JPH05234359A - ブロッホラインメモリの読み出し導体及び読み出し方法 - Google Patents
ブロッホラインメモリの読み出し導体及び読み出し方法Info
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- JPH05234359A JPH05234359A JP4036675A JP3667592A JPH05234359A JP H05234359 A JPH05234359 A JP H05234359A JP 4036675 A JP4036675 A JP 4036675A JP 3667592 A JP3667592 A JP 3667592A JP H05234359 A JPH05234359 A JP H05234359A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ブロッホラインメモリの読み出し導体におい
て、ストライプ磁区の磁区幅を1μm程度と小さくして
も、充分大なる切断電流マージンを得る。 【構成】 互いに逆向きの電流を流して磁界を発生さ
せ、ストライプ磁区の先端部の切断の可否によってその
磁壁に形成された垂直ブロッホラインの有無を読み出す
ブロッホラインメモリの読み出し導体11において、こ
の読み出し導体11を、電流が直列に流れる2本の帯状
の導体層対より成る第1及び第2の導体層対5及び6よ
り構成し、この第1及び第2の導体層対5及び6の発生
する磁界の磁界中心がほぼ重なるように設け、且つ第1
の導体層対5の幅W1 及びW2 を第2の導体層対6の幅
W3 及びW4 に比し小として構成する。
て、ストライプ磁区の磁区幅を1μm程度と小さくして
も、充分大なる切断電流マージンを得る。 【構成】 互いに逆向きの電流を流して磁界を発生さ
せ、ストライプ磁区の先端部の切断の可否によってその
磁壁に形成された垂直ブロッホラインの有無を読み出す
ブロッホラインメモリの読み出し導体11において、こ
の読み出し導体11を、電流が直列に流れる2本の帯状
の導体層対より成る第1及び第2の導体層対5及び6よ
り構成し、この第1及び第2の導体層対5及び6の発生
する磁界の磁界中心がほぼ重なるように設け、且つ第1
の導体層対5の幅W1 及びW2 を第2の導体層対6の幅
W3 及びW4 に比し小として構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ストライプ磁区の磁壁
中に存在する垂直ブロッホラインを情報担体とする磁気
記憶素子いわゆるブロッホラインメモリの読み出し導体
及び読み出し方法に係わる。
中に存在する垂直ブロッホラインを情報担体とする磁気
記憶素子いわゆるブロッホラインメモリの読み出し導体
及び読み出し方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】ブロッホラインメモリについては、例え
ば日経エレクトロニクス1983年 8月15日号第 141〜 167
頁の記事や、特開昭60−113389号公開公報等に
その開示があり、この種のブロッホラインメモリは、磁
気バブルを細長く引き伸ばしたストライプ磁区の磁壁中
に存在する負の垂直ブロッホライン(以下VBLとい
う)を情報の担体とするもので、高密度記録媒体として
脚光を浴びるに到っている。
ば日経エレクトロニクス1983年 8月15日号第 141〜 167
頁の記事や、特開昭60−113389号公開公報等に
その開示があり、この種のブロッホラインメモリは、磁
気バブルを細長く引き伸ばしたストライプ磁区の磁壁中
に存在する負の垂直ブロッホライン(以下VBLとい
う)を情報の担体とするもので、高密度記録媒体として
脚光を浴びるに到っている。
【0003】ブロッホラインメモリは、図7にその一例
の構成図を示すように、例えば5mm四方の非磁性ガー
ネット等より成る基体上に、磁性ガーネット膜等より成
る磁性薄膜1が設けられて成り、これにストライプ磁区
10の磁壁即ちマイナーループが平行配列されて成るマ
イナーループ部12と、その例えば両端部に対向してメ
ジャーライン13とが設けられる。メジャーライン13
は、例えば対の磁気バブル転送導体(図においては1本
のみを示している)が配置された磁気バブル転送手段1
4を有して成る。そしてマイナーループ部12とメジャ
ーライン13との間に例えば2条の磁区切断用の読み出
し導体11が形成されて成る。
の構成図を示すように、例えば5mm四方の非磁性ガー
ネット等より成る基体上に、磁性ガーネット膜等より成
る磁性薄膜1が設けられて成り、これにストライプ磁区
10の磁壁即ちマイナーループが平行配列されて成るマ
イナーループ部12と、その例えば両端部に対向してメ
ジャーライン13とが設けられる。メジャーライン13
は、例えば対の磁気バブル転送導体(図においては1本
のみを示している)が配置された磁気バブル転送手段1
4を有して成る。そしてマイナーループ部12とメジャ
ーライン13との間に例えば2条の磁区切断用の読み出
し導体11が形成されて成る。
【0004】このような構成における記録方法を説明す
るに、先ず、磁気バブル転送手段14によって磁気バブ
ルをメジャーライン13に沿って転送し、一方ストライ
プ磁区10をメジャーライン13に向かって伸長させる
と、磁気バブルが存在しない場合はストライプ磁区10
がメジャーライン13にまで読み出し導体11下を横切
って延長されるが、磁気バブルが存在する場合はこのバ
ブルによる反発によってストライプ磁区10は延長され
ない。従って、引き伸ばされたストライプ磁区10のみ
を読み出し導体11によって切断することができ、これ
によって引き伸ばされたストライプ磁区10内にのみV
BLを形成することができる。このようにして、磁気バ
ブルの有無を対のVBLの有無に変換した2値情報の例
えば“0”と“1”を書き込むようにすることができ
る。
るに、先ず、磁気バブル転送手段14によって磁気バブ
ルをメジャーライン13に沿って転送し、一方ストライ
プ磁区10をメジャーライン13に向かって伸長させる
と、磁気バブルが存在しない場合はストライプ磁区10
