JPH05231350A - スクロ−ル型圧縮機 - Google Patents

スクロ−ル型圧縮機

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JPH05231350A
JPH05231350A JP3477092A JP3477092A JPH05231350A JP H05231350 A JPH05231350 A JP H05231350A JP 3477092 A JP3477092 A JP 3477092A JP 3477092 A JP3477092 A JP 3477092A JP H05231350 A JPH05231350 A JP H05231350A
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JP
Japan
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fixed
scroll
wrap
swivel
turning
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Application number
JP3477092A
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English (en)
Inventor
Satoru Oikawa
覚 及川
Toshiya Yajima
寿也 矢嶋
Toshitsune Inoue
年庸 井上
Akira Morishima
明 森嶋
Yutaka Sasahara
豊 笹原
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、固定ラップと旋回ラップとの間に
クリアラアンスが生じるのを防止したスクロ−ル型圧縮
機を提供することを目的とする。 【構成】 密閉ケ−ス1と、所定曲線に沿う曲面からな
る固定ラップを有し上記密閉ケ−ス内に設けられた固定
スクロ−ル14と、この固定スクロ−ルの固定ラップ1
6に噛合する旋回ラップ12を有し上記固定スクロ−ル
に対して旋回運動自在であるとともに固定スクロ−ルと
同じ材質の材料で作られた旋回スクロ−ル8とを具備
し、上記固定ラップの最外周に位置する巻き終り端部の
内周面あるいはこの端部内周面と対応する上記旋回ラッ
プの外周面の少なくともどちらか一方には、上記所定曲
線の曲面に対して所定寸法除去された逃げ部31が形成
されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はたとえば空気調和機の
冷凍サイクルなどに用いられる圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、冷房運転と暖房運転との切換
えが可能な空気調和機においては、圧縮機としてスクロ
−ル型圧縮機が用いられることがある。スクロ−ル型圧
縮機は周知のように密閉ケ−スを有し、この内部には固
定スクロ−ルと旋回スクロ−ルとがそれぞれのラップを
噛合させ、かつ上記旋回スクロ−ルが旋回運動自在に設
けられている。
【0003】このような構成のスクロ−ル型圧縮機にお
いては、固定スクロ−ルと旋回スクロ−ルとの熱膨張や
被圧縮流体の負荷による変形を考慮する必要がある。と
くに、上記各スクロ−ルの曲面がインボリュ−ト曲線に
基づく曲面である場合、高速運転時の軸負荷や振動を低
減するために上記旋回スクロ−ルをアルミニウムで形成
し、固定スクロ−ルを鋳物あるいはアルミニュウムで形
成するということが多く行われている。
【0004】上記固定スクロ−ルは密閉ケ−ス内に設け
られたフレ−ムに固定されるから、このフレ−ムとの熱
膨張率が一致しないと、上記固定スクロ−ルに応力が加
わり、その固定ラップが変形するということがあり、こ
のことはとくに固定スクロ−ルがアルミニウムで作られ
ている場合に影響が大きく、圧縮機の性能を大きく左右
することになる。
【0005】上記密閉ケ−ス内のフレ−ムに固定して設
けられた上記固定スクロ−ルは、その設置状態によって
被圧縮流体の吐出圧(高圧)が加わったり、吸込圧(低
圧)が加わったりするから、そのことによっても変形状
態が影響を受ける。上記旋回スクロ−ルの場合には、そ
の旋回ラップが吸込圧の影響を受けるのに対し、固定ス
クロ−ルの場合には、それが受ける圧力を選択すること
ができるものの、吐出圧が加わる状態に設置された場合
には変形に対する影響が大きくなる。
【0006】したがって、これら種々の条件を考慮に入
れて固定スクロ−ルと旋回スクロ−ルとを設計しなけれ
ば、各スクロ−ルのラップの変形によって圧縮機の性能
が大きく低下することになる。
