JPH0523223A - 棒状樹脂の先端加工装置及び方法 - Google Patents

棒状樹脂の先端加工装置及び方法

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JPH0523223A
JPH0523223A JP20217091A JP20217091A JPH0523223A JP H0523223 A JPH0523223 A JP H0523223A JP 20217091 A JP20217091 A JP 20217091A JP 20217091 A JP20217091 A JP 20217091A JP H0523223 A JPH0523223 A JP H0523223A
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文昭 斎藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 棒状樹脂の先端に各種形態の丸め形状を付与
可能とすること。 【構成】 加熱装置23が具備する発熱体25の発熱面
26前面を加熱領域とし、この加熱領域に設定される用
毛11の先端を加熱、溶融して丸めることを可能とする
用毛11の先端加工装置20において、上記発熱体25
の発熱面26が凸状であるようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯ブラシ、ヘアブラシ
等の用毛等に用いられて好適な棒状樹脂の先端加工装置
及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、実公昭58-39870号公報に記載の如
くの棒状樹脂の先端加工装置が提案されている。この従
来技術は、棒状樹脂の先端をバーナーの火炎で溶融し、
丸めるものである。
【0003】尚、先端が丸められた棒状樹脂を例えばブ
ラシの用毛として用いるものとすれば、毛先が鋭利でな
いため、ブラッシングに際して、毛先が接触する部分の
表面を傷つけることがない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記従来
技術にあっては、棒状樹脂の先端をバーナーの火炎によ
って直接的に加熱するものであるため、輻射熱による加
熱が主体となり、棒状樹脂の先端面に熱エネルギが集中
してしまう。この結果、棒状樹脂の先端の丸め形状は、
扁平状から球状となり、長円状のものを作ろうとして多
量の熱エネルギを供給すると、該棒状樹脂の先端溶融樹
脂が垂れ下がり長円状のものを得ることに困難がある。
【0005】尚、棒状樹脂の先端丸め形状としては、該
棒状樹脂の用途により、扁平状、球状、長円状の如くの
各種形態のものを提供可能とすることが望まれる。
【0006】本発明は、棒状樹脂の先端に各種形態の丸
め形状を付与可能とすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、加熱装置が具備する発熱体の発熱面前面を加熱領域
とし、この加熱領域に設定される棒状樹脂の先端を加
熱、溶融して丸めることを可能とする棒状樹脂の先端加
工装置において、上記発熱体の発熱面が凸状であるよう
にしたものである。
【0008】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において更に、前記発熱体の凸状発熱面の一
部に凹部又は平面部を備えるようにしたものである。
【0009】請求項3に記載の本発明は、請求項1又は
2に記載の本発明において更に、前記加熱装置が、前記
発熱体の温度設定手段と、前記加熱領域に設定される前
記棒状樹脂の先端に対する該発熱体の距離を調整し得る
発熱体位置設定手段とを備えるようにしたものである。
【0010】請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3
のいずれかに記載の本発明において更に、前記棒状樹脂
の先端が前記加熱領域を通過するように該棒状樹脂を搬
送する搬送装置を有し、該搬送装置が、搬送速度設定手
段を備えるようにしたものである。
【0011】請求項5に記載の本発明は、棒状樹脂の先
端が加熱装置の発熱体の発熱面前面の加熱領域を通過す
