JPH05237376A - 活性アルミナ凝集体及びその製造法 - Google Patents
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Abstract
質を示す活性アルミナ凝集体を目的とする。 【構成】 本発明の活性アルミナ凝集体は、活性アルミ
ナ凝集体を陽イオンAl3+の錯化剤の存在下に大気圧下
で熟成させ、次いでこの凝集体を約100〜500℃の
温度で熱処理に付すことによって製造される。好ましく
は小球体状のアルミナ凝集体は、流体中に含まれる不純
物を除する方法における吸着剤として使用するのに好適
である。
Description
た機械的性質を示す活性アルミナ凝集体を目的とする。
さらに詳しくは、本発明は、活性アルミナの小球体に関
する。また、本発明は、その製造法を目的とする。
物を除去するための吸着剤としてアルミナを使用するこ
とは周知である。アルミナは、特に、ガスの流れ中に含
まれる水を除去するのに使用される。一般に、精製は、
精製塔内に充填した好ましくは小球体状のアルミナ凝集
体の床に流体を通じることによって行なわれる。その結
果、吸着剤として使用するためのアルミナ凝集体は、良
好な吸着容量のみならず、優れた機械的性質、特に良好
な耐圧潰性をも示さなければならない。今日までに提起
された問題は、アルミナ凝集体の機械的性質を増大させ
ようとするとその吸着性の低下が見られるということで
ある。
は、良好な吸着容量と向上した機械的性質を有するアル
ミナ凝集体を提供することである。本発明の他の目的
は、例えば、気送システムによって精製塔に充填しかつ
そこから排出させるため容易に移送することができる小
球体の形でアルミナ凝集体を提供することである。さら
に、本発明の他の目的は、アルミナ凝集体を得るのを可
能ならしめる方法を提案することである。また、本発明
の他の目的は、前述した条件を満足するアルミナ凝集体
である。
ナ凝集体は、3〜4mmの平均直径を有する活性アルミ
ナ凝集体について測定して12daN以上の耐圧潰性を
示しかつ吸着水の重量%として表わして18%以上の吸
着容量を有することを特徴とする。
%がその平均直径よりも大きいか又は小さい直径を有す
るような直径を意味する。
は、約1〜10mmの間の平均直径を有する小球体状で
ある。これらは、12daN以上、好ましくは12〜2
5daNの耐圧潰性を示す。特に好ましい態様では、耐
圧潰性は15daN以上、特に15〜20daNであ
る。ここで留意されたいことは、上記の耐圧潰性の値は
3〜4mmの平均直径をするアルミナ凝集体について規
定されることである。したがって、この値は凝集体の平
均直径を参照して規定される。したがって、本発明に従
う活性アルミナ凝集体は6〜7mmの平均直径を有し、
22daN以上、好ましくは25daN以上、さらに好
ましくは30〜50daNの耐圧潰性を示す。
は、18%以上、好ましくは20〜24%の良好な吸着
容量である。本発明のアルミナ凝集体は、吸着剤として
慣用の態様で使用されるアルミナの小球体と比較して、
等価の吸着性についてさらに大きな耐圧潰性を持つとい
う特徴を有する。事実、比較としていえば、ローヌ・プ
ーラン社から商品名「SPHERALITE 501.
