JPH05229973A - 2,4−ジエチル−1,5−オクタンジオールの製法 - Google Patents
2,4−ジエチル−1,5−オクタンジオールの製法Info
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- JPH05229973A JPH05229973A JP4038124A JP3812492A JPH05229973A JP H05229973 A JPH05229973 A JP H05229973A JP 4038124 A JP4038124 A JP 4038124A JP 3812492 A JP3812492 A JP 3812492A JP H05229973 A JPH05229973 A JP H05229973A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 2,4−ジエチル−1,5−オクタンジオー
ルの製造。 【構成】 n−ブチルアルデヒドを5wt%の水酸化ナ
トリウム水溶液触媒下、85℃でアルドール縮合反応及
び脱水反応させた後、その反応油相から2−エチル−2
−ヘキセナールを蒸留分離して得られた高沸混合液を、
更に、水添触媒のNi・Cr触媒、100kg/cm2
Gの水素の存在下、150℃で水添反応させて後、得ら
れた2,4−ジエチル−1,5−オクタンジオール等を
含む水添液から、酪酸−3−ヒドロキシ−2−エチルヘ
キシルを軽沸成分として蒸留分離することにより、2,
4−ジエチル−1,5−オクタンジオールを製造。 【効果】 水添反応における2,4−ジエチル−1,5
−オクタンジオールの選択率は96.5%、水添液の蒸
留分離における2,4−ジエチル−1,5−オクタンジ
オールの物質収支は98.5%、熱分解による軽沸化ロ
スはない。
ルの製造。 【構成】 n−ブチルアルデヒドを5wt%の水酸化ナ
トリウム水溶液触媒下、85℃でアルドール縮合反応及
び脱水反応させた後、その反応油相から2−エチル−2
−ヘキセナールを蒸留分離して得られた高沸混合液を、
更に、水添触媒のNi・Cr触媒、100kg/cm2
Gの水素の存在下、150℃で水添反応させて後、得ら
れた2,4−ジエチル−1,5−オクタンジオール等を
含む水添液から、酪酸−3−ヒドロキシ−2−エチルヘ
キシルを軽沸成分として蒸留分離することにより、2,
4−ジエチル−1,5−オクタンジオールを製造。 【効果】 水添反応における2,4−ジエチル−1,5
−オクタンジオールの選択率は96.5%、水添液の蒸
留分離における2,4−ジエチル−1,5−オクタンジ
オールの物質収支は98.5%、熱分解による軽沸化ロ
スはない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、n−ブチルアルデヒド
を原料として、2,4−ジエチル−1,5−オクタンジ
オールを製造する方法に関するものである。
を原料として、2,4−ジエチル−1,5−オクタンジ
オールを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】2,4−ジエチル−1,5−オクタンジ
オールは、常温で液状であり、蒸気圧が極めて小さい特
性を持っているため、油剤,化粧品基剤等の用途に有用
である。しかし、2,4−ジエチル−1,5−オクタン
ジオールを工業的に製造する方法は未だ確立されていな
かった。従来、n−ブチルアルデヒドから2−エチルヘ
キサノールを製造する際の不純物として、5−ヒドロキ
シ−2,4−ジエチル−2−オクテナールが存在するこ
とは知られている。即ち、n−ブチルアルデヒドをアル
カリ水溶液触媒下でアルドール縮合反応及び脱水反応さ
せた反応液の油相には、主成分の2−エチル−2−ヘキ
セナールのほか、5−ヒドロキシ−2,4−ジエチル−
2−オクテナール等の高沸成分が含まれる。そして主成
分の−2−エチル−2−ヘキセナールは、上記反応油相
から蒸留分離により、不純物とし含まれる5−ヒドロキ
シ−2,4−ジエチル−1,5−オクタンジオール等を
除去して、2−エチルヘキサノールの原料とし、除去し
た不純物等は高沸液として抜出される。
オールは、常温で液状であり、蒸気圧が極めて小さい特
性を持っているため、油剤,化粧品基剤等の用途に有用
である。しかし、2,4−ジエチル−1,5−オクタン
ジオールを工業的に製造する方法は未だ確立されていな