るように、該棒状樹脂を搬送し、該棒状樹脂の先端を加
熱、溶融して丸める棒状樹脂の先端加工方法において、
上記発熱体の発熱面を凸状とし、該発熱体の温度、該棒
状樹脂の先端に対する該発熱体の距離、該加熱領域に対
する該棒状樹脂の搬送速度の少なくとも1つを制御し、
該棒状樹脂の先端に付与される丸め形状を制御するよう
にしたものである。
【0012】
【作用】本発明によれば、下記(1) 〜(5) の作用があ
る。
【0013】(1) 凸状発熱面 発熱体の発熱面を凸状とすることにより、図6(A)に
示す如く、発熱体回りの対流層の等温線を密集させ、安
定した高密度の対流層を形成できる。これにより、棒状
樹脂の先端には、輻射熱のみでなく、対流層の伝達熱を
も適度に加えることができ、所望の熱エネルギを先端面
(輻射熱による)と先端面〜先端胴部(対流層の伝達熱
による)とに集中させて加えることができる。
【0014】従って、凸状発熱面を持つ発熱体を用い
て、発熱体の温度、加熱領域に設定される棒状樹脂の先
端に対する発熱体の距離、加熱領域を通過する棒状樹脂
の搬送速度を制御するものとすれば、棒状樹脂の先端に
付与する熱エネルギの内容、即ち、輻射熱と対流層の伝
達熱のかかわり方を調節することとなり、棒状樹脂の先
端に各種形態の丸め形状を付与できる。
【0015】尚、発熱体の発熱面を平面状とする場合に
は、図6(B)に示す如く、対流層が膨らみ、棒状樹脂
の先端の広い領域に熱影響を与える結果、図6(C)に
示す如く、棒状樹脂の先端に溶融ダレを生じ易いという
不都合がある。
【0016】(2) 凸状発熱面の一部に備えた凹部又は平
面部 凸状発熱面の一部に凹部を設けることにより、輻射熱を
棒状樹脂の先端に集中させ易く、凹部を持たない発熱体
に比べ、低温での加工ができる。棒状樹脂の先端に輻射
熱を集中させるには、図7(B)の円弧溝状凹部を備え
ることが理想的であるが、図7(C)〜(E)の四角溝
状の凹部、三角溝状の凹部、平面部を備えるものであっ
ても良い。尚、図7(E)の平面部を備えるものは、装
置への取付けが容易となる。
【0017】(3) 発熱体の温度、位置の設定と丸め形状
との関係 発熱体の温度と、棒状樹脂の先端に対する発熱体の距離
を制御することにより、棒状樹脂の先端に加える熱エネ
ルギの内容、即ち、輻射熱、及び対流層からの伝達熱の
かかわり方を下記、の如くに調節できる。
【0018】温度を高くし、距離を大きくすると、棒
状樹脂の先端に加わる熱エネルギは、先端面に作用する
輻射熱が支配的となり、先端丸め形状は扁平状〜球状と
なる(図4(A)参照)。
【0019】尚、図4(A)において、A1 は輻射熱が
棒状樹脂の融解熱を上回る領域、A2 は対流層からの伝
達熱が融解熱を上回る領域である。
【0020】温度を低くし、距離を小さくすると、棒
状樹脂の先端に加わる熱エネルギは、先端面に作用する
輻射熱の他に、対流層からの伝達熱が先端面〜先端胴部
に及び、先端丸め形状は長円状となる(図4(B)参
照)。
【0021】尚、図4(B)において、B1 は対流層か
らの伝達熱が融解熱を上回る領域、B2 は輻射熱が融解
熱を上回る領域である。
【0022】また、温度を高くし、距離を小さくする
と、先端丸め形状は徐々に大きくなるが、溶融ダレを生
ずる危険がある。
【0023】(4) 棒状樹脂の搬送速度と丸め形状との関
係 発熱体の加熱領域を通過する棒状樹脂の搬送速度を制御
することにより、棒状樹脂の先端に加える熱エネルギを
調節することもできる。
【0024】このとき、棒状樹脂の先端に多量の熱エネ
ルギを加えすぎると、先端の溶融部分が大きくなりすぎ
て、溶融ダレを生ずる。これを回避するためには、搬送
速度を大きくすることにて加工時間を短くし、先端に加
わる熱エネルギを抑えてやれば良い。
【0025】(5) 先端丸め形状の制御 従って、上記(3) の発熱体の温度と位置の設定の他に、
上記(4) の棒状樹脂の搬送速度を変化させることによ
り、上記(3) の、のそれぞれの加工状態における先
端丸め形状の発達過程を制御し、各種形態の丸め形状を
作ることができる(図5参照)。
【0026】図8は、発熱体の温度T、棒状樹脂の先端
に対する発熱体の距離X、及び加熱領域に対する棒状樹
