、−SO2NH2、−SO2N(CH3)2、−SO
    CH3 、−SO2CH3、−F、−CF3 、−COOMa (ここにおい
    て、Ma は水素、アルカリ金属、メチルまたはフェニル
    である)、テトラゾリル(ここにおいて、結合個所はテ
    トラゾール環の炭素原子であり、窒素原子の1個は上記
    に定義されたようにMa によってモノ置換されている)
    および−SO3Mb (ここにおいて、Mb は水素またはアル
    カリ金属である)より成る群から選ばれる一員であり; d)ヒドロキシル基:−OH; e)カルボニロキシル基:−O(C=O)R s 、ここにおいて
    s はC1 〜C4 アルキルまたはフェニルであり、その
    おのおのは、場合によっては上記に定義したようにRq
    によってモノ置換されるか、または−Fによって三置換
    される; f)カルバモイルオキシ基:−O(C=O)N(Ry )Rz 、ここ
    においてRy およびRz は独立的にH、C1 〜C4 アル
    キル(場合によっては上記に定義したようなRq によっ
    てモノ置換される)であり、3−員〜5−員のアルキリ
    デン基と一緒に環(場合によっては上記に定義したよう
    なRq によって置換される)環を形成し、または−O
    −、−S−、−S(O)−または−S(O)2 −によって、分断
    された2−員〜4−員のアルキリデン基と一緒に環(但
    し、環は場合によっては上記に定義したようなRq によ
    ってモノ置換される)を形成し; g)スルフル基:−S(O)n −Rs 、ここにおいて、nは
    0〜2、Rs は上記に定義されている; h)スルファモイル基:−SO2N(Ry )Rz 、ここにおい
    て、Ry およびRz は上記に定義された通りであり; i)アジド:N3 j)ホルムアミド基:−N(Rt )(C=0)H 、ここにおいて
    t はHまたはC1 〜C4 アルキルであり、そのアルキ
    ルは場合によっては上記に定義したようなRq によって
    モノ置換され; k)(C1 〜C4 アルキル)カルボニルアミノ基:−N
    (Rt )(C=O)C1 〜C4 アルキル、ここにおいて、Rt
    は上記に定義した通りであり、またアルキル基は、場合
    によっては、上記に定義したようなRq によってモノ置
    換され; l)(C1 〜C4 アルキル)カルボニルアミノ基:−N
    (Rt )(C=O)O C1 〜C4 アルキル、ここにおいて、R
    t は上記に定義した通りであり、またアルキル基は、場
    合によっては、上記に定義したようなRq によってモノ
    置換され; m)ウレイド基:−N(Rt ) (C=O)N(Ry )Rz 、ここにお
    いてRt 、Ry およびRz は上記に定義した通りであ
    り; n)スルホンアミド基:−N(Rt )SO2s 、ここにおい
    てR3 およびRt は上記に定義した通りであり; o)シアノ基:−CN; p)ホルミルまたはアセタール化ホルミル基:−(C=O)H
    または−CH(OCH3)2; q)カルボニルがアセタール化されている(C1 〜C4
    アルキル)カルボニル基:−C(OCH3)21 〜C4 アルキ
    ル、ここにおいてアルキルは、場合によっては、上記に
    定義したようなRq によってモノ置換され; r)カルボニル基:−(C=O)Rs 、ここでRs は上記に定
    義した通りであり; s)場合によっては酸素または炭素原子がC1 〜C4
    ルキル基によって置換されているヒドロキシイミノメチ
    ル基:−(C=NORz )Ry 、ここにおいてRy およびR
    z は、それらが一緒に結合して環を形成できないこと以
    外は、上記に定義した通りであり; t)(C1 〜C4 アルコキシ)カルボニル基:−(C=O)O
    1 〜C4 アルキル、ここにおいてアルキルは、場合に
    よっては、上記に定義したようなRq によってモノ置換
    され; u)カルバモイル基:−(C=O)N(Ry )Rz 、ここにおいて
    y およびRz は上記に定義した通りであり; v)窒素原子がさらにC1 〜C4 アルキル基により置換
    されることができるN−ヒドロキシカルバモイルまたは
    N(C1 〜C4 アルコキシ)カルバモイル基:−(C=O)-
    N(ORy )Rz 、ここにおいてRy およびRz は、それらが