かった。従来、n−ブチルアルデヒドから2−エチルヘ
キサノールを製造する際の不純物として、5−ヒドロキ
シ−2,4−ジエチル−2−オクテナールが存在するこ
とは知られている。即ち、n−ブチルアルデヒドをアル
カリ水溶液触媒下でアルドール縮合反応及び脱水反応さ
せた反応液の油相には、主成分の2−エチル−2−ヘキ
セナールのほか、5−ヒドロキシ−2,4−ジエチル−
2−オクテナール等の高沸成分が含まれる。そして主成
分の−2−エチル−2−ヘキセナールは、上記反応油相
から蒸留分離により、不純物とし含まれる5−ヒドロキ
シ−2,4−ジエチル−1,5−オクタンジオール等を
除去して、2−エチルヘキサノールの原料とし、除去し
た不純物等は高沸液として抜出される。
【0003】そこで本発明者は、上記のような従来のn
−ブチルアルデヒドの縮合脱水工程では不純物等として
抜出されているだけで未だあまり利用されていないかか
る高沸液から、更に5−ヒドロキシ−2,4−ジエチル
−2−オクテナールを蒸留分離し、これから各種誘導体
を製造することを狙い、その一環として、水添反応によ
り2,4−ジエチル−1,5−オクタンジオールを工業
的に製造することを検討した。
−ブチルアルデヒドの縮合脱水工程では不純物等として
抜出されているだけで未だあまり利用されていないかか
る高沸液から、更に5−ヒドロキシ−2,4−ジエチル
−2−オクテナールを蒸留分離し、これから各種誘導体
を製造することを狙い、その一環として、水添反応によ
り2,4−ジエチル−1,5−オクタンジオールを工業
的に製造することを検討した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
2−エチル−2−ヘキセナールを蒸留分離した後の縮合
脱水工程高沸液から、更に蒸留により、5−ヒドロキシ
−2,4−ジエチル−2−オクテナールを分離しようと
したところ、その純度が向上しないという不都合が生じ
たので、更に検討の結果、該高沸液中に5−ヒドロキシ
2,4−ジエチル−2−オクテナールに対し軽沸成分と
なる酪酸−3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルが含ま
れること、そしてそれらが蒸留分離しにくく、従って軽
沸留出液への5−ヒドロキシ−2,4−ジエチル−2−
オクテナールの混入ロスも多くなることが判明した。
2−エチル−2−ヘキセナールを蒸留分離した後の縮合
脱水工程高沸液から、更に蒸留により、5−ヒドロキシ
−2,4−ジエチル−2−オクテナールを分離しようと
したところ、その純度が向上しないという不都合が生じ
たので、更に検討の結果、該高沸液中に5−ヒドロキシ
2,4−ジエチル−2−オクテナールに対し軽沸成分と
なる酪酸−3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルが含ま
れること、そしてそれらが蒸留分離しにくく、従って軽
沸留出液への5−ヒドロキシ−2,4−ジエチル−2−
オクテナールの混入ロスも多くなることが判明した。
【0005】一方、蒸留塔塔底液中の5−ヒドロキシ−
2,4−ジエチル−2−オクテナールが熱分解するた
め、この蒸留分離工程での5−ヒドロキシ−2,4−ジ
エチル−2−オクテナールの回収率が著しく低く、これ
を分離し、これから各種誘導体、とりわけ水添反応させ
て2,4−ジエチル−1,5−オクタンジオールを得る
方法は、工業的生産方法としては、極めて経済性が悪い
という問題があった。本発明は、上記のような従来の課
題をすべて解決し得る、極めて経済性の高い新規な2,
4−ジエチル−1,5−オクタンジオールの工業的製法
の提供を目的とする。
2,4−ジエチル−2−オクテナールが熱分解するた
め、この蒸留分離工程での5−ヒドロキシ−2,4−ジ
エチル−2−オクテナールの回収率が著しく低く、これ
を分離し、これから各種誘導体、とりわけ水添反応させ
て2,4−ジエチル−1,5−オクタンジオールを得る
方法は、工業的生産方法としては、極めて経済性が悪い
という問題があった。本発明は、上記のような従来の課
題をすべて解決し得る、極めて経済性の高い新規な2,
4−ジエチル−1,5−オクタンジオールの工業的製法
の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる目的
を達成すべく鋭意検討を進めた結果、n−ブチルアルデ
