JPH05233036A - プログラマブルコントロール装置の制御手順プログラム読み出し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単かつ確実に、プログラマブルコントロー
ル装置に格納された制御手順プログラムを保護する。 【構成】 制御手順プログラムの読み出し装置は、入力
信号を取り込み、複数の命令を含む制御手順プログラム
に従って制御信号を出力するプログラマブルコントロー
ル装置１に用いられるものであって、プログラム出力手
段と、プログラム出力禁止手段とを備えている。プログ
ラム出力手段は、制御手順プログラムの読み出しを外部
から指令されたとき、制御手順プログラムを外部に出力
する。プログラム出力禁止手段は、制御手順プログラム
にプログラム出力禁止命令が含まれているときに、プロ
グラム出力手段の動作を禁止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はプログラム読み出し装
置、特に、入力信号を取り込み、複数の命令を含む制御
手順プログラムに従って制御信号を出力するプログラマ
ブルコントロール装置の制御手順プログラム読み出し装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】プログラマブルコントロール装置は、工
作機械等の制御対象を自動制御するために用いられてい
る。この種のプログラマブルコントロール装置は、使用
者によって任意に作成された制御手順プログラム（シー
ケンスプログラム）を記憶し、入力情報をもとに記憶さ
れた制御手順プログラムの内容に従って制御信号を外部
に出力するものである。

【０００３】この種のプログラマブルコントロール装置
には、装置内に格納する制御手順プログラムを作成する
ために、プログラミングコンソールやパーソナルコンピ
ュータが接続可能になっている。プログラミングコンソ
ールやパーソナルコンピュータでは、プログラマブルコ
ントロール装置に格納すべき制御手順プログラムを作成
し、まこプログラマブルコントロール装置から制御手順
プログラムを読み出して編集することができる。

【０００４】制御手順プログラムは一般に、プログラマ
ブルコントロール装置を搭載したシステムを製造したメ
ーカーが作成している。このシーケンスプログラムにメ
ーカーのトレードシークレットが含まれている場合に
は、制御手順プログラムのコピー等の防止を図り、制御
手順プログラムを保護する必要がある。従来、制御手順
プログラムの保護のために、プログラムの読み出しの禁
止／許可をパスワードにより行っている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】パスワードによりシー
ケンスプログラムの読み出し禁止を行う構成では、パス
ワードが情報漏れにより外部の者に知られるという問題
がある。また、簡単なパスワードの場合には偶然にパス
ワードが一致し、シーケンスプログラムが読み出される
おそれがある。さらに、シーケンスプログラムを作成す
る都度パスワードを設定する必要があり、面倒である。

【０００６】本発明の目的は、簡単かつ確実にプログラ
マブルコントロール装置に格納された制御手順プログラ
ムを保護することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係る制御手順プ
ログラムの読み出し装置は、入力信号を取り込み、複数
の命令を含む制御手順プログラムに従って制御信号を出
力するプログラマブルコントロール装置に用いられるも
のであって、プログラム出力手段と、プログラム出力禁
止手段とを備えている。プログラム出力手段は、制御手
順プログラムの読み出しを外部から指令されたとき、制
御手順プログラムを外部に出力する。プログラム出力禁
止手段は、制御手順プログラムにプログラム出力禁止命
令が含まれているときに、プログラム出力手段の動作を
禁止する。

【０００８】

【作用】本発明においては、外部から制御手順プログラ
ムの読み出しが指令されたとき、制御手順プログラムに
プログラム出力禁止命令が含まれていると、プログラム
出力禁止手段がプログラム出力手段の動作を禁止する。
このため、制御手順プログラムの簡単な変更だけで、外
部からの読み出し要求があっても制御手順プログラムの
外部への出力が禁止され、確実にプログラムの保護を図
ることができる。

