JPH05231737A - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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JPH05231737A
JPH05231737A JP132492A JP132492A JPH05231737A JP H05231737 A JPH05231737 A JP H05231737A JP 132492 A JP132492 A JP 132492A JP 132492 A JP132492 A JP 132492A JP H05231737 A JPH05231737 A JP H05231737A
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JP
Japan
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heat exchanger
side heat
way valve
heating
refrigerant
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JP132492A
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Inventor
Hiroo Nakamura
啓夫 中村
Hironobu Kawamura
浩伸 川村
Hiroshi Iwata
博 岩田
Hiroshi Kogure
博志 小暮
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】空気調和機の暖房運転,冷房運転及び除湿運転
の快適性の向上あるいは省エネルギを実現できる空気調
和機を提供する。 【構成】室内側に設けた第一及び第二の二つの利用側熱
交換器3,4と絞り装置5及び室外側熱交換器6を逆止
弁9〜12からなる流路切換装置8を介して接続し、暖
房,冷房,除湿の各運転において第一及び第二の二つの
利用側熱交換器3,4を、気流方式や輻射方式等の温度
レベルの異なる空調ユニットとして単独あるいは複合し
て使用する。 【効果】気流方式や輻射方式等の異なる温度レベルの空
調方式を単独あるいは複合して使用でき、快適性の向上
及び省エネルギ化を図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気調和機等に使用さ
れるヒートポンプサイクルに係り、快適性及び省エネル
ギを図るために異なる温度レベルの利用側熱交換器を設
けたヒートポンプサイクルに関する。
【0002】
【従来の技術】最近の冷凍サイクルを用いた空気調和機
は、冷房運転及び暖房運転が可能で年間空調機として使
用できるヒートポンプ式が主流であるが、快適性向上等
のために利用側熱交換器を複数にして、暖房運転時に床
暖房を可能にしたり、除湿運転時に再加熱を可能にした
サイクル構成が提案されている。
【0003】ここで、比較的簡単な構成で、快適性向上
等の点から複数の利用側熱交換器を設けた従来の冷凍サ
イクルとして特開昭62−276371号公報が知られている。
【0004】この公報には、圧縮機,四方弁,室外側熱
交換器,減圧装置,室内側熱交換器を順次冷媒配管で接
続すると共に、四方弁と室内側熱交換器の間に輻射パネ
ルを設けたサイクル構成が開示されている。このサイク
ル構成では、暖房運転時には、圧縮機を出た高温冷媒を
輻射パネルから室内側熱交換器に流して、室内側熱交換
器とこれより高温の輻射パネルの両方を用いることによ
り、暖房時の快適性向上を図っている(特開平3−31640
号公報)。
【0005】この公報には、圧縮機,四方弁,室外熱交
換器,第二の電気式流量制御弁,4個の逆止弁からなり
四つの接続端を持つ流路切り換え手段,第一の室内熱交
換器,第一の電気式流量制御弁を冷媒配管で接続し、さ
らに流路切り換え手段の4端をそれぞれ四方弁,第二の
電気式流量制御弁,第一の室内熱交換器,第2の室内熱
