JPH05231986A - 光学系の光学特性測定装置 - Google Patents

光学系の光学特性測定装置

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JPH05231986A
JPH05231986A JP92223330A JP22333092A JPH05231986A JP H05231986 A JPH05231986 A JP H05231986A JP 92223330 A JP92223330 A JP 92223330A JP 22333092 A JP22333092 A JP 22333092A JP H05231986 A JPH05231986 A JP H05231986A
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JP
Japan
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slit
optical system
light
light receiving
lens
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JP92223330A
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Masao Noda
昌雄 納田
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SAN HIGHTECH KK
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SAN HIGHTECH KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 センサとして単一の一次元受光センサを用い
るだけですむとともに、可動部を設けなくてすむ光学系
の光学特性測定装置を提供する。 【構成】 光源部1及び2の合計六つの光源から順次発
した光束は、マスク3及び4により傾斜角度が二種類の
六つのスリット状の光束となって、被検レンズ7に向か
う。各スリット状の光束は、集光レンズ6より被検レン
ズ7に対して集光して、合計四つの集光位置に集束す
る。被検レンズ7通過後の各光束もスリット状となり、
その傾斜角度は元の傾斜角度と実質的に一致し、投影レ
ンズにより一次元受光センサ10上に投影する。一次元
受光センサ10の出力信号に基づいて、被検レンズ7の
光学特性を演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、眼鏡レンズその他の光
学系の光学特性、すなわち、光学系の球面屈折力、円柱
屈折力及び主径線方向、並びに必要に応じてプリズム屈
折力及びその基底方向を、測定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から光学系の光学特性測定装置とし
て種々の装置が提供されており、例えば、特開昭58ー
737号公報に記載された装置及び特開昭57ー199
933号公報に記載された装置が提供されている。
【0003】特開昭58ー737号公報に記載された装
置では、可動部を有していないため、可動部を有する他
の装置に比べて測定精度が良い等の利点がある。しかし
ながら、センサとして、二次元の受光位置に応じた出力
信号を出力する二次元受光センサ(例えば、PINフォ
トダイオード)を用いているので、高価であった。
【0004】一方、特開昭57ー199933号公報に
は、二つの一次元受光センサを用いた装置と一つの一次
元受光センサを用いた装置の二種類の装置が記載されて
いる。前者の装置では、可動部を有していないため、可
動部を有する他の装置に比べて測定精度が良い等の利点
がある。しかしながら、センサとして、二つの一次元受
光センサが用いられているので、センサの数のみならず
その駆動回路の数も増えて高価であるとともに、そのア
ライメント等に手数を要して製造が困難となりひいては
測定精度の向上の妨げになっていた。また、後者の装置
では、一つの一次元受光センサしか用いていないもの
の、該一次元受光センサを可動部とするなどにより可動
部を有しており、したがって、測定精度が良くなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記事情に
鑑みてなされたもので、センサとして単一の一次元受光
センサを用いるだけですむとともに、可動部を設けなく
てすむ光学系の光学特性測定装置を提供しようとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第一の態様による光学系の光学特性測定装
置は、被検光学系に向けて六つ以上のスリット状の光束
を照射する照射手段と、前記六つ以上のスリット状の光
束を前記被検光学系に対して集束させる集束光学系と、
一次元の受光位置に応じた出力信号を出力する一次元受
光センサと、該一次元受光センサ上に前記被検光学系を
通過した各光束を投影させる投影光学系と、前記一次元
受光センサの出力信号に基づいて、前記六つ以上のスリ
ット状の光束に基づく各光束の前記一次元受光センサ上
の投影位置にそれぞれ応じた各投影位置データを得る投
影位置データ抽出手段と、該各投影位置データに基づい
て前記被検光学系の屈折力を得る演算手段とを備えた構
成としたものである。そして、前記六つ以上のスリット
状の光束の傾斜角度を二種類以上の所定の角度にし、前
記六つ以上のスリット状の光束の前記集束光学系による
前記被検光学系に対する各集束位置を4箇所以上として
おく。
【0007】前記照射手段は前記六つ以上のスリット状
の光束を順次照射し、前記投影位置データ抽出手段は、
前記六つ以上の光束のうちのいずれの光束が照射されて
いるかを判別する判別信号を得る判別手段を含むととも
に、前記判別信号及び前記一次元受光センサの出力信号
に基づいて前記各投影位置データを得てもよい。
【0008】前記六つ以上のスリット状の光束は互いに
幅の異なるものを含み、前記投影位置データ抽出手段
は、前記一次元受光センサの出力信号に基づいて前記六
つ以上のスリット状の光束の幅を判別する判別信号を得
る判別手段を含むとともに、前記判別信号及び前記一次
元受光センサの出力信号に基づいて前記各投影位置デー
タを得てもよい。
【0009】前記各投影位置データに基づいて前記被検
光学系のプリズム屈折力を得る演算手段を更に備えてい
てもよい。
【0010】前記各集束位置を4箇所とし、該各集束位
置が仮想的な同心円上にあって90゜ずつの角度をなす
ように定めておいてもよい。
【0011】前記六つ以上のスリット状の光束のうちの
少なくとも一つの傾斜角度が前記一次元受光センサに対
して直交する角度であり、前記六つ以上のスリット状の
光束のうちの他の傾斜角度が前記一次元受光センサに対
して直交する角度に対して30゜乃至60゜の範囲の角
度であってもよい。
【0012】また、本発明の第二の態様による光学系の
光学特性測定装置は、被検光学系に向けて八つ以上のス
リット状の光束を照射する照射手段と、前記八つ以上の
スリット状の光束を前記被検光学系に対して集束させる
集束光学系と、前記被検光学系の後面付近に配置され、
前記八つ以上のスリット状の光束のうちの少なくとも二
つのスリット状の光束である第一グループのスリット状
の光束に基づく光束を制限するとともに、前記八つ以上
のスリット状の光束のうちの残りであって少なくとも二
つのスリット状の光束である第二グループのスリット状
の光束に基づく光束を制限しない絞り手段と、一次元の
受光位置に応じた出力信号を出力する一次元受光センサ
と、該一次元受光センサ上に前記被検光学系及び前記絞
り手段を通過した各光束を投影させる投影光学系と、前
記一次元受光センサの出力信号に基づいて、前記八つ以
上のスリット状の光束に基づく各光束の前記一次元受光
センサ上の投影位置にそれぞれ応じた各投影位置データ
を得る投影位置データ抽出手段と、該各投影位置データ
に基づいて前記被検光学系の屈折力を得る演算手段とを
備えた構成としたものである。そして、前記第一グルー
プのスリット状の光束の傾斜角度を二種類以上の所定の
角度にし、前記第二グループのスリット状の光束の傾斜
角度を二種類以上の所定の角度にし、前記八つ以上のス
リット状の光束の前記集束光学系による前記被検光学系
に対する各集束位置を4箇所以上としておく。
【0013】前記照射手段は前記八つ以上のスリット状
の光束を順次照射し、前記投影位置データ抽出手段は、
前記八つ以上の光束のうちのいずれの光束が照射されて
いるかを判別する判別信号を得る判別手段を含むととも
に、前記判別信号及び前記一次元受光センサの出力信号
に基づいて前記各投影位置データを得てもよい。
【0014】前記八つ以上のスリット状の光束は互いに
幅の異なるものを含み、前記投影位置データ抽出手段
は、前記一次元受光センサの出力信号に基づいて前記八
つ以上のスリット状の光束の幅を判別する判別信号を得
る判別手段を含むとともに、前記判別信号及び前記一次
元受光センサの出力信号に基づいて前記各投影位置デー
タを得てもよい。
【0015】前記各投影位置データに基づいて前記被検
光学系のプリズム屈折力を得る演算手段を更に備えてい
てもよい。
【0016】前記各集束位置を4箇所とし、該各集束位
置が仮想的な同心円上にあって90゜ずつの角度をなす
ように定めておいてもよい。
【0017】
【作用】前記特開昭58ー737号公報からもわかるよ
うに、被検光学系のあるスポット的な箇所を通過した光
線は被検光学系の光学特性に応じた二次元の位置(例え
ば、被検光学系が円柱屈折力を有していれば、それに応
じたいわゆるねじれた位置)に投影されるものである。
すなわち、被検光学系のあるスポット的な箇所を通過し
た光線の二次元の投影位置は被検光学系の光学特性の情
報を有しているという性質がある。したがって、その光
線の二次元の投影位置を知れば、被検光学系の光学特性
を得ることができるのである。
【0018】そこで、その光線の二次元の投影位置を検
出するために2次元受光センサを用いたのが、前記特開
昭58ー737号公報記載の装置であった。
【0019】これに対して、本発明では、一つの一次元
受光センサしか用いていない。それにもかかわらず、本
発明によって被検光学系の光学特性を得ることができる
のは、前記性質に加えて、本件発明者により見い出され
た次の新たな知見が応用されていることによる。
【0020】すなわち、本発明の第一の態様では、前記
性質に加えて、被検光学系が円柱屈折力を有していて
も、被検光学系の円柱屈折力と被検光学系の厚み(レン
ズの厚み等)の両方が大きくない限り、被検光学系に向
けてスリット状の光束を照射してこのスリット状の光束
を被検光学系に対して集束させると、被検光学系を通過
した後の光束もスリット状となりその傾斜角度は元の傾
斜角度と実質的に一致する、との新たな知見が応用され
ている。つまり、たとえ前記集束を行わなかったとして
も、前記被検光学系における前記スリット状の光束の集
束位置を通ることになる、前記スリット状の光束の一部
である光線(以下、基準光線という)の二次元の投影位
置に対して、前記スリット状の光束の残りの部分による
線状の投影が前記基準光線の二次元の投影位置から前記
スリット状の光束の傾斜方向にあたかも補助線を引いた
如くなり、その補助線の如き線状の投影が一次元受光セ
ンサ上に延び、このため、一次元受光センサから、前記
基準光線の二次元の投影位置のうちの前記傾斜方向に対
応する成分の一次元の情報が得られることとなる。した
がって、照射するスリット状の光束の数、各スリット状
の光束の被検光学系に対する集束位置の個数、各スリッ
ト状の光束の傾斜角度の種類の数を適当に定めることに
よって、一つの一次元受光センサを何ら移動させること
なく固定したままで、被検光学系の光学特性を得ること
ができるのである。
【0021】ところが、本件発明者のその後の研究によ
り、本発明の第一の態様では、被検光学系の円柱屈折力
又は被検光学系の厚みが比較的小さい場合(例えば、被
検光学系が通常の眼鏡レンズである場合)には、十分な
精度で被検光学系の光学特性を得ることができるもの
の、被検光学系の円柱屈折力と被検光学系の厚みの両方
が大きい場合には、十分な精度で被検光学系の光学特性