がメジャーライン13にまで読み出し導体11下を横切
って延長されるが、磁気バブルが存在する場合はこのバ
ブルによる反発によってストライプ磁区10は延長され
ない。従って、引き伸ばされたストライプ磁区10のみ
を読み出し導体11によって切断することができ、これ
によって引き伸ばされたストライプ磁区10内にのみV
BLを形成することができる。このようにして、磁気バ
ブルの有無を対のVBLの有無に変換した2値情報の例
えば“0”と“1”を書き込むようにすることができ
る。
【0005】また読出方法としては、情報の母体となる
ストライプ磁区10の磁壁のVBLを転送して先端部に
送り込み、例えばバイアス磁界を減じて同様にストライ
プ磁区10を引き伸ばす。このとき、図8及び図9に示
すように、ストライプ磁区10の読み出し導体11を挟
んだ両側の磁壁の磁化の向きは、先端部10aのVBL
の有無によって、平行又は反平行となる。このとき、局
所的な磁場を与えると磁区10が切断されるが、その切
断電流値に差が生じることを利用して、VBLの有無を
磁気バブルの有無に変換することができる。以下図面を
参照して説明する。図8及び図9において矢印Mi 及び
Mo はそれぞれストライプ磁区10の内側と外側の磁化
の向きを示す。
ストライプ磁区10の磁壁のVBLを転送して先端部に
送り込み、例えばバイアス磁界を減じて同様にストライ
プ磁区10を引き伸ばす。このとき、図8及び図9に示
すように、ストライプ磁区10の読み出し導体11を挟
んだ両側の磁壁の磁化の向きは、先端部10aのVBL
の有無によって、平行又は反平行となる。このとき、局
所的な磁場を与えると磁区10が切断されるが、その切
断電流値に差が生じることを利用して、VBLの有無を
磁気バブルの有無に変換することができる。以下図面を
参照して説明する。図8及び図9において矢印Mi 及び
Mo はそれぞれストライプ磁区10の内側と外側の磁化
の向きを示す。
【0006】先ず図8Aに示すように、ストライプ磁区
10の先端部10aにVBLが1本存在する場合は、読
み出し導体11に挟まれた両側の磁壁の磁化は、矢印m
1 及びm2 で示すように同じ向きとなる。そしてこの読
み出し導体11に所定のパルス電流を印加して局所的な
磁場を与えると、両磁壁は近づき、ついには図8Bに示
すように、ストライプ磁区10が切断されて磁気バブル
15が発生する。
10の先端部10aにVBLが1本存在する場合は、読
み出し導体11に挟まれた両側の磁壁の磁化は、矢印m
1 及びm2 で示すように同じ向きとなる。そしてこの読
み出し導体11に所定のパルス電流を印加して局所的な
磁場を与えると、両磁壁は近づき、ついには図8Bに示
すように、ストライプ磁区10が切断されて磁気バブル
15が発生する。
【0007】一方先端部10aにVBLが存在しない場
合は、図9Aに示すように、読み出し導体11に挟まれ
た両側の磁壁の磁化は矢印m1 及びm2 で示すように、
反平行即ち逆向きとなる。この場合両磁壁が近づいたと
き磁壁磁化が反平行を向いているために、交換エネルギ
ーによる反発力が生じる。この結果切断できる電流値が
図8Aにおいて説明した場合に比して大となって、切断
されにくくなり、図9Bに示すようにこの場合切断され
ない。従って、この差異を利用して、読み出し導体11
に印加する電流値を適切に選定することによって、VB
Lの有無を、ストライプ磁区10の先端部10aの切断
の可否によって磁気バブルの有無に変換することができ
る。
合は、図9Aに示すように、読み出し導体11に挟まれ
た両側の磁壁の磁化は矢印m1 及びm2 で示すように、
反平行即ち逆向きとなる。この場合両磁壁が近づいたと
き磁壁磁化が反平行を向いているために、交換エネルギ
ーによる反発力が生じる。この結果切断できる電流値が
図8Aにおいて説明した場合に比して大となって、切断
されにくくなり、図9Bに示すようにこの場合切断され
ない。従って、この差異を利用して、読み出し導体11
に印加する電流値を適切に選定することによって、VB
Lの有無を、ストライプ磁区10の先端部10aの切断
の可否によって磁気バブルの有無に変換することができ
る。
【0008】図10にこのような読み出し導体11の一
例の略線的拡大断面図を示し、図11に略線的拡大平面
図を示す。図10に示すように、従来のブロッホライン
メモリの読み出し導体11は、幅W5 及びW6 が例えば
それぞれ約4μm、これらの間隔d3 が例えば4μmの
対の導体層より成り、図11に示すようにこの導体層対
は直列に接続されて成り、ゲート動作時には、バイアス
磁界を減じることによってマイナーループ部の各ストラ
イプ磁区10の先端部10aを読み出し導体11を横切
るように伸長させ、この後所定の切断電流をこの導体1
1に印加して、上述したようにストライプ磁区10の切
断の可否によってVBLの読み出しを行う。図12に、
このときの切断直前の磁区の状態を示す。
例の略線的拡大断面図を示し、図11に略線的拡大平面
図を示す。図10に示すように、従来のブロッホライン
メモリの読み出し導体11は、幅W5 及びW6 が例えば
それぞれ約4μm、これらの間隔d3 が例えば4μmの
対の導体層より成り、図11に示すようにこの導体層対
は直列に接続されて成り、ゲート動作時には、バイアス
磁界を減じることによってマイナーループ部の各ストラ
イプ磁区10の先端部10aを読み出し導体11を横切
るように伸長させ、この後所定の切断電流をこの導体1
1に印加して、上述したようにストライプ磁区10の切
断の可否によってVBLの読み出しを行う。図12に、
このときの切断直前の磁区の状態を示す。
【0009】尚、磁気バブルの読み出しは、例えば磁気
抵抗効果やホール効果を利用したバブル検出器により電
気信号に変換することによって行うことができる。磁気
抵抗効果によりバブルを検出する技術はバブルメモリに
おいて確立された技術である。
抵抗効果やホール効果を利用したバブル検出器により電
気信号に変換することによって行うことができる。磁気
抵抗効果によりバブルを検出する技術はバブルメモリに
おいて確立された技術である。
【0010】ところで、上述したようにストライプ磁区