脂の搬送速度Vの制御が、棒状樹脂の先端に形成される
丸め形状の変化に及ぼす影響を示す模式図である。図8
において、NGは溶融ダレである。
【0027】従って、本発明の凸状発熱面を備える発熱
体を用いて、温度T、距離X、搬送速度Vの少なくとも
1つを制御することにより、図9に示す如くの、扁平
状、球状、長円状の各種形態の丸め形状を得ることがで
きる。尚、図9の各先端形状に付されている数値(形状
係数)は、先端丸め形状の、直径に対する軸方向長さの
比率である。
【0028】
【実施例】図1は本発明装置の一例を示す模式図、図2
は本発明装置の一例を示すブロック図、図3は歯ブラシ
を示す模式図、図4は発熱体が棒状樹脂(用毛)に及ぼ
す熱影響を示す模式図、図5は用毛先端に対する輻射熱
の作用と対流層からの伝達熱の作用とを示す模式図、図
6は対流層の等温線を示す模式図、図7は発熱体の発熱
面の形状を示す模式図、図8は温度T、距離X、搬送速
度Vと用毛先端丸め形状との関係を示す模式図、図9は
用毛先端の各種丸め形状を示す模式図、図10は歯ブラ
シにおける用毛先端の丸め形状とブラッシング特性との
関係を示す図表である。
【0029】図3は本発明の実施対象例としての歯ブラ
シ10であり、歯ブラシ10は、先端丸め形状を付与さ
れた用毛11の群を、予め略一定の植毛標準レベル(高
さ)に揃えた状態でヘッド12に植毛されたものであ
る。
【0030】尚、用毛11の材質は、例えばナイロン6-
12、ナイロン6-10、ナイロン12、PBT樹脂等である。
また、線経は9/1000インチ(0.23mm)である。
【0031】然るに、本発明にあっては、用毛11の先
端丸め形状を以下の如くにより付与する(図1、図2参
照)。
【0032】即ち、先端加工装置20は、用毛整列供給
装置21から供給される用毛11を搬送装置22により
搬送する過程で、加熱装置23により先端丸め加工を施
され、用毛集積装置24に集積せしめられる。
【0033】ここで、先端加工装置20では、加熱装置
23が具備する円柱状発熱体25の発熱面26の前面を
加熱領域とし、搬送装置22により搬送されてこの加熱
領域を通過する用毛11の先端を加熱、溶融して丸める
ことを可能とする。発熱体25の発熱面26は円柱表面
にて形成される凸状とされている。
【0034】尚、発熱体25の加熱源としては、電熱ヒ
ータ、ガスバーナ等を用いることができる。
【0035】ここで、先端加工装置20は、搬送装置2
2の両側に、各1個の発熱体25を配置し、用毛11の
両端に先端丸め加工を施すものとしている。
【0036】尚、発熱体25の凸状発熱面26の一部に
は、図7(B)〜(D)の如くの円弧溝状凹部、四角溝
状凹部、三角溝状凹部、又は図7(E)の如くの平面部
を備えるものであっても良い。
【0037】また、先端加工装置20にあっては、加熱
装置23が、発熱体25の温度設定器31と、加熱領域
に設定される用毛11の先端に対する発熱体25の距離
を調整し得る発熱体位置設定器32とを備えている。
【0038】また、先端加工装置20にあっては、搬送
装置22が、搬送速度設定器33を備えている。
【0039】然るに、上記先端加工装置20によれば、
下記〜の如くの作用効果がある。
【0040】発熱体25の発熱面26を凸状とするこ
とにより、図6(A)に示した如く、発熱体25まわり
の対流層の等温線を密集させ、安定した高密度の対流層
を形成できる。これにより、用毛11の先端には、輻射
熱のみでなく、対流層の伝達熱をも適度に加えることが
でき、所望の熱エネルギを先端面(輻射熱による)と先
端面〜先端胴部(対流層の伝達熱による)とに集中させ
て加えることができる。
【0041】凸状発熱面26の一部に図7(B)〜
(E)に示す如くの凹部、又は平面部を設けることによ
り、輻射熱を用毛11の先端に集中させ易く、凹部を持
たない発熱体に比べ、低温での加工ができる。
【0042】温度設定器31、発熱体位置設定器3
2、搬送速度設定器33により、発熱体25の温度、用
毛11の先端に対する発熱体25の距離、加熱領域に対
する用毛11の搬送速度の少なくとも1つを制御するこ
とにより、用毛11の先端に付与する熱エネルギの内
容、即ち輻射熱と対流層の伝達熱とのかかわり方を調節
することができ、用毛11の先端に各種形態の丸め形状
