JPH052295B2 - - Google Patents

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JPH052295B2
JPH052295B2 JP59051722A JP5172284A JPH052295B2 JP H052295 B2 JPH052295 B2 JP H052295B2 JP 59051722 A JP59051722 A JP 59051722A JP 5172284 A JP5172284 A JP 5172284A JP H052295 B2 JPH052295 B2 JP H052295B2
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frozen
aqueous solution
frozen dessert
ice
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Yoshinori Orihara
Hiroshi Asano
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Nitta Gelatin Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 この発明は、膜が付けられた、アイスクリー
ム、アイスミルク、ラクトアイス、シヤーベツ
ト、アイスキヤンデー等のアイスクリーム類、そ
の他の冷菓の製法に関する。
〔背景技術〕
前記のような膜付冷菓は、室外あるいは室内温
度では溶けるのが早いという問題があり、手持棒
付冷菓(バー製品)などでは、冷菓が溶けて流れ
落ちると手や衣服を汚すといつたようなことが起
こるので、溶けないうちに素早く(普通、数分以
内)食べる必要があるという問題がある。また、
冷菓は、舌や歯に直接触れると、その冷たさのせ
いで口あたりや風味が半減してしまうという問題
もある。
そこで、このような問題を解決するため、さら
には、冷菓の外観を高めるといつたような目的の
ため、冷菓をコーテイング剤で被覆することが行
われるようになつた。冷菓をコーテイング剤で覆
うようにすると、冷菓の溶けるのが遅くなり、手
持棒付冷菓などでは冷菓が溶けて流れ落ちるのが
防がれる。また、舌や歯に冷菓が直接触れるのが
コーテイング剤により防げられるので、冷菓の口
あたりや風味が損なわれなくなる。
コーテイング剤としては、寒天、カラギーナ
ン、ゼラチン、チヨコレート類、もち、マシユマ
ロ等が用いられており、被膜が設けられた冷菓の
種類は変化に富んだものとなつている。
しかしながら、寒天、カラギーナン、ゼラチン
等は加水分解を起こすので酸性のものは入れられ
ず、酸味を付けることができない。また、チヨコ
レート類等では味に変化をつけるというようなこ
とはほとんどできないというように、従来のコー
テイング剤は、自由に種々の味を付けるというこ
とができなかつた。
前記のようなコーテイング剤を用いて膜付冷菓
を製造する方法は、つぎのとおりである。コーテ
イング剤は、普通、室温では固化しているので、
温度を上げておいて流動性を持たせておく。つぎ
に、コーテイング剤に浸けることにより、冷菓の
表面にコーテイング剤を付着させる。このあと、
冷菓をコーテイング剤から抜き出し、または、浸
けたまま、コーテイング剤の温度を下げてこれを
固まらせる。そうすると膜付冷菓が得られる。
しかし、従来のコーテイング剤は、上にみたよ
うに、流動性を持たせておく必要上温度を高くし
て用いる必要がある。たとえば、寒天は40〜45℃
位、カラギーナンは30〜35℃位、ゼラチンは20℃
位でそれぞれ固化するので、流動性を持たせるに
は、このような温度以上に保つようにする必要が
ある。寒天、カラギーナン、ゼラチン等では、得
られる被膜に柔軟性を持たせるため、砂糖、水
飴、デキストリン等の固形分を45〜55重量%含ま
せることがあるが、このようにすると、水の割合
が減るのでいつそう固化温度が高くなる。もちや
マシユマロ等でも流動性を持たせておくには40℃
位以上に保つようにする必要がある。
冷菓は20℃以上のものを接触させると、接触時
間の長さに応じて程度は異なるが、溶けたり、組
織がこわれたり荒れたりするといつたようなヒー