交換器に接続したサイクル構成が開示されている。この
サイクル構成により、特に除湿運転時には、室内空気を
第二の室内熱交換器で冷却して除湿したあと第一の室内
熱交換器で加熱することにより、室内の冷え過ぎを防止
して、除湿運転時の快適性向上を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで空気調和機に
おける快適性は、暖房,冷房,除湿等の各運転を総合的
に考える必要があり、同時に省エネルギと両立する形で
満足させる必要が有る。
【0007】しかし、温度の異なる二つの利用側熱交換
器を設けた従来の冷凍サイクルには、次のような問題点
が有る。
【0008】特開昭62−276371号公報に開示された冷凍
サイクルは、暖房運転及び冷房運転を行なうサイクル構
成になっているが、四方弁と室内側熱交換器の間に設け
た輻射パネルは、暖房運転時には、高温ガス域を利用し
て、凝縮域を利用する室内側熱交換器より高温に設定さ
れている。また冷房運転時には、輻射パネルに低温側冷
媒が流れるが、有効には利用されていない。
【0009】特開平3−31640号公報に開示された冷凍サ
イクルは、主に除湿時の快適性向上を狙ったものであ
り、暖房運転時等の快適性については考慮されていな
い。さらに第1及び第2の室内熱交換器とも気流方式の
空調に使用されている。
【0010】ここで空調方式には、前述のように、気流
方式,輻射方式等の種々の方式が有り、さらに各空調方
式に適した温度レベルが有る。この結果、異なる温度レ
ベルを持つ複数の空調方式を適当に複合することによ
り、快適性と省エネルギを同時に実現することが可能に
なる。
【0011】本発明の目的は、比較的簡単なサイクル構
成により、異なる温度レベルを持つ複数の空調方式を複
合して、主に暖房運転や除湿運転において快適性の向上
あるいは省エネルギを実現できるヒートポンプサイクル
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のヒートポンプサイクルでは、圧縮機,四方
弁,室外側熱交換器,絞り装置,第一利用側熱交換器等
から成る標準的なヒートポンプサイクルにおいて、さら
に、4個の逆止弁を4個の接続端で環状に接続した構成
の流路切換装置を設け、この流路切換装置の四つの接続
端にそれぞれ第一利用側熱交換機,第二利用側熱交換
機,絞り装置,室外側熱交換器を接続し、暖房運転時に
は第二利用側熱交換器が第一利用側熱交換器の下流側で
絞り装置の上流側になり、除湿運転時には第二利用側熱
交換器が室外熱交換器の下流側で絞り装置の上流側にな
るようなサイクル構成にしたものである。
【0013】
【作用】以上述べた流路切換装置を介して第一利用側熱
交換器,第二利用側熱交換器及び絞り装置等を接続した
ヒートポンプサイクルにおいて、絞り装置を適切に絞る
ことにより、暖房,冷房,除湿等の運転において、第一
利用側熱交換器と第二利用側熱交換器を、快適性あるい
は省エネルギの点から、各利用側熱交換器に対して採用
する空調方式に適した温度状態に設定する。
【0014】ここで例えば第一利用側熱交換器を気流空
調ユニット,第二利用側熱交換器を床暖房等の輻射空調
ユニットとして使用する場合を考える。暖房運転時に
は、絞り装置を適当に絞ることにより、輻射空調ユニッ
トは主に過冷却域を有効に利用することになり気流空調
ユニットに比べて温度が低くなる。また冷房運転時に
は、絞り装置を適当に絞ることにより、気流空調ユニッ
トにより冷房を行なう。さらに除湿運転時には、絞り装
置を十分絞ると共に気流空調ユニットの風量を減らすこ
とにより、気流空調ユニットで湿気をとり主に過冷却域
にある輻射空調ユニットでの加熱により気温低下を防止
する。この結果、本サイクル構成及び本運転方法により
快適性及び省エネルギが達成される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により詳細に説
明する。
【0016】図1〜図4は本発明の第一の実施例を示す
もので、このうち図1は二つの利用側熱交換器を設けた
