JPH05235114A - 金属被覆ポリイミド基板の製造方法 - Google Patents

金属被覆ポリイミド基板の製造方法

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JPH05235114A
JPH05235114A JP6942392A JP6942392A JPH05235114A JP H05235114 A JPH05235114 A JP H05235114A JP 6942392 A JP6942392 A JP 6942392A JP 6942392 A JP6942392 A JP 6942392A JP H05235114 A JPH05235114 A JP H05235114A
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JP
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polyimide resin
layer
copper
substrate
metal
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JP6942392A
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Shuichi Ogasawara
修一 小笠原
Chigusa Ishii
千草 石井
Etsuko Hoshino
悦子 星野
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無電解めっきによりポリイミド樹脂表面に銅
を10重量%以上95重量%の範囲で含有する合金層を
被着させる場合において、はんだ付け等の熱衝撃を加え
ても十分な密着強度を保つことができるような金属被覆
ポリイミド基板の製造方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 ポリイミド樹脂に無電解めっきにより、銅を
10重量%以上95重量%の範囲で含有し、さらにニッ
ケルまたはコバルトまたはその両者を含有する合金被覆
層を形成する金属被覆ポリイミド基板の製造工程におい
て、ポリイミド樹脂上に該無電解めっき合金被覆層を形
成した後、基板を酸素濃度1000ppm以下の雰囲気
中で熱処理することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント配線板(PW
B)、フレキシブルプリント回路(FPC)およびテー
プ自動ボンディング(TAB)テープ等の素材となる金
属被覆ポリイミド基板の製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂は耐熱性および電気絶縁
性に優れ、また機械的特性や化学的特性においても他の
プラスチック材料に比べて遜色のないところから、電気
機器等の絶縁材料として広く用いられており、例えば、
PWB、FPC、TAB等の電子部品はこのポリイミド
樹脂に銅被覆を施した銅ポリイミド基板が多用されてい
る。
【0003】ところで、ポリイミド樹脂に銅被覆を施す
方法としては従来はポリイミド樹脂と銅箔とを接着剤を
使用して貼り合わせるラミネート法が採用されていた
が、この方法によるときはポリイミド樹脂と銅との界面
に存在する接着剤層が電気絶縁性や耐熱性に悪影響を及
ぼすことがあるので、上記したラミネート法によるもの
に加えてポリイミド樹脂表面に接着剤を介さずに直接銅
被覆を施す方法によるものも開発されている。
【0004】この方法は、ポリイミド樹脂表面にスパッ
タリング法、イオンプレーティング法、蒸着法、無電解
めっき法などを使用して直接銅被覆層を形成させるもの
である。そしてこのようにして得られた銅ポリイミド基
板は、ポリイミド樹脂表面に直接形成された銅被膜を第
1の銅層とすると、その後この第1の銅層上にフォトレ
ジストを塗布して所定のパターンで露光後現像すること
により露出した部分の第1の銅層上に電気めっき等によ
り所望の厚さになるまで銅の厚付けを行なって第2の銅
層を形成し、これ以外の部分に残留するフォトレシズト
を剥離除去してその部分に露出した第1の銅層を前記の
第2の銅層をマスクとして溶解し回路を形成するいわゆ
るアデティブ法によるか、あるいは第1の銅層上に必要
に応じて電気めっき等により所望の厚みになるまで銅の
