JPH05234419A - 誘電体を用いた素子 - Google Patents

誘電体を用いた素子

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JPH05234419A
JPH05234419A JP4243792A JP24379292A JPH05234419A JP H05234419 A JPH05234419 A JP H05234419A JP 4243792 A JP4243792 A JP 4243792A JP 24379292 A JP24379292 A JP 24379292A JP H05234419 A JPH05234419 A JP H05234419A
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JP
Japan
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film
thin film
dielectric
strontium titanate
electrode
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JP4243792A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Eguchi
和弘 江口
Katsuaki Natori
克晃 名取
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、優れた強誘電体単結晶薄膜を有する
強誘電体素子を提供することを目的とする。 【構成】ペロブスカイト型結晶構造を有するSrTiO
3 単結晶基体11を用いて、これと格子整合するPZT
単結晶薄膜12をエピタキシャル成長させて、所望の強
誘電体素子を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜キャパシタなどの
誘電体膜を用いた素子に関する。
【0002】
【従来の技術】代表的な強誘電体の一つに、チタン酸ジ
ルコン酸鉛(PZT:PbZr1-x Tix 3 )があ
る。PZTを様々な強誘電体素子に利用するためには、
欠陥のないPZT単結晶薄膜の形成が望まれる。PZT
の薄膜化はこれまで、ゾル−ゲル法、スパッタリング
法、蒸着法、レーザアブレーション法等の物理的気相堆
積法(PVD法)や化学的気相堆積法(CVD法)によ
り行われている。
【0003】しかし従来得られているPZT薄膜は、ほ
とんど無配向か、或いは多結晶であって、単結晶薄膜は
得られていない。その原因は、PZT薄膜を形成する基
体の結晶構造にある。従来の多くの例は、PZT薄膜
が、MgO単結晶基体、Si単結晶基体或いは白金基体
等に形成されている。これらの基体はPZTと結晶構造
が異なり、結晶の格子定数も異なるため、PZT薄膜が
単結晶としてエピタキシャル成長せず、多結晶に止まっ
ている。PZT薄膜を単結晶化できれば、誘電率や残留
分極はより大きくなり、またリーク電流も小さくなるた
め、各種の強誘電体素子の特性向上が期待される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来よ
り、強誘電体単結晶薄膜が望まれながら、PZT単結晶
薄膜は得られていない。本発明は、上記事情を考慮して
なされたもので、その目的とするところは、良質な単結
晶の誘電体薄膜を持つ素子を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するため
に、本発明の誘電体を用いた素子(請求項1)は、不純
物を含む誘電体からなる第1の電極と、この第1の電極
の表面に設けられた誘電体膜と、この誘電体膜の表面に
設けられた第2の電極とを備えている。
【0006】また、本発明の他の誘電体を用いた素子
(請求項2)は、基板上に形成されたトランジスタと、
このトランジスタのソース・ドレインの一方に接続され
た不純物を含む誘電体からなる第1の電極と、この第1
の電極の表面に設けられた誘電体膜と、この誘電体膜の
表面に設けられた第2の電極とを備えている。更にま
た、本発明の他の誘電体を用いた素子(請求項4)は、
ペロブスカイト型結晶構造を有する基板とを備えてい
る。
【0007】
【作用】本発明(請求項1)では、不純物を含む誘電体
からなる第1の電極の表面に誘電体膜が設けられてい
る。前記不純物を含む誘電体からなる第1の電極と前記
誘電体膜との反応は、金属からなる電極と誘電体膜との
反応に比べて起こり難い。また、前記第1の電極の誘電
体材料及び前記誘電体膜の誘電体材料の組み合わせによ
っては、前記第1の電極上に前記誘電体膜をエピタキシ
ャル成長させることができる。したがって、欠陥が少な
く、薄い誘電体膜を形成できるので、性能の高い素子が
得られる。
【0008】本発明(請求項2)では、不純物を含む誘
電体からなる第1の電極がソース・ドレインに接続され
ている。このため、前記第1の電極上に欠陥が少なく、
薄い誘電体膜を形成できる。したがって、前記トランジ
スタと、前記第1の電極,前記誘電体膜及び第2の電極
とで構成されるキャパシタの微細化を図っても、十分な
静電容量が確保でき、高集積化が容易になる。
【0009】本発明(請求項4)によれば、ペロブスカ
イト結晶構造の基体を用いてエピタキシャル成長させる
ことにより、PZTやチタン酸バリウム(BaTi
3 )等の薄い酸化物強誘電体薄膜を良質の単結晶膜と
して形成することができる。これらの単結晶薄膜は、多
結晶の場合に比べて誘電率や残留分極が大きくなり、ま
たリーク電流が小さくなり、優れた光導波路や高周波で
も動作できる超音波トランジスタデューサーを得ること
ができる。
【0010】なお、ここでいう単結晶薄膜は、完全な単