4」として入手できるアルミナの小球体は、18〜24
%の良好な吸着容量を有するが、増大させることが望ま
しい10daNの耐圧潰性を有する。
明の活性アルミナ凝集体は、小さい円柱状の棒状物とし
て小さい棒状物を含む表面モルホロジーによっても識別
される。このモルホロジーは、仮焼前であって、さらに
詳しくいえば活性アルミナの再水和に続いて得られる凝
集体のモルホロジーと相関させることができる。以下で
は、この凝集体のモルホロジーは「中間アルミナ凝集
体」と称して説明する。また、本発明の凝集体のその他
の構造的、表面組織的及び機械的特性を与えることも可
能である。
活性アルミナ凝集体を陽イオンAl3+の錯化剤の存在下
に大気圧下で熟成し、次いでこの凝集体を100〜50
0℃の温度で熱処理に付すことからなる。本発明者は、
熟成操作の前に有効な錯体剤を添加して活性アルミナの
再水和をベーマイトの方に向けることによって活性アル
ミナ凝集体の中実性を増大させることができることを見
出した。活性アルミナの小球体を製造する慣用的な方法
においては、活性アルミナ粉末は粉砕され、造粒され、
次いで熟成される。これらの二つの工程の間に活性アル
ミナ粉末はベーマイト(Al2 O3 ・H2 O)及びバイ
ヤライト(Al2 O3 ・3H2 O)に再水和される。熟
成終了時では、アルミナの再水和速度は少なくとも30
%であり、一般にそれは20〜25%のバイヤライト及
び5%未満のベーマイトからなる。本発明の方法によれ
ば、アルミナは少なくとも5%のベーマイト量で再水和
され、そしてバイヤライトが少なくとも30%に等しい
残部を構成する。本発明者は、予期せずして、ベーマイ
ト量の増加が得られる凝集体の吸着量にそれほど大きく
影響せずにその機械的性質を向上させ得ることを見出し
た。本発明方法の第一の実施態様は、活性アルミナ粉末
の粉砕操作中に錯化剤を導入することからなる。本発明
方法の第二の実施態様は、活性アルミナ粉末の凝集操作
中に錯化剤を導入することからなる。本発明の第三の実
施態様は、要すれば活性アルミナ粉末を粉砕し、次いで
それを凝集させ、得られた凝集体を熟成を行う前錯化剤
で処理することからなる。
は、結晶化不良の及び(又は)非晶質構造を有する活性
アルミナ粉末から出発して製造される。この方法を規定
するにあたって、結晶化不良のアルミナとは、X線解析
が低温転移アルミナの結晶相に対応する1個又は数個の
拡散線しか示さずかつ本質的にχ、ρ、μ、γ、プソイ
ドγ相及びこれらの混合相を含む図形を与えるようなア
ルミナを意味する。非晶質構造のアルミナとは、そのX
線解析が結晶相のどんな特徴的な線も示さないようなア
ルミナを意味する。本発明で使用される活性アルミナ
は、一般に、バイヤライト、ヒドラーギライト、ギブサ
イト又はノルストランダイトのような水酸化アルミニウ
ム、或いはベーマイトやジアスポアのようなオキシ水酸
化アルミニウムの急速脱水によって得られる。この脱水
は、蒸発水を除去せしめかつそれを非常に迅速に連行せ
しめる熱ガスの流れを使用して達成される。装置内のガ
スの温度は、一般に、数分の1秒から4又は5秒程度の
水酸化物と熱ガスとの接触時間で約400〜1200℃
の間である。このようにして得られたアルミナは、その
ままで使用することができ、又は期待される用途に従っ
て、特に存在するアルカリを除去するための処理に付す
ことができる。0.5%未満のNa2 O含有量が好まし
い。水酸化又はオキシ水酸化アルミニウムの急速脱水に
よって得られる活性アルミナのBET法により測定され
る比表面積は、一般に、約50〜400m2 /gの間で
あり、そして粒子の直径は、一般に0.1〜300μ、
好ましくは1〜120μである。このアルミナは、0.
10〜0.50cm3 /g程度の細孔容積を示す。細孔
は50nm未満の寸法を有する。本発明の特別の実施態
様によれば、活性アルミナは、工業的に容易に入手でき
る水酸化アルミニウムでありかつ非常に低価格であるバ
イヤー法アルミナ水和物(ヒドラーギライト)の急速脱
水によって得られる。このような活性アルミナは、当業
者に周知であって、特に仏国特許第110801号に記
載されている。
作の前に、粉末状か又は凝集体の形で陽イオンAl3+の
錯化剤と接触せしめられる。
も2個のヒドロキシ及び(又は)アミン基を含み或いは
少なくとも2個のカルボキシ基及び少なくとも1個のヒ
ドロキシ及び(又は)アミン基を含む酸並びにそれらの
塩類、 (2) 次式(I)〜(III)
6の整数であり、pは0〜5の整数であり、R1 、R2
及びR3 は同一又は異なっていてよく、水素原子、アル