【０００９】

【実施例】図１は、本発明の一実施例を採用したプログ
ラマブルコントロール装置１を含む制御システムのシス
テム構成図である。図において、プログラマブルコント
ロール装置１は、ＲＳ２３２Ｃ通信回線４０を介してパ
ーソナルコンピュータ１０に接続可能となっている。パ
ーソナルコンピュータ１０は、プログラマブルコントロ
ール装置１で用いられるシーケンスプログラム（制御手
順プログラム）の作成装置及びプログラマブルコントロ
ール装置１の動作状態を監視するためのモニタ装置とし
て用いられる。パーソナルコンピュータ１０は、ラダー
図形式によりプログラムを入力可能であるとともに、入
力されたラダー図プログラムをニモニックにコーディン
グすることができる。ニモニックにコーディングされた
シーケンスプログラムはさらに中間言語に変換され、Ｒ
Ｓ２３２Ｃ通信回線４０を介してプログラマブルコント
ロール装置１に転送可能である。

【００１０】また、プログラマブルコントロール装置１
は、プログラミングコンソール３０とも接続可能であ
る。プログラミングコンソール３０は、ニモニック形式
によるプログラムの作成機能を有している。プログラミ
ングコンソール３０には、ＩＣカード４１が挿入可能で
ある。ＩＣカード４１はパーソナルコンピュータ１０に
も挿入可能であり、パーソナルコンピュータ１０内で作
成された中間言語のシーケンスプログラムを格納可能な
構成となっている。

【００１１】プログラマブルコントロール装置１は、図
２に示すように、ほぼ直方体状のケース１ａを有してい
る。ケース１ａの前面の上部には複数の入力端子２が横
方向に並べて配置されている。また、下部には複数の出
力端子３が同様に横方向に並べて配置されている。ま
た、ケース１ａの前面には入力状態を表示するための複
数の入力状態表示用ＬＥＤ４と、出力状態を表示するた
めの複数の出力状態表示用ＬＥＤ５が配置されている。
これらのＬＥＤ４，５は、それぞれ入力端子２及び出力
端子３に対応して端子数と同数だけ設けられている。ケ
ース１ａの背面側には、この装置をたとえば工作機械等
の機器に取り付けるための取付フランジ７が設けられて
いる。

【００１２】図３に示すように、プログラマブルコント
ロール装置１は、主に、状態表示用のＬＥＤドライバー
等が搭載された表示用基板１１ａと、ＣＰＵやメモリ等
が搭載された制御基板１１ｂと、入出力部が搭載された
入出力基板１１ｃとを有している。各基板１１ａ，１１
ｂ，１１ｃは、４ビットの直列伝送線路１３によって接
続されている。

【００１３】入出力基板１１ｃには、入力回路１５と，
出力回路１６と、入力回路１５及び出力回路１６のそれ
ぞれに接続されたゲートアレイ１７とが搭載されてい
る。また制御基板１１ｂには、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ
等を含むマイクロコンピュータ１８と、ＳＲＡＭ１９、
ＲＯＭ２０及びＥＥＰＲＯＭ２１からなる記憶部２２
と、リセット回路２３と、基準クロック信号を発生させ
るための発振回路２４と、タイマー回路２５とが搭載さ
れている。また、表示用基板１１ａには、入出力状態表
示用のＬＥＤ回路２６と、出力状態表示用のＬＥＤ回路
２７と、これらの各ＬＥＤ回路２６，２７のそれぞれに
接続されたゲートアレイ２８とが搭載されている。

【００１４】入力回路１５はたとえば２４個の入力端子
２を有しており、そのそれぞれはゲートアレイ１７を構
成する各ゲートに接続されている。また出力回路１６
は、たとえば１６個の出力端子３を有しており、そのう
ちの１４個の出力端子はゲートアレイ１７を構成する各
ゲートに接続されている。なお、入力回路１５の複数の
入力端子２のうちの６個の入力端子はマイクロコンピュ
ータ１８のダイレクト入力端子にも接続されている。ま
た出力回路１６のうちの２個の出力端子は、マイクロコ
ンピュータ１８のダイレクト出力端子に直接接続されて
いる。ゲートアレイ１７は、出力回路１５からの並列情
報を直列情報に変換して直列伝送線路１３に出力すると
ともに、マイクロコンピュータ１８から直列伝送線路１
３を介して送られてきた直列情報を並列情報に変換して
出力回路１６に与えるためのものである。