    一緒に結合して環を形成できないこと以外は、上記に定
    義した通りであり; w)チオカルバモイル基:−(C=S)N(Ry )Rz 、ここにお
    いてRy およびRzは上記に定義した通りであり; x)カルボキシル:−COOMb 、ここにおいてMb は上記
    に定義した通りであり; y)チオシアネート:−SCN ; z)トリフルオロメチルチオ:−SCF3; aa) テトラゾリル、ここにおいて結合個所はテトラゾー
    ル環の炭素原子であり、窒素原子の1個は水素、アルカ
    リ金属または場合によっては上記に定義したようなRq
    によって置換されたC1 〜C4 アルキルによってモノ置
    換され; ab) ホスホノ〔P=O(OMb )2] ;アルキルホスホノ{P=O
    (OMb )-〔0(C1 〜C4 アルキル) 〕}; アルキルホス
    フィニル〔P=O(OMb )-(C1 〜C4 アルキル)〕;ホス
    ホルアミド〔P=O(OMb )N(Ry )Rz および P=O(OM b )NHR
    x 〕;スルフィノ(SO2Mb ) ;スルホ(SO3Mb ) ;構造
    CONM6 SO2Rx 、CONMb SO2N(Ry )Rz 、SO2NM b CON(R
    y )Rz ;および SO2NMb CNより成る群から選ばれたアニ
    オン性官能、ここにおいてRx はフェニルまたはヘテロ
    アリールであり、ここにおいてヘテロアリールは5員ま
    たは6員環原子を有する一環式芳香族炭化水素基であ
    り、そこの1個の炭素原子が結合個所であり、そこの該
    炭素原子の1個は窒素原子によって置換されており、そ
    こにおいては1個の追加の炭素原子は、場合によって
    は、OまたはSから選ばれたヘテロ原子によって置換さ
    れ、そこにおいては1個〜2個の追加の炭素原子は、場
    合によっては、窒素ヘテロ原子によって置換され、そし
    てここにおいてはフェニルおよびヘテロアリールは、場
    合によっては、上記に定義した如き、Rq によってモノ
    置換され;Mb は上記に定義した通りであり;Ry およ
    びRz は上記に定義した通りであり; ac)環中の炭素原子の1個がO、S、NHまたはN(C1
    〜C4 アルキル)から選ばれたヘテロ原子によって置換
    され、追加の1個の炭素原子が、NHまたはN(C1 〜C
    4 アルキル)によって置換されることができ、各窒素ヘ
    テロ原子に隣接した少なくとも1個の炭素原子が、1個
    の酸素にって置換される結合した水素原子を2個有し、
    かくしてカルボニル部分を生成し、1個または2個のカ
    ルボニル部分が環中に存在するC5 〜C7 シクロアルキ
    ル基; ad)場合によっては上記の置換基a)〜ac)の1個に
    よってモノ置換されたC2 〜C4 アルケニル基、および
    場合によっては上記に定義されたようなRqにより置換
    されたフェニル; ae)場合によっては上記の置換基a)〜ac)の1個に
    よってモノ置換されたC2 〜C4 アルキニル基; af)C1 〜C4 アルキル基; ag)上記の置換a)〜ac)の1個によってモノ置換さ
    れたC1 〜C4 アルキル; ah)結合個所がオキサゾリジノン環の窒素原子であり、
    環の酸素原子が場合によっては−S−およびNRt (但し
    t は上記に定義された通りである)から選ばれたヘテ
    ロ原子によって置換され、オキサゾリジノン環の飽和炭
    素原子の1個が場合によっては上記の置換基a)〜a
    g)の1個によってモノ置換された2−オキサゾリジノ
    ニル部分;そして Mはi)水素; ii)薬学的に許容し得るエステル化基または除去可能な
    カルボキシル保護基; iii) アルカリ金属またはその他の薬学的に許容し得る
    カチオンから選択される〕。
  2. 【請求項2】 R1 が水素であり、R2 が (R)−CH3CH
    (OH)−または (R)−CH3CH(F)−である請求項1記載の
    化合物。
  3. 【請求項3】 水素以外のRa が下記の群から選択され