トシヨツクを受ける。したがつて、従来の温度の
高いコーテイング剤は、冷菓を接触させると、冷
菓がヒートシヨツクを受け、コーテイング剤と接
触する部分が損なわれてしまうという恐れがあつ
た。温度の高いコーテイング剤に冷菓が長時間接
触するのを防ぐため、冷菓に付着させたあとコー
テイング剤を液体窒素で冷却する方法がとられる
ことがあるが、このようにすると設備費や製造費
が高いものとなり、製造時間も長いものとなる。
また、膜付冷菓の製造の都合上、使用する日の
前日よりコーテイング剤に流動性を持たせておく
ようにする必要が生じる場合がある。このような
場合には、30〜40℃程度の温度では大腸菌等が最
もよく繁殖するので、普通は60℃以上でコーテイ
ング剤を保存するようにしている。しかし、この
ような温度で保存するとコーテイング剤が物性劣
化を起こすことがある。
冷菓を被覆する別の方法として、つぎのような
方法もある。コーテイング剤の温度を上げておい
て流動性を持たせておき、コーテイング剤を冷凍
容器に入れる。つぎに、冷凍容器を冷却し、コー
テイング剤の周囲を固まらせて殻(シエル)をつ
くる。殻内の固まつていないコーテイング剤を除
いたあと、冷菓用ミツクス(冷凍製造用原材料の
混合調製物を冷却したもの)を殻内に充填する。
つぎに、冷菓用ミツクスを完全に凍結させ、冷凍
容器から取り出すと被膜の付いた冷菓が得られる
のである。たとえば、アイスクリームを寒天で被
覆する場合には、普通、寒天の温度を60℃位にし
て、これに流動性を持たせて冷凍容器に充填し、
寒天が40℃位となつたところで殻内のまだ固まつ
ていない寒天を除くようにする。そして、殻内に
は−2〜−3℃位のアイスクリームミツクスを入
れるようにするのである。
しかし、この方法でも、容器に入れる前にコー
テイング剤の温度を高くし、これに流動性を持た
せておかなければならない。そのため、殻ができ
ても殻の温度がなかなか下がらず、殻内に冷菓用
ミツクスを入れたとき、冷菓用ミツクスがヒート
シヨツクを受ける。たとえば、アイスクリームミ
ツクスを寒天で覆うようにする場合に、アイスク
リームミツクスは、組織が縮む、きめが荒くなり
シヤーベツト調になるといつたようなヒートシヨ
ツクを受ける。そこで、殻内のまだ固まつていな
いコーテイング剤を除いたあと、殻を充分冷却す
るようにすることが考えられる。しかしながら、
このようにすると、製造ラインが長くなる、製造
時間が長くかかるようになる、冷却のためのエネ
ルギーが必要となり、製造費用が高くなるといつ
たような問題が生じる。
また、使用する日の前日よりコーテイング剤に
流動性を持たせておくようにする必要が生じた場
合は、やはり、コーテイング剤が物性劣化を起こ
すことがあるという問題が生じる。
〔発明の目的〕
二つの発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、膜の味を種々自由に変えることのでき
る膜付冷菓と、冷菓にヒートシヨツクを与えるこ
となく被覆を行うことができ、しかも、製造時間
が短く、設備費や製造費も低くてすみ、前日仕込
みでも物性劣化が起る恐れが少ないようにして膜
付冷菓を製造することのできる膜付冷菓の製法を
提供することを目的としている。
〔発明の開示〕
前記のような目的を達成するため、この発明は
内面に低メトキシルペクチンを含む造膜水溶液の
凍結膜を形成させた冷凍容器に冷菓用ミツクスを
入れてこれを凍結させたのち、凍結膜を溶解させ
て造膜水溶液膜付冷菓本体を冷凍容器から取り出
し、これにカルシウム塩水溶液を接触させて造膜
水溶液膜をゲル化させるようにする膜付冷菓の製
法をその要旨としている。以下に、この発明を詳
しく説明する。
ここで、こ発明において、造膜水溶液中に含ま
せて造膜剤として用いる低メトキシルペクチン
(以下「LMペクチン」と記す。LMはLow
Methoxylの略)は食品分野において古くから利
用されており、増粘安定剤、ゲル化剤、酸性乳用
安定剤等として一般に用いられている。また、
LMペクチンは、冷菓への応用として、アイスク
リーム、アイスミルク、ラクトアイス、シヤーベ
ツト、アイスキヤンデーなどの増粘安定剤として
特に好ましく用いられている。このようなことは
公知の技術として知られている。しかし、冷菓の
被覆にLMペクチンを用いるのは、発明者らによ