キル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ又はアミノ基
を表わす)に相当する有機りんの酸、 (3) 次式(IV)
水素基又はハロゲン原子を表わす)に相当するヒドロキ
シキノリン又はその誘導体よりなる群から選ばれる化合
物の少なくとも1種を使用することができる。
カルボン酸のうちでは特にC2 〜C15、好ましくはC2
〜C10カルボン酸が選ばれる。本発明を実施するのに好
ましい酸としては、例えば下記のものをあげることがで
きる。 ・しゅう酸; ・ヒドロキシポリカルボン酸、特にヒドロキシジ−又は
ヒドロキシトリ−カルボン酸、例えばりんご酸、くえん
酸又はタルトロン酸; ・(ポリヒドロキシ)モノカルボン酸、例えばグルコヘ
プトン酸及びグルコン酸; ・ポリ(ヒドロキシカルボン酸)、例えば酒石酸。 これらの酸の混合物も同様に使用することができる。好
ましくはくえん酸又はしゅう酸が選ばれる。これらの酸
の塩も同様に本発明に好適である。好ましい塩は、ナト
リウム塩のようなアルカリ金属塩又はアンモニウム塩で
ある。
は、好ましくは、有機のりんの酸、特に脂肪族の飽和又
は不飽和の有機りんの酸が使用される。これは1〜15
個、好ましくは1〜10個の炭素原子を含有できる。こ
れらの化合物の例としては、下記のものがあげられる。 ・メチレンアミノトリホスホネート、 ・メチレンエチレンジアミノテトラホスホネート、 ・メチレントリエチレンテトラアミノヘキサホスホネー
ト ・メチレンテトラエチレンペンタアミノヘプタホスホネ
ート、 ・メチレンペンタエチレンヘキサアミノオクタホスホネ
ート、 ・メチレンジホスホネート、 ・1,1’−エチレンジホスホネート、 ・1,2−エチレンジホスホネート、 ・1,1’−プロピレンジホスホネート、 ・1,3−プロピレンジホスホネート、 ・1,6−ヘキサメチレンジホスホネート、 ・2,4−ジヒドロキシペンタメチレン−2,4−ジホ
スホネート、 ・2,5−ジヒドロキシヘキサメチレン−2,5−ジホ
スホネート、 ・2,3−ジヒドロキシブチレン−2,3−ジホスホネ
ート、 ・1−ヒドロキシベンジル−1,1’−ジホスホネー
ト、 ・1−アミノエチレン−1,1’−ジホスホネート、 ・ヒドロキシメチレンジホスホネート、 ・ヒドロキシエチレン−1,1’−ジホスホネート、 ・1−ヒドロキシプロピレン−1,1’−ジホスホネー
ト、 ・1−ヒドロキシブチレン−1,1’−ジホスホネー
ト、 ・1−ヒドロキシヘキサメチレン−1,1’−ジホスホ
ネート。
しくは、Rが水素原子又は好ましくは5〜20個の炭素
原子を有する飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分岐鎖
状の脂肪族基である式(IV)に相当する化合物が選ばれ
る。さらに好ましくは、オキシン(8−ヒドロキシキノ
リン)か又は式(IV)の8−ヒドロキシキノリンであって
各Rが環の7位を除いて水素原子でありかつ7位が式C
m H2m+1(mは5〜20である)のアルキル基を表わす
ものが使用される。
ましくは、濃度が0.01〜1モル/lである水溶液と
して使用することができる。アルミナの量に関して導入
される錯化剤の量は、アルミナの種類によって決定さ
れ、好ましくはアルミナの0.01〜5重量%、特に
0.05〜0.5重量%である。
アルミナ粉末が約1〜20μの平均直径を有する粒子よ
りなるようにそれを粉砕することが有益であろう。湿式
又は乾式で実施できる圧潰が最もしばしば行われる。空
気ジェットによる圧潰を使用することができるが、圧潰
は、ボールミルで乾式か又は水を加えて慣用の方法で最
もしばしば実施される。本発明を実施するための第一の
方法は、特に、錯化剤を含有する水溶液を活性アルミナ
粉末にスプレーすることによって粉砕の過程で錯化剤を
導入することからなる。この圧潰操作は随意のものであ
って、それをしない場合には、錯化剤を次の工程で添加
する必要がある。本発明の他の実施方法は、凝集操作の
過程で錯化剤を添加することからなる。活性アルミナの
凝集は、当業者に知られた方法、例えば回転式ペレット
製造機などでペレット化し、押出成形し、又は球体に成
形する方法によって行われる。この凝集は、脱水、次い
で要すれば後続の処理によって得られるような活性アル
ミナ、又は一つ以上の所定の粒度に圧潰された活性アル
ミナについて行うことができる。この凝集は、当業者に
周知の方法で、凝集すべき混合物に細孔形成剤を添加す
ることによって行うことができる。使用することができ
る細孔形成剤は、特に、木粉、木炭、セルロース、でん