【００１５】制御基板１１ｂにおいて、記憶部２２、リ
セット回路２３、発振回路２４及びタイマー回路２５は
マイクロコンピュータ１８に接続されている。また、マ
イクロコンピュータ１８には、パーソナルコンピュータ
１０と通信するためのＲＳ２３２Ｃインターフェイス３
１が接続されているとともに、プログラミングコンソー
ル３０を接続することが可能である。

【００１６】マイクロコンピュータ１８は、プログラミ
ングコンソール３０またはパーソナルコンピュータ１０
（図１）からのシーケンスプログラムをＥＥＰＲＯＭ２
１に書き込む機能、プログラミングコンソール３０また
はパーソナルコンピュータ１０からの命令によりシーケ
ンスプログラムをＥＥＰＲＯＭ２１から読み出し、転送
する機能、ゲートアレイ１７との間で直列通信を行う機
能、ゲートアレイ１７から送られてきた入力情報をＳＲ
ＡＭ１９に格納する機能、及び入力情報をもとにＥＥＰ
ＲＯＭ２１に格納された処理手順によって演算を行う機
能等を主に有している。ＲＯＭ２０には、プログラマブ
ルコントロール装置１自体を制御するためのシステムプ
ログラムが格納されている。

【００１７】また、ＥＥＰＲＯＭ２１には、後述するメ
モリスイッチ命令（以下、ＭＥＭＳＷ命令と記す）によ
り設定されたフラグを格納するためのメモリスイッチエ
リア２９が設けられている。メモリスイッチエリア２９
には、図８に示すように、最上位ビット（ＭＳＢ）に読
み出し制御フラグが、その次のビットに書き込み制御フ
ラグが、それぞれ格納され得るようになっている。ここ
で、読み出し制御フラグが「１」の場合にはＥＥＰＲＯ
Ｍ２１の内容が読み出し禁止状態であることを、また書
き込み制御フラグが「１」の場合にはＥＥＰＲＯＭ２１
に対して書き込み禁止状態であることを意味している。
これにより、ＥＥＰＲＯＭ２１に格納されたシーケンス
プログラムの読み出し及び／又は書き込みの禁止／許可
の制御を行うことができる。

【００１８】図４は、パーソナルコンピュータ１０のブ
ロック構成を示している。パーソナルコンピュータ１０
は、ＣＰＵ４２を備えている。ＣＰＵ４２は、バス４６
を介して、ＣＲＴ１０ａ、キーボード１０ｂ、プリンタ
１０ｃ、ＦＤＤ１０ｄ、メモリカードドライブ１０ｅ、
マウス１０ｆ及びＲＳ２３２Ｃインターフェイス４７と
に接続されている。また、ＣＰＵ４２は、ＲＯＭ４５及
びＲＡＭ４６に接続されている。ＲＯＭ４５には、この
パーソナルコンピュータのシステムプログラムが格納さ
れており、ＲＡＭ４６には、ＦＤＤ４４に格納された各
種ユーティリティプログラム等が格納される。このユー
ティリティプログラムにより、パーソナルコンピュータ
１０は、たとえば、リレーシンボルで作成されたラダー
図形式のシーケンスプログラムを、ニモニックのシーケ
ンスプログラムに変換したり、それをさらに中間言語に
変換できる。また、このユーティリティプログラムによ
り、作成した中間言語のシーケンスプログラムをプログ
ラマブルコントロール装置１に転送したり、プログラマ
ブルコントロール装置１に格納されたシーケンスプログ
ラムを読み出し、編集できる。