結晶でなく多少の多結晶や転位等を含んでもよく、エッ
チピットで見た転位密度が108 /cm2 以下、特に好ま
しくは105 /cm2 以下であればよい。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。
【0012】図1は、PZTの組成比と格子定数の関係
を示し、併せてPZTの格子定数に近い格子定数を有す
る各種ペロブスカイト型結晶を示している。図示のよう
に、PZTと格子定数がほぼ一致するペロブスカイト型
結晶として、BaZrO3 ,KCuF3 ,KFeF3
BaSnO3 ,KCoF3 ,SrHfO3 ,RbCoF
3 ,KZnF3 ,BaMoO3 ,SrSnO3 ,LiB
aH3 ,KNiF3 ,LiBaF3 ,LaVO3 ,Ba
TiO3 ,KTaO3 ,BaFeO3 ,SrMoO3
MgF3 ,FeBiO3 ,LaRhO3 ,AgTa
3 ,BiMnO3,Mn3 ZnC,LaTiO3 ,S
rTiO3 ,CeVO3 ,BiCrO3 ,CeFe
3 ,EuTiO3 ,SmVO3 ,CeGaO3 ,Al
Mn3 C,SrFeO3 ,CeCrO3 ,PuMnO3
等がある。これらのペロブスカイト型結晶構造の単結晶
基体を用いれば、これと格子定数がほぽ等しいPZT単
結晶をエピタキシャル成長させることができる。次に、
PZT単結晶薄膜をエピタキシャル成長する方法につい
て説明する。この実施例では、有機金属気相成長法を用
いた。
【0013】図2が、用いた有機金属気相成長装置であ
る。石英製の反応容器401内に、前述した材料から選
ばれたペロブスカイト型結晶構造を有する単結晶基体4
02が、抵抗加熱ヒーター403によって加熱保持され
る。基体402は、全体が前述したペロブスカイト型単
結晶に限らず、半導体や金属等の他の基体の表面に前述
したペロブスカイト型の単結晶膜が形成されたものであ
ってもよい。
【0014】101〜103はステンレス製の原料ガス
容器であり、201〜204は質量流量制御器、301
〜304はガス流路切り替え弁である。なお反応容器4
01,質量流量制御器301〜304,ガス流路切り替
え弁等の間を結合する配管もすべてステンレス製であ
る。
【0015】容器401内の基体402は、熱電対40
4によって温度が検知され、薄膜成長中は一定温度に保
たれるように温度制御がなされる。反応容器401内の
ガスは、油回転ポンプ407を介して排気される。反応
容器401内の圧力は圧力計405によって検知され、
膜成長中は反応容器401内の圧力が一定に保たれるよ
うにコンダクタンス調整バルブ406で制御される。
【0016】また、鉛、ジルコニウム、チタンの各原料
ガスとしては、それぞれ、テトラエチル鉛(Pb(C2
5 4 )、テトラタ−シャリーブトキシドジルコニウ
ム(Zr(t−OC2 5 4 )、テトライソプロポキ
シドチタン(Ti(i−OC3 7 4 )を用いた。こ
れらの化合物原料ガスをそれぞれ原料容器101〜10
3に封入してそれぞれの原料にとって適切な温度に保持
し、キャリアガスをこれらの容器101〜103内に通
じることにより、反応容器401内の基体402上まで
輸送した。酸素の原料には酸素(O2 )ガスを用いた。
【0017】これらの原料ガスの流量は、質量流量制御
器201〜204により精密に制御されている。また反
応容器401内に導入するガスの流量を一定に保つた
め、原料ガス以外のキャリアガス(高純度Arガス)を
質量流量制御器205,206を通して反応容器401
に導入した。
【0018】薄膜成長の開始、終了は、原料ガスを流路
切り替え弁301〜304を用いて原料ガスの流路を排
気側と反応容器401側に切り替えることにより制御し
た。流路切り替え弁301〜304はすべて空気作動型
の弁であり、電磁弁を通じてコンピュータを用いたシー
ケンス制御装置により遠隔操作される。なお、原料容器
以降、反応容器401までの配管はすべてオーブン(図
示しない)内に収容され、原料の使用温度より高い温度
に保持される。
【0019】次に、より具体的な実施例を(100)S
rTiO3 単結晶基体を用いた場合について説明する。
まず、化学エッチングにより基体表面を清浄化したSr
TiO3 単結晶基体を抵抗加熱ヒーター403上に載置
し、反応容器401に高純度のキャリアガスを供給して
内部の空気を置換する。次に油回転ポンプ407を作動
させ、圧力計405を見ながら容器401内の圧力を1
0Torrに調整する。
【0020】その後、質量流量制御器204を通じて高
純度酸素ガスを供給し、抵抗加熱ヒーター403で単結
晶基体402を850℃に加熱して、単結晶基体402
の表面の清浄化を行う。この表面清浄化を行っている間
に質量流量制御器201〜203,205を経由して流
量が調整されたArガスを、それぞれ20℃,70℃,
70℃に保持されたテトラエチル鉛、テトラタ−シャリ
ーブトキシドジルコニウム、テトライソプロポキシドチ
タンの各原料容器101〜103にそれぞれ、110S
CCM,30SCCM,5SCCMの割合で送り込み、
得られた蒸気を配管を通じて下流側に送り出す。その
際、流路切り替え弁301〜303を操作して、蒸気は
反応容器401には送らずに排気側に放流する。ここま
でが成長の予備段階である。
【0021】基体温度が600℃、反応管内圧力が10
Torrに安定した後、流路切り替え弁301〜303を操
作して原料ガス流路を反応容器側に切り替え、PZT単
結晶薄膜の成長を開始する。成長時間は、1時間であ
る。成長終了後、一斉に流路切り替え弁301〜303
を排気側に切り替え、ヒーター402による基板加熱を
止めて冷却する。冷却の間、酸素ガスは流したままとす
る。
【0022】図3は、以上の工程により得れらたPZT
薄膜結晶を有する誘電体基板である。SrTiO3 単結
晶基体11上に、約0.3μm のPZT単結晶薄膜12