10の切断の可否によって確実にVBLの有無を磁気バ
ブルの有無に変換するためには、VBLの存在する場合
と存在しない場合とにおいて、切断可能な電流値の差が
大となること、即ち切断電流のマージンが大であること
が必要となる。
10の切断の可否によって確実にVBLの有無を磁気バ
ブルの有無に変換するためには、VBLの存在する場合
と存在しない場合とにおいて、切断可能な電流値の差が
大となること、即ち切断電流のマージンが大であること
が必要となる。
【0011】また、このようなブロッホラインメモリに
おいて、更にその記録密度を向上するために、ストライ
プ磁区10の幅を狭めることが試みられているが、この
ように磁区幅を狭めると、上述した切断電流のマージン
が小となってしまう。即ち、例えばこのストライプ磁区
10の幅を0.5μmとする場合には、上述の切断電流
マージンが15〜16%程度であるが、この幅を1μm
程とする場合はマージンが3%程度となってしまうこと
が報告されている。これを改善する方法として、パルス
幅が長く振幅の小なるパルス電流と、パルス幅が短く振
幅の大なるパルス電流とを組み合わせた切断電流を用い
る方法が提案されている(例えば第15回日本応用磁気
学会学術講演概要集p473)。
おいて、更にその記録密度を向上するために、ストライ
プ磁区10の幅を狭めることが試みられているが、この
ように磁区幅を狭めると、上述した切断電流のマージン
が小となってしまう。即ち、例えばこのストライプ磁区
10の幅を0.5μmとする場合には、上述の切断電流
マージンが15〜16%程度であるが、この幅を1μm
程とする場合はマージンが3%程度となってしまうこと
が報告されている。これを改善する方法として、パルス
幅が長く振幅の小なるパルス電流と、パルス幅が短く振
幅の大なるパルス電流とを組み合わせた切断電流を用い
る方法が提案されている(例えば第15回日本応用磁気
学会学術講演概要集p473)。
【0012】即ち、従来のブロッホラインメモリにおい
ては、図13に示すように、切断電流として例えばパル
ス幅が150ns、振幅が100mA程度のパルス電流
を印加していたが、この方法においては、図14に示す
ように、パルス幅が500nsで振幅が50mA程度の
パルス電流と、パルス幅が50nsで振幅が100mA
程度のパルス電流とを組み合わせることによって、十分
大なる切断マージンを得ているものである。
ては、図13に示すように、切断電流として例えばパル
ス幅が150ns、振幅が100mA程度のパルス電流
を印加していたが、この方法においては、図14に示す
ように、パルス幅が500nsで振幅が50mA程度の
パルス電流と、パルス幅が50nsで振幅が100mA
程度のパルス電流とを組み合わせることによって、十分
大なる切断マージンを得ているものである。
【0013】これは、以下の理由によるものと思われ
る。即ち、パルス幅が長く振幅の小さい切断電流は、先
ずストライプ磁区を水平ブロッホラインが発生しないよ
うに狭め、読み出し導体11に挟まれた磁壁を近づける
作用があり、このように水平ブロッホラインを発生させ
ずに磁壁を近づけることによって、磁壁磁化が反平行を
向いた磁壁間に、交換エネルギーによる反発力を生じさ
せることができることとなる。
る。即ち、パルス幅が長く振幅の小さい切断電流は、先
ずストライプ磁区を水平ブロッホラインが発生しないよ
うに狭め、読み出し導体11に挟まれた磁壁を近づける
作用があり、このように水平ブロッホラインを発生させ
ずに磁壁を近づけることによって、磁壁磁化が反平行を
向いた磁壁間に、交換エネルギーによる反発力を生じさ
せることができることとなる。
【0014】一方、パルス幅が短く振幅の大きい切断電
流を印加すると、磁壁磁化が平行の場合は切断され易い
が、反平行の場合は交換エネルギーにより切断されにく
い。従って、これら2種類のパルス電流を組み合わせる
ことによって、水平ブロッホラインを発生させずに磁壁
を近づけられることとなって、交換エネルギーによる差
異が顕著に現れることとなり、切断電流マージンが広が
るものと考えられている。
流を印加すると、磁壁磁化が平行の場合は切断され易い
が、反平行の場合は交換エネルギーにより切断されにく
い。従って、これら2種類のパルス電流を組み合わせる
ことによって、水平ブロッホラインを発生させずに磁壁
を近づけられることとなって、交換エネルギーによる差
異が顕著に現れることとなり、切断電流マージンが広が
るものと考えられている。
【0015】しかしながら、従来構成のブロッホライン
メモリの読み出し導体によってこのような2種類の電流
を印加すると、それぞれのパルス電流による効果を十分
得られない恐れがある。
メモリの読み出し導体によってこのような2種類の電流
を印加すると、それぞれのパルス電流による効果を十分
得られない恐れがある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うなブロッホラインメモリの読み出し導体において、確
実にVBLの有無を磁気バブルの有無に変換できるよう
に切断電流のマージンを大とすることを目的とする。
うなブロッホラインメモリの読み出し導体において、確
実にVBLの有無を磁気バブルの有無に変換できるよう
に切断電流のマージンを大とすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、ストライプ磁
区の先端部の近傍において平行導体層より成る読み出し
導体が設けられ、この読み出し導体に互いに逆向きの電
流を流して磁界を発生させて、ストライプ磁区の先端部
の切断の可否によってストライプ磁区の磁壁に形成され
た垂直ブロッホラインの有無を読み出すブロッホライン
メモリの読み出し導体において、その一例の略線的拡大
断面図を図1に示すように、読み出し導体11が、電流
が直列に流れる2本の帯状の導体層対より成る第1及び
第2の導体層対5及び6より構成して、この第1の導体
層対5の発生する磁界と第2の導体層対6の発生する磁
界の磁界中心がほぼ重なるように設け、且つ第1の導体
層対5の幅W1 及びW2 を第2の導体層対6の幅W3 及