【0007】図4に一般的なスクロ−ル型圧縮機を示
す。図中1は密閉ケ−スである。この密閉ケ−ス1内に
は、この内部空間を上部空間部1aと下部空間部1bと
に非気密状態で隔別するフレ−ム2が設けられている。
上記上部空間部1aには電動機3が設けられている。こ
の電動機3はステ−タ4と、このステ−タ4内に回転自
在に挿入されたロ−タ5、このロ−タ5に一体的に嵌着
された回転軸6とから形成されている。
【0008】上記回転軸6の下端部6aには、支持孔7
が上記回転軸6の回転中心に対して所定量、偏心して形
成されている。この回転軸6の下端部6aは上記フレ−
ム2の厚さ方向に貫通した支持孔2aに支持されてい
る。
【0009】上記フレ−ム2の下面側には旋回スクロ−
ル8が設けられている。この旋回スクロ−ル8は旋回鏡
板9と、この鏡板9の上面に設けられた支軸11および
下面に形成された旋回ラップ12とから形成されてい
て、上記支軸11は上記回転軸6の支持孔2aに回転自
在に挿入されている。上記旋回スクロ−ル8の旋回鏡板
9とフレ−ム2の下面との間にはオルダムリング13が
設けられている。上記旋回スクロ−ル8は、上記回転軸
6が回転駆動されると、上記オルダムリング13によっ
て回転が規制された状態で旋回運動するようになってい
る。
【0010】上記旋回スクロ−ル8には固定スクロ−ル
14が嵌め込まれている。つまり、固定スクロ−ル14
は固定鏡板15と、この上面に設けられた固定ラップ1
6とから形成されている。そして、この固定スクロ−ル
14は、その固定ラップ16を上記旋回ラップ12に噛
合させ、これらの間に圧縮空間Sを形成しているととも
に、上記固定ラップ16の最外周の上端に設けられたフ
ランジ17を上記フレ−ム2の下面にボルト18によっ
て接合固定されている。上記旋回ラップ12と固定ラッ
プ16とはたとえばインボリュ−ト曲線などの所定の曲
線に沿う曲面に形成されている。
【0011】上記支軸11には一端が各スクロ−ル8、
14の中心部における圧縮空間Sに連通するよう第1の
吐出孔19が穿設され、上記回転軸6には上記第1の吐
出孔19に連通する第2の吐出孔21が軸方向全長にわ
たって穿設されている。上記圧縮空間Sから吐出された
高圧流体は上部空間部1aの上部に区画された突出室1
cを通って密閉ケ−ス1の上面に接続された吐出管22
から流出する。また、図中23は上記圧縮空間Sへ被圧
縮流体を供給するための供給管である。
【0012】図5(a)は旋回スクロ−ル8が固定スク
ロ−ル14に対して同図における最も右側によった状態
(この状態を旋回角度0度とする)で、同図(b)は旋
回スクロ−ル8が固定スクロ−ル14に対して同図にお
ける最も左側によった状態(この状態を旋回角度180 度
とする)を示す。各スクロ−ル8、14のラップ12、
16に異常な変形などがなければ、これらラップは旋回
角度が0度および180度の状態において、X線方向に沿
う各ラップ12、16の内面と外面とがそれぞれ無理な
く接触した状態にある。
【0013】ところで、図6(a)、(b)は固定スク
ロ−ル14が鋳鉄製で、旋回スクロ−ル8がアルミニウ
ム系の合金で作られている場合の各ラップ16、12間
と鏡板15、9間のクリアランスを測定した結果を示
す。図6(a)は旋回スクロ−ル2の旋回角度が0度の
状態で、同図(b)は180 度の状態を示す。
【0014】その結果、旋回角度が0度のときには固定
ラップ16の最外周に位置する巻き終り端部16eの外
面と、その部分に対応する旋回ラップ12の内面とが必
要以上に強く当たり、その結果、ラップ12、16の他
の部分に6〜27ミクロンの隙間Cが発生することが確
認された。また、旋回スクロ−ル8と固定スクロ−ル1
4との材質が異なり、熱膨張率に差異があることで、こ
れらの変形状態に差が生じる。そのため、旋回鏡板9の
下面と固定ラップ16の上端との間に10〜19ミクロ
ンのクリアラアンスCが生じた。このようなクリアラン
スCの発生は旋回角度180 度のときも同様に発生した。
【0015】図7(a)、(b)は旋回スクロ−ル8と
固定スクロ−ル14とを、ともにアルミニウム系の合金
で形成した場合の旋回角度が0度と、180 度の場合のク
リアランスを測定した結果を示す。この場合、図7
(a)に示すように固定ラップ16の外周部分が径方向
内方へ向かって傾斜する状態に変形することで、図7
(a)に示す旋回角度が0度の場合には、固定ラップ1
6の最外周に位置する巻き終り端部16eの上部内面と
旋回ラップ12の基端部外面都が圧接することで、各ラ
ップ12、16間に最大12ミクロンのクリアランスC
が生じた。しかしながら、旋回鏡板8の下面と、固定ラ
ップ16の上端との間にクリアランスCが生じることは
