JPH0522671Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は歯車変速機のニユートラル位置検出装
置に関し、特にシフトレバーのシフト方向への移
動により変速機のニユートラル位置を検出するよ
うにしたものに関する。

（従来の技術） 従来、歯車変速機のニユートラル位置検出装置
として、例えば実開昭48−6723号公報に開示され
るように、複数のシフトロツドを並列に配置し、
該シフトロツドをトランスミツシヨンケースに軸
方向に移動可能に支持するとともに、シフトロツ
ドおよびトランスミツシヨンケースに、変速機が
ニユートラル位置にあるときに互いに連通するよ
うシフトロツドの軸直交方向に貫通するピン挿入
孔を形成し、該ピン挿入孔に複数のインターロツ
クピンを直列に挿入して、該インターロツクピン
のピン挿入孔での移動により、いずれかのシフト
位置へのシフト時にはシフトロツドの軸方向へ移
動を可能としながらニユートラル位置ではシフト
ロツドをロツクできるようにする一方、最端にあ
るインターロツクピンの端部に対向してニユート
ラルスイツチを設け、インターロツクピンの移動
に応じたニユートラルスイツチの作動によりニユ
ートラル位置を検出するようにして、単一のニユ
ートラルスイツチでもつてニユートラル位置の検
出を可能としたものが知られている。

（考案が解決しようとする課題） ところが、上記従来のものでは、ピン挿入孔に
複数のインターロツクピンが直列に挿入される構
造であるので、変速機の組付け時にはピン挿入孔
が互いに連通するようにシフトロツドをトランス
ミツシヨンケースに支持させたのちに各インター
ロツクピンをピン挿入孔に順次挿入していく必要
があり、変速機の組付け作業性が良くないという
問題がある。

そこで、シフトレバーの動きによりニユートラ
ル位置を検出することが考えられる。すなわち、
トランスミツシヨンケースにニユートラルスイツ
チを設け、シフトレバーのシフト方向への移動に
よるニユートラルスイツチの作動によつてニユー
トラル位置を検出するようにして、変速機の組付
け作業性を良くすることである。

しかし、この場合、ニユートラル位置において
シフトレバーのセレクト方向への振らつきを規制
するための規制部材が経年変化等によりその機能
を発揮できないようになつた場合、シフトレバー
がニユートラル位置にあるにも拘らずセレクト方
向への自由な動きにより必ずしもニユートラルス
イツチに対峙する位置になくニユートラル位置を
確実に検出することができないという問題が生じ
る。

本考案はかかる点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、シフトレバーのセ
レクト方向への動きを許容しつつシフト方向への
動きに追随して動くプレート部材を設け、このプ
レート部材の動きによりニユートラル位置を検出
するようにして、変速機の構造を簡単なものにし
ながら、単一のニユートラルスイツチにより上記
規制部材の作動に関係なくニユートラル位置を確
実に検出することにある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本考案の解決手段
は、第１図〜第３図に示すように、シフトレバー
１３のシフト方向への操作により変速機のシフト
位置を変えるようにした歯車変速機を前提とす
る。そして、上記シフトレバー１３のセレクト方
向の動きを許容する長穴１８を有するプレート部
材１７を設けるとともに、該プレート部材１７を
上記シフト方向に動けるように支持する案内部１
９を設ける。さらに、上記プレート部材１７に、
上記シフトレバー１３のシフト方向への操作時に
該プレート部材１７の移動によつて変位する当接
部２０を設け、ニユートラル位置にあるときの上
記プレート部材１７の当接部２０の変位により作
動されてニユートラル位置を検出するニユートラ
ルスイツチ２２を設ける構成としたものである。

（作用） 上記の構成により、本考案では、シフトレバー
１３の操作により変速機がいずれかのシフト位置
からニユートラル位置へ移行すると、プレート部
材１７が案内部１９に支持されながらシフトレバ
ー１３に追随してシフト方向に動き、このプレー
ト部材１７の移動によつて当接部２０が変位して
ニユートラルスイツチ２２が作動し、ニユートラ
ル位置が検出される。

その場合、１つのプレート部材１７の移動によ
りニユートラル位置を検出するので、ニユートラ
ルスイツチ２２が単一で済む。しかも、上記プレ
ート部材１７にシフトレバー１３のセレクト方向
の動きを許容する長穴１８が設けられているの
で、シフトレバー１３のセレクト方向への振らつ
きを規制するための規制部材が経年変化等により
その機能を発揮できないようになつてもニユート
ラル位置を確実に検出することができる。