を付与できる(図8、図9参照)。
【0043】尚、図10は、本発明により先端丸め加工
を施された歯ブラシ10における、先端丸め形状とブラ
ッシング特性との関係を示すものである。先端丸め形状
は、(A) 扁平状、(B) 球状、(C) 長円状の3種とし、ブ
ラッシング特性は歯肉へのマッサージ効果、歯垢除去効
果、歯への引っ掛かり性の3項目について評価した。図
10によれば、用毛先端が扁平状の歯ブラシは歯垢除去
能力が非常に高く、用毛先端が球状の歯ブラシは歯肉へ
のマッサージ能力、歯垢除去能力が高く、用毛先端が長
円状の歯ブラシは歯肉へのマッサージ能力があり、ブラ
ッシング時の感触を柔らかいものとすることができる。
【0044】即ち、上記先端加工装置20によれば、単
一装置により、所望のブラッシング特性を得ることので
きる先端丸め形状を、確実かつ容易に用毛11の先端に
付与できる。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、棒状樹脂
の先端に各種形態の丸め形状を付与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明装置の一例を示す模式図である。
【図2】図2は本発明装置の一例を示すブロック図であ
る。
【図3】図3は歯ブラシを示す模式図である。
【図4】図4は発熱体が棒状樹脂(用毛)に及ぼす熱影
響を示す模式図である。
【図5】図5は用毛先端に対する輻射熱の作用と対流層
からの伝達熱の作用とを示す模式図である。
【図6】図6は対流層の等温線を示す模式図である。
【図7】図7は発熱体の発熱面の形状を示す模式図であ
る。
【図8】図8は温度T、距離X、搬送速度Vと用毛先端
丸め形状との関係を示す模式図である。
【図9】図9は用毛先端の各種丸め形状を示す模式図で
ある。
【図10】図10は歯ブラシにおける用毛先端の丸め形
状とブラッシング特性との関係を示す図表である。
【符号の説明】
11 用毛(棒状樹脂) 20 先端加工装置 22 搬送装置 23 加熱装置 25 発熱体 26 発熱面 31 温度設定器 32 発熱体位置設定器 33 搬送速度設定器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 文昭 山形県飽海郡松山町字仲町41−3 (72)発明者 佐藤 良一 山形県東田川郡余目町廿六木80−3

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱装置が具備する発熱体の発熱面前面
    を加熱領域とし、この加熱領域に設定される棒状樹脂の
    先端を加熱、溶融して丸めることを可能とする棒状樹脂
    の先端加工装置において、上記発熱体の発熱面が凸状で
    あることを特徴とする棒状樹脂の先端加工装置。
  2. 【請求項2】 前記発熱体の凸状発熱面の一部に凹部又
    は平面部を備える請求項1記載の棒状樹脂の先端加工装
    置。
  3. 【請求項3】 前記加熱装置が、前記発熱体の温度設定
    手段と、前記加熱領域に設定される前記棒状樹脂の先端
    に対する該発熱体の距離を調整し得る発熱体位置設定手
    段とを備える請求項1又は2記載の棒状樹脂の先端加工
    装置。
  4. 【請求項4】 前記棒状樹脂の先端が前記加熱領域を通
    過するように該棒状樹脂を搬送する搬送装置を有し、該
    搬送装置が、搬送速度設定手段を備える請求項1〜3の
    いずれかに記載の棒状樹脂の先端加工装置。
  5. 【請求項5】 棒状樹脂の先端が加熱装置の発熱体の発
    熱面前面の加熱領域を通過するように、該棒状樹脂を搬
    送し、該棒状樹脂の先端を加熱、溶融して丸める棒状樹
    脂の先端加工方法において、上記発熱体の発熱面を凸状
    とし、該発熱体の温度、該棒状樹脂の先端に対する該発
    熱体の距離、該加熱領域に対する該棒状樹脂の搬送速度
    の少なくとも1つを制御し、該棒状樹脂の先端に付与さ
    れる丸め形状を制御することを特徴とする棒状樹脂の先
    端加工方法。
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