びW4 に比し小として構成する。
区の先端部の近傍において平行導体層より成る読み出し
導体が設けられ、この読み出し導体に互いに逆向きの電
流を流して磁界を発生させて、ストライプ磁区の先端部
の切断の可否によってストライプ磁区の磁壁に形成され
た垂直ブロッホラインの有無を読み出すブロッホライン
メモリの読み出し導体において、その一例の略線的拡大
断面図を図1に示すように、読み出し導体11が、電流
が直列に流れる2本の帯状の導体層対より成る第1及び
第2の導体層対5及び6より構成して、この第1の導体
層対5の発生する磁界と第2の導体層対6の発生する磁
界の磁界中心がほぼ重なるように設け、且つ第1の導体
層対5の幅W1 及びW2 を第2の導体層対6の幅W3 及
びW4 に比し小として構成する。
【0018】また本発明の他の一によるブロッホライン
メモリの読み出し導体は、このような読み出し導体にお
いて、特に第1の導体層対5と第2の導体層対6とを、
上下異なる層により構成する。
メモリの読み出し導体は、このような読み出し導体にお
いて、特に第1の導体層対5と第2の導体層対6とを、
上下異なる層により構成する。
【0019】更にまた本発明の他の一によるブロッホラ
インメモリの読み出し導体は、図2に示すように、第1
の導体層対5と第2の導体層対6とを同一の導体層から
形成して構成する。
インメモリの読み出し導体は、図2に示すように、第1
の導体層対5と第2の導体層対6とを同一の導体層から
形成して構成する。
【0020】また本発明によるブロッホラインメモリの
読み出し方法は、ストライプ磁区の先端部の近傍におい
て平行導体層より成る読み出し導体が設けられ、この読
み出し導体に互いに逆向きの電流を流して磁界を発生さ
せて、ストライプ磁区の先端部の切断の可否によってス
トライプ磁区の磁壁に形成された垂直ブロッホラインの
有無を読み出すブロッホラインメモリの読み出し方法に
おいて、読み出し導体を、それぞれ対の帯状の第1及び
第2の導体層対5及び6により構成し、この第1及び第
2の導体層対5及び6をその発生する磁界の中心磁界が
ほぼ重なるように構成して、且つ第1の導体層対5の幅
W1 及びW2 を、第2の導体層対6の幅W3 及びW4 に
比し小として構成し、第1の導体層対5に印加するパル
ス電流のパルス幅をTW1、振幅をIA1とし、第2の導体
層対6に印加するパルス電流のパルス幅をTW2、振幅を
IA2とするとき、TW1<TW2で、且つIA1>IA2として
読み出す。
読み出し方法は、ストライプ磁区の先端部の近傍におい
て平行導体層より成る読み出し導体が設けられ、この読
み出し導体に互いに逆向きの電流を流して磁界を発生さ
せて、ストライプ磁区の先端部の切断の可否によってス
トライプ磁区の磁壁に形成された垂直ブロッホラインの
有無を読み出すブロッホラインメモリの読み出し方法に
おいて、読み出し導体を、それぞれ対の帯状の第1及び
第2の導体層対5及び6により構成し、この第1及び第
2の導体層対5及び6をその発生する磁界の中心磁界が
ほぼ重なるように構成して、且つ第1の導体層対5の幅
W1 及びW2 を、第2の導体層対6の幅W3 及びW4 に
比し小として構成し、第1の導体層対5に印加するパル
ス電流のパルス幅をTW1、振幅をIA1とし、第2の導体
層対6に印加するパルス電流のパルス幅をTW2、振幅を
IA2とするとき、TW1<TW2で、且つIA1>IA2として
読み出す。
【0021】
【作用】上述したように、本発明ブロッホラインメモリ
の読み出し導体は、2対の帯状の導体層対によって構成
されるものであり、これら第1及び第2の導体層対5及
び6を、その磁界中心がほぼ重なるように配置して、第
1の導体層対5の幅を第2の導体層対6の幅に比して小
とすることによって、幅広の第2の導体層対6には局所
的に磁界を高め、水平ブロッホラインを発生させないよ
うに磁区幅を狭め、磁壁を近づける機能を持たせ、他方
の幅狭の第1の導体層対5には、振幅の大きな磁界を発
生させて、磁区を切断する機能を持たせることができ
る。
の読み出し導体は、2対の帯状の導体層対によって構成
されるものであり、これら第1及び第2の導体層対5及
び6を、その磁界中心がほぼ重なるように配置して、第
1の導体層対5の幅を第2の導体層対6の幅に比して小
とすることによって、幅広の第2の導体層対6には局所
的に磁界を高め、水平ブロッホラインを発生させないよ
うに磁区幅を狭め、磁壁を近づける機能を持たせ、他方
の幅狭の第1の導体層対5には、振幅の大きな磁界を発
生させて、磁区を切断する機能を持たせることができ
る。
【0022】即ち本発明ブロッホラインメモリの読み出
し方法によれば、上述したように、幅広の第2の導体層
対6に比較的長いパルス幅TW2、小さい振幅IA2のパル
ス電流を印加することによって、図2に示すように、こ
の第2の導体層対6の下の比較的広い領域にわたってス
トライプ磁区10の磁壁を近づけて磁区を狭めることと
なる。このとき、先端部10aにVBLが存在せず、こ
の導体層対6間の磁壁磁化が反平行の場合には、磁壁の
近づいた範囲が広いために、交換エネルギーによる反発
力も大きい。そして第1の導体層対5に比較的短いパル
ス幅TW1、大なる振幅IA1のパルス電流を印加すること
によって、先端部10aのVBLの有無に応じてその切
断を行う。このときVBLが存在しない場合は上述した
ように、広い範囲にわたって磁壁が近づくために交換エ
ネルギーによる反発力が有効に働き、従来の読み出し導
体に比して切断されにくくなる。従って、切断電流値の
マージンを大とすることができる。
し方法によれば、上述したように、幅広の第2の導体層
対6に比較的長いパルス幅TW2、小さい振幅IA2のパル
ス電流を印加することによって、図2に示すように、こ
の第2の導体層対6の下の比較的広い領域にわたってス
トライプ磁区10の磁壁を近づけて磁区を狭めることと
なる。このとき、先端部10aにVBLが存在せず、こ
の導体層対6間の磁壁磁化が反平行の場合には、磁壁の
近づいた範囲が広いために、交換エネルギーによる反発
力も大きい。そして第1の導体層対5に比較的短いパル
ス幅TW1、大なる振幅IA1のパルス電流を印加すること
