JPH05230457A - 乾燥地用栽培土壌構造 - Google Patents

乾燥地用栽培土壌構造

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JPH05230457A
JPH05230457A JP3320474A JP32047491A JPH05230457A JP H05230457 A JPH05230457 A JP H05230457A JP 3320474 A JP3320474 A JP 3320474A JP 32047491 A JP32047491 A JP 32047491A JP H05230457 A JPH05230457 A JP H05230457A
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JP
Japan
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bag
soil
anion exchange
inorganic mineral
ability
Prior art date
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JP3320474A
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English (en)
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Kazuo Ran
一夫 蘭
Teruo Hiramatsu
輝夫 平松
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JFE Engineering Corp
Yamato Giken KK
Original Assignee
Yamato Giken KK
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】アニオン交換能を付与された不織布よりなる袋
1の内部に、塩基置換能力を有する多孔性無機鉱物と塩
基置換能力を有しアニオン交換能を付与された多孔性無
機鉱物を含む用土2が充填され、該袋1の周囲には保水
材が配置されてなる乾燥地用栽培土壌構造 【効果】塩濃度の高い乾燥地帯でも植物を生育させるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、砂漠地帯等の乾燥地に
おいて、植物を良好に生育させうる土壌構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】砂漠等の少雨地帯では、水量の不足に加
えて土壌の塩濃度が一般に高く、これらが植物の生育を
妨げている。砂漠等でポリアクリルアミド等の保水材を
使用して植物の生育を試みた例はあるがはかばかしい生
育結果は得られていない。
【0003】ところで、多孔性で塩基置換能力をもつ鉱
物質に、イオン交換基を既有するか導入容易なポリマー
あるいはモノマーの水溶状液を含浸させた後、これを乾
燥脱水して重合固結させて、イオン交換基を付与するこ
とを特徴とする多孔状吸脱着剤は既に開発されている
(特開昭60−106531号公報)。本発明者らは、この多孔
状吸脱着剤が土壌改良剤としてすぐれていることに着目
し、種々の改良研究を行なった(特公平2−15600号公
報、実公昭63−11144号公報、実公平2−28687号公報、
特開平1−256588号公報、特開平2−158627号公報、特
開平2−163009号公報など)。この土壌改良剤に、ポリ
アクリルアミド等の保水材を組合せることについても既
に報告している(特開平2−158686号公報、実開平2−
82747号公報など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】砂漠地帯の緑化は人類
が希望する永遠のテーマであり、これを解決することが
できれば大きな意義を有することはいうまでもない。
【0005】本発明は、このような課題に対処するべく
なされたものであり、砂漠のような少雨高塩濃度地帯で
植物を良好に生育させうる手段を提供することを目的と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、アニオン交
換能を付与された不織布(アニオン交換不織布)よりな
る袋の内部に、塩基置換能力を有する多孔性無機鉱物
(多孔性無機鉱物)と塩基置換能力を有しアニオン交換
能を付与された多孔性無機鉱物(多孔性アニオン交換鉱
物)を含む用土が充填され、該袋の周囲には保水材が配
置されてなる乾燥地用栽培土壌構造によって解決され
る。
【0007】不織布は、羊毛、木綿、ポリエステル、ナ
イロン、テトロン、アクリル、ポリプロピレン、レーヨ
ン、PAN、パラフェニレンイソフタルアミド、メタフ
ェニレンイソフタルアミド、グラスウール等の繊維製の
ものを好ましく用いることができる。イオン交換基は
中、弱塩基のものである。このイオン交換基の導入方法
は、イオン交換基を有する有機高分子の水溶液を前記繊
維の不織布に含浸させ、有機高分子を架橋反応させて硬
化することによって行なうことができる。例えば、エチ
レンジアミン、ペンタエチレンヘキサミン等の鎖状構造
の脂肪族ポリアミンを水で希釈してエピクロルヒドリン
を加え、50℃以下で緩慢に反応させると低重合度の水溶
性ポリマーが得られる。この液を不織布に含浸させて必
要によりさらにエピクロルヒドリンを加え放置あるいは
