JPH0523731A - 溶接ワイヤ伸線用潤滑剤およびフラツクス入り溶接ワイヤ - Google Patents
溶接ワイヤ伸線用潤滑剤およびフラツクス入り溶接ワイヤInfo
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- JPH0523731A JPH0523731A JP20561991A JP20561991A JPH0523731A JP H0523731 A JPH0523731 A JP H0523731A JP 20561991 A JP20561991 A JP 20561991A JP 20561991 A JP20561991 A JP 20561991A JP H0523731 A JPH0523731 A JP H0523731A
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- welding wire
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 溶接作業性および伸線性に優れ、かつベーキ
ング処理を施さなくとも、溶接欠陥が発生しない溶接ワ
イヤと、このような溶接ワイヤを得るのに好適に用いら
れる伸線用潤滑剤の開発を目指すものである。 【構成】 ポリ四弗化エチレン１〜60wt％，二硫化モリ
ブデン１〜50wt％およびグラファイト１〜50wt％，残部
としてマイカ，セリサイトおよびタルクのうち少なくと
も１種以上の鉱物からなる溶接ワイヤ伸線用潤滑剤、お
よび、この潤滑剤を溶接ワイヤ１ｇ当り 0.001〜1.0 wt
％付着してなるフラックス入り溶接ワイヤである。
ング処理を施さなくとも、溶接欠陥が発生しない溶接ワ
イヤと、このような溶接ワイヤを得るのに好適に用いら
れる伸線用潤滑剤の開発を目指すものである。 【構成】 ポリ四弗化エチレン１〜60wt％，二硫化モリ
ブデン１〜50wt％およびグラファイト１〜50wt％，残部
としてマイカ，セリサイトおよびタルクのうち少なくと
も１種以上の鉱物からなる溶接ワイヤ伸線用潤滑剤、お
よび、この潤滑剤を溶接ワイヤ１ｇ当り 0.001〜1.0 wt
％付着してなるフラックス入り溶接ワイヤである。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、溶接ワイヤ伸線用潤滑
剤およびフラックス入り溶接ワイヤに関し、特にワイヤ
表面に本発明に特有な組成の伸線用潤滑剤を付着させる
ことにより、ベーキング処理がなくても十分な溶接作業
性等を示すフラックス入り溶接ワイヤの関連技術につい
て提案する。
剤およびフラックス入り溶接ワイヤに関し、特にワイヤ
表面に本発明に特有な組成の伸線用潤滑剤を付着させる
ことにより、ベーキング処理がなくても十分な溶接作業
性等を示すフラックス入り溶接ワイヤの関連技術につい
て提案する。
【０００２】
【従来の技術】フラックス入り溶接ワイヤとして、その
表面に銅めっきを施した，いわゆるシームレスワイヤが
あった。ところが、このシームレスワイヤは、直径約13
mmの細いパイプ内にフラックスを詰める作業があるため
能率が悪く、しかも内部に充填したフラックスが偏在す
るという欠点があった。
表面に銅めっきを施した，いわゆるシームレスワイヤが
あった。ところが、このシームレスワイヤは、直径約13
mmの細いパイプ内にフラックスを詰める作業があるため
能率が悪く、しかも内部に充填したフラックスが偏在す
るという欠点があった。
【０００３】この欠点を克服するのに有効な溶接ワイヤ
として、従来、冷延鋼板を使用した巻締めフラックス入
りワイヤが提案された。
として、従来、冷延鋼板を使用した巻締めフラックス入
りワイヤが提案された。
【０００４】しかしながら、この巻締めフラックス入り
ワイヤについても、このワイヤの場合、1.2mm φまで伸
線しているが、通常この伸線に当っては潤滑剤が使用さ