    る請求項2記載の化合物 −OCH3 −OCH2CO2CH3 −OCH2CH2OH −CF3 −F −Cl −Br −I −OH −OCOCH3 -OCONH2 −SCH3 −SOCH3 −SO2CH3 −SCH2CH2OH −SOCH2CH2OH −SO2NH2 −SO2N(CH3)2 −NHCHO −NHCOCH3 −NHCO2CH3 −NHSO2CH3 −CN −CHO −COCH3 −COCH2OH −CH=NOH −CH=NOCH3 −CH=NOCH2CO2CH3 −CH=NOCMe2CONH2 −CH=NOCMe2CO2Me −CO2CH2CH2OH −CONH2 −CONHCH3 −CON(CH3)2 −CONHCH2CN −CONHCH2CONH2 −CONHCH2CO2CH3 −CONHOH −CONHOCH3 −tetrazolyl −CO2CH3 −SCF3 −CONHSO2Ph −CONHSO2NH2 −SO2CF3 −SO2NHCN −SO2NHCONH2 −CH=CHCN −CH=CHCONH2 −CH=CHCO2CH3 −CH≡C −CONH2 −CH≡C −CN −CH2OH −CH2N3 −CH2CO2CH3 −SO2CH2CH2OH −CH2I および −SCH2CONH2
  4. 【請求項4】 下記の式の化合物 【化2】 〔式中、R″はFまたはOHであり、 RはHまたはMeであり、そしてEは 【化3】 であり、 ここにおいてRa は下記の群から選択される〕。 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】
  5. 【請求項5】 下記の式の化合物 【化8】 〔式中、R″はFまたはOHであり、RはHまたはMeで
    あり、そしてEは 【化9】 であり、ここにおいてRa は下記の群から選択され
    る〕。 【化10】
  6. 【請求項6】 下記の群から選択された化合物。 【化11】
  7. 【請求項7】 下記の式の化合物 【化12】 〔式中、 RはHまたは CH3であり;P′はヒドロキシル基のため
    の脱離可能な保護基であり;Mはカルボキシル基のため
    の脱離可能な保護基であり;Ra は、H、OP′、Cl、B
    r、I、SCH3、CN、CHO 、SOCH3 、SO2CH3、CO2M、CH2OP
    ′およびCONH2 から成る群より選択される;ただし、 −CH2OH 置換基はベンゾクマリンの3−位または4−位
    にある〕。
  8. 【請求項8】 Mが、ベンツヒドリル、p−ニトロベン
    ジル、2−ナフチルメチル、アリル、2−クロロアリ
    ル、ベンジル、t−ブチル、2,2,2−トリクロロエ
    チル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニ
    ルシリル、トリメチルシリル、2−(トリメチル)シリ
    ルエチル、フェナシル、p−メトキシベンジル、アセト
    ニル、o−ニトロベンシルおよび4−ピリジルメチルか
    ら成る群より選択される請求項6に記載の化合物。
  9. 【請求項9】 P′が、トリアルキルシリル、アリール
    (アルキル)アルコキシシリル、アルコキシジアリール
    シリル、およびアルコキシカルボニル、置換されたアル
    コキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、置換さ
    れたベンジルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニ
    ルおよび置換されたアリルオキシカルボニルの如きカー
    ボネート基から成る群から選択される請求項6に記載の
    化合物。
  10. 【請求項10】 P′が、t−ブチルメトキシフェニル
    シリル、t−ブトキシジフェニルシリル、トリメチルシ
    リル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、
    o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベン
    ジルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、t
    −ブチルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエ
    チルオキシカルボニルおよびアリルオキシカルボニルか
    ら成る群より選択される請求項6に記載の化合物。
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