ぷん、ナフタリン、一般的には仮焼によって除去できる
任意の化合物である。
熟成操作前に活性アルミナ凝集体に添加することができ
る。錯化剤の添加は、特に、錯化剤を含有する水溶液を
活性アルミナ凝集体にスプレーすることによって行うこ
とができる。錯化剤が熟成時に添加されようが、又は先
行の工程で添加されようが、活性アルミナ凝集体は熟成
操作に付され、その過程でアルミナは再水和され、ベー
マイトと称される結晶相が発現する。熟成操作は80〜
120℃、好ましくは約100℃の温度で行われる。熟
成時間は可変であって、好ましくは1〜24時間、さら
に好ましくは2〜6時間である。熟成を実施する好まし
い態様は、アルミナ凝集体に水蒸気を急速噴射すること
からなる。
活性アルミナ凝集体は、アルミナの比表面積を安定させ
かつ凝集体の吸着性を増大させるため熱処理に付され
る。熱処理は、約100〜500℃の温度で遊離水及び
構造水を除去するのに十分な時間にわたって行われる。
この工程中に細孔形成剤を分解させることができる。熱
処理は、単一操作で、例えば、熱源(これは好ましくは
ガスバーナーである)に対する凝集体の位置に応じて所
定の温度範囲で温度勾配を付けた回転式工業炉で実施す
ることができる。この場合に、熱処理時間は好ましくは
2〜12時間である。また、熱処理は、一般に行われる
二工程で、即ち乾燥、次いで仮焼によって実施すること
ができる。この場合に、活性アルミナ凝集体は、一般に
約100〜250℃の温度でしばしば2〜24時間にわ
たり乾燥することができる。次いで、アルミナは250
〜500℃の温度で例えば1〜8時間仮焼操作に付され
る。熱処理後に得られた活性アルミナ凝集体は本質的に
アルミナからなる。強熱減量は2〜6%程度である。
しくは1〜10mmの平均直径を有する小球体の形であ
る。ここで、平均直径とは、球体の50重量%がその平
均直径よりも大きいか又は小さい直径を有するような直
径を意味する。平均直径は、一定のメッシュ開口を有す
る異なる篩による篩分法によって決定される。
性は以下の通りである。そのBET比表面積は、一般
に、250〜400m2 /g、好ましくは290〜35
0m2 /gの間である。表示した比表面積はBET表面
積、即ち、ブルナー・エメット・テラー法(J.A.
C.S.60、309(1938))により確立された
ASTM法D3663−78に従う窒素吸着によって決
定されるものである。全細孔容積は、しばしば0.40
cc/g〜0.60cc/gである。全細孔容積は比重
を測定することによって決定される。全細孔容積TPV
は次式 TPV=(1/Dg)−(1/Da) (ここでDgは粒子の密度、Daは絶対密度)によって
与えられる。粒子密度Dg及び絶対密度Daは、それぞ
れ水銀及びヘリウムを使用する比重びん法により測定さ
れる。
00〜1,000g/ccの全充填密度TPDを有す
る。TPDを決定するためには、所定重量の凝集体がそ
れを所定の容積で入れるためのメスシリンダーに導入さ
れる。次いでメスシリンダーを、床の下降が止まりかつ
一定容積が得られるまで振動する。単位容積を占める凝
集体の重量を計算する。
れは前記のような非常に良好な耐圧潰性を持っている。
粒子づつの耐圧潰性CRの測定は、0.5mm/min
のジヨウの初期速度を有するロマージーDY.20B圧
潰装置で行われる。粒度測定画分3.15〜4mmのも
のから10個の球体をアトランダムに取り出した。これ
らをピンセットにより装置のハンマーとアンビルとの間
に続けて置く。最終結果(daNで表わす)は10個の
球体の圧潰の平均によって与えられる。
98%以上の良好な耐摩耗性を示す。耐摩耗性は、下記
の方法に従って摩擦により消耗しなかった物質の割合に
よって測定される。この方法は、一定量の凝集体を強い
撹拌に付し、粉じんにならなかった残留凝集体の量を測
定することからなる。この試験を行う前に、凝集体を、
温度を300℃に制御した炉で2時間熱処理することに
よって状態調節する。デシケーターで冷却したならば、
物質をアフノール篩によって最小の公称寸法まで篩別す
る。例えば球体が1.6〜2.5mmの直径を有するな
らば篩分けを1.6mmまでする。篩分けられた物質の
正確な量(10g付近)を秤量する。これをプロラボ社
より商品名「ダングマウ」微粉砕機として販売されてい
る振盪機に入れた65ccのステンレス鋼製粉砕容器に
入れる。微粉砕機は正確に5分間運転させる。撹拌が終
ったならば、回収した物質を出発物質の最小寸法の3/
4に相当する篩によって篩別する。篩別された物質を3