を得ることができないことが判明した。その原因は、被
検光学系に向けてスリット状の光束を照射してこのスリ
ット状の光束を被検光学系に対して集束させると、被検
光学系を通過した後の光束もスリット状となるが、その
傾斜角度は元の傾斜角度と完全には一致せず、その傾斜
角度は元の傾斜角度に対してわずかにねじれるためであ
ることが判明した。
【0022】そこで、本件発明者が更に研究したとこ
ろ、そのねじれ角は被検光学系の円柱屈折力と被検光学
系の厚みに依存することが判明し、そのねじれ角と被検
光学系の円柱屈折力及び被検光学系の厚み等との間に所
定の関係があることが判明した。さらに、本件発明者
は、被検光学系に向けてスリット状の光束を照射してこ
のスリット状の光束を被検光学系に対して集束させる場
合において、被検光学系の後面付近でそのスリット状の
光束に基づく光束を制限する場合とそのスリット状の光
束に基づく光束を制限しない場合とでは、基準光線の二
次元の投影位置が、被検光学系の厚みに依存する所定の
関係に従って異なることを見い出した。
【0023】本発明の第二の態様では、これらの知見が
前述の性質に加えて応用されることによって、被検光学
系の円柱屈折力又は被検光学系の厚みが比較的小さい場
合のみならず、被検光学系の円柱屈折力と被検光学系の
厚みの両方が大きい場合にも、十分な精度で被検光学系
の光学特性を得ることができるのである。すなわち、被
検光学系に向けてスリット状の光束を照射してこのスリ
ット状の光束を被検光学系に対して集束させると、基準
光線の二次元の投影位置に対して、前記スリット状の光
束の残りの部分による線状の投影が前記基準光線の二次
元の投影位置から前記スリット状の光束の傾斜方向に対
して前記ねじれ角の分だけねじれた方向にあたかも補助
線を引いた如くなり、その補助線の如き線状の投影が一
次元受光センサ上に延び、このため、一次元受光センサ
から、前記基準光線の二次元の投影位置のうちの前記ね
じれた方向に対応する成分の一次元の情報が得られるこ
ととなる。前記ねじれ角は被検光学系の円柱屈折力と被
検光学系の厚みに所定の関係で依存してしまうが、被検
光学系に向けてスリット状の光束を照射してこのスリッ
ト状の光束を被検光学系に対して集束させる場合におい
て、被検光学系の後面付近でそのスリット状の光束に基
づく光束を制限する場合とそのスリット状の光束に基づ
く光束を制限しない場合とでは、基準光線の二次元の投
影位置が被検光学系の厚みに依存する所定の関係に従っ
て異なる。したがって、照射するスリット状の光束の
数、各スリット状の光束に基づく各光束が被検光学系の
後面付近で制限されるか否か、各スリット状の光束の被
検光学系に対する集束位置の個数、各スリット状の傾斜
角度の種類の数を適当に定めることによって、一つの一
次元受光センサを何ら移動させることなく固定したまま
で、被検光学系の円柱屈折力又は被検光学系の厚みが比
較的小さい場合のみならず被検光学系の円柱屈折力と被
検光学系の厚みの両方が大きい場合にも、被検光学系の
光学特性を得ることができるのである。
【0024】以上述べた測定原理によって、本発明によ
れば、センサとして単一の一次元受光センサを用いるだ
けですむとともに、可動部を設けなくてすみ、したがっ
て、安価で測定精度も良くなる。
【0025】
【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を
説明する。
【0026】図1は本発明の一実施例に係る光学特性測
定装置の光学系を示す構成図である。この実施例は、被
検光学系の円柱屈折力又は被検光学系の厚みが比較的小
さいこと(例えば、被検光学系が通常の眼鏡レンズであ
ること)を前提とするものである。
【0027】図1において、Oは測定光軸で、説明の便
宜上、該測定光軸Oに対して垂直な図1の紙面内の方向
をY軸(その矢印の向きは測定光軸Oを原点とした正の
向きを示すものとする)とし、測定光軸Oに対して垂直
でかつ紙面に垂直な方向をX軸(図1の紙面奥の向き
(他の図面においては矢印の向き)が測定光軸Oを原点
とした正の向きを示す)とする。測定光軸O上において
XY平面内に光源部1が配置されている。図1における
II−II矢視方向から見た光源部1を図2に示してあ
る。光源部1は四つのLED等の光源1a、1c、1b
及び1dを有しており、これらが測定光軸Oを中心とす
る仮想的な同心円U1上にあって90゜ずつの角度をな
すように配置されている。なお、光源1a及び1bはY
軸上に配置され、光源1c及び1dはX軸上に配置され
ている。
【0028】測定光軸O上において光源部1から所定距
離だけ離して、スリット開口3aを有するマスク3が配
置されている。図1におけるIV−IV矢視方向から見
たマスク3を図4に示してある。スリット開口3aはX
軸に沿って配置され、スリット開口3aの中心が測定光
軸Oと一致している。
【0029】測定光軸O上においてマスク3から光源部
1とは反対側に所定距離だけ離して、ハーフミラー等か
らなる光路分割器5が配置されている。
【0030】また、図1において、2は二つの光源2c
及び2dを有する光源部、4はスリット開口4aを有す
るマスクである。該光源部2及びマスク4と前記光源部
1及びマスク3とはそれぞれ、光学的に等価な位置関係
にある、すなわち、前記光路分割器5を介して後述の集
光レンズ6に対して同じ位置にある。図1におけるII
I−III矢視方向から見た光源部2を図3に示してあ
る。光源部2の光源2c及び2dは測定光軸Oを中心と
する仮想的な同心円U2(その直径は前記同心円U1の
直径と同一である)上に配置されている。光源2c及び
2dはX軸上に配置されており、光源2c及び2dと前
記光源部1の光源1c及び1dとはそれぞれ光学的に等
価な位置関係にある。また、図1におけるV−V矢視方
向から見たマスク4を図5に示してある。マスク4のス
リット開口4aは、前記マスク3のスリット開口3aと
はその傾斜角度が45゜異なっており、X軸に対して4
5゜傾斜している。スリット開口4aの中心も測定光軸
Oと一致している。
【0031】さらに、図1において、7は被検光学系と
しての被検レンズ、8は該被検レンズ7を保持するレン
ズホルダーであり、レンズホルダー8に被検レンズ7を
保持させたときに、被検レンズ7の後面がレンズホルダ
ー8のホルダー面と一致するようになっている。
【0032】なお、前記各光源1a、1b、1c、1
d、2c及び2dはそれぞれ独立して点灯及び消灯でき
るようになっている。図1に示す実施例では、前記各光
源1a、1b、1c、1d、2c及び2dはできるだけ
点光源に近い方が望ましいので、例えば、これらの直前
にそれぞれ対応するピンホールを有するマスクを置いて
もよいし、又は、レンズホルダー8のホルダー面付近
に、前記各光源1a、1b、1c、1dにそれぞれ対応
する位置に小さな開口を有する絞りを置いてもよい。
【0033】以上の説明から明かなように、図1に示す
実施例では、前記光源1a、1b、1c、1d、2c及
び2d、マスク3及び4、光路分割器5、後述の図6に
示す光源駆動回路12、並びに、後述の図6に示す演算
制御回路11の、点灯制御信号を光源駆動回路12に供
給する機能が、被検レンズ7に向けて六つのスリット状
の光束を照射する照射手段を構成している。図1に示す
実施例の場合には、前記六つのスリット状の光束は、各
光源1a、1b、1c、1d、2c及び2dからそれぞ
れ発した合計六つの光束に対応している。そして、図1
に示す実施例では、マスク3のスリット開口3aによっ
て光源1a、1b、1c、1dに基づく四つのスリット
状の光束の傾斜角度が0゜(説明の便宜上、X軸を傾斜
角度の基準とする)となり、マスク4のスリット開口4
aによって光源2c、2dに基づく二つのスリット状の
光束の傾斜角度が45゜となり、前記六つのスリット状
の光束の傾斜角度が二種類となっている。
【0034】図1において、6は測定光軸O上において
前記光路分割器5と被検レンズ7との間に配置された集
光レンズである。該集光レンズ6によって、光源1a、
1b、1c、1d、2c及び2dとレンズホルダー8の
ホルダー面とが共役となっている。したがって、図1に
示す実施例では、集光レンズ6が、前記六つのスリット
状の光束を前記被検レンズ7に対して集束させる集束光
学系を構成している。なお、集光レンズ6の前側焦点面
がマスク3及び4と一致している。
【0035】図1に示す実施例の場合には、前述の各光
源1a、1b、1c、1d、2c及び2dの配置等によ
って、各光源1a、1b、1c、1d、2c及び2dに
基づく六つのスリット状の光束の、集光レンズ6による
被検レンズ7に対する各集束位置は、図7及び図8に示
すようになっている。図7は、被検レンズ7がないとし
た場合における、図1におけるE−E方向から見たレン
ズホルダー8のホルダー面の位置におけるXY平面(以
下、集束XY平面という)上の、各光源1a、1b、1
c及び1dに基づく各スリット状の光束の集束光束1
a’、1b’、1c’及び1d’を示している。図8
は、同じく、被検レンズ7がないとした場合における、
前記集束XY平面上の、各光源2c及び2dに基づく各
スリット状の光束の集束光束2c’及び2d’を示して
いる。光源1aから発した光束のうちの、マスク3の位
置のXY平面における測定光軸O(すなわち、スリット
開口3aの中心)を通過した光線(以下、光源1aによ
る基準光線という)は、集束XY平面上のAA点を通過
している。光源1bから発した光束のうちの、マスク3
の位置のXY平面における測定光軸O(すなわち、スリ
ット開口3aの中心)を通過した光線(以下、光源1b
による基準光線という)は、集束XY平面上のBB点を
通過している。光源1cから発した光束のうちの、マス
ク3の位置のXY平面における測定光軸O(すなわち、
スリット開口3aの中心)を通過した光線(以下、光源
1cによる基準光線という)は、集束XY平面上のCC
点を通過している。光源1dから発した光束のうちの、
マスク3の位置のXY平面における測定光軸O(すなわ
ち、スリット開口3aの中心)を通過した光線(以下、
光源1dによる基準光線という)は、集束XY平面上の
DD点を通過している。光源2cから発した光束のうち
の、マスク4の位置のXY平面における測定光軸O(す
なわち、スリット開口4aの中心)を通過した光線(以
下、光源2cによる基準光線という)は、集束XY平面
上のCC点を通過している。光源2dから発した光束の
うちの、マスク3の位置のXY平面における測定光軸O
(すなわち、スリット開口4aの中心)を通過した光線
(以下、光源2dによる基準光線という)は、集束XY
平面上のDD点を通過している。そして、AA点、CC
点、BB点及びDD点は、測定光軸Oを中心とする仮想
的な同心円U0上にあり、かつ、それぞれY軸、X軸、
Y軸、X軸上にあって90゜ずつの角度をなしている。
同心円U0の直径mは設計上の定数であり、前記同心円
U1の直径(すなわち、前記同心円U2の直径)等によ
り一義的に定まる値である。なお、以上の説明から明か
なように、光源1cによる基準光線と光源2cによる基
準光線とは同一であり、光源1dによる基準光線と光源
2dによる基準光線とは同一である。
【0036】また、図1において、10は一次元の受光
位置に応じた出力信号を出力する一次元受光センサで、
例えば、一次元CCDを用いることができる。図1にお
けるF−F方向から見た一次元受光センサ10を図9乃
至図14に示してある。一次元受光センサ10の線状の
受光面(図示せず)は、図1中右側を向いてY軸に一致
している。また、一次元受光センサ10の受光面の中央
が測定光軸Oに一致している。なお、説明の便宜上、一
次元受光センサ10の受光面を含むXY平面(以下、受
光XY平面という)上における位置をXY座標として示
す場合に、図9乃至図14において測定光軸Oを原点と
して、X軸方向の右側をX座標の正、X軸方向の左側を
X座標の負、Y軸方向の上側をY座標の正、Y軸方向の
下側を負とする。
【0037】さらに、図1において、9は測定光軸O上
において前記被検レンズ7と前記一次元受光センサ10
との間に配置された投影レンズである。該投影レンズ9
の前側焦点面がレンズホルダー8のホルダー面と一致
し、投影レンズ9の後側焦点面が一次元受光センサ10
の受光面と一致している。したがって、図1に示す実施
例では、投影レンズ9が、一次元受光センサ10の受光