りはじめて見出されたものである。
LMペクチンは、エステル化度50%以下のもの
であつて、果実や野菜類に多量に含まれているプ
ロトペクチンを加水分解により抽出、精製した食
品用規格品または医療用規格品等を用いるとよ
い。このLMペクチンは、2価の金属イオンであ
るカルシウムイオン等の働きによつてゲル化する
が、高メトキシル(High Methoxyl)ペクチン
はカルシウムイオン等の働きだけではゲル化しな
い。
LMペクチン自身はほとんど無味無臭であり、
また、寒天、カラギーナン、ゼラチン等のように
酸性のものを入れても加水分解を起こさないの
で、クエン酸等の酸を加えて酸味を付けることが
できる。そのため、アイスクリーム、アイスミル
ク、ラクトアイス、シヤーベツト、アイスキヤン
デーなどのアイスクリーム類、その他からなる冷
菓本体をLMペクチンで被覆するようにすると、
膜付冷菓の被膜の味を種々自由に変えることがで
きるようになるのである。たとえば、ソーセージ
味、カレー味とか従来のコーテイング剤にはなか
つた味をつけることもできる。また、LMペクチ
ンゲルの被膜は、冷菓の、まろやかさ、口あた
り、風味、香り等を一層改良されたものとするこ
とができる。しかも、チヨコレートや氷等からな
る被膜のように、噛んだ時、噛んだ部分以外にも
ひびがはいつて、被膜がはがれ落ちるといつたよ
うなことが起こらず、噛んだ部分だけが割れて他
の部分にひびがはいらない。
この発明にかかる膜付冷菓の製法は、たとえ
ば、第1図に示されている製造装置を使用して実
施される。図にみるように、この装置は、氷結缶
等の冷凍容器1を多数備えた無端ベルト状のコン
ベア2および、引き抜き手段3を多数備えた無端
ベルト状のコンベア4を持ち、コンベア4はコン
ベア2の前端(図では左端)上方に配置されてい
る。コンベア2の間には、前にブライン(冷却
液)槽5、後に温水槽6がそれぞれ配置されてお
り、コンベア2の上方には後から順に、造膜水溶
液供給用ホツパ7、造膜水溶液吸い取り手段8、
冷菓用ミツクス供給用ホツパ9、バーさし機10
がそれぞれ配置されている。コンベア4の下方に
はカルシウム塩水溶液槽11が配置されており、
槽6と11は上下動するようになつている。
この発明で用いる造膜水溶液(ゼリー液)は、
造膜剤としてのLMペクチンおよび必要に応じて
用いられるその他の原材料に水を加え、加熱溶解
させる等して、水溶液にしたものである。LMペ
クチン以外の必要に応じて用いられる原材料とし
ては、フルーツ冷菓等をコーテイングする場合等
では、酸味をつけるため、果汁、クエン酸その他
の果汁に含まれている様々な種類の酸等が加えら
れ、ゲル化物に粘弾性を与えて口当たりを良く
し、ポロツとくずれる感じをなくするため、ロー
カストビーンガム、グアガム、キサンタンガムそ
の他の多糖類が加えられる。また、上白糖、グラ
ニユ糖、ブドウ糖、ソルビトール、還元糖、転化
糖その他の糖分、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、
乳酸その他の有機酸から選ばれたPH調製剤、人工
甘味料、香料、着色料(色素)等も被覆する冷菓
本体の種類等に応じて適量加えられる。造膜水溶
液中のLMペクチンの濃度は0.5〜3重量%とする
のが好ましく、1〜2重量%とするのがより好ま
しい。
造膜水溶液(LMペクチン)のゲル化(ゼリー
化)状態は、LMペクチンの濃度、糖分量、PH
値、塩類の含有量およびゲル化のために用いるカ
ルシウム塩水溶液の濃度等によつて決定され、被
膜(ゲル化物、ゼリー)の厚みおよびゼリー強度
は、これらの条件を変えることによつて調整する
ことができる。
被膜の厚みを薄くする場合は、エステル化度25
〜35%のLMペクチンを用いてこれの濃度を1.5〜
2.5重量%とし、糖分の濃度を10〜20重量%とし、
有機酸の濃度を0.2〜0.5重量%としてPHを3.3〜
3.5とするとよい。また、被膜の厚みを厚くする
場合は、エステル化度20〜25%のLMペクチンを
用いてこれの濃度を1.0〜1.5重量%とし、糖分の
濃度を45〜55%とし、有機酸の濃度を0.05〜0.3
重量%としてPHを3.5〜4.0とするとよい。
冷菓用ミツクスの種類は特に限定されない。乳
固形分、糖、酸および果汁等の冷菓用原材料のう
ちから必要なものを選んで混合、調整等を行うこ