00℃の炉に2時間入れる。デシケーターで冷却した
後、篩を通過しない凝集体を秤量する。耐摩耗性AR
は、次式 AR=(W2 /W1 )×100(%) (ここでW1 は試料の重量、W2 は試験後に篩上に残っ
た凝集体の重量)によって示される。
好な機械的性質とともに、25%にも達し得る良好な吸
着容量E0.6を示す。吸着容量の測定試験は、水蒸気
圧が飽和の60%に等しい雰囲気中で活性アルミナによ
り固定された水の量を測定することからなる。この蒸気
圧は15℃に保持した臭化ナトリウムの飽和水溶液の上
で得られる。試料が大気中に留まっている間に取り込ん
だ水を除去するためには、試料は分析前に300℃で2
時間再生される。ほぼ2gのアルミナ凝集体の正確な量
を秤量びんに秤量する。秤量びんを開いて、臭化ナトリ
ウム溶液を入れた真空デシケーターに入れる。デシケー
ター内の圧力が15mmHgまで低下した後、それを1
5℃の恒温室に24時間入れる。この処理の後の重量増
加を測定する。吸着容量E0.6は次式 E0.6=(W1 /W)×100(%) (ここで、Wは試料の重量、W1 は重量増加)によって
定義される。
ないが、本発明の活性アルミナ凝集体の有益な性質は熟
成前に得られた凝集体の構造と相関でき、また凝集体の
円周部にベーマイトが存在することが優れた耐圧潰性を
付与しているものと思われる。
様は、前記の操作に従い、錯化剤としてくえん酸を選定
して本発明の活性アルミナ凝集体を製造することからな
る。ここで、中間アルミナ凝集体、即ち、熟成後に得ら
れた凝集体が仮焼後に得られた最終凝集体と同様に、全
て完全に元の表面モルホロジーを示すことを強調するこ
とは非常に有益である。アルミナの中間凝集体即ち小球
体は、結晶化不良(χ)のアルミナ及び非晶質アルミ
ナ、ベーマイト及びバイヤライトから本質的になるコア
を含む。この凝集体においては、ベーマイトの量は好ま
しくは5%以上、特に8〜20%である。熟成されたア
ルミナの小球体は、寸法がいろいろと異なった円柱状球
体からなる異形の(不規則の)表面外観を有する。
ん酸を使用して本発明に従って得られた熟成アルミナの
小球体の表面構造を示す電子顕微鏡写真(倍率10,0
00)である。図2は、比較のため、同一の操作である
が、錯化剤を使用しないで得られた熟成アルミナの小球
体の表面構造の電子顕微鏡写真である。0.5〜2μの
長さを有する棒状物の存在が図1だけに見られる。した
がって、熱処理後に得られた最終アルミナ凝集体は、中
間アルミナ凝集体の表面モルホロジーと類似する表面モ
ルホロジーを示す。図1と図2の比較から、得られるア
ルミナの小球体のモルホロジーに対する錯化剤の存在の
影響が有意義に示される。
の故に、特に、CO2 、CO、N2、NH3 、炭化水素
などの吸着によるガスの精製のための吸着剤として使用
するのに全く適している。また、これらはクロマトグラ
フィーや触媒の分野において支持体として使用すること
もできる。
発明を何ら制限するものではない。例1 出発物質は、下記の特性、 ・χ及び非晶質アルミナ(40%)からなる5%のPA
Fを有するアルミナ、 ・Na2 O含有量0.3%、 ・BET比表面積300m2 /g、 ・全細孔容積TPR0.30cc/g、 ・全充填密度TPD0.30cc/g、 を有するヒドラーギライトの脱水によって得られる活性
アルミナである。75.4kgの上記活性アルミナをボ
ールミルで圧潰してその粒子の平均直径が10μである
粉末を得た。45分間続ける圧潰操作中に、68gのく
えん酸を4.75 lの水に溶解することによって調製
したくえん酸水溶液(0.1%のくえん酸/Al2 O3
比に相当)をスプレーした。次いで圧潰された粉末とし
て造粒機に入れる。造粒の温度条件は約50℃である。
この操作を容易にするために水を加えた。得られたアル
ミナの凝集体即ち小球体は3.35mmの平均直径を有
し、加熱減量は約35%であった。造粒機の出口で小球
体をジャーに貯蔵し、次いで100℃の水蒸気を4時間
通じる熟成工程に示した。熟成された小球体のX線回折
による測定で9%のバイヤライト及び12%のベーマイ
トが示された。図1は、得られた熟成球体の表面状態を
示す。熟成工程を終ってから、小球体を220℃で2時
間30分乾燥し、450℃で2時間30分仮焼する。得
られた小球体は下記の特性を有する。 ・BET比表面積310m2 /g、 ・全細孔容積TPV0.41cc/g、 ・全充填密度TPD0.830g/cc、 ・耐圧潰性CR20daN、 ・吸着容量E0.6 21.5%、 ・耐摩耗性AR99%。
1を繰り返す。この溶液は、175gのしゅう酸を4.