が形成されている。
【0023】こうして得られた誘電体基板を誘導結合プ
ラズマ発光分光法(ICP法)により分析した結果、P
ZT単結晶薄膜の組成は、Ti成分x=0.94であ
り、Pb/(Zr+Ti)=1であることが確認され
た。また、微分干渉顕微鏡でPZT薄膜表面を観察した
結果、表面の凹凸は約1nmと極めて平坦であり、格子不
整による欠陥は観察されなかった。
【0024】さらにX線回折測定の結果、PZTと基体
のSrTiO3 以外のピークは見出だされず、PZTの
(00m)とSrTiO3 の(00m)面からの回折ピ
ークのみが見られ、PZTのc面がSrTiO3 のx面
に平行、すなわちc軸配向していることが確認された。
【0025】またX線4結晶法によるPZTの(00
2)ピークのロッキングカーブを測定した。(002)
ピークの半値幅は約1000秒であった。また電子線回
折測定において、PZTのa軸,b軸の方向は、基体で
あるSrTiO3 のa軸,b軸の方向と一致し、エピタ
キシャル成長していることが確認できた。
【0026】ZrとTiの原料容器中に導入するキャリ
アガスの流量を調整することによって、PZTのTi組
成比xを種々変化させる実験を行ったところ、0.75
≦x≦1の範囲でエピタキシャル成長することが確認で
きた。
【0027】比較のため、基体として(001)Siお
よび(001)MgOを用いて、同様の条件でPZT薄
膜の成長を行った。得られたPZT薄膜はいずれも多結
晶であった。
【0028】(001)SrTiO3 単結晶基体に同様
の条件でPZT薄膜を形成した結果、エピタキシャル成
長はするが、X線4結晶法によるロッキングカーブの測
定による(002)ピークの半値幅は約3000秒と、
PZT結晶より大きかった。また微分干渉顕微鏡による
観察の結果、欠陥による無数のラインが観察された。
【0029】成長温度を400℃〜800℃の範囲で変
化させて、その他実施例と同様の条件で(001)Sr
TiO3 単結晶基体上にPZT薄膜を成長させた。その
結果、450℃〜800℃の範囲でPZT薄膜がエピタ
キシャル成長することが確認された。さらに、(11
0)面,(111)面のSrTiO3 単結晶基体上に
も、単結晶のPZT薄膜をエピタキシャル成長させるこ
とができた。
【0030】次にSi単結晶基体上に約500nmの厚さ
でSrTiO3 薄膜を形成した基体を用いて同様にPZ
T薄膜を成長させた結果、SrTiO3 単結晶基体を用
いた場合と同様のエピタキシャル薄膜が得られた。
【0031】図4は、具体的な強誘電体薄膜素子の実施
例である薄膜キャパシタを示している。p型Si単結晶
基板21にn型層22が形成されており、この基板上に
まずペロブスカイト方単結晶であるSrTiO3 単結晶
薄膜23がエピタキシャル成長され、更にこの上にPZ
T単結晶薄膜24がエピタキシャル成長形成されてい
る。PZT単結晶薄膜24上に電極25が形成されてい
る。
【0032】この様に強誘電体単結晶薄膜を用いてキャ
パシタを構成すると、小さい面積で大きい容量を得るこ
とができる。このような強誘電体薄膜キャパシタを用い
て、基板21に別途作られるトランジスタと組み合わせ
てDRAM等を構成することができる。或いはこのPZ
T単結晶薄膜の大きな残留分極を利用して不揮発性メモ
リを構成することもできる。
【0033】図5は、具体的な素子に適用した別の実施
例であり、SrTiO3 単結晶基体31上にエピタキシ
ャル成長させたPZT単結晶薄膜32を用いて光導波路
を構成した例である。
【0034】図6は、具体的な素子に適用した更に別の
実施例である超音波・電気信号トランスデューサの概略
構成を表している。図中、41はニオブ等の導電物質を
含むSrTiO3 単結晶からなる第1の電極41を示
し、この第1の電極41上にはエピタキシャル成長され
たPZT単結晶薄膜42が設けられ、このPZT単結晶
薄膜42上には第2の電極43が設けられている。
【0035】超音波によりPZT単結晶薄膜42の膜厚
が変化すると、圧電効果によって超音波の波形に対応し
た電圧の電気信号が第1の電極41と第2の電極43と
の間に生じる。
【0036】逆に、第1の電極41と第2の電極43と
の間に高周波電圧の電気信号を与えると、逆圧電効果に
よってこの電気信号に対応した膜厚変化がPZT単結晶
薄膜42に起こり、超音波が発生する。
【0037】圧電素子としてのPZT単結晶薄膜42
は、エピタキシャル成長によってSrTiO3 単結晶上
に形成されているため、その膜質は従来の圧電素子用薄
膜より格段に優れたものとなる。このため、PZT単結
晶薄膜42の膜厚を薄くすることができ、メガからギガ
オーダの超音波が得られるようになる。
【0038】なお、基体として、BaZrO3 ,KCu
3 ,KFeF3 ,BaSnO3 ,KCoF3 ,SrH
fO3 ,RbCoF3 ,KZnF3 ,BaMoO3 ,S
rSnO3 ,LiBaH3 ,KNiF3 ,LiBa
3 ,LaVO3 ,BaTiO3,KTaO3 ,BaF
eO3 ,SrMoO3 ,MgF3 ,FeBiO3 ,La
RhO3 ,AgTaO3 ,BiMnO3 ,Mn3 Zn
C,LaTiO3 ,SrTiO3 ,CeVO3 ,BiC
rO3 ,CeFeO3 ,EuTiO3 ,SmVO3 ,C
eGaO3 ,AlMn3 C,SrFeO3 ,CeCrO
3 ,PuMnO3 の単結晶を用いて同様にPZT薄膜を
エピタキシャル成長させ得ることが確認された。但し、
エピタキシャル成長の条件に合致するPZT薄膜のTi
組成比xは基体材料によって異なる。
【0039】即ち、BaZrO3 の場合x〜0、KCu
3 の場合0≦x≦0.2、KFeF3 ,BaSnO3
の場合0≦x≦0.33、KCoF3 ,SrHfO3
場合0.16≦x≦0.43、RbCoF3 の場合0.
