JPH05228663A - レーザー光によるアルミニウム合金の貫通溶接方法 - Google Patents

レーザー光によるアルミニウム合金の貫通溶接方法

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JPH05228663A
JPH05228663A JP4046031A JP4603192A JPH05228663A JP H05228663 A JPH05228663 A JP H05228663A JP 4046031 A JP4046031 A JP 4046031A JP 4603192 A JP4603192 A JP 4603192A JP H05228663 A JPH05228663 A JP H05228663A
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JP
Japan
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welding
welded
aluminum alloy
backing material
laser light
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Application number
JP4046031A
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English (en)
Inventor
Takeshi Yamamoto
剛 山本
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶接欠陥の発生を抑える。溶接条件の適正範
囲を広げ、健全な継手を安定して得る。 【構成】 アルミニウム合金からなる被溶接材1,1を
レーザー光2により貫通溶接する際に、被溶接部の裏側
に裏当て材6を設置する。裏当て材6は、トータル合金
元素量が5wt%以下で、且つ、Mg+Zn<0.5wt
%のアルミニウムとし、被溶接材1,1から50μm以
上離す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム合金を使
用する自動車、鉄道車両、航空機、建造物等の組立や、
アルミニウム合金板の製造ラインでの板接合等に用いる
レーザー光によるアルミニウム合金の貫通溶接方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、鉄道車両等の製造におい
ては、車体の軽量化のために、アルミニウム合金の導入
が進められている。これに伴って、アルミニウム合金の
溶接方法の開発も各所で進められ、最近の研究では、レ
ーザー光による貫通溶接が、アルミニウム合金の有効な
溶接手段になり得ることが明らかになってきた。
【0003】レーザー光による貫通溶接は、熱変形が小
さく、急冷凝固による偏析の少ない溶接部を得ることが
でき、鉄鋼材料、特に、薄板の突き合わせ溶接には、既
に広く用いられている。鉄鋼材料の突き合わせ溶接の場
合は、開先形状の精度、突き合わせの精度さえ確保され
ていれば、レーザー光によるキーホール形成が安定的に
起こり、キーホール側壁から熱が規則的に溶融金属へ伝
わってゆくために、極めて安定した溶け込みが得られ
る。従って、レーザー出力、溶接速度に関しての適正条
件範囲は広い。しかし、アルミニウム合金の場合は、レ
ーザー光の反射率が高いことから、これまでは溶接が困
難とされていたが、発振器の高出力化や集光光学系の改
良等により、この点は克服されつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レーザ
ー光によるアルミニウム合金の貫通溶接が可能になった
といっても、溶融金属の粘性が低いため、入熱量が大き
いと、溶け落ちビードになり、溶接部の曲げ強度を著し
く低下させる。入熱量を小さくすると、レーザー光の著
しい反射が起こって直ちに溶融が不安定となり、裏ビー
ドの途切れが生じ、これも曲げ強度の低下の原因にな
る。そのため、適正条件範囲は極めて狭く、信頼性の高
い健全な溶接継手を安定に得ることは非常に困難であっ
た。この難点を解消するために、低沸点の合金元素を除
去した純アルミニウム等のインサート材を溶接部に介在
させる技術は、特開平2−307691号公報に開示さ
れているが、インサート材の介在による溶接部の強度低
下は避け得ない。
【0005】本発明の目的は、アルミニウム合金同士を
直接溶接し、しかも、健全な溶接継手を安定に得ること
ができるレーザー光によるアルミニウム合金の貫通溶接
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】アルミニウム合金のレー
ザー溶接では、前述したように、入熱量が大きいと、溶
け落ちビードが生じ、入熱量が小さい場合は、溶融不均
一による裏ビードの途切れが生じるが、本発明者は、溶
融不均一による裏ビードの途切れも、実は溶け落ちが原
因であり、溶け落ちが防止できれば、適正条件範囲が飛
躍的に広がり、健全な溶接継手を安定に得ることができ
るとして、検討を進めた。その結果、裏当て材による溶
け落ち防止が、安定溶接の有効な手段になり得ることを
知見した。
【0007】図1は裏ビードの途切れが生じるプロセス
を示す模式図であり、1は被溶接材、2はレーザー光、
3は溶融金属である。溶融金属3の溶け落ちが始まる
と、キーホール内の蒸気圧、溶融金属の表面張力のバラ
ンスが崩れてキーホールの閉塞が起き、一時的に溶け込
みが浅くなり、この繰り返しにより裏ビードの途切れが
生じる。また、裏ビード4が途切れた部分の間では、ビ
ード表面にアンダーカットが生じ、突出した裏ビード4
にブローホール5が生じる。
【0008】そこで、図2に示すように、被溶接材1,
1の下に若干の間隔をあけて裏当て材6を敷いて溶接を
行ったところ、全く同じレーザー出力、溶接速度の場合
も、連続した裏ビード4が得られ、ビード表面の部分的
なアンダーカットや裏ビード4の突出も起こらなかっ
た。7はスペーサである。裏ビードの途切れやアンダー
カットといった溶接欠陥は、従来は、溶接のエネルギー
密度があるレベルに達すると、アルミニウム合金のレー
ザー光吸収率が急激に上昇するため、エネルギー密度を
増していくと、浅溶け込み領域から直ちに溶け落ち領域
へ移行することが原因と考えられた。しかし、裏当て材
6が裏ビード4の安定形成に有効なことから、その原因
は、溶接のエネルギービーム密度の不適当ではなく、溶
け落ちによる不安定なビード形成であることがわかる。
また、裏当て材6の使用により、ブローホールの減少、
穴あき防止の効果も得られる。
【0009】そして、裏当て材に絞って研究を続けたと
ころ、次のことが明らかになった。
【0010】レーザー光による貫通溶接は、キーホール