75 lの水に溶解することによって製造した(これは
0.25%のしゅう酸/Al2 O3 比に相当する)。粉
末を造粒した後、得られた球体を熟成工程に付した。熟
成された球体のX線回折による分折で4%のバイヤライ
ト及び15%のベ−マイトが示された。乾燥し仮焼した
後に得られた球体は下記の特性を有した。 ・BET比表面積325m2 /g、 ・全細孔容積TPV0.45cc/g、 ・全充填密度TPD0.780g/cc、 ・耐圧潰性CR15daN、 ・吸着容量E0.6 22%。
ミナを圧潰し、4.75 lの水を圧潰工程中にスプレ
ーすることを除いて、例1を繰り返す。粉末を造粒した
後、得られた球体を熟成工程に付した。熟成された球体
のX線回折は26%のバイヤライト及び2%のベーマイ
トを示した。図2は得られた熟成された球体の表面状態
を例示する。乾燥し仮焼した後に得られた球体は下記の
特性を有した。 ・BET比表面積330m2 /g、 ・全細孔容積TPV0.43cc/g、 ・全充填密度TPD0.800g/cc、 ・耐圧潰性CR11daN、 ・吸着容量E0.6 23%、 ・耐摩耗性AR98.6%。
って、圧潰工程中に添加される錯化剤の存在が通常バイ
ヤライトを優先的に生じさせる条件下でバイヤライトの
発現を遅らせかつベ−マイトを促進することが証明され
る。この結果、活性アルミナの小球体の機械的抵抗性E
GGが増大される。また、良好な吸着容量が保持される
ことがいえる。錯化剤としてくえん酸を使用した本発明
方法によって得られたアルミナ小球体(例1)及び錯化
剤の不存在下に得られた小球体(比較試験A)の耐圧潰
性を比較するためには、小球体の耐圧潰性はその平均直
径の関数として決定される。図3は、球体の平均直径の
平方(mm2 )の関数として耐圧潰性(daN)の変化
を表わす2本の線(A)及び(B)を示すグラフであ
る。d2 の関数としてのCRの変化は、本発明の例1の
球体の場合には、方程式y=1.3x(線A)に、また
比較試験Aの球体の場合には方程式y=0.7x(線
B)に相当する。二つの線の勾配の比較から、本発明の
アルミナ球体の耐圧潰性の正味の増加が示される。
明に従って得られた熟成アルミナの小球体の粒子構造を
示す電子顕微鏡写真(倍率10,000)である。
ないで得られた熟成アルミナの小球体の粒子構造の電子
顕微鏡写真である。
耐圧潰性(daN)の変化を表わす2本の線(A)及び
(B)を示すグラフである。
の錯化剤の存在下に大気圧下で熟成し、次いでこの凝集
体を100〜500℃の温度で熱処理に付すことを特徴
とする請求項1〜8のいずれかに記載の活性アルミナ凝
集体の製造法。
ギライトの急速脱水によって得られたことを特徴とする
請求項9記載の製造法。
とも2個のヒドロキシ及び(又は)アミン基を含み或い
は少なくとも2個のカルボキシ基及び少なくとも1個の
ヒドロキシ及び(又は)アミン基を含む酸並びにそれら
の塩類 (2)次式(I)〜(III)
1〜6の整数であり、pは0〜5の整数であり、R1、
R2及びR3は同一又は異なっていてよく、水素原子、
アルキル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ又はアミ
ノ基を表わす)に相当する有機りんの酸、 (3)次式(IV)
20炭化水素基又はハロゲン原子を表わす)に相当する
ヒドキシキノリン又はその誘導体よりなる群から選ばれ
ることを特徴とする請求項9又は10記載の製造法。
から選ばれることを特徴とする請求項11記載の製造
法。
中に、凝集中に又は凝集後に導入することを特徴とする
請求項9〜12のいずれかに記載の製造法。
的になるコアと異形状の小さな円柱状の棒状物の複数個
からなる外部層とを有することを特徴とする中間アルミ
ナ凝集体。
Claims (29)
- 【請求項1】 3〜4mmの平均直径を有する活性アル
ミナ凝集体について測定して12daN以上の耐圧潰性