24≦x≦0.44、KZnF3 の場合0.24≦x≦
0.51、BaMoO3 の場合0.33≦x≦0.5
3、SrSnO3 の場合0.4≦x≦0.57、LiB
aH3 の場合0.41≦x=0.62、KNiF3 の場
合0.41≦x≦0.66、LiBaF3 の場合0.4
3≦x≦0.68、LaVO3 ,BaTiO3 ,KTa
3 の場合0.43≦x≦0.73、BaFeO3 の場
合0.44≦x≦0.77、SrMnO3の場合0.5
1≦x≦0.77、KMgF3 の場合0.51≦x≦
0.82、FeBiO3 の場合0.53≦x≦0.8
2、LaRhO3 の場合0.62≦x≦0.93、Ag
TaO3 ,BiMnO3 の場合0.66≦x≦1、Mn
3 ZnC,LaTiO3 の場合0.68≦x≦1、Sr
TiO3 ,CeVO3 ,BiCrO3 ,CeFeO3
EuTiO3 の場合0.77≦x≦1、SmVO3 の場
合0.82≦x≦1、CeGaOP3 の場合0.85≦
x≦1、AlMnC3 ,SrFeO3 ,CeCrOの場
合0.88≦x≦1、PuMnO3 の場合0.93≦x
≦1の範囲でPZT薄膜がエピタキシャル成長する。こ
の様に組成比を変化させることによって、PZT薄膜は
基体と格子整合してエピタキシャル成長する。この組成
比変化は、原料ガス容器に供給するキャリアガス流量を
調整することにより可能である。図7は、本発明の他の
実施例に係る薄膜キャパシタの素子断面図である。
【0040】まず、化学エッチングにより(001)方
位のニオブ添加チタン酸ストロンチウム単結晶基板51
(第1の電極)の表面を化学エッチングにより清浄化す
る。この後、図8に示す有機金属気相成長装置のゲート
バルブ508を開いてニオブ添加チタン酸ストロンチウ
ム単結晶基板51を反応容器501内の抵抗加熱ヒータ
ー503上に載置する。次いで反応容器501に高純度
のArガスを供給して内部の空気を置換する。ニオブ添
加チタン酸ストロンチウム単結晶基板51は、熱電対5
04によって温度が検知され、薄膜成長中は一定温度に
保たれるように温度制御がなされる。この後、油回転ポ
ンプ507を作動させ、圧力計505を見ながら容器5
01内の圧力を圧力調整バルブ506によって10To
rrに調整する。
【0041】次に流路切り替えバルブ543を反応容器
側に切り替え、質量流量制御器523を介して反応容器
501内に高純度酸素ガスを供給すると共に、抵抗加熱
ヒーター503によってニオブ添加チタン酸ストロンチ
ウム単結晶基体51を850℃に加熱することによっ
て、ニオブ添加チタン酸ストロンチウム単結晶基体51
の表面の清浄化を行なう。
【0042】また、この表面清浄化を行なっている最中
に、圧力計561,562,圧力調整バルブ551,5
52によって、質量流量制御器521,522を経由し
て流量が調整されたArガスを、原料加熱オーブン57
1で215℃に保持されたビスジピバロイルメタナスト
ロンチウム(Sr(C11192 2 )が溜まっている
原料容器511、原料加熱オーブン572で70℃に保
持されたテトライソプロポキシドチタン(Ti(i−O
3 7 4 )が溜まっている原料容器512に、それ
ぞれ400SCCM,30SCCMの割合で送り込み、
これにより得られた原料蒸気を配管を通じて下流側に送
り出す。その際、流路切り替えバルブ531,532,
533,541,542を操作して、原料蒸気を反応容
器501には送らずに排気側に放流すると共に、質量流
量制御器524,525,526によって反応容器40
1内に導入するキャリアガスの流量を一定に保持する。
ここまでが成長の予備段階である。
【0043】基板温度が600℃、反応容器501内の
圧力が10Torrに安定した後、流路切り替えバルブ
531,532,541,542を同時に反応容器側に
切り替え、チタン酸ストロンチウム薄膜52(誘電体
膜)の成長を開始する。成長時間は、20分である。成
長終了後、一斉に流路切り替えバルブ531,532,
541,542を排気側に切り替え、抵抗加熱ヒーター
503による基板加熱を止めて冷却する。この冷却の
間、反応容器501内に酸素ガスを流しておく。これら
の工程により厚さ約100nmのチタン酸ストロンチウ
ム薄膜52が得られた。このチタン酸ストロンチウム薄
膜52を誘導結合プラズマ発光分光法(ICP法)によ
り分析した結果、Sr/Ti=1であることが確認され
た。また、微分干渉顕微鏡で表面を観察した結果、表面
の凹凸は約1nm以下と極めて平坦であり、格子不整に
よる欠陥は観察されなかった。
【0044】また、X線回折測定の結果、チタン酸スト
ロンチウム以外のピークは見出だされず、(00m)面
からの回折ピークのみが見られ、チタン酸ストロンチウ
ム薄膜52のc面がニオブ添加チタン酸ストロンチウム
単結晶基板51のc面に平行、つまり、c軸配向してい
ることが確認された。
【0045】更に、電子線回折測定の結果、チタン酸ス
トロンチウム薄膜52のa軸,b軸の方向は、それぞれ
ニオブ添加チタン酸ストロンチウム単結晶基板51のa
軸,b軸の方向と一致し、エピタキシャル成長している
ことが確認された。最後に、チタン酸ストロンチウム薄
膜52上に面積が3×10-4cm2 の白金電極53(第
2の電極)を形成して、薄膜キャパシタが完成する。
【0046】このようにして得られた薄膜キャパシタの
静電容量を調べたところ、550pFであった。また、
この静電容量からチタン酸ストロンチウム薄膜52の比