ヒドの縮合脱水反応後の反応油相から2−エチル−2−
ヘキセナールを分離して得た高沸混合液を直接水添反応
させ、この反応液から2,4−ジエチル−1,5−オク
タンジオールを蒸留することにより、上述の従来の課題
はすべて解決され、高収率で2,4−ジエチル−1,5
−オクタンジオールが得られることを初めて見出し、本
発明に到達した。すなわち、本発明は、n−ブチルアル
デヒドをアルカリ水溶液触媒下でアルドール縮合反応及
び脱水反応させて後、その反応油相から2−エチル−2
−ヘキセナールを蒸留分離して得られた高沸混合液を、
更に水添触媒、水素の存在下で水添反応させて後、得ら
れた2,4−ジエチル−1,5−オクタンジオール等を
含む水添液から酪酸−3−ヒドロキシ−2−エチルヘキ
シルを軽沸成分として蒸留分離することにより、2,4
−ジエチル−1,5−オクタンジオールを高収率で得る
ことを特徴とする2,4−ジエチル−1,5−オクタン
ジオールの製法を要旨とするものである。
を達成すべく鋭意検討を進めた結果、n−ブチルアルデ
ヒドの縮合脱水反応後の反応油相から2−エチル−2−
ヘキセナールを分離して得た高沸混合液を直接水添反応
させ、この反応液から2,4−ジエチル−1,5−オク
タンジオールを蒸留することにより、上述の従来の課題
はすべて解決され、高収率で2,4−ジエチル−1,5
−オクタンジオールが得られることを初めて見出し、本
発明に到達した。すなわち、本発明は、n−ブチルアル
デヒドをアルカリ水溶液触媒下でアルドール縮合反応及
び脱水反応させて後、その反応油相から2−エチル−2
−ヘキセナールを蒸留分離して得られた高沸混合液を、
更に水添触媒、水素の存在下で水添反応させて後、得ら
れた2,4−ジエチル−1,5−オクタンジオール等を
含む水添液から酪酸−3−ヒドロキシ−2−エチルヘキ
シルを軽沸成分として蒸留分離することにより、2,4
−ジエチル−1,5−オクタンジオールを高収率で得る
ことを特徴とする2,4−ジエチル−1,5−オクタン
ジオールの製法を要旨とするものである。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。n−ブチ
ルアルデヒドのアルドール縮合反応及び脱水反応は、ア
ルカリ水溶液触媒を用いて行なう限り、特に制限はない
が、通常、触媒として水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等の強アルカリ化合物の1〜10wt%水溶液を、n
−ブチルアルデヒドに対して0.5〜2.0倍量用いて
撹拌混合させ、反応温度は60〜90℃に調整する。反
応時間は0.5〜1.0Hr程度である。次いで反応液
を静置し、上層に反応生成物を含む油相が、下層に触媒
水溶液が分液する。この油相中には主成分の2−エチル
−2−ヘキセナールのほか、酪酸−3−ヒドロキシ−2
−エチルヘキシル、5−ヒドロキシ−2,4−ジエチル
−2−オクテナール及びその他の微量成分が含まれる。
ルアルデヒドのアルドール縮合反応及び脱水反応は、ア
ルカリ水溶液触媒を用いて行なう限り、特に制限はない
が、通常、触媒として水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等の強アルカリ化合物の1〜10wt%水溶液を、n
−ブチルアルデヒドに対して0.5〜2.0倍量用いて
撹拌混合させ、反応温度は60〜90℃に調整する。反
応時間は0.5〜1.0Hr程度である。次いで反応液
を静置し、上層に反応生成物を含む油相が、下層に触媒
水溶液が分液する。この油相中には主成分の2−エチル
−2−ヘキセナールのほか、酪酸−3−ヒドロキシ−2
−エチルヘキシル、5−ヒドロキシ−2,4−ジエチル
−2−オクテナール及びその他の微量成分が含まれる。
【0008】上記縮合反応油相を蒸留処理することによ
って2−エチル−2−ヘキセナールを蒸留分離するが、
例えば減圧蒸留処理し、軽沸成分として2−エチル−2
−ヘキセナールを留出させ、酪酸−3−ヒドロキシ−2
−エチルヘキシル、5−ヒドロキシ−2,4−ジエチル
−2オクテナール及びその他の少量成分を塔底液として
分離させる。
って2−エチル−2−ヘキセナールを蒸留分離するが、
例えば減圧蒸留処理し、軽沸成分として2−エチル−2
−ヘキセナールを留出させ、酪酸−3−ヒドロキシ−2
−エチルヘキシル、5−ヒドロキシ−2,4−ジエチル