によって、先端部10aのVBLの有無に応じてその切
断を行う。このときVBLが存在しない場合は上述した
ように、広い範囲にわたって磁壁が近づくために交換エ
ネルギーによる反発力が有効に働き、従来の読み出し導
体に比して切断されにくくなる。従って、切断電流値の
マージンを大とすることができる。
【0023】また、特に本発明読み出し導体において
は、磁区幅を狭めるために、切断用の第1の導体層対5
とは独別に幅広の第2の導体層対6を設けることによ
り、この導体層対6による磁界の面内磁界振幅を小とす
ることができるため、この影響による水平ブロッホライ
ンが成長することを抑制できる。即ち水平ブロッホライ
ンが成長することによって、反平行の磁壁磁化が平行磁
化に変化して、切断電流値のマージンが減少することを
回避できる。
は、磁区幅を狭めるために、切断用の第1の導体層対5
とは独別に幅広の第2の導体層対6を設けることによ
り、この導体層対6による磁界の面内磁界振幅を小とす
ることができるため、この影響による水平ブロッホライ
ンが成長することを抑制できる。即ち水平ブロッホライ
ンが成長することによって、反平行の磁壁磁化が平行磁
化に変化して、切断電流値のマージンが減少することを
回避できる。
【0024】また、本発明の他の一の読み出し導体は、
図1に示すように、これら第1及び第2の導体層対5及
び6を、上下異なる導体層により構成することによっ
て、この部分の面積の増加を抑制することができる。
図1に示すように、これら第1及び第2の導体層対5及
び6を、上下異なる導体層により構成することによっ
て、この部分の面積の増加を抑制することができる。
【0025】更に、本発明の他の一の読み出し導体は、
図3に示すように、これら第1及び第2の導体層対5及
び6を、同一平面上の導体層により構成することによっ
て、工程数の増加を回避することができる。
図3に示すように、これら第1及び第2の導体層対5及
び6を、同一平面上の導体層により構成することによっ
て、工程数の増加を回避することができる。
【0026】
【実施例】以下図面を参照して本発明ブロッホラインメ
モリの読み出し導体及び読み出し方法を詳細に説明す
る。この例においても、図7において説明した素子構成
とするもので、垂直磁気異方性を有する磁性薄膜1上
に、周囲と磁化の方向が逆方向であるストライプ磁区1
0が並置配列されてマイナーループ部12が構成され、
その例えば両端部に対向してメジャーライン13が設け
られる。メジャーライン13は、例えば対の磁気バブル
転送導体(図においては1本のみを示している)が配置
された磁気バブル転送手段14を有して成る。そしてマ
イナーループ部12とメジャーライン13との間の、ス
トライプ磁区10の先端部近傍に平行導体層より成る磁
区切断用の読み出し導体11が形成されて成り、この読
み出し導体11を直列に接続し、互いに逆向きの電流を
流して導体層間に磁界を発生させて、ストライプ磁区1
0の先端部の切断の可否によってストライプ磁区10の
磁壁に形成されたVBLの有無を読み出すようになすも
のである。
モリの読み出し導体及び読み出し方法を詳細に説明す
る。この例においても、図7において説明した素子構成
とするもので、垂直磁気異方性を有する磁性薄膜1上
に、周囲と磁化の方向が逆方向であるストライプ磁区1
0が並置配列されてマイナーループ部12が構成され、
その例えば両端部に対向してメジャーライン13が設け
られる。メジャーライン13は、例えば対の磁気バブル
転送導体(図においては1本のみを示している)が配置
された磁気バブル転送手段14を有して成る。そしてマ
イナーループ部12とメジャーライン13との間の、ス
トライプ磁区10の先端部近傍に平行導体層より成る磁
区切断用の読み出し導体11が形成されて成り、この読
み出し導体11を直列に接続し、互いに逆向きの電流を
流して導体層間に磁界を発生させて、ストライプ磁区1
0の先端部の切断の可否によってストライプ磁区10の
磁壁に形成されたVBLの有無を読み出すようになすも
のである。
【0027】この場合便宜上6本のストライプ磁区10
を示しているが、通常のブロッホラインメモリにおいて
は、数百〜数千本のストライプ磁区10が並列形成され
る。また、図示しないが、ストライプ磁区10の両端側
に、交互にガイド磁区を設けて、ストライプ磁区10を
確実にその長手方向に伸長させたり、またはマイナール
ープ部12とメジャーライン13との機能部を取り囲む
ように、外部からの磁場の影響を防ぐフェンス磁区を設
ける構成とすることもできる。
を示しているが、通常のブロッホラインメモリにおいて
は、数百〜数千本のストライプ磁区10が並列形成され
る。また、図示しないが、ストライプ磁区10の両端側
に、交互にガイド磁区を設けて、ストライプ磁区10を
確実にその長手方向に伸長させたり、またはマイナール
ープ部12とメジャーライン13との機能部を取り囲む
ように、外部からの磁場の影響を防ぐフェンス磁区を設
ける構成とすることもできる。
【0028】このブロッホラインメモリは、図1に示す
ように、磁性ガーネット等より成る磁性薄膜1上に、例
えば磁区観察用及び磁歪緩和用のAl膜2aを厚さ例え
ば0.1μmとし、更にこの上にビットポテンシャル発
生用のCr膜2bを厚さ例えば0.1μmとしてそれぞ
れフォトリソグラフィ等の適用によりパターニング形成
する。このCr膜2aは、そのストレスにより生じる逆
磁歪効果によって、ストライプ磁区の磁壁に生ずるブロ
ッホラインの位置を安定化するビットポテンシャルを発
生させ、一方Al膜2bはCrのストレスを緩和して、
このビットポテンシャルの振幅を調整する。そしてこの
上に厚さ例えば0.3μmの絶縁層3を介して、例えば
厚さ0.2μmのTbCo等の垂直磁化膜より成る磁区
固定手段4をパターニング形成する。この場合、この垂
直磁化膜により生じる浮遊磁場によって、各ストライプ
磁区を安定化するもので、各ストライプ磁区10の幅は
1μmとしてそれぞれ形成した。また上述したガイド磁
区やフェンス磁区のパタンに沿って形成し、これらの磁
区を固定するようになすこともできる。そしてこの上を