誘電率を求めたところ、約200であった。
【0047】本発明者等は、上述した方法によって、膜
厚が50nm,10nm,5nmのチタン酸ストロンチ
ウム薄膜の薄膜キャパシタを作成してみたところ、静電
容量は膜厚に反比例して大きくなり、膜厚50nmで静
電容量1nF、膜厚10nmで静電容量6nF,膜厚5
nmで静電容量11nFであり、また、比誘電率はどの
膜厚のものでも約200であった。これからチタン酸ス
トロンチウム薄膜の膜厚を5nmまで薄くしても、チタ
ン酸ストロンチウム薄膜の特性は劣化しないことが分か
った。
【0048】また、本発明者等は、上述した方法におい
て、チタン酸ストロンチウム薄膜の成膜温度を400〜
800℃の範囲で変化させて薄膜キャパシタを作成して
みた。この結果、450〜800℃の範囲で、チタン酸
ストロンチウム薄膜がエピタキシャル成長することが確
認され、600℃で成膜したものと同程度の特性を有す
る薄膜キャパシタが得られた。
【0049】更に、本発明者等は、上述した方法におい
て、ニオブ添加チタン酸ストロンチウム単結晶基板の
(001)面上の代わりに、ニオブ添加チタン酸ストロ
ンチウム単結晶基板の(110)面,(111)面上に
チタン酸ストロンチウム薄膜を成長形成させてみた。こ
の結果、ニオブ添加チタン酸ストロンチウム単結晶基板
の(110)面,(111)面上には、それぞれチタン
酸ストロンチウムの(110)面,(111)面が成長
し、いずれの場合にもニオブ添加チタン酸ストロンチウ
ム単結晶基板上にチタン酸ストロンチウム薄膜がエピタ
キシャル成長し、(001)面上にチタン酸ストロンチ
ウム薄膜を形成した場合と同等の特性を有する薄膜キャ
パシタを形成できることを確認した。
【0050】以上述べたように、本実施例では、誘電体
であるチタン酸ストロンチウム単結晶にニオブを添加し
たものを下部電極として用いることで、チタン酸ストロ
ンチウムのエピタキシャル成長を実現している。このた
め、ニオブ添加チタン酸ストロンチウム単結晶基板51
とチタン酸ストロンチウム薄膜52との反応物等が形成
されず、ニオブ添加チタン酸ストロンチウム単結晶基板
51とチタン酸ストロンチウム薄膜52との界面が急峻
なものになり、薄いチタン酸ストロンチウム薄膜52を
形成でき、また、上述したように反応物等が形成されな
いので界面近傍のチタン酸ストロンチウム薄膜52の特
性も劣化しない。したがって、誘電率が高く特性の良い
薄膜キャパシタが得られる。
【0051】一方、従来の薄膜キャパシタでは、金属電
極上に誘電体薄膜を形成していたので、誘電体薄膜が多
結晶となり、金属電極近傍の誘電体薄膜の特性が劣化
し、リーク電流が増大する。このため、誘電体薄膜の膜
厚がある程度薄くなると、それ以上薄くしても性能は向
上せず、むしろ低下する傾向があった。次に本発明の他
の実施例に係る薄膜キャパシタについて説明する。
【0052】本実施例の薄膜キャパシタが図7のそれと
異なる点は、下部電極として、ニオブを添加したチタン
酸ストロンチウム基板を用いる代わりに、チタン酸スト
ロンチウム基板にニオブをイオン注入し、これを酸素雰
囲気中で熱処理したものを用いたことにある。酸素雰囲
気中で800℃の熱処理を施すことにより、比抵抗が約
10mΩ・cmの層を有するチタン酸ストロンチウム基
板が得られた。このチタン酸ストロンチウム基板上に、
先の実施例と同様な方法を用いて、チタン酸ストロンチ
ウム薄膜,白金電極を形成する。このようにして得られ
た薄膜キャパシタでも先の実施例のそれと同程度の性能
を示した。次に本発明の他の実施例に係る薄膜キャパシ
タについて説明する。
【0053】本実施例の薄膜キャパシタが図7のそれと
異なる点は、下部電極として、ニオブを添加したチタン
酸ストロンチウム基板を用いる代わりに、チタン酸スト
ロンチウム基板にニオブを拡散したものを用いたことに
ある。チタン酸ストロンチウム基板にニオブを拡散する
ことにより、チタン酸ストロンチウム基板の表面の近傍
部分に導電性を持たせることができる。この方法で比抵
抗が約10mΩ・cmの層を有するチタン酸ストロンチ
ウム基板が得られた。このチタン酸ストロンチウム基板
上に、上述した方法を用いて、チタン酸ストロンチウム
薄膜,白金電極を形成する。このようなチタン酸ストロ
ンチウム基板を用いても先の実施例のそれと同様な性能
を有する薄膜キャパシタが得られた。図9は、本発明の
他の実施例に係る薄膜キャパシタの素子断面図である。
【0054】これを作成工程に従い説明すると、まず、
チタン酸ストロンチウム基板61を用意し、この上にニ
オブ添加チタンストロンチウム薄膜62(第1の電極)
をエピタキシャル成長する。
【0055】ニオブ添加チタンストロンチウム薄膜62
のエピタキシャル成長は、図7の薄膜キャパシタで説明
した有機金属気相成長法を用いて行なう。この場合、ニ
オブの原料として、ニオブのアルコキシド化合物の1つ
であるペンタエトキシドニオブ(Nb(OC
2 5 5 )を用いる。そして原料容器の温度を150
℃とし、この原料容器に10SCCMのアルゴンガスを
送り込むことにより、ペンタエトキシドニオブの蒸気を
反応容器まで輸送する。
【0056】このようにして成膜されたニオブ添加チタ
ンストロンチウム薄膜62を調べたところ、チタン酸ス
トロンチウム基板61上にエピタキシャル成長してお
り、単結晶であることを確認した。また、ニオブ添加チ
タンストロンチウム薄膜62中のニオブの含有量は0.