面上に前記被検レンズ7を通過した前記各光束を投影さ
せる投影光学系を構成している。
【0038】そして、図6に示すように、前記光源1
a、1b、1c、1d、2c及び2dはこれらを点灯及
び消灯させる光源駆動回路12に接続されている。該光
源駆動回路12は、マイクロコンピュータ等からなる演
算制御回路11から点灯制御信号を受けるように、これ
に接続されている。演算制御回路11は、センサ駆動回
路13にデータ取り込み開始信号を供給するように、こ
れに接続されている。センサ駆動回路13は、一次元受
光センサ10を駆動するように、これに接続されてい
る。一次元受光センサ10は、その出力信号をA/D変
換又は二値化等する信号処理回路14に接続されてい
る。信号処理回路14は、その出力信号が演算制御回路
11に入力されるように、これに接続されている。そし
て、測定が開始すると、まず、演算制御回路11が点灯
制御信号を光源駆動回路12に送って光源1aのみを点
灯させる。その後、演算制御回路11がデータ取り込み
開始信号をセンサ駆動回路13に送って一次元受光セン
サ10を駆動し、一次元受光センサ10から受光位置に
応じた出力信号を得て、この出力信号を信号処理回路1
4で処理した後に測定データとして演算制御回路11の
内部メモリに取り込む。すなわち、光源1aに基づく光
束の一次元受光センサ上10の投影位置に応じた投影位
置データが演算制御回路11の内部メモリに取り込まれ
る。この取り込みが終了すると、演算制御回路11は再
び点灯制御信号を光源駆動回路12に送って今度は光源
1bのみを点灯して、前述と同様にして測定データとし
て投影位置データを取り込む。以下、同様に、順次光源
1c、1d、2c及び2dを点灯していき、その都度演
算制御回路11の内部メモリに測定データとして投影位
置データを取り込む。そして、演算制御回路11はこの
ようにして取り込まれた六つの投影位置データに基づい
て後述の演算を行って被検レンズ7の光学特性である、
球面屈折力S、円柱屈折力C、円柱軸方向(一つの主径
線方向)θ、プリズム屈折力P及びその基底方向φを得
る。得られた光学特性は表示装置15により表示され
る。
【0039】以上の説明から明らかなように、本実施例
では、演算制御回路11は、一次元受光センサ10の出
力信号に基づいて前記六つのスリット状の光束に基づく
各光束の一次元受光センサ10上の各投影位置データに
それぞれ応じた投影位置データを得る投影位置データ抽
出手段としての機能を担っている。特に、本実施例で
は、前記点灯制御信号又は前記データ取り込み開始信号
が前記六つの光束のうちのいずれの光束が照射されてい
るかの判別信号に相当しており、その判別信号を出力す
る判別手段としての機能を演算制御回路11が担ってい
る。また、演算制御回路11は、前記判別信号及び一次
元受光センサ10の出力信号に基づいて被検レンズ7の
光学特性を得る演算手段としての機能も担っている。
【0040】次に、演算制御回路11の演算により、被
検レンズ7の光学特性を求めることができる理由を説明
する。
【0041】第一に、被検レンズ7の光学特性のうち、
球面屈折力S、円柱屈折力C及び円柱軸方向θを求める
ことができる理由を説明する。
【0042】前記図1に示す実施例によれば、被検レン
ズ7が球面屈折力S及び円柱屈折力Cを有しプリズム屈
折力Pを有していないとすると、例えば、各光源1aお
よび1bに基づく各スリット状の光束の前記受光XY平
面上の投影光束1a”及び1b”は図9に示すようにな
り、各光源1cおよび1dに基づく各スリット状の光束
の前記受光XY平面上の投影光束1c”及び1d”は図
10に示すようになり、各光源2cおよび2dに基づく
各スリット状の光束の前記受光XY平面上の投影光束2
c”及び2d”は図11に示すようになる。
【0043】なお、各投影光束と前記各集光光束との位
置関係を明らかにするため、図9には前記集束XY平面
上の前記集束光束1a’及び1b’も前記受光XY平面
上にあるかの如く重ね合わせて示してあり、図10には
前記集束XY平面上の前記集束光束1c’及び1d’も
前記受光XY平面上にあるかの如く重ね合わせて示して
あり、図11には前記集束XY平面上の前記集束光束2
c’及び2d’も前記受光XY平面上にあるかの如く重
ね合わせて示してある。
【0044】図9に示すように、被検レンズ7の球面屈
折力S及び円柱屈折力Cのために光源1aによる前記基
準光線は前記AA点ではなく受光XY平面上ではAA’
点に投影しており、同様に、光源1bによる前記基準光
線は前記BB点ではなく受光XY平面上ではBB’点に
投影している。同様に、図10に示すように、光源1c
による前記基準光線は前記CC点ではなく受光XY平面
上ではCC’点に投影しており、光源1dによる前記基
準光線は前記DD点ではなく受光XY平面上ではDD’
点に投影している。同様に、図11に示すように、光源
2cによる前記基準光線は前記CC点ではなく受光XY
平面上ではCC’点に投影しており、光源2dによる前
記基準光線は前記DD点ではなく受光XY平面上ではD
D’点に投影している。今、説明の便宜上、AA’点、
BB’点、CC’点及びDD’点のXY座標をそれぞれ
符号も含めて、(x1,y1)、(x2,y2)、(x
3,y3)及び(x4,y4)とする。なお、このよう
に符号も含めるのは、屈折力の正負、すなわち、被検レ
ンズ7の凹凸を判別するためである。
【0045】そして、前述のように前記各スリット状の
光束が集光レンズ6によって被検レンズ7に対して集束
すると、被検レンズ7の円柱屈折力と被検レンズ7の厚
みの両方が大きくない限り、被検レンズ7を通過した後
の光束もスリット状となりその傾斜角度は元の傾斜角度
と実質的に一致することから、図9に示すように、投影
光束1a”はAA’点からマスク3のスリット開口3a
の傾斜角度に従ってX軸と平行にあたかも補助線を引い
た如く延びており、投影光束1b”はBB’点からマス
ク3のスリット開口3aの傾斜角度に従ってX軸と平行
にあたかも補助線を引いた如く延びている。同様に、図
10に示すように、投影光束1c”はCC’点からマス
ク3のスリット開口3aの傾斜角度に従ってX軸と平行
にあたかも補助線を引いた如く延びており、投影光束1
d”はDD’点からマスク3のスリット開口3aの傾斜
角度に従ってX軸と平行にあたかも補助線を引いた如く
延びている。同様に、図11に示すように、投影光束2
c”はCC’点からマスク4のスリット開口4aの傾斜
角度に従ってX軸と45゜の方向にあたかも補助線を引
いた如く延びており、投影光束2d”はDD’点からマ
スク4のスリット開口4aの傾斜角度に従ってX軸と4
5゜の方向にあたかも補助線を引いた如く延びている。
説明の便宜上、図9に示すように、投影光束1a”がY
軸と交差した点(実際には、投影光束1a”は幅を有し
ているので、その中心線がY軸と交差した点、以下の他
の投影光束についても同様)をA1点とし、投影光束1
b”がY軸と交差した点をB1点とする。同様に、図1
0に示すように、投影光束1c”がY軸と交差した点を
C1点とし、投影光束1d”がY軸と交差した点をD1
点とする。同様に、図11に示すように、投影光束2
c”がY軸と交差した点をC2点とし、投影光束2d”
がY軸と交差した点をD2点とする。A1点、B1点、
C1点及びD1点のY座標は、それぞれy1、y2、y
3及びy4となる。C2点及びD2点のY座標は、それ
ぞれy5及びy6としておく。さらに、図11に示すよ
うに、投影光束2c”がX軸と交差した点をC3点と
し、投影光束2d”がX軸と交差した点をD3点とし、
CC’点からY軸と平行に引いた線がX軸と交差した点
をC4点とし、DD’点からY軸と平行に引いた線がX
軸と交差した点をD4点とする。
【0046】そして、図9乃至図11に示すように、A
A’点とBB’点との間のY軸方向の距離をΔ1とし、
CC’点とDD’点との間のY軸方向の距離をΔ2と
し、CC’点とDD’点との間のX軸方向の距離をΔ3
とし、C2点とD2点との間の距離をΔ4とすると、次
の式が成り立つ。
【0047】 Δ1=y2−y1 …(1) Δ2=y4−y3 …(2) Δ3=x3−x4 …(3) Δ4=y5−y6 …(4) ところで、前述したように、図1に示す実施例では、集
光レンズ6により各光源1a、1b、1c、1d、2c
及び2dとレンズホルダー8のホルダー面とが共役とな
っており、集光レンズ6の前側焦点面がマスク3及び4
と一致し、投影レンズ9の前側焦点面がレンズホルダー
8のホルダー面と一致し、投影レンズ9の後側焦点面が
一次元受光センサ10の受光面と一致し、前記集束XY
平面における前記同心円U0の直径をmとしている。し
たがって、投影レンズ9の焦点距離をfとすると、Δ
1、Δ2及びΔ3は、球面屈折力S、円柱屈折力C及び
円柱軸方向θを用いて、次のように表せる。
【0048】 Δ1=m・f・(S+C・cos2θ) …(5) Δ2=m・f・(C・sinθ・cosθ) …(6) Δ3=m・f・(S+C・sin2θ) …(7) ところで、図11において、投影光束2c”及び2d”
がX軸に対して45゜傾いているので、線分C2−Oの
長さと線分C3−Oの長さとが等しく、線分D2−Oの
長さと線分D3−Oの長さとが等しく、線分CC”−C
4の長さと線分C3−C4の長さとが等しく、線分D
D”−D4の長さと線分D3−D4の長さとが等しい。
したがって、次の関係が成り立つ。
【0049】Δ3=Δ2+Δ4 …(8) (8)式に(7)式を代入すると、次式が得られる。
【0050】 Δ2+Δ4=m・f・(S+C・sin2θ) …(9) (1)(2)(4)式を(5)(6)(9)式に代入す
ると、次式が得られる。
【0051】 y2−y1=m・f・(S+C・cos2θ) …(10) y4−y3=m・f・(C・sinθ・cosθ) …(11) (y4−y3)+(y5−y6)=m・f・(S+C・sin2θ) …(12) したがって、y1乃至y6は一次元受光センサ10の出
力信号に基づいて得られる測定データであるので、前記
方程式(10)(11)(12)を演算制御回路11に
て演算処理することにより、球面屈折力S、円柱屈折力
C及び円柱軸方向θを求めることができるわけである。
【0052】第二に、演算制御回路11の演算により、
被検レンズ7の光学特性のうち、プリズム屈折力P及び
その基底方向φを求めることができる理由を説明する。
【0053】前記図1に示す実施例によれば、被検レン
ズ7が、前述と同じ球面屈折力S及び円柱屈折力Cを有
し、さらにプリズム屈折力Pを有するとすると、例え
ば、前記受光XY平面上の各投影光束1a”、1b”、
1c”、1d”、2c”及び2d”は、図12乃至図1
4における実線で示すようになる。なお、図12乃至図
14中には、プリズム屈折力Pの影響を明らかにするた
め、被検レンズ7がプリズム屈折力を有していない場合
における各投影光束1a”、1b”、1c”、1d”、
2c”及び2d”(図9乃至図11に示した投影光束)
を破線で示してある。
【0054】図12乃至図14に示すように、各投影光
束1a”、1b”、1c”、1d”、2c”及び2d”
は、プリズム屈折力Pのために、図9乃至図11に示す
場合に比べて、図中に示すベクトルP’の分だけ平行移
動している。ベクトルP’のX成分をPX’とし、ベク
トルP’のY成分をPY’とする。ベクトルP’の方向
φは前記基底方向φと同一である。図9乃至図11では
被検レンズ7がプリズム屈折力Pを有していないとして
いたので、図9中のA1点とB1点との中点は原点Oと
一致し、図10中のC1点とD1点との中点も原点Oと
一致し、図11中のC2点とD2点との中点も原点Oと
一致していたが、図9乃至図11中のそれらの中点であ
る原点OがベクトルP’により図12乃至図14中のQ
点に移動している。
【0055】なお、このように被検レンズ7がプリズム
屈折力を有していても、各投影光束1a”、1b”、1
c”、1d”、2c”及び2d”が単に平行移動するだ
けであるので、前述のΔ1、Δ2、Δ3及びΔ4の値は
何ら変わらず、したがって、被検レンズ7がプリズム屈
折力を有していても、前述の演算をそのまま行うことに
より、球面屈折力S、円柱屈折力C及び円柱軸方向θを
求めることができるのである。
【0056】そして、図12において、Q点からX軸と
平行に引いた直線がY軸と交差する点をM1点とする
と、M1点がA1点とB1点との中点に一致し、線分M