加熱すると架橋反応が進行し、水分が蒸発してアニオン
交換基を有する水に不溶性の被膜が不織布上に形成され
る。脂肪族アミンはその適当な誘導体を用いてもよく、
エピクロルヒドリンも同様のオキサイド開環反応基を有
する化合物や低分子エポキシ系化合物で代替することが
できる。
【0008】また、塩素化ポリオレフィン、塩素化ゴ
ム、エピクロルヒドリンゴムにアミン系のアニオン交換
基を導入したものであってもよい。その場合、上記ポリ
マーの低重合度のものを有機溶媒に溶かしておき、エピ
クロルヒドリンの水溶液に少量の乳化剤及びアミンなど
の反応物質とともに上記ポリマー溶液を添加混合して乳
化物をつくる。これを水で適当濃度に希釈して不織布に
含浸させ、放置あるいは加熱すると架橋反応が進行し、
水分が蒸発してアニオン交換基を有する水に不溶性の被
膜が不織布上に形成される。アクリル酸やメタアクリル
酸のモノマー及び非架橋低重合度ポリマーを利用するこ
ともできる。その場合、上記のモノマー又は低重合度ポ
リマーの水溶液に過酸化ベンゾイルなどの触媒とジビニ
ルベンゼンなどの架橋剤を加えてこれを不織布に含浸さ
せる。この不織布を放置あるいは加熱すると架橋反応が
進行し、水分が蒸発してカチオン交換基を有する水に不
溶性の被膜が不織布上に形成される。被膜の強度を増す
ためにアクリルゴムやアクリル系ポリマーを前記水溶液
に乳濁させておくことができる。不織布の厚みは0.2〜1
0mm程度でよい。
【0009】袋の形状は円筒状、角筒状等任意の形状を
とることができる。また、大きさは植物の種類等に応じ
て適当になるように定める。袋は、必要により2重等に
して使用することができる。
【0010】塩基置換能力を有する多孔性無機鉱物はバ
ーミキュライト、イソライト、ゼオライト、モンモリロ
ナイト、スラグウール等である。多孔性無機鉱物にアニ
オン交換能を付与する方法は前述の不織布と同様でよ
い。多孔性無機鉱物と多孔性アニオン交換鉱物はいずれ
も単一であってもよく、2種以上の混合物であってもよ
い。
【0011】用土は、多孔性無機鉱物と多孔性アニオン
交換体のみからなっていてもよいが、他の成分を含むこ
ともできる。他の成分としては、大地から採取した土壌
のほか、保水材、肥効分、酸素等を挙げることができ
る。保水材はピートモス、ポリアクリルアミド等であ
り、イソライトは保水材としても機能する。用土を構成
する各成分の配合割合としては、多孔性無機鉱物が0〜
50重量%程度、好ましくは0〜20重量%程度、多孔性ア
ニオン交換体が20〜90重量%程度、好ましくは50〜90重
量%程度、その他の成分が20重量%以下程度である。
【0012】この用土に植付ける植物は、目的に応じて
適宜選択することができ、例えば景観上であれば松等の
高木が適しており、又、面積を広く、早くという場合は
笹の様に根張りの早いものが良い。
【0013】植物を苗の状態で用土に植付ける際には、
苗を予めアニオン交換不織布よりなる小袋に用土として
多孔性アニオン交換鉱物が充填されているなかに植付け
るのがよい。この用土は、多孔性アニオン交換鉱物のみ
あるいはこれに少量の保水材、肥効成分、酵素等が含ま
れているものが好ましい。小袋の不織布の材質は前述と
同様であるが、植物の生育に伴って根が小袋を破って外
に出られるようにする必要があり、従って比較的強度が
弱く、厚さの薄いものが用いられる。小袋の開口部は
紐、ゴム紐等でゆるく結えて狭めておく。
【0014】一方、大きな袋の外側には保水材を配置す
る。保水材にはピートモス、ポリアクリルアミド、イソ
ライト等が使用されるが、ポリアクリルアミドが好まし
い。ポリアクリルアミドは、粉末状のほか繊維状のもの
もあるがそのいずれであってもよい。保水材は取扱い上
袋に入れて袋状体として使用するのがよい。袋は木綿、
麻等の天然繊維製、レーヨン、キュプラ等の再生繊維
製、アセテート、トリアセテート等の半合成繊維製ある
いはナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成
繊維製の不織布又は紙よりなるものが好ましい。材質自
体に充分な通気性及び透湿性を有するものであればその
ままシート状に形成したものであってもよい。このよう
な材質のものの例としてビニロン、ポリスチレン、ナイ
ロン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等を挙げることが
できる。織物、編物等の布であってもよいが、その場合
ポリアクリルアミド等の保水材が漏出しないよう目の細
かいものが好ましい。この袋状体はポリアクリルアミド
等の保水材が吸水して膨脹した状態を考慮した大きさの
ものとする。袋状体は伸縮性を有するものであってもよ
い。袋状体を埋め込む大きな袋の周囲は一般土壌であっ
てもよいが、塩濃度が高い場合には多孔性無機鉱物を周
囲に配置しておくのがよい。
【0015】
【作用】乾燥地帯は、一般に水溶性の塩を多量に含んで
おり、降雨の際にこれが流れ出し植物の生育を阻害す
る。本発明の土壌構造においては、アニオン交換不織布
がアニオンを吸着し、多孔性無機鉱物がカチオンを吸着
し、さらに多孔性アニオン交換鉱物がアニオンとカチオ
ンを吸着する。さらにこれらはアニオン、カチオンを反
発する能力も発揮することができ、これらの作用によっ
て植物を降雨によって流出した高濃度の塩から保護して
いる。上記のアニオン交換能を発揮するイオン交換基は
中、弱塩基性であり、塩基置換能力も弱酸性基によるも
のであるから、吸着されたカチオン及びアニオンは袋の