8重量%であり、比抵抗は5mΩ・cmであり、キャパ
シタの下部電極として用いることできることが分かっ
た。
【0057】次に図7の薄膜キャパシタのチタン酸スト
ロンチウム薄膜52の成膜と同様な方法を用いて、ニオ
ブ添加チタン酸ストロンチウム薄膜62上にチタン酸ス
トロンチウム誘電体層63(誘電体膜)をエピタキシャ
ル成長する。最後に、チタン酸ストロンチウム誘電体層
63上に白金電極64(第2の電極)を形成して薄膜キ
ャパシタが完成する。以上述べた方法により得られた薄
膜キャパシタでも、先の実施例のそれと同程度の性能を
有することを確認した。図10は、本発明の他の実施例
に係るDRAMのメモリセルの断面図である。これを作
成工程に従い説明すると、まず、(100)面のp型の
シリコン基板71上に素子分離を行なうための酸化膜7
2を形成する。
【0058】次に酸化膜72で区分された素子形成領域
にゲート酸化膜73,多結晶シリコンからなるゲート電
極74を形成した後、ゲート酸化膜73,ゲート電極7
4をマスクに用いてシリコン基板71の表面にイオンを
注入し、自己整合的にソース・ドレイン領域75a,7
5bを形成する。
【0059】次に全面に酸化膜76を堆積した後、ソー
ス・ドレイン領域75b上の酸化膜76をエッチングし
てコンタクトホールを開口する。次いでこのコンタクト
ホール内にキャパシタの下部電極となるニオブ添加チタ
ン酸ストロンチウム膜77を形成し、続いて、このニオ
ブ添加チタン酸ストロンチウム膜77上にキャパシタの
誘電体膜となるチタン酸ストロンチウム誘電体膜78を
形成する。
【0060】ニオブ添加チタン酸ストロンチウム膜7
7,チタン酸ストロンチウム誘電体膜78は、先の実施
例と同様に有機金属気相成長法を用いて形成する。ここ
では、ニオブ添加チタン酸ストロンチウム膜77の膜厚
を100nmとし、チタン酸ストロンチウム誘電体膜7
8を10nmとし、また、ニオブ添加チタン酸ストロン
チウム膜77中のニオブの含有量を1重量%とした。
【0061】なお、このニオブの含有量は必ずしも1重
量%である必要はなく、要はニオブ添加チタン酸ストロ
ンチウム膜77が下部電極として機能する程度に比抵抗
が低くなるように選べば良い。
【0062】最後に、キャパシタの上部電極となる多結
晶シリコン膜79を全面に堆積した後、フォトリソグラ
フィを用いて多結晶シリコン膜79を上部電極状にパタ
ーニングしてDRAMのメモリセルが完成する。
【0063】以上述べたように本実施例のメモリセルの
キャパシタは、下部電極としてニオブ添加チタン酸スト
ロンチウム膜77と、ニオブ添加チタン酸ストロンチウ
ム膜77上にエピタキシャル成長された誘電体膜として
のチタン酸ストロンチウム誘電体膜78と、上部電極で
ある多結晶シリコン膜79とで構成されている。ニオブ
添加チタン酸ストロンチウム膜77とチタン酸ストロン
チウム誘電体膜78とはニオブの添加の有無のみの違い
があるだけで、基本的には同一物質である。このため、
ニオブ添加チタン酸ストロンチウム膜77とチタン酸ス
トロンチウム誘電体膜78とが反応することがなく、ニ
オブ添加チタン酸ストロンチウム膜77とチタン酸スト
ロンチウム誘電体膜78との界面を急峻にすることがで
き、リーク電流が少なく、比誘電率が高いキャパシタが
得られる。実際に、比誘電率を調べたところ約200と
酸化シリコンや酸化タンタルに比べて極めて大きいこと
が分かった。
【0064】また、本発明者等は、上述したメモリセル
について、チタン酸ストロンチウム誘電体膜78の膜厚
を5nmまで薄くして作成してみたところ、チタン酸ス
トロンチウム誘電体膜78の膜厚の減少に見合っただけ
の静電容量が得られることを確認した。
【0065】したがって、本実施例によれば、従来の金
属からなる下部電極上に酸化シリコン(SiO2 )や窒
化シリコン(Si3 4 )等の誘電体膜を形成したキャ
パシタを用いたDRAMに比べて、高集積,大容量のD
RAMを容易に形成できるようになる。
【0066】なお、従来より、酸化シリコン等に代わる
誘電率が高い誘電体として、酸化タンタル(Ta
2 5 ),チタン酸ストロンチウム(SrTiO3 ),
チタン酸バリウム(BaTiO3 ),チタン酸ジルコン
酸鉛(PZT:PbZrxTil−xO3)等が検討さ
れている。これらの誘電体は単結晶化されると高い誘電
率を示す。しかし、従来法においては、これらの誘電体
の薄膜を金属電極或いはシリコン上に形成していたの
で、薄膜キャパシタの場合と同様に、誘電体薄膜が多結
晶化し、金属電極やシリコン近傍の誘電体薄膜が劣化す
る。このため、膜厚がある程度薄くなると、膜厚をそれ
以上薄くしても性能は向上せず、むしろ低下する傾向が
あり、DRAMのキャパシタとして使用できる程の蓄積
容量が得られず、リーク電流が大きいとう問題があっ
た。
【0067】図11は、本発明の他の実施例に係るDR
AMのメモリセルの断面図である。本実施例のメモリセ
ルが先の実施例のそれと異なる点は、キャパシタにトレ
ンチ構造を採用したことにある。
【0068】即ち、先の実施例と同様に、素子分離を行
なうための酸化膜82が形成されたシリコン基板81に
ゲート酸化膜83,ゲート電極84,ソース・ドレイン
領域85a,85b,酸化膜86を形成した後、ソース
・ドレイン領域85bの酸化膜76及びシリコン基板8
1をエッチングして溝を形成する。そして、この溝の内
壁をニオブ添加チタン酸ストロンチウム膜87,チタン
酸ストロンチウム誘電体膜88で順次被覆した後、上記
溝を多結晶シリコン膜89で埋込み、この多結晶シリコ
ン膜89を上部電極状にパターニングしてメモリセルが
完成する。
【0069】以上述べた方法において、チタン酸ストロ
ンチウム誘電体膜88の成膜は、先の実施例と同様に有
機金属気相成長法を用いて行なう。これによって、ニオ
ブ添加チタン酸ストロンチウム膜87の表面にチタン酸
ストロンチウム誘電体膜88をエピタキシャル成長でき
るのは勿論のこと、トレンチ構造のように複雑な形状で
あっても被覆性に優れたニオブ添加チタン酸ストロンチ
ウム膜87,チタン酸ストロンチウム誘電体膜88を形
成できる。