1−Oの長さがPY’に相当していることがわかる。し
たがって、次式が成り立つ。
【0057】 PY’=(y1+y2)/2 …(13) 同様に、図13において、Q点からX軸と平行に引いた
直線がY軸と交差する点をM2点(この点はM1点と一
致する)とすると、M2点がC1点とD1点との中点に
一致し、線分M2−Oの長さがPY’に相当しているこ
とがわかる。したがって、次式が成り立つ。
【0058】 PY’=(y3+y4)/2 …(14) また、図14において、投影光束2c”及び2d”がX
軸と45゜の角度をなしているので、Q点からX軸と平
行に引いた直線がY軸と交差する点がD2点と一致し、
Q点からX軸と45゜の角度をなす直線がY軸と交差す
る点をM3点とすると、M3点がC2点とD2点との中
点に一致していることがわかる。このため、線分D2−
Qの長さと線分D2−M3の長さとは等しく、線分D2
−Qの長さはPX’に相当しているので、結局、線分D
2−M3の長さがPX’に相当していることとなる。ま
た、線分D2−Oの長さがPY’に相当している。した
がって、線分M3ーOの長さがPX’+PY’に相当し
ていることとなる。したがって、次式が成り立つ。
【0059】 PX’+PY’=(y5+y6)/2 …(15) (13)式を(15)式に代入すると、次式が得られ
る。 PX’={(y5+y6)/2}−{(y1+y2)/2} …(16) (14)式を(15)式に代入すると、次式が得られ
る。 PX’={(y5+y6)/2}−{(y3+y4)/2} …(17) ところで、図1に示す実施例では、前述のように投影レ
ンズ9の焦点距離をfとすると、プリズム屈折力PのX
成分PX及びプリズム屈折力PのY成分PYは、次のよ
うに表せる。
【0060】 PX=PX’/f …(18) PY=PY’/f …(19) さらに、次の関係が成立している。
【0061】 P=(PX2+PY21/2 …(20) tanφ=PY’/PX’ …(21) したがって、式(13)乃至(21)から、一次元受光
センサ10の出力信号に基づいた測定データである、y
1及びy2、又は、y3及びy4と、y5及びy6と
を、用いて演算制御回路11にて演算処理することによ
り、プリズム屈折力及びその基底方向φを求めることが
できるわけである。
【0062】以上述べたように、前記図1に示す実施例
に係る光学系の光学特性測定装置では、センサとして単
一の一次元受光センサ10を用いるだけですむととも
に、可動部を何ら有しておらず、したがって、安価で測
定精度も良くなる。
【0063】次に、図15に示す本発明の他の実施例に
係る光学特性測定装置について説明する。図15におい
て前記図1に示す実施例と同一構成部分には同一符号を
付し、その説明は省略する。
【0064】この実施例が前記図1に示す実施例と異な
る所は、図1における光源部2、マスク3、4、光路分
割器5を取り除き、代わりに、マスク3の位置に、マス
ク3、4のスリット開口3a、4aにそれぞれ相当する
二つのLCD(液晶表示)パターン又は二つのECD
(エレクトロクロミック表示)パターンを有するマスク
23を配置した点である。この場合には、光源部1の光
源1a、1b、1c及び1dの点灯とマスク23のいず
れのパターンを有効にするかを制御することにより、前
述の六つのスリット状の光束を順次照射することができ
る。なお、図15中のマスク23として、図16に示す
開口23aを有するものを用いることもできる。
【0065】なお、前述の如き二つの演算を演算制御回
路11に行わせるようにすると、演算に時間がかかると
か、光学系の配置により前述の各定数等が変化したりす
る。そのため、実際の装置では、装置を作った後、予め
光学特性のわかっているレンズを用いて測定を行い、そ
のときの各光源点灯時の一次元受光センサ10の出力を
前記既知の光学特性と対応させて演算制御回路11に記
憶させておくようにすることにより、前述の不都合を解
消できる。例えば、未知数はC、S、θの三つで方程式
は(10)(11)(12)の三つであるから一義的に
定まる。このように一次元受光センサ10の出力と光学
特性と対応づけるようにしておけば、何ら複雑な手間を
付加することなく、光学系の配置を比較的自由にでき
る。
【0066】したがって、例えば、集光レンズ6の前側
焦点面がマスク3、4と必ずしも一致していなくてもよ
い。各光源1a、1b、1c、1d、2c及び2dとレ
ンズホルダー8のホルダー面とを共役にしなくてもよ
い。投影レンズ9の前側焦点面とレンズホルダー8のホ
ルダー面とを一致させなくてもよいし、投影レンズ9の
後側焦点面と一次元受光センサ10の受光面とを一致さ
せなくてもよい。各光源1a、1b、1c、1d、2c
及び2dの配置も任意に定めることができる。
【0067】また、被検光学系の円柱屈折力又は被検光
学系の厚みが比較的小さいことを前提とする本発明の第
一の態様では、六つ以上の光束を照射できればよく、そ
の数は限定されるものではない。各光束の傾斜角度も二
種類以上の所定の角度であればよく、三種類以上として
もよいし、その傾斜角度の値も任意に定めることができ
る。さらに、各スリット状の光束の集束光学系による被
検光学系に対する集束位置は、4箇所以上であればよ
く、5箇所以上としてもよいし、仮想的な同心円上にあ
るようにしなくてもよい。
【0068】以上に、被検光学系の円柱屈折力又は被検
光学系の厚みが比較的小さいことを前提とする場合の本
発明の各実施例について説明した。前記図1乃至図14
に示す実施例及び図15及び図16に示す実施例では、
被検光学系の円柱屈折力又は被検光学系の厚みが比較的
小さい場合には、十分な精度で被検光学系の光学特性を
得ることができるものの、被検光学系の円柱屈折力と被
検光学系の厚みの両方が大きい場合には、十分な精度で
被検光学系の光学特性を得ることができないことが判明
した。その原因は、前記図1乃至図14に示す実施例に
即して説明すると、例えば図9に示す投影光束1a”の
傾斜角度がマスク3のスリット開口3aの傾斜角度と一
致せずにスリット開口3aの傾斜角度に対してわずかに
ねじれてしまい、被検レンズ7の円柱屈折力と被検レン
ズ7の厚みの両方が大きい場合には、そのねじれを無視
できなくなるためであることが判明した。
【0069】次に、たとえ被検光学系の円柱屈折力と被
検光学系の厚みの両方が大きくても被検光学系の光学特
性を十分な精度で得ることができる、本発明の他の実施
例について、説明する。
【0070】図17はその実施例に係る光学特性測定装
置の光学系を示す構成図である。
【0071】図17において、Oは測定光軸で、説明の
便宜上、図1と同様に、該測定光軸Oに対して垂直な図
17の紙面内の方向をY軸(その矢印の向きは測定光軸
Oを原点とした正の向きを示すものとする)とし、測定
光軸Oに対して垂直でかつ紙面に垂直な方向をX軸(図
17の紙面奥の向き(他の図面においては矢印の向き)
が測定光軸Oを原点とした正の向きを示す)とする。測
定光軸O上においてXY平面内に光源部51が配置され
ている。図17におけるG−G矢視方向から見た光源部
51を図18に示してある。光源部51は四つのLED
等の光源51a、51c、51b及び51dを有してお
り、これらが測定光軸Oを中心とする仮想的な同心円U
3上にあって90゜ずつの角度をなすように配置されて
いる。なお、光源51a及び51bはY軸上に配置さ
れ、光源51c及び51dはX軸上に配置されている。
また、光源51a、51b及び51cは比較的大きな所
定の大きさを有する光源であり、光源51dはほとんど
点光源に近い光源である。なお、前記各光源51a、5
1b、51c及び51dはそれぞれ独立して点灯及び消
灯できるようになっている。
【0072】測定光軸O上において光源部51から所定
距離だけ離して、スリット開口53a,53bを有する
マスク53が配置されている。図17におけるH−H矢
視方向から見たマスク53を図19に示してある。スリ
ット開口53aはその中心線がX軸と一致するように配
置され、スリット開口53bはその中心線がY軸と一致
するように配置され、スリット開口53aの中心線及び
スリット開口53bの中心線が測定光軸Oで互いに交差
している。スリット開口53aの幅はスリット開口53
bの幅より大きくされており、それによって後述の一次
元受光センサ60の出力信号に基づいて該一次元受光セ
ンサ60上に同時に投影された二つの光束がスリット開
口53a,53bのいずれを通過したものかを判別する
ことができるようになっている。
【0073】また、図17において、7は被検光学系と
しての被検レンズ、58は該被検レンズ7を保持するレ
ンズホルダーであり、レンズホルダー58に被検レンズ
7を保持させたときに、被検レンズ7の後面がレンズホ
ルダー58のホルダー面と一致するようになっている。
【0074】以上の説明から明かなように、図17に示
す実施例では、前記光源51a、51b、51c及び5
1d、マスク53、後述の図22に示す光源駆動回路6
2、並びに、後述の図22に示す演算制御回路61の、
点灯制御信号を光源駆動回路62に供給する機能が、被
検レンズ7に向けて八つのスリット状の光束を照射する
照射手段を構成している。図17に示す実施例の場合に
は、前記八つのスリット状の光束は、各光源51a、5
1b、51c及び51dからそれぞれ発してマスク53
のスリット開口53a及び53bをそれぞれ通過した合
計八つの光束に対応している。そして、図17に示す実
施例では、光源51a,51b及び51cから発してマ
スク53のスリット開口53aを通過した三つのスリッ
ト状の光束の傾斜角度が0゜(説明の便宜上、X軸を傾
斜角度の基準とする)となり、光源51a,51b及び
51cから発してマスク53のスリット開口53bを通
過した三つのスリット状の光束の傾斜角度が90゜とな
り、これらの六つのスリット状の光束の傾斜角度が二種
類となっている。同様に、光源51dから発してスリッ
ト開口53aを通過した一つのスリット状の光束の傾斜
角度が0゜となり、光源51dから発してスリット開口
53bを通過した一つのスリット状の光束の傾斜角度が
90゜となり、これらの二つのスリット状の光束の傾斜
角度が二種類となっている。
【0075】図17において、56は測定光軸O上にお
いてマスク53と被検レンズ7との間に配置された集光
レンズである。被検レンズ7をレンズホルダー58に設
置しない場合に、集光レンズ56によって光源51a、
51b、51c及び51dとレンズホルダー58のホル
ダー面とが共役となっている。したがって、図17に示
す実施例では、集光レンズ56が、前記八つのスリット
状の光束を前記被検レンズ7に対して集束させる集束光
学系を構成している。なお、集光レンズ56の前側焦点
面がマスク53と一致している。図17に示す実施例で
は、前記八つのスリット状の光束の集光レンズ56によ
る被検レンズ7に対する集束位置は合計4箇所となって
いる。
【0076】さらに、レンズホルダー58のホルダー
面、すなわち、被検レンズ7の後面付近には、絞り55
が配置されている。図17におけるJ−J矢視方向から
見た絞り55を図20に示してある。絞り55は、光源
51a,51b,51c及び51dにそれぞれ対応する
位置に四つの開口55a、55b、55c及び55dを
有している。すなわち、開口55a、55c、55b及
び55dは、測定光軸Oを中心とする仮想的な同心円U
4上にあり、かつ、それぞれY軸、X軸、Y軸、X軸上
にあって90゜ずつの角度をなすように配置されてい
る。同心円U4の直径2m’(その半径はm’)は前記
同心円U3の直径等により一義的に定まる値で設計上の
定数である。そして、開口55a,55b及び55cは
小さく、これらによって光源51a,51b及び51c
から発した各光束の一部のみが通過するようになってい
る。一方、開口55dは大きく、光源55dから発した
光束は「けられる」ことがないようになっている。つま
り、光源55dから発した光束に対しては絞り55が存
在しないのと等価である。したがって、絞り55は、光
源51a,51b及び51cから発してマスク53のス
リット開口53a及び53bを通過した合計六つのスリ
ット状の光束に基づく各光束を制限し、光源51dから
発してマスク53の開口53a及び53bを通過した二
つのスリット状の光束に基づく各光束は制限しない。
【0077】また、図17において、60は一次元の受