−2オクテナール及びその他の少量成分を塔底液として
分離させる。
【0009】更に2−エチル−2−ヘキセナールを分離
した高沸液を更に水添反応させるが、通常Ni触媒、N
i・Cr触媒等の水添触媒を3〜10wt%加え、水素
ガスを50〜100kg/cm2 Gに加圧し、反応温度
120〜180℃で3〜8時間撹拌混合して、水添反応
させる。反応後触媒を分離して、酪酸−3−ヒドロキシ
−2−エチルヘキシル、2,4−ジエチル−1,5−オ
クタンジオールおよびその他の少量成分を含む水添液を
得る。5−ヒドロキシ−2,4−ジエチル−2−オクテ
ナールの反応率は通常90〜100%程度、2,4−ジ
エチル−1,5−オクタンジオールの選択率は通常90
〜98%程度である。
した高沸液を更に水添反応させるが、通常Ni触媒、N
i・Cr触媒等の水添触媒を3〜10wt%加え、水素
ガスを50〜100kg/cm2 Gに加圧し、反応温度
120〜180℃で3〜8時間撹拌混合して、水添反応
させる。反応後触媒を分離して、酪酸−3−ヒドロキシ
−2−エチルヘキシル、2,4−ジエチル−1,5−オ
クタンジオールおよびその他の少量成分を含む水添液を
得る。5−ヒドロキシ−2,4−ジエチル−2−オクテ
ナールの反応率は通常90〜100%程度、2,4−ジ
エチル−1,5−オクタンジオールの選択率は通常90
〜98%程度である。
【0010】次に水添液を蒸留処理、例えば減圧蒸留処
理し、酪酸−3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルを軽
沸成分として留出させる。この場合、2,4−ジエチル
−1,5−オクタンジオールとの分離性は良好で留出液
への混入ロスは少ない。一方、蒸留塔塔底部での2,4
−ジエチル−1,5−オクタンジオールの熱分解はほと
んど無く、従って2,4−ジエチル−1,5−オクタン
ジオールの回収率は高い結果が得られる。2,4−ジエ
チル−1,5−オクタンジオール及びその他の少量成分
を含む塔底液は、再度減圧蒸留等により2,4−ジエチ
ル−1,5−オクタンジオールを留出させて精製するこ
とができる。この時も熱分解はほとんど無い。
理し、酪酸−3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルを軽
沸成分として留出させる。この場合、2,4−ジエチル
−1,5−オクタンジオールとの分離性は良好で留出液
への混入ロスは少ない。一方、蒸留塔塔底部での2,4
−ジエチル−1,5−オクタンジオールの熱分解はほと
んど無く、従って2,4−ジエチル−1,5−オクタン
ジオールの回収率は高い結果が得られる。2,4−ジエ
チル−1,5−オクタンジオール及びその他の少量成分
を含む塔底液は、再度減圧蒸留等により2,4−ジエチ
ル−1,5−オクタンジオールを留出させて精製するこ
とができる。この時も熱分解はほとんど無い。
【0011】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明は、その要旨を超えない限り以下の実
施例に制限されるものではない。
明するが、本発明は、その要旨を超えない限り以下の実
施例に制限されるものではない。
【0012】
【実施例1】 縮合脱水反応 撹拌機を取付けた2Lフラスコのオーバーフロー管に別
の撹拌機付き2Lフラスコを接続し、各々のオイルバス
にセットする。更に後側のフラスコのオーバーフロー管
に2重管式冷却器及び受器を接続する。前側のフラスコ
にn−ブチルアルデヒド及び5wt%水酸化ナトリウム
水溶液を定量ポンプで各々3.0L/Hrの流量で連続
的に供給し、各々のフラスコは撹拌混合し、オイルバス
により内液温度は85℃に調整した。各温度が安定して
から、更に3Hr後からの反応液を採取し油相を分液し
た。このアルドール縮合脱水反応液の組成は、未反応n
−ブチルアルデヒド;0.9wt%、2−エチル−2−
ヘキセナール;96.7wt%、酪酸−3−ヒドロキシ
−2−エチルヘキシル;0.4wt%、5−ヒドロキシ
−2,4−ジエチル−2−オクテナール;1.5wt
%、その他微量成分の合計;0.5wt%であった。
の撹拌機付き2Lフラスコを接続し、各々のオイルバス
にセットする。更に後側のフラスコのオーバーフロー管
に2重管式冷却器及び受器を接続する。前側のフラスコ
にn−ブチルアルデヒド及び5wt%水酸化ナトリウム
水溶液を定量ポンプで各々3.0L/Hrの流量で連続