【0070】以上述べた本実施例のメモリセルでも、先
の実施例と同様な効果が得られるのは勿論のこと、本実
施例ではトレンチ構造を採用しているので、先の実施例
に比べて、更に大きい静電容量が得られる。また、従来
の酸化シリコンや窒化シリコンを用いたトレンチ構造の
メモリセルに比べて、約50倍大きいの蓄積容量が得ら
れることが分かった。このことは、キャパシタ部の面積
を更に小さくできることを示しており、先の実施異例よ
りも容易に更に集積度の高いDRAMを作成できるよう
になる。
【0071】図12は、本発明の他の実施例に係るDR
AMのメモリセルの断面図である。本実施例のメモリセ
ルが先の実施例のそれと異なる点は、キャパシタにスタ
ック構造を採用したことにある。
【0072】即ち、まず、先の実施例と同様に、シリコ
ン基板91に酸化膜92,ゲート酸化膜93,ゲート電
極94,ソース・ドレイン領域95a,95b,酸化膜
96を形成し後、ソース・ドレイン領域95b上の酸化
膜96をエッチングしてコンタクトホールを開口する。
【0073】次に全面に下部電極となるニオブ添加チタ
ン酸ストロンチウム膜97を堆積した後、このニオブ添
加チタン酸ストロンチウム膜97をパターニングして、
酸化膜92,96に積み上がった下部電極を形成する。
【0074】次に先の実施例と同様に有機金属気相成長
法を用いて、ニオブ添加チタン酸ストロンチウム膜97
上にチタン酸ストロンチウム誘電体膜98をエピタキシ
ャル成長した後、所望の形状にパターニングする。最後
に、上部電極となる多結晶シリコン膜99を全面に堆積
した後、これを上部電極状にパターニングしてメモリセ
ルが完成する。
【0075】以上述べた本実施例のメモリセルでも、従
来の酸化シリコンや窒化シリコンを用いたトレンチ構造
のメモリセルに比より、約50倍大きいの蓄積容量が得
られることが分かり、先の実施例のトレンチ構造のメモ
リセルと同様な効果が得られる。図13は、本発明の他
の実施例に係る不揮発性メモリ装置のメモリセルの断面
図である。本実施例のメモリセルが先の実施例のそれと
異なる点は、誘電体膜としてチタン酸ジルコン酸鉛強誘
電体膜を用いたことにある。
【0076】即ち、まず、先の実施例と同様に、シリコ
ン基板101に酸化膜102,ゲート酸化膜103,ゲ
ート電極104,ソース・ドレイン領域105a,10
5b,酸化膜106を形成し後、ソース・ドレイン領域
105b上の酸化膜106をエッチングしてコンタクト
ホールを開口する。
【0077】次にコンタクトホール内にキャパシタの下
部電極となる厚さ100nmのニオブ添加チタン酸スト
ロンチウム膜107を形成する。ニオブ添加チタン酸ス
トロンチウム膜107のニオブ添加量は1重量%とし
た。このニオブの含有量は必ずしも1重量%である必要
はなく、ニオブ添加チタン酸ストロンチウム膜107が
下部電極として機能する程度に比抵抗が低くなるように
選べば良い。
【0078】次にニオブ添加チタン酸ストロンチウム膜
107上にキャパシタの誘電体膜としての厚さが100
nm,組成比(Zr/(Zr+Ti))が0.5のチタ
ン酸ジルコン酸鉛強誘電体膜108を先の実施例と同様
に有機金属気相成長法を用いてエピタキシャル成長す
る。なお、本実施例ではジルコニウムの原料としてテト
ラターシャリーブトキシドジルコニウム(Zr(t−O
4 9 4 )を用い、鉛の原料としてテトラエチル鉛
(Pb(C2 5 4 )を用いた。最後に、上部電極と
なる多結晶シリコン膜109を全面に堆積した後、これ
をフォトリソグラフィを用いてパターニングしてメモリ
セルが完成する。
【0079】以上述べたように本実施例のメモリセルの
キャパシタは、下部電極としてニオブ添加チタン酸スト
ロンチウム膜107上にチタン酸ジルコン酸鉛強誘電体
膜108をエピタキシャル成長した構造になっているの
で、先の実施例と同様な理由により、チタン酸ジルコン
酸鉛強誘電体膜108を薄膜化してもリーク電流が少な
く、比誘電率の大きいキャパシタが得られる。
【0080】また、誘電体膜の材料であるチタン酸ジル
コン酸鉛は強誘電体であり、分極−電界ヒステリシス特
性を示す。残留分極は約40μC/cm2 ,抗電界は約
50kV/cmである。このため、本実施例のメモリセ
ルは信号である電荷を不揮発的に記憶することができ
る。本発明者等の調べによれば、チタン酸ジルコン酸鉛
強誘電体膜108の膜厚を10nmまで薄くしても、膜
厚が100nmの場合と同様に不揮発性の信号記憶がで
きることが分かった。また、信号の書き込み/読み込み
回数を1015回繰り返しても、白金電極等に強誘電体膜
を形成した従来の不揮発性記憶装置のように、信号記憶
保持特性が劣化することはなかった。
【0081】また、本発明者等は、図11,図12のメ
モリセルにおいて、チタン酸ストロンチウム誘電体膜8
8,98の代わりに、強誘電体膜であるチタン酸ジルコ
ン酸鉛薄膜を用いたトレンチ構造及びスタック構造のメ
モリセルを作成したところ、本実施例と同様に、信号電
荷が不揮発的に保持できることを確認した。また、トレ
ンチ構造やスタック構造を採用した場合、実効的なキャ
パシタ面積を増大させることができ、信号を保持するた
めに必要な電荷を得るためのキャパシタ面積を小さくす
ることができ、図10の平面構造の場合より更に集積度
を高くできることを確認した。
【0082】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。例えば、上記実施例では、キャリアガ
スとしてArを用いたが、N2 ,He等をキャリアガス
として用いることもできる。
【0083】また、有機金属原料として、実施例で説明
したものの他にSr,Ti,Pb,Nbのアルコキシド
化合物や、アルキル化合物や、βケトン錯体化合物や、
アルキルアミン化合物等などを用いることができる。
【0084】また、酸素原料として、O2 以外に、一酸
化二窒素(N2 O),二酸化窒素(NO2 ),一酸化窒
素(NO),オゾン(O3 ),フラン(C2 4 O),
テトラハイドロフラン(C4 8 O)等を用いることが
できる。また、MOCVD法以外に、スパッタ法,蒸着