れていることから、この潤滑剤を除去することが必要で
あり、ベーキング処理が不可欠であった。その結果、ベ
ーキング処理時のワイヤ巻換え等の煩雑な作業により製
造コストが大幅に増加するという大きな問題点があっ
た。さらに、溶接ワイヤ表面には、このベーキング処理
によりFe3O4を主成分とした酸化膜が生成し、溶接ワイ
ヤ表面の電気抵抗を増大させて、給電チップ部での電気
伝導性を悪くする欠点があった。すなわち、この電気伝
導性が悪くなる結果、溶接作業性を悪くしていた。
ワイヤについても、このワイヤの場合、1.2mm φまで伸
線しているが、通常この伸線に当っては潤滑剤が使用さ
れていることから、この潤滑剤を除去することが必要で
あり、ベーキング処理が不可欠であった。その結果、ベ
ーキング処理時のワイヤ巻換え等の煩雑な作業により製
造コストが大幅に増加するという大きな問題点があっ
た。さらに、溶接ワイヤ表面には、このベーキング処理
によりFe3O4を主成分とした酸化膜が生成し、溶接ワイ
ヤ表面の電気抵抗を増大させて、給電チップ部での電気
伝導性を悪くする欠点があった。すなわち、この電気伝
導性が悪くなる結果、溶接作業性を悪くしていた。
【０００５】もちろん、このような従来潤滑剤のもつ欠
点に鑑み、種々の伸線用潤滑剤の組成が研究されてい
る。例えば、既知の最も一般的な伸線用潤滑剤として、
ステアリン酸系を中心とした有機物系潤滑剤がある。と
ころが、この種の潤滑剤の場合、ベーキング処理をする
ことなく、潤滑剤が付着したまま溶接すると、この潤滑
剤がＨ2 やＣＯ2 等のガス成分を多く含む有機物である
ために、溶接部にピットやブローホール等の溶接欠陥が
発生するという，上述した欠点がそのまま残った。
点に鑑み、種々の伸線用潤滑剤の組成が研究されてい
る。例えば、既知の最も一般的な伸線用潤滑剤として、
ステアリン酸系を中心とした有機物系潤滑剤がある。と
ころが、この種の潤滑剤の場合、ベーキング処理をする
ことなく、潤滑剤が付着したまま溶接すると、この潤滑
剤がＨ2 やＣＯ2 等のガス成分を多く含む有機物である
ために、溶接部にピットやブローホール等の溶接欠陥が
発生するという，上述した欠点がそのまま残った。
【０００６】その他、無機物系潤滑剤については、有機
物系に比較するとベーキング処理によるガス発生量は少
ないものの、これの場合は溶接ワイヤの伸線性に問題点
があった。しかも、一部の潤滑剤において、例えば二硫
化モリブデンの場合、有機物系潤滑剤と同じように溶接
ビード表面にアバタが発生しやすい傾向があった。
物系に比較するとベーキング処理によるガス発生量は少
ないものの、これの場合は溶接ワイヤの伸線性に問題点
があった。しかも、一部の潤滑剤において、例えば二硫
化モリブデンの場合、有機物系潤滑剤と同じように溶接
ビード表面にアバタが発生しやすい傾向があった。
【０００７】以上説明したように、既知の有機物系ある
いは無機物系潤滑剤、およびこのような潤滑剤を用いた
従来のフラックス入り溶接ワイヤについては、上述した
解決すべき多くの課題があった。
いは無機物系潤滑剤、およびこのような潤滑剤を用いた
従来のフラックス入り溶接ワイヤについては、上述した
解決すべき多くの課題があった。
【０００８】そこで、本発明の目的は、溶接作業性およ
び伸線性に優れ、かつベーキング処理を施さなくとも、
溶接欠陥が発生しない溶接ワイヤと、そしてこのような
溶接ワイヤを得るのに好適に用いられる伸線用潤滑剤の
開発を目指すところにある。
び伸線性に優れ、かつベーキング処理を施さなくとも、
溶接欠陥が発生しない溶接ワイヤと、そしてこのような
溶接ワイヤを得るのに好適に用いられる伸線用潤滑剤の
開発を目指すところにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】かかる課題解決のため
に、発明者らは、まず、種々の潤滑剤について鋭意研究
した。その結果、ポリ四弗化エチレン１〜60wt％（以下