とによりつくられるもの、たとえば、アイスクリ
ーム、アイスミルク、ラクトアイス、シヤーベツ
ト、アイスキヤンデーなどのアイスクリーム類、
その他の冷菓を製造するのに用いるミツクスがあ
げられる。カルシウム塩水溶液は、乳酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、クエン
酸カルシウム等の水溶性カルシウム塩を水に溶か
したものが用いられる。カルシウム塩の濃度は、
造膜水溶液の配合やカルシウム塩の種類等によつ
て異なるが、0.5〜8.0重量%が好ましく、1.0〜
3.0重量%がより好ましい。
前記のような装置および材料を使用し、たとえ
ば、つぎのようにして膜付冷菓をつくる。第1図
を用いて説明する。まず、コンベア2および4を
それぞれ矢印方向に回転させ、冷凍容器1および
引き抜き手段3をそれぞれ循環させておく。ホツ
パ7により、好ましくは15℃以下に調整した造膜
水溶液12をつぎつぎと送られてくる冷凍容器1
に供給する。つぎに、冷凍容器1を槽5中のブラ
イン13に浸け、造膜水溶液12の周囲部分を所
望の厚みだけ凍らせて殻を得る。冷凍容器の冷却
は、−30〜−35℃位のブラインに浸して行うよう
にするとよい。冷凍容器1内の未凍結の造膜水溶
液12を吸出し手段8により除く。そうすると、
冷凍容器1の内面に所望の厚みの被膜が殻状に付
着しているので、ホツパ9によりこの殻内に冷凍
用ミツクス14を供給する。このあと、冷菓用ミ
ツクス14を冷却しつつ、バーさし機10により
冷菓用ミツクス14内にバー15を挿入する。冷
菓用ミツクス14を完全に凍結させると、造膜水
溶液からなる被膜(殻)が形成された冷菓本体1
6を得る。冷菓本体16が入つた冷凍容器1を槽
5から引き上げ、つぎに、槽6内の温水17に浸
して形がくずれない程度に殻を溶かす。引き抜き
手段3によりバー15をつかんで冷凍容器1から
冷菓本体16を抜き出す。冷凍本体が入つた冷凍
容器を40〜50℃程度の温水が出るシヤワーを備え
たホツトゾーンに通す等して、殻を溶かすように
してもよい。このとき、殻の表面だけが溶けてい
る状態でも、次の工程において殻の内側部分まで
カルシウム塩水溶液が浸透するようになるので、
必ずしも殻の内側部分まで溶かすようにする必要
はない。つぎに、冷菓本体16を槽11内のカル
シウム塩水溶液18に浸けて被膜(殻)をゲル化
させる。その場合、カルシウム塩水溶液の温度は
0〜+30℃以下とするのが好ましく、+5〜+15
℃とするのがより好ましい。そうすると造膜水溶
液のゲル化物でコーテイングされた覆付冷菓が得
られるのである。
この製法によれば、殻の温度が低い状態で殻内
に冷菓用ミツクスを充填するので、冷菓用ミツク
スはヒートシヨツクを受けない。また、冷菓用ミ
ツクスがヒートシヨツクを受けないようにするた
め、冷菓用ミツクスを充填する前に殻を冷却する
といつたようなことを行う必要も全くない。この
製法は、厚い膜を冷菓に設けるようにする場合に
特に適しており、この方法によれば、ゲル化被膜
の厚みの調整を簡単に行うことができる。
前記のように、この発明にかかる膜付冷菓の製
法により膜付冷菓を製造することとすれば、冷菓
用ミツクスとこれに接触させる造膜水溶液からな
る被膜との温度差を小さくしたり、なくしたりす
ることができるので、冷菓あるいは冷菓ミツクス
の被膜との接触部分がヒートシヨツクにより損わ
れないようにすることができる。また、ヒートシ
ヨツクを防ぐため、造膜水溶液からなる被膜を冷
却するといつたようなことをしなくてもよいよう
にすることができるので、製造時間が短くてす
み、設備費や製造費が低くてすむようにすること
もできる。すでに述べたように、冷菓に設けるゲ
ル化被膜の厚みは、造膜水溶液中のLMペクチン
のエステル化度や濃度等の調整により、普通は
0.5〜7mm程度の範囲で任意に調節することがで
き、冷菓の種類に応じて被膜の厚みを変えるとい
つたようなことができるので、非常に便利であ
る。造膜水溶液は、カルシウム塩水溶液と接触す
ると直ちにゲル化し、そのうえ、造膜水溶液やカ
ルシウム塩水溶液の温度が低いと造膜水溶液のゲ
ル化がいつそうはやくなつて早く固まる。そのた
め、得られた膜付冷菓を直ちに包装することがで
き、いつそう製造時間が短いものとすることがで