【００１９】次に、プログラマブルコントロール装置１
の制御動作について説明する。プログラマブルコントロ
ール装置１が搭載された工作機械等の起動スイッチがオ
ンされると、プログラマブルコントロール装置１も起動
され、ＲＯＭ２０内に格納されたシステムプログラムが
ロードされる。そしてステップＳ１では、初期設定が行
われる。次にステップＳ２では、ＲＵＮモードが指令さ
れたか否かを判断する。このＲＵＮモードは、パーソナ
ルコンピュータ１０またはプログラミングコンソール３
０が接続されている場合にはそれらから指令され、それ
らが接続されていない場合には自動的に設定される。ス
テップＳ２でＲＵＮモードが指令されていない場合には
ステップＳ３に移行する。ステップＳ３では、プログラ
ミングモード（以下、ＰＲＧモードと記す）が指令され
たか否かを判断する。このＰＲＧモードは、パーソナル
コンピュータ１０やプログラミングコンソール３０が接
続されている場合にそれらから指令される。このＰＲＧ
モードでは、シーケンスプログラムの読み出しや書き込
み等が行われる。

【００２０】ステップＳ３でＰＲＧモードが指令されて
いないと判断した場合にはステップＳ４に移行する。ス
テップＳ４では他のモード処理を行い、それが終了する
とステップＳ２に戻る。ＲＵＮモードと判断した場合に
はステップＳ２からステップＳ５に移行する。ステップ
Ｓ５のＲＵＮモードでは、図６に示すように、まずステ
ップＳ１１でシーケンスプログラムの１ステップを読み
出す。ステップＳ１２では、読み出したステップの内容
がＭＥＭＳＷ命令か否かを判断する。このＭＥＭＳＷ命
令は、前述したようにＥＥＰＲＯＭ２１内のメモリスイ
ッチエリア２９のフラグをセットする命令である。ステ
ップＳ１２での判断がＮＯの場合にはステップＳ１３に
移行する。ステップＳ１３では、他の命令か否かを判断
する。他の命令と判断したときにはステップＳ１３から
ステップＳ１６に移行する。ステップＳ１６では、その
命令に応じた他の処理を行う。ステップＳ１４では、終
了命令であるか否かを判断する。終了命令と判断すると
メインルーチンに戻り、終了命令ではないと判断すると
ステップＳ１１に戻る。

【００２１】ＭＥＭＳＷ命令と判断するとステップＳ１
２からステップＳ１５に移行する。このＭＥＭＳＷ命令
では、それに続く１６進４桁のオペランドで１６ビット
のフラグが設定される。たとえば、オペランドが１６進
の「８０００」の場合には、これを２進数に直すと、
「１０００００００００００００００」となるので、メ
モリスイッチエリア２９の読み出し制御フラグだけを
「１」にセットできる。また、オペランドを「４００
０」とすることにより、メモリスイッチエリア２９の書
き込み制御フラグだけを「１」にセットすることができ
る。

【００２２】このように、シーケンスプログラム内に書
き込まれたＭＥＭＳＷ命令により、メモリスイッチエリ
ア２９の設定が可能であり、ソフトウェアにより簡単に
読み出し禁止や書き込み禁止を行うことができる。この
命令はスキャン動作中に読み込まれるので、一度スキャ
ン動作が実行されれば確実に読み出しが禁止され、シー
ケンスプログラムの保護を図ることが可能となる。

【００２３】図５において、ＰＲＧモードと判断された
場合にはステップＳ３からステップＳ６に移行する。ス
テップＳ６のＰＲＧモード処理では、図７に示すように
まずステップＳ２１で、パーソナルコンピュータ１０ま
たはプログラミングコンソール３０から読み出し命令が
なされたか否かを判断する。ステップＳ２２では、書き
込み命令がなされたか否かを判断する。ステップＳ２３
での判断がＮＯの場合にはステップＳ２３に移行する。
ステップＳ２３では他の処理を行い、メインルーチンに
戻る。

【００２４】読み出し命令と判断された場合にはステッ
プＳ２１からステップＳ２４に移行する。ステップＳ２
４では、メモリスイッチエリア２９内の読み出し制御フ
ラグが「１」にセットされているか否かを判断する。読
み出し制御フラグが「１」にセットされている場合に
は、ステップＳ２５に移行して、パーソナルコンピュー
タ１０またはプログラミングコンソール３０に読み出し
禁止である旨を応答する。また、読み出し制御フラグが
「１」でない場合にはステップＳ２４からステップＳ２
６に移行する。ステップＳ２６では、ＥＥＰＲＯＭ２１
内のシーケンスプログラムを読み出し、パーソナルコン
ピュータ１０またはプログラミングコンソール３０に送
信する。これらの処理が終了するとステップＳ２２に移
行する。