は単に「％」で表示する），二硫化モリブデン１〜50％
およびグラファイト１〜50％，残部としてマイカ，セリ
サイトおよびタルクのうちのいずれか１種以上である鉱
物との組み合わせが有効であるとの知見を得た。
に、発明者らは、まず、種々の潤滑剤について鋭意研究
した。その結果、ポリ四弗化エチレン１〜60wt％（以下
は単に「％」で表示する），二硫化モリブデン１〜50％
およびグラファイト１〜50％，残部としてマイカ，セリ
サイトおよびタルクのうちのいずれか１種以上である鉱
物との組み合わせが有効であるとの知見を得た。
【００１０】そして、このような潤滑剤を溶接ワイヤ１
ｇ当り0.001 〜1.0 ％付着してなるフラックス入り溶接
ワイヤによれば、上述した課題が悉く克服できることが
できることが判った。
ｇ当り0.001 〜1.0 ％付着してなるフラックス入り溶接
ワイヤによれば、上述した課題が悉く克服できることが
できることが判った。
【００１１】
【作用】本発明において溶接ワイヤ表面に付着させる伸
線用潤滑剤の構成としては次のような成分組成にするこ
とが必要である。 (1).ポリ四弗化エチレン この潤滑剤は、一般に、テフロンと呼ばれる物質であ
り、潤滑の性質を有する。この配合量が、１％未満では
潤滑性が悪くなり溶接ワイヤ表面に傷が発生する。一
方、この配合量が、60％を超えると溶接ワイヤ表面の電
気抵抗が大きくなり溶接作業性が悪化する。従って、こ
のポリ四弗化エチレンの配合量は、潤滑剤全体に対して
１〜60％の範囲とした。 (2).二硫化モリブデン この潤滑剤は、極圧性の潤滑剤であり、伸線時に焼付き
が起きるのを防止する作用を有する。この配合量が、１
％未満では潤滑性が悪く、50％を超えると溶接ビード表
面にアバタが発生する。従って、この二硫化モリブデン
の配合量は、潤滑剤全体に対して重量比で１〜50％の範
囲とした。 (3).グラファイト この潤滑剤は、二硫化モリブデンと同様に極圧性の潤滑
剤であり、電気伝導性の良好な物質である。この配合量
が、１％未満では潤滑性が悪く、しかも溶接ワイヤ表面
の電気抵抗が極めて高くなり溶接作業性が悪化する。一
方、50％を超えると溶接部のＣ量が増加して溶接金属に
割れが発生する。従って、このグラファイトの配合量
は、潤滑剤全体に対して１〜50％の範囲とした。 (4).残部（マイカ，セリサイトおよびタルク） 潤滑剤の残部を構成するこれらの物質は、伸線時にキャ
リアとしての役目を担い、それ自身が壊れない硬さを有
して、コロの役目を果すような物質を用いる。例えば、
マイカ，セリサイトおよびタルクのうち少なくとも１種
以上からなる鉱物微粉が好適である。これらの残部物質
を配合しないと、かかる作用がないので伸線時に溶接ワ
イヤが破断することになる。
線用潤滑剤の構成としては次のような成分組成にするこ
とが必要である。 (1).ポリ四弗化エチレン この潤滑剤は、一般に、テフロンと呼ばれる物質であ
り、潤滑の性質を有する。この配合量が、１％未満では
潤滑性が悪くなり溶接ワイヤ表面に傷が発生する。一
方、この配合量が、60％を超えると溶接ワイヤ表面の電
気抵抗が大きくなり溶接作業性が悪化する。従って、こ
のポリ四弗化エチレンの配合量は、潤滑剤全体に対して
１〜60％の範囲とした。 (2).二硫化モリブデン この潤滑剤は、極圧性の潤滑剤であり、伸線時に焼付き
が起きるのを防止する作用を有する。この配合量が、１
％未満では潤滑性が悪く、50％を超えると溶接ビード表
面にアバタが発生する。従って、この二硫化モリブデン
の配合量は、潤滑剤全体に対して重量比で１〜50％の範
囲とした。 (3).グラファイト この潤滑剤は、二硫化モリブデンと同様に極圧性の潤滑
剤であり、電気伝導性の良好な物質である。この配合量
が、１％未満では潤滑性が悪く、しかも溶接ワイヤ表面
の電気抵抗が極めて高くなり溶接作業性が悪化する。一
方、50％を超えると溶接部のＣ量が増加して溶接金属に