光位置に応じた出力信号を出力する一次元受光センサで
ある。図17におけるK−K方向から見た一次元受光セ
ンサ60を図21に示してある。一次元受光センサ60
の線状の受光面(図示せず)は図17中右側を向いてお
り、その受光面の中心線60aはX軸に対して45゜傾
けられている。また、一次元受光センサ60の受光面の
中央が測定光軸O上の位置O60に一致している。な
お、説明の便宜上、一次元受光センサ60の受光面を含
むXY平面を受光XY平面という。
【0078】さらに、図17において、59は測定光軸
O上において前記被検レンズ7と前記一次元受光センサ
60との間に配置された投影レンズである。該投影レン
ズ59の前側焦点面がレンズホルダー58のホルダー
面、すなわち、絞り55と一致し、投影レンズ59の後
側焦点面が一次元受光センサ60の受光面と一致してい
る。したがって、図17に示す実施例では、投影レンズ
59が、一次元受光センサ60の受光面上に前記被検レ
ンズ7及び絞り55を通過した前記各光束を投影させる
投影光学系を構成している。
【0079】そして、図22に示すように、前記光源5
1a、51b、51c及び51dはこれらを点灯及び消
灯させる光源駆動回路62に接続されている。該光源駆
動回路62は、マイクロコンピュータ等からなる演算制
御回路61から点灯制御信号を受けるように、これに接
続されている。演算制御回路61は、センサ駆動回路6
3にデータ取り込み開始信号を供給するように、これに
接続されている。センサ駆動回路63は、一次元受光セ
ンサ60を駆動するように、これに接続されている。一
次元受光センサ60は、その出力信号をA/D変換又は
二値化等する信号処理回路64に接続されている。信号
処理回路64は、その出力信号が演算制御回路61に入
力されるように、これに接続されている。そして、測定
が開始すると、まず、演算制御回路61が点灯制御信号
を光源駆動回路62に送って光源51aのみを点灯させ
る。その後、演算制御回路61がデータ取り込み開始信
号をセンサ駆動回路63に送って一次元受光センサ60
を駆動し、一次元受光センサ60から受光位置に応じた
出力信号を得て、この出力信号を信号処理回路64で処
理した後に測定データとして演算制御回路61の内部メ
モリに取り込む。すなわち、光源51aから発してスリ
ット開口53a及び53bを通過した二つのスリット状
の光束に基づく各光束の一次元受光センサ60上の投影
位置に応じた投影位置データが演算制御回路61の内部
メモリに取り込まれる。これら二つの投影位置データ間
の区別は、一次元受光センサ60の出力信号に基づいて
一次元受光センサ60の受光幅を判別することによっ
て、行われる。この取り込みが終了すると、演算制御回
路61は再び点灯制御信号を光源駆動回路62に送って
今度は光源51bのみを点灯して、前述と同様にして測
定データとして投影位置データを取り込む。以下、同様
に、順次光源51c及び51dを点灯していき、その都
度演算制御回路61の内部メモリに測定データとして投
影位置データを取り込む。そして、演算制御回路61は
このようにして取り込まれた八つの投影位置データに基
づいて後述の演算を行って被検レンズ7の光学特性であ
る、球面屈折力S、円柱屈折力C、円柱軸方向(一つの
主径線方向)θ、プリズム屈折力P及びその基底方向φ
を得る。得られた光学特性は表示装置65により表示さ
れる。
【0080】以上の説明から明らかなように、本実施例
では、演算制御回路61は、一次元受光センサ60の出
力信号に基づいて前記八つのスリット状の光束に基づく
各光束の一次元受光センサ60上の各投影位置データに
それぞれ応じた投影位置データを得る投影位置データ抽
出手段としての機能を担っている。特に、本実施例で
は、前記点灯制御信号又は前記データ取り込み開始信号
が前記八つの光束のうちのいずれの光源に基づく光束が
照射されているかの判別信号に相当しており、その判別
信号を出力する判別手段としての機能を演算制御回路6
1が担っている。また、演算制御回路61は同時に照射
された二つのスリット状の光束の幅を判別する機能を担
っている。さらに、演算制御回路61は、前記判別信号
及び一次元受光センサ60の出力信号に基づいて被検レ
ンズ7の光学特性を得る演算手段としての機能も担って
いる。
【0081】次に、演算制御回路61の演算により、被
検レンズ7の光学特性である、球面屈折力S、円柱屈折
力C、円柱軸方向θ、プリズム屈折力P及びその基底方
向φを求めることができる理由を説明する。
【0082】前記図17に示す実施例によれば、被検レ
ンズ7が中心厚d、球面屈折力S、円柱屈折力C及びプ
リズム屈折力Pを有しているとすると、例えば、光源5
1aを発してマスク53のスリット開口53a及び53
bを通過した各スリット状の光束による前記受光XY平
面上の投影光束81及び82、並びに、光源51bを発
してマスク53のスリット開口53a及び53bを通過
した各スリット状の光束による前記受光XY平面上の投
影光束83及び84は、図23に示すようになる。ま
た、光源51cを発してマスク53のスリット開口53
a及び53bを通過した各スリット状の光束による前記
受光XY平面上の投影光束85及び86、並びに、光源
51dを発してマスク53のスリット開口53a及び5
3bを通過した各スリット状の光束による前記受光XY
平面上の投影光束87及び88は、図24に示すように
なる。なお、図23及び図24では、各投影光束81乃
至88はその中心線しか示していない。そして、図23
におけるA1点は光源51aを発して測定光軸O上のマ
スク53の位置であるO53点を通過し更に絞り55の
開口55aを通過した光線(以下、光源51aによる基
準光線という)の受光XY平面上の投影位置を示し、図
23におけるA2点は光源51bを発してO53点を通
過し更に絞り55の開口55bを通過した光線(以下、
光源51bによる基準光線という)の受光XY平面上の
投影位置を示し、図24におけるA3点は光源51cを
発してO53点を通過し更に絞り55の開口55cを通
過した光線(以下、光源51cによる基準光線という)
の受光XY平面上の投影位置を示し、図24におけるA
4点は光源51dを発してO53点を通過し更に絞り5
5の開口55dを通過した光線(以下、光源51dによ
る基準光線という)の受光XY平面上の投影位置を示し
ている。
【0083】なお、各投影光束と前記絞り55の開口と
の位置関係を明らかにするため、図23には絞り55の
開口55a及び55bも前記受光XY平面上にあるかの
如く重ね合わせて示してあり、図24には絞り55の開
口55c及び55dも前記受光XY平面上にあるかの如
く重ね合わせて示してある。なお、前記図21と同様
に、図23及び図24における60aは前記一次元受光
センサ60の線状の受光面の中心線を示す。
【0084】図23及び図24に示すように、被検レン
ズ7の光学特性に応じて、前記各点A1,A2,A3及
びA4は絞り55の開口55a,55b,55c及び5
5dの位置に対してそれぞれずれている。
【0085】まず、前記各点A1,A2,A3及びA4
の位置が被検レンズ7の光学特性との関係でいかなる情
報を有しているかについて説明する。なお、前記各点A
1,A2,A3及びA4のXY座標をそれぞれ符号も含
めて、(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y
3)、(X4,Y4)とする。このように符号も含める
のは、屈折力の正負、すなわち、被検レンズ7の凹凸を
判別するためである。
【0086】被検レンズ7のX軸を含む子午面(メリジ
オナル面)に沿った屈折力をΔX、被検レンズ7のY軸
を含む子午面に沿った屈折力をΔY、被検レンズ7の球
次面(サジタル面)に沿った屈折力をΔとすると、Δ
X、ΔY及びΔは、被検レンズ7の球面屈折力S、円柱
屈折力C及び円柱軸方向θを用いて次のように表せる。
【0087】 ΔX=S+C・sin2θ …(22) ΔY=S+C・cos2θ …(23) Δ=C・sinθ・cosθ …(24) そして、今、被検レンズ7が球面屈折力S及び円柱屈折
力Cを有しプリズム屈折力Pは有していないとすると、
本実施例では前述の配置関係を有しているとともに、光
源51a,52b,53bによる各基準光線が絞り55
の位置のXY平面上で通過する位置は絞り55の開口5
5a,55b,55cによって規定されるので、前記各
点A1,A2及びA3の座標と前記ΔX、ΔY及びΔと
の間に次の関係が成立する。なお、以下の式におけるf
は前記投影レンズ59の焦点距離を示す。また、以下の
式におけるm’は、前述したように、前記同心円U4の
半径を示す。
【0088】 |X1|=|X2|=|Y3|=m’・f・Δ …(25) |Y1|=|Y2|=m’・f・ΔY …(26) |X3|=m’・f・ΔX …(27) 一方、光源51dによる基準光線が絞り55の位置のX
Y平面上で通過する位置は絞り55の開口55dによっ
て規定されないので、絞り55の位置のXY平面上の半
径m’の仮想的な同心円U4上の位置からずれた位置を
通ることになり、したがって、前記点A4の座標と前記
ΔX、ΔY及びΔとの間に次の関係が成立する。
【0089】 |X4|=m1”・f・ΔX …(28) |Y4|=m2”・f・Δ …(29) 次に、式(28)及び式(29)におけるm1”及びm
2”がいかなる値となるかについて、図25に示す模式
図を用いて説明する。ここで、被検レンズ7の屈折力を
一般的にDと表すと、前記光源51dによる基準光線
は、図25に示すように、測定光軸O上の被検レンズ7
の前面の位置O7からm’だけ離れたB10点に測定光
軸Oと平行に入射し、前記屈折力DによりB10点で屈
折して被検レンズ7の焦点O90に向かうと、考えるこ
とができる。なお、図25において、dは前述したよう
に被検レンズ7の中心厚、fxは被検レンズ7の焦点距
離を示す。したがって、光源51dによる基準光線は、
絞り55の測定光軸上Oの位置O55のXY平面上で
は、図25中のB11点を通過すると考えることがで
き、B11点とO55点との間の距離m”は次式で示す
ようになる。
【0090】 m”=m’/(1+dD) …(30) したがって、式(30)から、式(28)及び式(2
9)におけるm1”及びm2”は次式のようになること
がわかる。
【0091】 m1”=m’/(1+d・ΔX) …(31) m2”=m’/(1+d・Δ) …(32) (31)式を(28)式に代入すると、次式が得られ
る。
【0092】 |X4|=m’・f・ΔX/(1+d・ΔX) …(33) 同様に、(32)式を(29)式に代入すると、次式が
得られる。
【0093】 |Y4|=m’・f・Δ/(1+d・Δ) …(34) ここで、m’及びfは設計上の定数であるので、説明の
便宜上、式を簡単に表現するため、m’・f=1とする
と、式(25)〜(27)、(33)、(34)はそれ
ぞれ次のようになる。もっとも、本発明ではm’・f≠
1でもよいことは勿論である。。
【0094】 |X1|=|X2|=|Y3|=Δ …(35) |Y1|=|Y2|=ΔY …(36) |X3|=ΔX …(37) |X4|=ΔX’ …(38) |Y4|=Δ’ …(39) ただし、式(38)及び式(39)中のΔX’及びΔ’
は次のように定義した。 ΔX’=ΔX/(1+d・ΔX) …(40) Δ’=Δ/(1+d・Δ) …(41) 以上の説明においては、被検レンズ7が球面屈折力S及
び円柱屈折力Cを有しプリズム屈折力Pは有していない
とした。しかし、被検レンズ7がプリズム屈折力Pも有
しているとすると、前述の図1に示す実施例について説
明したのと同様に、前記各点A1,A2,A3及びA4
の位置は、被検レンズ7がプリズム屈折力Pを有してい
ない場合の位置に対して、プリズム屈折力Pによってベ
クトルP”(そのX成分をX0とし、Y成分をY0とす
る)の分だけ平行移動することとなる。
【0095】したがって、被検レンズ7が球面屈折力S
及び円柱屈折力Cをのみならずプリズム屈折力Pを有し
ている場合には、前記各点A1,A2,A3,A4の座
標(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、
(X4,Y4)は、その符号も考慮に入れると、次のよ
うに表すことができる。