なかった。ラップ12、16間にクリアランスが生じる
原因としては、固定スクロ−ル14がアルミニウム系の
合金であるのに対し、この固定スクロ−ル14が固定さ
れるフレ−ム2は通常、鋳鉄で作られるため、これらの
材質の違いによる熱膨脹率の差によって上記固定スクロ
−ル14に歪みが生じるためであると考えられる。
【0016】一方、図7(b)に示す旋回角度が180 度
の場合には、旋回鏡板8の下面と、固定ラップ16の上
端との間は勿論のこと、各ラップ12、16間にもクリ
アランスCが生じることがなかった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】以上のことから、固定
スクロ−ルと旋回スクロ−ルとを同じ材質の材料で作る
とともに、固定ラップの最外周に位置する巻き終り端部
が旋回角度が0度のときに旋回ラップに必要以上に強く
当たることがないようにすれば、各ラップ間にクリアラ
ンスが生じるのを防止できるとの結論を得ることができ
た。
【0018】したがって、この発明は、旋回角度が0度
のときであっても、各ラップ間にクリアランスが生じる
ことのないスクロ−ル型圧縮機を提供することを目的と
する。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に第1の発明は、密閉ケ−スと、所定曲線に沿う曲面か
らなる固定ラップを有し上記密閉ケ−ス内に設けられた
固定スクロ−ルと、この固定スクロ−ルの固定ラップに
噛合する旋回ラップを有し上記固定スクロ−ルに対して
旋回運動自在であるとともに固定スクロ−ルと同じ材質
の材料で作られた旋回スクロ−ルとを具備し、上記固定
ラップの最外周に位置する巻き終り端部の内周面あるい
はこの端部内周面と対応する上記旋回ラップの外周面の
少なくともどちらか一方には、上記所定曲線の曲面に対
して所定寸法除去された逃げ部が形成されていることを
特徴とする。
【0020】第2の発明は、密閉ケ−スと、この密閉ケ
−ス内に設けられたフレ−ムと、アルミニウム系の合金
によって固定鏡板と固定ラップとが一体成形されてなり
上記密閉ケ−ス内に設けられる固定スクロ−ルと、この
固定スクロ−ルと同じ材質の材料で一体成形された旋回
鏡板と旋回ラップとを有しこの旋回ラップを上記固定ラ
ップに噛合させて旋回運動自在に設けられた旋回スクロ
−ルと、上記各ラップとほぼ同じ高さ寸法に設定され一
端が上記固定鏡板に固定され他端が上記フレ−ムに固定
されて上記各ラップの外周側に設けられた上記フレ−ム
と同じ材質の材料からなるスペ−サとを具備したことを
特徴とする。
【0021】
【作用】第1の発明によれば、旋回角度が0度からほぼ
90度の範囲では、固定ラップの最外周に位置する巻き
終り端部の内周面あるいはこの端部内周面と対応する上
記旋回ラップの外周面の少なくともどちらか一方に形成
された逃げ部によって、上記固定ラップの巻き終り端部
が旋回スクロ−ルに必要以上に強く当たるのを防止でき
る。
【0022】上記第2の発明によれば、固定スクロ−ル
と旋回スクロ−ルとを同じ材質の材料によって形成し、
しかも固定スクロ−ルがフレ−ムと同じ材質の材料であ
ることにより、固定スクロ−ルと旋回スクロ−ルとの種
々の物理的条件に応じた変形量に大きな差が生じるのを
防止することで、各ラップ間のクリアランスの発生量を
少なくすることができる。
【0023】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図1乃至図2を
参照して説明する。従来の技術の項で説明した部分と同
一部分には同一記号を付して説明を省略する。
【0024】図1はこの発明の旋回スクロ−ル8と固定
スクロ−ル14との各ラップ12、16が噛合し、しか
も旋回スクロ−ル8の旋回角度が0度の状態を示す。上
記旋回スクロ−ル8と固定スクロ−ル14とは同じ材質
の材料である、たとえばアルミニウム系の合金によって
作られている。なお、上記固定スクロ−ル14が固定さ
れる図4に示すフレ−ム2は鉄系の材料による鋳造品で
ある。
【0025】上記固定スクロ−ル14のラップ16の最
外周に位置する巻き終り端部16eの内周面には図5
(a)にθで示す範囲、つまりラップ16の末端から時
計方向にほぼ90度の範囲にわたって逃げ部31が形成
されている。この逃げ部31はインボリュ−ト曲線に沿
って形成された上記固定ラップ16の曲面の一部を除去
することで形成されている。この実施例では、図2に鎖
線で示すように固定ラップ16の内面を上端から下端に
ゆくにしたがって幅寸法が次第に小さくなるよう、断面
がほぼ三角形状に除去することで上記逃げ部31が形成
されている。この逃げ部31の上端側の除去幅tはほぼ
12ミクロンとした。