厚付けを行ない、該銅層上にフォトレジストを塗布し、
所定のパターンで露光後現像を行なうことにより露出し
た部分の銅層を溶解して回路を形成するいわゆるサブト
ラクティブ法によるかの何れかの方法を行なうことによ
って、PWB、FPC、TAB等の電子部品に加工され
ている。
【0005】上記のようにして回路を形成した基板は、
さらに置換析出型の無電解めっきを施して回路上に置換
金属を析出させることが行なわれる場合があるが、この
際該回路とポリイミド樹脂との界面の銅層が侵食されや
すく、その侵食の程度が著しい場合には、該回路がポリ
イミド樹脂から剥離してしまうという問題が生じてい
た。
【0006】この問題を解決する手段として本発明者は
さきにポリイミド樹脂表面に金属層を形成することによ
って得られる金属被覆ポリイミド基板において、金属層
が銅を10重量%以上95重量%以下の範囲で含有する
合金層とし、この銅を含有する合金層にニッケルまたは
コバルトまたはその両者を含有させる方法を提案してい
る。
【0007】上記の方法は、ポリイミド樹脂表面に直接
形成する金属層を純銅ではなく銅以外の金属元素を5重
量%より多く含有する合金層とすることによって、該合
金層上に引き続き形成される純銅層に比べて置換析出型
の無電解めっき液中での合金層の平衡電位を貴とし、銅
の溶出がポリイミド樹脂表面に直接形成された合金層か
らではなく、その上に形成された純銅層から起こるよう
にするためであって、これによって結果的に回路を形成
する金属層のポリイミド樹脂からの剥離を防止すること
ができるようになった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにして改良
された金属被覆ポリイミド基板を用いることによって、
銅表面に置換析出型の無電解めっきを施しても回路のポ
リイミド樹脂からの剥離を生ずることのないTABやF
PC等の電子部品を得ることが可能となった。しかしな
がら該合金層を無電解めっきによりポリイミド樹脂表面
に形成した場合において、該基板を用いて作成したTA
BやFPC等の回路にはんだ付け等を行なった場合に
は、その熱衝撃によって合金層の基板に対する密着強度
が著しく低下してしまうという問題が新たに生じ、かつ
この問題を解決する手段は未だ見出されていない。
【0009】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであって、無電解めっきによりポリイミド樹脂表面
に銅を10重量%以上95重量%以下の範囲で含有する
合金層を被着させる場合において、はんだ付け等の熱衝
撃を加えても十分な密着強度を保つことができるような
金属被覆ポリイミド基板の製造方法を提供することを目
的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は研究の結
果、ポリイミド樹脂表面に無電解めっきにより銅を10
重量%以上95重量%以下の範囲で含む合金層を形成す
るに当たって、通常前処理が施されるが、この前処理に
よってポリイミド樹脂表面に変質層が形成され、この変
質層が基板にはんだ付け等の熱衝撃を加えた場合におけ
る合金層剥離の大きな原因となっていることを見出し、
その対策を検討した結果本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、上記の課題を解決するための本発明
の方法は、ポリイミド樹脂上に無電解めっきにより、銅
を10重量%以上95重量%以下の範囲で含有し、さら
にニッケルまたはコバルトまたはその両者を含有する合
金被覆層を形成する金属被覆ポリイミド基板の製造工程
において、ポリイミド樹脂上に該無電解合金被覆層を形
成した後、基板を酸素濃度1000ppm以下の雰囲気
中で熱処理することを特徴とする金属被覆ポリイミド基
板の製造方法である。しかして上記の製造法において、
熱処理に際しての好ましい温度範囲は300乃至500
℃の範囲であり、また好ましい熱処理時間は5分乃至2
4時間である。
【0012】
【作用】一般にポリイミド樹脂の表面に無電解めっきを
施すに際しては、めっき効率向上のために、めっき触媒
となるパラジウム等を予めポリイミド樹脂表面へ吸着さ
せることが行なわれているが、この触媒の吸着を促進さ
せるためにポリイミド樹脂表面に親水性を付与するため
のエッチング処理を行なっている。
【0013】該エッチング処理は、通常ヒドラジン一水