ヒートポンプサイクルの構成図、図2は、図1のサイク
ル構成における、暖房運転時のモリエル線図、図3は冷
房運転時のモリエル線図、図4は除湿運転時のモリエル
線図である。
【0017】図1において、1は圧縮機、2は冷房と暖
房の運転状態を切り替える四方弁、3は第一利用側熱交
換器、4は第二利用側熱交換器、5は絞り装置、6は室
外側熱交換器、7は圧縮機への液戻りを防止するための
アキュムレータ、8は4個の逆止弁9,10,11,1
2を4個の接続端X1,X2,X3,X4で接続し、さらに
これらの接続端X1、X2,X3,X4がそれぞれ第一利用
側熱交換器3,第二利用側熱交換器4,絞り装置5,室
外側熱交換器6に接続された流路切換装置、15は第二
利用側熱交換器4のバイパス配管16中に設けた二方弁
であり、これらが冷媒配管によって接続されている。ま
た13は接続端X2 と第二利用側熱交換器4を結ぶ配
管、17は接続端X4 と室外側熱交換器6を結ぶ配管で
ある。
【0018】以上のサイクル構成により、四方弁2の切
り換え及び絞り装置5の絞り制御により、第一及び第二
の二種類の利用側熱交換器を有効に使いながら暖房,冷
房,除湿等の各運転を行なうことができる。以下、図2
〜図4の各モリエル線図を参照しながら各運転状態を説
明する。
【0019】最初に暖房運転時において、図1の二方弁
15を閉じた場合を考える。この場合、図1において四
方弁2を切り換えることにより、冷媒を、圧縮機1→四
方弁2→第一利用側熱交換器3→逆止弁9→第二利用側
熱交換器4→絞り装置5→逆止弁10→室外側熱交換器
6→四方弁2→アキュムレータ7→圧縮機1の順に循環
させ、さらに絞り装置5を適当に絞ることにより、第一
利用側熱交換器3が凝縮器,第二利用側熱交換器4が過
冷却器、室外側熱交換器6が蒸発器となるように運転す
る。すなわち図2のモリエル線図において、冷媒は、圧
縮器1によりA1点→A2点のように高温高圧ガスに圧縮
されたあと、四方弁2を経て第一利用側熱交換器3に入
り、A3点→A4点のように過熱域から飽和域にかけて放
熱して凝縮し、第二利用側熱交換器4に入る。第二利用
側熱交換器4では、A4点→A5点→A6 のように状態変
化して、飽和域から過冷却域にかけて放熱する。この場
合、過冷却域は温度一定の飽和域から徐々に温度が下が
る領域であるため、第二利用側熱交換器4の平均温度は
第一利用側熱交換器3の温度より低くなる。次に第二利
用側熱交換器4をでた冷媒は、絞り装置5でA6点→A7
点のように減圧・膨張した後、蒸発器となる室外側熱交
換器6に入ってA7点→A8点のように吸熱蒸発し、さら
に四方弁2,アキュムレータ7を通ってA1 点の状態に
なって圧縮機1に吸い込まれる。以上より、第一利用側
熱交換器3を高温側の暖房源,第二利用側熱交換器5を
低温側の暖房源として利用することができる。
【0020】ところで、代表的な暖房方式としては温風
暖房と輻射暖房が有り、さらに輻射暖房の代表例として
床暖房が有る。ここで快適な温度レベルを考えると、温
風暖房では約40℃以上の吹き出し温度,床暖房では約
20℃〜30℃の床面温度が必要であり、それぞれ異な
った温度レベルとなる。また温風暖房は通常の暖房時以
外で、例えば寒い室外から帰って急速に暖房したいよう
な場合にも有効であり、床暖房は頭寒足熱のような快適
な暖房状態を作るのに有効である。
【0021】従って本実施例では、暖房運転時に、図1
のサイクル構成と上述の制御方法により、第一利用側熱
交換器3を温風暖房方式,第二利用側熱交換器4を床暖
房方式として使用し、さらには両者を複合使用すること
により快適性を向上できる空気調和機を実現できる。
【0022】また図2において、暖房運転におけるサイ
クルのエネルギ効率を表わす暖房成績係数は次の式で表
わさる。
【0023】
【数1】
【0024】この場合、A5−A6点間の過冷却域を長く
して、例えば床暖房等の比較的低温レベルの暖房に有効
に使うことにより、成績係数を向上し省エネルギを実現
することができる。
【0025】なお以上の説明において輻射暖房として床