【0096】 (X1,Y1)=(Δ+X0,ΔY+Y0) …(42) (X2,Y2)=(−Δ+X0,−ΔY+Y0) …(43) (X3,Y3)=(ΔX+X0,Δ+Y0) …(44) (X4,Y4)=(−ΔX’+X0,−Δ’+Y0) …(45) 以上に、前記各点A1,A2,A3及びA4の位置が被
検レンズ7の光学特性との関係でいかなる情報を有して
いるかについて説明した。
【0097】次に、前記各投影光束81乃至88の傾斜
角度がどのようになるかについて、図26乃至図28を
参照して説明する。
【0098】説明をわかりやすくするために、まず、図
17に示す光学系において一部を変更したモデルを考え
る。すなわち、光源部51は測定光軸O上にのみ光源を
有するとする。また、マスク53は、図26に示すよう
に、スリット開口71のみを有し、該スリット開口71
は、測定光軸O上のマスク53の位置O53を通るとと
もに、被検レンズ7の円柱軸方向θと一致するX’軸に
対して角度αだけ傾斜しているとする。さらに、絞り5
5は測定光軸O上の絞り55の位置O55に開口を有し
ているとする。
【0099】なお、図26は、このモデルにおけるマス
ク53の位置O53のXY平面と同一の平面を、前記
X’軸及びこれに直交したY’軸による座標系として、
示している。説明の便宜上、この平面をマスクX’Y’
平面という。図26中、前記スリット開口71はその中
心線のみを示している。
【0100】そして、被検レンズ7が球面屈折力S及び
円柱屈折力Cを有しプリズム屈折力Pは有していないと
すると、前述のモデルによれば、スリット開口71を通
過したスリット状の光束による受光X’Y’平面(前記
受光XY平面と同一の平面であって、前記X’軸及び
Y’軸による座標系として示した平面)上の投影光束7
1’は図27に示すようになる。投影光束71’がX’
軸に対してなす角度をα’とする。なお、図27におい
て投影光束71’もその中心線のみを示している。この
場合、マスクX’Y’平面上のスリット開口71のうち
のO53点を通過した光線が受光X’Y’平面上のO6
0点を通過することは明らかであるので、スリット開口
71のうちO53点から距離aだけ離れたA点を通過し
た光線が受光X’Y’平面上において通過するA’点の
位置がわかれば、投影光束71’がX’軸に対してなす
角度をα’がわかり、ひいては、スリット開口71の傾
斜角度に対する投影光束71’の傾斜角度のねじれ角ε
=α’−αを得ることができる。
【0101】そこで、本件発明者は、以下に説明するよ
うな仮想的なスリット開口の概念を導入することによっ
て、前記A’点の位置を得た。
【0102】すなわち、図26に示すように、前記A点
を通りX’軸に平行な仮想的なスリット開口72と前記
A点を通りY’軸に平行な仮想的なスリット開口73
が、マスク53上にあるものと、想定する。このように
想定すると、仮想的なスリット開口72を通過した仮想
的なスリット状の光束による受光X’Y’平面上の仮想
的な投影光束72’と、仮想的なスリット開口73を通
過した仮想的なスリット状の光束による受光X’Y’平
面上の仮想的な投影光束73’との受光X’Y’平面上
の交点が、前記A’点となる。そして、仮想的なスリッ
ト開口72はX’軸(すなわち、被検レンズ7の円柱軸
方向θ)と平行であるので、仮想的な投影光束72’
は、被検レンズ7によるねじれの影響を全く受けずに、
図27に示すように、X’軸と平行に延びることにな
る。また、仮想的なスリット開口73はY’軸(すなわ
ち、被検レンズ7の円柱軸方向θと直交する方向)と平
行であるので、仮想的な投影光束73’は、被検レンズ
7によるねじれの影響を全く受けずに、図27に示すよ
うに、Y’軸と平行に延びることになる。そして、仮想
的なスリット開口72がY’軸と交差する位置をAy点
とすると、仮想的なスリット開口72のうちのAy点を
通過した仮想的な光線は、Ay点がY’軸上にあること
から被検レンズ7によるねじれの影響を全く受けずに、
受光X’Y’平面上においてY’軸上のAy’点を通過
することになる。同様に、仮想的なスリット開口73が
X’軸と交差する位置をAx点とすると、仮想的なスリ
ット開口73のうちのAx点を通過した仮想的な光線
は、Ax点がX’軸上にあることから被検レンズ7によ
るねじれの影響を全く受けずに、受光X’Y’平面上に
おいてX’軸上のAx’点を通過することになる。した
がって、マスクX’Y’平面上のAy点を通過した仮想
的な光線が通過する受光X’Y’平面のAy’点の位置
及びマスクX’Y’平面上のAx点を通過した仮想的な
光線が通過する受光X’Y’平面のAx’点の位置を得
れば、前記A’点の位置を得ることができる。
【0103】ところで、以上の説明から明らかなよう
に、図26における線分Ay−O53の長さはa・si
nαと表すことができ、図26における線分Ax−O5
3の長さはa・cosαと表すことができる。また、前
述したように、集光レンズ56の前側焦点面がマスク5
3と一致しているので、集光レンズ56の焦点距離をf
1とし、測定光軸O上の集光レンズ56位置を点O56
とすると、線分O56−O53の長さはf1となる。し
たがって、線分Ay−O56と測定光軸Oとのなす角度
をω1とし、線分Ax−O56と測定光軸Oとのなす角
度をω2とすると、tanω1及びtanω2は次のよ
うに表すことができる。
【0104】 tanω1=a・sinα/f1 …(46) tanω2=a・cosα/f1 …(47) 式(46)及び式(47)より、次式が得られる。
【0105】 tanα=tanω1/tanω2 …(48) ここで、前述したマスクX’Y’平面上のAy点を通過
した仮想的な光線について考えると、この光線は、集光
レンズ56を通過した後に被検レンズ7に対して前記角
度ω1で入射することになるので、図28に示すよう
に、被検レンズ7の焦点面70上においてO70点(測
定光軸O上の焦点面70の位置)からfx・tanω1
だけ離れたB1点に一旦結像すると考えることができ
る。なお、前記fxは被検レンズ7の焦点距離を示す。
そして、前述したモデルでは、図28に示すように、B
1点からO55点(測定光軸O上の絞り55の位置)を
通りO59点(測定光軸O上の投影レンズ59の位置)
を含むX’Y’平面とB2点で交わる直線を考えると、
前記Ay点を通過した前記仮想的な光線は、被検レンズ
7を通過した後に結局B2点に達し、B2点で屈折して
測定光軸Oに平行な経路で受光X’Y’平面上のAy’
点に達すると考えることができる。なお、図28におい
て、Dは一般的に表した被検レンズ7の屈折力を示し、
dは前述したように被検レンズ7の中心厚を示し、点O
7は測定光軸O上の被検レンズ7の前面の位置を示して
いる。したがって、線分Ay’−O60の長さayは、
図28において三角形B1−O55−O70と三角形B
2−O55−O59とが相似であることから、次式で示
すようになる。
【0106】 ay=f・(1+d・D)・tanω1 …(49) ここでは、前述したマスクX’Y’平面上のAy点を通
過した仮想的な光線について考えているので、式(4
9)中の屈折力Dは、被検レンズ7のY’軸を含む子午
面に沿った屈折力S+Cを示すことになるので、式(4
9)にD=S+Cを代入すると、次式が得られる。
【0107】 ay=f・{1+d・(S+C)}・tanω1 …(50) また、前述したマスクX’Y’平面上のAx点を通過し
た仮想的な光線について考えると、前記式(49)を得
た場合と同様にして、次式が得られる。
【0108】 ax=f・(1+d・D)・tanω2 …(51) ここでは、前述したマスクX’Y’平面上のAx点を通
過した仮想的な光線について考えているので、式(5
1)中の屈折力Dは、被検レンズ7のX’軸を含む子午
面に沿った屈折力Sを示すことになるので、式(51)
にD=Sを代入すると、次式が得られる。
【0109】 ax=f・(1+d・S)・tanω2 …(52) 式(50)及び式(52)により、前記A’点の位置が
得られた。
【0110】また、図27から明らかなように、次式が
成立している。
【0111】 tanα’=ay/ax …(53) 式(53)に式(50)及び式(52)を代入すると、
次式が得られる。
【0112】 tanα’=[{1+d・(S+C)}/(1+d・S)]・(tan ω1/tanω2) …(54) 式(54)に式(48)を代入すると、次式が得られ
る。
【0113】 tanα’=[{1+d・(S+C)}/(1+d・S)]・tanα …(55) この式(55)により、投影光束71’がX’軸に対し
てなす角度α’が得られた。
【0114】ところで、前述したように、スリット開口
71の傾斜角度に対する投影光束71’の傾斜角度のね
じれ角εはα’−αで表されるので、次式が成り立つ。
【0115】 tanε=(tanα’−tanα)/(1+tanα’・tanα) …(56) 式(56)に式(55)を代入して整理すると、次式が
得られる。
【0116】 tanε=d・C・sinα・cosα/{1+d・(S+C・sin2α )} …(57) この式(57)により、前述のモデルにおいて、スリッ
ト開口71の傾斜角度に対する投影光束71’の傾斜角
度のねじれ角εがどうなるかがわかった。そして、投影
光束71’の傾斜角度は被検レンズ7のプリズム屈折力
Pに依存しないことは明らかであるので、式(57)は
被検レンズ7がプリズム屈折力Pを有していても成り立
つ。また、前述のモデルにおいては、光源が測定光軸O
上にあるとしていたが、式(57)は光源が測定光軸O
からずれた位置にあっても成り立つ。
【0117】したがって、一般的に、被検レンズ7の円
柱軸方向θに対して角度αだけ傾斜しているマスク53
のスリット開口を通過したスリット状の光束による受光
XY平面上の投影光束の傾斜角度は、そのスリット開口
の傾斜角度に対して式(57)で得られるねじれ角εだ
けねじれることがわかる。
【0118】これを図17に示す実施例に適用すると、
X軸に沿ったスリット開口53aを通過した各スリット
状の光束に基づく各投影光束81,83,85,87の
傾斜角度のX軸に対するねじれ角は、図23及び図24
にも示すように全て等しく、次式で表されるε1とな
る。なお、以下の説明の便宜上、tanε1をq1と定
義する。
【0119】 q1=tanε1 =d・C・sinθ・cosθ/{1+d・(S+C・sin2θ)} …(58) 同様に、Y軸に沿ったスリット開口53bを通過した各
スリット状の光束に基づく各投影光束82,84,8
6,88の傾斜角度のY軸に対するねじれ角は、図23
及び図24にも示すように全て等しく、次式で表される
ε2となる。なお、以下の説明の便宜上、tanε2を
q2と定義する。
【0120】 q2=tanε2 =d・C・sinθ・cosθ/{1+d・(S+C・cos2θ)} …(59) 以上に、前記各投影光束81乃至88の傾斜角度がどの
ようになるかについて説明した。なお、式(58)及び
式(59)からわかるように、被検レンズ7の円柱屈折
力C又は被検レンズ7の中心厚dが小さければε1,ε
2が零に近似でき、したがって、前述の図1に示す実施
例の説明が正しいことが式(58)及び式(59)によ
り裏付けられている。
【0121】図23及び図24に示すように、投影光束
81乃至88が一次元受光センサ60の線状の受光面の
中心線60aと交差する位置をそれぞれ、K1点乃至K
8点とする。そして、K1点乃至K8点のX座標及びY
座標(中心線60aがX軸に対して45゜傾斜している
ので、両者は等しい)をそれぞれ、h1乃至h8とす
る。そうすると、図23及び図24に示す幾何学的な関
係、式(42)乃至(45)並びに式(58)及び(5
9)から、以下の式が成立する。
【0122】 h1=ΔY+Y0+[q1・{(ΔY+Y0)−(Δ+X0)}]/(1 −q1) …(60) h2=Δ+X0−[q2・{(ΔY+Y0)−(Δ+X0)}]/(1− q2) …(61) h3=−ΔY+Y0+[q1・{(−ΔY+Y0)−(−Δ+X0)}] /(1−q1) …(62) h4=−Δ+X0−[q2・{(−ΔY+Y0)−(−Δ+X0)}]/ (1−q2) …(63) h5=Δ+Y0+[q1・{(Δ+Y0)−(ΔX+X0)}]/(1− q1) …(64) h6=ΔX+X0−[q2・{(Δ+Y0)−(ΔX+X0)}]/(1 −q2) …(65) h7=−Δ’+Y0+[q1・{(−Δ’+Y0)−(−ΔX’+X0) }]/(1−q1) …(66) h8=−ΔX’+X0−[q2・{(−Δ’+Y0)−(−ΔX’+X0 )}]/(1−q2) …(67) なお、前記h1乃至h8は既に説明したようにして演算