和物等を使用してなされるが、その際該ポリイミド樹脂
表面には化学的に改質された変質層を生ずる。この変質
層は当然親水性を有するものであるが、一方において化
学的に不安定な構造である場合が多く耐熱性にも劣るも
のである。従ってこのような前処理を経て無電解めっき
により合金被覆層を形成した基板に対してはんだ付け等
による熱衝撃が加えられるとき、該変質層の機械的強度
が著しく低下し結果的にポリイミド樹脂に対するめっき
被覆層の密着強度が低下してしまうものと考えられる。
また、さらに該変質層は親水性に富んでいるために、該
基板に熱衝撃が加えられたときに該変質層に含まれる水
分がポリイミド樹脂とめっき被覆層との界面で水蒸気爆
発を起こし、基板に対するめっき被覆層の密着強度の低
下を招くことも考えられる。何れにしても基板に対する
めっき被覆層の密着性の低下はこの熱衝撃に弱い変質層
の存在に起因するものと考えられるので、基板にはんだ
付け等による熱衝撃を加える前に該変質層を耐熱性、特
に耐熱衝撃性に優れた構造に改質しておく必要がある。
【0014】本発明は上記した知見に基づいてなされた
もので、本発明において行なわれる基板に対する熱処理
は、ポリイミド樹脂にエッチングに際して形成される変
質層を熱処理を加えることによって再イミド化し、耐熱
衝撃性に優れたもとの構造に再改質するものである。従
ってこのようにしてポリイミド樹脂の変質層がイミド化
された基板は熱衝撃に対する抵抗性が著しく強くなるの
で基板にはんだ付け等を行なっても金属被覆層の剥離等
を招く恐れがない。
【0015】本発明において行なう熱処理における温度
と熱処理時間との間には相関関係があり、熱処理温度と
しては300乃至500℃の範囲であることが望まし
い。熱処理の温度が300℃未満であるときは熱処理の
時間をいくら長くしても熱処理による十分な効果は得ら
れず、はんだ付け等による熱衝撃を基板に加えたときに
金属被覆の密着強度の低下を防止することができない。
また熱処理の温度が500℃を超えると熱処理の時間を
いくら短くしてもポリイミド樹脂の化学的な劣化が避け
られず、基板の機械的な特性が低下する。
【0016】一方、熱処理の時間は5分乃至24時間の
範囲であることが望ましい。熱処理の温度が高いときは
熱処理の時間は短かくても十分な効果が得られるが、熱
処理の温度が低いときは熱処理の時間を十分に長くとる
必要がある。しかしながら熱処理の温度が500℃付近
の高温であっても熱処理の時間が5分未満であるときは
均一な熱処理効果が得られない。また熱処理の温度が3
00℃付近の低温であるときは熱処理を24時間以上行
なってもより優れた効果を挙げることは困難であり、ま
た生産性が低下する上にポリイミド樹脂の劣化を招くこ
とがあるので好ましくない。
【0017】また、本発明において行なう熱処理の雰囲
気は酸素濃度1000ppm以下であることが望まし
い。酸素濃度が1000ppmを超えると熱処理中に銅
の著しい酸化を招き、銅の機械的、電気的特性を阻害す
るようになるばかりか、ポリイミド樹脂の化学的な劣化
を招き、ポリイミド樹脂の機械的、電気的特性を阻害す
るようになり、ひいては基板自体の上記特性を劣化する
ためである。熱処理の雰囲気として推奨されるのは、酸
素濃度1000ppm以下の真空雰囲気、または酸素濃
度1000ppm以下の不活性ガス雰囲気である。
【0018】本発明における無電解めっき法および無電
解めっき前処理法には特に限定はなく、従来法を踏襲し
てよいが、無電解めっき前処理におけるエッチング処理
条件は、エッチング処理によってポリイミド樹脂の表面
に形成される変質層の特性と関係がある。即ち、エッチ
ング処理条件によって適正な熱処理条件が左右されるた
め、実操業に際してはエッチング処理条件と熱処理条件
との適正な関係を前以って求めておく必要がある。
【0019】
【実施例】次に本発明の実施例について述べる。 実施例1 30cm×30cmの大きさの東レ・デュポン社製「カ
プトン200型」ポリイミド樹脂フィルムの片面をヒド
ラジン一水和物を50体積%含有する水溶液に25℃で
1分間浸漬し、次いで水洗してから奥野製薬社製「OP
C−80 キャタリストM」を使用して触媒付与を行な
い、次いでさらに水洗して奥野製薬社製「OPC−55
5 アクセレーター」を使用して25℃で45秒間の促
進処理を行なった。その後、これに表1に示す条件で無
電解銅−ニッケル燐合金めっきを行なった。
【0020】