暖房を考えたが、これに限らず、輻射面として壁,天
井,パネル等種々の面を考えることができ、床の場合と
同様に、それぞれに適した温度レベルに設定することに
より快適性や省エネルギを実現することが可能になる。
【0026】従って以上述べた本実施例においては、暖
房運転時に快適性の向上と省エネルギを同時に実現する
ことができる。
【0027】さらに図1のサイクル構成では、以下のよ
うに、暖房運転において第一利用側熱交換器3あるいは
第二利用側熱交換器4での暖房能力の配分を制御するこ
とができる。
【0028】まず図1において二方弁15を開くと、冷
媒は第一利用側熱交換器3から逆止弁9を通ったあと、
第二利用側熱交換器4を流れるときの流通抵抗により、
冷媒流のほとんどは第二利用側熱交換器4をバイパスし
て二方弁15を通って絞り装置5に流れる。この結果、
暖房能力のほとんどを第一利用側熱交換器3に集中させ
ることができる。さらに二方弁15に流量制御作用があ
るものを使った場合には、バイパス配管16を流れる流
量すなわち第二利用側熱交換器4を流れる流量を制御す
ることができ、特に第二利用側熱交換器4での暖房能力
を制御することができる。
【0029】また第一利用側熱交換器3を気流空調ユニ
ットとした場合に、二方弁15を閉じ第一利用側熱交換
器3への送風量を非常に少なくするかあるいは無くする
と、暖房能力は第一利用側熱交換器3でほとんど無くな
り第二利用側熱交換器4に集中する。この状態では、図
2のモリエル線図において、第二利用側熱交換器4への
入口点であるA4 点が図2上で右側に移動し、第二利用
側熱交換器4では、冷媒状態が二相の飽和域が多くなる
ため、熱伝達率の増大及び熱交換温度の上昇により熱交
換量すなわち暖房能力が増大する。したがってそれ程寒
くないような場合には、例えば第二利用側熱交換器4を
床暖房ユニットとして、床暖房のみによって快適で省エ
ネルギな運転を行うことができる。さらにまた第一利用
側熱交換器3への送風量を制御することにより、第一利
用側熱交換器3及び第二利用側熱交換器4での暖房能力
の配分を制御することができる。
【0030】次に冷房運転時には、図1において二方弁
15を開き、四方弁2を切り換えて、冷媒を、圧縮機1
→四方弁2→室外側熱交換器6→逆止弁11→二方弁1
5→絞り装置5→逆止弁12→第一利用側熱交換器3→
四方弁2→アキュムレータ7→圧縮機1の順に循環させ
る。この場合、第二利用側熱交換器4は流通抵抗のため
に冷媒がほとんど流れず不使用状態となり、また絞り装
置5を適当に絞ることより、室外側熱交換器6が凝縮
器、第一利用側熱交換器3が蒸発器となる。すなわち図
3のモリエル線図において、冷媒は、圧縮機1によりB
1点→B2点のように高温高圧ガスに圧縮された後、四方
弁2を経て室外側熱交換器6に入ってB3点→B6 点の
ように過熱域から飽和域を通って過冷却域まで冷却され
る。次に絞り装置5によりB6点→B7点のように減圧・
膨張した後、蒸発器となる第一利用側熱交換器3に入っ
てB7点→B8点のように蒸発し、さらに四方弁2,アキ
ュムレータ7を通り、B1 点の状態となって圧縮機1に
吸込まれる。この結果、第一利用側熱交換器3を気流空
調ユニットとして使用することにより、通常の冷房運転
を行なうことが出来る。
【0031】なおこの場合の冷房運転におけるサイクル
のエネルギ効率を表す冷房成績係数は次式となる。
【0032】
【数2】
【0033】また上記冷房運転において、さらに二方弁
15を閉じて、冷媒を圧縮機1→室外側熱交換器6→逆
止弁11→第二利用側熱交換器4→絞り装置5→逆止弁
12→第一利用側熱交換器3→四方弁2→アキュムレー
タ7→圧縮機1の順に循環させ、室外側熱交換器6が凝
縮器、第二利用側熱交換器4が過冷却器、第一利用側熱
交換器3が蒸発器となるように運転する。
【0034】この場合、図3のモリエル線図において、
冷媒は、室外側熱交換器6でB3 点→B4点まで冷却さ
れたあと第二利用側熱交換器4に入ってB4点→B5点→
9点まで冷却されてB5点からB9点まで十分過冷却さ