を示しかつ18%以上の吸着容量を有することを特徴と
する活性アルミナ凝集体。 - 【請求項2】 12〜25daN、好ましくは15〜2
0daNの耐圧潰性を示すことを特徴とする請求項1記
載の活性アルミナ凝集体。 - 【請求項3】 6〜7mmの直径を有する活性アルミナ
凝集体について測定して22daN以上、好ましくは2
5daN以上、最も好ましくは30〜50daNの耐圧
潰性を示すことを特徴とする請求項1記載の活性アルミ
ナ凝集体。 - 【請求項4】 活性アルミナ凝集体の直径の平方の関数
としての該凝集体の耐圧潰性の変化が関係式y=1.3
xを満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
記載の活性アルミナ凝集体。 - 【請求項5】 20〜24%の吸着容量を有することを
特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の活性アルミ
ナ凝集体。 - 【請求項6】 表面モルホロジーが小さい棒状物を含む
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の活性
アルミナ凝集体。 - 【請求項7】 1〜10mmの平均直径を有するアルミ
ナ小球体の形であることを特徴とする請求項1〜6のい
ずれかに記載の活性アルミナ凝集体。 - 【請求項8】 250〜400m2 /g、好ましくは2
90〜350m2 /gのBET比表面積を示すことを特
徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の活性アルミナ
凝集体。 - 【請求項9】 0.40〜0.60cc/gの全細孔容
積を示すことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
載の活性アルミナ凝集体。 - 【請求項10】 0.500〜1,000g/ccの最
密充填密度を有することを特徴とする請求項1〜9のい
ずれかに記載の活性アルミナ凝集体。 - 【請求項11】 活性アルミナ凝集体を陽イオンAl3+
の錯化剤の存在下に大気圧下で熟成し、次いでこの凝集
体を100〜500℃の温度で熱処理に付すことを特徴
とする請求項1〜10のいずれかに記載の活性アルミナ
凝集体の製造法。 - 【請求項12】 凝集される活性アルミナがハイドラー
ギライトの急速脱水によって得られたことを特徴とする
請求項11記載の製造法。 - 【請求項13】 陽イオンAl3+の錯化剤が (1) 少なくとも1個のカルボキシレート基及び少なくと
も2個のヒドロキシ及び(又は)アミン基を含み或いは
少なくとも2個のカルボキシ基及び少なくとも1個のヒ
ドロキシ及び(又は)アミン基を含む酸並びにそれらの
塩類 (2) 次式(I)〜(III) 【化1】 【化2】 【化3】 (これらの式(I)〜(III)において、n及びmは1〜
6の整数であり、pは0〜5の整数であり、R1 、R2
及びR3 は同一又は異なっていてよく、水素原子、アル
キル、アリール、アラルキル、ヒドロキシ又はアミノ基
を表わす)に相当する有機りんの酸、 (3) 次式(IV) 【化4】 (この式(IV)において、Rは水素原子、C1 〜C20炭化
水素基又はハロゲン原子を表わす)に相当するヒドキシ
キノリン又はその誘導体よりなる群から選ばれることを
特徴とする請求項11又は12記載の製造法。 - 【請求項14】 陽イオンAl3+の錯化剤がC2 〜
C15、好ましくはC2 〜C10カルボン酸であることを特
徴とする請求項13記載の製造法。 - 【請求項15】 錯化剤が下記のカルボン酸 ・しゅう酸; ・ヒドロキシポリカルボン酸、特にヒドロキシジ−又は
ヒドロキシトリ−カルボン酸、例えばりんご酸、くえん
酸又はタルトロン酸; ・(ポリヒドロキシ)モノカルボン酸、例えばグルコヘ
プトン酸及びグルコン酸; ・ポリ(ヒドロキシカルボン酸)、例えば酒石酸 から選ばれることを特徴とする請求項13記載の製造