きる。従来被覆用に用いられているコーテイング
剤は固まる温度が高いので、製造ラインにトラブ
ルがあつてコーテイング剤を高い温度に保つこと
ができなくなつた場合、コーテイング剤はゲル化
等して固まるため、使用することができなくなる
が、この発明で用いる造膜水溶液は、カルシウム
塩水溶液と接触させない限り、ゲル化して固まら
ないので、そのようなことは起こらない。また、
使用する日の前日に造膜水溶液を準備する必要が
ある場合であつても、温度30℃以下に保つように
しておけば、大腸菌等の繁殖を防ぐことができ、
しかも、水溶液の物性劣化が起こる恐れが少なく
てすむようにすることもできる。さらに、造膜水
溶液を無味無臭とし、0.5mm位の厚みのゲル化被
膜を冷菓に設けるようにすると、食感等の変化を
冷菓に与えることなく、冷菓に対するヒートシヨ
ツクを防止するといつたようなことが可能であ
る。
つぎに、この発明の実施例について説明する。
実施例 1 脱脂加糖練乳500g、脱脂粉乳250g、上白糖
400g、水飴250g、精製やし油(mp32℃)325
g、乳化安定剤25gおよび水3250gをよく混合
し、70℃で30分の加熱の後、香料および着色料を
入れ、110Kg/cm2の条件で乳化し、撹拌しながら
+5℃まで冷却し4Kgのラクトアイス液状ミツク
スを得た。原材料の配合割合を以下に示す。ただ
し、「%」は「重量%」のことである。
脱脂加糖練乳 10.0% 脱脂粉乳 5.0% 上白糖 8.0% 水 飴(D.E.=46、Brix85°) 5.0% 精製やし油(m.p.=32℃) 6.5% 乳化剤 0.2% 安定剤 0.3% 水 65.0% 香 料 適量 着色料 適量 容器に乳酸カルシウム40gを取り、水を入れて
全量2Kgとした。よく撹拌し、乳酸カルシウムが
溶解したところで+5℃まで冷却し、乳酸カルシ
ウム水溶液2Kgを得た。別の容器にLMペクチン
40gおよび上白糖300gを取り、よく粉体混合し、
水1660gを加えて90℃で加熱溶解した。その後+
5℃まで冷却し、香料および着色料を入れた。こ
うして、2Kgの味付け(フレバーリング)された
造膜水溶液(LMペクチン溶液)を得た。
前記のようにして得られた造膜水溶液を氷結缶
が満量となるように入れた。つぎに、氷結缶を−
30℃のブラインに浸け、造膜水溶液の周囲が凍つ
て厚みが約5mm位になつたところで、まだ凍つて
いない造膜水溶液を吸い取つた。その結果、5mm
程度の厚みで底付き円筒形の殻が氷結缶の内側に
得られた。このあと、前記のようにしてつくつた
ラクトアイス液状ミツクス2Kgを取り、フリーザ
ーに入れて70%のオーバーランを確認した。確認
後、−3℃で取り出し、殻に充填した。つぎに、
ラクトアイス液状ミツクスが半凍結となつている
状態で棒をさし込み、完全凍結させた。氷結缶を
温水に浸けて暖め、ラクトアイスを氷結缶から抜
き出すと、5mmの厚みの被膜でコーテイングされ
た棒付きラクトアイスが得られた。前記のように
して得られた乳酸カルシウム水溶液にラクトアイ
スを数秒間浸け、被膜をゲル化させ硬化させた。
そうすると、厚いゲル化被膜で覆われた棒付きラ
クトアイスが得られた。
実施例1で得られた被膜付ラクトアイスは、被
膜のないラクトアイスに比べ、耐ヒートシヨツク
性が強いものとなつていた。また食感的にも好ま
しいものであつた。
実施例 2 異性化糖液糖200g、上白糖190g、安定剤5g
および水605gをよく混合し、85℃まで加温して
固形分を溶解させた。つぎに、香料、着色料を加
え、−2℃まで冷却し、さらにかき氷1Kgを加え
てよくまぜ、2Kgのミゾレミツクスを得た。
ミゾレミツクスの原材料の割合をつぎに示す。
異性化糖液糖(Brix75℃) 10.0% 上白糖 9.5% 安定剤 0.25% 水 30.25% 香 料 適量 着色料 適量 かき氷 50.0% 実施例1と同じようにしてつくつた造膜水溶液
を氷結缶に満量となるまで充填した。つぎに、氷
結缶を−30℃のブラインに浸け、造膜水溶液の周
囲が約1mmの厚みだけ凍つたところでまだ凍つて
いない造膜水溶液を吸い取つた。得られた殻に前
記のようにして得られたミゾレミツクスを入れ、
半凍結状態にした。この状態で棒を差し込んだあ
と完全に凍結させた。氷結缶を温水に浸けてミゾ
レミツクスを抜き取り、実施例1と同じようにし