【0026】このように、固定ラップ16に逃げ部31
を形成すれば、旋回スクロ−ル8の旋回角度が0度〜9
0度のときに、図7(a)にもとづいて説明したよう
に、フレ−ム2と固定スクロ−ル14との材質の違いに
よりこれらの熱膨張量が異なることで、上記固定スクロ
−ル14に歪みが生じても、上記逃げ部31によって固
定ラップ16の最外周に位置する巻き終り端部16eの
内周面に旋回ラップ12の外周面が必要以上に強く当た
るのを防止できる。それによって、固定ラップ16と旋
回ラップ12との間に、圧縮機の能力低下を招くような
大きなクリアランスが生じるのを防止することができ
る。
【0027】図3(a)、(b)はこの発明の他の実施
例を示す。この実施例は旋回スクロ−ル8aと固定スク
ロ−ル14aとが、ともにアルミニュウム系の合金によ
って形成されている。上記固定スクロ−ル14aの固定
鏡板15aは上記旋回スクロ−ル8aの旋回鏡板9aよ
りも大径に形成され、その周辺部、つまり各ラップ12
a、16aの外周には、その外周を覆う状態でリング状
のスペ−サ32の下端面が固定されている。このスペ−
サ32は上記フレ−ム2と同じ材料、この実施例では鉄
系の材料によって上記各ラップ12a、16aの高さ寸
法とほぼ同じ寸法に形成されていて、その上端面が上記
フレ−ム2の下面に接合固定されることになる。
【0028】このように、旋回スクロ−ル8aと固定ス
クロ−ル14aとを同じ材料で作れば、これらの熱膨張
率が同じであるから、その膨脹率の差によるクリアラン
スの発生を押さえることができる。また、固定スクロ−
ル14aをフレ−ム2と同じ材料で作られたスペ−サ3
2を介してフレ−ム2に取付けるようにしたことで、フ
レ−ム2と固定スクロ−ル14aとが材質の違いにより
熱膨張率が異なっても、その差による応力が上記スペ−
サ32を介して固定スクロ−ル14aの固定鏡板15a
に加わり、固定ラップ16aに直接的に加わることがな
い。そのため、上記固定ラップ16の変形量を少なくで
きるから、旋回ラップ12aとの間に生じるクリアラン
スを小さくすることができる。
【0029】実験によれば、図3(a)に示す旋回スク
ロ−ル8aの旋回角度が0度のときには、各ラップ12
a、16a間のクリアランスCは最大で5ミクロンであ
り、スペ−サ32の上端面と8aの旋回鏡板9aの下面
とのクリアランスCは4ミクロンであった。
【0030】図3(b)に示す旋回スクロ−ル8aの旋
回角度が180 度のときには、各ラップ12a、16a間
のクリアランスCは最大で4ミクロンであり、スペ−サ
32の上端面と旋回鏡板9aの下面とのクリアランスC
は4ミクロンであった。ただし、旋回角度が0度および
180 度のいずれの場合にも、固定ラップ16aの状態と
旋回鏡板9aの下面との間にクリアラアンスが生じるこ
とはなかった。
【0031】以上のことから、このような構成によれ
ば、従来に比べて固定ラップ16aと旋回ラップ12a
との間に生じるクリアランスを十分に小さくできること
が確認された。
【0032】なお、スペ−サ32の上端面と旋回鏡板9
aの下面とのクリアランスCは、各ラップ12a、16
aによって形成される圧縮空間Sの気密性を損なうもの
でないから、圧縮機の性能に影響を及ぼすことはない。
【0033】この発明は上記各実施例に限定されるもの
でなく、種々変形可能である。たとえば、上記実施例で
は圧縮機構が密閉ケ−スの下部に設けられる構成につい
て説明したが、上部に設けられるものであってもよい。
また、各ラップの曲面はインボリュ−ト曲線以外の曲
線、たとえばサイクロイド曲線などに沿う曲面としても
よく、その点はなんら限定されない。また、逃げ部は固
定ラップの内周面でなく、旋回ラップの外周面に形成す
るようにしてもよい。また、逃げ部はラップを成形する
ときに同時に形成してもよく、ラップを形成後、切削や
研磨加工によって形成するようにしてもよい。さらに、
逃げ部を形成する範囲は固定ラップの巻き終り端から9
0度に限られず、ほぼその範囲であれば同様の効果を得
ることができると考えられる。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように第1の発明は、固定ラ
ップの最外周に位置する巻き終り端部の内周面あるいは
この端部内周面と対応する上記旋回ラップの外周面の少
なくともどちらか一方に、上記各ラップを形成する所定
曲線の曲面に対して所定寸法除去することで逃げ部を形
成するようにした。
【0035】したがって、固定スクロ−ルと旋回スクロ
−ルとが受ける種々の物理的条件が異なることで、これ
らの変形量に差が生じても、固定ラップの巻き終り端部
に可動ラップが必要以上に強く当るのを防止できるか
ら、これらラップ間にクリアランスが生じて圧縮機の性