割れが発生する。従って、このグラファイトの配合量
は、潤滑剤全体に対して１〜50％の範囲とした。 (4).残部（マイカ，セリサイトおよびタルク） 潤滑剤の残部を構成するこれらの物質は、伸線時にキャ
リアとしての役目を担い、それ自身が壊れない硬さを有
して、コロの役目を果すような物質を用いる。例えば、
マイカ，セリサイトおよびタルクのうち少なくとも１種
以上からなる鉱物微粉が好適である。これらの残部物質
を配合しないと、かかる作用がないので伸線時に溶接ワ
イヤが破断することになる。
【００１２】次に、上記潤滑剤を用いた本発明のフラッ
クス入り溶接ワイヤについて説明する。この溶接ワイヤ
表面に付着させるすべての潤滑剤の量については、溶接
ワイヤ１ｇ当り0.001 〜1.0 ％の範囲とする。この理由
は、溶接ワイヤ表面での残留量が0.001 ％未満では、溶
接ワイヤ伸線時の加工が困難となり、また溶接ワイヤ表
面に凹凸が発生してその断面形状が破線状態になってし
まう。一方、この残留量が1.0 ％を超える場合は、残留
量が多くなるため、溶接時に潤滑剤がチップ部に溜ま
り、溶接金属中に落ちて溶接欠陥発生の原因となってし
まうからである。
クス入り溶接ワイヤについて説明する。この溶接ワイヤ
表面に付着させるすべての潤滑剤の量については、溶接
ワイヤ１ｇ当り0.001 〜1.0 ％の範囲とする。この理由
は、溶接ワイヤ表面での残留量が0.001 ％未満では、溶
接ワイヤ伸線時の加工が困難となり、また溶接ワイヤ表
面に凹凸が発生してその断面形状が破線状態になってし
まう。一方、この残留量が1.0 ％を超える場合は、残留
量が多くなるため、溶接時に潤滑剤がチップ部に溜ま
り、溶接金属中に落ちて溶接欠陥発生の原因となってし
まうからである。
【００１３】以上説明したように、上述した組成の伸線
用潤滑剤を用いたフラックス入り溶接ワイヤによれば、
その潤滑剤が優れた潤滑性を有し、しかも溶接時にガス
成分を発生することがないため、溶接作業性および伸線
性に優れ、かつベーキング処理を施こさなくとも溶接欠
陥の発生しない溶接をすることができる。
用潤滑剤を用いたフラックス入り溶接ワイヤによれば、
その潤滑剤が優れた潤滑性を有し、しかも溶接時にガス
成分を発生することがないため、溶接作業性および伸線
性に優れ、かつベーキング処理を施こさなくとも溶接欠
陥の発生しない溶接をすることができる。
【００１４】
（実施例１）ポリ四弗化エチレン，二硫化モリブデン，
グラファイトおよび残部鉱物（タルク）の各配合量を、
表１に示すように種々変化させて作製した潤滑剤を用い
て、図２に示すようなダイレクト方式による穴ダイス連
続伸線機により、表２に示す組成のフラックスを充填率
15％で充填した冷延鋼板（SPCC）を、初期径３mmφから
1.2mm φまで伸線して巻締めフラックス入りワイヤを製
作した。
グラファイトおよび残部鉱物（タルク）の各配合量を、
表１に示すように種々変化させて作製した潤滑剤を用い
て、図２に示すようなダイレクト方式による穴ダイス連
続伸線機により、表２に示す組成のフラックスを充填率
15％で充填した冷延鋼板（SPCC）を、初期径３mmφから
1.2mm φまで伸線して巻締めフラックス入りワイヤを製
作した。
【００１５】得られた巻締めフラックス入りワイヤの伸
線性および溶接作業性について評価試験を行い、その結
果を表１に示した。伸線性の評価は、伸線された溶接ワ
イヤの表面性状から判断した。また、溶接作業性の評価
は、ベーキング処理を施さない，潤滑剤が付着したまま
の状態の溶接ワイヤを用いて、電流 250アンペア，電圧
30ボルト，溶接速度30cm/min，ワイヤ突出し長さ20mmお
よびシールドガス20l/min の溶接条件にて、図１に示す
ような下向きビードオンプレート溶接を行い、溶接ビー
ドの外観およびスパッター発生量から判断した。なお、
溶接ワイヤの潤滑剤付着量はワイヤ１ｇ当り、0.01〜0.