法等の物理気相成長法を用いても良い。
【0085】また、上記実施例では、強誘電体単結晶薄
膜としてPZT薄膜を形成する場合を説明したが、この
他にBaTiO3 単結晶薄膜等を同様にペロブスカイト
結晶構造を有する基板上にエピタキシャル成長させて、
各種強誘電体素子を構成する場合にも本発明を適用する
ことができる。
【0086】また、上記実施例では、電極材料としてニ
オブを含んだチタン酸ストロンチウムを用いたが、ニオ
ブ以外の不純物を用いても良いし、チタン酸ストロンチ
ウム以外の誘電体を用いても良い。要は誘電体に不純物
を含ませて導電性を持たせれば良い。
【0087】また、DRAMのメモリセルの実施例で
は、誘電体膜の材料としてチタン酸ストロンチウムを用
いたが、誘電率が高い他の誘電体を用いても良い。ま
た、下部電極の材料としてニオブ添加チタン酸ストロン
チウムを用いたが、下部電極として機能する程度の比抵
抗率が得られるのなら、ニオブ以外の不純物を用いても
良い。また、上部電極の材料として多結晶シリコンを用
いたが、その代わりにシリサイドや金属を用いても良
い。
【0088】また、不揮発性メモリ装置の実施例では、
強誘電体膜の材料として組成比(Zr/(Ti+Z
r))が0.5のチタン酸ジルコン酸鉛を用いたが、組
成比が0〜0.95の範囲であれば同様な効果が得られ
ることを確認した。また、強誘電体膜としてチタン酸ジ
ルコン酸鉛を用いたが、その代わりに、ニオブ酸リチウ
ム系材料、ニオブ酸カリウム系材料、タンタル酸リチウ
ム系材料を用いても同様な効果が得られることを確認し
た。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ペ
ロブスカイト型結晶構造を有する基体を用いることによ
って強誘電体単結晶薄膜をエピタキシャル成長させ、高
性能の強誘電体薄膜素子を得ることができる。
【0090】また、本発明によれば、導電性物質を含む
誘電体からなる第1の電極を用いることによって誘電体
膜をエピタキシャル成長させ、高性能の誘電体薄膜素子
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PZT結晶の組成比と格子定数の関係を示す
図。
【図2】本発明の一実施例に用いた有機金属気相成長装
置を示す図。
【図3】実施例により得られたPZT薄膜基板を示す
図。
【図4】薄膜キャパシタに適用した実施例を示す図。
【図5】光導波路に適用した実施例を示す図。
【図6】トランスデューサに適用した実施例を示す図。
【図7】本発明の他の実施例に係る薄膜キャパシタの素
子断面図。
【図8】有機金属気相成長装置の概略構成を示す模式
図。
【図9】本発明の他の実施例に係る薄膜キャパシタの素
子断面図。
【図10】本発明の他の実施例に係るDRAMのメモリ
セルの断面図。
【図11】本発明の他の実施例に係るDRAMのメモリ
セルの断面図。
【図12】本発明の他の実施例に係るDRAMのメモリ
セルの断面図。
【図13】本発明の他の実施例に係る不揮発性メモリ装
置のメモリセルの断面図。
【符号の説明】
11…SrTiO3 単結晶基体、12…PZT単結晶薄
膜、21…単結晶Si基板、22…n型層、23…Sr
TiO3 単結晶薄膜、24…PZT単結晶薄膜、25…
電極、31…SrTiO3 単結晶基体、32…PZT単
結晶薄膜、41…第1の電極、42…PZT単結晶薄
膜、43…第2の電極、51…ニオブ添加チタン酸スト
ロンチウム基板、52…チタン酸ストロンチウム薄膜、
53…白金電極、61…チタン酸ストロンチウム基板、
62…ニオブ添加チタン酸ストロンチウム薄膜、63…
チタン酸ストロンチウム誘電体層、64…白金電極、7
1…シリコン基板、72…酸化膜、73…ゲート酸化
膜、74…ゲート電極、75a,75b…ソース・ドレ
イン領域、76…酸化膜、77…ニオブ添加チタン酸ス
トロンチウム膜、78…チタン酸ストロンチウム誘電体
膜、79…多結晶シリコン膜、81…シリコン基板、8
2…酸化膜、83…ゲート酸化膜、84…ゲート電極、
85a,85b…ソース・ドレイン領域、86…酸化
膜、87…ニオブ添加チタン酸ストロンチウム膜、88
…チタン酸ストロンチウム誘電体膜、89…多結晶シリ
コン膜、91…シリコン基板、92…酸化膜、93…ゲ
ート酸化膜、94…ゲート電極、95a,95b…ソー
ス・ドレイン領域、96…酸化膜、97…ニオブ添加チ
タン酸ストロンチウム膜、98…チタン酸ストロンチウ
ム誘電体膜、99…多結晶シリコン膜、101…シリコ
ン基板、102…酸化膜、103…ゲート酸化膜、10
4…ゲート電極、105a,105b…ソース・ドレイ
ン領域、106…酸化膜、107…ニオブ添加チタン酸
ストロンチウム膜、108…チタン酸ジルコン酸鉛強誘
電体膜、109…多結晶シリコン膜。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不純物を含む誘電体からなる第1の電極
    と、 この第1の電極の表面に設けられた誘電体膜と、 この誘電体膜の表面に設けられた第2の電極とを具備し
    てなることを特徴とする誘電体を用いた素子。
  2. 【請求項2】基板上に形成されたトランジスタと、 このトランジスタのソース・ドレインの一方に接続され
    た不純物を含む誘電体からなる第1の電極と、 この第1の電極の表面に設けられた誘電体膜と、 この誘電体膜の表面に設けられた第2の電極とを具備し
    てなることを特徴とする誘電体を用いた素子。
  3. 【請求項3】前記第1の電極は、ニオブを含むチタン酸
    ストロンチウムからなることを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載の誘電体を用いた素子。
  4. 【請求項4】ペロブスカイト型結晶構造を有する基板
    と、 この基板上にエピタキシャル成長された酸化物強誘電体
    単結晶薄膜からなる光導波路とを具備してなることを特
    徴とする誘電体を用いた素子。
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