【表1】 (浴組成) NiSO・6HO : 0.05モル/l CuSO・5HO : 0.02モル/l MaHPO・HO : 0.3モル/l クエン酸三ナトリウム二水和物 : 0.2モル/l プロピオン酸ナトリウム : 0.1モル/l (めっき条件) 温 度 : 70℃ 時 間 : 5分間 pH : 9 得られた無電解銅−ニッケル燐合金めっき被膜の厚みは
0.2μmであり、合金の組成は銅が63重量%、ニッ
ケルが32重量%、燐が5重量%であった。
【0021】次に該基板を酸素濃度10ppmの窒素雰
囲気の加熱炉中で昇温速度10℃/分で加熱昇温させ、
420℃で1時間加熱保持する熱処理を施した後25℃
の温度まで冷却した。その後、該基板の合金めっき被膜
上に東京応化社製のフォトレジスト「PMER HC−
600」を厚さ45μmに均一に塗布し70℃で30分
間乾燥を加えた。次に、これと反対面の基板のポリイミ
ド樹脂表面に、富士薬品工業社製フォトレジスト「FS
R−S」を厚さ10μmに均一に塗布し、70℃で30
分間乾燥した。
【0022】得られた基板のフオトレジスト「PMER
HC−600」側に、インナーリード部においてリー
ド幅50μm、リード間隔50μmのリードが形成され
るようにマスキングを施し、一方フォトレジスト「FS
R−S」側にはデバイスホール、およびスプロケットホ
ールなどの所定のホールパターンが形成されるようにマ
スキングを施し、それぞれのフォトレジスト層に所定の
強度の紫外線を照射した後、現像を行なった。
【0023】これによって露出した無電解銅−ニッケル
燐合金めっき被膜上に厚さ35μmの銅層を電気めっき
により形成して後、フォトレジスト「PMER HC−
600」の剥離を行ない、これにより露出した無電解銅
−ニッケル燐合金めっき被膜の電気銅めっき被膜をマス
クとして溶解除去し回路を形成した。
【0024】次に電気銅めっき被膜および露出したポリ
イミド樹脂表面にフォトレジスト「FSR−S」を厚さ
15μmに均一に塗布し、130℃で30分間乾燥し、
上記処理を施した基板をヒドラジン一水和物に50℃で
5分間浸漬して露出した部分のポリイミド樹脂の溶解除
去を行ない、デバイスホール、およびスプロケットホー
ルを形成し、「FSR−S」を剥離した。その後該めっ
き層に表2に示す条件で析出置換型の無電解すずめっき
を行なった。
【0025】
【表2】 (めっき浴組成) SnCl・2HO : 50g/l HCl : 50ml/l チオ尿素 : 100g/l (めっき条件) 温 度 : 70℃ 時 間 : 5分間 得られた無電解すずめっき被膜の厚みは1μmであり、
上記処理によりインナーリード部において、リード幅5
0μm、リード間隔50μmのリードを有し、リードお
よび回路上にすずめっきの施されたTABテープを得る
ことができた。
【0026】得られたTABテープにおいて、ポリイミ
ド樹脂と銅めっき層の界面に存在する合金層には侵食の
痕跡は見られなかった。さらに得られたTABテープの
インナーリード先端部に350℃の温度ではんだ付けを
行なったが、リードのポリイミド樹脂からの剥離は観察
されず、またリードのポリイミド樹脂に対する密着強度
は1300gf/cmであり、電子部品として十分満足
し得る値を示した。 実施例2 実施例1と同様のポリイミド樹脂フィルムを使用し、そ
の片面に実施例1と同様の手順で無電解銅−ニッケル燐
合金めっきを施し、爾後に行なう基板の熱処理を酸素濃
度1000ppmの窒素雰囲気の加熱炉中において昇温
速度5℃/分で300℃に加熱昇温した後、同温度に2
4時間保持して行なった以外は、実施例1と同様の手順
でTABテープを製造した。
【0027】得られたTABテープにおいて、ポリイミ
ド樹脂と銅めっき層の界面に存在する合金層には侵食の
痕跡は見られなかった。さらに得られたTABテープの
インナーリード先端部に350℃の温度ではんだ付けを
行なったがリードのポリイミド樹脂からの剥離は観察さ
れず、またリードのポリイミド樹脂に対する密着強度は
1100gf/cmであり、電子部品として十分満足し
得る値を示した。 実施例3 実施例1と同様のポリイミド樹脂フィルムを使用し、そ
の片面に実施例1と同様の手順で無電解銅−ニッケル燐
合金めっきを施し、爾後に行なう基板の熱処理を10
−4Torrの真空に維持した加熱炉中で昇温速度5℃
/分で500℃に加熱昇温した後、同温度で5分間保持
して行なった以外は、実施例1と同様の手順でTABテ
ープを製造した。