れた状態になる。次に絞り装置5に入ってB9点→B10
点まで減圧・膨張されたあと第一利用側熱交換器3に入
りB10点→B8点まで吸熱・蒸発する。
【0035】この場合の冷房成績係数は、次式で表わさ
れる。
【0036】
【数3】
【0037】ここで(3)式の冷房成績係数を上述の(2)
式と比べると、(3)式のほうが、図3のモリエル線図に
おいてB7−B10 点間のエンタルピ差に相当する分だけ
冷房成績係数が増大し省エネルギとなる。(なお実際に
は、このほかに凝縮圧力の変化も生じ、過冷却域を大き
くすると凝縮圧力が低下する。)この第二利用側熱交換
器5を過冷却器とする運転制御方法は、例えば第二利用
側熱交換器4を床面に組み込んで使用する場合等では、
以下のように冷房時の快適性向上にも効果がある。
【0038】冷房運転状態において、人にとっての適切
な床面温度は、立ったり椅子にかけている場合で19〜
28℃位、座ったり寝転んだ場合では更に高くなること
も考えられる。ここで第一利用側熱交換器3を用いて気
流方式の冷房のみを行った場合には、冷気が下方に移動
して床面温度が低くなりすぎる場合がある。しかし第二
利用側熱交換器4を過冷却器として使うと、ここでの冷
媒温度は一定の飽和域から徐々に低下する過冷却域まで
変化し、平均温度を30℃前後にでき、さらに第二利用
側熱交換器4からの熱は室内と床下に放熱されるため
(各放熱割合は床の構造によって調整できる)、床面の
冷えすぎの無い快適な冷房状態を実現できる。
【0039】さらにまた二方弁15を開いたり閉じたり
制御して第二利用側熱交換器4を蒸発器としたり過冷却
器とすることにより床面付近を人間の活動状態にあわせ
て快適な(温度)状態に制御することができる。
【0040】従って、以上述べたように、冷房運転の場
合にも気流ユニットと床加熱のような輻射ユニットを複
合して使用することにより快適な状態を実現したりさら
には省エネルギをも図れる空気調和機とすることができ
る。
【0041】次に除湿運転の場合には、前述の冷房運転
における後半の説明の二方弁15を閉じた場合と同じ冷
媒流路とし、絞り装置5を十分に絞ることにより、第一
利用側熱交換器3を除湿するのに十分低温の蒸発器、第
二利用側熱交換器4を過冷却器として作用させる。また
第一利用側熱交換器3は、一般的に気流空調ユニットと
して使用し、その風量を大幅に絞る。
【0042】この場合のモリエル線図は図4のようにな
り、冷媒は、圧縮器1によりC1 点→C2 点のように高
温高圧ガスに圧縮された後、四方弁2をへて室外側熱交
換器6に入り、C3点→C4点のように凝縮する。つづい
て第二利用側熱交換器4に入り、C4点→C5点→C6
のように冷却されると同時に、この時の放熱量は室内の
加熱に使われる。次に絞り装置5でC6点→C7点のよう
に十分減圧・膨張した後、第一利用側熱交換器3でV7
点→C8点のように十分低温で蒸発し、室内の除湿を行
う。
【0043】以上の結果、第一利用側熱交換器3により
十分な除湿を行うと共に冷えすぎを第二利用側熱交換器
4で温めることにより、冷えすぎの無い快適な除湿運転
を行うことができる。
【0044】なお以上の図1のサイクル構成で、二方弁
15を介したバイパス配管16はこの位置に限らず、破
線で示してあるように、二方弁15′を介したバイパス
配管16′を、冷房運転時に冷媒が室外熱交換器6から
絞り装置5にバイパスできるように接続してもよい。こ
の場合には、図1の実線で示す二方弁15及びバイパス
配管16を設けたサイクル構成における暖房運転時の二
方弁15を開いて第二利用側熱交換器4をバイパスし第
一利用側熱交換器3に暖房能力を集中させる運転はでき
ないが、それ以外の運転状態は二方弁15′を二方弁1
5と同様に動作させることにより可能であり、同様の効
果を得ることができる。
【0045】また図5に図1の一点鎖線で示した二つの
部分18,19の他の実施例を示す。図5は、図1にお
いて、流路切換装置8と第二利用側熱交換器4結ぶを配
管13上におけるバイパス配管16の接続点Yあるいは