また、プレート部材１７の動きによりニユート
ラル位置を検出するものであるので、構造が簡単
になり、変速機の組付け作業性が向上する。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図〜第３図は本考案の第１実施例に係るニ
ユートラル位置検出装置を備えた歯車変速機を示
す。１はトランスミツシヨンケース上に取付けら
れたシフトロツドケースであつて、該シフトロツ
ドケース１には歯車の位置を変えるための第１〜
第３のシフトロツド２〜４が並列に配置され、そ
れぞれ該シフトロツドケース１に回転自在にかつ
軸方向へ移動できるように支持されている。該各
シフトロツド２〜４には歯車をその軸方向に押し
てスライドさせるシフトフオーク（図示せず）が
それぞれ取付けられている。また、第１〜第３シ
フトロツド２〜４の前端（第１図の右端）にはシ
フトレバー１３下端の動きを各シフトロツド２〜
４に伝達するシフトエンド９〜１１が設けられて
いる。該各シフトエンド９〜１１にはシフトレバ
ー１３の下端が嵌入される嵌入穴９ａ〜１１ａが
形成されており、該嵌入穴９ａ〜１１ａはトラン
スミツシヨンがニユートラル位置にあるときにシ
フトレバー１３のセレクト操作を許容するように
互いに連通するように形成されている。よつて、
シフトレバー１３の操作により、第１シフトロツ
ド２を前方にスライドすると１速にシフトされ、
後方にスライドすると２速にシフトされ、また第
２シフトロツド３を前方にスライドすると３速に
シフトされ、後方にスライドすると４速にシフト
され、また第３シフトロツド４を前方にスライド
すると５速にシフトされ、後方にスライドすると
後段にシフトされるようになされている。尚、第
１図において、１４はスプリング１５により各シ
フトロツド２〜４に押圧された位置決め用のボー
ル、１２ａ〜１２ｃは各シフトロツド２〜４がそ
れぞれ前方位置、ニユートラル位置、後方位置に
あるときに上記ボール１４が嵌入する位置決め用
の穴である。また、１６はシフトロツドケース１
に取付けられたラバーブーツであつて、ニユート
ラル位置においてシフトレバー１３のセレクト方
向への振らつきを規制するようにしている。

また、上記シフトロツドケース１の内部におい
てシフトエンド９〜１１の上方にはプレート部材
１７が、ニユートラル位置にあるシフトレバー１
３と直交する方向に配設されている。該プレート
部材１７にはシフトロツド２〜４の軸直交方向
（シフトレバー１３のセレクト方向）に長い長穴
１８が形成され、該長穴１８にシフトレバー１３
が貫通されており、シフトレバー１３のセレクト
方向の動きを許容するようにしている。さらに、
該プレート部材１７はシフトロツドケース１に支
持されている。すなわち、該プレート部材１７の
シフトロツド軸直交方向の一端は回動自在になる
ようにシフトロツドケース１にボルトで取付けら
れており、プレート部材１７をシフトロツドのシ
フト方向に動けるように支持する案内部１９に形
成されている。さらに、上記プレート部材１７の
シフトロツド軸直交方向の他端にはＵ字状に凹嵌
した当接部２０が形成されている。

また、上記シフトロツドケース１には、変速機
がニユートラル位置にあるときのプレート部材１
７の上記当接部２０に対峙するようにニユートラ
ルスイツチ２２が配設されている。該ニユートラ
ルスイツチ２２は、接点を有するスイツチ部２２
ａと、該スイツチ部２２ａに嵌挿され、該スイツ
チ部２２ａへの嵌入部に接点をオフし、該スイツ
チ部２２ａからの脱出時に接点をオンするピン部
２２ｂと、該ピン部２２ｂをプレート部材１７に
向つて付勢するスプリング（図示せず）とを備え
ており、変速機がいずれかのシフト位置にあると
きには、シフトレバー１３の動きに追随してプレ
ート部材１７が案内部１９を中心に回動し、ピン
部２２ｂがプレート部材１７の当接部２０以外の
部分に乗上げスイツチ部２２ａに嵌入して接点を
オフし、一方、シフトレバー１３の操作により変
速機がいずれかのシフト位置からニユートラル位
置へ移行すると、このシフトレバー１３の動きに
追随してプレート部材１７が案内部１９を中心に
回動し、このプレート部材１７の回動によつて当
接部２０がピン部２２ｂに対向する位置に変位す
ることでピン部２２ｂがプレート部材１７の当接
部２０に嵌入して接点をオンし、このことにより
ニユートラル位置を検出するようにしている。

したがつて、上記第１実施例においては、プレ
ート部材１７の当接部２０がピン部２２ｂの対向
位置へ変位することでニユートラルスイツチ２２
のピン部２２ｂがプレート部材１７の当接部２０
へ嵌入してニユートラルスイツチ２２がオンする
ので、ニユートラル位置を検出することができ
る。

その場合、１つのプレート部材１７の移動によ
りニユートラル位置を検出するので、ニユートラ
ルスイツチ２２が単一で済む。しかも、上記プレ
ート部材１７にシフトレバー１３のセレクト方向
の動きを許容する長穴１８が設けられているの
で、ラバーブーツ１６が経年変化等によりその機
能を発揮できないようになつてもニユートラル位
置を確実に検出することができる。