処理回路61の内部メモリに測定データとして取り込ま
れた投影位置データに相当する。ただし、前記中心線6
0aがX軸に対して45゜傾斜しているので、中心線6
0a上のK1点乃至K8点の一次元の位置はそれぞれh
1乃至h8を21/2倍したものとなる。
【0123】ここで、H10を(h1+h3)/2であ
ると定義すると、式(60)及び式(62)より、次式
が得られる。
【0124】 H10=(h1+h3)/2 =Y0+{q1・(Y0−X0)}/(1−q1) …(68) また、H11を(h2+h4)/2であると定義する
と、式(61)及び式(63)より、次式が得られる。
【0125】 H11=(h2+h4)/2 =X0−{q2・(Y0−X0)}/(1−q2) …(69) H1をh1−H10と定義すると、式(60)及び式
(68)より、次式が得られる。
【0126】 H1=h1−H10 =ΔY+{q1・(ΔY−Δ)}/(1−q1) …(70) H2をh2−H11と定義すると、式(61)及び式
(69)より、次式が得られる。
【0127】 H2=h2−H11 =Δ−{q2・(ΔY−Δ)}/(1−q2) …(71) H5をh5−H10と定義すると、式(64)及び式
(68)より、次式が得られる。
【0128】 H5=h5−H10 =Δ+{q1・(Δ−ΔX)}/(1−q1) …(72) H6をh6−H11と定義すると、式(65)及び式
(69)より、次式が得られる。
【0129】 H6=h6−H11 =ΔX−{q2・(Δ−ΔX)}/(1−q2) …(73) H7をh7−H10と定義すると、式(66)及び式
(68)より、次式が得られる。
【0130】 H7=h7−H10 =−Δ’+{q1・(−Δ’+ΔX’)}/(1−q1) …(74) H8をh8−H11と定義すると、式(67)及び式
(69)より、次式が得られる。
【0131】 H8=h8−H11 =−ΔX’−{q2・(−Δ’+ΔX’)}/(1−q2) …(75) 式(70)乃至(75)より、以下の式(76)乃至
(81)が得られる。
【0132】 ΔY=H1−(H1−H2)・{q1・(1−q2)}/(1−q1・q2 ) …(76) Δ=H2+(H1−H2)・{q2・(1−q1)}/(1−q1・q2) …(77) Δ=H5−(H5−H6)・{q1・(1−q2)}/(1−q1・q2) …(78) ΔX=H6+(H5−H6)・{q2・(1−q1)}/(1−q1・q2 ) …(79) −Δ’=H7−(H7−H8)・{q1・(1−q2)}/(1− q1・q2) …(80) −ΔX’=H8+(H7−H8)・{q2・(1−q1)}/(1− q1・q2) …(81) ところで、式(40)より、次式が得られる。
【0133】 d=1/Δ’−1/Δ …(82) 式(41)より、次式が得られる。
【0134】 d=1/ΔX’−1/ΔX …(83) さらに、式(58)に式(22)及び式(24)を代入
すると、次式が得られる。
【0135】 q1=d・Δ/(1+d・ΔX) …(84) 式(59)に式(23)及び式(24)を代入すると、
次式が得られる。
【0136】 q2=d・Δ/(1+d・ΔY) …(85) 前述のH10,H11の定義並びに前述のH1,H2,
H5〜H8の定義よりこれらの値は前述の測定データで
あるh1〜h8により得られるので、式(76)〜(8
5)からΔX,ΔY,Δを求めることができる。
【0137】ΔX,ΔY,Δを求めるための計算の一例
を説明すると、第一に、式(76)〜(81)において
q1=q2=0を代入し、それらの式に基づいてΔY,
Δ,ΔX,Δ’,ΔX’を求める。第二に、その求めた
ΔY,Δ,ΔX,Δ’,ΔX’に基づいて、式(82)
又は式(83)によりdを求める。第三に、その求めた
dに基づいて、式(84)及び式(85)によりq1及
びq2を求める。その求めたq1,q2を式(76)〜
(81)に代入し、上述の計算を繰り返す。式(5
8),(59)からわかるように、q1<<1,q2<
<1であるので、上述の計算を繰り返すことによりq1
及びq2はある値に収束する。実際には、上述の計算を
二、三回繰り返すことによりq1及びq2は収束する。
q1及びq2が収束したときのΔX,ΔY,Δが求める
値である。
【0138】そして、ΔX,ΔY,Δが求まれば、式
(22)〜(24)により、被検レンズ7の球面屈折力
S,円柱屈折力C,円柱軸方向θを求めることができ
る。
【0139】ところで、式(68)及び式(69)よ
り、次の式(86)及び式(87)が得られる。
【0140】 Y0=H10−(H10−H11)・{q1・(1−q2)}/(1−q1 ・q2) …(86) X0=H11+(H10−H11)・{q2・(1−q1)}/(1−q1 ・q2) …(87) ここで、q1,q2は前述のようにして既に求まってい
るので、式(86)及び式(87)よりY0及びX0を
求めることができる。
【0141】そして、図17に示す実施例では、前述の
ように投影レンズ59の焦点距離をfとすると、被検レ
ンズ7のプリズム屈折力PのX成分PX及びY成分PY
は、次のように表せる。
【0142】 PY=Y0/f …(88) PX=X0/f …(89) さらに、次の関係が成立している。
【0143】 P=(PX2+PY21/2 …(90) tanφ=PY/PX …(91) したがって、前述のようにして求めたX0及びY0に基
づいて、式(88)〜(91)より、被検レンズ7のプ
リズム屈折力P及びその基底方向φを求めることができ
る。
【0144】図17に示す実施例では、、一次元受光セ
ンサ60の出力信号に基づいた測定データである、h1
乃至h8を用いて、演算制御回路61にて前述したよう
に演算処理することにより、被検レンズ7の球面屈折力
S、円柱屈折力C、円柱軸方向θ、プリズム屈折力P及
びその基底方向φを求めることができるのである。
【0145】以上述べたように、前記図17に示す実施
例に係る光学系の光学特性測定装置では、センサとして
単一の一次元受光センサ60を用いるだけですむととも
に、可動部を何ら有しておらず、したがって、安価で測
定精度も良くなる。そして、前記図1に示す実施例では
被検レンズ7の円柱屈折力及び被検レンズ7の厚みの両
方が大きい場合には十分な精度で精度で被検レンズ7の
光学特性を得ることができなかったのに対し、図17に
示す実施例では、マスク53のスリット開口53aに対
する投影光束81,83,84,85のねじれ角及びマ
スク53のスリット開口53bに対する投影光束82,
84,86,88のねじれ角を考慮に入れた上で、絞り
55を用いて一つのグループのスリット状の光束に基づ
く光束を制限するとともに他のグループのスリット状の
光束に基づく光束を制限しないことによって、前述のね
じれ角の要因である被検レンズ7の厚みに依存しない測
定データとその厚みに依存する測定データの両方を得て
いるので、たとえ被検レンズ7の円柱屈折力及び被検レ
ンズ7の厚みの両方が大きくても、被検レンズ7の光学
特性を十分な精度で得ることができる。
【0146】ところで、前記図17に示す実施例では、
マスク53のスリット開口53aとスリット開口53b
とが交差しているので、その交点付近を通過した光線が
一次源受光センサ60上に投影する場合には前述の測定
データの取り込みができなくなり、実用上好ましくな
い。そこで、実際には、前記マスク53に代えて、例え
ば、図29に示すマスク63を用いることが望ましい。
マスク63には、マスク53のスリット開口53aと全
く同一のスリット開口63aと、マスク53のスリット
開口53bに対応するスリット開口63b,63c,6
3d,63eとが、設けられている。スリット開口63
aはその中心線がX軸と一致するように配置されてい
る。スリット開口63b,63c,63d,63eは全
てY軸と平行に配置され、それらの幅は等しくてスリッ
ト開口63aより小さくされている。スリット開口63
bとスリット開口63cとの間隔、スリット開口63c
とY軸との間隔、Y軸とスリット開口63dとの間隔及
びスリット開口63dとスリット開口63eとの間隔
は、全て等しいEとされている。スリット開口63b及
び63cは図29における上部左側領域に並設されてお
り、スリット開口63d及び63eは図29における下
部右側領域に並設されている。このマスク63を用いれ
ば、スリット開口63b,63c,63d,63eによ
る実際の測定データに基づいて演算することによって、
マスク53のスリット開口53bによる測定データと同
一の仮想的な測定データを得ることができ、したがっ
て、前述と同様にして被検レンズ7の光学特性を得るこ
とができる。そして、マスク63を用いれば、マスク6
3上の各スリット開口は交差していないので、前述のよ
うなスリット開口が交差することによって測定データの
取り込みができなくなる場合が生ずるという不都合を解
消することができる。
【0147】また、例えば、図17に示す実施例におい
て、前記マスク53を図30に示すように45゜回転さ
せて配置するとともに、前記一次元受光センサ60も図
31に示すように45゜回転させて配置して一次元受光
センサ60の線状の受光面の中心線60aをY軸と一致
させておいてもよい。この場合にも、図17に示す実施
例と同様に、被検レンズ7の光学特性を得ることができ
る。
【0148】次に、図32に示す本発明の他の実施例に
係る光学特性測定装置について説明する。図32におい
て前記図17に示す実施例と同一構成部分には同一符号
を付し、その説明は省略する。
【0149】この実施例が前記図17に示す実施例と異
なる所は、図17におけるマスク53を取り除いてマス
ク53の位置にマスク73を配置し、更に、光源部7
1、マスク74及び光路分割器75を追加した点であ
る。図32におけるL−L矢視方向から見たマスク73
を図33に示してある。マスク73は図17に示す実施
例におけるマスク53のスリット開口53aに相当する
スリット開口73aを有している。光源部71及びマス
ク74と光源部51及びマスク73とはそれぞれ、光学
的に等価な位置関係にある、すなわち、光路分割器75
を介して集光レンズ56に対して同じ位置にある。図3
2におけるM−M矢視方向から見たマスク74を図34
に示してある。マスク74は図17に示す実施例におけ
るマスク53のスリット開口53bに相当するスリット
開口74aを有している。図32におけるN−N矢視方
向から見た光源部71を図35に示す。光源部71は、
光源部51の光源51a,51b,51c,51dにそ
れぞれ相当する光源71a,71b,71c,71dを
有している。光源71a,71b,71c,71dと光
源51a,51b,51c,51dとはそれぞれ光学的
に等価な位置関係にある。
【0150】図32に示す実施例では、各光源51a,
51b,51c,51d,71a,71b,71c,7
1dを順次点灯させることにより、図17に示す実施例
において説明した八つの測定データと同一の八つを測定
データを取り込むことができる。したがって、この実施
例の場合にも、図17に示す実施例と全く同様に、被検
レンズ7の光学特性を得ることができる。なお、図32
に示す実施例では、そのような測定データの取り込みを
行うように、図22に示した演算制御回路61及び光源
駆動回路62が前述の図1に示す実施例の場合に準じて
変更される。
【0151】なお、スリット状の光束の照射方法及び測
定データの取り込みについては、図32に示す実施例も
図1に示す実施例も同じである。したがって、図32に
示す実施例を図17に示す実施例に変形する場合におけ
る変形方法を、図1に示す実施例に適用することによっ
て、図1における光源部2及び光路分割器5を取り除く
ことができる。
【0152】ところで、図17に示す実施例に関して説
明したような演算を演算制御回路61に行わせるように
すると、演算に時間がかかるとか、光学系の配置により
前述の各定数等が変化したりする。そのため、実際の装
置では、装置を作った後、予め光学特性のわかっている
レンズを用いて測定を行い、そのときの各光源点灯時の
一次元受光センサ60の出力を前記既知の光学特性と対
応させて演算制御回路61に記憶させておくようにする
ことにより、前述の不都合を解消できる。このように一