厚さ例えば0.3μmの絶縁層3によって覆い、上面を
平坦化する。
ように、磁性ガーネット等より成る磁性薄膜1上に、例
えば磁区観察用及び磁歪緩和用のAl膜2aを厚さ例え
ば0.1μmとし、更にこの上にビットポテンシャル発
生用のCr膜2bを厚さ例えば0.1μmとしてそれぞ
れフォトリソグラフィ等の適用によりパターニング形成
する。このCr膜2aは、そのストレスにより生じる逆
磁歪効果によって、ストライプ磁区の磁壁に生ずるブロ
ッホラインの位置を安定化するビットポテンシャルを発
生させ、一方Al膜2bはCrのストレスを緩和して、
このビットポテンシャルの振幅を調整する。そしてこの
上に厚さ例えば0.3μmの絶縁層3を介して、例えば
厚さ0.2μmのTbCo等の垂直磁化膜より成る磁区
固定手段4をパターニング形成する。この場合、この垂
直磁化膜により生じる浮遊磁場によって、各ストライプ
磁区を安定化するもので、各ストライプ磁区10の幅は
1μmとしてそれぞれ形成した。また上述したガイド磁
区やフェンス磁区のパタンに沿って形成し、これらの磁
区を固定するようになすこともできる。そしてこの上を
厚さ例えば0.3μmの絶縁層3によって覆い、上面を
平坦化する。
【0029】そしてこの場合、読み出し導体11を上下
異なる2層の導体層により構成する。即ち、第1の導体
層対5は、厚さ例えば0.02μmのTi層上に、厚さ
例えば0.5μmのAu層を被着した後、その幅W1 及
びW2 をそれぞれ4μm、間隔d1 を4μmとして、ス
トライプ磁区の伸長方向を横切る方向に延長するパター
ンとしてパターニング形成する。更にこの上に、厚さ例
えば0.3μmの絶縁層3を介して、第2の導体層対6
を同様に厚さ例えば0.02μmのTi層上に、厚さ例
えば0.5μmのAu層を被着して、その幅W3 及びW
4 をそれぞれ10μm、間隔d2 を10μmとしてフォ
トリソグラフィ等の適用によって、同様にストライプ磁
区の伸長方向を横切る方向に延長するパターンとしてパ
ターニング形成する。
異なる2層の導体層により構成する。即ち、第1の導体
層対5は、厚さ例えば0.02μmのTi層上に、厚さ
例えば0.5μmのAu層を被着した後、その幅W1 及
びW2 をそれぞれ4μm、間隔d1 を4μmとして、ス
トライプ磁区の伸長方向を横切る方向に延長するパター
ンとしてパターニング形成する。更にこの上に、厚さ例
えば0.3μmの絶縁層3を介して、第2の導体層対6
を同様に厚さ例えば0.02μmのTi層上に、厚さ例
えば0.5μmのAu層を被着して、その幅W3 及びW
4 をそれぞれ10μm、間隔d2 を10μmとしてフォ
トリソグラフィ等の適用によって、同様にストライプ磁
区の伸長方向を横切る方向に延長するパターンとしてパ
ターニング形成する。
【0030】これら各導体層対5及び6の平面図を図4
に示す。図4においては、読み出し動作時にバイアス磁
界を減じて、ストライプ磁区10の先端部10aをそれ
ぞれこの読み出し導体11を横切るように伸長させた状
態を示す。図4に示すように、各導体層対5及び6は、
一端が、ストライプ磁区10の外側でそれぞれ接続され
て、各導体層対間に逆向きの電流が流れるようになし、
それぞれの平行導体層の中心線位置が一致するように配
置され、これら導体層対の発生する磁界中心がほぼ重な
るようになす。この場合ストライプ磁区10の内側の磁
化を矢印Mi で示し、外側の磁化を矢印MO で示す。
に示す。図4においては、読み出し動作時にバイアス磁
界を減じて、ストライプ磁区10の先端部10aをそれ
ぞれこの読み出し導体11を横切るように伸長させた状
態を示す。図4に示すように、各導体層対5及び6は、
一端が、ストライプ磁区10の外側でそれぞれ接続され
て、各導体層対間に逆向きの電流が流れるようになし、
それぞれの平行導体層の中心線位置が一致するように配
置され、これら導体層対の発生する磁界中心がほぼ重な
るようになす。この場合ストライプ磁区10の内側の磁
化を矢印Mi で示し、外側の磁化を矢印MO で示す。
【0031】そしてこの状態で、図2において説明した
ように、第2の導体層対6に比較的長いパルス幅TW2、
小さい振幅IA2のパルス電流を印加して、図2の紙面に
対し上向きの、即ちストライプ磁区10の外側の磁化と
同一の向きに磁界を発生させて、この第2の導体層対6
の下の比較的広い領域にわたってストライプ磁区10の
磁壁を近づけて磁区を狭める。このとき、先端部10a
にVBLが存在せず、この導体層対6間の磁壁磁化が反
平行の場合には、磁壁の近づいた範囲が広いために、交
換エネルギーによる反発力も大きい。そして第1の導体
層対5に比較的短いパルス幅TW1、大なる振幅IA1のパ
ルス電流を同様に図2の紙面に対し上向きに磁界が生じ
るように印加して、先端部10aのVBLの有無に応じ
てその切断を行う。このときVBLが存在しない場合は
上述したように、広い範囲にわたって磁壁が近づくため
に交換エネルギーによる反発力が有効に働き、従来の読
み出し導体に比して切断されにくくなる。従って、切断
電流値のマージンを大とすることができ、これによりバ
イアス磁界マージンをも大とすることができる。
ように、第2の導体層対6に比較的長いパルス幅TW2、
小さい振幅IA2のパルス電流を印加して、図2の紙面に
対し上向きの、即ちストライプ磁区10の外側の磁化と
同一の向きに磁界を発生させて、この第2の導体層対6
の下の比較的広い領域にわたってストライプ磁区10の
磁壁を近づけて磁区を狭める。このとき、先端部10a
にVBLが存在せず、この導体層対6間の磁壁磁化が反
平行の場合には、磁壁の近づいた範囲が広いために、交
換エネルギーによる反発力も大きい。そして第1の導体
層対5に比較的短いパルス幅TW1、大なる振幅IA1のパ
ルス電流を同様に図2の紙面に対し上向きに磁界が生じ
るように印加して、先端部10aのVBLの有無に応じ
てその切断を行う。このときVBLが存在しない場合は
上述したように、広い範囲にわたって磁壁が近づくため
に交換エネルギーによる反発力が有効に働き、従来の読
み出し導体に比して切断されにくくなる。従って、切断
電流値のマージンを大とすることができ、これによりバ