また、プレート部材１７の動きによりニユート
ラル位置を検出するものであるので、構造が簡単
になり、変速機の組付け作業性が向上する。

さらに、第４図〜第６図は第２実施例を示し、
上記第１実施例がプレート部材１７をシフトロツ
ドケース１に回動自在に支持したのに対して、プ
レート部材１７をシフトロツドケース１にスライ
ド可能に支持したものである。すなわち、上記シ
フトロツドケース１の内部においてシフトエンド
９〜１１の上方にはガイドプレート２５がシフト
レバー１３のシフト方向およびセレクト方向への
動きを妨げないように配設されており、該ガイド
プレート２５上にはプレート部材１７が配設され
ている。該プレート部材１７はシフトロツドケー
ス１のシフトロツド軸直交方向の面によりシフト
ロツド軸方向にのみスライドできるようにガイド
されており、このシフトロツドケース１の面がプ
レート部材１７をシフトロツド２〜４のシフト方
向に動けるように支持する案内部１９に形成され
ている。該プレート部材１７には上記第１実施例
と同様に長穴１８が形成されている。さらに、上
記プレート部材１７のシフトロツド軸直交方向の
一端が当接部２０に形成されており、該当接部２
０に対峙するように２方向接点を有するニユート
ラルスイツチ２２が配設されている。該ニユート
ラルスイツチ２２はピン部２２ｂのスイツチ本体
２２ａからの突き出し長さが所定長さであるとき
にはオフになり、突き出し長さが所定長さよりも
長いか短いときにはオンになるものである。すな
わち、変速機がいずれかのシフト位置にあるとき
には、シフトレバー１３の動きに追随してプレー
ト部材１７がシフトロツド軸方向に移動し、この
プレート部材１７のスライド移動により当接部２
０がピン部２２ｂに対して離隔又は接近するよう
変位することでピン部２２ｂの突き出し長さが所
定長さよりも長くなり、または短くなつて接点が
オンになり、一方、シフトレバー１３の操作によ
り変速機がいずれかのシフト位置からニユートラ
ル位置へ移行すると、このシフトレバー１３の動
きに追随してプレート部材１７がシフトロツド軸
方向に移動し、当接部２０に当接するピン部２２
ｂの突き出し長さが所定長さになつて接点がオフ
になり、このことによりニユートラル位置を検出
するようにしている。尚、２６はプレート部材１
７をニユートラルスイツチ側に付勢するためのリ
ターンスプリングである。

したがつて、上記第２実施例においても、プレ
ート部材１７の当接部２０がピン部２２ｂを所定
突出長さにする位置に変位することでニユートラ
ルスイツチ２２がオンするので、ニユートラル位
置を検出することができる。

また、１つのプレート部材１７の移動によりニ
ユートラル位置を検出するので、ニユートラルス
イツチ２２が単一で済むとともに、長穴１８によ
りラバーブーツ１６が経年変化等によりその機能
を発揮できないようになつてもニユートラル位置
を確実に検出することができる。

さらに、プレート部材１７の動きによりニユー
トラル位置を検出するものであるので、構造が簡
単になり、変速機の組付け作業性が向上する。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案の歯車変速機のニ
ユートラル位置検出装置によれば、シフトレバー
のセレクト方向の動きを許容する長穴を有するプ
レート部材を設けるとともに、該プレート部材を
上記シフト方向に動けるように支持する案内部を
設け、かつ上記プレート部材に上記シフトレバー
のシフト方向への操作時に該プレート部材の移動
によつて変位する当接部を設け、ニユートラル位
置にあるときの上記プレート部材の当接部の変位
により作動されてニユートラル位置を検出するニ
ユートラルスイツチを設け、プレート部材の動き
を受けてニユートラルスイツチによりニユートラ
ル位置を検出するようにしたので、変速機の組付
け作業性を向上させながら単一のニユートラルス
イツチでもつてシフトレバーのセレクト方向への
振らつきを規制するための規制部材の作動に関係
なくニユートラル位置を確実に検出することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の第１実施例を例示
し、第１図はシフトロツド軸直交方向の縦断側面
図、第２図はシフトロツド軸方向の縦断側面図、
第３図はプレート部材の平面図である。第４図〜
第６図は本考案の第２実施例を例示し、第４図は
第１図相当図、第５図は第２図相当図、第６図は
第３図相当図である。 １３……シフトレバー、１７……プレート部
材、１８……長穴、１９……案内部、２０……当
接部、２２……ニユートラルスイツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シフトレバー１３のシフト方向への操作により
   変速機のシフト位置を変えるようにした歯車変速
   機において、 上記シフトレバー１３のセレクト方向の動きを
   許容する長穴１８を有するプレート部材１７を設
   けるとともに、 該プレート部材１７を上記シフト方向に動ける
   ように支持する案内部１９を設け、 上記プレート部材１７に、上記シフトレバー１
   ３のシフト方向への操作時に該プレート部材１７
   の移動によつて変位する当接部２０を設け、 ニユートラル位置にあるときの上記プレート部
   材１７の当接部２０の変位により作動されてニユ
   ートラル位置を検出するニユートラルスイツチ２
   ２を設けたことを特徴とする歯車変速機のニユー
   トラル位置検出装置。