流路切換装置8と室外側熱交換器6を結ぶ配管17上に
おけるバイパス配管16′の接続点Y′の位置に三方弁
18を設け二方弁15あるいは15′を除いたサイクル
構成に相当し、三方弁18内の流れを実線または破線の
ように切り換えることにより、図1と同様のサイクル状
態及び効果を得ることができる。しかもこの場合には、
冷媒の流れを三方弁18内の実線あるいは破線のいずれ
か一方向に完全に切り換えることができる。
【0046】さらにまた、図1のサイクル構成で、暖房
運転時あるいは冷房運転時における二方弁15を開いて
第二利用側熱交換器4をバイパスし第一利用側熱交換器
3のみを使用する運転を行わない場合には、二方弁15
あるいは15′及びバイパス配管16あるいは16′が
不要となる。
【0047】次に図6は、本発明によるさらに他の実施
例であるサイクル構成を示す図であり、図1の実施例に
対してさらに暖房運転時の余分な冷媒を蓄えておく冷媒
タンクを設けたサイクル構成にしたものである。図6に
おいて、21は密閉容器の中に四方弁2と室外側熱交換
器6を結ぶ配管23を貫通させた構造の冷媒タンク、2
2は室外側熱交換器6と流路切換装置8を結ぶ配管17
と冷媒タンク21の側面を接続する配管である。
【0048】ここで図1における必要冷媒封入量を考え
る。もともと第二利用側熱交換器4のない標準的なヒー
トポンプサイクルでは、室外側熱交換器6の方が第一利
用側熱交換器3に比べて内容積が大きいため、冷房運転
時の方が暖房運転時より必要冷媒封入量が多い。さらに
図1では、代表的な暖房運転である二方弁15あるいは
15′を閉じて第一利用側熱交換器3と第二利用側熱交
換器4の両方を使用する複合暖房運転の場合、第二利用
側熱交換器4が飽和域から過冷却域の状態になるのに対
して、冷房運転時で二方弁15あるいは15′を開いて
第二利用側熱交換器4を使用せず第一利用側熱交換器3
のみを使用する通常の冷房運転では、不使用の第二利用
側熱交換器4全体が過冷却域の状態になる。この結果、
冷房運転時と暖房運転時との必要冷媒量の差はさらに大
きくなる。
【0049】しかし図6の実施例では、冷媒タンク21
により必要冷媒封入量の差を自動調節して、冷房運転,
暖房運転ともサイクル内の冷媒流状態を適切に保つこと
ができる。すなわち、まず冷媒を封入量の多い冷房運転
にあわせて適切に封入する。この状態で暖房運転を行う
と、冷媒が多すぎる状態では、配管23での冷媒流が液
もどり状態になり、室外側熱交換器6を流れるときの圧
力損失から、配管23での飽和温度が配管17での飽和
温度より低くなって、冷媒タンク21内に液冷媒が溜
る。また冷媒タンク21内に液冷媒が溜りすぎ、サイク
ル内を循環する冷媒量が不足すると、配管23内の冷媒
が過熱状態となり、冷媒タンク21内の液冷媒は加熱さ
れてサイクル内に戻される。この結果、冷媒タンク21
の作用により、冷房運転,暖房運転ともサイクル内を流
れる冷媒の分布状態を適正に保つことができる。
【0050】ここで図1において述べた、破線で示して
ある途中に二方弁15′を設けたバイパス配管16′の
作用と効果、及び一点鎖線で囲んだ二方弁で構成した部
分を図5の三方弁を使用した構成に変えたサイクル構成
は、図6の実施例でも適用できることはもちろんであ
る。
【0051】ところでこれまでに述べた図1,図5,図
6の実施例では、絞り装置5については特に説明しなか
ったが、絞り装置としては温度式膨張弁や電動式膨張弁
さらにはキャピラリーチューブ等、適当なものを選択す
ることができる。
【0052】さらにまた図1及び図6において、流路切
換装置8は4個の逆止弁を環状に接続して構成したが、
これに限るものではなく、逆止弁のかわりに二方弁を用
いたりあるいは逆止弁と二方弁を組み合わせて用いても
構成できる。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、主に空調時の暖房運
転,冷房運転及び除湿運転を行うヒートポンプサイクル
において、室内側に第一及び第二の二つの利用側熱交換
器を設けると共に、これら二つの利用側熱交換器と絞り