を形成するので、僅かながらもそのキーホールを貫通し
て裏側へレーザー光が出るのを避け得ない。そのため、
裏当て材は、レーザー光の照射およびアルミニウム合金
の溶融金属との溶接により、高温に加熱されるので、再
利用および継手品質を考慮すると、レーザー光の反射
率が高いこと、熱伝導性が良いこと、アルミニウム
合金に混入しても有害な金属間化合物を生成しないこと
が望まれ、からはアルミニウムが適当される。ま
た、に関しては、Mg,Znといった低融点金属元素
を多く含むもの、アルミニウムの分率が低いものほど、
レーザー光を吸収しやすいことが分かった。更に、被溶
接材に裏当て材を密着させると、図3に示すように、裏
当て材6が被溶接材1,1の溶接部に溶着され、その剥
離が困難になることも分かった。
【0011】本発明はかかる知見に基づきなされたもの
で、アルミニウム合金からなる被溶接材をレーザー光に
より貫通溶接する際に、被溶接部の裏側に、トータル合
金元素量が5wt%以下で、且つ、Mg+Zn<0.5w
t%のアルミニウムからなる裏当て材を、被溶接材から
50μm以上離して設置することを特徴とするレーザー
光によるアルミニウム合金の貫通溶接方法を要旨とす
る。
【0012】
【作用】本発明の溶接方法が対象とするアルミニウム合
金は、例えば、JISの1000系,2000系,30
00系,5000系,6000系などの構造用や装飾用
のアルミニウム合金であり、特に、その板材(厚み0.2
〜5mm)を好適とする。
【0013】裏当て材を構成するアルミニウム中のトー
タル合金元素量を5wt%以下とし、且つ、Mg+Zn
<0.5wt%としたのは、キーホールを貫通して裏側へ
照射されるレーザー光の裏当て材への吸収を防いで、そ
の溶融を阻止するためであり、これらの条件が満たされ
ないと、裏当て材が溶接部に溶着する。また、溶着に至
らなくても、被溶接材の溶融金属に裏当て材から金属間
化合物形成元素が混入するおそれが生じる。このような
アルミニウムとしては、例えば、JIS1100などの
純Al系の規格材などを用いることができる。また、裏
当て材と被溶接材の間隔を50μm以上としたのも、裏
当て材の溶着を防止するためである。この間隔の上限に
ついては、溶落ち防止を効果的に行うこと、及び溶接の
際の拘束のし易さから、概ね被溶接材の板厚の3割以下
にすることが望ましい。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。
【0015】表1に示す3種類の市販アルミニウム合金
板A1〜A3を、レーザー光による貫通溶接で突き合わ
せ溶接するにあたり、表2に示す10種の裏当て材B1
〜B10を使用した。溶接には、5kwの炭酸ガスレー
ザー発振器と、GaAs製光学系(焦点距離127m
m)を用いた。溶接条件を表3に示す。比較のために、
裏当て材を使用しない溶接も行った。溶接を裏ビードの
途切れの有無、溶け落ちの有無、アンダーカットの有
無、裏当て材の溶着の有無について評価した結果を表4
に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】
【表4】
【0020】裏当て材を使用しない場合(No. 1,3,
5)は、裏ビードの途切れ、溶け落ち、アンダーカット
といった溶接欠陥が生じた。裏当て材を使用しても、そ
の組成が不適当な場合(No. 9,10,12,13,1
6,17)および被溶接材に裏当て材が密着された場合
(No. 17)は、溶接欠陥は生じないものの、裏当て材
の溶着が生じた。しかるに、適切な組成の裏当て材を被
溶接材から離して設置した場合(No. 2,4,6,7,
8,11,14,15,18)は、溶接欠陥も裏当て材
の溶着も生じなかった。
【0021】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のレーザー光によるアルミニウム合金の貫通溶接方法
は、インサート材を使用せずにアルミニウム合金を直接
溶接するにもかかわらず、溶接欠陥の発生を抑える。従
って、インサート材の使用による溶接継手の強度低下が
なく、また、適正溶接条件範囲が広がることから、信頼
性の高い健全な溶接継手が安定して得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】裏ビードの途切れが生じるプロセスを示す模式
図である。
【図2】裏当て材を使用した場合の溶接を示す模式図で
ある。
【図3】裏当て材の使用法が不適切な場合の溶接を示す
模式図である。
【符号の説明】
1 被溶接材 2 レーザー光 3 溶融金属 4 裏ビード 5 ブローホール 6 裏当て材 7 スペーサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金からなる被溶接材をレ
    ーザー光により貫通溶接する際に、被溶接部の裏側に、
    トータル合金元素量が5wt%以下で、且つ、Mg+Z
    n<0.5wt%のアルミニウムからなる裏当て材を、被
    溶接材から50μm以上離して設置することを特徴とす
    るレーザー光によるアルミニウム合金の貫通溶接方法。
JP4046031A 1992-01-31 1992-01-31 レーザー光によるアルミニウム合金の貫通溶接方法 Pending JPH05228663A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7022939B2 (en) 2002-10-31 2006-04-04 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Through weld for aluminum or aluminum alloy base metals by using high-density energy beams
JP2009154185A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Tokyu Car Corp レーザ溶接方法
JP2009154186A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Tokyu Car Corp レーザ溶接方法
FR2954720A1 (fr) * 2009-12-24 2011-07-01 Commissariat Energie Atomique Procede et dispositif de soudage laser et faisceau d'electrons en penetration totale
CN111843250A (zh) * 2020-08-03 2020-10-30 齐齐哈尔金车工业有限责任公司 一种用于合金激光成形连接的背保护装置及制作工艺方法

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