てつくつた乳酸カルシウム水溶液に数秒間浸け、
被膜(殻)をゲル化させた。そうすると、ゲル化
被膜でコーテイングされた棒付きミゾレが得られ
た。これは、現在市販されている氷でコーテイン
グされた棒付きミゾレよりも耐ヒートシヨツク性
が優れ、噛んでも市販のもののように被膜にクラ
ツクが生じないので、中のミゾレがこぼれ落ちる
といつたようなことが起こらなかつた。
〔発明の効果〕
この発明にかかる膜付冷菓の製法は、内面に低
メトキシルペクチンを含む造膜水溶液の凍結膜を
形成させた冷凍容器に冷菓用ミツクスを入れてこ
れを凍結させたのち、凍結膜を溶解させて造膜水
溶液膜付冷菓本体を冷凍容器から取り出し、これ
にカルシウム塩水溶液を接触させて造膜水溶液膜
をゲル化させるようにするので、冷菓ヒートシヨ
ツクを与えることなくコーテイングを行うことが
でき、しかも、製造時間が短く、設備費や製造費
も低くてすみ、前日仕込みでも物性劣化が起る恐
れが少ないようにして膜付冷菓を製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明にかかる膜付冷菓の製法の
1例で用いられる製造装置の概略説明図である。 1……冷凍容器、8……造膜水溶液吸い取り手
段、12……造膜水溶液、13……ブライン、1
4……冷菓用ミツクス、16……造膜水溶液膜付
冷菓本体、17……温水、18……カルシウム塩
水溶液、19……膜付冷菓。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 内面に低メトキシルペクチンを含む造膜水溶
    液の凍結膜を形成させた冷凍容器に冷菓用ミツク
    スを入れてこれを凍結させたのち、凍結膜を溶解
    させて造膜水溶液膜付冷菓本体を冷凍容器から取
    り出し、これにカルシウム塩水溶液を接触させて
    造膜水溶液膜をゲル化させるようにする膜付冷菓
    の製法。 2 冷菓用ミツクスが、アイスクリーム、アイス
    ミルク、ラクトアイス、シヤーベツト、アイスキ
    ヤンデーなどのアイスクリーム類のミツクスであ
    る特許請求の範囲第1項記載の膜付冷菓の製法。 3 造膜水溶液中の低メトキシルペクチンの濃度
    が0.5〜3重量%である特許請求の範囲第1項ま
    たは第2項記載の膜付冷菓の製法。 4 カルシウム塩水溶液のカルシウム塩の濃度が
    0.5〜8重量%である特許請求の範囲第1項から
    第3項までのいずれかに記載の膜付冷菓の製法。 5 カルシウム塩水溶液の温度を0〜+30℃とす
    る特許請求の範囲第1項から第4項までのいずれ
    かに記載の膜付冷菓の製法。
JP59051722A 1984-03-16 1984-03-16 膜付冷菓の製法 Granted JPS60196153A (ja)

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JP59051722A JPS60196153A (ja) 1984-03-16 1984-03-16 膜付冷菓の製法

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JP59051722A JPS60196153A (ja) 1984-03-16 1984-03-16 膜付冷菓の製法

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Publication Number Publication Date
JPS60196153A JPS60196153A (ja) 1985-10-04
JPH052295B2 true JPH052295B2 (ja) 1993-01-12

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ID=12894776

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JPS55108251A (en) * 1979-02-13 1980-08-20 Unilever Nv Ice confectionery and method

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