装置及び室外側熱交換器を4個の逆止弁からなる流路切
換装置を介して接続したサイクル構成とし、暖房,冷
房,除湿の各運転において、二つの利用側熱交換器を例
えば気流方式や輻射方式等の異なる方式の空調ユニット
にして各方式に対して適切な(異なる)温度レベルに設定
し、しかもこれらを単独あるいは複合して使用する。こ
の結果、気候や人間の種々の活動状態に応じて快適状態
を実現できると共に省エネルギを図る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】流路切換装置を介して二つの利用側熱交換器を
設け、これらの熱交換器の温度レベルを適切に設定でき
るようにした本発明の一実施例であるヒートポンプサイ
クルの系統図。
【図2】図1のヒートポンプサイクルにおける暖房運転
時のモリエル線図。
【図3】図1のヒートポンプサイクルにおける冷房運転
時のモリエル線図。
【図4】図1のヒートポンプサイクルにおける除湿運転
時のモリエル線図。
【図5】図1の実施例の一部を他の構成にした、本発明
による他の実施例を示す部分説明図。
【図6】図1において、さらに暖房運転時の余分な冷媒
量を貯めておく冷媒タンクを設けた、本発明によるさら
に他の実施例を示すヒートポンプサイクルの系統図。
【符号の説明】
1…圧縮機、2…四方弁、3…第一利用側熱交換器、4
…第二利用側熱交換器、5…絞り装置、6…室外側熱交
換器、8…流路切換装置、9,10,11,12…逆止
弁、15,15′…二方弁、16,16′…バイパス配
管、18…三方弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小暮 博志 栃木県下都賀郡大平町富田800番地 株式 会社日立製作所栃木工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも圧縮機,利用側熱交換器,絞り
    装置,室外側熱交換器等を接続して構成されたヒートポ
    ンプ式の空気調和機において、第一及び第二の利用側熱
    交換器を設け、前記利用側熱交換器と前記室外側熱交換
    器及び前記絞り装置を流路切換装置を介して接続し、少
    なくとも、暖房運転時には冷媒を前記第一利用側熱交換
    器,前記第二利用側熱交換器,前記絞り装置,前記室外
    側熱交換器の順に流すことが可能で、除湿運転時には前
    記冷媒を前記室外側熱交換器,前記第二利用側熱交換
    器,前記絞り装置,前記第一利用側熱交換器の順に流す
    ことが可能なサイクル構成にしたことを特徴とする空気
    調和機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100389272B1 (ko) * 2001-03-17 2003-06-27 진금수 히트 펌프식 냉·난방장치
WO2009079914A1 (fr) * 2007-12-24 2009-07-02 Xi'an University Of Architecture & Technology Dispositif de conversion du sens d'écoulement du réfrigérant et appareil l'utilisant

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100389272B1 (ko) * 2001-03-17 2003-06-27 진금수 히트 펌프식 냉·난방장치
WO2009079914A1 (fr) * 2007-12-24 2009-07-02 Xi'an University Of Architecture & Technology Dispositif de conversion du sens d'écoulement du réfrigérant et appareil l'utilisant

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