的に供給し、各々のフラスコは撹拌混合し、オイルバス
により内液温度は85℃に調整した。各温度が安定して
から、更に3Hr後からの反応液を採取し油相を分液し
た。このアルドール縮合脱水反応液の組成は、未反応n
−ブチルアルデヒド;0.9wt%、2−エチル−2−
ヘキセナール;96.7wt%、酪酸−3−ヒドロキシ
−2−エチルヘキシル;0.4wt%、5−ヒドロキシ
−2,4−ジエチル−2−オクテナール;1.5wt
%、その他微量成分の合計;0.5wt%であった。
【0013】 2−エチル−2−ヘキセナールの蒸留
分離 次にオイルバスで加熱でき、液抜きポンプを取付けた1
Lフラスコをセットした20段オルダーショウ蒸留塔を
減圧系に接続する。圧力30mmHg、還流比2、塔底
液温度145〜150℃に調整したこの蒸留塔に縮合脱
水反応液の油相を連続供給する。各温度が安定してか
ら、留出液及び塔底抜出液を採取した。留出液中の酪酸
−3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシル及び5−ヒドロ
キシ−2,4−ジエチル−2−オクテナールの濃度は
0.1wt%以下であった。塔底抜出液の組成は、2−
エチル−2−ヘキセナール;3.0wt%、酪酸−3−
ヒドロキシ−2−エチルヘキシル;14.3wt%、5
−ヒドロキシ−2,4−ジエチル−2−オクテナール;
60.9wt%、その他の少量成分の合計;21.8w
t%であった。
分離 次にオイルバスで加熱でき、液抜きポンプを取付けた1
Lフラスコをセットした20段オルダーショウ蒸留塔を
減圧系に接続する。圧力30mmHg、還流比2、塔底
液温度145〜150℃に調整したこの蒸留塔に縮合脱
水反応液の油相を連続供給する。各温度が安定してか
ら、留出液及び塔底抜出液を採取した。留出液中の酪酸
−3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシル及び5−ヒドロ
キシ−2,4−ジエチル−2−オクテナールの濃度は
0.1wt%以下であった。塔底抜出液の組成は、2−
エチル−2−ヘキセナール;3.0wt%、酪酸−3−
ヒドロキシ−2−エチルヘキシル;14.3wt%、5
−ヒドロキシ−2,4−ジエチル−2−オクテナール;
60.9wt%、その他の少量成分の合計;21.8w
t%であった。
【0014】 水添反応 上記の2−エチル−2−ヘキセナールを分離した高沸液
3.4kg及びニッケル・クロム触媒300gを10L
オートクレーブに仕込み、水素圧力;100kg/cm
2 G、反応温度;150℃で5Hr水添反応させた。触
媒を除去した反応液の組成は、2−エチルヘキサノー
ル;3.1wt%、酪酸−3−ヒドロキシ−2−エチル
ヘキシル;13.4wt%、5−ヒドロキシ−2,4−
ジエチル−2−オクテナール;0.5wt%、2,4−
ジエチル−1,5−オクタンジオール;58.7wt
%、その他の少量成分の合計;24.3wt%であり、
5−ヒドロキシ−2,4−ジエチル−2−オクテナール
の反応率;99.1%、2,4−ジエチル−1,5−オ
クタンジオールの選択率;96.5%であった。
3.4kg及びニッケル・クロム触媒300gを10L
オートクレーブに仕込み、水素圧力;100kg/cm
2 G、反応温度;150℃で5Hr水添反応させた。触
媒を除去した反応液の組成は、2−エチルヘキサノー
ル;3.1wt%、酪酸−3−ヒドロキシ−2−エチル
ヘキシル;13.4wt%、5−ヒドロキシ−2,4−
ジエチル−2−オクテナール;0.5wt%、2,4−
ジエチル−1,5−オクタンジオール;58.7wt
%、その他の少量成分の合計;24.3wt%であり、
5−ヒドロキシ−2,4−ジエチル−2−オクテナール
の反応率;99.1%、2,4−ジエチル−1,5−オ
クタンジオールの選択率;96.5%であった。
【0015】 水添液の蒸留分離 上記の水添液1.4kgを20段オルダーショウ蒸留塔
の塔底2Lフラスコに仕込み、圧力;10mmHg、還
流比;3で回分蒸留し、酪酸−3−ヒドロキシ−2−エ
チルヘキシルを軽沸成分として留出させた。留出率40
%で塔底液中の酪酸−3−ヒドロキシ−2−エチルヘキ
シル濃度は1.2wt%、留出液への2,4−ジエチル
−1,5−オクタンジオール留出ロス率は28%であっ
た。なお蒸留全体の物質収支は99.4%、2,4−ジ
エチル−1,5−オクタンジオールの物質収支は98.