法。 - 【請求項16】 錯化剤が式(I)〜(III) に相当し、
1〜15個、好ましくは1〜10個の炭素原子を有する
置換又は非置換の有機脂肪族のりんの酸であることを特
徴とする請求項13記載の製造法。 - 【請求項17】 錯化剤が下記の化合物 ・メチレンアミノトリホスホネート、 ・メチレンエチレンジアミノテトラホスホネート、 ・メチレントリエチレンテトラアミノヘキサホスホネー
ト、 ・メチレンテトラエチレンペンタアミノヘプタホスホネ
ート、 ・メチレンペンタエチレンヘキサアミノオクタホスホネ
ート、 ・メチレンジホスホネート、 ・1,1’−エチレンジホスホネート、 ・1,2−エチレンジホスホネート、 ・1,1’−プロピレンジホスホネート、 ・1,3−プロピレンジホスホネート、 ・1,6−ヘキサメチレンジホスホネート、 ・2,4−ジヒドロキシペンタメチレン−2,4−ジホ
スホネート、 ・2,5−ジヒドロキシヘキサメチレン−2,5−ジホ
スホネート、 ・2,3−ジヒドロキシブチレン−2,3−ジホスホネ
ート、 ・1−ヒドロキシベンジル−1,1’−ジホスホネー
ト、 ・1−アミノエチレン−1,1’−ジホスホネート、 ・ヒドロキシメチレンジホスホネート、 ・ヒドロキシエチレン−1,1’−ジホスホネート、 ・1−ヒドロキシプロピレン−1,1’−ジホスホネー
ト、 ・1−ヒドロキシブチレン−1,1’−ジホスホネー
ト、 ・1−ヒドロキシヘキサメチレン−1,1’−ジホスホ
ネートから選ばれることを特徴とする請求項13記載の
方法。 - 【請求項18】 錯化剤が、Rが水素原子又は好ましく
は5〜20個の炭素原子を有する飽和若しくは不飽和の
直鎖若しくは分岐鎖状の脂肪族基である式(IV)に相当す
る化合物であることを特徴とする請求項13記載の製造
法。 - 【請求項19】 錯化剤がオキシン(8−ヒドロキシキ
ノリン)か又は式(IV)の8−ヒドロキシキノリンであっ
て各Rが環の7位を除いて水素原子でありかつ7位が式
CmH2m+1(mは5〜20である)のアルキル基を表わ
すものであることを特徴とする請求項13記載の製造
法。 - 【請求項20】 錯化剤がくえん酸であることを特徴と
する請求項13記載の製造法。 - 【請求項21】 錯化剤がアルミナの重量の0.01〜
5%、好ましくは0.05〜0.5%を占めることを特
徴とする請求項13〜20のいずれかに記載の製造法。 - 【請求項22】 錯化剤を活性アルミナ粉末の圧潰操作
中に導入することを特徴とする請求項11〜21のいず
れかに記載の製造法。 - 【請求項23】 錯化剤を活性アルミナ粉末の凝集中に
導入することを特徴とする請求項11〜21のいずれか
に記載の製造法。 - 【請求項24】 錯化剤を活性アルミナ粉末の凝集後で
あって熟成を実施する前に得られた凝集体に添加するこ
とを特徴とする請求項11〜21のいずれかに記載の製
造法。 - 【請求項25】 活性アルミナ凝集体を80〜120
℃、好ましくは約100℃の温度での熟成操作に付すこ
とを特徴とする請求項11〜24のいずれかに記載の製
造法。 - 【請求項26】 熟成された活性アルミナ凝集体を10
0〜250℃の温度で乾燥することを特徴とする請求項
11〜25のいずれかに記載の製造法。 - 【請求項27】 熟成された活性(要すれば乾燥され
た)アルミナを250〜500℃の温度で仮焼すること
を特徴とする請求項11〜26のいずれかに記載の製造
法。 - 【請求項28】 結晶化不良の非晶質アルミナから本質
的になるコアと異形状の小さな円柱状の棒状物の複数個
からなる外部層とを有することを特徴とする中間アルイ
ナ凝集体。 - 【請求項29】 ベーマシトの含有量が好ましくは5%
以上、特に8〜20%であることを特徴とする請求項2
8記載の中間アルミナ凝集体。
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