イアス磁界マージンをも大とすることができる。
【0032】またこのとき、磁区幅を狭める幅広の第2
の導体層対6を設けることにより、この導体層対6によ
る磁界の面内磁界振幅を小とすることができるため、こ
の影響による水平ブロッホラインが成長することを抑制
できる。即ち水平ブロッホラインが成長することによっ
て、反平行の磁壁磁化が平行磁化に変化して、切断電流
値のマージンが減少することを回避できる。
の導体層対6を設けることにより、この導体層対6によ
る磁界の面内磁界振幅を小とすることができるため、こ
の影響による水平ブロッホラインが成長することを抑制
できる。即ち水平ブロッホラインが成長することによっ
て、反平行の磁壁磁化が平行磁化に変化して、切断電流
値のマージンが減少することを回避できる。
【0033】この例においては、図5に示すように第1
の導体層対5に印加するパルス電流のパルス幅TW2を5
0ns、振幅IA2を100mAとし、図6に示すよう
に、第2の導体層対6に印加するパルス電流のパルス幅
TW1を500ns、振幅IA1を50mAとして読み出し
を行ったところ、切断電流マージンを10%とすること
ができた。
の導体層対5に印加するパルス電流のパルス幅TW2を5
0ns、振幅IA2を100mAとし、図6に示すよう
に、第2の導体層対6に印加するパルス電流のパルス幅
TW1を500ns、振幅IA1を50mAとして読み出し
を行ったところ、切断電流マージンを10%とすること
ができた。
【0034】このように本発明実施例においては、2種
類の異なるパルス電流をそれぞれ別体の導電層対に印加
する構成とすることにより、磁壁を狭める機能と磁区を
切断する機能とそ独別に作用させることができ、それぞ
れのパルス電流による効果を十分得ることができる。
類の異なるパルス電流をそれぞれ別体の導電層対に印加
する構成とすることにより、磁壁を狭める機能と磁区を
切断する機能とそ独別に作用させることができ、それぞ
れのパルス電流による効果を十分得ることができる。
【0035】更にこの場合、各導体層対5及び6を上下
異なる導体層により構成することによって、この読み出
し導体11の占める面積を比較的小とすることができ
る。上述の例においては、第1の導体層対5を下層に、
第2の導体層対6を上層に設けた場合であるが、これら
を上下逆とすることもできる。しかしながら、磁区を切
断する第1の導体層対5は、磁区を形成する磁性薄膜1
になるべく近接して設けられることが望ましく、幅狭の
第1の導体層対5を下層に、幅広の第2の導体層対6を
上層に設けることが望ましい。
異なる導体層により構成することによって、この読み出
し導体11の占める面積を比較的小とすることができ
る。上述の例においては、第1の導体層対5を下層に、
第2の導体層対6を上層に設けた場合であるが、これら
を上下逆とすることもできる。しかしながら、磁区を切
断する第1の導体層対5は、磁区を形成する磁性薄膜1
になるべく近接して設けられることが望ましく、幅狭の
第1の導体層対5を下層に、幅広の第2の導体層対6を
上層に設けることが望ましい。
【0036】また、図3に示すように、これら導体層対
5及び6を同一の導体層により構成することもできる。
図3において、図1に対応する部分には同一符号を付し
て重複説明を省略する。この場合、例えば第1の導体層
対5の幅W1 及びW2 と、その間隔d1 をそれぞれ3μ
mとし、第2の導体層対6の幅W3 及びW4 を10μ
m、その間隔dを14μmとして構成し、この例におい
ても上述の例と同様に、10%程度の充分大なる切断電
流マージンを得ることができた。この場合同一の導体層
によりパターニング形成することができるため、製造工
程数の増加を招くことなく上述の効果を得ることができ
る。
5及び6を同一の導体層により構成することもできる。
図3において、図1に対応する部分には同一符号を付し
て重複説明を省略する。この場合、例えば第1の導体層
対5の幅W1 及びW2 と、その間隔d1 をそれぞれ3μ
mとし、第2の導体層対6の幅W3 及びW4 を10μ
m、その間隔dを14μmとして構成し、この例におい
ても上述の例と同様に、10%程度の充分大なる切断電
流マージンを得ることができた。この場合同一の導体層
によりパターニング形成することができるため、製造工
程数の増加を招くことなく上述の効果を得ることができ
る。
【0037】尚、本発明は上述の実施例に限ることな
く、その他種々の材料構成を採るブロッホラインメモリ
に適用することができ、またパルス電流幅及び振幅、ま
た電流の向き等種々の変形変更が可能であることはいう
までもない。
く、その他種々の材料構成を採るブロッホラインメモリ
に適用することができ、またパルス電流幅及び振幅、ま
た電流の向き等種々の変形変更が可能であることはいう
までもない。
【0038】
【発明の効果】上述したように、本発明ブロッホライン
メモリの読み出し導体及び読み出し方法によれば、幅狭
の第1の導体層対と幅広の第2の導体層対とを、その磁
界中心が重なるように設けて、第2の導体層対にパルス
幅の長く、振幅の小なるパルス電流を印加することによ
って、水平ブロッホラインを生じることなく広い範囲に
わたって磁区を狭めることができ、一方第1の導体層対
によってパルス幅の短く、振幅の大なる電流を印加して
磁区を切断することによって、十分大なる切断電流マー
ジンを得ることができ、これにより広いバイアス磁界マ
ージンを得ることができる。特に、ストライプ磁区の幅
を従来に比し小なる1μm程度とする場合においても、
10%程度の高い切断電流マージンを得ることができ
た。
メモリの読み出し導体及び読み出し方法によれば、幅狭
の第1の導体層対と幅広の第2の導体層対とを、その磁
界中心が重なるように設けて、第2の導体層対にパルス
幅の長く、振幅の小なるパルス電流を印加することによ
って、水平ブロッホラインを生じることなく広い範囲に
わたって磁区を狭めることができ、一方第1の導体層対
によってパルス幅の短く、振幅の大なる電流を印加して
磁区を切断することによって、十分大なる切断電流マー
ジンを得ることができ、これにより広いバイアス磁界マ