1 ％の範囲にあった。
線性および溶接作業性について評価試験を行い、その結
果を表１に示した。伸線性の評価は、伸線された溶接ワ
イヤの表面性状から判断した。また、溶接作業性の評価
は、ベーキング処理を施さない，潤滑剤が付着したまま
の状態の溶接ワイヤを用いて、電流 250アンペア，電圧
30ボルト，溶接速度30cm/min，ワイヤ突出し長さ20mmお
よびシールドガス20l/min の溶接条件にて、図１に示す
ような下向きビードオンプレート溶接を行い、溶接ビー
ドの外観およびスパッター発生量から判断した。なお、
溶接ワイヤの潤滑剤付着量はワイヤ１ｇ当り、0.01〜0.
1 ％の範囲にあった。
【００１６】その結果、表１から明らかなように、本発
明の潤滑剤組成を満足する適合例１〜８の巻締めフラッ
クス入りワイヤは、伸線性および溶接作業性ともに良好
であった。これに対して、本発明の潤滑剤組成を満足し
ない比較例１〜６の巻締めフラックス入りワイヤは、伸
線性または溶接作業性のいずれかが不良であった。
明の潤滑剤組成を満足する適合例１〜８の巻締めフラッ
クス入りワイヤは、伸線性および溶接作業性ともに良好
であった。これに対して、本発明の潤滑剤組成を満足し
ない比較例１〜６の巻締めフラックス入りワイヤは、伸
線性または溶接作業性のいずれかが不良であった。
【００１７】
【表１】
【００１８】
【００１９】（実施例２）ポリ四弗化エチレン40％，二
硫化モリブデン30％，グラファイト27％および残部タル
クからなる粉状の潤滑剤を用いて、図２に示すようなダ
イレクト方式による穴ダイス連続伸線機により、表２に
示す組成のフラックスを充填率15％で充填した冷延鋼板
（SPCC）を、初期径３mmφから1.2mm φまで伸線して巻
締めフラックス入りワイヤを作製した。
硫化モリブデン30％，グラファイト27％および残部タル
クからなる粉状の潤滑剤を用いて、図２に示すようなダ
イレクト方式による穴ダイス連続伸線機により、表２に
示す組成のフラックスを充填率15％で充填した冷延鋼板
（SPCC）を、初期径３mmφから1.2mm φまで伸線して巻
締めフラックス入りワイヤを作製した。
【００２０】得られた巻締めフラックス入りワイヤの伸
線性および溶接作業性について評価試験を行った。伸線
性の評価は、伸線された溶接ワイヤの表面性状から判断
した。溶接作業性の評価は、ベーキング処理を施さな
い，潤滑剤が付着したままの状態の溶接ワイヤを用い
て、実施例１と同一の方法で溶接した結果に基づいて判
断した。なお、溶接ワイヤの潤滑剤付着量は無潤滑のダ
イスを用いて溶接ワイヤ１ｇ当り、0.01〜0.1 ％の範囲
に調整した。
線性および溶接作業性について評価試験を行った。伸線
性の評価は、伸線された溶接ワイヤの表面性状から判断
した。溶接作業性の評価は、ベーキング処理を施さな
い，潤滑剤が付着したままの状態の溶接ワイヤを用い
て、実施例１と同一の方法で溶接した結果に基づいて判
断した。なお、溶接ワイヤの潤滑剤付着量は無潤滑のダ
イスを用いて溶接ワイヤ１ｇ当り、0.01〜0.1 ％の範囲
に調整した。
【００２１】その結果、表３から明らかなように、本発
明の範囲を満足する適合例９〜14の巻締めフラックス入
りワイヤは、伸線性および溶接作業性ともに良好であっ
た。これに対して、本発明の範囲を逸脱する比較例７〜
11の巻締めフラックス入りワイヤは、伸線性または溶接
作業性のいずれかが不良であった。
明の範囲を満足する適合例９〜14の巻締めフラックス入
りワイヤは、伸線性および溶接作業性ともに良好であっ
た。これに対して、本発明の範囲を逸脱する比較例７〜
11の巻締めフラックス入りワイヤは、伸線性または溶接
作業性のいずれかが不良であった。
【００２２】
【表３】
【００２３】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、溶
接作業性および伸線性に優れ、かつベーキング処理を施
こさなくとも溶接欠陥が発生しない溶接ワイヤ、および
このような溶接ワイヤを得るのに好適に用いられる伸線
用潤滑剤を安定して提供することができる。
接作業性および伸線性に優れ、かつベーキング処理を施
こさなくとも溶接欠陥が発生しない溶接ワイヤ、および
このような溶接ワイヤを得るのに好適に用いられる伸線
用潤滑剤を安定して提供することができる。
【図１】下向きビードオンプレート溶接の概略図であ
る。
る。
【図２】ダイレクト方式による穴ダイス連続伸線機の概
略図である。
略図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所
Ｃ１０Ｍ 125:22
125:02
125:30）
Ｃ１０Ｎ 10:12
40:32
Claims (2)
- 【請求項１】 ポリ四弗化エチレン：１〜60wt％，二硫
化モリブデン：１〜50wt％およびグラファイト：１〜50
wt％，残部としてマイカ，セリサイトおよびタルクのう
ちのいずれか１種以上である鉱物からなる溶接ワイヤ伸
線用潤滑剤。 - 【請求項２】 請求項１に記載の溶接ワイヤ伸線用潤滑