5%であった。従って熱分解による軽沸化ロスはほとん
ど無しと判断できる。軽沸成分を分離した塔底液を2L
フラスコで圧力10mmHgの単蒸留し、2,4−ジエ
チル−1,5−オクタンジオールを留出させ高沸成分を
除去した。この場合の蒸留全体の物質収支は99.5
%、2,4−ジエチル−1,5−オクタンジオールの物
質収支は98.8%で、熱分解ロスは問題ない。
の塔底2Lフラスコに仕込み、圧力;10mmHg、還
流比;3で回分蒸留し、酪酸−3−ヒドロキシ−2−エ
チルヘキシルを軽沸成分として留出させた。留出率40
%で塔底液中の酪酸−3−ヒドロキシ−2−エチルヘキ
シル濃度は1.2wt%、留出液への2,4−ジエチル
−1,5−オクタンジオール留出ロス率は28%であっ
た。なお蒸留全体の物質収支は99.4%、2,4−ジ
エチル−1,5−オクタンジオールの物質収支は98.
5%であった。従って熱分解による軽沸化ロスはほとん
ど無しと判断できる。軽沸成分を分離した塔底液を2L
フラスコで圧力10mmHgの単蒸留し、2,4−ジエ
チル−1,5−オクタンジオールを留出させ高沸成分を
除去した。この場合の蒸留全体の物質収支は99.5
%、2,4−ジエチル−1,5−オクタンジオールの物
質収支は98.8%で、熱分解ロスは問題ない。
【0016】
【比較例】実施例1で調製した2−エチル−2−ヘキセ
ナール分離蒸留塔底抜出液0.75kgを20段オルダ
ーショウ蒸留塔の塔底1Lフラスコに仕込み、圧力;1
0mmHg、還流比;3で回分蒸留し、酪酸−3−ヒド
ロキシ−2−エチルヘキシルを軽沸成分として留出させ
た。留出率48%で塔底液中の酪酸−3−ヒドロキシ−
2−エチルヘキシル濃度は3.5wt%、留出液への5
−ヒドロキシ−2,4−ジエチル−2−オクテナール留
出ロスは24%、5−ヒドロキシ−2,4−ジエチル−
2−オクテナールから熱分解して軽沸化したn−ブチル
アルデヒド及び2−エチル−2−ヘキセナールの留出ロ
スは、仕込5−ヒドロキシ−2,4−ジエチル−2−オ
クテナールに対して合計21%であった。従って、5−
ヒドロキシ−2,4−ジエチル−2−オクテナールの実
質的な留出ロスは、上記総計値の45%となる。蒸留全
体の物質収支は98.0%、5−ヒドロキシ−2,4−
ジエチル−2−オクテナールの物質収支は75%であっ
た。以上のことから、酪酸−3−ヒドロキシ−2−エチ
ルヘキシルと5−ヒドロキシ−2,4−ジエチル−2−
オクテナールとの分離度が悪いほか、5−ヒドロキシ−
2,4−ジエチル−2−オクテナールの熱分解ロスが多
いため、この蒸留分離工程での5−ヒドロキシ−2,4
−ジエチル−2−オクテナールの回収率は著しく低い。
ナール分離蒸留塔底抜出液0.75kgを20段オルダ
ーショウ蒸留塔の塔底1Lフラスコに仕込み、圧力;1
0mmHg、還流比;3で回分蒸留し、酪酸−3−ヒド
ロキシ−2−エチルヘキシルを軽沸成分として留出させ
た。留出率48%で塔底液中の酪酸−3−ヒドロキシ−
2−エチルヘキシル濃度は3.5wt%、留出液への5
−ヒドロキシ−2,4−ジエチル−2−オクテナール留
出ロスは24%、5−ヒドロキシ−2,4−ジエチル−
2−オクテナールから熱分解して軽沸化したn−ブチル
アルデヒド及び2−エチル−2−ヘキセナールの留出ロ
スは、仕込5−ヒドロキシ−2,4−ジエチル−2−オ
クテナールに対して合計21%であった。従って、5−
ヒドロキシ−2,4−ジエチル−2−オクテナールの実
質的な留出ロスは、上記総計値の45%となる。蒸留全
体の物質収支は98.0%、5−ヒドロキシ−2,4−
ジエチル−2−オクテナールの物質収支は75%であっ
た。以上のことから、酪酸−3−ヒドロキシ−2−エチ
ルヘキシルと5−ヒドロキシ−2,4−ジエチル−2−
オクテナールとの分離度が悪いほか、5−ヒドロキシ−
2,4−ジエチル−2−オクテナールの熱分解ロスが多
いため、この蒸留分離工程での5−ヒドロキシ−2,4
−ジエチル−2−オクテナールの回収率は著しく低い。
【0017】
【発明の効果】本発明の2,4−ジエチル−1,5−オ
クタンジオールの製法によれば、前述のような5−ヒド
ロキシ−2,4−ジエチル−2−オクテナールとの蒸留
ロスを削減しかつその熱分解ロスを防止できるため、
2,4−ジエチル−1,5−オクタンジオールの収率を
著しく向上させてその工業的生産方法の経済性を大幅に