次元受光センサ60の出力と光学特性と対応づけるよう
にしておけば、何ら複雑な手間を付加することなく、光
学系の配置を比較的自由にできる。
【0153】したがって、例えば、集光レンズ56の前
側焦点面がマスク53と必ずしも一致していなくてもよ
い。各光源51a、51b、51c、51dとレンズホ
ルダー58のホルダー面とを共役にしなくてもよい。投
影レンズ59の前側焦点面とレンズホルダー58のホル
ダー面とを一致させなくてもよいし、投影レンズ59の
後側焦点面と一次元受光センサ60の受光面とを一致さ
せなくてもよい。各光源51a、51b、51c、51
dの配置も任意に定めることができる。一次元受光セン
サ60の配置も限定されるものではなく、一次元受光セ
ンサ60の線状の受光面の中心線60aが測定光軸O上
を通らなくてもよい。
【0154】また、被検光学系の円柱屈折力と被検光学
系の厚みの両方が大きくても容認する本発明の第二の態
様では、八つ以上のスリット状の光束を照射できればよ
く、その数は限定されるものではない。その八つ以上の
スリット状の光束のうちの少なくとも二つのスリット状
の光束である第一グループのスリット状の光束に基づく
光束が絞り手段により被検光学系の後面付近で制限さ
れ、その八つ以上のスリット状の光束のうちの残りであ
って少なくとも二つのスリット状の光束である第二グル
ープのスリット状の光束が制限されなければよい。した
がって、第一グループのスリット状の光束の数は二つ以
上の任意の数であればよいし、第二グループのスリット
状の光束の数も二つ以上の任意の数であればよい。ま
た、第一グループのスリット状の光束の傾斜角度は二種
類以上の所定の角度であればよく、三種類以上としても
よいし、その傾斜角度の値も任意に定めることができ
る。同様に、第二グループのスリット状の光束の傾斜角
度も二種類以上の所定の角度であればよく、三種類以上
としてもよいし、その傾斜角度の値も任意に定めること
ができる。第一グループのスリット状の光束の傾斜角度
と第二グループのスリット状の光束乃傾斜角度とは、同
じでもよいし異なっていてもよい。さらに、各スリット
状の光束の集束光学系による被検光学系に対する集束位
置は、4箇所以上であればよく、5箇所以上としてもよ
いし、仮想的な同心円上にあるようにしなくてもよい。
【0155】
【発明の効果】本発明によれば、センサとして単一の一
次元受光センサを用いるだけですむとともに、可動部を
設けなくてすみ、したがって、構造が簡単で製造が容易
であるとともに、安価で測定精度も良くなる効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る光学特性測定装置の光
学系を示す構成図である。
【図2】図1におけるII−II矢視図である。
【図3】図1におけるIII−III矢視図である。
【図4】図1におけるIV−IV矢視図である。
【図5】図1におけるV−V矢視図である。
【図6】前記光学特性測定装置の電気回路図である。
【図7】図1におけるE−E方向から見た集束XY平面
上の集束光束を示す図である。
【図8】図1におけるE−E方向から見た集束XY平面
上の他の集束光束を示す図である。
【図9】被検レンズにプリズム屈折力がない場合の、図
1におけるF−F方向から見た受光XY平面上の投影光
束を示す図である。
【図10】被検レンズにプリズム屈折力がない場合の、
図1におけるF−F方向から見た受光XY平面上の他の
投影光束を示す図である。
【図11】被検レンズにプリズム屈折力がない場合の、
図1におけるF−F方向から見た受光XY平面上のさら
に他の投影光束を示す図である。
【図12】被検レンズにプリズム屈折力がある場合の、
図1におけるF−F方向から見た受光XY平面上の投影
光束を示す図である。
【図13】被検レンズにプリズム屈折力がある場合の、
図1におけるF−F方向から見た受光XY平面上の他の
投影光束を示す図である。
【図14】被検レンズにプリズム屈折力がある場合の、
図1におけるF−F方向から見た受光XY平面上のさら
に他の投影光束を示す図である。
【図15】本発明の他の実施例に係る光学特性測定装置
の光学系の構成図である。
【図16】本発明のさらに他の実施例に係る光学特性測
定装置のマスクを示す図である。
【図17】本発明のさらに他の実施例に係る光学特性測
定装置の光学系を示す構成図である。
【図18】図17におけるG−G矢視図である。
【図19】図17におけるH−H矢視図である。
【図20】図17におけるJ−J矢視図である。
【図21】図17におけるK−K矢視図である。
【図22】図17に示す光学特性測定装置の電気回路図
である。
【図23】図17におけるK−K方向から見た受光XY
平面上の投影光束を示す図である。
【図24】図17におけるK−K方向から見た受光XY
平面上の他の投影光束を示す図である。
【図25】基準光線の通過位置を説明するための図であ
る。
【図26】投影光束の傾斜角度を説明するためのモデル
によるマスクX’Y’平面を示す図である。
【図27】投影光束の傾斜角度を説明するためのモデル
による受光X’Y’平面を示す図である。
【図28】所定の仮想的な光線の投影位置を説明するた
めの図である。
【図29】本発明のさらに他の実施例に係る光学特性測
定装置に用いられるマスクを示す図である。
【図30】本発明のさらに他の実施例に係る光学特性測
定装置におけるマスクの配置を示す図である。
【図31】図30と同一の光学特性測定装置における一
次元受光センサの配置を示す図である。
【図32】本発明のさらに他の実施例に係る光学特性測
定装置の光学系を示す構成図である。
【図33】図32におけるL−L矢視図である。
【図34】図32におけるM−M矢視図である。
【図35】図32におけるN−N矢視図である。
【符号の説明】 1a〜1d,2c,2d,51a〜51d,71a〜7
1d 光源 3,4,53,63,73,74 マスク 6,56 集光レンズ 7 被検レンズ 9,59 投影レンズ 10,60 一次元受光センサ 55 絞り

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検光学系に向けて六つ以上のスリット
    状の光束を照射する照射手段と、前記六つ以上のスリッ
    ト状の光束を前記被検光学系に対して集束させる集束光
    学系と、一次元の受光位置に応じた出力信号を出力する
    一次元受光センサと、該一次元受光センサ上に前記被検
    光学系を通過した各光束を投影させる投影光学系と、前
    記一次元受光センサの出力信号に基づいて、前記六つ以
    上のスリット状の光束に基づく各光束の前記一次元受光
    センサ上の投影位置にそれぞれ応じた各投影位置データ
    を得る投影位置データ抽出手段と、該各投影位置データ
    に基づいて前記被検光学系の屈折力を得る演算手段とを
    備えてなり、前記六つ以上のスリット状の光束の傾斜角
    度を二種類以上の所定の角度にし、前記六つ以上のスリ
    ット状の光束の前記集束光学系による前記被検光学系に
    対する各集束位置を4箇所以上としたことを特徴とする
    光学系の光学特性測定装置。
  2. 【請求項2】 前記照射手段は前記六つ以上のスリット
    状の光束を順次照射し、前記投影位置データ抽出手段
    は、前記六つ以上の光束のうちのいずれの光束が照射さ
    れているかを判別する判別信号を得る判別手段を含むと
    ともに、前記判別信号及び前記一次元受光センサの出力
    信号に基づいて前記各投影位置データを得ることを特徴
    とする請求項1記載の光学系の光学特性測定装置。
  3. 【請求項3】 前記六つ以上のスリット状の光束は互い
    に幅の異なるものを含み、前記投影位置データ抽出手段
    は、前記一次元受光センサの出力信号に基づいて前記六
    つ以上のスリット状の光束の幅を判別する判別信号を得
    る判別手段を含むとともに、前記判別信号及び前記一次
    元受光センサの出力信号に基づいて前記各投影位置デー
    タを得ることを特徴とする請求項1記載の光学系の光学
    特性測定装置。
  4. 【請求項4】 前記各投影位置データに基づいて前記被
    検光学系のプリズム屈折力を得る演算手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項1記載の光学系の光学特性測定
    装置。
  5. 【請求項5】 前記各集束位置を4箇所とし、該各集束
    位置が仮想的な同心円上にあって90゜ずつの角度をな
    すように定められたことを特徴とする請求項1記載の光
    学系の光学特性測定装置。
  6. 【請求項6】 前記六つ以上のスリット状の光束のうち
    の少なくとも一つの傾斜角度が前記一次元受光センサに
    対して直交する角度であり、前記六つ以上のスリット状
    の光束のうちの他の傾斜角度が前記一次元受光センサに
    対して直交する角度に対して30゜乃至60゜の範囲の
    角度であることを特徴とする請求項1記載の光学系の光
    学特性測定装置。
  7. 【請求項7】 被検光学系に向けて八つ以上のスリット
    状の光束を照射する照射手段と、前記八つ以上のスリッ
    ト状の光束を前記被検光学系に対して集束させる集束光
    学系と、前記被検光学系の後面付近に配置され、前記八
    つ以上のスリット状の光束のうちの少なくとも二つのス
    リット状の光束である第一グループのスリット状の光束
    に基づく光束を制限するとともに、前記八つ以上のスリ
    ット状の光束のうちの残りであって少なくとも二つのス
    リット状の光束である第二グループのスリット状の光束
    に基づく光束を制限しない絞り手段と、一次元の受光位
    置に応じた出力信号を出力する一次元受光センサと、該
    一次元受光センサ上に前記被検光学系及び前記絞り手段
    を通過した各光束を投影させる投影光学系と、前記一次
    元受光センサの出力信号に基づいて、前記八つ以上のス
    リット状の光束に基づく各光束の前記一次元受光センサ
    上の投影位置にそれぞれ応じた各投影位置データを得る
    投影位置データ抽出手段と、該各投影位置データに基づ
    いて前記被検光学系の屈折力を得る演算手段とを備えて
    なり、前記第一グループのスリット状の光束の傾斜角度
    を二種類以上の所定の角度にし、前記第二グループのス
    リット状の光束の傾斜角度を二種類以上の所定の角度に
    し、前記八つ以上のスリット状の光束の前記集束光学系
    による前記被検光学系に対する各集束位置を4箇所以上
    としたことを特徴とする光学系の光学特性測定装置。
  8. 【請求項8】 前記照射手段は前記八つ以上のスリット
    状の光束を順次照射し、前記投影位置データ抽出手段
    は、前記八つ以上の光束のうちのいずれの光束が照射さ
    れているかを判別する判別信号を得る判別手段を含むと
    ともに、前記判別信号及び前記一次元受光センサの出力
    信号に基づいて前記各投影位置データを得ることを特徴
    とする請求項7記載の光学系の光学特性測定装置。
  9. 【請求項9】 前記八つ以上のスリット状の光束は互い
    に幅の異なるものを含み、前記投影位置データ抽出手段
    は、前記一次元受光センサの出力信号に基づいて前記八
    つ以上のスリット状の光束の幅を判別する判別信号を得
    る判別手段を含むとともに、前記判別信号及び前記一次
    元受光センサの出力信号に基づいて前記各投影位置デー
    タを得ることを特徴とする請求項7記載の光学系の光学
    特性測定装置。
  10. 【請求項10】 前記各投影位置データに基づいて前記
    被検光学系のプリズム屈折力を得る演算手段を更に備え
    ることを特徴とする請求項7記載の光学系の光学特性測
    定装置。
  11. 【請求項11】 前記各集束位置を4箇所とし、該各集
    束位置が仮想的な同心円上にあって90゜ずつの角度を
    なすように定められたことを特徴とする請求項7記載の
    光学系の光学特性測定装置。
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