剤を、溶接ワイヤ１ｇ当り0.001 〜1.0 wt％付着してな
ることを特徴とするフラックス入り溶接ワイヤ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20561991A JPH0523731A (ja) | 1991-07-23 | 1991-07-23 | 溶接ワイヤ伸線用潤滑剤およびフラツクス入り溶接ワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20561991A JPH0523731A (ja) | 1991-07-23 | 1991-07-23 | 溶接ワイヤ伸線用潤滑剤およびフラツクス入り溶接ワイヤ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0523731A true JPH0523731A (ja) | 1993-02-02 |
Family
ID=16509884
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20561991A Pending JPH0523731A (ja) | 1991-07-23 | 1991-07-23 | 溶接ワイヤ伸線用潤滑剤およびフラツクス入り溶接ワイヤ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0523731A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0685293A1 (en) * | 1994-05-06 | 1995-12-06 | KABUSHIKI KAISHA KOBE SEIKO SHO also known as Kobe Steel Ltd. | Flux-cored wire and solid wire for arc welding |
| CN100424156C (zh) * | 2004-10-26 | 2008-10-08 | 张继武 | 金属抗磨减磨动态自修复润滑剂及其制备工艺 |
| EP0916444B2 (en) † | 1997-11-11 | 2009-07-15 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | Wire for welding |
| US8901455B2 (en) | 2008-06-18 | 2014-12-02 | Lincoln Global, Inc. | Welding wire for submerged arc welding |
| US8952295B2 (en) | 2008-06-18 | 2015-02-10 | Lincoln Global, Inc. | Welding wire with perovskite coating |
| EP4353403A1 (en) * | 2022-10-14 | 2024-04-17 | Hobart Brothers LLC | High temperature welding wire lubricant for preheated welding wire system and related methods |
-
1991
- 1991-07-23 JP JP20561991A patent/JPH0523731A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0685293A1 (en) * | 1994-05-06 | 1995-12-06 | KABUSHIKI KAISHA KOBE SEIKO SHO also known as Kobe Steel Ltd. | Flux-cored wire and solid wire for arc welding |
| US5672287A (en) * | 1994-05-06 | 1997-09-30 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | Flux-cored wire and solid wire for ARC welding |
| EP0916444B2 (en) † | 1997-11-11 | 2009-07-15 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | Wire for welding |
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| EP4353403A1 (en) * | 2022-10-14 | 2024-04-17 | Hobart Brothers LLC | High temperature welding wire lubricant for preheated welding wire system and related methods |
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