ージンを得ることができる。特に、ストライプ磁区の幅
を従来に比し小なる1μm程度とする場合においても、
10%程度の高い切断電流マージンを得ることができ
た。
【0039】また本発明の他の一の読み出し導体は、上
下異なる層により各導体層対5及び6を構成することに
よって、その面積の増加を抑制することができる。
下異なる層により各導体層対5及び6を構成することに
よって、その面積の増加を抑制することができる。
【0040】更にまた本発明の他の一の読み出し導体
は、同一の導体層から各導体層対5及び6を形成するこ
とから、製造工程数の増加を回避することができる。
は、同一の導体層から各導体層対5及び6を形成するこ
とから、製造工程数の増加を回避することができる。
【図1】本発明ブロッホラインメモリの読み出し導体の
一例の略線的拡大断面図である。
一例の略線的拡大断面図である。
【図2】本発明ブロッホラインメモリの読み出し方法の
説明図である。
説明図である。
【図3】本発明ブロッホラインメモリの読み出し導体の
他の例の略線的拡大断面図である。
他の例の略線的拡大断面図である。
【図4】本発明ブロッホラインメモリの読み出し導体の
一例の略線的拡大平面図である。
一例の略線的拡大平面図である。
【図5】本発明ブロッホラインメモリの読み出し導体の
第1の導体層対の印加電流を示す図である。
第1の導体層対の印加電流を示す図である。
【図6】本発明ブロッホラインメモリの読み出し導体の
第2の導体層対の印加電流を示す図である。
第2の導体層対の印加電流を示す図である。
【図7】ブロッホラインメモリの一例の構成図である。
【図8】ブロッホラインメモリの読み出し方法の説明図
である。
である。
【図9】ブロッホラインメモリの読み出し方法の説明図
である。
である。
【図10】従来のブロッホラインメモリの読み出し導体
の略線的拡大断面図である。
の略線的拡大断面図である。
【図11】従来のブロッホラインメモリの読み出し導体
の略線的拡大平面図である。
の略線的拡大平面図である。
【図12】従来のブロッホラインメモリの読み出し方法
の説明図である。
の説明図である。
【図13】従来のブロッホラインメモリの磁区切断電流
を示す図である。
を示す図である。
【図14】従来のブロッホラインメモリの磁区切断電流
を示す図である。
を示す図である。
1 磁性薄膜 5 第1の導体層対 6 第2の導体層対 11 読み出し導体
Claims (4)
- 【請求項1】 ストライプ磁区の先端部の近傍において
平行導体層より成る読み出し導体が設けられ、上記読み
出し導体に互いに逆向きの電流を流して磁界を発生させ
て、上記ストライプ磁区の上記先端部の切断の可否によ
って上記ストライプ磁区の磁壁に形成された垂直ブロッ
ホラインの有無を読み出すブロッホラインメモリの読み
出し導体において、 上記読み出し導体が、電流が直列に流れる2本の帯状の
導体層対より成る第1及び第2の導体層対より構成さ
れ、 上記第1の導体層対の発生する磁界と上記第2の導体層
対の発生する磁界の磁界中心がほぼ重なるように設けら
れ、 且つ上記第1の導体層対の幅は上記第2の導体層対の幅
に比し小とされて成ることを特徴とするブロッホライン
メモリの読み出し導体。 - 【請求項2】 第1の導体層対と第2の導体層対とが、
上下異なる層により構成されることを特徴とする上記請
求項1に記載のブロッホラインメモリの読み出し導体。 - 【請求項3】 第1の導体層対と第2の導体層対とが同
一の導体層から形成されて成ることを特徴とする上記請
求項1に記載のブロッホラインメモリの読み出し導体。 - 【請求項4】 ストライプ磁区の先端部の近傍において
平行導体層より成る読み出し導体が設けられ、上記読み
出し導体に互いに逆向きの電流を流して磁界を発生させ
て、上記ストライプ磁区の上記先端部の切断の可否によ
って上記ストライプ磁区の磁壁に形成された垂直ブロッ
ホラインの有無を読み出すブロッホラインメモリの読み
出し方法において、 上記読み出し導体が、それぞれ対の帯状の第1及び第2
の導体層対より成り、 上記第1及び第2の導体層対はその発生する磁界の中心
磁界がほぼ重なるように構成され、 且つ上記第1の導体層対の幅は上記第2の導体層対の幅
に比し小とされて成り、 上記第1の導体層対に印加するパルス電流のパルス幅を
TW1、振幅をIA1とし、上記第2の導体層対に印加する
パルス電流のパルス幅をTW2、振幅をIA2とするとき、 TW1<TW2で且つIA1>IA2として読み出すことを特徴
とするブロッホラインメモリの読み出し方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4036675A JPH05234359A (ja) | 1992-02-24 | 1992-02-24 | ブロッホラインメモリの読み出し導体及び読み出し方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4036675A JPH05234359A (ja) | 1992-02-24 | 1992-02-24 | ブロッホラインメモリの読み出し導体及び読み出し方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05234359A true JPH05234359A (ja) | 1993-09-10 |
Family
ID=12476433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4036675A Pending JPH05234359A (ja) | 1992-02-24 | 1992-02-24 | ブロッホラインメモリの読み出し導体及び読み出し方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05234359A (ja) |
-
1992
- 1992-02-24 JP JP4036675A patent/JPH05234359A/ja active Pending
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