能低下を招くようなことがない。また、第2の発明は固
定スクロ−ルをフレ−ムと同じ材料で作られたスペ−サ
を介して上記フレ−ムに固定するようにした。
【0036】そのため、たとえば各スクロ−ルを熱間押
出し成形で容易に形成できるアルミニウム系の合金と
し、フレ−ムを鉄系の材料で作るような場合、上記スペ
−サによって上記固定スクロ−ルの固定ラップにフレ−
ムの変形が直接伝わるのを防止できるばかりか、フレ−
ムの熱膨張の影響が固定ラップに及ぶのを緩和すること
ができるから、各ラップ間に生じるクリアランスを小さ
くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の圧縮機構の部分を示す拡
大図。
【図2】同じく図1のA部の拡大図。
【図3】この発明の他の実施例を示し、(a)は圧縮機
構の旋回角度が0度の状態の拡大図、(b)は180 度の
状態の拡大図。
【図4】スクロ−ル型圧縮機の一般的な構成を示す断面
図。
【図5】同じく(a)は旋回スクロ−ルの旋回角度が0
度のときの説明図、(b)は180 度のときの説明図。
【図6】従来例を示し、(a)は旋回スクロ−ルの旋回
角度が0度のときの説明図、(b)は180 度のときの説
明図。
【図7】他の従来例を示し、(a)は旋回スクロ−ルの
旋回角度が0度のときの説明図、(b)は180 度のとき
の説明図。
【符号の説明】
1…密閉ケ−ス、8…旋回スクロ−ル、9…旋回鏡板、
12…旋回ラップ、14…固定スクロ−ル、15…固定
鏡板、16…固定ラップ、31…逃げ部、32…スペ−
サ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森嶋 明 静岡県富士市蓼原336番地 株式会社東芝 富士工場内 (72)発明者 笹原 豊 静岡県富士市蓼原336番地 株式会社東芝 富士工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉ケ−スと、所定曲線に沿う曲面から
    なる固定ラップを有し上記密閉ケ−ス内に設けられた固
    定スクロ−ルと、この固定スクロ−ルの固定ラップに噛
    合する旋回ラップを有し上記固定スクロ−ルに対して旋
    回運動自在であるとともに固定スクロ−ルと同じ材質の
    材料で作られた旋回スクロ−ルとを具備し、上記固定ラ
    ップの最外周に位置する巻き終り端部の内周面あるいは
    この端部内周面と対応する上記旋回ラップの外周面の少
    なくともどちらか一方には、上記所定曲線の曲面に対し
    て所定寸法除去された逃げ部が形成されていることを特
    徴とするスクロ−ル型圧縮機。
  2. 【請求項2】 密閉ケ−スと、この密閉ケ−ス内に設け
    られたフレ−ムと、アルミニウム系の合金によって固定
    鏡板と固定ラップとが一体成形されてなり上記密閉ケ−
    ス内に設けられる固定スクロ−ルと、この固定スクロ−
    ルと同じ材質の材料で一体成形された旋回鏡板と旋回ラ
    ップとを有しこの旋回ラップを上記固定ラップに噛合さ
    せて旋回運動自在に設けられた旋回スクロ−ルと、上記
    各ラップとほぼ同じ高さ寸法に設定され一端が上記固定
    鏡板に固定され他端が上記フレ−ムに固定されて上記各
    ラップの外周側に設けられた上記フレ−ムと同じ材質の
    材料からなるスペ−サとを具備したことを特徴とするス
    クロ−ル型圧縮機。
JP3477092A 1992-02-21 1992-02-21 スクロ−ル型圧縮機 Pending JPH05231350A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6776592B2 (en) 2002-08-05 2004-08-17 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Scroll type compressor
JP2012154233A (ja) * 2011-01-26 2012-08-16 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd スクロール式流体機械

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US6776592B2 (en) 2002-08-05 2004-08-17 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Scroll type compressor
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