【0028】得られたTABテープにおいて、ポリイミ
ド樹脂と銅めっき層の界面に存在する合金層には侵食の
痕跡は見られなかった。さらに得られたTABテープの
インナーリード先端部に350℃の温度ではんだ付けを
行なったがリードのポリイミド樹脂からの剥離は観察さ
れず、またリードのポリイミド樹脂に対する密着強度は
1200gf/cmであり、電子部品として十分満足し
得る値を示した。 比較例1 実施例1と同様のポリイミド樹脂フィルムを使用し、そ
の片面に実施例1と同様の手順で無電解銅−ニッケル燐
合金めっきを施した後、爾後の基板の熱処理を酸素濃度
10ppmの窒素雰囲気の加熱炉中で昇温速度10℃/
分で510℃の温度に加熱昇温し、同温度に2分間の加
熱保持を行なったところ、ポリイミド樹脂の一部に炭化
した部分が見られ、従ってこの基板はTAB等の電子部
品素材としては機械的、電気的信頼性に欠けるものであ
ることが判かった。 比較例2 実施例1と同様のポリイミド樹脂フィルムを使用し、そ
の片面に実施例1と同様の手順で無電解銅−ニッケル燐
合金めっきを施した後、爾後の基板の熱処理を酸素濃度
10ppmの窒素雰囲気の加熱炉中で昇温速度10℃/
分で290℃の温度に加熱昇温し、同温度に48時間の
加熱保持を行なったところ、ポリイミド樹脂の一部に炭
化した部分が見られ、従ってこの基板はTAB等の電子
部品素材としては機械的、電気的信頼性に欠けるもので
あることが判かった。 比較例3 実施例1と同様のポリイミド樹脂フィルムを使用し、そ
の片面に実施例1と同様の手順で無電解銅−ニッケル燐
合金めっきを施した後、爾後の基板の熱処理を酸素濃度
1500ppmの窒素雰囲気の加熱炉中で昇温速度10
℃/分で420℃の温度に加熱昇温し、同温度に1時間
の加熱保持を行なったところ、銅の酸化が著しく、しか
もポリイミド樹脂の一部に炭化した部分が見られた。従
ってこの基板はTAB等の電子部品素材としては機械
的、電気的信頼性に欠けるものであることが判かった。
【0029】
【発明の効果】以上述べた如く本発明の方法によれば、
ポリイミド樹脂表面に無電解めっきにより金属被覆を形
成した基板を用いて、TAB、FPC、PWB等の電子
部品を製造するに際して、ポリイミド樹脂と銅層との界
面に銅よりも平衡電位の貴な合金層を形成し、さらに該
基板に適切な条件で熱処理を施すことによって基板の金
属被覆層の密着性を低下させたり剥離を生じさせたりす
ることなく、置換析出型の無電解めっきを施すことが可
能となり、また得られた基板にはんだ付け等による熱衝
撃を加えた場合においても金属被覆層の密着性の低下を
招くことがないようにすることができるので、本発明の
方法によって得られた基板はTAB、FPC、PWB等
の電子部品作成用の素材として好適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミド樹脂上に無電解めっきによ
    り、銅を10重量%以上95重量%以下の範囲で含有
    し、さらにニッケルまたはコバルトまたはその両者を含
    有する合金被覆層を形成する金属被覆ポリイミド基板の
    製造工程において、ポリイミド樹脂上に該無電解めっき
    による合金被覆層を形成した後、基板を酸素濃度100
    0ppm以下の雰囲気中で熱処理することを特徴とする
    金属被覆ポリイミド基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱処理温度が300乃至500℃の範囲
    であり、また熱処理時間が5分乃至24時間の範囲であ
    る請求項1記載の金属被覆ポリイミド基板の製造方法。
JP6942392A 1992-02-19 1992-02-19 金属被覆ポリイミド基板の製造方法 Pending JPH05235114A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003031625A (ja) * 2001-07-11 2003-01-31 Sumitomo Metal Mining Co Ltd ポリイミド樹脂の加工方法
JP2008231459A (ja) * 2007-03-16 2008-10-02 Okuno Chem Ind Co Ltd ポリイミド樹脂上への導電性皮膜の形成方法

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