内側への降雨、あるいは撒水等によって容易に離脱され
る。その結果、塩害を継続的に阻止することが可能であ
る。一方、降雨と降雨の間は乾燥状態にある。袋の周囲
に配置された保水材が降雨の際の水を確保し、これを徐
々に放出して降雨と降雨の間植物に給水を続ける。
【0016】アニオン交換不織布の近傍では細根が出や
すい。多孔性アニオン交換鉱物が充填されたアニオン交
換不織布よりなる小袋に苗を植付けることにより、苗を
降雨の際の塩害から強力に保護するとともに、発根を促
進して活着及び生育を確実にしている。
【0017】
【実施例】
実施例1 ナイロン製不織布に、アミノ基を導入した厚さ2mmのア
ニオン交換不織布(和技研(株)製)を直径100cm、深さ1
00cmの円筒状袋1に加工した。
【0018】ゴルフ場の中の砂地にこの袋1より一廻り
大きな穴を堀った。20cm×50cmのポリプロピレン製合成
紙にポリアクリルアミド乾燥粉末300gを入れ、開口部を
ヒートシールした。この袋状体8を充分に水分を吸収さ
せた後、穴の底部に敷き詰め、周囲にある一般用土を軽
く掛けてからその中央部にこの袋1を入れた。バーミキ
ュライトにアミン基を導入したバーミキュライト系アニ
オン交換体(和技研(株)製)40%、バーミキュライト30
%及びイソライト30%よりなり、肥効分10g/l及び酵素
0.3g/lを含む用土2を袋1のなかに充填した。次いで袋
1の周囲の隙間に前記の袋状体8を充填し、袋状体8の
間には一般用土を充填した。ナイロン製不織布にアミノ
基を導入した厚さ0.2mmのアニオン交換不織布を直径20c
m、深さ30cmの円筒状小袋3に加工し、そのなかにバー
ミキュライト系アニオン交換体よりなり、肥効分10g/l
及び酵素0.3g/lを含む用土4を充填した。この用土4に
松の苗木5を植え、小袋3の開口部を緩くゴム紐6で結
えた。この小袋3を前記の用土2に埋めて植付けを完了
した。この状態を図1に示す。この状態で放置しておい
たところ松は枯れずに生育し、根は小袋3を破って図1
に点線で示すように張った。このようにして5株を植え
たところ全部が枯れないで順調に生育した。
【0019】一方、比較のために松の苗木5株をそのま
ま同じ土地に植えておいたところ1年後には2株が枯死
していた。
【0020】実施例2 ゴルフ場の中の砂地のところに実施例1と同形の穴を堀
り底に実施例1と同じ袋状体8を敷き詰めるとともに、
その間隙にゼオライトを敷き詰めた。次いで、袋1を2
重にしたほかは実施例1と同様にして松の苗木5を植え
た袋1を穴の中央に置き、周囲の隙間に袋状体8とゼオ
ライト7を充填した。こうして松の苗木5株を植えてお
いたところ全部が枯れないで順調に生育した。
【0021】一方、比較のために松の苗木5株をそのま
ま同じ土地に植えておいたところ1年後には2株が枯死
していた。
【0022】
【発明の効果】本発明により、塩濃度の高い乾燥地帯で
も植物を生育させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である土壌構造を示す断面図
である。
【図2】本発明の別の実施例である土壌構造を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 袋 2 用土 3 小袋 4 用土 5 苗木 6 ゴム紐 7 ゼオライト 8 袋状体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アニオン交換能を付与された不織布より
    なる袋の内部に、塩基置換能力を有する多孔性無機鉱物
    と塩基置換能力を有しアニオン交換能を付与された多孔
    性無機鉱物を含む用土が充填され、該袋の周囲には保水
    材が配置されてなる乾燥地用栽培土壌構造
  2. 【請求項2】 塩基置換能力を有しアニオン交換能を付
    与された多孔性無機鉱物が充填され、該無機鉱物に苗が
    植付けられた、アニオン交換能を付与された不織布より
    なる小袋が、前記用土に埋められている請求項1に記載
    の土壌構造
JP3320474A 1991-12-04 1991-12-04 乾燥地用栽培土壌構造 Pending JPH05230457A (ja)

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JP3320474A JPH05230457A (ja) 1991-12-04 1991-12-04 乾燥地用栽培土壌構造

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JP3320474A JPH05230457A (ja) 1991-12-04 1991-12-04 乾燥地用栽培土壌構造

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JP (1) JPH05230457A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009284872A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Sogo Sekkei Kenkyusho:Kk 土壌養分環境調節方法及びこれに使用する袋状資材と堆肥抽出溶液
KR100989569B1 (ko) * 2008-09-11 2010-10-25 황예진 생분해 식생 영양 부직포의 제조방법

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