向上させる、という工業的価値ある顕著な効果を奏する
ことができる。
クタンジオールの製法によれば、前述のような5−ヒド
ロキシ−2,4−ジエチル−2−オクテナールとの蒸留
ロスを削減しかつその熱分解ロスを防止できるため、
2,4−ジエチル−1,5−オクタンジオールの収率を
著しく向上させてその工業的生産方法の経済性を大幅に
向上させる、という工業的価値ある顕著な効果を奏する
ことができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 n−ブチルアルデヒドをアルカリ水溶液
触媒下でアルドール縮合反応及び脱水反応させて後、そ
の反応油相から2−エチル−2−ヘキセナールを蒸留分
離して得られた高沸混合液を、更に、水添触媒、水素の
存在下で水添反応させて後、得られた2,4−ジエチル
−1,5−オクタンジオール等を含む水添液から酪酸−
3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルを軽沸成分として
蒸留分離することにより、2,4−ジエチル−1,5−
オクタンジオールを高収率で得ることを特徴とする2,
4−ジエチル−1,5−オクタンジオールの製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4038124A JPH05229973A (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | 2,4−ジエチル−1,5−オクタンジオールの製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4038124A JPH05229973A (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | 2,4−ジエチル−1,5−オクタンジオールの製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05229973A true JPH05229973A (ja) | 1993-09-07 |
Family
ID=12516706
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4038124A Pending JPH05229973A (ja) | 1992-02-25 | 1992-02-25 | 2,4−ジエチル−1,5−オクタンジオールの製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05229973A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6878841B2 (en) * | 2000-02-02 | 2005-04-12 | Basf Coatings Ag | Diethyloctandioldicarbamates and diethyloctandioldiallophanates, method for the production and use thereof |
JP2010185026A (ja) * | 2009-02-13 | 2010-08-26 | Denki Kagaku Kogyo Kk | ポリビニルアセタール及び熱現像性感光材料 |
-
1992
- 1992-02-25 JP JP4038124A patent/JPH05229973A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6878841B2 (en) * | 2000-02-02 | 2005-04-12 | Basf Coatings Ag | Diethyloctandioldicarbamates and diethyloctandioldiallophanates, method for the production and use thereof |
JP2010185026A (ja) * | 2009-02-13 | 2010-08-26 | Denki Kagaku Kogyo Kk | ポリビニルアセタール及び熱現像性感光材料 |
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