【００２５】また、書き込み命令と判断した場合にはス
テップＳ２２からステップＳ２７に移行する。ステップ
Ｓ２７では、書き込み制御フラグが「１」か否かを判断
する。書き込み制御フラグが「１」の場合にはステップ
Ｓ２７からステップＳ２８に移行し、書き込み禁止であ
る旨をパーソナルコンピュータ１０またはプログラミン
グコンソール３０に応答する。また、書き込み制御フラ
グが「１」ではないと判断した場合にはステップＳ２７
からステップＳ２９に移行する。ステップＳ２９では、
パーソナルコンピュータ１０またはプログラミングコン
ソール３０で作成されたシーケンスプログラムデータを
受信し、ＥＥＰＲＯＭ２１の所定領域に書き込む。これ
らの処理が終了するとステップＳ２３に移行する。

【００２６】図９に、ＭＥＭＳＷ命令を含むラダー図形
式のシーケンスプログラムの一例を示す。ここでは、シ
ーケンスプログラムの先頭にＭＥＭＳＷ命令を書き込
み、そのオペランドを「８０００」とすることにより、
読み出し制御フラグを「１」にセットしている。このシ
ーケンスプログラムを上述のようにプログラマブルコン
トロール装置１で実行することにより、プログラマブル
コントロール装置１からのシーケンスプログラムの読み
出しを禁止できる。また、プログラムを変更されたくな
い場合には、オペランドを「４０００」とすることによ
り、書き込み禁止にすることができる。これにより、確
実にシーケンスプログラム（ソフトウェア）の保護を図
ることができる。

【００２７】〔他の実施例〕前記実施例では、メモリス
イッチにフラグをセットすることにより、シーケンスプ
ログラムの保護を行ったが、本発明はこれに限定される
ものではない。たとえば、読み出し命令や書き込み命令
を受けたときに、シーケンスプログラムに対するスキャ
ン動作を行ってＭＥＭＳＷ命令の有無を確認する構成に
より、本発明を実施することもできる。この場合には、
読み出し禁止状態や書き込み禁止状態を記憶するための
専用のメモリ領域が不要となる。

【００２８】

【発明の効果】本発明においては、制御手順プログラム
中にプログラム出力禁止命令が含まれていると、プログ
ラム出力手段の動作を禁止する構成としているで、簡単
かつ確実に制御手順プログラムの保護を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を採用したプログラマブルコ
ントロール装置を含む制御システムの構成を示すブロッ
ク図。

【図２】そのプログラマブルコントロール装置の外観斜
視図。

【図３】そのプログラマブルコントロール装置のブロッ
ク構成図。

【図４】パーソナルコンピュータのブロック構成図。

【図５】プログラマブルコントロール装置の制御フロー
チャート。

【図６】ＲＵＮモードの制御フローチャート。

【図７】ＰＲＧモードの制御フローチャート。

【図８】メモリスイッチエリアのビットマップ。

【図９】シーケンスプログラムの一例を示す図。

【符号の説明】

１ プログラマブルコントロール装置 １０ パーソナルコンピュータ １８ マイクロコンピュータ ２１ ＥＥＰＲＯＭ ２９ メモリスイッチエリア ３０ プログラミングコンソール

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】入力信号を取り込み、複数の命令を含む制
   御手順プログラムに従って制御信号を出力するプログラ
   マブルコントロール装置の制御手順プログラム読み出し
   装置であって、 前記制御手順プログラムの読み出しを外部から指令され
   たとき、前記制御手順プログラムを外部に出力するプロ
   グラム出力手段と、 前記制御手順プログラムにプログラム出力禁止命令が含
   まれているときに、前記プログラム出力手段の動作を禁
   止するプログラム出力禁止手段と、を備えたプログラマ
   ブルコントロール装置の制御手順プログラム読み出し装
   置。